IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置及びプログラム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047666
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/4401 20180101AFI20240401BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240401BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240401BHJP
   G06F 1/30 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G06F9/4401
H04N1/00 885
B41J29/38 104
G06F1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153287
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 拓也
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
5B376
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2C061HT04
2C061HT08
5B011DA01
5B011EA10
5B011EB02
5B011EB08
5B011JA01
5B011MB12
5B376AE02
5B376AE03
5B376AE05
5B376GA01
5C062AA05
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB49
5C062AC22
(57)【要約】
【課題】装置の電源の状態が、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態に移行した場合において、装置への電力の供給が遮断され、その後、装置に電力が供給された場合であっても、第2電源オフ状態からの復帰を可能にすることを目的とする。
【解決手段】電源をオフにする操作が行われて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行する場合、プロセッサは、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことを記録する。情報処理装置への電力の供給が遮断され、その後、情報処理装置に電力が供給された場合において、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、プロセッサは、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
自装置の電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態とが定められており、
前記プロセッサは、
前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、特定の時間帯に自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、前記特定の時間帯以外の時間帯に自装置に電力が供給された場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行することが記録されているか否かに関わらず、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行した時点から予め定められた時間以内に前記電源がオンにされなかった場合において、前記予め定められた時間が経過した場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態と、が定められている装置を制御するコンピュータが、
前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、
前記装置への電力の供給が遮断され、その後、前記装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
ように動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、制御対象ブロック毎に割り付けられた信号線の信号レベルに基づいて、制御対象ブロックを起動制御する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-122752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置の電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態とが、定められることがある。一般的に、電源の状態が第2電源オフ状態のときに電源をオンにする操作が行われてから装置を構成する各ハードウェアの復帰が完了するまでに要する時間は、電源の状態が第1電源オフ状態のときに電源をオンにする操作が行われてから各ハードウェアの復帰が完了するまでに要する時間よりも短い。
【0005】
電源の状態が第2電源オフ状態に移行した場合において、装置への電力の供給が遮断され、その後、装置に電力が供給されると、ハードウェアがリセットされ、電源の状態が第1電源オフ状態に移行する。その後、電源をオンにする操作が行われると、装置は第1電源オフ状態から復帰することになる。そのため、装置が第2電源オフ状態から復帰する場合と比べて、復帰に要する時間が長くなる。
【0006】
