(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047681
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240401BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20240401BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20240401BHJP
F24D 18/00 20220101ALI20240401BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240401BHJP
F24D 101/30 20220101ALN20240401BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/00 Z
H01M8/04014
F24D18/00
F24H1/18 G
F24D101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153309
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神林 達也
(72)【発明者】
【氏名】山本 蓮馬
【テーマコード(参考)】
3L122
5H127
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA28
3L122AB22
3L122AB51
3L122GA01
5H127AB23
5H127AC14
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB19
5H127BB37
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE25
5H127EE29
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】水を供給するラインの構成を見直すことで、コストダウンを図るとともにメンテナンスに優れる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池11の運転に用いる水を貯留する第1タンク3および第2タンク4と、燃料電池11より排出される排熱で熱媒体を加熱する排熱熱交換器2と、熱媒体で外部の給水源から供給される水を加熱する給湯熱交換器6と、給湯熱交換器6で加熱された水と給水源から供給される水とを混合する混合弁33と、給水口50aと給湯熱交換器6と混合弁33と出湯口50bとを繋ぐ給湯ライン30と、第1タンク3に給水源からの水を補水する第1補水ライン35と、第2タンク4に給水源からの水を補水する第2補水ライン36と、を備え、第1補水ライン35と第2補水ライン36が給湯用熱交換器6と混合弁33との間に接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池と、
前記燃料電池の運転に用いる水を貯留する第1タンクおよび第2タンクと、
前記燃料電池より排出される排熱で熱媒体を加熱する排熱熱交換器と、
前記熱媒体で外部の給水源から供給される水を加熱する給湯熱交換器と、
前記給湯熱交換器で加熱された水と、前記給水源から供給される水とを混合する混合弁と、
給水口と、前記給湯熱交換器と、前記混合弁と、出湯口とを繋ぐ給湯ラインと、
前記第1タンクに前記給水源からの水を補水する第1補水ラインと、
前記第2タンクに前記給水源からの水を補水する第2補水ラインと、を備え
前記第1補水ラインと前記第2補水ラインが、前記給湯ラインの前記給湯用熱交換器と前記混合弁との間に接続されている燃料電池システム。
【請求項2】
前記第1補水ラインと前記第2補水ラインは、十字状の継手を介して前記給湯ラインに接続されている請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記継手は互いに直交する第1軸と第2軸とを有し、前記第1軸には前記給湯ラインが接続されており、前記第2軸の一端には第1補水弁を介して前記第1補水ラインが接続され、前記第2軸の他端には第2補水弁を介して前記第2補水ラインが接続されている請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記第1補水弁と前記第2補水弁とを保持する保持金具を備え、
前記保持金具は、前記第1軸に固定される請求項3記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記継手、前記給湯熱交換器と前記継手とを接続する配管、および前記混合弁と前記継手とを接続する配管は、樹脂製である請求項3または4記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記第2軸にはオリフィスが形成されている請求項5記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素を含有する燃料ガスと酸素含有ガス(空気)とを用いて発電を行ない、電気を外部に供給する燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムでは、熱媒体を蓄える蓄熱タンクを備えており、燃料電池の発電によって発生した排ガスから熱を回収して蓄熱タンクに蓄え、これを用いて給湯を行うことでエネルギーを効率よく利用している。燃料電池システムには給湯ラインが接続されており、外部から供給された水と蓄熱タンクの熱媒体とで温水を生成して、給湯装置に送出するようになっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、燃料電池から排出される排ガスには水蒸気が含まれているため、この排ガスを冷却することで水蒸気を凝縮させて回収し、改質水として利用する、いわゆる水自立運転が一般的に行われている。回収した凝縮水は凝縮水タンクに蓄えられる。
