(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047689
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像読み取り装置、画像形成装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20240401BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240401BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N5/222 300
H04N1/00 350
H04N5/232 290
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153323
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲夫
【テーマコード(参考)】
5C062
5C122
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB40
5C062AC02
5C122EA42
5C122FH12
5C122GA01
5C122GA23
5C122GD01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】ユーザが、(A)の矢印で示すように、原稿Gを左方向へ移動したうえで原稿Gの除去を行った場合、取得された撮影画像についての確定処理が行われ、2次記憶部へのこの撮影画像の保存処理が行われる。一方、ユーザが、(B)の矢印で示すように、原稿Gを右方向へ移動したうえで原稿Gの除去を行った場合、取得された撮影画像が破棄される処理が行われる。この場合、2次記憶部への撮影画像の保存処理は行われない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出し、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り結果の取り扱いに関する決定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、情報格納部に前記読み取り結果が格納されるようにする決定を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、前記読み取り結果が破棄されるようにする決定を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り処理を継続するか否かについての決定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、当該原稿が最終原稿であると判断し、当該原稿の読み取り結果を含むファイルが生成されるようにする決定を行う、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、原稿の前記読み取り処理が中止されるようにする決定を行う、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記原稿台の前記撮影により得られる映像を基に、当該原稿台上における原稿の動きを検出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が当該原稿台の表面に沿って移動する際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記原稿台の前記表面に沿って原稿が移動する際の当該原稿の移動方向に基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
矩形状に形成された前記原稿台が有する4つの側辺のうちの、移動する原稿が向かう先に位置する側辺に応じて、原稿の読み取りに関する前記決定の内容を異ならせる、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が当該原稿台から除去される際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が回転し又は移動した場合、当該原稿の再撮影が行われるようにする決定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が回転又は移動し且つ当該原稿が特定の状態となった場合に、当該原稿の再撮影が行われるようにする前記決定を行う、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置とを備え、当該情報処理装置が請求項1乃至14の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像読み取り装置。
【請求項16】
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置と、記録材への画像の形成を行う画像形成部とを備え、当該情報処理装置が請求項1乃至14の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像形成装置。
【請求項17】
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出する機能と、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像読み取り装置、画像形成装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スキャンデータからスキャンミス条件を検知した場合、マーカー条件記憶部から読み出したマーカー条件に基づいてスキャンデータに対して要再スキャンを示すマーカーを付加する処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿の読み取りが行われる場合、一般的に、各種の決定が行われたうえで読み取りに関する処理が行われる。
ここで、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作を基に、原稿の読み取りに関する決定を行う場合、ユーザによる受付装置に対する操作が必須となる。この場合、受付装置に対するユーザの操作が必要でない場合に比べ、ユーザの操作性が低下しやすい。
本発明の目的は、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備える情報処理装置であり、前記プロセッサは、原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出し、前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り結果の取り扱いに関する決定を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、情報格納部に前記読み取り結果が格納されるようにする決定を行う、請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、前記読み取り結果が破棄されるようにする決定を行う、請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り処理を継続するか否かについての決定を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、当該原稿が最終原稿であると判断し、当該原稿の読み取り結果を含むファイルが生成されるようにする決定を行う、請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、原稿の前記読み取り処理が中止されるようにする決定を行う、請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台の前記撮影により得られる映像を基に、当該原稿台上における原稿の動きを検出する、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上の原稿が当該原稿台の表面に沿って移動する際