本発明の目的は、装置の電源の状態が、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態に移行した場合において、装置への電力の供給が遮断され、その後、装置に電力が供給された場合であっても、第2電源オフ状態からの復帰を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、自装置の電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態とが定められており、前記プロセッサは、前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、情報処理装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、自装置への電力の供給が遮断され、その後、特定の時間帯に自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、自装置への電力の供給が遮断され、その後、前記特定の時間帯以外の時間帯に自装置に電力が供給された場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行することが記録されているか否かに関わらず、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、請求項3に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行した時点から予め定められた時間以内に前記電源がオンにされなかった場合において、前記予め定められた時間が経過した場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態と、が定められている装置を制御するコンピュータが、前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、前記装置への電力の供給が遮断され、その後、前記装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、ように動作させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,6に係る発明によれば、装置の電源の状態が、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態に移行した場合において、装置への電力の供給が遮断され、その後、装置に電力が供給された場合であっても、第2電源オフ状態からの復帰することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動を行うことができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、特定の時間帯に、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、特定の時間帯以外の時間帯にて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行することを防止することができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、予め定められた時間が経過した場合、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る画像形成装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る画像形成装置の機能を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る画像形成装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態に係る情報処理装置について説明する。実施形態に係る情報処理装置は、自装置である情報処理装置に対する電力の供給を制御する機能を有する装置であり、そのような機能を有する装置であればどのような装置であってもよい。
【0020】
ここで、情報処理装置の電源の状態(つまり、電力の供給の状態)について説明する。情報処理装置の電源の状態として、例えば、電源オン状態、全電源オフ状態、副電源オフ状態、及び、サスペンド状態が定められている。もちろん、この電源の状態は一例に過ぎず、別の電源の状態が定められてもよい。
【0021】
電源オン状態は、情報処理装置を構成する各デバイス(つまり各ハードウェア)に電力が供給されて情報処理装置が起動した状態であり、情報処理装置が処理や動作を実行することが可能な状態である。
【0022】
全電源オフ状態は、情報処理装置を構成する各デバイスに電力が全く供給されておらず、各デバイスへの通電が一切ない状態である。例えば、情報処理装置の電源のプラグがコンセントから抜かれた状態が、全電源オフ状態に相当する。
【0023】
副電源オフ状態は、情報処理装置の電源のプラグがコンセントに挿入された状態であり、電源をオンにする操作が行われれば(例えば電源ボタンが押下されれば)、情報処理装置が起動する状態である。例えば、情報処理装置を構成する一部のデバイス(例えば、メモリと、電源ボタンの押下を検出するためのデバイス)のみに電力が供給されて、当該一部のデバイスのみ通電している状態が、副電源オフ状態に相当する。
【0024】
副電源オフ状態においては、デバイス(つまりハードウェア)のリセットとプログラム(つまりソフトウェア)の再起動が行われる。例えば、電源をオフにする操作(例えば電源ボタンの押下)がユーザによって行われて、電源の状態が電源オン状態から副電源オフ状態に移行するときに、デバイスのリセットとプログラムの再起動が行われる。電源の状態が副電源オフ状態のときに電源をオンにする操作(例えば電源ボタンの押下)が行われて、電源の状態が副電源オフ状態から電源オン状態に移行するときに、デバイスのリセットとプログラムの再起動が行われてもよい。
