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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047692
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】反射板及び反射装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20240401BHJP
   H01Q 3/30 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153328
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松野 宏己
(72)【発明者】
【氏名】大戸 琢也
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】沖田 光隆
(72)【発明者】
【氏名】松永 和己
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大一
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA01
5J020BA06
5J020DA02
5J020DA09
5J020DA10
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021BA01
5J021GA02
5J021GA08
5J021HA10
(57)【要約】
【課題】反射板の位置による反射波の強度のばらつきを低減する。
【解決手段】反射板1は、入射する電波をそれぞれ異なる位相の反射波として反射する複数の反射素子11を有しており、複数の反射素子11が配列された基準方向における複数の反射素子11の位置と、複数の反射素子11それぞれによる反射波の位相である反射位相との関係を示す反射位相特性において、複数の反射素子11の位置の変化に対して反射位相が連続的に変化するように複数の反射素子11が構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する電波をそれぞれ異なる位相の反射波として反射する複数の反射素子を有しており、
前記複数の反射素子が配列された基準方向における前記複数の反射素子の位置と、前記複数の反射素子それぞれによる前記反射波の位相である反射位相との関係を示す反射位相特性において、前記複数の反射素子の位置の変化に対して前記反射位相が連続的に変化するように前記複数の反射素子が構成されている、
反射板。
【請求項2】
前記反射板は、それぞれ反射方向が異なる複数の領域を有しており、
前記複数の領域における前記反射位相は、前記複数の反射素子の位置に対して線形に変化する、
請求項1に記載の反射板。
【請求項3】
前記反射位相特性を示す曲線が、円弧の一部である、
請求項1に記載の反射板。
【請求項4】
前記反射板のビーム幅をθ、前記反射板の基準方向の幅を2W、前記基準方向における位置をxとした場合に、位置xにおける前記反射位相が、
【数1】
により表される、
請求項2に記載の反射板。
【請求項5】
前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向が、前記基準方向に直交する方向である、
請求項1に記載の反射板。
【請求項6】
前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向が、前記基準方向に直交する方向と異なる方向である、
請求項1に記載の反射板。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の反射板と、
前記複数の反射素子を制御する制御装置と、
を有し、
前記複数の反射素子のそれぞれは、前記制御装置により印加される電圧により反射波の位相を変化させ、
前記制御装置は、前記反射位相特性の設定を受け付け、受け付けた前記反射位相特性に基づいて決定した電圧を前記複数の反射素子に印加する、
反射装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向と前記基準方向との角度の設定を受け付け、受け付けた前記角度にさらに基づいて決定した電圧を前記複数の反射素子に印加する、
請求項7に記載の反射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を反射する反射板、及び当該反射板を有する反射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の反射素子を有する反射板が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-141359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の反射板においては、反射板に含まれる複数の領域のうち、隣接する2つの領域で反射位相が不連続に異なる値になっていた。