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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047635
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/48 20180101AFI20240401BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240401BHJP
   F21V 29/75 20150101ALI20240401BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240401BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240401BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240401BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240401BHJP
   F21W 103/40 20180101ALN20240401BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240401BHJP
【FI】
F21S45/48
F21S43/14
F21V29/75
F21W103:55
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:40
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153233
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
(57)【要約】
【課題】放熱性の向上を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;を具備している。前記放熱部は、板状を呈し、隙間を介して第1の方向に並べて設けられた一対の第1の部分と;板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記一対の第1の部分の一方の端部同士の間に設けられた第2の部分と;板状を呈し、前記第2の方向において、前記一対の第1の部分の他方の端部同士の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;を有する。前記第1の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記放熱部は、
板状を呈し、隙間を介して第1の方向に並べて設けられた一対の第1の部分と;
板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記一対の第1の部分の一方の端部同士の間に設けられた第2の部分と;
板状を呈し、前記第2の方向において、前記一対の第1の部分の他方の端部同士の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;
を有し、
前記第1の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する車両用照明装置。
【請求項2】
板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記放熱部は、
板状を呈する第1の部分と;
板状を呈し、隙間を介して第1の方向に前記第1の部分と並べて設けられた第4の部分と;
板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記第1の部分の一方の端部と、前記第4の部分の一方の端部と、の間に設けられた第2の部分と;
板状を呈し、前記第2の方向において、前記第1の部分の他方の端部と、前記第4の部分の他方の端部と、の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;
を有し、
前記第1の部分、および前記第4の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する車両用照明装置。
【請求項3】
前記第1の部分の、前記フランジ側における前記距離は、前記フランジ側とは反対側における前記距離よりも大きい請求項1または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記第4の部分の、前記フランジ側における前記距離は、前記フランジ側とは反対側における前記距離よりも大きい請求項2記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記第1の方向において、前記第4の部分は、前記第1の部分よりも外側に設けられている請求項2または4に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを有するランプを備えた車両用照明装置に代えて、発光ダイオードなどの発光素子を備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
【0003】
ここで、発光素子に電圧を印加すると、光が照射されるとともに熱が発生する。発生した熱により発光素子の温度が高くなり、例えば、発光素子の温度が最大ジャンクション温度を超えると、発光素子が故障したり、発光素子の寿命が短くなったりする場合がある。
【0004】
そのため、発光素子が設けられた基板は、放熱フィンを有するソケットに設けるようにしている。この様にすれば、発光素子において発生した熱を、ソケットの放熱フィンを介して外部に放熱することができる。そのため、発光素子の温度が高くなり過ぎるのを抑制することができる。
【0005】
ところが、近年においては、車両用照明装置の高光束化が求められており、発光素子に流れる電流が増加する傾向にある。発光素子に流れる電流が増加すると、発生する熱も増加する。
