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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047682
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240401BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20240401BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20240401BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/2475
H01M8/04014
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153310
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩之
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126FF10
5H127AB23
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB19
5H127BB37
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE15
5H127EE29
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】放熱および換気に関わる不具合を低減して信頼性の高い燃料電池装置を提供すること。
【解決手段】燃料電池装置100は、外装ケース40内の換気を行う換気ファン17を備えており、外装ケース40は、換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41と、放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、を備えている。放熱と換気を確実に実施させつつ、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを共通の排気口43から排出させることで、排気口43の数を減らして、雨水やごみ等の侵入を抑制することができるため、放熱および換気に関わる不具合を低減して、装置の信頼性を向上させることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールの排熱と媒体との間で熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換して加熱された前記媒体を蓄える蓄熱タンクと、
前記媒体と空気との間で熱交換を行うラジエータと、空気流を発生させる放熱ファンを備え、前記熱交換器に流れる前記媒体を冷却する放熱器と、
前記媒体が前記熱交換器と、前記蓄熱タンクと、前記放熱器とを循環する循環ラインと、
少なくとも前記燃料電池モジュール、前記熱交換器、前記放熱器および前記循環ラインの一部を収納する外装ケースと、
前記外装ケース内の換気を行う換気ファンと、を備え
前記外装ケースは、換気用の空気を取り入れる換気用吸気口と、前記放熱器に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口と、前記放熱器を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口と、を備える燃料電池装置。
【請求項2】
前記放熱器は、前記ラジエータと前記放熱ファンを収容し、前記放熱用吸気口と前記排気口との間に空気流路を形成するダクトを備え、
前記ダクトは換気用の空気が流入する流入口を有する請求項1記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記ラジエータの下流に前記放熱ファンが設けられており、
前記流入口は、前記ラジエータの下流に設けられている請求項2記載の燃料電池装置。
【請求項4】
前記流入口は、前記放熱ファンの外形と前記ダクトの吸気開口の外形とを結ぶ領域の外に設けられている請求項3記載の燃料電池装置。
【請求項5】
前記換気用吸気口は前記外装ケースの上部に設けられ、
前記放熱用吸気口と排気口とは前記外装ケースの下部に設けられている請求項4記載の燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素を含有する燃料ガスと酸素含有ガス(空気)とを用いて発電を行なう燃料電池モジュールを備え、電気を外部に供給する燃料電池装置が知られている。このような燃料電池装置では、燃料電池モジュールのほか、熱交換器、供給電力調整部、放熱器、水タンク、燃料電池モジュールに燃料ガスを送り込むための燃料ポンプおよび燃料電池モジュールに空気を送り込むためのブロアなどの補機を外装ケース内に内蔵して構成されている。
【0003】