【0004】
燃料電池システムを設置して発電運転を開始する前には、蓄熱タンクおよび凝縮水タンクに水を貯えるために、水張が実施される。また、発電運転中にタンク内の水が不足した場合には、補水が行われる。そのため、タンクには補水ラインが接続されており、補水ラインを介して装置外の給水源から水が供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、燃料電池システムには、外部からの水が供給されるラインとして、給湯ラインと補水ラインを備えている。そのため、水の供給ラインを構成する配管長が長くなり、部品コストの上昇を招いてしまっていた。さらには、システム内部の構成が複雑になることで、メンテナンス性を低下させてしまうおそれもある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、水を供給するラインの構成を見直すことで、コストダウンを図るとともにメンテナンスに優れる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池と、
前記燃料電池の運転に用いる水を貯留する第1タンクおよび第2タンクと、
前記燃料電池より排出される排熱で熱媒体を加熱する排熱熱交換器と、
前記熱媒体で外部の給水源から供給される水を加熱する給湯熱交換器と、
前記給湯熱交換器で加熱された水と、前記給水源から供給される水とを混合する混合弁と、
給水口と、前記給湯熱交換器と、前記混合弁と、出湯口とを繋ぐ給湯ラインと、
前記第1タンクに前記給水源からの水を補水する第1補水ラインと、
前記第2タンクに前記給水源からの水を補水する第2補水ラインと、を備え
前記第1補水ラインと前記第2補水ラインが、前記給湯ラインの前記給湯用熱交換器と前記混合弁との間に接続されている燃料電池システムである。
【発明の効果】
【0009】
上述のように構成することにより、補水ラインは給湯ラインと部分的に共通化されることとなり、配管長を短くすることができる。これにより、コストダウンとメンテナンス性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の燃料電池システムのシステム構成図である。
【
図2】本実施形態における、水の供給に関わる部分を示す要部構成図である。
【
図3】本実施形態の継手周辺の接続構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0012】
本発明は、燃料電池の運転に用いる水を貯留する第1タンクおよび第2タンクと、燃料電池より排出される排熱で熱媒体を加熱する排熱熱交換器と、熱媒体で外部の給水源から供給される水を加熱する給湯熱交換器と、給湯熱交換器で加熱された水と給水源から供給される水とを混合する混合弁と、給水口と給湯熱交換器と混合弁と出湯口とを繋ぐ給湯ラインと、第1タンクに給水源からの水を補水する第1補水ラインと、第2タンクに給水源からの水を補水する第2補水ラインと、を備え、第1補水ラインと第2補水ラインが給湯ラインの給湯用熱交換器と混合弁との間に接続されている。第1補水ラインと第2補水ラインは、外部の給水源と直接接続されるのではなく、給湯ラインの途中に接続されているため、給湯ラインと部分的に共通化されることとなり、配管長を短くすることができる。これにより、コストダウンとメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0013】
また、第1補水ラインと第2補水ラインは、十字状の継手を介して給湯ラインに接続されている。継手を中心にして各ラインが接続されるため、容易に接続することができ作業性に優れる。
【0014】
また、継手は互いに直交する第1軸と第2軸とを有しており、第1軸には給湯ラインが接続され、第2軸の一端には第1補水弁を介して第1補水ラインが接続され、第2軸の他端には第2補水弁を介して第2補水ラインが接続されている。これにより、第1補水弁と第2補水弁も容易に取り付けることができるため、より作業性に優れることとなる。
【0015】
また、第1補水弁と第2補水弁とを保持する保持金具を備え、保持金具は第1軸に固定される。これにより、補水弁が回転してしまうことが防止される。
【0016】
また、給湯熱交換器と継手とを接続する配管、および混合弁と継手とを接続する配管は、樹脂製である。継手は、配管との接続部を起点に回転させることができるようになるため、メンテナンスの際などに作業用のスペースを確保することができ、作業性が向上する。
【0017】
また、第2軸にはオリフィスが形成されている。樹脂製の継手は加工性に優れているので容易にオリフィスを形成することができ、部品製造のコストを低減することができる。
【実施例0018】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0019】
図1は本実施形態の燃料電池システムのシステム構成図である。燃料電池システム100は、燃料電池モジュール1を含み、燃料電池モジュール1を作動させるための、排熱熱交換器2、蓄熱タンク3、凝縮水タンク4、放熱器5、空気供給装置14、燃料供給装置15、改質水供給装置16等の複数の補機が筐体50内に納められている。筐体50内には上述の装置全てが収められる必要はなく、例えば、排熱熱交換器2や蓄熱タンク3を筐体50の外部に設けてもよい。また、上述の装置の一部を省略した燃料電池システムも可能である。
【0020】
