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  • 特開-換気ファン装置 図1
  • 特開-換気ファン装置 図2
  • 特開-換気ファン装置 図3
  • 特開-換気ファン装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047683
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】換気ファン装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240401BHJP
【FI】
H01M8/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153311
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】堀米 孝宏
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB23
5H127AC14
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB19
5H127BB37
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE24
5H127EE29
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】装置への着脱を容易にすることで作業性を向上させることのできる換気ファン装置を提供する。
【解決手段】筐体内の換気を必要とする装置に取り付けられる換気ファン装置であって、空気を取り入れるファン70と、空気中の塵埃を捕集するフィルタ濾材71と、ファン70とフィルタ濾材71が取り付けられる送風ケース72を備えており、送風ケース72はファン取付部724とフィルタ濾材取付部725を有している。換気ファン装置7は、ファン70とフィルタ濾材71とを送風ケース72に取り付けることで一体化されているので、筐体内への着脱を容易に行うことができるため組立やメンテナンスの作業性に優れる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を取り入れるファンと、
前記ファンによって取り入れられる空気中の塵埃を捕集するフィルタ濾材と、
前記ファンが取り付けられるファン取付部と、前記フィルタ濾材が取り付けられるフィルタ濾材取付部を有する送風ケースと、を備える換気ファン装置。
【請求項2】
前記フィルタ濾材には取付孔が設けられており、
前記フィルタ濾材取付部は、前記取付孔に挿通される取付ピンを有している請求項1記載の換気ファン装置。
【請求項3】
前記フィルタ濾材は折り返されて前記送風ケースに取り付けられ、
前記送風ケースは、前記フィルタ濾材の折り返し位置を案内するガイド部を有している
請求項1または2記載の換気ファン装置
【請求項4】
前記ガイド部は前記送風ケースの内側面に形成された波型の凹凸である請求項3記載の換気ファン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内の空気を換気する換気ファン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
筐体内部の換気を行うためにファンを設けた装置として、例えば特許文献1に示すような燃料電池装置がある。燃料電池装置は、水素を含有する燃料ガスと酸素含有ガス(空気)とを用いて発電を行なう燃料電池モジュールを備えており、筐体内には燃料電池モジュールの他に熱交換器、インバータ、放熱器、燃料電池モジュールに燃料ガスを送り込むための燃料ポンプおよび燃料電池モジュールに空気を送り込むためのブロアなどの補機を内蔵して構成されている。
【0003】
燃料電池モジュールは発電時に高温となり熱を放出する。そのため、燃料電池モジュールからの放熱によって筐体内の雰囲気温度が高くなると、補機の寿命に影響を及ぼすおそれがある。そこで、筐体内を換気するために、換気用ファンが設けられている。そして、筐体には換気用吸気口と換気用排気口が設けられており、換気ファンを回転させて換気用吸気口から換気用の空気を取り込み、換気用排気口から排出させるように構成されている。また、換気用吸気口には、空気中のゴミなどを取り除くためのフィルタが取り付けられていて、フィルタは吸気口に直接取り付けることもあれば、専用のケースを用いて取り付けることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-140165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置においては、組立やメンテナンスの作業性を向上させることが課題の一つとして挙げられる。そのため、換気ファンやフィルタの着脱を容易に行うことのできる構造が求められている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、装置への着脱を容易にすることで作業性を向上させることのできる換気ファン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体内に空気を取り入れるファンと、