放熱器は放熱用ファンを備えており、外装ケースに設けられた放熱用吸気口から放熱用の空気を取り込み、放熱器を通った後の空気を放熱用排気口から排出する。
【0004】
また、燃料電池モジュールは発電時に高温となり熱を放出する。燃料電池モジュールからの放熱によって外装ケース内の雰囲気温度が高くなると、補機の寿命に影響を及ぼすおそれがある。そこで、外装ケース内を換気するために、換気用ファンが設けられている。また、外装ケースには換気用吸気口と換気用排気口が設けられており、換気ファンを回転させて換気用吸気口から換気用の空気を取り込み、換気用排気口から排出させるように構成されている(たとえば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-140164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述する燃料電池装置の外装ケースには、外部の空気を取り込むための吸気口や、空気を排出するための排気口が複数形成されているが、吸気口や排気口から雨水やごみ等が侵入すると装置の信頼性を低下させるおそれがある。また、外装ケース内の換気が不十分であると、装置内部の温度が上昇して補機の寿命に悪影響をおよぼしてしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、放熱および換気に関わる不具合を低減して信頼性の高い燃料電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールの排熱と媒体との間で熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換して加熱された前記媒体を蓄える蓄熱タンクと、
前記媒体と空気との間で熱交換を行うラジエータと、空気流を発生させる放熱ファンを備え、前記熱交換器に流れる前記媒体を冷却する放熱器と、
前記媒体が前記熱交換器と、前記蓄熱タンクと、前記放熱器とを循環する循環ラインと、
少なくとも前記燃料電池モジュール、前記熱交換器、前記放熱器および前記循環ラインの一部を収納する外装ケースと、
前記外装ケース内の換気を行う換気ファンと、を備え
前記外装ケースは、換気用の空気を取り入れる換気用吸気口と、前記放熱器に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口と、前記放熱器を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口と、を備える燃料電池装置である。
【発明の効果】
【0009】
上述のように構成することにより、放熱と換気を確実に実施させつつ、排気口の数を減らすことができるため、放熱および換気に関わる不具合を低減して、装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】燃料電池装置のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
図2】第1実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。
図3】第2実施形態の燃料電池装置の概略構成図である
図4】放熱器の斜視図である。
図5】放熱器の分解構成図である。
図6】第3実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。
図7】第4実施形態の燃料電池装置の概略構成図である
図8】第5実施形態の燃料電池装置の概略構成図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0012】
外装ケース内に燃料電池モジュールと、熱交換器と、放熱器および循環ラインの少なくとも一部を収納する燃料電池装置であって、外装ケース内の換気を行う換気ファンを備えており、外装ケースは、換気用の空気を取り入れる換気用吸気口と、放熱器に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口と、放熱器を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口と、を備えている。これにより、放熱と換気を確実に実施させつつ、放熱器を通過した空気と換気用の空気とを共通の排気口から排出させることで、排気口の数を減らして、雨水やごみ等の侵入を抑制することができるため、放熱および換気に関わる不具合を低減して、装置の信頼性を向上させることができる。
【0013】
また、放熱器は、ラジエータと放熱ファンを収容し、放熱用吸気口と排気口との間に空気流路を形成するダクトを備え、ダクトは換気用の空気が流入する流入口を有している。これにより、換気用の空気をダクトに流入させて排気口に導くことができるため、効率よく排気を行うことができる。
【0014】
また、ラジエータの下流に放熱ファンが設けられており、流入口はラジエータの下流に設けられている。換気用の空気は筐体内を通過することで温度が上昇するが、換気用の空気はラジエータの下流でダクトに流入するため、ラジエータの冷却を妨げない。したがって、冷却効率を低下させるおそれもない。