隣接する2つの領域で反射位相が不連続に異なる値になっていると、1つ目の領域における電波の反射波と2つ目の領域における電波の反射波とが打ち消し合ってしまい、2つの領域の境界位置付近で反射波の電力が小さくなってしまうという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、反射板の位置による反射波の強度のばらつきを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の反射板は、入射する電波をそれぞれ異なる位相の反射波として反射する複数の反射素子を有しており、前記複数の反射素子が配列された基準方向における前記複数の反射素子の位置と、前記複数の反射素子それぞれによる前記反射波の位相である反射位相との関係を示す反射位相特性において、前記複数の反射素子の位置の変化に対して前記反射位相が連続的に変化するように前記複数の反射素子が構成されている。
【0007】
前記反射板は、それぞれ反射方向が異なる複数の領域を有しており、前記複数の領域における前記反射位相は、前記複数の反射素子の位置に対して線形に変化してもよい。
【0008】
前記反射位相特性を示す曲線が、円弧の一部であってもよい。この場合、前記反射板のビーム幅をθ、前記反射板の基準方向の幅を2W、前記基準方向における位置をxとした場合に、位置xにおける前記反射位相が、
【数1】
により表されてもよい。
【0009】
前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向が、前記基準方向に直交する方向であってもよい。前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向が、前記基準方向に直交する方向と異なる方向であってもよい。
【0010】
本発明の第2の態様の反射装置は、上記の反射板と、前記複数の反射素子を制御する制御装置と、を有し、前記複数の反射素子のそれぞれは、前記制御装置により印加される電圧により反射波の位相を変化させ、前記制御装置は、前記反射位相特性の設定を受け付け、受け付けた前記反射位相特性に基づいて決定した電圧を前記複数の反射素子に印加する。
【0011】
前記制御装置は、前記反射板が前記反射波を放射する範囲の中心位置における前記反射波の放射方向と前記基準方向との角度の設定を受け付け、受け付けた前記角度にさらに基づいて決定した電圧を前記複数の反射素子に印加してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、反射板の位置による反射波の強度のばらつきを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】反射装置Sの概要を説明するための図である。
図2】反射板1の構成の概要を示す図である。
図3】反射板1が有する領域Rの数Pと反射波のビーム幅HPBWとの関係を示す図である。
図4】複数の領域Rの反射方向と反射波の強度との関係を示す図である。
図5】反射板1の反射位相特性の例を示す図である。
図6】反射板1における角度と反射断面積との関係のシミュレーション結果を示す図である。
図7】反射板1が有する領域Rの数が異なる場合の角度と反射断面積との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[反射装置Sの概要]
図1は、反射装置Sの概要を説明するための図である。反射装置Sは、入射した電波を反射する方向を変化させることができる装置である。反射装置Sは、反射板1及び制御装置2を備える。反射板1は、複数の反射素子11を有する。複数の反射素子11は、一例として、第1方向と、第1方向に直交する第2方向とに等間隔で配列されている。
【0015】
少なくとも一部の複数の反射素子11は、入射する電波をそれぞれ異なる位相の反射波として反射する。複数の反射素子11のそれぞれは、外部装置2により印加される電圧により反射波の位相を変化させる。
【0016】
反射板1は、電波の送信源3(例えば携帯電話網の基地局)から送信された電波を端末4に向けて反射する。端末4が移動する場合、反射板1は、例えば端末4から送信される位置情報に基づいて端末4の位置を認識した制御装置2の制御に基づいて、端末4の位置に向けて電波を反射する。反射板1は、制御装置2から複数の反射素子11に印加される電圧に基づいて、電波を反射する方向を変化させることができる。
【0017】
制御装置2は、例えばプロセッサと、プロセッサにより決定された電圧を出力する電源と、を有している。制御装置2は、反射板1が有する複数の反射素子11それぞれに印加する電圧を変化させることにより、複数の反射素子11それぞれが入射した電波を反射する際の遅延時間を変化させる。複数の反射素子11が異なるタイミングで電波を反射することにより、複数の反射素子11が電波を反射するタイミングによって反射波の方向が定まる。
【0018】
図1に示す例の場合、端末4が位置Aにいる間、制御装置2は、反射板1が位置Aに向けて電波を反射するように反射板1を制御する。端末4が位置Bに移動した場合、制御装置2は、反射板1が位置Bに向けて電波を反射するように反射板1を制御する。
【0019】
[反射板1の構成]