【0025】
つまり、副電源オフ状態は、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴う電源オフ状態であるといえる。プログラムの再起動は、電源の状態が電源オン状態から副電源オフ状態に移行するときに行われてもよいし、電源の状態が副電源オフ状態から電源オン状態に移行するときに行われてもよい。デバイスのリセットも、電源の状態が電源オン状態から副電源オフ状態に移行するときに行われてもよいし、電源の状態が副電源オフ状態から電源オン状態に移行するときに行われてもよい。
【0026】
全電源オフ状態においても、デバイスのリセットとプログラムの再起動が行われる。そのため、全電源オフ状態は、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴う電源オフ状態である。デバイスのリセットとプログラムの再起動は、電源の状態が電源オン状態から全電源オフ状態に移行するときに行われてもよいし、電源の状態が全電源オフ状態から電源オン状態に移行するときに行われてもよい。例えば、電源をオフにする操作が行われると、電源の状態は電源オン状態から副電源オフ状態に移行する。このとき、デバイスのリセットとプログラムの再起動が行われる。その後、電源のプラグがコンセントから抜かれることで、電源の状態は全電源オフ状態に移行する。もちろん、電源をオンにする操作が行われた後に、デバイスのリセットとプログラムの再起動が行われてもよい。
【0027】
電源の状態が副電源オフ状態である場合に電源をオンにする操作(例えば電源ボタンの押下)が行われると、電源の状態は副電源オフ状態から電源オン状態に復帰し、情報処理装置の状態は起動した状態となる。
【0028】
サスペンド状態は、情報処理装置が有するサスペンド機能が実行されることで実現される電源の状態である。サスペンド状態は、情報処理装置の電源のプラグがコンセントに挿入された状態であり、電源をオンにする操作が行われれば(例えば電源ボタンが押下されれば)、情報処理装置が起動する状態である。例えば、情報処理装置を構成する一部のデバイス(例えば、メモリと、電源ボタンの押下を検出するためのデバイス)のみに電力が供給されて、当該一部のデバイスのみ通電している状態が、サスペンド状態に相当する。メモリには、データを保持するために必要な電力が供給される。
【0029】
サスペンド状態においては、副電源オフ状態と異なり、デバイスのリセットとプログラムの再起動は行われない。つまり、サスペンド状態は、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴わない電源オフ状態であるといえる。
【0030】
また、電源をオフする操作(例えば電源ボタンの押下)が行われて、電源の状態が電源オン状態からサスペンド状態に移行するときに、電源の状態がサスペンド状態に移行する前に実行されていた各プログラムの状態(つまり、電源をオフする操作が行われる前に実行されていた各プログラムの状態)を示す情報が、メモリ(例えばRAM(Random Access Memory))に記憶される。
【0031】
電源の状態がサスペンド状態である場合に電源をオンにする操作(例えば電源ボタンの押下)が行われると、電源の状態はサスペンド状態から電源オン状態に復帰し、情報処理装置の状態は起動した状態となる。このとき、各プログラムは再起動させられず、メモリに記憶されていた状態に復帰する。これにより、電源の状態が副電源オフ状態から電源オン状態に復帰する場合と比べて、その復帰の完了に要する時間が短くなる。その意味において、サスペンド機能は、高速起動機能(つまり、情報処理装置を高速に起動させる機能)又は高速復帰機能であるといえる。
【0032】
以下では、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴う電源オフ状態を、「第1電源オフ状態」と称し、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴わない電源オフ状態を、「第2電源オフ状態」と称することとする。上記の例で説明すると、全電源オフ状態と副電源オフ状態は、第1電源オフ状態の一例に相当し、サスペンド状態は、第2電源オフ状態の一例に相当する。もちろん、上述した電源の状態は一例に過ぎず、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴う電源オフ状態が第1電源オフ状態として定められ、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴わない電源オフ状態が第2電源オフ状態として定められる。
【0033】
本実施形態に係る情報処理装置においては、電源をオフにする操作が行われて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行する場合、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録される。その後、情報処理装置への電力の供給が遮断され、更にその後、情報処理装置に電力が供給された場合において、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、電源の状態は第2電源オフ状態に移行させられる。停電、瞬間停電又はコンセントから電源のプラグが抜かれたこと等が、電力の供給が遮断される一例に相当する。
【0034】
情報処理装置への電力の供給が遮断され、その後、情報処理装置に電力が供給された場合において、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、電源の状態は第1電源オフ状態に移行させられる。
【0035】
以下、情報処理装置の一例として画像形成装置を挙げて実施形態について説明するが、実施形態に係る装置は画像形成装置に限定されるものではない。本実施形態は、画像形成装置以外の装置に適用されてもよい。