【0015】
また、流入口は、放熱ファンの外形とダクトの吸気開口の外形とを結ぶ領域の外に設けられている。ラジエータからファンを通過する放熱用空気の気流を乱さずに、換気用の空気をダクトに合流させることができる。
【0016】
また、換気用吸気口は外装ケースの上部に設けられ、放熱用吸気口と排気口とは外装ケースの下部に設けられている。換気用吸気口と排気口との間の距離を長くとることで、換気効率を上昇させることができる。
【実施例0017】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0018】
図1は、燃料電池装置のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。燃料電池装置100は、燃料電池モジュール1を含み、燃料電池モジュール1を作動させるための、第1熱交換器2、蓄熱タンク3、凝縮水タンク4、放熱器5、空気供給装置14、燃料供給装置15、改質水供給装置16等の複数の補機が外装ケース50内に納められている。外装ケース50内には上述の装置全てが収められる必要はなく、例えば、第1熱交換器2や蓄熱タンク3を外装ケース50の外部に設けてもよい。また、上述の装置の一部を省略した燃料電池装置も可能である。
【0019】
燃料電池モジュール1は、箱状の収納容器10の内部に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池11と、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12と、を収容して構成される。
【0020】
燃料電池11の構成については特に限定はしないが、例えば、複数の燃料電池セルが配列されてなるセルスタック構造を有していてもよい。セルスタック構造の燃料電池11は、例えば、各燃料電池セルの下端を、ガラスシール材等の絶縁性接合材を用いて、マニホールドに固定することによって構成される。
【0021】
改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを水蒸気改質し、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する。改質器12には、原燃料ガスを供給する燃料供給装置15と、改質水を供給する改質水供装置16が接続されており、原燃料ガスと改質水は加熱された改質器12で改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0022】
燃料電池11には、改質器12で生成された燃料ガスと、空気供給装置14によって導入された空気(酸素含有ガス)が供給される。燃料ガスは、燃料電池セル内を通過するときに酸素含有ガスと反応して発電が行われる。発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池11の上部で合流して燃焼する。この燃料ガスの燃焼によって高温の排ガスが生成され、改質器12はこの熱によって加熱される。このようにして燃料電池モジュール1内で生じた排ガスは、第1熱交換器2に供給される。
【0023】
第1熱交換器2には配管を介して、蓄熱タンク3、熱媒ポンプP1および放熱器5が接続され、第1熱媒循環ラインHC1が形成されている。この第1熱媒循環ラインHC1には熱媒体が導入されており、第1熱交換器2ではこの熱媒体と前述の排ガスとで熱交換が行われて熱媒体が加熱される。熱媒体としては水などを用いることができ、蓄熱タンク3は熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク3に蓄えられた熱媒体は、放熱器5に送られて冷却され、再び第1熱交換器2で排ガスと熱交換を行った後、蓄熱タンク3に還流する。これにより、蓄熱タンク3には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0024】
放熱器5は、熱媒体が流通するラジエータ50と、燃料電池装置100外部の空気を取り込んでラジエータ50に冷却用の空気として送風する放熱ファン51を備えており、熱媒体と空気との間で熱交換を行い熱媒体を冷却する。
【0025】
また、第1熱交換器2には、凝縮水回収路20を介して凝縮水タンク4が接続されている。燃料電池モジュール1で発生した排ガスが熱交換によって冷却されると、排ガス中に含まれる水蒸気が水と気体に分離され、分離された水は、凝縮水回収流路20を通って凝縮水タンク4に回収される。凝縮水タンク4では、イオン交換器(図示せず)などを経て、回収した水から不純物を取り除いて純水化する。純水化した水は水供給装置16により改質器12に供給され、改質水として使用される。一方で、水分が取り除かれた気体は、排気流路21を通ってから外装ケース50の外に排出される。
【0026】