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台の前記表面に沿って原稿が移動する際の当該原稿の移動方向に基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、請求項9に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、矩形状に形成された前記原稿台が有する4つの側辺のうちの、移動する原稿が向かう先に位置する側辺に応じて、原稿の読み取りに関する前記決定の内容を異ならせる、請求項10に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上の原稿が当該原稿台から除去される際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上の原稿が回転し又は移動した場合、当該原稿の再撮影が行われるようにする決定を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記プロセッサは、前記原稿台上の原稿が回転又は移動し且つ当該原稿が特定の状態となった場合に、当該原稿の再撮影が行われるようにする前記決定を行う、請求項13に記載の情報処理装置である。
請求項15に記載の発明は、原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置とを備え、当該情報処理装置が請求項1乃至14の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像読み取り装置である。
請求項16に記載の発明は、原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置と、記録材への画像の形成を行う画像形成部とを備え、当該情報処理装置が請求項1乃至14の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像形成装置である。
請求項17に記載の発明は、原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出する機能と、前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り結果の取扱いに関する決定が行われるようにすることができる。
請求項3の発明によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、情報格納部に読み取り結果が格納されるようにすることができる。
請求項4の発明によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、読み取り結果の破棄が行われるようにすることができる。
請求項5の発明によれば、原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り処理を継続するか否かについての決定が行われるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きがある場合に、原稿の読み取り結果を含むファイルが生成されるようにすることができる。
請求項7の発明によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、原稿の読み取り処理が中止されるようにすることができる。
請求項8の発明によれば、原稿台上における原稿の動きを検出するための専用のセンサを設けずに、原稿台上の原稿の動きを検出することができる。
請求項9の発明によれば、原稿台上の原稿がこの原稿台の表面に沿って移動する際の原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
請求項10の発明によれば、原稿台の表面に沿って原稿が移動する際の原稿の移動方向に基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
請求項11の発明によれば、移動する原稿が向かう先に位置する、原稿台の側辺に応じて、原稿の読み取りに関する決定の内容を異ならせることができる。
請求項12の発明によれば、原稿が原稿台から除去される際の原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
請求項13の発明によれば、原稿台上の原稿が回転したり移動したりした場合に、この原稿の再撮影が行われるようにすることができる。
請求項14の発明によれば、原稿台上の原稿が回転したり移動したりし且つこの原稿が特定の状態となった場合に、この原稿の再撮影が行われるようにすることができる。
請求項15の発明によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
請求項16の発明によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
請求項17の発明によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】画像読み取り装置の全体構成を示した図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を説明する図である。
【
図3】(A)、(B)は、画像読み取り装置にて実行される処理を説明する図である。
【
図4】(A)、(B)は、画像読み取り装置にて実行される他の処理を説明する図である。
【
図5】(A)~(D)は、画像読み取り装置にて実行される処理の一連の流れを説明する図である。
【
図6】(A)~(D)は、他の処理例を示した図である。
【
図7】処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
【
図8】(A)~(C)は、他の処理例を示した図である。
【
図10】処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
【
図11】(A)、(B)は、他の処理例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、画像読み取り装置1の全体構成を示した図である。
本実施形態の画像読み取り装置1は、いわゆる書画カメラである。
画像読み取り装置1には、画像の読み取りの対象となる原稿Gが置かれこの原稿Gを下方から支持する原稿台3と、原稿台3に置かれた原稿Gの撮影を行う撮影装置の一例としてのカメラ5と、ユーザへの情報の表示を行う表示装置7とが設けられている。
画像読み取り装置1は、原稿Gが置かれた原稿台3の撮影を行ってこの原稿Gの読み取りを行う装置である。
【0009】
さらに、画像読み取り装置1には、原稿Gの撮影に関する情報の処理を行う情報処理装置100が設けられている。情報処理装置100は、不図示の通信回線を介して、カメラ5、表示装置7に接続されている。情報処理装置100は、後述するように、原稿Gの読み取りに関する各種の決定を行う。
カメラ5は、原稿台3の上部に配置され、また、原稿台3との間に間隙を有した状態で配置される。カメラ5は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を備え、下方に位置する原稿台3の撮影を行う。本実施形態では、カメラ5の画角内に原稿台3が収まっており、カメラ5は、原稿台3の全体を撮影する。
【0010】
表示装置7は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにより構成され、画像読み取り装置1を操作するユーザに通知される情報の表示を行う。
本実施形態では、表示装置7は、いわゆるタッチパネルにより構成され、表示装置7は、情報の表示のみならず、ユーザの操作を受け付ける。
【0011】
原稿台3は、矩形状に形成され、4つの側辺31を有する。本実施形態では、4つの側辺31として、手前側側辺311、奥側側辺312、右側側辺313、左側側辺314が設けられている。
ユーザが画像読み取り装置1の操作を行う場合は、手前側側辺311の前に、このユーザが位置する形となる。言い換えると、本実施形態では、手前側側辺311を挟み、奥側側辺312が位置する側とは反対側に、ユーザが位置する形となる。
【0012】
本実施形態では、自動で原稿Gの撮影が行われる。