【0036】
図1には、情報処理装置の一例である画像形成装置10のハードウェアの構成が示されている。画像形成装置10は、例えば、印刷装置12と、画像読取装置14と、FAX装置16と、UI18と、電源ボタン24と、通信I/F26と、RTC28と、メモリ30と、プロセッサ36とを含む。
【0037】
印刷装置12は、画像を用紙等の記録媒体に印刷する。印刷の方式は特に限定されるものではなく、電子写真方式やインクジェット方式等である。画像読取装置14は、例えばスキャナであり、用紙等から画像を読み取る。印刷装置12と画像読取装置14とによって、コピー機能が実現される。FAX装置16は、ファクシミリ機能によって、情報を送信したり受信したりする。図1に示す例では、画像形成装置10は、印刷装置12と画像読取装置14とFAX装置16とを含むが、印刷装置12、画像読取装置14及びFAX装置16の中の少なくとも1つの装置を含んでもよい。画像形成装置10は、印刷装置12、画像読取装置14及びFAX装置16の中の複数の装置を含む複合機であってもよい。
【0038】
UI18は、ユーザインターフェースであり、例えば、表示装置20と操作装置22とを含む。表示装置20は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置22は、キーボード、マウス、入力キー又は操作パネル等である。UI18は、タッチパネルであってもよい。
【0039】
電源ボタン24は、画像形成装置10の電源のオンとオフとを指示するためのボタンである。
【0040】
上述したように、画像形成装置10の電源の状態として、例えば、電源オン状態、全電源オフ状態、副電源オフ状態、及び、サスペンド状態が定められている。
【0041】
サスペンド状態においては、電源ボタン24の押下を検出するためのデバイスとRAM32のみに電力が供給される。RAM32には、データを保持するために必要な電力が供給される。電源の状態が電源オン状態からサスペンド状態に移行するときに、電源の状態がサスペンド状態に移行する前に実行されていた各プログラムの状態(つまり、電源ボタン24を押下する前に実行されていた各プログラムの状態)を示す情報が、RAM32に記憶される。電源の状態がサスペンド状態である場合に電源ボタン24が押下されてその押下が検知されると、電源の状態はサスペンド状態から電源オン状態に復帰し、画像形成装置10の状態は起動した状態となる。このとき、各プログラムは再起動させられず、RAM32に記憶されていた状態に復帰する。
【0042】
画像形成装置10の電源の状態が電源オン状態のときに電源ボタン24が押下されると、画像形成装置10の電源の状態は、電源オン状態から第1電源オフ状態又は第2電源オフ状態に移行する。例えば、画像形成装置10の電源の状態は、電源オン状態から副電源オフ状態又はサスペンド状態に移行する。
【0043】
例えば、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とが不要な場合に電源の状態はサスペンド状態に移行し、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とが必要な場合に電源の状態は副電源オフ状態に移行することが、予め定められている。例えば、ハードウェアのリセットやプログラムの再起動によって解消し得る異常が画像形成装置10に発生した場合が、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とが必要な場合の一例である。画像形成装置10は、自装置である画像形成装置10に発生した異常を検知する機能を有する。このような異常が検知された場合に電源ボタン24が押下されると、電源の状態は副電源オフ状態に移行する。このような異常が検知されていない場合に電源ボタン24が押下されると、電源の状態はサスペンド状態に移行する。もちろん、ここで説明した条件以外の条件に従って、電源の状態が、副電源オフ状態又はサスペンド状態に移行してもよい。その条件が、ユーザによって設定されてもよい。
【0044】
画像形成装置10の電源の状態が第1電源オフ状態又は第2電源オフ状態のときに電源ボタン24が押下されると、画像形成装置10の電源の状態は、第1電源オフ状態又は第2電源オフ状態から電源オン状態に移行する。画像形成装置10の電源の状態が副電源オフ状態のときに電源ボタン24が押下されると、画像形成装置10の電源の状態は、副電源オフ状態から電源オン状態に移行する。画像形成装置10の電源の状態がサスペンド状態のときに電源ボタン24が押下されると、画像形成装置10の電源の状態は、サスペンド状態から電源オン状態に移行する。具体的には、各デバイスの復帰処理と各プログラムの復帰処理が行われる。デバイスの復帰処理では、デバイスに電力が供給される。デバイスに電力が供給されて復帰が完了すると、当該デバイスの使用が可能となる。プログラムの復帰処理では、プログラムが起動させられる。その起動が完了すると、当該プログラムの使用が可能となる。サスペンド状態では、プログラムは、RAM32に記憶されている状態に復帰する。
【0045】
通信I/F26は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信I/F26は、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等の無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。
【0046】
RTC28は、リアルタイムクロックであり、クロック源から時刻や年月日等の情報を生成して出力する。
【0047】