改質器12に原燃料を供給する燃料供給装置15は、燃料の供給源から繋がる原燃料流路22上に、第1電磁弁150、圧力センサ151、脱硫器152、ガス流量計153、燃料ポンプ154、第2電磁弁155等の補機が設けられている。改質器12に改質水を供給する改質水供給装置16は、凝縮水タンク4から繋がる改質水流路23上に改質水ポンプ160等の補機が設けられている。燃料電池モジュール1に酸素含有ガスを供給する空気供給装置14は、酸素含有ガス流路24上に、エアフィルタ140、空気流量計141、ブロワ142等の補機が設けられている。なお、ここに挙げた補機は一例であって、この他の補機を備える構成としてもよい。
【0027】
さらに、燃料電池装置100には、各種機器の動作を制御する制御装置7が設けられているほか、燃料電池モジュール1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)8、外装ケース40内に換気用の空気を取り入れる換気ファン17を備えている。
【0028】
また、燃料電池装置100は、第2熱交換器6、蓄熱タンク3から熱媒を循環させる与熱ポンプP2およびこれらを繋ぐ配管を含む第2熱媒循環ラインHC2を備えていてもよい。第2熱媒循環ラインHC2では、外部から供給流路25を介して供給された水道水を、蓄熱タンク3に貯留された高温の熱媒体を用いて第2熱交換器6で加温する。加温された水を外部の給湯器等の再加熱装置に向けて送給流路26を介して送給することができる。燃料電池装置100は、外部への温水供給を行わない、いわゆるモノジェネレーションシステムであってもよい。
【0029】
図2は、第1実施形態の燃料電池装置の概略構成図であって、放熱用の空気の流れを黒塗り矢印で示し、換気用の空気の流れを斜線矢印で示している。図では、放熱と換気に関わる構造のみを図示し、それ以外については省略している。
【0030】
外装ケース40内には、換気ファン17と、ラジエータ50と、放熱ファン51が配置されている。放熱器5は、ラジエータ50と、放熱ファン51を含んで構成されている。また、外装ケース40の上部には換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41が設けられ、外装ケース40の下部には放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、が設けられている。なお、換気用吸気口41と放熱用吸気口42とが、外装ケース40の同じ側面に設けられている例を示したが、異なる面に設けられていてもよい。
【0031】
放熱ファン51の回転によって、放熱用吸気口42からは外部の空気が取り入れられる。放熱用吸気口42から取り入れられた空気は、ラジエータ50を通過して熱媒を冷却し、排気口43から排出される。また、換気ファン17の回転によって、換気用吸気口41から外部の空気が取り入れられる。換気用吸気口41から取り入れられた空気は、外装ケース40内の換気を行い、排気口43から排出される。このとき、放熱ファン51の回転によって筐体の下部には排気口43に向かう空気流が形成されており、換気用の空気はこの空気流に引っ張られるようにして排気口43に流入するので、換気用の空気は速やかに排気口43から外装ケース40外に排出される。
【0032】
なお、外装ケース40内には、換気用の空気を所定の方向に向かわせるための風向板45を設けることができる。これにより、温度が上昇しやすい個所に集中して空気を流入させたり、空気の滞留を抑制したりすることができる。また、風向板45は複数設けてもよい。
【0033】
図3は、第2実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。外装ケース40内には、換気ファン17と、ラジエータ50と、放熱ファン51と、ダクト52が配置されている。放熱器5は、ラジエータ50と、放熱ファン51と、ダクト52を含んで構成されている。また、外装ケース40の上部には換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41が設けられ、外装ケース40の下部には放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、が設けられている。なお、換気用吸気口41と放熱用吸気口42とが、外装ケース40の同じ側面に設けられている例を示したが、異なる面に設けられていてもよい。
【0034】
ダクト52は、ラジエータ50と放熱ファン51を内部に収容し、放熱用吸気口42と排気口43との間に空気流路を形成している。また、ダクト52には、ラジエータ50と放熱ファン51との間の所定位置において流入口53が設けられている。
【0035】
放熱ファン51の回転によって、放熱用吸気口42からは外部の空気が取り入れられる。放熱用吸気口42から取り入れられた空気は、ラジエータ50を通過して熱媒を冷却し、排気口43から排出される。また、換気ファン17の回転によって、換気用吸気口41から外部の空気が取り入れられる。換気用吸気口41から取り入れられた空気は、外装ケース40内の換気を行い、流入口53からダクト52内に流入する。このとき、放熱ファン51の回転によってダクト52内には排気口43に向かう空気流が形成されており、換気用の空気はこの空気流に引っ張られるようにして流入口53からダクト52内に流入するので、換気用の空気は速やかに排気口43から外装ケース40外に排出される。