燃料電池モジュール1は、箱状の収納容器10の内部に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池11と、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12と、を収容して構成される。
【0021】
燃料電池11の構成については特に限定はしないが、例えば、複数の燃料電池セルが配列されてなるセルスタック構造を有していてもよい。セルスタック構造の燃料電池11は、例えば、各燃料電池セルの下端を、ガラスシール材等の絶縁性接合材を用いて、マニホールドに固定することによって構成される。
【0022】
改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを水蒸気改質し、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する。改質器12には、原燃料ガスを供給する燃料供給装置15と、改質水を供給する改質水供装置16が接続されており、原燃料ガスと改質水は加熱された改質器12で改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0023】
燃料電池11には、改質器12で生成された燃料ガスと、空気供給装置14によって導入された空気(酸素含有ガス)が供給される。燃料ガスは、燃料電池セル内を通過するときに酸素含有ガスと反応して発電が行われる。発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池11の上部で合流して燃焼する。この燃料ガスの燃焼によって高温の排ガスが生成され、改質器12はこの熱によって加熱される。このようにして燃料電池モジュール1内で生じた排ガスは、排熱熱交換器2に供給される。
【0024】
排熱熱交換器2には配管を介して、蓄熱タンク3、熱媒ポンプP1および放熱器5が接続され、第1熱媒循環ラインHC1が形成されている。この第1熱媒循環ラインHC1には熱媒体が導入されており、排熱熱交換器2ではこの熱媒体と前述の排ガスとで熱交換が行われて熱媒体が加熱される。蓄熱タンク3は熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク3に蓄えられた熱媒体は、放熱器5に送られて冷却され、再び排熱熱交換器2で排ガスと熱交換を行った後、蓄熱タンク3に還流する。これにより、蓄熱タンク3には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0025】
また、排熱熱交換器2には、凝縮水回収路20を介して凝縮水タンク4が接続されている。燃料電池モジュール1で発生した排ガスが熱交換によって冷却されると、排ガス中に含まれる水蒸気が水と気体に分離され、分離された水は、凝縮水回収流路20を通って凝縮水タンク4に回収される。凝縮水タンク4では、イオン交換器(図示せず)などを経て、回収した水から不純物を取り除いて純水化する。純水化した水は水供給装置16により改質器12に供給され、改質水として使用される。一方で、水分が取り除かれた気体は、排気流路21を通ってから筐体50の外に排出される。
【0026】
なお、本実施形態においては、熱媒体として水を用いており、蓄熱タンク3が第1タンク、凝縮水タンク4が第2タンクに相当する。しかしながら、燃料電池システム100が上述のタンク以外のタンクを備えている場合は、第1タンクと第2タンクはこの限りではない。第1タンクと第2タンクは、水が供給されるタンクであればよい。
【0027】
改質器12に原燃料を供給する燃料供給装置15は、燃料の供給源から繋がる原燃料流路22上に、第1電磁弁V1、圧力センサPS、脱硫器DS、ガス流量計FM1、燃料ポンプB1、第2電磁弁V2等の補機が設けられている。改質器12に改質水を供給する改質水供給装置16は、凝縮水タンク4から繋がる改質水流路23上に改質水ポンプP3等の補機が設けられている。燃料電池モジュール1に酸素含有ガスを供給する空気供給装置14は、酸素含有ガス流路24上に、空気流量計FM2、ブロワB2等の補機が設けられている。なお、ここに挙げた補機は一例であって、この他の補機を備える構成としてもよい。
【0028】
さらに、燃料電池システム100には、各種機器の動作を制御する制御装置7が設けられているほか、燃料電池モジュール1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)8を備えている。
【0029】
また、燃料電池システム100は、第2熱媒循環ラインHC2と、給湯ライン30とを備えており、蓄熱タンク3に蓄えられた高温の熱媒体と、外部から供給された水道水と、を給湯熱交換器6で熱交換して温水が生成される。筐体50には、外部の給水源が接続される給水口50aと、給湯器等の再加熱装置に繋がる流路が接続される出湯口50bが設けられており、出湯口50bから外部の給湯器等の再加熱装置に向けて温水を送出することができる。
【0030】
第2熱媒循環ラインHC2は、給湯熱交換器6、蓄熱タンク3から熱媒を循環させる与熱ポンプP2およびこれらを繋ぐ配管を含んで構成されている。
【0031】
給湯ライン30は、給水口50aから給湯熱交換器6に向かって水が流入する給水流路31と、給湯熱交換器6を通過して出湯口50bに向かって加温された水が流れる送給流路32と、送給流路32に設けられた混合弁33と、給水流路31から分岐して混合弁33に接続される混合用水路34と、を備えて構成される。混合弁33は、湯側入口33a、水側入口33bと、出口33cとを有しており、湯側入口33aには、給湯熱交換器6を通った温水が流入し、水側入口33bには混合用水路34を通った水が流入する。出口33cからは、湯側入口33aから流入した温水と、水側入口33bから流入した水とが混合された温水が送出される。混合弁33の開度を調節することで、湯側入口33aから流入する温水と水側入口33bから流入する水との混合比を変更して、出湯口50bから送出される湯の温度を制御している。