メモリ30は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ30は、RAM32と不揮発性メモリ34を含む。不揮発性メモリ34として、例えば、EEPROM又はフラッシュメモリ等が用いられる。また、メモリ30は、画像形成装置10を起動させるためのプログラムを記憶したBoot ROM(Read Only Memory)を含む。メモリ30は、更に、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAM32以外のメモリ、又は、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)等を含んでもよい。
【0048】
電源をオフにする操作が行われて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行する場合、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことを示す情報が、不揮発性メモリ34に記憶される。具体的には、第2電源オフ状態はサスペンド状態であり、電源の状態がサスペンド状態に移行したことを示す情報が、不揮発性メモリ34に記憶される。以下、電源の状態が第2電源オフ状態(つまりサスペンド状態)に移行したことを示す情報を、「サスペンド情報」と称することとする。以下では、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されることを、サスペンドフラグを設定する、又は、サスペンドフラグを立てる、と称することがある。
【0049】
プロセッサ36は、画像形成装置10の各部の動作を制御する。例えば、プロセッサ36は、印刷装置12による印刷を制御したり、画像読取装置14による画像の読み取りを制御したり、FAX装置16による情報の送受信を制御したり、通信I/F26による通信を制御したりする。
【0050】
また、電源をオフにする操作が行われて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行する場合、プロセッサ36は、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことを示すサスペンド情報を、不揮発性メモリ34に記憶させる。その後、停電等に起因して画像形成装置10への電力の供給が遮断され、更にその後、画像形成装置10に電力が供給された場合において、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されている場合、プロセッサ36は、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させる。サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されていない場合、プロセッサ36は、電源の状態を第1電源オフ状態に移行させる。
【0051】
印刷装置12、画像読取装置14、FAX装置16、UI18、電源ボタン24、通信I/F26、RTC28、メモリ30及びプロセッサ36のそれぞれが、画像形成装置10を構成するデバイスの一例に相当する。
【0052】
図2には、画像形成装置10の機能の一例が示されている。
【0053】
印刷制御部38は、印刷装置12による印刷を制御する。画像読取制御部40は、画像読取装置14による画像の読み取りを制御する。FAX制御部42は、FAX装置16による情報の送受信を制御する。タイマー制御部44は、RTC28からの出力に基づいて時間を管理する。ジョブ制御部46は、画像形成装置10によって実行されるジョブ(例えば印刷ジョブ等)の実行を制御する。保守サービス制御部48は、画像形成装置10の保守サービスの実行等を制御する。システム制御部50は、画像形成装置10の全体のシステムを制御する。通信部52は、通信I/F26を用いて通信を行う。指示部54は、各種の指示を受け付けて各部に出力する。記録部56は、電源の状態が第2電源オフ状態(つまりサスペンド状態)に移行したことを記録する。
【0054】
以下、図3を参照して、画像形成装置10の動作について説明する。図3には、画像形成装置10の動作の流れを示すフローチャートが示されている。
【0055】
画像形成装置10の電源の状態が電源オン状態のときに、電源をオフにする操作がユーザによって行われる(S01)。具体的には、電源ボタン24がユーザによって押下される。
【0056】
電源をオフにする操作が行われると、プロセッサ36は、第2電源オフ状態に移行することが可能か否かを判断する(S02)。例えば、画像形成装置10に異常が発生していない場合、プロセッサ36は、第2電源オフ状態(具体的にはサスペンド状態)に移行することが可能であると判断する。ハードウェアのリセットやプログラムの再起動によって解消し得る異常が画像形成装置10に発生して検知されている場合、プロセッサ36は、第2電源オフ状態に移行することが不可能であると判断する。
【0057】
第2電源オフ状態に移行することが可能である場合(S02,Yes)、プロセッサ36は、第2電源オフ状態への移行処理Aを実行する(S03)。具体的には、プロセッサ36は、電源の状態をオン状態からサスペンド状態に移行させる。
【0058】
また、プロセッサ36は、サスペンド情報を不揮発性メモリ34に記憶させる(S04)。これにより、サスペンドフラグが設定される。
【0059】
第2電源オフ状態(つまりサスペンド状態)(S05)においては、電源ボタン24の押下を検出するためのデバイスとRAM32のみに電力が供給される。RAM32には、データを保持するために必要な電力が供給される。電源の状態が電源オン状態からサスペンド状態に移行するときに、電源の状態がサスペンド状態に移行する前に実行されていた各プログラムの状態(つまり、電源ボタン24を押下する前に実行されていた各プログラムの状態)を示す情報が、RAM32に記憶される。
【0060】