図2は、反射板1の構成の概要を示す図である。図2に示すように、反射板1は、それぞれ電波を反射する方向が異なる複数の領域R1、R2、R3を有する。図2に示す例において、領域R1は入射方向に対して50°の方向に電波を反射し、領域R2は入射方向に対して60°の方向に電波を反射し、領域R3は入射方向に対して70°の方向に電波を反射する。このように複数の方向に反射板1が電波を反射することで、反射波のビーム幅を広げることができる。
【0020】
図2に示すように、本明細書においては、反射板1において反射方向が変化する基準方向をx方向とする。また、本明細書においては、電波の反射方向を、入射方向と反射方向との角度である反射角度により表す。
【0021】
図3は、反射板1が有する領域Rの数Pと反射波のビーム幅HPBWとの関係を示す図である。図3の横軸は反射板1の横幅Mdを示しており、縦軸はビーム幅HPBWを示している。ビーム幅と、反射板1が有する領域Rの数Pと、反射板1の横幅Mdとは、以下の式(1)で表される関係を有する。
【数2】
このように、反射方向が異なる領域Rの数が多くなればなるほど反射板1からの反射波のビーム幅を広げることができる。
【0022】
しかしながら、複数の領域Rの境界線付近における反射波の位相が異なっていると、隣接する領域Rからの反射波が打ち消し合うことにより、反射波の強度が低下してしまうという問題が生じる。図4は、この問題の概要を説明するための図であり、複数の領域Rの反射角度と反射波の強度との関係を示している。図4の横軸はそれぞれの領域Rの反射角度を示しており、縦軸は反射波の強度に対応する反射断面積を示している。#1は領域R1の反射波の強度を示しており、#2は、領域R1に隣接する領域R2の反射波の強度を示している。
【0023】
図4(a)に示すように、領域R1の反射波と領域R2の反射波とでは、反射角度の中央値が異なっているが、角度と反射断面積との関係は同等である。領域R1の反射角度と領域R2の反射角度とが重なる領域において、領域R1の反射波の位相と領域R2の反射波の位相とが同じでない場合、領域R1の反射波と領域R2の反射波とが打ち消し合う。その結果、図4(b)に示すように、領域R1の反射角度と領域R2の反射角度とが重なる領域において反射断面積が小さくなってしまう。
【0024】
この問題を解決するために、反射板1においては、複数の反射素子11が配列された基準方向における複数の反射素子11の位置と、複数の反射素子11それぞれによる反射波の位相である反射位相との関係を示す反射位相特性において、複数の反射素子11の位置の変化に対して反射位相が連続的に変化するように複数の反射素子11が構成されていることを特徴とする。反射板1を構成する複数の領域Rにおける反射位相は、例えば、複数の反射素子11の位置に対して線形に変化する。
【0025】
図5は、反射板1の反射位相特性の例を示す図である。図5の横軸は、図2に示した反射板1のx方向における位置を示しており、縦軸は反射位相を示している。反射位相は0以上2π未満である。
【0026】
図5(a)は、反射板1が4つの領域Rを有する場合の反射位相特性を示している。図5(a)においては、領域R1、領域R2、領域R3、領域R4それぞれにおけるx方向の位置と反射位相との関係を示す4本の線分が接続されている。隣接する複数の線分が接続されていることから、複数の領域Rの境界位置における反射位相が一致しており、複数の反射素子11の位置の変化に対して反射位相が連続的に変化するように複数の反射素子11が構成されていることがわかる。反射板1がこのような反射位相特性を有するように構成されていることで、隣接する複数の領域Rの境界位置において反射波が打ち消されにくいので、図4(b)に示したような反射断面積の低下を防ぐことができる。
【0027】
複数の反射素子11は、反射板1が図5(a)に示す反射位相特性を有するように予め構成されていてもよいが、本実施の形態においては、反射板1が図5(a)に示す反射位相特性を有するように、制御装置2が複数の反射素子11それぞれに電圧を印加する。反射板1及び制御装置2がこのように構成されていることで、反射板1は、反射位相特性を柔軟に変化させることができる。
【0028】
図5(b)は、反射位相特性を示す曲線が、円弧の一部である場合を例示している。この例は、式(1)における領域Rの数Pが無限大の場合に相当し、反射板のビーム幅をθ、反射板の基準方向の幅を2W、基準方向における位置をxとした場合に、位置xにおける反射位相が、以下の式(2)により表される。
【数3】
【0029】
反射板1の反射位相特性を示す曲線が円弧の一部になるように反射板1が構成されていることで、隣接する複数の反射素子11の反射波が打ち消されないので、広い範囲にわたって反射断面積を同等のレベルに維持することが可能になる。
【0030】
図5(a)及び図5(b)に示す例においては、反射板1が反射波を放射する範囲の中心位置における反射波の放射方向が、基準方向に直交する方向(すなわち図5における上向き)であるが、反射板1が反射波を放射する範囲の中心位置における反射波の放射方向が、基準方向に直交する方向と異なる方向であってもよい。
【0031】
