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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004767
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240110BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240110BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 378
G06F3/12 303
B41J29/00 E
B41J29/38 601
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104580
(22)【出願日】2022-06-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新田 大地
(72)【発明者】
【氏名】米川 裕貴
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AS06
2C061AS11
2C061CG01
2C061CG15
2C061HN05
2C061HP04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】印刷を行うページの識別情報とそのページへの印刷内容を対応させることが可能な画像形成システムを提供すること。
【解決手段】画像形成システムは、印刷媒体に含まれるページ識別情報を取得するページ識別情報取得部と、印刷媒体を搬送し、ページ識別情報取得部が印刷媒体からページ識別情報を取得可能な位置まで印刷媒体を搬送する印刷媒体搬送部と、ページ識別情報取得部によって取得したページ識別情報を用いて1ページ分の印刷データを作成する印刷データ作成モジュールと、印刷データ作成モジュールで作成した印刷データを印刷媒体に印刷する印刷部と、を有し、印刷媒体搬送部による搬送と、ページ識別情報取得部によるページ識別情報取得と、印刷データ作成モジュールによる印刷データ作成と、印刷部による印刷と、をひとつの処理として、処理を任意の回数だけ繰り返す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ毎にユニークな識別情報を含む印刷媒体に、識別情報に対応した印刷データを印刷する画像形成システムであって、
前記印刷媒体に含まれるページ識別情報を取得するページ識別情報取得部と、
前記印刷媒体を搬送し、前記ページ識別情報取得部が前記印刷媒体からページ識別情報を取得可能な位置まで前記印刷媒体を搬送する印刷媒体搬送部と、
前記ページ識別情報取得部によって取得したページ識別情報を用いて1ページ分の印刷データを作成する印刷データ作成モジュールと、
前記印刷データ作成モジュールで作成した印刷データを前記印刷媒体に印刷する印刷部と、
を有し、
前記印刷媒体搬送部による搬送と、前記ページ識別情報取得部によるページ識別情報取得と、前記印刷データ作成モジュールによる印刷データ作成と、前記印刷部による印刷と、をひとつの処理として、前記処理を任意の回数だけ繰り返すことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記印刷部による印刷処理が完了したことを検知する印刷完了確認モジュールを有し、該印刷完了確認モジュールが印刷処理の完了を検知したことに応じて、次のページにかかる前記印刷データ作成処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記ページ識別情報取得部は、印刷媒体のページ毎に設けられたRFIDタグとの間で通信を行う近距離無線通信部であり、前記印刷媒体のページ識別情報は、印刷媒体のページ毎に設けられた前記RFIDタグに記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
差し込み印刷に用いる差し込みデータを受け取るとともに前記差し込みデータを受け取ったことを検知する差し込みデータ検知モジュールと、
前記差し込みデータ検知モジュールが受け取った前記差し込みデータを加工するデータ加工モジュールと、
を有し、
前記データ加工モジュールは、前記差し込みデータ検知モジュールが受け取った前記差し込みデータら次に印刷する1ページ分のデータを切り出し、前記切り出したデータに前記ページ識別情報取得部が取得したページ識別情報を付加する加工を行い、前記印刷データ作成モジュールは、前記データ加工モジュールが加工を行ったデータを用いて、1ページ分の印刷データを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記差し込みデータ検知モジュールは、予め決められたフォルダーを監視し、フォルダーに任意のファイルが配置された際にファイルを検出し、差し込みデータとして受け取ることを特徴とする請求項4に画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグつきラベル用紙のような、ページ毎に識別情報を持った媒体に連続印刷を行う画像形成システムが提案されている。ロール状の連続した印刷媒体にページ毎の識別情報と結び付けた印刷内容を印刷する場合、印刷を行うページの識別情報とそのページへの印刷内容を対応させることが重要となる。