そこで、放熱性の向上を図ることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-247061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、放熱性の向上を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る車両用照明装置は、板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;を具備している。前記放熱部は、板状を呈し、隙間を介して第1の方向に並べて設けられた一対の第1の部分と;板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記一対の第1の部分の一方の端部同士の間に設けられた第2の部分と;板状を呈し、前記第2の方向において、前記一対の第1の部分の他方の端部同士の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;を有する。前記第1の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、放熱性の向上を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式分解図である。
図2図1における車両用照明装置のA-A線断面図である。
図3】比較例に係るソケットを例示するための模式斜視図である。
図4】本実施の形態に係る放熱部を例示するための模式斜視図である。
図5】他の実施形態に係る放熱部を例示するための模式斜視図である。
図6】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、各図中における矢印は、車両用照明装置を車両用灯具の筐体に装着した際の方向を表している。
【0012】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式分解図である。
図2は、図1における車両用照明装置1のA-A線断面図である。
図1、および図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
【0014】
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱部14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱部14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、例えば、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有する。
【0015】
バヨネット12は、例えば、装着部11の側面に設けられる。バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対向している。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を、例えば、後述する車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いられる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0016】
フランジ13は、例えば、板状を呈している。フランジ13は、例えば、略円板状を呈している。フランジ13の側面は、バヨネット12の側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0017】
放熱部14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられる。放熱部14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、図1、および図2に示すように、ソケット10には複数の放熱部14を設けることができる。複数の放熱部14は、例えば、左右方向(第1の方向の一例に相当する)に並べて設けることができる。
なお、放熱部14に関する詳細は後述する。
【0018】
コネクタホルダ15は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。コネクタホルダ15は、放熱部14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
【0019】
ソケット10は、発光モジュール20、および給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。ソケット10は、例えば、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
【0020】
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、例えば、高熱伝導性樹脂から形成することもできる。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン(Nylon)などの樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
【0021】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱部14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱部14、およびコネクタホルダ15は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法を用いて、ソケット10、給電部30、および伝熱部40を一体成形することもできる。
【0022】
発光モジュール20(基板21)は、装着部11の、フランジ13側とは反対側の端部に設けられている。例えば、発光モジュール20は、伝熱部40の上に設けられる。
発光モジュール20は、例えば、基板21、発光素子22、枠部23、封止部24、および回路素子25を有する。
【0023】
基板21は、例えば、伝熱部40の上面に接着される。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。
【0024】