電源の状態が第2電源オフ状態である場合に、電源をオンにする操作が行われると(例えば電源ボタン24が押下されると)(S05)、プロセッサ36は、サスペンドフラグを削除する(S06)。つまり、プロセッサ36は、サスペンド情報を不揮発性メモリ34から削除する。また、プロセッサ36は、対象情報を初期化する(S07)。初期化は、電源の状態が電源オン状態からサスペンド状態に移行するときに行われてもよい。
【0061】
次に、プロセッサ36は、第2電源オフ状態からの起動処理を実行する(S08)。これにより、画像形成装置10に含まれる各デバイスに電力が供給される。デバイスに電力が供給されて復帰が完了すると、当該デバイスの使用が可能となる。各プログラムは再起動させられず、RAM32に記憶されていた状態に復帰する。起動処理を実行することで、画像形成装置10が起動する(S09)。第2電源オフ状態から電源オン状態に復帰するため、第1電源オフ状態から電源オン状態に復帰する場合と比べて、その復帰に要する時間が短くなる。
【0062】
第2電源オン状態に移行することが不可能である場合(S02,No)、プロセッサ36は、第1電源オフ状態への移行処理を実行する(S10)。これにより、デバイス(つまりハードウェア)がリセットされ(S11)、RAM32に記憶されていた情報が消去される。ここでは、プロセッサ36は、電源の状態を電源オン状態から副電源オフ状態に移行させる。
【0063】
次に、プロセッサ36は、サスペンドフラグが設定されているか否かを判断する(S12)。つまり、プロセッサ36は、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されているか否かを判断する。
【0064】
処理はステップS10を経由しているため、サスペンド情報は不揮発性メモリ34に記憶されていない(S12,No)。この場合、処理はステップS13に移行する。第1電源オフ状態への移行処理によって、電源の状態は第1電源オフ状態(例えば副電源オフ状態)となる(S13)。
【0065】
電源の状態が第1電源オフ状態である場合に、電源をオンにする操作が行われると(例えば電源ボタン24が押下されると)、プログラムが起動させられる(S14)。ここでの起動は、プログラムの再起動に相当する。なお、プログラムの再起動は、電源の状態が第1電源オフ状態になる前に行われてもよい。例えば、ハードウェアのリセットと共にプログラムの再起動が行われてもよい(S11)。
【0066】
プロセッサ36は、第1電源オフ状態からの起動処理を実行する(S15)。これにより、画像形成装置10に含まれる各デバイスに電力が供給される。デバイスに電力が供給されて復帰が完了すると、当該デバイスの使用が可能となる。起動処理を実行することで、画像形成装置10が起動する(S09)。
【0067】
電源の状態が第2電源オフ状態である場合に、停電等に起因して画像形成装置10への電力の供給が遮断された場合(S16)、処理はステップS11に移行する。つまり、画像形成装置10への電力の供給が遮断されると、デバイス(つまりハードウェア)がリセットされ(S11)、RAM32への電力も遮断されるため、RAM32に記憶されていた情報が消去される。一方で、サスペンド情報は不揮発性メモリ34に記憶されているため、画像形成装置10への電力の供給が遮断されても、サスペンド情報は消去されない。
【0068】
その後、画像形成装置10に電力が供給されると、プロセッサ36は、サスペンドフラグが設定されているか否かを判断する(S12)。
【0069】
処理はステップS04,S05を経由しているため、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されている(S12,Yes)。この場合、処理はステップS17に移行する。
【0070】
プロセッサ36は、第2電源オフ状態(具体的にはサスペンド情報)への移行処理Bを実行する(S17)。移行処理Bは、サスペンド状態に必要なRAM32の状態を作成する処理である。具体的には、プロセッサ36は、画像形成装置10にインストールされている各プログラムが起動したときの状態を示す情報を、RAM32に記憶させる。また、画像形成装置10を構成する一部のデバイス(例えば、RAM32と、電源ボタン24の押下を検出するためのデバイス)のみに電力が供給される。RAM32には、データを保持するために必要な電力が供給される。ステップS17の後、処理はステップS05に移行する。
【0071】
電源の状態が第2電源オフ状態である場合に、電源をオンにする操作が行われると、ステップS06以降の処理が実行される。その結果、画像形成装置10は、第2電源オフ状態から起動する。移行処理Bが実行されることで、各プログラムが起動したときの状態を示す情報がRAM32に記憶されているため、各プログラムは再起動させられず、RAM32に記憶されていた状態に復帰する。
【0072】
このように、電源の状態が第2電源オフ状態に移行するときに、サスペンド情報を不揮発性メモリ34に記憶させておくことで、画像形成装置10への電力の供給が遮断されても、画像形成装置10は、第2電源オフ状態から電源オン状態に復帰する。その結果、画像形成装置10への電力の供給が遮断されても、第1電源オフ状態から電源オン状態に復帰する場合と比べて、その復帰に要する時間が短くなる。
【0073】
一方、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されていない場合(S12,No)、画像形成装置10は、第1電源オフ状態に移行し、第1電源オフ状態から電源オン状態に復帰する。
【0074】
以下、変形例について説明する。
【0075】
(変形例1)
変形例1では、画像形成装置10の電力の供給が遮断され、その後、特定の時間帯に画像形成装置10に電力が供給された場合において、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されている場合、プロセッサ36は、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させる。以下、変形例1について詳しく説明する。特定の時間帯は、予め定められた時間帯であり、ユーザによって変更されてもよい。