【0003】
特許文献1では、この問題を解決するために、ロール状の連続した印刷媒体にページ毎の識別情報と結び付けた印刷内容を印刷する場合において、印刷不可ページを検出した際に該当印刷データを直後のページに印刷せず、連続印刷終了後の後端などの別の領域に印刷することで、印刷媒体のページ識別情報と印刷データとが対応しない印刷を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-199305
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、ページ識別情報と印刷データとが結び付けられている領域に印刷不可のページがあった場合、そのページの印刷データをページ識別情報と印刷データとが結び付けられていない領域に印刷してしまう。そのため、印刷媒体のページ識別情報と印刷データとが対応しないページが生じてしまうという課題があった。
【0006】
本発明は上記の問題を解決することを課題とし、印刷を行うページの識別情報とそのページへの印刷内容を対応させることが可能な画像形成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、ページ毎にユニークな識別情報を含む印刷媒体に、識別情報に対応した印刷データを印刷する画像形成システムであって、前記印刷媒体に含まれるページ識別情報を取得するページ識別情報取得部と、前記印刷媒体を搬送し、前記ページ識別情報取得部が前記印刷媒体からページ識別情報を取得可能な位置まで前記印刷媒体を搬送する印刷媒体搬送部と、前記ページ識別情報取得部によって取得したページ識別情報を用いて1ページ分の印刷データを作成する印刷データ作成モジュールと、前記印刷データ作成モジュールで作成した印刷データを前記印刷媒体に印刷する印刷部と、を有し、前記印刷媒体搬送部による搬送と、前記ページ識別情報取得部によるページ識別情報取得と、前記印刷データ作成モジュールによる印刷データ作成と、前記印刷部による印刷と、をひとつの処理として、前記処理を任意の回数だけ繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷を行うページの識別情報とそのページへの印刷内容を対応させることが可能な画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施例における、画像形成システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の第一の実施例における、ブロック図である。
図3】本発明の第一の実施例における、画像形成処理を示すシーケンス図である。
図4】本発明の第一の実施例における、出力結果の例を示す図である。
図5】本発明の第二の実施例における、プログラム記憶部内の構成例を示す図である。
図6】本発明の第二の実施例における、画像形成処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
本実施例では、上位システムから受け取った差し込みデータを任意のデザインに差し込んで、RFIDタグ付きの連続紙に対して差し込み印刷を行う印刷システムにおいて、上位システムから受け取った差し込みデータを1レコード毎に分割し、分割したデータにRFIDタグ付き連続紙のRFIDタグから読み取ったページ毎のユニークIDを付加し、1レコード毎にプリンターの印刷処理完了を待ちながら印刷処理を実行する。ここで、差し込み印刷とは、デザインや定型文などの共通の印刷データに、ページ毎に異なる印刷データを差し込んで、各ページの印刷を行う印刷方法のことを指す。
【0011】
なお、本実施例では近距離無線通信部としてRFIDリーダーを用いた近距離無線通信を行い、RFIDタグ付き連続紙からページ毎のユニークIDを取得する例を示すが、本発明は上記に限定されず、たとえばページ毎にユニークな2次元コードがプレ印刷された連続紙からカメラを使ってページ毎ユニーク情報を取得するなど、ページ毎のページ識別情報を取得可能な構成であれば、他の構成であっても良い。
【0012】
第一の実施例では、情報処理装置内の処理をひとつのアプリケーションプログラムで実行する。図1は、本発明の第一の実施例における、画像形成システムの構成を示す図である。