【0036】
ラジエータ50を通過する空気は、温度が低い方が冷却効率が高い。換気用の空気は外装ケース40内を通過することで温度が上昇するが、ラジエータ50の下流でダクト52に流入するため、ラジエータ50の冷却を妨げない。したがって、冷却効率を低下させてしまうこともない。
【0037】
次に、放熱器5の構造について説明する。図4は、放熱器の斜視図であり、図5は、放熱器の分解構成図である。
【0038】
放熱器5のダクト52は、一端側に空気を取り入れる空気取入口521、他端側に空気を排出する空気排出口522を備え、空気取入口521が放熱用吸気口42と連通し、空気排出口522が排気口43と連通している。また、ダクト52は、下部ダクト523、第1上部ダクト524、第2上部ダクト525、の3つのパーツに分解可能な構造を有している。下部ダクト523は、ダクト52の下半分を構成し、放熱ファン51が取り付けられるとともに、ラジエータ50の載置部523aを有している。第1上部ダクト524と第2上部ダクト525はダクト52の上半分を構成する。第1上部ダクト524は、ラジエータ50の上方を覆い、下部ダクト523とでラジエータ50を挟み込んで固定する。第2上部ダクト525は、放熱ファン51の上方を覆う。このように、ダクト52を分解可能にすることで、放熱器5のメンテナンス性を向上させることができる。
【0039】
第1上部ダクト524は、凹部526を有しており、この凹部526によって流入口53が形成されている。放熱器5は、外装ケース40の下部に配置されているため、ダクト52の上方に流入口53を形成することで、外装ケース40内の空気を効率よくダクト52内に流入させることができる。本実施形態においては、流入口53は1か所であるが、複数箇所に設けるようにしてもよい。また、第1上部ダクト524の上面に開口を設けて流入口を形成してもよい。
【0040】
流入口53は、放熱ファン51の外形と空気取入口521の外形とを結ぶ領域Rの外に設けることができる。図4の破線は、放熱ファン51の外形と空気取入口521の外形とを結ぶ線であり、流入口53はこの破線で囲まれた領域Rの外に設けられている。領域Rにおいては、空気取入口521から放熱ファン51に向けて流れる空気流が存在しているので、この空気流の中に換気用の空気を合流させると、気流が乱れて空気の圧損が生じてしまう。そのため、この空気流を乱さないように、領域Rの外に流入口53を設けている。これにより、圧損を生じさせずに、換気用の空気をダクト52内に合流させることができる
【0041】
また、メンテナンス性をさらに向上させるため、第1上部ダクト524および第2上部ダクト525は、下部ダクト52に対してねじ止めをせずに取り付けられるようになっている。具体的には、第1上部ダクト524、第2上部ダクト525に設けられた係止部524a、525aと、下部ダクト523に設けられた被係止部523bとを係止させて、第1上部ダクト524と第2上部ダクト525を、下部ダクト523に固定している。さらに、第2上部ダクト525と下部ダクト523はプッシュリベットを用いて固定するリベット固定部526を有している。これにより、着脱の作業性が向上するとともに、ねじを落下させてしまう問題も回避することができる。
【0042】
図6は、第3実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。外装ケース40内には、換気ファン17と、ラジエータ50と、放熱ファン51と、ダクト52が配置されている。また、外装ケース40の上部には換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41が設けられ、外装ケース40の下部には放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、が設けられている。換気用吸気口41と排気口43とが、外装ケース40の同じ側面に設けられている。
【0043】
ダクト52は、ラジエータ50と放熱ファン51を内部に収容し、放熱用吸気口42と排気口43との間に空気流路を形成している。また、ダクト52には、ラジエータ50と放熱ファン51との間の所定位置において流入口53が設けられている。
【0044】
放熱ファン51の回転によって、放熱用吸気口42からは外部の空気が取り入れられる。放熱用吸気口42から取り入れられた空気は、ラジエータ50を通過して熱媒を冷却し、排気口43から排出される。また、換気ファン17の回転によって、換気用吸気口41から外部の空気が取り入れられる。換気用吸気口41から取り入れられた空気は、外装ケース40内の換気を行い、流入口53からダクト内に流入する。このとき、放熱ファン51の回転によってダクト52内には排気口43に向かう空気流が形成されており、換気用の空気はこの空気流に引っ張られるようにして流入口53からダクト内に流入するので、換気用の空気は速やかに排気口43から外装ケース40外に排出される。
【0045】