図5(c)は、反射板1が反射波を放射する範囲の中心位置における反射波の放射方向が、基準方向に直交する方向(図2におけるz軸方向)に対して角度φだけ傾いている反射位相特性を示している。制御装置2は、図5(c)に示すような反射位相特性になるように複数の反射素子11それぞれに印加する電圧を決定することで、広い範囲にわたって反射断面積を同等のレベルに維持するとともに、反射波の方向を所望の方向に制御することができる。
【0032】
なお、図5に示す図における基準方向は図2に示したx軸の方向であるが、基準方向がy軸であり、反射位相特性は、y軸方向における反射位相を表す特性であってもよい。また、反射位相特性は、xy平面内の複数の位置それぞれの反射位相を表す特定であってもよい。
【0033】
[制御装置2の構成]
制御装置2は、反射位相特性の設定を受け付け、受け付けた反射位相特性に基づいて決定した電圧を複数の反射素子11に印加してもよい。制御装置2は、例えば、ユーザが所望の反射位相特性を設定するための操作画面を表示するディスプレイ、又は外部の装置から送信された設定内容を受信する通信インターフェースを有しており、ユーザにより設定された反射位相特性を示すデータを取得する。制御装置2は、取得したデータに基づいて、複数の反射素子11それぞれに印加する電圧の値を決定する。制御装置2がこのように構成されていることで、反射板1が、ユーザが所望の反射位相特性になるように電波を反射することが可能になる。
【0034】
制御装置2は、反射板1が反射波を放射する範囲の中心位置における反射波の放射方向と基準方向との角度の設定を受け付け、受け付けた角度にさらに基づいて決定した電圧を複数の反射素子11に印加してもよい。制御装置2がこのように構成されていることで、反射板1が、図5(c)に示したようにユーザが所望する方向に電波を反射することが可能になる。
【0035】
[シミュレーション結果]
図6は、反射板1における角度と反射断面積との関係のシミュレーション結果を示す図である。図6に示す特性は、反射板1が2つの領域Rを有しており、反射角度が45°である場合の特性を示している。図6における点線は、2つの領域Rの境界位置における位相が異なっている場合の反射断面積を示している。点線が示すように、反射角度45°において反射断面積が低下している。
【0036】
図6における実線は、2つの領域Rの境界位置における位相が同じである場合の反射断面積を示している。実線においては、反射角度45°において反射断面積が低下しておらず、42.5°から47.5°の範囲において、反射断面積がほぼ同じレベルに維持されている。
【0037】
図7は、反射板1が有する領域Rの数が異なる場合の角度と反射断面積との関係を示す図である。図7(a)は、反射板1が3つの領域Rを有する場合の反射断面積を示している。図7(b)は、反射板1が4つの領域Rを有する場合の反射断面積を示している。
【0038】
図7(a)における破線は、3つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ43°、45°、47°である場合を示している。点線は、3つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ41°、45°、48°である場合を示している。実線は、3つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ39°、45°、51°である場合を示している。複数の領域Rそれぞれの反射角度の中央値の間隔が大きいほど、反射板1の反射断面積が同等レベルになる角度の幅が大きくなることがわかる。
【0039】
図7(b)における破線は、4つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ39°、43°、47°、51°である場合を示している。点線は、4つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ36°、42°、48°、54°である場合を示している。実線は、4つの領域Rの反射角度の中央値が、それぞれ33°、41°、49°、57°である場合を示している。この例においても、複数の領域Rそれぞれの反射角度の中央値の間隔が大きいほど、反射板1の反射断面積が同等レベルになる角度の幅が大きくなることがわかる。
【0040】
[反射板1による効果]
以上説明したように、反射板1は、入射する電波をそれぞれ異なる位相の反射波として反射する複数の反射素子11を有している。そして、複数の反射素子11が配列された基準方向における複数の反射素子11の位置と、複数の反射素子11それぞれによる反射波の位相である反射位相との関係を示す反射位相特性において、複数の反射素子11の位置の変化に対して反射位相が連続的に変化するように複数の反射素子11が構成されている。反射板1がこのように構成されていることで、反射板1の位置による反射波の強度のばらつきを低減することができる。
【0041】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0043】
1 反射板
11 反射素子
2 制御装置
3 送信源
4 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7