本実施形態では、原稿台3に原稿Gが置かれると、情報処理装置100が、カメラ5により得られる映像を基に、この原稿Gを検知する。
情報処理装置100は、原稿Gを検知すると、カメラ5を作動させ、この原稿Gが置かれた原稿台3の撮影を行う。これにより、原稿Gについての撮影画像が取得される。この撮影画像は、静止画となっている。
なお、原稿Gの撮影は、自動で行うのに限らず、ユーザからの指示に応じて行われるようにしてもよい。
【0013】
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成を説明する図である。
情報処理装置100には、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、プログラムなどの情報が記録される2次記憶部12と、外部装置との間における情報の送受信を行う通信部13とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0014】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。本実施形態では、このCPU11aが、以下で説明する各処理を実行する。
また、演算処理部11は、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cを備える。
また、演算処理部11は、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部13等の各部を制御するインターフェース部11eを備える。
【0015】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。
本実施形態では、演算処理部11が、2次記憶部12やROM11cに記憶されたプログラムを読み込むことによって、以下で説明する各処理が実行される。
演算処理部11と、2次記憶部12と、通信部13とは、バスや信号線を通じて接続されている。
【0016】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、情報処理装置100へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、情報処理装置100へ提供してもよい。
【0017】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0018】
図3(A)、(B)は、画像読み取り装置1にて実行される処理を説明する図である。
画像読み取り装置1における原稿Gの読み取りにあたっては、まず、
図3(A)に示すように、原稿台3の上に原稿Gが置かれる。
次いで、カメラ5(
図1参照)による撮影が行われ、原稿Gを撮影することにより得られる撮影画像が取得される。
本実施形態では、カメラ5によって、原稿台3の全体が撮影され、撮影画像には、原稿Gの画像のみならず、原稿台3についての画像も含まれる。
その後、ユーザによって、原稿台3からの原稿Gの除去が行われる。
【0019】
本実施形態では、ユーザが、例えば、
図3(A)の矢印で示すように、原稿Gを左方向へ移動したうえで原稿台3からの原稿Gの除去を行った場合、取得された撮影画像についての確定処理が行われ、2次記憶部12(
図2参照)へのこの撮影画像の保存処理が行われる。
一方、本実施形態では、ユーザが、例えば、
図3(B)の矢印で示すように、原稿Gを右方向へ移動したうえで原稿台3からの原稿Gの除去を行った場合、取得された撮影画像が破棄される処理が行われる。この場合、2次記憶部12への撮影画像の保存処理は行われない。
【0020】
本実施形態では、CPU11aは、このように、原稿台3上における原稿Gの動きに基づき、原稿Gの読み取りに関する決定を行う。より具体的には、CPU11aは、原稿台3の表面3a(
図1参照)に沿って原稿Gが移動する際のこの原稿Gの移動方向に基づき、原稿Gの読み取りに関する決定を行う。
図3(A)、(B)にて示した例では、CPU11aが、原稿台3上における原稿Gの動きに基づき、原稿Gの読み取り結果の取り扱いに関する決定を行う場合を例示している。
CPU11aは、カメラ5による原稿台3の撮影により得られる映像を基に、原稿台3上における原稿Gの動きを検出する。そして、CPU11aは、検出したこの動きに基づき、原稿Gの読み取り結果の取り扱いに関する決定を行う。
【0021】
具体的には、上記の通り、CPU11aは、原稿Gが左方向へ移動した場合、取得された撮影画像についての確定処理が行われるようにし、2次記憶部12へのこの撮影画像の保存処理が行われるようにする。
言い換えると、CPU11aは、原稿台3上における原稿Gの動きが予め定められた特定の動きである場合、情報格納部の一例である2次記憶部12に、読み取り結果の一例である撮影画像が格納されるようにする決定を行う。
【0022】
また、CPU11aは、原稿Gが右方向へ移動した場合、取得された撮影画像が破棄される処理が行われるようにする決定を行う。
言い換えると、CPU11aは、原稿台3上における原稿Gの動きが予め定められた特定の動きである場合、読み取り結果の一例である撮影画像が破棄されるようにする決定を行う。
【0023】
CPU11aは、原稿台3上における原稿Gの動きを検出する。そして、CPU11aは、原稿台3上における原稿Gの動きに基づき、原稿Gの読み取りに関する決定を行う。
ここで、「原稿Gの読み取りに関する決定」には、例えば、原稿Gの読み取り条件についての決定(後述)や、原稿Gの読み取りにより得られた撮影画像の保存や破棄についての決定や、原稿Gの読み取りにより得られた撮影画像の出力についての決定(後述)などが含まれる。
【0024】
CPU11aは、カメラ5により取得される映像を基に、原稿台3上の原稿Gの移動方向を特定する。そして、CPU11aは、特定した移動方向を基に、撮影画像についての決定を行う。
具体的には、CPU11aは、特定した移動方向を基に、上記の通り、例えば、撮影画像についての確定処理や、撮影画像を破棄する処理が行われるようにする決定を行う。
【0025】
図4(A)、(B)は、画像読み取り装置1にて実行される他の処理を説明する図である。
図4(A)に示す処理例でも、上記と同様、まず、符号4Aで示すように、原稿台3の上に原稿Gが置かれる。次いで、カメラ5(
図1参照)による撮影が行われ、原稿Gの画像および原稿台3の画像を含む撮影画像が取得される。
その後、ユーザによって、
図4(A)の矢印4Bで示すように、原稿台3に置かれた原稿Gの回転が行われる。
この場合、CPU11aが、カメラ5により取得される映像を基に、この回転を検知する。そして、CPU11aは、原稿Gの回転を検知した場合、カメラ5を作動させ、回転後の原稿Gの再撮影が行われるようにする。
【0026】
図4(B)は、画像読み取り装置1にて実行される他の処理を説明する図である。
図4(B)に示す処理例でも、上記と同様、まず、符号4Dで示すように、原稿台3の上に原稿Gが置かれる。次いで、カメラ5による撮影が行われ、原稿Gの画像および原稿台3の画像を含む撮影画像が取得される。
その後、ユーザによって、
図4(B)の矢印4Eで示すように、原稿台3に置かれた原稿Gの移動が行われる。
この場合、CPU11aが、カメラ5により取得される映像を基に、この移動を検知する。そして、CPU11aは、原稿Gの移動を検知した場合、カメラ5を作動させて、移動後の原稿Gの再撮影が行われるようにする。
【0027】
図5(A)~(D)は、画像読み取り装置1にて実行される処理の一連の流れを説明する図である。なお、
図5(A)~(D)の各々では、上段に、表示装置7の状態を示し、下段に、原稿台3の状態を示している。
本実施形態では、原稿Gの撮影が行われる場合は、上記の通り、まず、原稿台3の上に、原稿Gが置かれる。この例では、まず、原稿台3の上に、原稿Gの一例として、原稿A(不図示)が置かれる。次いで、この原稿Aの撮影が行われる。これにより、原稿Aについての撮影画像が取得される。
そして、この処理例では、この原稿Aが、左方向に移動したうえで原稿台3から除去される。これにより、原稿Gの一例としての原稿Aについての確定処理が行われて、原稿Aの撮影画像の保存が行われる。
【0028】
本実施形態では、原稿Gについて確定処理が行われると、