画像形成システムは、情報処理装置11と、画像形成装置12と、RFIDリーダー13と、上位システム14を有する。情報処理装置11は例えばPCであり、画像形成装置12は例えばインクジェットプリンタである。
【0013】
図2は、本実施例の構成を示すブロック図である。情報処理装置11は、CPU111とプログラム記憶部112とRAM113と通信部114を有する。プログラム記憶部112は、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶媒体であり、RAM113は揮発性記憶媒体である。
【0014】
CPU111は、プログラム記憶部112に記憶されているプログラムをRAM113に展開し、展開したプログラムを実行して情報処理装置11の各部を制御する。通信部114は画像形成装置12の通信部122およびRFIDリーダー13の通信部132と接続され、画像形成装置12と印刷データや動作命令などを通信したり、RFIDリーダー13とRFIDタグ情報データを通信したりする。
【0015】
RAM113に展開されたプログラム1120は、差し込みデータ検知モジュール1121と、印刷デザイン決定モジュール1122と、用紙搬送制御モジュール1123と、RFIDリーダー制御モジュール1124と、差し込みデータ加工モジュール1125と、印刷データ作成モジュール1126と、印刷完了確認モジュール1127を有する。なお、モジュールとはプログラム上で特定の機能を持ったひとまとまりの構成要素のことである。各モジュールはCPU111によって実行される。
【0016】
差し込みデータ検知モジュール1121は上位システム14から送信される差し込みデータの受信を検知し、本システムによる差し込み印刷を開始する処理を行う。なお、本実施例において上位システム14は、情報処理装置11と同一のPC上に構成されるが、情報処理装置11とネットワーク接続された別の情報処理装置、あるいはクラウド上に構成されるものでも良い。
【0017】
印刷デザイン決定モジュール1122は、差し込みデータ検知モジュール1121が受信した差込データに基づいて、差し込み印刷に使用する印刷デザインデータを決定する。
【0018】
用紙搬送制御モジュール1123は、情報処理装置11の通信部114から画像形成装置12の通信部122へ、用紙搬送命令を送信する。画像形成装置12のCPU121は、通信部112が受信した用紙搬送命令に基づいて、印刷媒体搬送部としての用紙搬送部126に用紙を搬送させる。
【0019】
RFIDリーダー13において、RFIDリーダー制御モジュール1124は情報処理装置11の通信部114からRFIDリーダー13の通信部132へ、タグ情報読み取り命令を送信する。通信部132がタグ読取情報を受信すると、ページ識別情報取得部としてのタグ情報読み取り部131はRFIDタグを読み取って、読み取り結果を通信部132から通信部114へ送信する。
【0020】
差し込みデータ加工モジュール1125は、差し込みデータ検知モジュール1121が上位システム14から受け取った差し込みデータを1ページ分のデータである1レコード毎に分割し、分割後のレコードデータにRFIDリーダー制御部1124が受け取ったタグ情報を付与し、加工後データ(タグ情報付きデータ)を作成する。印刷データ作成モジュール1126は、印刷デザイン決定モジュール1122で決定したデザインデータに差し込みデータ加工モジュール1125が加工したタグ情報付きデータを差し込んで印刷データを作成する印刷データ作成処理を行い、印刷データを印刷命令と共に通信部114から通信部122へ送信する。通信部122が印刷命令と印刷データを受信すると、画像形成装置12は印刷を開始する。
【0021】
印刷完了確認モジュール1127は通信部114および通信部122を通して画像形成装置12の状態を確認し、画像形成装置12の印刷部125が印刷処理を完了したことを検知する。具体的には、印刷部125の印刷処理が完了すると、画像形成装置のCPU121はRAM124に完了フラグを書き込む。印刷完了確認モジュール1127は、所定時間毎にRAM124の完了フラグを監視し、完了フラグが書き込まれた場合、これを検知する。なお、印刷部125の印刷処理が完了した後に、CPU121が通信部122から通信部114へ印刷完了通知を送信し、印刷完了確認モジュール1127がこの印刷完了通知を受け取ることで、印刷部125の印刷処理が完了したことを検知するようにしてもよい。
【0022】
CPU111は、印刷完了確認モジュール1127がRAM124に書き込まれた完了フラグを検知したことに応じて、差し込みデータ加工モジュール1125に次のページ用のタグ情報付きデータを作成させる。
【0023】