【0076】
画像形成装置10の電源の状態は、第2電源オフ状態である(S05)。サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されている。画像形成装置10への電力の供給が遮断され(S16)、処理はステップS11に移行する。その後、特定の時間帯に画像形成装置10に電力が供給された場合、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されていると(S12,Yes)、プロセッサ36は、第2電源オフ状態への移行処理Bを実行する(S17)。その後、電源をオンにする操作が行われると、画像形成装置10は、第2電源オフ状態から電源オン状態に復帰する(S08,S09)。
【0077】
一方、特定の時間帯以外の時間帯に画像形成装置10に電力が供給された場合、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されているか否かに関わらず、プロセッサ36は、電源の状態を第1電源オフ状態に移行させる。この場合、ステップS13~S15の処理が実行される。
【0078】
特定の時間帯は、例えば、ユーザが画像形成装置10を使用しないと想定される時間帯(例えば、22:00~4:00や深夜等)である。つまり、電力が供給された時間帯が、深夜であれば、第2電源オフ状態への移行処理Bが実行され、深夜以外の時間帯であれば、サスペンド情報が不揮発性メモリ34に記憶されているか否かに関わらず、電源の状態は第1電源オフ状態に移行させられる。
【0079】
画像形成装置10においては、画像形成装置10への電力供給の遮断(S16)が、ユーザが意図した遮断であるのか否かが検知されない。例えば、停電に起因して電力の供給が遮断される場合もあれば、ユーザが電源のプラグをコンセントから抜くことで、電力の供給が遮断される場合もある。仮に、ユーザが電源のプラグをコンセントから抜く等して、意図的に画像形成装置10への電力の供給を遮断した場合について説明する。この場合、ユーザが電源のプラグをコンセントに挿しただけで、画像形成装置10が第2電源オフ状態から起動するため、ユーザは画像形成装置10が急に起動したと考えることが想定される。つまり、ユーザの予測に反して画像形成装置10が動作することになる。このような事態を回避するために、ユーザが画像形成装置10を使用しないと想定される特定の時間帯が設定され、その特定の時間帯に、画像形成装置10に電力が供給された場合、プロセッサ36は、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させる。特定の時間帯以外の時間帯は、ユーザが画像形成装置10を使用すると想定される時間帯であるため、特定の時間帯以外の時間帯では、プロセッサ36は、電源の状態を第1電源オフ状態に移行させる。これにより、ユーザが画像形成装置10を使用すると想定される時間帯にて、ユーザの予測に反して画像形成装置10が起動することが防止される。
【0080】
(変形例2)
本実施形態に係る処理を実行するか否かが、ユーザによって設定されてもよい。具体的には、ステップS04,S12,S17の処理を実行するか否かが、ユーザによって設定されてもよい。
【0081】
ステップS04,S12,S17の機能がユーザによってオフに設定されると、ステップS04,S12,S17の処理は実行されない。これにより、電源の状態が第2電源オフ状態である場合に画像形成装置10への電力の供給が遮断されると、電源の状態は第2電源オフ状態に移行せずに、第1電源オフ状態に移行する。
【0082】
ステップS04,S12,S17の機能がユーザによってオンに設定されると、ステップS04.S12,S17の処理が実行される。
【0083】
本実施形態に係る処理を実行するか否かがユーザによって設定されることで、ユーザの予測に反して画像形成装置10が起動することが防止される。
【0084】
(変形例3)
電源の状態が第2電源オフ状態に移行した時点から予め定められた時間以内に電源がオンにされなかった場合において、当該予め定められた時間が経過した場合、プロセッサ36は、電源の状態を第1電源オフ状態に移行させてもよい。予め定められた時間は、ユーザによって変更されてもよい。例えば、予め定められた時間は、1週間や1カ月等である。
【0085】
予め定められた時間以内に電源がオンにされなかった場合、その間、画像形成装置10は使用されていないことになる。この場合、一旦、デバイスのリセットやプログラムの再起動を行った方が、画像形成装置10の動作が安定することがあり得る。そこで、プロセッサ36は、予め定められた時間が経過した場合、電源の状態を第1電源オフ状態に移行させる。
【0086】
(変形例4)
電源の状態が第2電源オフ状態に連続して移行した回数が、閾値以上である場合、第2電源オフ状態に移行する条件を満たす場合であっても、プロセッサ36は、サスペンド情報を不揮発性メモリ34に記憶させない。これにより、電力の供給が遮断された後、電力が供給されても、電源の状態は第2電源オフ状態に移行せずに、第1電源オフ状態に移行する。その連続の回数が閾値以上となる場合、一旦、デバイスのリセットやプログラムの再起動を行った方が、画像形成装置10の動作が安定することがあり得る。そこで、その連続の回数が閾値以上となった場合、プロセッサ36は、サスペンド情報を不揮発性メモリ34に記憶させない。これにより、電源の状態は、デバイスのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態に移行する。閾値は、予め設定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
【0087】
以下、本実施形態の適用例について説明する。
【0088】