図5(A)の符号5Aで示すように、表示装置7に、原稿Gの撮影画像に対応する画像である対応画像19が表示される。
対応画像19は、特に限定されないが、例えば、原稿Gの撮影画像を縮小したものにより構成される。言い換えると、対応画像19は、例えば、原稿Gの撮影画像のサムネイル画像により構成される。
対応画像19は、原稿Gの撮影画像が保存済みであることを示す画像である。対応画像19は、上記の確定処理が行われた場合に、表示装置7に表示される。
【0029】
さらに、本実施形態では、原稿Gについて確定処理が行われると、
図5(A)の符号5Bで示すように、「原稿台の上に原稿を置いてください」という表示が行われる。言い換えると、原稿Gについて確定処理が行われると、原稿台3の上への新たな原稿Gのセットをユーザに促す通知が行われる。
なお、ここでは、原稿Gについて確定処理が行われた場合に、この通知が行われる場合を示したが、本実施形態では、原稿Gについて破棄の処理が行われた場合にも、この通知が行われる。
【0030】
次いで、この処理例では、
図5(B)に示すように、原稿台3の上に、新たな原稿Gの一例である原稿Bが置かれる。
そして、上記と同様、この場合も、この原稿Bの撮影が行われる。これにより原稿Bについての撮影画像が取得される。そして、表示装置7に、符号5Bで示すように、原稿Bについての撮影画像が表示される。
さらに、
図5(B)の符号5Cで示すように、表示装置7には、原稿Bについての操作方法を示す表示(以下、「操作方法表示」と称する)と、原稿Bの操作を行った場合に実行される処理の内容の表示(以下、「処理内容表示」と称する)とが行われる。
【0031】
この処理例では、操作方法表示、処理内容表示の一つとして、原稿Gを左側に移動させて原稿台3から原稿Gを除去すると確定処理が行われる旨の表示が行われている。
また、この処理例では、操作方法表示、処理内容表示の一つとして、原稿Gを右側に移動させて原稿台3から原稿Gを除去すると、撮影画像の破棄の処理が行われ、また、原稿Gの再読み取りが行われる旨の表示が行われている。
【0032】
その後、この処理例では、ユーザによって、原稿Bについての操作が行われる。具体的には、この処理例では、ユーザが、
図5(B)の符号5Dで示す原稿Bを、原稿台3の表面3aに沿って左方向へ移動させて原稿台3から原稿Bの除去を行う操作を行う。
これにより、この場合、撮影画像の確定処理が行われ、原稿Bについて撮影画像が、2次記憶部12に保存され、この撮影画像の登録が行われる。
この場合、
図5(C)に示すように、表示装置7に、原稿Bに対応した対応画像19が表示される。さらに、この場合、上記と同様、符号5Gで示す表示が表示装置7にて行われ、原稿台3の上への新たな原稿Gのセットをユーザに促す通知が行われる。
【0033】
その後、この処理例では、
図5(D)の符号5Hで示すように、ユーザによって、原稿台3の上に、新たな原稿Cが置かれる。
そして、上記と同様、この場合も、この原稿Cの撮影が行われる。これにより原稿Cについての撮影画像が取得され、符号5Jで示すように、表示装置7に、この撮影画像が表示される。
さらに、上記と同様、この場合、符号5Kに示すように、表示装置7に、原稿Cについての操作方法表示と、原稿Cについての処理内容表示とが表示される。
【0034】
この場合も、操作方法表示と処理内容表示として、原稿Gを左側に移動させて原稿台3から原稿Gを除去すると確定処理が行われる旨の表示が行われる。
また、この場合も、操作方法表示と処理内容表示として、原稿Gを右側に移動させて原稿台3から原稿Gを除去すると、撮影画像の破棄の処理が行われる旨の表示、原稿Gの再読み取りが行われる旨の表示が行われる。
【0035】
その後、ユーザによって、原稿Cについての操作が行われる。
ユーザが、原稿Cを左方向へ移動させたうえで原稿台3からの原稿Cの除去を行った場合、上記と同様、原稿Cの撮影画像の確定処理が行われる。
また、ユーザが、原稿Cを右方向へ移動させたうえで原稿台3からの原稿Cの除去を行った場合、原稿Cについての撮影画像を破棄する処理が行われる。
【0036】
図6(A)~(D)は、他の処理例を示した図である。
この処理でも、上記と同様、まず、原稿Aの撮影が行われる。
これにより、原稿Aについての撮影画像が取得される。また、上記と同様、
図6(A)に示すように、表示装置7に、原稿Aについて撮影画像に対応する画像である対応画像19が表示される。
【0037】
次いで、この処理例でも、
図6(B)の符号6Dで示すように、原稿台3の上に、原稿Bが置かれる。
そして、上記と同様、この場合も、この原稿Bの撮影が行われる。これにより原稿Bについての撮影画像が取得される。そして、
図6(B)の符号6Aで示すように、この撮影画像が、表示装置7に表示される。
さらに、上記と同様、
図6(B)の符号6Cで示すように、表示装置7に、原稿Bについての操作方法表示と、原稿Bについての処理内容表示とが表示される。
【0038】
その後、ユーザによって、原稿Bについての操作が行われる。具体的には、この処理例では、ユーザは、原稿B(
図6(B)の符号6D参照)を、原稿台3の表面3aに沿って右方向へ原稿Bを移動させたうえで原稿台3から除去する。
これにより、この場合、原稿Bについての撮影画像の破棄が行われる。この場合、
図6(C)に示すように、表示装置7には、原稿Bに対応した対応画像19は表示されない。
【0039】
原稿台3からの原稿Bの除去が行われると、上記と同様、
図6(C)に示すように、表示装置7に、原稿台3の上への新たな原稿Gのセットをユーザに促す通知が行われる。
これに応じ、この処理例では、
図6(D)の符号6Eで示すように、ユーザによって、原稿台3の上に、再び、原稿Bが置かれる。
そして、この場合、この原稿Bの撮影が再び行われる。これにより原稿Bについての撮影画像が、再び取得される。
撮影画像が取得されると、上記と同様、符号6Fに示すように、表示装置7に、この撮影画像が表示され、さらに、原稿Bについての操作方法表示と、原稿Bについての処理内容表示とが表示される。
【0040】
その後、ユーザによって、原稿Bについての操作が行われる。
この場合、ユーザが、原稿Bを左方向へ移動させたうえで原稿台3からの原稿Bの除去を行った場合、確定処理が行われる。
また、ユーザが、原稿Bを右方向へ移動させたうえで原稿台3からの原稿Bの除去を行った場合、撮影画像を破棄する処理が行われる。
【0041】
図7は、
図5および
図6にて説明した処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
本実施形態では、まず、ユーザが、撮影条件の設定を行う(ステップS101)。具体的には、ユーザは、例えば、表示装置7に対する操作を行って、撮影条件の設定を行う。
次いで、ユーザが、原稿Gを、原稿台3の上に置く(ステップS102)。
【0042】
そして、CPU11aが、カメラ5により得られる映像を基に、原稿台3に置かれた原稿Gを検知する(ステップS103)。CPU11aは、原稿Gを検知すると、カメラ5を作動させて、原稿Gが載った原稿台3の撮影を行う(ステップS104)。これにより、原稿Gおよび原稿台3の両者が写った撮影画像が取得される。
その後、CPU11aは、撮影画像のうちの、原稿Gを読み取っている部分(以下、「原稿画像」と称する)を抽出して取得する(ステップS105)。
そして、CPU11aは、表示装置7に、この原稿画像が表示されるようにする(ステップS106)。また、この際、CPU11aは、上記の操作方法表示、処理内容表示の表示処理を行う。
これにより、表示装置7では、
図5(B)や
図6(B)にて示した表示が行われる。
【0043】
次いで、ユーザが、表示装置7を参照し、原稿画像の確認を行う(ステップS107)。
次いで、CPU11aは、原稿Gが原稿台3から除去されたか否かを判断する(ステップS108)。具体的には、CPU11aは、カメラ5が得る映像を解析して、原稿Gが原稿台3から除去されたか否かを判断する。
CPU11aは、原稿Gが除去されたと判断した場合、原稿Gの移動方向の特定を行う(ステップS109)。
【0044】
そして、CPU11aは、原稿Gの移動方向が左方向であると特定した場合、上記の確定処理を行う(ステップS110)。具体的には、この場合、CPU11aは、2次記憶部12への撮影画像の保存処理を行う。さらに、この場合、CPU11aは、表示装置7に、原稿Gに対応した対応画像19の表示を行う。