基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状(車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合の形状)は、例えば、略四角形である。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板であってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0025】
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成される。また、配線パターン21aや、後述する膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むことができる。
【0026】
発光素子22は、基板21の上(基板21のソケット10側とは反対側の面)に設けられている。発光素子22は、配線パターン21aと電気的に接続される。
発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。複数の発光素子22を設ける場合には、複数の発光素子22を直列接続することができる。
【0027】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22は、チップ状の発光素子とすることもできるし、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることもできるし、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。図1、および図2に例示をした発光素子22は、チップ状の発光素子である。この場合、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を考慮すると、チップ状の発光素子とすることが好ましい。以下においては、一例として、発光素子22がチップ状の発光素子である場合を説明する。
【0028】
チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により配線パターン21aに実装することができる。チップ状の発光素子22は、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子のいずれであってもよい。
【0029】
枠部23は、基板21の上に設けられている。枠部23は、基板21に接着されている。枠部23は、枠状を呈し、発光素子22を囲んでいる。枠部23は、例えば、樹脂から形成される。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0030】
枠部23は、封止部24の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部23は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。
また、枠部23は、省くこともできる。ただし、枠部23が設けられていれば、発光素子22から照射された光の利用効率を向上させることができる。また、封止部24が形成される範囲を小さくすることができるので、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0031】
封止部24は、枠部23の内側に設けられる。封止部24は、枠部23により囲まれた領域を覆うように設けられる。封止部24は、発光素子22を覆うように設けられる。封止部24は、透光性を有する樹脂を含んでいる。封止部24は、例えば、枠部23の内側に樹脂を充填することで形成される。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行われる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などである。
なお、枠部23が省かれる場合には、例えば、ドーム状の封止部24が基板21の上に形成される。
【0032】
また、封止部24には蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0033】
なお、発光素子22が表面実装型の発光素子であったり、発光素子22が砲弾型などのリード線を有する発光素子であったりする場合には、枠部23、および封止部24を省くことができる。
【0034】
回路素子25は、発光素子22を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。回路素子25は、例えば、枠部23の周辺に設けられ、配線パターン21aと電気的に接続される。回路素子25は、配線パターン21aを介して、発光素子22と電気的に接続されている。
【0035】
回路素子25は、例えば、抵抗25a、保護素子25b、および制御素子25cなどとすることができる。
ただし、回路素子25の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22を有する発光回路の構成に応じて適宜変更することができる。例えば、回路素子25は、前述したものの他に、コンデンサ、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、トランジスタ、集積回路、演算素子などであってもよい。
【0036】
抵抗25aは、基板21の上に設けられている。抵抗25aは、配線パターン21aと電気的に接続される。抵抗25aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗25aは、膜状の抵抗器である。膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)である。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成される。
【0037】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22に直列接続された抵抗25aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗25aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0038】