前記ファンによって取り入れられる空気中の塵埃を捕集するフィルタ濾材と、
前記ファンが取り付けられるファン取付部と、前記フィルタ濾材が取り付けられるフィルタ濾材取付部を有する送風ケースと、を備える換気ファン装置である。
【発明の効果】
【0008】
上述のように構成することにより、着脱を容易に行うことができるため作業性に優れた換気ファン装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。
図2】本実施形態の換気ファン装置の透過斜視図である。
図3】本実施形態の換気ファン装置の分解構成図である。
図4】送風ケースを取入口側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0011】
本発明は、筐体内の換気を必要とする装置に取り付けられる換気ファン装置であって、空気を取り入れるファンと、空気中の塵埃を捕集するフィルタ濾材と、ファンとフィルタ濾材が取り付けられる送風ケースを備えており、送風ケースはファン取付部とフィルタ濾材取付部を有している。換気ファン装置は、ファンとフィルタ濾材とをケースに取り付けることで一体化されているので、筐体内への着脱を容易に行うことができるため組立やメンテナンスの作業性に優れる。
【0012】
また、フィルタ濾材には取付孔が設けられており、フィルタ濾材取付部は取付孔に挿通される取付ピンを有している。フィルタ濾材は、フィルタ濾材に設けられた取付孔に取付ピンを挿通することで送風ケースに固定することができるため、フィルタ濾材の取り替えを容易に行うことができる。
【0013】
また、フィルタ濾材は折り返されて送風ケースに取り付けられ、送風ケースはフィルタ濾材の折り返し位置を案内するガイド部を有している。フィルタ濾材を折り返すことで集塵面積を確保することができ、送風ケースにはフィルタ濾材のガイド部が設けられているので、容易に折り返した状態で配置することができる。
【0014】
また、ガイド部は送風ケースの内側面に形成された波型の凹凸である。ガイド部は、送風ケース内にファンを挿入する際の邪魔にならないので、組立の作業性を損なうことがない。
【実施例0015】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。換気ファン装置は、筐体内部の換気を必要とする装置であればどのような装置にも適用することができる。以下では、換気ファン装置を備える装置として燃料電池装置を例に示して説明する。
【0016】
図1は本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。燃料電池装置100は、燃料電池モジュール1を含み、燃料電池モジュール1を作動させるための、第1熱交換器2、蓄熱タンク3、凝縮水タンク4、放熱器5、空気供給装置14、燃料供給装置15、改質水供給装置16等の複数の補機が筐体50内に納められている。筐体50内には上述の装置全てが収められる必要はなく、例えば、第1熱交換器2や蓄熱タンク3を筐体50の外部に設けてもよい。また、上述の装置の一部を省略した燃料電池装置も可能である。
【0017】
燃料電池モジュール1は、箱状の収納容器10の内部に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池11と、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12と、を収容して構成される。
【0018】
燃料電池11の構成については特に限定はしないが、例えば、複数の燃料電池セルが配列されてなるセルスタック構造を有していてもよい。セルスタック構造の燃料電池11は、例えば、各燃料電池セルの下端を、ガラスシール材等の絶縁性接合材を用いて、マニホールドに固定することによって構成される。
【0019】
改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを水蒸気改質し、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する。改質器12には、原燃料ガスを供給する燃料供給装置15と、改質水を供給する改質水供装置16が接続されており、原燃料ガスと改質水は加熱された改質器12で改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0020】