次いで、CPU11aは、表示装置7に、原稿台3に新たな原稿Gが置かれるようにするための案内を表示する(ステップS111)。言い換えると、CPU11aは、上記の通り、原稿台3の上への新たな原稿Gのセットをユーザに促す通知を行う。
これにより、表示装置7における表示が、例えば、
図5(C)に示す表示となる。
【0045】
一方、CPU11aは、原稿Gの移動方向が右方向であると特定した場合、撮影画像を破棄する処理を行う(ステップS112)。次いで、CPU11aは、この場合も、表示装置7に、原稿台3に新たな原稿Gが置かれるようにするための案内を表示する(ステップS113)。
これにより、この場合、表示装置7における表示が、例えば、
図6(C)にて示した表示となる。
なお、本実施形態では、ステップS113の処理にて、新たな原稿Gのセットを促す通知を行うが、通知の内容はこれに限られない。これ以外に、例えば、破棄された撮影画像の元となった原稿Gが原稿台3に再び置かれるようにする案内が、表示装置7に表示されるようにしてもよい。
【0046】
一方、ステップS108にて、原稿Gが原稿台3から除去されていないと判断された場合、ステップS114の処理に進む。
ステップS114の処理では、ユーザが、表示装置7に表示された選択項目である、「次原稿なし」という選択項目を選択する。
【0047】
上記では説明を省略したが、本実施形態では、原稿の読み取りが行われる度に、表示装置7に、「次原稿なし」という選択項目が表示される。言い換えると、本実施形態では、カメラ5による新たな撮影が行われる度に、表示装置7に、「次原稿なし」という選択項目が表示される。
ユーザが、この選択項目を選択した場合には、CPU11aは、読み取りジョブが終了したと判断し、それまで得られた撮影画像の保存処理を行う。
【0048】
この処理例では、ステップS114の処理にて、ユーザが、表示装置7に表示された選択項目である、「次原稿なし」という選択項目を選択した場合を例示している。
本実施形態では、ユーザが、「次原稿なし」という選択項目を選択すると、ステップS115の処理に進む。ステップS115の処理では、それまで得られた撮影画像を1つのファイルとして保存する処理を行う。
【0049】
本実施形態では、1枚目の原稿Gの読み取りが行われると、読み取りジョブが開始される。原稿Gが複数の場合は、この読み取りジョブが開始されている状態で、原稿Gが原稿台3に順次セットされ、原稿Gの読み取りが順に行われることになる。
そして、ユーザが、例えば、「次原稿なし」という指示を行うと、CPU11aは、最終原稿の読み取りを行ったと判断し、読み取りジョブの終了を行う。さらに、この場合、CPU11aは、複数枚の原稿Gを読み取ることにより得られた複数の撮影画像よりなる1つのファイルを生成する。
【0050】
本実施形態では、ユーザが、例えば、「次原稿なし」という指示を行うと、CPU11aは、直前に読み取られた原稿Gが最終原稿であると判断する。
そして、CPU11aは、最初の原稿Gの撮影からこの最終原稿Gの撮影までの間に行われた撮影の各々により得られた撮影画像より成る1つのファイルを生成する。
【0051】
図8(A)~(C)は、他の処理例を示した図である。
この処理例でも、まず、上記と同様、原稿Aの撮影が行われる。これにより、この処理例でも、
図8(A)の符号8Aで示すように、表示装置7に、原稿Aに対応する対応画像19が表示される。
その後、この処理例では、
図8(B)に示すように、原稿台3に原稿Bが置かれ、この原稿Bについての撮影が行われる。
これにより、上記と同様、符号8Bで示すように、原稿Bについて撮影画像が表示装置7に表示される。さらに、表示装置7には、上記と同様、原稿Bについての操作方法表示と、原稿Bについての処理内容表示とが表示される。
【0052】
この処理例では、操作方法表示、操作内容表示として、原稿Gを左側へ移動させて原稿台3から原稿Gを除去すると、撮影画像の確定処理が行われることを示す表示が行われる。
また、この処理例では、操作方法表示、操作内容表示として、原稿Gを置き直すと原稿Gの再度の読み取りが行われることを示す表示が行われる。
【0053】
その後、この処理例では、ユーザによって、
図8(C)に示すように、原稿台3上の原稿Bの置き直しが行われる。
具体的には、この処理例では、ユーザによって、
図8(B)、(C)に示すように、原稿台3の表面3aに対する垂線(不図示)を回転軸とした原稿Gの回転が行われて、原稿Gの置き直しが行われる。
これに応じ、この処理例では、置き直しが行われた後のこの原稿Gの撮影が行われる。そして、
図8(C)の符号8Eで示すように、置き直しが行われた原稿Bについての撮影画像が、表示装置7に表示される。
さらに、
図8(C)の符号8Fで示すように、再び、原稿Bについての操作方法表示と、原稿Bについての処理内容表示とが行われる。
【0054】
この処理例では、ユーザが、原稿Gが斜めになった状態で撮影がなされたことを気づき、これに応じ、原稿台3上の原稿Gを回転させ、原稿Gの置き直しを行った場合を例示している。
この処理例では、原稿Bの置き直しが行われると、この置き直しの前に行われた撮影により得られた撮影画像の破棄が行われる。また、原稿Bの置き直しが行われると、原稿Bについての再度の撮影が行われる。
【0055】
本実施形態では、CPU11aが、カメラ5により得られる映像を基に、原稿Gの置き直しが行われたか否かを判断する。そして、CPU11aは、置き直しが行われた場合、置き直しの前に行われた撮影により得られた撮影画像の破棄を行い、また、原稿Bについての再度の撮影を行う。
CPU11aは、例えば、原稿Gの位置の変化があった場合に、原稿Gの置き直しが行われたと判断する。また、CPU11aは、例えば、原稿Gの角度の変化があった場合に、原稿Gの置き直しが行われたと判断する。
そして、この場合、CPU11aは、上記の通り、置き直しの前に行われた撮影により得られた撮影画像の破棄を行い、また、置き直し後の原稿Gの撮影を行う。
【0056】
図9は、他の処理例を示した図である。
この処理例でも、まず、上記と同様、原稿Aの撮影が行われ、
図9(A)に示すように、表示装置7に、原稿Gに対応する対応画像19が表示される。
その後、この処理例でも、
図9(B)に示すように、原稿台3に原稿Bが置かれ、この原稿Bについての撮影が行われる。
これにより、上記と同様、
図9(B)に示すように、原稿Bについて撮影画像が表示装置7に表示される。さらに、上記と同様、
図9(B)に示すように、表示装置7には、原稿Bについての操作方法表示と、原稿Bについての処理内容表示とが表示される。
【0057】
その後、この処理例では、ユーザによって、原稿Bに置き直しが行われる。
この処理例では、ユーザが、原稿Gが左側に寄った状態で撮影が行われたことに気づいた場合を例示している。この場合、ユーザは、
図9(B)、(C)に示すように、原稿台3上の原稿Gを右方向へ移動させて、この原稿Gの置き直しを行う。
これに応じ、本実施形態では、原稿Gの置き直しの前に得られた、原稿Bについての撮影画像の破棄が行われる。また、置き直しが行われた原稿Bについての撮影が行われる。
【0058】
図8、
図9に示す例では、CPU11aが、原稿台3上の原稿Gが回転し又は移動した場合に、原稿Gの再撮影が行われるようにする決定を行う。これにより、本実施形態では、上記の通り、原稿Gの再撮影が行われる。
【0059】
図10は、
図8、
図9にて説明した処理が実行される際の処理の詳細を示したフローチャートである。
なお、ステップS201~ステップS207の処理は、
図7にて示したステップS101~ステップS107の処理と同様であり、ここでは、ステップS208以降の処理について説明する。
【0060】
ステップS208の処理では、原稿台3から原稿Gが除去されたか否かを判断する。
ステップS208にて原稿Gが除去されたと判断した場合、撮影画像の確定処理を行い(ステップS209)、この撮影画像の保存処理を行う。より具体的には、例えば、原稿Gが左方向へ移動されたうえで原稿台3から原稿Gが除去された場合、撮影画像の確定処理を行い、撮影画像の保存処理を行う。
次いで、上記と同様、表示装置7に、原稿台3に新たな原稿Gが置かれるようにするための案内を表示する(ステップS210)。その後、ステップS202以降の処理が再び行われる。
【0061】