画像形成装置12は、CPU121と通信部122とプログラム記憶部123とRAM124と、印刷部125と、用紙搬送部126を有する。CPU121は、プログラム記憶部123記憶されているプログラムをRAM124に展開し、展開したプログラムを実行して画像形成装置12の各部を制御する。通信部122は通信部114を通して情報処理装置11と接続され、用紙搬送制御部1123や印刷データ作成モジュール1126からの用紙搬送命令や印刷命令を受信する。印刷部125は情報処理装置11から受け取った印刷命令に従って印刷を実行する。用紙搬送部126は用紙搬送制御モジュール1123から受け取った用紙搬送指示に従って、RFIDリーダー13がRFIDタグを読み取れる位置までプリンターにセットされたRFIDタグつき連続紙を搬送するとともに、印刷命令に従ってRFIDタグつき連続紙を搬送する。
【0024】
RFIDリーダー13は、タグ情報読み取り部131と通信部132を有する。
タグ情報読み取り部131は、RFIDリーダー制御モジュール1124の指示に従って用紙搬送部126にセットされているRFIDタグつき連続紙のタグ情報を読み取り、読み取り結果をRFIDリーダー制御部に返却する。通信部132は通信部114を通じて情報処理装置12と接続され、2者の間でRFIDタグ情報データを通信する。
【0025】
上位システム14は、任意の方法でプログラム記憶部の差し込みデータ検知部に差し込みデータを送信する。送信の方法は、差し込みデータ検知部が監視するフォルダーに上位システム14が流しこみデータファイルを配置するホットフォルダー方式でも良いし、上位システム14が差し込みデータ検知モジュール1121に差し込みデータを直接送信するプロセス間通信方式でも良い。
【0026】
また、上位システム14は、情報処理装置11の内部に構成するほか、情報処理装置11と有線LAN(Local Area Network)接続や無線LAN接続、Bluetooth接続などの通信方式で接続された別のPCに構成しても良い。
【0027】
図3は、本発明の第一の実施例における、画像形成処理の進行を示すシーケンス図である。
【0028】
S201において、上位システム14から情報処理装置11に対して差し込みデータが送信される。
【0029】
S202において、CPU111は、上位システム14から送信された差し込みデータを検知し、RFIDタグ付き連続紙に対する記録の処理を開始する。
【0030】
S203において、印刷デザイン決定モジュールは、印刷に使用するデザインデータを決定する。
【0031】
S204において、CPU111は通信部114から通信部122へ用紙搬送指示を送信する。
【0032】
S205において、CPU121は通信部122が用紙搬送指示を受信したことに応じて、用紙搬送にかかる処理を開始する。
【0033】
S206において、CPU121は、受信した用紙搬送指示に従って、RFIDリーダー13がRFIDタグを読み取れる位置まで、画像形成装置12にセットされたRFIDタグつき連続紙を搬送する。
【0034】
S207において、画像形成装置12は通信部122から通信部114へ用紙搬送完了のフラグを送信する。
【0035】
S208において、CPU111は、画像形成装置12から用紙搬送完了のフラグを受信すると、用紙搬送制御モジュール1123の処理を完了する。
【0036】
S209において、CPU111は、通信部114から通信部132へRFIDタグ読み取り指示を送信する。
【0037】
S210において、RFIDリーダー13は、RFIDタグ読み取り指示を受信し、RFIDタグ読み取りにかかる処理を開始する。
【0038】
S211において、RFIDリーダー13は、タグ情報読み取り部131によって、S206で搬送されたRFIDタグつき連続紙のRFIDタグ情報を読み取る。
【0039】
S212において、RFIDリーダー13は、S211で読み取ったRFIDタグ情報を通信部132から通信部114へ送信する。
【0040】
S213において、CPU111は、RFIDリーダー13からRFIDタグ情報を受信したことに応じて、RFIDリーダー制御モジュール1124の処理を完了する。
【0041】
S214において、CPU111は、S202で検知した差し込みデータの中から、印刷を行う1レコード分のデータを取り出す。
【0042】
S215において、CPU111は、S214で取り出した1レコード分の差し込みデータに対してS213で受信したRFIDタグ情報を付加する。
【0043】
S216において、CPU111は、差し込みデータ加工モジュール1125によって、S203で決定されたデザインデータにS215で加工された1レコード分の差し込みデータを差し込む処理を行う。
【0044】
S217において、CPU111は、S216で作成したデータを用いて、画像形成装置12に送信する印刷データを作成する。
【0045】
S218において、CPU111は、S217で作成した印刷データと印刷指示とを通信部114から通信部122へ送信する。
【0046】
S219において、画像形成装置12は、情報処理装置11から印刷データおよび印刷指示を受信する。
【0047】