抵抗25aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗25aを選択する。抵抗25aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗25aの一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、膜状の抵抗器にレーザ光を照射すれば、膜状の抵抗器の一部を容易に除去することができる。なお、抵抗25aの数、配置、大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0039】
保護素子25bは、基板21の上に設けられている。保護素子25bは、配線パターン21aと電気的に接続される。保護素子25bは、例えば、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられる。保護素子25bは、例えば、ダイオードとすることができる。図1に例示をした保護素子25bは、表面実装型のダイオードである。
【0040】
制御素子25cは、基板21の上に設けられている。制御素子25cは、配線パターン21aと電気的に接続される。制御素子25cは、例えば、車両用照明装置1に印加される電圧(入力電圧)に応じて、点灯させる発光素子22の数を変化させる。
【0041】
その他、必要に応じて光学要素を設けることもできる。光学要素は、例えば、封止部24の上に設けることができる。光学要素は、例えば、凸レンズ、凹レンズ、導光体などである。
【0042】
給電部30は、例えば、複数の給電端子31、および保持部32を有する。
複数の給電端子31は、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、例えば、左右向に並べて設けられる。複数の給電端子31の一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子31の一方の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けされる。複数の給電端子31は、配線パターン21aを介して、複数の発光素子22と電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成される。なお、複数の給電端子31の形状、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0043】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素を用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、複数の給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムを用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持する。保持部32は、例えば、絶縁性を有する樹脂から形成される。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔に圧入したり、孔の内壁に接着したりすることができる。
【0044】
伝熱部40は、板状を呈し、ソケット10と、発光モジュール20(基板21)との間に設けられている。例えば、図1、および図2に示すように、伝熱部40は、凹部11aの底面11a1に接着することができる。また、凹部11aの底面11a1に設けられた凹部の内部に、伝熱部40を接着するようにしてもよい。また、凹部11aの底面11a1に設けられた凸状の台座の上に、伝熱部40を接着するようにしてもよい。伝熱部40とソケット10とを接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、前述した、発光モジュール20(基板21)と伝熱部40とを接着する接着剤と同じとすることができる。
【0045】
また、インサート成形法により、伝熱部40とソケット10を一体に成形することもできる。また、熱伝導グリス(放熱グリス)を含む層を介して、伝熱部40をソケット10に取り付けてもよい。熱伝導グリスは、例えば、変性シリコーンに、無機材料を用いたフィラーが混合されたものである。
【0046】
伝熱部40は、発光モジュール20において発生した熱をソケット10に伝えやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成される。例えば、伝熱部40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。
【0047】
なお、例えば、発光モジュール20において発生する熱が比較的少ない場合や、ソケット10が金属から形成される場合などには、伝熱部40が省かれる場合がある。伝熱部40を省く場合には、発光モジュール20(基板21)が、凹部11aの底面11a1などに接着される。
【0048】
ここで、発光素子22に電圧を印加すると、光が照射されるとともに熱が発生する。発生した熱は、基板21、および伝熱部40を介して、ソケット10の装着部11に伝わる。装着部11に伝わった熱は、主に、放熱部14を介して外部に放熱される。
【0049】
また、前述した様に、車両用照明装置1は、ツイストロックにより車両用灯具100の筐体101に装着される。ツイストロックにより車両用照明装置1を筐体101に装着する際には、作業者が放熱部14を掴んで車両用照明装置1を回転させることが多い。そのため、放熱性が高く、且つ、剛性が高い放熱部14とすることが好ましい。
【0050】
図3は、比較例に係るソケット210を例示するための模式斜視図である。
図3に示すように、ソケット210は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱部214、およびコネクタホルダ15を有する。
放熱部214は、複数設けられている。複数の放熱部214は、隙間を介して左右方向に並んでいる。複数の放熱部214は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。複数の放熱部214は、角筒状を呈している。複数の放熱部214の、フランジ13側とは反対側の端部は開口している。
【0051】