【0032】
また、給湯ライン30の送給流路32において、給湯熱交換器6と混合弁33との間には、蓄熱タンク3に水を供給する熱媒補水流路35(第1補水ライン)と、凝縮水タンク4に水を供給する改質水補水流路36(第2補水ライン)が接続されている。燃料電池システム100を設置して発電運転を開始する前には、熱媒補水流路35と改質水補水流路36を介して蓄熱タンク3と凝縮水タンク4に水を供給する水張りが実施される。また、発電運転中に蓄熱タンク3や凝縮水タンク4の水が不足した場合には、水を補給する補水が行われる。熱媒補水流路35は熱媒補水弁37(第1補水弁)を備えており、蓄熱タンク3の上面に接続されている。改質水補水流路36は改質水補水弁38(第2補水弁)を備えており、凝縮水タンク4の上面に接続されている。
【0033】
熱媒補水流路35と改質水補水流路36は、外部の給水源と直接接続されるのではなく、給湯ライン30の途中に接続されている。そのため、熱媒補水流路35と改質水補水流路36は給湯ライン30と部分的に共通化されることとなり、配管長を短くすることができる。これにより、コストダウンとメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0034】
図2は、本実施形態における、水の供給に関わる部分を示す要部構成図である。給湯ライン30の給湯熱交換器6と混合弁33との間には、十字状の継手40が配置されている。継手40は、樹脂製の部品であって互いに直交する第1軸41と第2軸42とを有しており、第1軸41には給湯ライン30が接続されている。また、第2軸42には、一端側に熱媒補水流路35が接続され、他端側に改質水補水流路36が接続されている。つまり、熱媒補水流路35と改質水補水流路36は、十字の継手40を介して給湯ライン30に接続されるようになっているため、容易に給湯ライン30に接続することができ作業性に優れている。
【0035】
また、熱媒補水弁37を第2軸42の一端に接続して、熱媒補水流路35は熱媒補水弁37を介して継手40に接続されるようにしてもよい。同様に、改質水補水弁38を第2軸42の他端に接続して、改質水補水流路36は改質水補水弁38を介して継手40に接続されるようにしてもよい。これにより、熱媒補水弁37と改質水補水弁38も容易に取り付けることができるため、より作業性に優れることとなる。
【0036】
上述の構成において給湯を行う場合には、熱媒補水弁37と改質水補水弁38を閉じ、混合弁33を開く。さらに与熱ポンプP2を駆動して第2熱媒循環ラインHC2に蓄熱タンク3内の湯を循環させる。給水口50aから給湯ライン30に流入した水は、給水流路31を通って給湯熱交換器6に流入し、給湯熱交換器6で熱交換を行うことで加温され、送給流路32から継手40を通って混合弁33に流入する。混合弁33では、混合用水路34から流入した水と混合されることで温度が調節されて、出湯口50bから温水として排出される。
【0037】
一方で、水張りや補水など、蓄熱タンク3および凝縮水タンク4に水を供給する場合は、熱媒補水弁37および改質水補水弁38を開き、混合弁33を閉じる。このとき、与熱ポンプP2は駆動しない。給水口50aから流入した水は、給水流路31を通って給湯熱交換器6に流入するが、給湯熱交換器6には蓄熱タンク3内の湯が循環していないため、熱交換は行われず水温はほとんど上昇しない。給湯熱交換器6を通過した水は、継手40を通って熱媒補水流路35および改質水補水流路36に流入する。蓄熱タンク3と凝縮水タンク4には水位センサ(図示せず)が設けられており、所定の水位に到達したことが検知されると熱媒補水弁37と改質水補水弁38を閉じ、タンクへの給水が停止される。
【0038】
このように、混合弁33、熱媒補水弁37、改質水補水弁38の開閉を制御することで、給湯とタンクへの給水とを実行することができる。
【0039】
図3は、本実施形態の継手周辺の接続構造を示した図である。継手40は、第1軸41が縦方向に延び、第2軸42が横方向に延びる状態で筐体50の内部に配置されている。熱媒補水弁37と改質水補水弁38は、それぞれ第2軸42の両端部に直接接続されてクイックファスナ45a、45bで固定されている。さらに、熱媒補水弁37と改質水補水弁38とを保持する保持金具44が設けられており、この保持金具44によって熱媒補水弁37と改質水補水弁38とが回転してしまうことを防止している。保持金具44は、第1軸41にねじ止めによって固定されている。
【0040】
本実施形態の保持金具44は、一つの部材によって熱媒補水弁37と改質水補水弁38の両方を固定するように構成されているが、保持金具44の形状は特に限定しない。保持金具44は第1軸41に固定されるようになっていれば、熱媒補水弁37と改質水補水弁38が回転することを防止することができる。また、固定方法についてもねじ止めに限らず、第1軸41に係止させて固定するようにしてもよい。
【0041】
また、給湯熱交換器6と継手40とを接続する配管39aや、混合弁33と継手40とを接続する配管39bも、樹脂で形成されている。継手40は、これら配管との接続部分を起点に回転させることができるようになるため、メンテナンスの際などに作業用のスペースを確保することができ、作業性が向上する。
【0042】
図4は、継手部分の断面図である。継手40の第2軸42には、流路径を細くしたオリフィス43が形成されている。オリフィス43を別部品として設けることなく、継手40に形成することで部品コストを低減している。また、継手40は樹脂製であるため、加工性に優れており容易にオリフィス43を形成することができ、製造にかかるコストも低減することができる。