S220において、CPU121は、通信部122で受信した印刷データおよび印刷指示に従って、画像形成装置12にセットされたRFIDタグつき連続紙に対して印刷を行う。
【0048】
S221において、CPU111は、印刷完了確認モジュール1127によって、画像形成装置12における印刷処理の完了を検知する。確認は例えば100msec毎に行い、画像形成装置12における印刷処理の完了が検知されるまで繰り返される。
【0049】
S222において、CPU111は、画像形成装置12における印刷処理の完了を検知する。
【0050】
情報処理装置11においては、S202によって検知した差し込みデータのレコード数の分だけ、即ち所定の回数だけ上記S204からS222の処理を繰り返す。これにより、ページ識別情報を持った連続した印刷媒体にページ情報と結び付けた印刷データを印刷する際に、印刷データの連続性を担保したまま、印刷媒体のページ情報と印刷データとが対応しない印刷を抑制することができる。
【0051】
S222において、S202によって検知した差し込みデータのすべてのレコード分の処理が完了している場合、繰り返し処理を抜けてS223にて連携処理を完了する。
【0052】
なお、本実施例では情報処理装置11から画像形成装置12に対して繰り返し印刷完了確認を行うことで印刷完了を検知する構成を例示したが、印刷完了の検知方法は上記に限らず、印刷完了後に画像形成装置12から情報処理装置11に対して印刷完了を通知する構成でも良い。
【0053】
図4は、本発明の第一の実施例における、出力結果の例を示す図である。
処理イメージ31は本実施例における印刷処理のイメージを示す。RFIDタグ付き連続紙311は、ページ毎にRFIDタグ3111、3112、3113を持つ。RFIDタグ3111、3112、3113にはそれぞれ異なる値のID(EPC:Electronic Product Code)が保存されている。差し込みデータ312にはページ数分のデータが保存されている。差し込みデータ312は差し込みデータ加工部1125によって、RFID3111、3112、3113に保存されたEPCの値が付与され、差し込みデータ313に加工される。デザインデータ314は差し込みオブジェクト3141、3142を含む。差し込みオブジェクト3141には差し込みデータ313のName列のデータがテキストデータとして差し込まれ、差し込みオブジェクト3142には差し込みデータ313のBarCode列のデータがバーコードデータとして差し込まれる。
出力イメージ32は、処理イメージ31によって作成された印刷データを画像形成装置12が印刷した際の出力結果のイメージを示す。各ページに印字されるバーコードの内容は、同ページのRFIDタグが持つEPCの値と一致する。
【0054】
第二の実施例では、第一の実施例において1つのアプリケーションで行っていた情報処理装置11内の処理を、2つのアプリケーションプログラムで実行する。なお、第二の実施例においても出力結果は第一の実施例と変わらず、図4によって説明されるような出力結果が得られる。
【0055】
図5は、本発明の第二の実施例における、プログラム記憶部内の構成例を示す図である。なお、プログラム記憶部内の構成以外は、第一の実施例と第二の実施例に差異は無い。プログラム記憶部112は、連携アプリケーション41と、印刷アプリケーション42と、プロセス間通信サーバー43を有する。
【0056】
連携アプリケーション41は、差し込みデータ検知モジュール411と、印刷デザイン決定モジュール412と、用紙搬送制御モジュール413と、RFIDリーダー制御モジュール414と、差し込みデータ加工モジュール415と、プロセス間通信モジュール416を有する。
【0057】
差し込みデータ検知モジュール411と、印刷デザイン決定モジュール412と、用紙搬送制御モジュール413と、RFIDリーダー制御モジュール414と、差し込みデータ加工モジュール415は、それぞれ差し込みデータ検知モジュール1121と、印刷デザイン決定モジュール1122と、用紙搬送制御モジュール1123と、RFIDリーダー制御モジュール1124と、差し込みデータ加工モジュール1125と同じ処理を行う。
【0058】
プロセス間通信モジュール416は、プロセス間通信サーバー43を介して印刷アプリケーション42とデザインデータおよび加工済み1レコードデータのやり取りを行う。
印刷アプリケーション42は、印刷データ作成モジュール421と、印刷完了確認モジュール422と、プロセス間通信モジュール423を有する。
【0059】
印刷データ作成モジュール421と、印刷完了確認モジュール422は、それぞれ印刷データ作成モジュール1126と、印刷完了確認モジュール1127と同じ処理を行う。
【0060】
プロセス間通信モジュール423は、プロセス間通信サーバー43を介して連携アプリケーション41とデザインデータおよび加工済み1レコードデータのやり取りを行う。