複数の放熱部214の外形寸法(前後方向、上下方向(第2の方向の一例に相当する)、および左右方向における放熱部214の外側の寸法)は、同じとなっている。複数の放熱部214の上下方向および前後方向の長さは、左右方向の長さよりも長い。すなわち、放熱部214は、上下方向および前後方向に延びている。
【0052】
次に、比較例に係る放熱部214の作用について説明する。
放熱部214は、角筒状を呈しているので、例えば、板状の放熱フィンよりも剛性を大きくすることができる。そのため、例えば、ツイストロックにより車両用照明装置1を筐体101に装着する際に、作業者が放熱部214を掴んだとしても、放熱部214が破損するのを抑制することができる。
【0053】
また、発光素子22において発生した熱が、基板21、伝熱部40、および装着部11を介して、放熱部214に伝わると、放熱部214に伝わった熱は、放熱部214の内壁面および外壁面から外部に放熱される。
【0054】
ここで、角筒状を呈する放熱部214の場合には、放熱部214の内部空間が内壁面により囲まれる。そのため、放熱部214の端部の開口から、放熱部214の内部空間に外部の空気Gが導入され難くなる。放熱部214の内部空間に外部の空気Gが導入され難くなれば、放熱部214の内壁面を介した放熱が抑制される。そのため、放熱性の向上が困難となる。
【0055】
また、複数の放熱部214は、隙間を介して左右方向に並んでいるので、隣接する放熱部214同士の間の空間に、放熱部214の外壁面から熱が放熱される。隣接する放熱部214同士の間の空間にある空気Gが、外壁面からの熱で暖められると、放熱部214同士の間の空間を上方に流れる空気Gの流れが生じる。隣接する放熱部214同士の間の空間を上方に流れる空気Gは、放熱部214の上側の端部の位置から外部に放出される。
【0056】
しかしながら、角筒状を呈する放熱部214の場合には、図3に示すように、上下方向における空気Gの排出位置が、前後方向において同じとなる。そのため、空気Gの排出位置の近傍において、前後方向における空気Gの流れ同士が干渉して、空気Gの流れに乱れが生じやすくなる。空気Gの流れに乱れが生じると、空気Gの流れが遅くなったり、空気Gが滞留したりする。そのため、放熱性の向上が困難となる。
【0057】
近年においては、車両用照明装置1の高光束化が求められており、発光素子22において発生する熱が増加する傾向にある。そのため、放熱部214の放熱性を向上させることができないと、発光素子22の温度が最大ジャンクション温度を超えるおそれがある。
【0058】
図4は、本実施の形態に係る放熱部14を例示するための模式斜視図である。
図4に示すように、放熱部14は、複数設けられている。複数の放熱部14は、隙間を介して左右方向に並んでいる。複数の放熱部14の外形寸法(前後方向、上下方向、および左右方向における放熱部14の外側の寸法)は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数の放熱部14の上下方向および前後方向の長さは、左右方向の長さよりも長い。すなわち、放熱部14は、上下方向および前後方向に延びている。
【0059】
放熱部14は、第1の部分14a、第2の部分14b、および第3の部分14cを有する。第1の部分14a、第2の部分14b、および第3の部分14cは、一体に形成されている。
【0060】
第1の部分14aは、例えば、板状を呈し、一対設けられている。一対の第1の部分14aは、隙間を介して左右方向に並んでいる。一対の第1の部分14aは、互いに対向している。第1の部分14aの下側の端部は、例えば、フランジ13の面に垂直とすることができる。第1の部分14aは、上下方向において、一方の端部と、他方の端部との間の距離が変化する部分を有する。例えば、第1の部分14aの上側の端部と、第1の部分14aの下側の端部との間の距離は、フランジ13側の端部と、フランジ13側とは反対側の端部との間において変化している。
【0061】
第1の部分14aの、フランジ13側における距離は、フランジ13側とは反対側における距離よりも大きい。例えば、第1の部分14aの上側の端部と、第1の部分14aの下側の端部との間の距離は、フランジ13側の端部における距離L1が、フランジ13側とは反対側の端部における距離L2よりも大きい。この場合、第1の部分14aの上側の端部と、第1の部分14aの下側の端部との間の距離は、漸次変化するようにしてもよいし、段階的に変化してもよい。また、図4に示すように、フランジ13側の端部と、フランジ13側とは反対側の端部との間の一部の領域において、距離が変化するようにしてもよい。また、距離が変化する領域における、第1の部分14aの上側の端部の形状は、図4に示すように、曲線状であってもよいし、あるいは、直線状や階段状であってもよい。
【0062】
第2の部分14bは、板状を呈し、上下方向において、一対の第1の部分14aの下側の端部同士の間に設けられている。第2の部分14bは、図4に示すように、第1の部分14aの下側の端部の全域に設けることもできるし、第1の部分14aの下側の端部の一部の領域に設けることもできる。
【0063】
第3の部分14cは、板状を呈し、上下方向において、一対の第1の部分14aの上側の端部同士の間に設けられている。第3の部分14cは、図4に示すように、第1の部分14aの上側の端部のフランジ13の近傍に設けられている。そのため、一対の第1の部分14a同士の間の空間(放熱部14の内部空間)の上側は、外部の雰囲気と繋がっている。
【0064】
次に、本実施の形態に係る放熱部14の作用について説明する。
放熱部14は、一対の第1の部分14aと、一対の第1の部分14a同士の間に設けられた第2の部分14bおよび第3の部分14cと、を有しているので、例えば、板状の放熱フィンよりも剛性を大きくすることができる。そのため、例えば、ツイストロックにより車両用照明装置1を筐体101に装着する際に、作業者が放熱部14を掴んだとしても、放熱部14が破損するのを抑制することができる。
【0065】
また、発光素子22において発生し、基板21、伝熱部40、および装着部11を介して、放熱部14に伝わった熱は、主に、一対の第1の部分14aから外部に放熱される。
【0066】