一方、ステップS208にて、原稿台3から原稿Gが除去されていないと判断した場合、原稿Gが置き直されたかを判断する(ステップS211)。
そして、原稿Gが置き直されたと判断した場合、この置き直しの前に得られた撮影画像を破棄する処理を行う(ステップS212)。次いで、ステップS204以降の処理を再び行う。これにより、置き直された後の原稿Gの再撮影が行われる。
【0062】
一方、ステップS211にて、原稿Gが置き直されたと判断されなかった場合、ステップS213の処理に進む。
この処理例では、ステップS213の処理にて、ユーザが、表示装置7に表示された、「次原稿なし」という選択項目を選択する。
図10にて示すこの処理例では、ユーザが、「次原稿なし」という選択項目を選択した場合の処理を例示する。
ユーザが、「次原稿なし」という選択項目を選択すると、ステップS214の処理に進む。ステップS214の処理では、それまで得られた撮影画像を1つのファイルとして保存する処理を行う。
【0063】
図11(A)、(B)は、他の処理例を示した図である。
上記にて説明した処理の他に、
図11(A)に示したように、原稿Gの除去の際に原稿Gが原稿台3の奥側方向へ移動した場合には、「次原稿なし」という指示がユーザからあったと判断し、それまで得られた撮影画像を基に、1つの画像ファイルを生成するようにしてもよい。
本実施形態では、上記の通り、1枚目の原稿Gの読み取りが開始されると、読み取りジョブが開始される。原稿Gが複数の場合は、この読み取りジョブが開始されている状態で、原稿Gが原稿台3に順次セットされ、原稿Gの読み取りが順に行われる。
【0064】
そして、ユーザが、例えば、「次原稿なし」という指示を行うと、読み取りジョブが終了し、複数枚の原稿Gを読み取ることにより得られた複数の撮影画像よりなるファイルが生成される。
言い換えると、ユーザが、「次原稿なし」という指示を行うと、CPU11aは、直前に読み取られた原稿Gが最終原稿Gであると判断する。そして、CPU11aは、最初の原稿Gの読み取りからこの最終原稿Gの読み取りまでの間に行われた撮影の各々により得られた撮影画像より成るファイルが生成されるようにする。
【0065】
このような処理を行う場合において、上記のように、原稿台3の奥側方向へ原稿Gが移動した場合に、「次原稿なし」という指示がユーザからあったと判断するようにすると、ユーザの操作性が向上する。
「次原稿なし」という指示を行うにあたっては、表示装置7に、「次原稿なし」という選択項目を表示し、この選択項目の選択があったら、読み取りジョブが終了するようにする態様も考えられる。この場合、ユーザは、表示装置7に対する操作を行う必要が生じる。
【0066】
これに対し、本実施形態のように、原稿台3の奥側方向へ原稿Gが移動した場合に、読み取りジョブを終了するようにすると、ユーザは、表示装置7に対する操作を行わずに済む。
なお、表示装置7に、「次原稿なし」という選択項目を表示することを排除するものではなく、「次原稿なし」という選択項目の表示を行いつつ、原稿台3の奥側方向へ原稿Gが移動した場合には、読み取り処理が終了されるようにしてもよい。
【0067】
また、その他に、
図11(B)に示すように、原稿Gの除去の際に、原稿台3の手前側方向へ原稿Gが移動した場合には、読み取りジョブを中止する処理を行うようにしてもよい。この場合、それまで得られた撮影画像は破棄される。
なお、原稿台3の手前側方向へ原稿Gが移動した場合、読み取りジョブの中止を即座に行うのではなく、ユーザに対して、問い合わせを行ったうえで、中止を行うようにしてもよい。
【0068】
より具体的には、例えば、表示装置7に、読み取りジョブの中止をユーザに確認するための表示を行い、ユーザから、中止の指示があった場合に、読み取りジョブの中止を行うようにしてもよい。
なお、上記と同様、表示装置7に、「中止」を選択するための選択項目を表示することを排除するものではなく、「中止」という選択項目を表示装置7に表示しつつ、原稿台3の手前側方向へ原稿Gが移動した場合には、読み取りジョブの中止を行うようにしてもよい。
なお、本明細書では、以下、奥側方向を「上方向」と称し、手前側方向を「下方向」と称する場合がある。
【0069】
図11(A)、(B)に示す処理では、CPU11aは、原稿台3上における原稿Gの動きに基づき、原稿Gの読み取り処理を継続するか否かについての決定を行うことになる。
図11(A)に示す処理では、原稿台3上における原稿Gの動きが、予め定められた特定の動きの一例である奥側方向への動きである場合を例示している。
この場合、CPU11aは、原稿Gが最終原稿であると判断し、この原稿Gの読み取り結果を含むファイルが生成されるようにする決定を行う。
【0070】
また、
図11(B)に示す処理では、原稿台3上における原稿Gの動きが、予め定められた特定の動きの他の一例である手前側方向への動きである場合を例示している。
この場合、CPU11aは、原稿Gの読み取り処理が中止されるようにする決定を行う。
【0071】
また、その他に、原稿Gが原稿台3から除去されてから予め定められた時間が経過したときに、新たな原稿Gの検知が行われていない場合に、表示装置7に、「次原稿なし」という選択項目や、「ジョブの中止」という選択項目を表示するようにしてもよい。
この処理を行う場合、ユーザに対し、実質的に、次の操作を促す通知が行われることになり、ユーザにより次の処理が実行される可能性が高まる。
ユーザが原稿台3から原稿Gを除去してから、次の原稿Gを置かない場合、原稿Gの読み取りについての処理が先に進まない状態となる。この場合において、上記のように、選択項目が表示されるようにすると、処理が先に進む可能性が高まる。
【0072】
なお、原稿Gが原稿台3から除去されてから予め定められた時間が経過したときに、新たな原稿Gの検知が行われていない場合において、その後に、新たな原稿Gを検知した場合には、この原稿Gの読み取りを行うようにしてもよい。
また、その他に、上記の「次原稿なし」という選択項目や、「ジョブの中止」という選択項目を表示してから、ユーザによる操作が無い状態で予め定められた一定の時間が経過した場合、読み取りジョブを終了してファイルを生成するようにしてもよいし、それまでに得られた撮影画像を破棄する処理を行うようにしてもよい。
【0073】
また、その他に、例えば、ユーザが原稿Gを除去する際の原稿Gの移動方向を間違え、例えば、ユーザが確定処理を希望していたにも関わらず、撮影画像が削除されてしまう事態が生じうる。
このため、例えば、ユーザが撮影画像の削除を招いてしまう操作を行った場合は、撮影画像の削除を行ってよいかを問い合わせるための表示を行うようにして、ユーザへの問い合わせを行うようにしてもよい。そして、ユーザが、これに応じ、「削除する」指示を行った場合、撮影画像を削除するようにしてもよい。
言い換えると、ユーザが撮影画像の削除を招く操作を行った場合、ユーザからの指示をさらに受け付けるようにし、この指示に基づき、最終的な処理を行うようにしてもよい。
【0074】
また、その他に、ユーザが原稿Gを原稿台3から除去する際の原稿Gの移動方向を間違え、ユーザが削除しようとしていた撮影画像が確定されてしまう事態も生じうる。
このため、この場合も、上記と同様、撮影画像の確定を行ってよいかを問い合わせるための表示を行うようにして、ユーザへの問い合わせを行ってもよい。
そして、ユーザが、これに応じ、「確定する」指示を行った場合、撮影画像の確定を行うようにしてもよい。
【0075】
ユーザが原稿Gの除去を行った場合、以上のように、ユーザからの指示をさらに受け付けるようにすることが好ましい。そして、ユーザからのこの指示に基づき、最終的な処理を行うようにすることが好ましい。
【0076】
また、その他に、例えば、表示装置7に、処理を戻す指示をユーザから受け付けるための選択項目を表示し、ユーザからの指示があった場合に、この指示の前に行われた処理が行われる前の状態に戻す処理を行うようにしてもよい。
より具体的には、例えば、表示装置7に、破棄された撮影画像を破棄されていない状態に戻すための[Undo]ボタンなどの選択項目が表示されるようにする。そして、ユーザがこの選択項目を選択した場合、破棄された撮影画像が破棄されていない状態に戻すようにしてもよい。
【0077】
また、上記では、ユーザによる原稿Gの操作があった場合に行われる処理の一例として、撮影画像の確定についての処理や、撮影画像の破棄についての処理が行われる場合を説明した。