プロセス間通信サーバー43は、連携アプリケーション41と印刷アプリケーション42の間でデザインデータおよび加工済み1レコードデータのやり取りを行うための通信サーバーの役割を担う。
【0061】
図6は、本発明の第二の実施例における、CPU111による画像形成処理を示すシーケンス図である。S501からS503までの処理は、S201からS203までの処理と同じ内容である。
【0062】
S504において、CPU111は、連携アプリケーション41から印刷アプリケーション42へデザインデータを送信する。このデザインデータは、S503で決定されたものである。
【0063】
S505において、印刷アプリケーション42は、連携アプリケーション41からデザインデータを受け取る。
【0064】
S506において、印刷アプリケーション42は、連携アプリケーション41へデザインデータ受領完了のフラグを送信する。
【0065】
S507において、連携アプリケーション41は、印刷アプリケーション42からデザインデータ受領完了フラグを受信し、印刷デザイン決定モジュール412の処理を完了する。
【0066】
図6のS508からS519までの処理は、図3のS204からS215までの処理と同じ内容である。
【0067】
S520において、連携アプリケーション41は、S519においてRFIDタグ情報を付与された加工済1レコードデータを印刷アプリケーション42へ送信する。
【0068】
S521において、印刷アプリケーション42は、連携アプリケーション41から加工済1レコードデータを受信する。
【0069】
図6のS522からS528までの処理は、図3のS216からS222までの処理と同じ内容である。
【0070】
S529において、印刷アプリケーション42は連携アプリケーション41へ印刷完了のフラグを送信する。
【0071】
S530において、連携アプリケーション41は、印刷アプリケーション42から印刷完了のフラグを受け取る。
【0072】
連携アプリケーション41、S502において連携アプリケーション41が検知した差し込みデータのレコード数の分だけ、上記S508からS530の処理を繰り返す。これにより、ページ識別情報を持った連続した印刷媒体にページ情報と結び付けた印刷データを印刷する際に、印刷データの連続性を担保したまま、印刷媒体のページ情報と印刷データとが対応しない印刷を抑制することができる。
【0073】
S530において、S502において連携アプリケーション41が検知した差し込みデータのすべてのレコード分の処理が完了している場合、繰り返し処理を抜けてS531にて連携処理を完了する。
【0074】
第二の実施形態では、情報処理装置11上で動作するプログラムを、上位システム14と連携する連携アプリケーション42と、印刷アプリケーション42とに分けている。そのため、異なる上位システムや、異なるプリンターに対応するためにシステムを変更する場合、システム全体ではなく必要なアプリケーションのみの変更で対応できるという利点がある。
【0075】
本発明は、上述の実施形態に記載の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピューターにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。

【符号の説明】
【0076】
11 情報処理装置
111 CPU
112 プログラム記憶部
1121 差し込みデータ検知モジュール
1122 印刷デザイン決定モジュール
1123 用紙搬送制御モジュール
1124 RFIDリーダー制御モジュール
1125 差し込みデータ加工モジュール
1126 印刷データ作成モジュール
1127 印刷完了確認モジュール
113 RAM
114 通信モジュール
12 画像形成装置
121 CPU
122 通信モジュール
123 プログラム記憶部
124 RAM
125 印刷部
126 用紙搬送部
13 RFIDリーダー
131 タグ情報読み取り部
132 通信部
14 上位システム
31 処理イメージ
311 RFIDタグ付き連続紙
3111 RFIDタグ
3112 RFIDタグ
3113 RFIDタグ
312 差し込みデータ
313 差し込みデータ
314 デザインデータ
3141 差し込みオブジェクト
3142 差し込みオブジェクト
32 出力イメージ
41 連携アプリケーション
411 差し込みデータ検知モジュール
412 印刷デザイン決定モジュール
413 用紙搬送制御モジュール
414 RFIDリーダー制御モジュール
415 差し込みデータ加工モジュール
416 プロセス間通信モジュール
42 印刷アプリケーション
421 印刷データ作成モジュール
422 印刷完了確認モジュール
423 プロセス間通信モジュール
43 プロセス間通信サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6