この場合、図4に示すように、放熱部14の上側の端部、および、放熱部14の後方側の端部(フランジ13側とは反対側の端部)は開口しているので、一対の第1の部分14a同士の間の空間(放熱部14の内部空間)に外部の空気Gが導入され易くなる。一対の第1の部分14a同士の間の空間に外部の空気Gが導入され易くなれば、一対の第1の部分14aの互いに対向する面を介した放熱が促進される。そのため、放熱性の向上を図ることができる。
【0067】
一対の第1の部分14a同士の間の空間にある空気Gが、放熱された熱で暖められると、一対の第1の部分14a同士の間の空間を上方に流れる空気Gの流れが生じる。また、隣接する放熱部14同士の間の空間にある空気Gが、放熱された熱で暖められると、放熱部14同士の間の空間を上方に流れる空気Gの流れが生じる。
【0068】
前述した様に、第1の部分14aの上側の端部と、第1の部分14aの下側の端部との間の距離は、変化している。そのため、図4に示すように、一対の第1の部分14a同士の間の空間を流れる空気Gの排出位置が、前後方向において異なるようになる。隣接する放熱部14同士の間の空間を流れる空気Gの排出位置が、前後方向において異なるようになる。そのため、前後方向における空気Gの流れ同士が干渉して、空気Gの流れに乱れが生じるのを抑制することができる。空気Gの流れに乱れが生じるのを抑制することができれば、暖められた空気Gの排出が円滑となる。そのため、放熱性の向上を図ることができる。
【0069】
図5は、他の実施形態に係る放熱部114を例示するための模式斜視図である。
なお、図5に示すように、1つのソケット10aに放熱部14と放熱部114を設けることができる。この場合、左右方向に並ぶ放熱部の、中央に設けられた放熱部を放熱部14とし、他の放熱部を放熱部114とすることができる。なお、全ての放熱部を放熱部114とすることもできる。
【0070】
図5に示すように、放熱部114は、複数設けられている。複数の放熱部114は、隙間を介して左右方向に並んでいる。例えば、複数の放熱部114の外形寸法(前後方向、上下方向、および左右方向における放熱部114の外側の寸法)は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数の放熱部114の上下方向および前後方向の長さは、左右方向の長さよりも長い。すなわち、放熱部114は、上下方向および前後方向に延びている。
【0071】
放熱部114は、第1の部分14a、第2の部分14b、第3の部分14c、および第4の部分114aを有する。第1の部分14a、第2の部分14b、第3の部分14c、および第4の部分114aは、一体に形成されている。
【0072】
第4の部分114aは、例えば、板状を呈し、隙間を介して左右方向に第1の部分14aと並べて設けられている。第4の部分114aは、左右方向において第1の部分14aと対向している。左右方向において、第4の部分114aは、第1の部分14aよりも外側に設けられている。
【0073】
第2の部分14bは、板状を呈し、上下方向において、第1の部分14aの下側の端部と、第4の部分114aの下側の端部と、の間に設けられている。
第3の部分14cは、板状を呈し、上下方向において、第1の部分14aの上側の端部と、第4の部分114aの上側の端部と、の間に設けられている。第3の部分14cは、フランジ13の近傍に設けられている。
【0074】
複数の放熱部114を設ける場合には、例えば、ソケット10aの、左右方向の中心軸を対称軸として、線対称となる位置に放熱部114を設けるとともに、放熱部114の形態が線対称となるようにすることができる。
【0075】
図5に示すように、第4の部分114aは、第1の部分14aの、フランジ13側とは反対側の端部の側を切り欠いたものとすることができる。すなわち、前後方向における、第4の部分114a長さL4は、第1の部分14aの長さL3よりも短い。また、第4の部分114aにも、第4の部分114aの上側の端部と、第4の部分114aの下側の端部との間の距離が変化している部分が設けられている。
すなわち、第1の部分14a、および第4の部分114aは、上下方向において、下側の端部と、上側の端部との間の距離が変化する部分を有する。この場合、第4の部分114aの、フランジ13側における距離は、フランジ13側とは反対側における距離よりも大きい。
【0076】
次に、本実施の形態に係る放熱部114の作用について説明する。
放熱部114も、第1の部分14aと第4の部分114aとの間に設けられた第2の部分14bおよび第3の部分14cと、を有しているので、例えば、板状の放熱フィンよりも剛性を大きくすることができる。そのため、例えば、ツイストロックにより車両用照明装置1を筐体101に装着する際に、作業者が放熱部114を掴んだとしても、放熱部114が破損するのを抑制することができる。
【0077】
また、前述した放熱部14と同様に、放熱部114の上側の端部、および、放熱部114の後方側の端部(フランジ13側とは反対側の端部)は開口しているので、第1の部分14aと第4の部分114aとの間の空間(放熱部114の内部空間)に外部の空気Gが導入され易くなる。また、第4の部分114a長さL4は、第1の部分14aの長さL3よりも短いので、第1の部分14aと第4の部分114aとの間の空間に外部の空気Gがさらに導入され易くなる。また、空気Gが、第1の部分14aと第4の部分114aとの間の空間に滞留し難くなる。そのため、放熱性の向上を図ることができる。
【0078】
また、前述した放熱部14と同様に、第1の部分14aと第4の部分114aとの間の空間を流れる空気Gの排出位置が、前後方向において異なるようになる。隣接する放熱部114同士の間の空間、および隣接する放熱部114と放熱部14との間の空間を流れる空気Gの排出位置が、前後方向において異なるようになる。そのため、前後方向における空気Gの流れ同士が干渉して、空気Gの流れに乱れが生じるのを抑制することができる。空気Gの流れに乱れが生じるのを抑制することができれば、暖められた空気Gの排出が円滑となる。そのため、放熱性の向上を図ることができる。
【0079】
また、第4の部分114a長さL4は、第1の部分14aの長さL3よりも短いので、ソケット10aの軽量化、ひいては車両用照明装置1の軽量化を図ることができる。
【0080】
(車両用灯具)