ラジエータ50を通過する空気は、温度が低い方が冷却効率が高い。換気用の空気は外装ケース40内を通過することで温度が上昇するが、ラジエータ50の下流でダクト52に流入するため、ラジエータ50の冷却を妨げない。したがって、冷却効率を低下させてしまうこともない。
【0046】
図7は、第4実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。外装ケース40内には、換気ファン17と、ラジエータ50と、放熱ファン51と、ダクト52が配置されている。また、外装ケース40の上部には換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41が設けられ、外装ケース40の下部には放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、が設けられている。換気用吸気口41と排気口43とが、外装ケース40の同じ側面に設けられている例を示したが、異なる面に設けられていてもよいし、換気用吸気口41を放熱用吸気口42と同じ面に設けてもよい。
【0047】
ダクト52は、ラジエータ50と放熱ファン51を内部に収容し、放熱用吸気口42と排気口43との間に空気流路を形成している。また、ダクト52には、放熱ファン51と排気口43の間の所定位置において流入口53が設けられている。
【0048】
放熱ファン51の回転によって、放熱用吸気口42からは外部の空気が取り入れられる。放熱用吸気口42から取り入れられた空気は、ラジエータを通過して熱媒を冷却し、排気口43から排出される。また、換気ファン17の回転によって、換気用吸気口41から外部の空気が取り入れられる。換気用吸気口41から取り入れられた空気は、外装ケース40内の換気を行い、流入口53からダクト内に流入する。このとき、放熱ファン51の回転によってダクト内には排気口43に向かう空気流が形成されており、換気用の空気はこの空気流に引っ張られるようにして流入口53からダクト内に流入するので、換気用の空気は速やかに排気口43から外装ケース40外に排出される。
【0049】
ラジエータ50を通過する空気は、温度が低い方が冷却効率が高い。換気用の空気は外装ケース40内を通過することで温度が上昇するが、ラジエータ50の下流でダクトに流入するため、ラジエータ50の冷却を妨げない。したがって、冷却効率を低下させてしまうこともない。
【0050】
図8は、第5実施形態の燃料電池装置の概略構成図である。外装ケース40内には、換気ファン17と、ラジエータ50と、放熱ファン51と、ダクト52が配置されている。また、外装ケース40の上部には換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、が設けられ、外装ケース40の下部には放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42が設けられている。
【0051】
ダクト52は、ラジエータ50と放熱ファン51を内部に収容し、放熱用吸気口42と排気口43との間に空気流路を形成している。また、ダクト52には、放熱ファン51よりも下流の所定位置において流出口54が設けられている。
【0052】
換気ファン17の回転によって、換気用吸気口41から外部の空気が取り入れられる。換気用吸気口41から取り入れられた空気は、外装ケース40内の換気を行い、排気口43から排出される。また、放熱ファン51の回転によって、放熱用吸気口42からは外部の空気が取り入れられる。放熱用吸気口42から取り入れられた空気は、ラジエータ50を通過して熱媒を冷却し、ダクト52に設けられた流出口54から外装ケース40内に排出される。換気ファン17の回転によって外装ケース40内には排気口43に向かう空気流が形成されており、流出口54から外装ケース40内に排出された放熱用空気はこの空気流に引っ張られるようにして、排気口43から外装ケース外に排出される。
【0053】
以上に説明したように、本実施形態の燃料電池装置100は外装ケース40に、換気用の空気を取り入れる換気用吸気口41と、放熱器5に供給する空気を取り入れる放熱用吸気口42と、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを排出する排気口43と、を備えているので、放熱と換気を確実に実施させつつ、放熱器5を通過した空気と換気用の空気とを共通の排気口43から排出させることで、排気口43の数を減らして、雨水やごみ等の侵入を抑制することができるため、放熱および換気に関わる不具合を低減して、装置の信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 燃料電池モジュール
2 第1熱交換器(熱交換器)
3 蓄熱タンク
5 放熱器
17 換気ファン
40 外装ケース
41 換気用吸気口
42 放熱用吸気口
43 排気口
50 ラジエータ
51 放熱ファン
52 ダクト
53 流入口
HC1 第1循環ライン(循環ライン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8