燃料電池11には、改質器12で生成された燃料ガスと、空気供給装置14によって導入された空気(酸素含有ガス)が供給される。燃料ガスは、燃料電池セル内を通過するときに酸素含有ガスと反応して発電が行われる。発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池11の上部で合流して燃焼する。この燃料ガスの燃焼によって高温の排ガスが生成され、改質器12はこの熱によって加熱される。このようにして燃料電池モジュール1内で生じた排ガスは、第1熱交換器2に供給される。
【0021】
第1熱交換器2には配管を介して、蓄熱タンク3、熱媒ポンプP1および放熱器5が接続され、第1熱媒循環ラインHC1が形成されている。この第1熱媒循環ラインHC1には熱媒体が導入されており、第1熱交換器2ではこの熱媒体と前述の排ガスとで熱交換が行われて熱媒体が加熱される。熱媒体としては水などを用いることができ、蓄熱タンク3は熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク3に蓄えられた熱媒体は、放熱器5に送られて冷却され、再び第1熱交換器2で排ガスと熱交換を行った後、蓄熱タンク3に還流する。これにより、蓄熱タンク3には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0022】
また、第1熱交換器2には、凝縮水回収路20を介して凝縮水タンク4が接続されている。燃料電池モジュール1で発生した排ガスが熱交換によって冷却されると、排ガス中に含まれる水蒸気が水と気体に分離され、分離された水は、凝縮水回収流路20を通って凝縮水タンク4に回収される。凝縮水タンク4では、イオン交換器(図示せず)などを経て、回収した水から不純物を取り除いて純水化する。純水化した水は水供給装置16により改質器12に供給され、改質水として使用される。一方で、水分が取り除かれた気体は、排気流路21を通ってから筐体50の外に排出される。
【0023】
改質器12に原燃料を供給する燃料供給装置15は、燃料の供給源から繋がる原燃料流路22上に、第1電磁弁150、圧力センサ151、脱硫器152、ガス流量計153、燃料ポンプ154、第2電磁弁155等の補機が設けられている。改質器12に改質水を供給する改質水供給装置16は、凝縮水タンク4から繋がる改質水流路23上に改質水ポンプ160等の補機が設けられている。燃料電池モジュール1に酸素含有ガスを供給する空気供給装置14は、酸素含有ガス流路24上に、エアフィルタ140、空気流量計141、ブロワ142等の補機が設けられている。なお、ここに挙げた補機は一例であって、この他の補機を備える構成としてもよい。
【0024】
さらに、燃料電池装置100には、各種機器の動作を制御する制御装置30が設けられているほか、燃料電池モジュール1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)40、筐体50内に外部の空気を取り入れて換気を行う換気ファン装置7を備えている。
【0025】
燃料電池モジュール1は発電時に高温となり熱を放出する。燃料電池モジュール1からの放熱によって筐体50内の温度が高くなると、補機の寿命に影響を及ぼすおそれがある。そこで、筐体50内を換気するために、換気ファン装置7が設けられている。換気ファン装置7は、空気を取り入れるファン70を備えている。また、筐体50には換気用吸気口50aと換気用排気口50bが設けられており、ファン70の回転により換気用吸気口50aから換気用の空気を取り込み、取り込まれた空気は筐体50内部の換気が必要な個所を通って換気用排気口50bから排出される。
【0026】
また、燃料電池装置100は、第2熱交換器6、蓄熱タンク3から熱媒を循環させる与熱ポンプP2およびこれらを繋ぐ配管を含む第2熱媒循環ラインHC2を備えていてもよい。第2熱媒循環ラインHC2では、外部から供給流路25を介して供給された水道水を、蓄熱タンク3に貯留された高温の熱媒体を用いて第2熱交換器6で加温する。加温された水を外部の給湯器等の再加熱装置に向けて送給流路26を介して送給することができる。燃料電池装置100は、外部への温水供給を行わない、いわゆるモノジェネレーションシステムであってもよい。
【0027】
図2は、本実施形態の換気ファン装置の透過斜視図であり、図3は、本実施形態の換気ファン装置の分解構成図である。換気ファン装置7は、空気を筐体50内に取り入れるファン70と、ファン70によって取り入れられる空気中の塵埃を捕集するフィルタ濾材71と、ファン70とフィルタ濾材71が取り付けられるダクト状の空気通路721を有する送風ケース72を備えている。なお、図2においては、送風ケース72を透過して示している。