(適用例1)
ユーザ(例えば社員)は、退勤時に、画像形成装置10の電源の状態をサスペンド状態に移行させた。深夜に停電が発生し、画像形成装置10への電力の供給が遮断した。その後、停電が復旧し、その復旧に伴い画像形成装置10に電力が供給され、電源の状態はサスペンド状態に移行した。翌日、ユーザが出勤したときに画像形成装置10の電源をオンにすると、画像形成装置10は、サスペンド状態から電源オン状態に復帰した。これにより、停電が発生しても、高速起動が実現される。
【0089】
(適用例2)
ユーザは、画像形成装置10を新規に購入した。ユーザが、画像形成装置10の電源のプラグをコンセントに挿し、電源ボタン24を押下すると、画像形成装置10は、第1電源オフ状態から起動した。この場合、電源の状態はサスペンド状態でないため、画像形成装置10は、サスペンド状態から起動しない。よって、ユーザの予測に反して画像形成装置10が起動することが防止される。
【0090】
(適用例3)
適用例3は、変形例1の適用例である。
【0091】
会社のレイアウトの変更に伴って画像形成装置10を移動させるために、ユーザは、画像形成装置10の電源の状態をサスペンド状態に移行させ、電源のプラグをコンセントから抜いた。ユーザは、画像形成装置10を移動させた後、電源のプラグをコンセントに挿した。ユーザが電源のプラグをコンセントに挿した時間帯は、特定の時間帯以外の時間帯である。ユーザが電源ボタン24を押下すると、画像形成装置10は、第1電源オフ状態から起動した。これにより、ユーザの予測に反して画像形成装置10が起動することが防止される。
【0092】
画像形成装置10の各機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。例えば、画像形成装置10のプロセッサ36が、メモリ30に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置10の各機能が実現される。プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、メモリに記憶される。
【0093】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0094】
(付記)
(((1)))
プロセッサを有し、
自装置の電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態とが定められており、
前記プロセッサは、
前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、特定の時間帯に自装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
自装置への電力の供給が遮断され、その後、前記特定の時間帯以外の時間帯に自装置に電力が供給された場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行することが記録されているか否かに関わらず、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
(((3)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行した時点から予め定められた時間以内に前記電源がオンにされなかった場合において、前記予め定められた時間が経過した場合、前記電源の状態を前記第1電源オフ状態に移行させる、
(((1)))から(((4)))のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(((6)))
電源の状態として、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴う第1電源オフ状態と、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態と、が定められている装置を制御するコンピュータが、
前記電源をオフにする操作が行われて、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行する場合、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことを記録し、
前記装置への電力の供給が遮断され、その後、前記装置に電力が供給された場合において、前記電源の状態が前記第2電源オフ状態に移行したことが記録されている場合、前記電源の状態を前記第2電源オフ状態に移行させる、
ように動作させるプログラム。
【0095】
(((1)))に係る情報処理装置又は(((6)))に係るプログラムによれば、装置の電源の状態が、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動とを伴わない第2電源オフ状態に移行した場合において、装置への電力の供給が遮断され、その後、装置に電力が供給された場合であっても、第2電源オフ状態からの復帰することができる。
(((2)))に係る情報処理装置によれば、電源の状態が第2電源オフ状態に移行したことが記録されていない場合、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動を行うことができる。
(((3)))に係る情報処理装置によれば、特定の時間帯に、電源の状態を第2電源オフ状態に移行させることができる。
(((4)))に係る情報処理装置によれば、特定の時間帯以外の時間帯にて、電源の状態が第2電源オフ状態に移行することを防止することができる。
(((5)))に係る情報処理装置によれば、予め定められた時間が経過した場合、ハードウェアのリセットとプログラムの再起動を行うことができる。
【符号の説明】
【0096】
10 画像形成装置、24 電源ボタン、30 メモリ、34 不揮発性メモリ、36 プロセッサ。
図1
図2
図3