ところで、原稿Gの操作があった場合に行われる処理としてはこれに限らず、例えば、ユーザによる原稿Gの操作に基づき、撮影画像の出力形態についての決定処理を行うようにしてもよい。
【0078】
具体的には、例えば、ユーザによる原稿Gの操作に基づき、例えば、撮影画像の出力形態を、電子メールによる出力とするか、FAX送信による出力とするかなどの決定を行ってもよい。
また、その他に、ユーザによる原稿Gの操作に基づき、例えば、撮影画像を保存する際のファイル形式などの決定を行ってもよい。
【0079】
また、ユーザによる原稿Gの操作があった場合に行われる処理としては、その他に、例えば、原稿Gの読み取り条件の決定処理も挙げられる。
ユーザによる原稿Gの操作があった場合、この原稿Gの動きを基に、原稿Gの読み取り条件の決定を行ってもよい。具体的には、例えば、原稿Gの読み取りを行う際の解像度の決定や、原稿Gをカラーおよび白黒の何れで読み取るかなどの決定を行ってもよい。
【0080】
また、上記では、原稿Gの操作として、上下左右の4方向のうちのいずれか一方向へ原稿Gを移動させる操作を一例に説明したが、原稿Gの操作はこれに限られない。
例えば、ユーザが、原稿台3上にて、原稿Gを左右方向に振ったり、上下方向に振ったりするようにし、原稿が振られるこの動きを検知した場合に、この動きに対応付けられている処理が行われるようにしてもよい。
【0081】
また、原稿Gの移動方向は、左右方向、上下方向に限らず、原稿台3の対角線方向に沿って移動する原稿Gの移動を検知し、この動きに対応付けられている処理が行われるようにしてもよい。
また、ユーザが、原稿台3上にて、例えば、原稿Gの表裏を反転させた場合に、この反転を検知するようにし、この反転に対応付けられている処理が行われるようにしてもよい。
【0082】
また、原稿Gの除去の際に原稿Gが移動する移動方向と、この移動方向に対応付けられた処理との関係は、上記に限られるものでななく、他の関係としてもよい。
上記では、原稿Gが左方向へ移動して除去された場合に、確定処理が行われ、原稿Gが右方向へ移動して除去された場合に、破棄の処理が行われる場合を説明した。
ところで、これに限らず、例えば、原稿Gが右方向へ移動して除去された場合に、確定処理が行われるようにし、原稿Gが左方向へ移動して除去された場合に破棄の処理が行われるようにしてもよい。
【0083】
また、
図11は、原稿Gが上方向へ移動して除去された場合に、次原稿なしと判断する処理を行い、原稿Gが下方向へ移動して除去された場合に読み取りジョブを中止する処理を行う場合を一例に説明した。
ところで、これに限らず、例えば、原稿Gが上方向へ移動して除去された場合に、読み取りジョブを中止する処理を行うようにし、原稿Gが下方向へ移動して除去された場合に、次原稿なしと判断する処理を行うようにしてもよい。
【0084】
また、その他に、例えば、原稿Gが上方向や下方向へ移動して除去された場合に、確定処理や、破棄する処理が行われるようにしてもよい。
また、原稿Gが左方向や右方向へ移動して除去された場合に、次原稿なしと判断する処理や、読み取りジョブを中止する処理が行われるようにしてもよい。
【0085】
また、上記では、除去される原稿Gが原稿台3から完全に外れたら、確定処理や破棄する処理が行われる場合を説明したが、原稿Gが原稿台3から完全に外れることを、処理の開始の条件としないようにしてもよい。
原稿Gが左方向や右方向へ移動したら、確定処理や破棄する処理が行われるようにしてもよい。また、原稿Gが上方向や下方向へ移動したら、次原稿なしと判断する処理や、読み取りジョブを中止する処理が行われるようにしてもよい。
【0086】
また、
図8、
図9に示した処理例では、原稿Gの状態が変化したら、再撮影の決定が行われる場合を説明した。
ところで、これに限らず、原稿Gの状態を予め設定しておき、原稿Gの状態が変化し且つ原稿Gの状態が予め定められた状態となった場合に、再撮影などの各種の処理が行われるようにする決定を行うようにしてもよい。
言い換えると、原稿台3上の原稿Gが回転又は移動し且つこの原稿Gが特定の状態となった場合に、原稿Gの再撮影が行われるようにするなどの決定が行われるようにしてもよい。
【0087】
具体的には、例えば、
図8にて示した処理例を参照して説明すると、原稿Gが回転し且つ原稿Gが正立した状態となったら、再撮影が行われるようにする決定を行うようにしてもよい。
また、
図9にて示した処理例を参照して説明すると、原稿Gが移動し且つ原稿Gが原稿台3の中央部などの予め定められた箇所に配置されたら、再撮影が行われるようにする決定を行うようにしてもよい。
【0088】
また、その他に、矩形状に形成された原稿台3が有する4つの側辺31(
図1参照)のうちの、移動する原稿Gが向かう先に位置する側辺31に基づき、原稿Gの読み取りに関する上記の決定を行うようにしてもよい。
この場合、移動する原稿Gが向かう先に位置する側辺31に応じて、原稿Gの読み取りに関する上記の決定の内容が異なるようになる。
上記では、主に、原稿Gの移動方向に応じて、原稿Gの読み取りに関する決定を行ったが、移動する原稿Gが向かう先に位置しこの原稿Gが通過する側辺31に応じて、原稿Gの読み取りに関する決定の内容を異ならせるようにしてもよい。
【0089】
また、
図5、
図6、
図11にて示した処理例では、原稿台3からの原稿Gの除去がなされる場合における原稿Gの動きに基づき、行う処理についての決定を行う場合を一例に説明したが、この決定を行う際における原稿Gの動きは、原稿Gの除去の際の動きに限られない。
例えば、原稿台3に対して原稿Gが置かれる際の原稿Gの動きに基づき、行う処理についての決定を行うようにしてもよい。
【0090】
具体的には、原稿台3に対して原稿Gが置かれる際の原稿Gの動きに基づき、この原稿Gの読み取りを行う際の読み取り条件の決定や、得られる撮影画像の出力形態の決定などを行うようにしてもよい。
また、例えば、原稿台3に対して原稿Gが置かれる際の原稿Gの動きに基づき、この原稿Gの1つ前に読み取りが行われた原稿Gの撮影画像について、確定する処理を行うか否かの決定や、破棄する処理を行うか否かの決定を行うようにしてもよい。
【0091】
例えば、原稿台3の左側から原稿台3に向かって原稿Gが移動したうえで、原稿台3への原稿Gのセットが行われた場合は、この原稿Gの読み取りの1つ前に読み取りが行われた原稿Gについての撮影画像の確定を行う決定を行うようにしてもよい。
また、例えば、原稿台3の右側から原稿台3に向かって原稿Gが移動したうえで、原稿台3への原稿Gのセットが行われた場合は、この原稿Gの読み取りの1つ前に読み取りが行われた原稿Gの撮影画像の破棄を行う決定を行うようにしてもよい。
【0092】
また、その他に、
図12(画像形成装置を示した図)に示すように、画像形成装置400の一部として、上記の画像読み取り装置1を設けてもよい。
この画像形成装置400では、この画像形成装置400の上部に、上記にて説明した画像読み取り装置1が設けられている。
この画像読み取り装置1には、上記と同様、原稿Gを下方から支持する原稿台3と、原稿台3に置かれた原稿Gの撮影を行うカメラ5と、ユーザへの情報の表示を行う表示装置7とが設けられている。さらに、画像形成装置400には、原稿Gの撮影に関する情報の処理を行う情報処理装置100が設けられている。
【0093】
また、画像形成装置400には、この画像形成装置400の内部に、用紙などの記録材への画像の形成を行う画像形成部410が設けられている。
画像形成部410は、記録材収容部(不図示)などから供給された記録材に対して、インクジェット方式や電子写真方式などを用い、画像の形成を行う。
より具体的には、画像形成部410は、画像読み取り装置1により得られた撮影画像や、画像形成装置400の外部からこの画像形成装置400へ送信された画像データに基づき、インクジェット方式や電子写真方式などを用い、記録材への画像の形成を行う。
画像が形成された記録材は、用紙積載部420へ搬送されて、この用紙積載部420に積載される。
【0094】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備える情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出し、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う、