【0028】
ファン70は、モータ701と、モータ701の駆動により回転する羽根702と、羽根702の外周を囲う四角形状の枠部703とを備えている。枠部703の角には、ファン70を送風ケース72に固定するためのビスが挿通されるビス孔704が設けられている。
【0029】
フィルタ濾材71は、適度な厚さを有したシート状の部材であって、不織布等の塵埃捕集機能を有した材料によって構成されている。フィルタ濾材71は柔軟性を有しており、W型に折り返されて送風ケース72内に配置されている。これにより、小さい平面面積でも集塵面積を確保することができる。なお、本実施形態ではフィルタ濾材71はW型に折り返されているが、V型でもよく、さらには2以上の山が形成されるように折り返してもよい。
【0030】
また、フィルタ濾材71には円型の孔である取付孔71a~71dが形成されている。取付孔71a~71dはフィルタ濾材71の長手方向の両端部の2箇所と、W型に折り返された山状部分の上下端部の2箇所の、計4箇所に設けられている。
【0031】
送風ケース72は、空気の取入口722と、空気の排出口723を備えるとともに、ファン70が取り付けられるファン取付部724と、フィルタ濾材71が取り付けられるフィルタ濾材取付部725を有している。また、ファン取付部724よりも下流側には、空気の取入口722に対して傾斜している傾斜面72aが設けられており、この傾斜面72aによって換気用の空気の排出方向を偏向させることができる。
【0032】
図4は、送風ケースを取入口側から見た正面図である。ファン取付部724には、送風ケース72内面の対角線上にビス受部80が設けられている。送風ケース72内に挿入されたファン70は、枠部703をこのビス受部80に当接させて配置され、ビス受部80にビスを挿通することでファン70を固定する。
【0033】
フィルタ濾材取付部725は、フィルタ濾材71の取付孔71a~71dに挿通される取付ピンを備えている。具体的には、フィルタ濾材取付部725は、取入口722に向かって延びる突起状のピン部81と、リベット82と、リベット82が挿し込まれるリベット挿通孔83を有していて、取入口722を構成する4辺のそれぞれには、ピン部81またはリベット82(リベット挿通孔83)のいずれかが設けられている。フィルタ濾材71をフィルタ濾材取付部725に挿入すると、取付孔71aと71bには、ピン部81が挿通される。また、取付孔71cと71dにはリベット82を挿し込み、リベット82はリベット挿通孔83に挿通されてフィルタ濾材71を固定する。したがって、フィルタ濾材71の取り替えを容易に行うことができる。
【0034】
本実施形態では、フィルタ濾材71を固定するためにピン部81とリベット82を用いているが、ピン部81のみ、またはリベット82のみとしてもよい。ピン部81とリベット82では、ピン部81の方が取り付けの手間は少ないが、リベット82の方がより確実に固定することができ、それぞれに利点がある。よって、換気ファン装置7の使用環境に応じてピン部81とリベット82のいずれを用いるかを適宜選択すればよい。また、ピン部81とリベット82を配置する位置や数も本実施形態に限定するものではなく、適宜設定することができる。
【0035】
また、フィルタ濾材取付部725には、フィルタ濾材71の折り返し位置を案内するガイド部84が設けられている。フィルタ濾材71はガイド部84に沿って配置されることで、容易に折り返した状態で配置することができ、折り返し形状が崩れてしまうことも防止されるので、フィルタ濾材71の全体に空気を流通させて、効率よく塵埃を捕集することができる。
【0036】
ガイド部84は、例えば、送風ケース72の内側面に波型の凹凸を設けて形成することができる。ガイド部84はフィルタ濾材71の折り返し位置を案内するために設けられるものであるから、凹凸はフィルタ濾材71の端部が引っかかる程度の高さがあればよい。つまり、ガイド部84が空気通路721を横断したり、空気通路721を狭めたりすることがないから、送風ケース72内にファン70を挿入する際の邪魔にならず、組立の作業性を損なうことがない。
【0037】
以上に説明したように、本発明の換気ファン装置7は、ファン70とフィルタ濾材71とをケースに取り付けることで一体化されているので、予め換気ファン装置7を組み立てておき、燃料電池装置100等の筐体50内に取り付けることができる。着脱を容易に行うことができるため組立やメンテナンスの作業性に優れる。
【符号の説明】
【0038】
7 換気ファン装置
70 ファン
71 フィルタ濾材
71a~71d 取付孔
72 送風ケース
724 ファン取付部
725 フィルタ濾材取付部
81 ピン部(取付ピン)
82 リベット(取付ピン)
84 ガイド部
図1
図2
図3
図4