本発明の1つの実施形態において、車両用照明装置1を具備した車両用灯具100を提供することができる。前述した車両用照明装置1に関する説明、および車両用照明装置1の変形例(例えば、放熱部14、および放熱部114)は、いずれも車両用灯具100に適用することができる。
【0081】
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0082】
図6は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図6に示すように、車両用灯具100は、例えば、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を有する。
【0083】
筐体101には、車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。筐体101の底面には、装着部11の、バヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0084】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0085】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられる。カバー102は、透光性樹脂などから形成される。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
【0086】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、図6に例示をした光学要素103はリフレクタである。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成する。
【0087】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられる。シール部材104は、環状を呈し、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成される。
【0088】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0089】
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、車両用灯具100の外部に設けられた点灯回路などが電気的に接続される。そのため、コネクタ105を複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることで、点灯回路などと、発光素子22とを電気的に接続することができる。
【0090】
また、コネクタ105には、シール部材105aが設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が、コネクタホルダ15の内部に挿入された際には、コネクタホルダ15の内部が水密となるように密閉される。
【0091】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0092】
(付記1)
板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記放熱部は、
板状を呈し、隙間を介して第1の方向に並べて設けられた一対の第1の部分と;
板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記一対の第1の部分の一方の端部同士の間に設けられた第2の部分と;
板状を呈し、前記第2の方向において、前記一対の第1の部分の他方の端部同士の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;
を有し、
前記第1の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する車両用照明装置。
【0093】
(付記2)
板状を呈するフランジと、前記フランジの一方の面に設けられた装着部と、前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた放熱部と、を有するソケットと;
前記装着部の、前記フランジ側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
を具備し、
前記放熱部は、
板状を呈する第1の部分と;
板状を呈し、隙間を介して第1の方向に前記第1の部分と並べて設けられた第4の部分と;
板状を呈し、前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記第1の部分の一方の端部と、前記第4の部分の一方の端部と、の間に設けられた第2の部分と;
板状を呈し、前記第2の方向において、前記第1の部分の他方の端部と、前記第4の部分の他方の端部と、の間であって前記フランジの近傍に設けられた第3の部分と;
を有し、
前記第1の部分、および前記第4の部分は、前記第2の方向において、前記一方の端部と、前記他方の端部との間の距離が変化する部分を有する車両用照明装置。
【0094】
(付記3)
前記第1の部分の、前記フランジ側における前記距離は、前記フランジ側とは反対側における前記距離よりも大きい付記1または2に記載の車両用照明装置。
【0095】
(付記4)
前記第4の部分の、前記フランジ側における前記距離は、前記フランジ側とは反対側における前記距離よりも大きい付記2記載の車両用照明装置。
【0096】
(付記5)
前記第1の方向において、前記第4の部分は、前記第1の部分よりも外側に設けられている付記2または4に記載の車両用照明装置。
【0097】
(付記6)
付記1~5のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【0098】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、13 フランジ、14 放熱部、14a 第1の部分、14b 第2の部分、14c 第3の部分、15 コネクタホルダ、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、100 車両用灯具、101 筐体、114 放熱部、114a 第4の部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6