情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り結果の取り扱いに関する決定を行う、
(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、情報格納部に前記読み取り結果が格納されるようにする決定を行う、
(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、前記読み取り結果が破棄されるようにする決定を行う、
(((2)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り処理を継続するか否かについての決定を行う、
(((1)))に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、当該原稿が最終原稿であると判断し、当該原稿の読み取り結果を含むファイルが生成されるようにする決定を行う、
(((5)))に記載の情報処理装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合、原稿の前記読み取り処理が中止されるようにする決定を行う、
(((5)))に記載の情報処理装置。
(((8)))
前記プロセッサは、
前記原稿台の前記撮影により得られる映像を基に、当該原稿台上における原稿の動きを検出する、
(((1)))乃至(((7)))の何れかに記載の情報処理装置。
(((9)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が当該原稿台の表面に沿って移動する際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
(((1)))乃至(((8)))の何れかに記載の情報処理装置。
(((10)))
前記プロセッサは、
前記原稿台の前記表面に沿って原稿が移動する際の当該原稿の移動方向に基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
(((9)))に記載の情報処理装置。
(((11)))
前記プロセッサは、
矩形状に形成された前記原稿台が有する4つの側辺のうちの、移動する原稿が向かう先に位置する側辺に応じて、原稿の読み取りに関する前記決定の内容を異ならせる、
(((10)))に記載の情報処理装置。
(((12)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が当該原稿台から除去される際の当該原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する前記決定を行う、
(((1)))乃至(((11)))の何れかに記載の情報処理装置。
(((13)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が回転し又は移動した場合、当該原稿の再撮影が行われるようにする決定を行う、
(((1)))に記載の情報処理装置。
(((14)))
前記プロセッサは、
前記原稿台上の原稿が回転又は移動し且つ当該原稿が特定の状態となった場合に、当該原稿の再撮影が行われるようにする前記決定を行う、
(((13)))に記載の情報処理装置。
(((15)))
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置とを備え、当該情報処理装置が(((1)))乃至(((14)))の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像読み取り装置。
(((16)))
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置と、当該原稿の読み取りに関する決定を行う情報処理装置と、記録材への画像の形成を行う画像形成部とを備え、当該情報処理装置が(((1)))乃至(((14)))の何れかに記載の情報処理装置を含んで構成された画像形成装置。
(((17)))
原稿が置かれた原稿台の撮影を行って当該原稿の読み取りを行う装置が有する当該原稿台上における原稿の動きを検出する機能と、
前記原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【0095】
(((1)))に係る情報処理装置によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
(((2)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り結果の取扱いに関する決定が行われるようにすることができる。
(((3)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、情報格納部に読み取り結果が格納されるようにすることができる。
(((4)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、読み取り結果の破棄が行われるようにすることができる。
(((5)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きに基づき、原稿の読み取り処理を継続するか否かについての決定が行われるようにすることができる。
(((6)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きがある場合に、原稿の読み取り結果を含むファイルが生成されるようにすることができる。
(((7)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きが予め定められた特定の動きである場合に、原稿の読み取り処理が中止されるようにすることができる。
(((8)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上における原稿の動きを検出するための専用のセンサを設けずに、原稿台上の原稿の動きを検出することができる。
(((9)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上の原稿がこの原稿台の表面に沿って移動する際の原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
(((10)))に係る情報処理装置によれば、原稿台の表面に沿って原稿が移動する際の原稿の移動方向に基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
(((11)))に係る情報処理装置によれば、移動する原稿が向かう先に位置する、原稿台の側辺に応じて、原稿の読み取りに関する決定の内容を異ならせることができる。
(((12)))に係る情報処理装置によれば、原稿が原稿台から除去される際の原稿の動きに基づき、原稿の読み取りに関する決定が行われるようにすることができる。
(((13)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上の原稿が回転したり移動したりした場合に、この原稿の再撮影が行われるようにすることができる。
(((14)))に係る情報処理装置によれば、原稿台上の原稿が回転したり移動したりし且つこの原稿が特定の状態となった場合に、この原稿の再撮影が行われるようにすることができる。
(((15)))に係る画像読み取り装置によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
(((16)))に係る画像形成装置によれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
(((17)))に係るプログラムによれば、ユーザの操作を受け付ける受付装置に対するユーザの操作に基づき、原稿の読み取りに関する決定を行う場合に比べ、原稿の読み取りを行うユーザの操作性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…画像読み取り装置、3…原稿台、3a…表面、11a…CPU、12…2次記憶部、31…側辺、100…情報理装置、400…画像形成装置、410…画像形成部、G…原稿