IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ゼンリンデータコムの特許一覧

特開2024-47702地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム
<>
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図1
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図2
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図3
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図4
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図5
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図6
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図7
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図8
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図9
  • 特開-地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047702
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】地図表示システム、地図表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240401BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240401BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G09B29/00 A
G01C21/26 B
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153345
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】蛯澤 久美
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC14
2C032HC24
2C032HC25
2C032HC27
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB26
2F129CC16
2F129DD20
2F129EE13
2F129EE52
2F129EE69
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF63
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】表示画面に地図を表示させる地図表示システムにおいて、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印が表示されなくなることを抑制する。
【解決手段】地図表示システムは、表示画面に地図を表示させる地図表示システムであって、前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図の縮尺を変更したときに、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理を実行するように構成された判断部と、前記目印が前記表示画面に表示されない場合、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるように、前記表示画面を制御する表示制御処理を実行するように構成された表示制御部と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に地図を表示させる地図表示システムであって、
前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図の縮尺を変更したときに、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理を実行するように構成された判断部と、
前記目印が前記表示画面に表示されない場合、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるように、前記表示画面を制御する表示制御処理を実行するように構成された表示制御部と、
を有する、地図表示システム。
【請求項2】
前記判断処理は、前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図を拡大したときに、前記目印が前記表示画面の範囲内に収まるか否かを判断し、
前記表示制御処理は、前記目印が前記表示画面の範囲内に収まらない場合、前記目印が前記表示画面の範囲内に収まるように前記地図を縮小する、請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記表示制御処理を実行するか否かを設定する設定値を受け付けるように構成された設定部を有し、
前記表示制御部は、前記設定値に応じて前記表示制御処理を実行する、請求項1又は2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記地図上に前記目印を表示していない場合、前記判断処理、又は前記表示制御処理を実行しない、請求項1又は2に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記地図を拡大したときに、前記目印が前記表示画面に表示されない場合、
前記表示制御処理は、前記地図の中心を、前記目印の方向に移動する処理を含む、請求項1又は2に記載の地図表示システム。
【請求項6】
前記地図表示システムは、前記判断部、及び前記表示制御部を有する情報処理装置を含む、請求項1又は2に記載の地図表示システム。
【請求項7】
前記地図表示システムは、
前記判断部、及び前記表示制御部を有する情報処理装置と、
通信ネットワークを介して、前記情報処理装置と通信可能に接続され、前記表示画面を表示する端末装置と、
を含む、請求項1又は2に記載の地図表示システム。
【請求項8】
表示画面に地図を表示させるコンピュータが、
前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図の縮尺を変更したときに、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理と、
前記目印が前記表示画面に表示されない場合、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるように、前記表示画面を制御する表示制御処理と、
を実行する、地図表示方法。
【請求項9】
表示画面に地図を表示させるコンピュータに、
前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図の縮尺を変更したときに、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理と、
前記目印が前記表示画面に表示されない場合、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるように、前記表示画面を制御する表示制御処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示システム、地図表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面に地図を表示させる地図表示システムが知られている。このような地図表示システムにおいて、表示画面に表示した地図上の地点を指定することにより、地図上に、例えば、アイコン、又は注記等の目印を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-187642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、例えば、表示画面に表示した地図をスクロール、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印が表示画面の範囲外に移動し、表示画面上に表示されなくなる場合がある。
【0005】
本発明の実施の形態は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、表示画面に地図を表示させる地図表示システムにおいて、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印が表示されなくなることを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本実施形態に係る地図表示システムは、表示画面に地図を表示させる地図表示システムであって、前記地図をスクロールしたとき、又は前記地図の縮尺を変更したときに、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理を実行するように構成された判断部と、前記目印が前記表示画面に表示されない場合、前記地図上に設定された目印が前記表示画面に表示されるように、前記表示画面を制御する表示制御処理を実行するように構成された表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、表示画面に地図を表示させる地図表示システムにおいて、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印が表示されなくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る地図表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る処理の概要について説明するための図(1)である。
図3】一実施形態に係る処理の概要について説明するための図(2)である。
図4】一実施形態に係る処理の概要について説明するための図(3)である。
図5】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図6】一実施形態に係る地図表示システムの機能構成の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係る地図表示システムの機能構成の別の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係る地図表示システムの処理の例を示すフローチャートである。
図9】一実施形態に係る地図の自動調整処理の例を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係る地図の自動調整処理の変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態(本発明の実施形態)について説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る地図表示システムのシステム構成の一例を示す図である。地図表示システム1は、一例として、端末装置10と、サーバ装置20とが、通信ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。地図表示システム1は、表示画面に地図を表示させるシステムである。
【0011】
端末装置10は、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)等のユーザが利用する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、端末装置10は、地図アプリケーション(以下、地図アプリと呼ぶ)を実行することにより、サーバ装置20と協働して、地図アプリケーションの表示画面に地図を表示する。或いは、端末装置10は、ウェブブラウザ等を実行し、サーバ装置20が提供するウェブページを表示することにより、表示画面に地図を表示するものであってもよい。
【0012】
サーバ装置20は、例えば、コンピュータの構成を備えた情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムである。サーバ装置20は、端末装置10等からの要求に応じて、端末装置10が表示する表示画面に、地図を表示させる。例えば、サーバ装置20は、端末装置10に、表示画面に地図を表示するための地図データ、又は地図を表示するためのウェブページ等を提供する。
【0013】
別の一例として、地図表示システム1は、例えば、カーナビゲーション装置のように、端末装置10が、道路地図DB(Database)等の地図情報を有し、端末装置10が備えるディスプレイ等に自律的に地図を表示させるシステムであってもよい。
【0014】
なお、地図表示システム1が表示させる地図は、例えば、道路地図、住宅地図、又は市街地図等の様々な地図であってよい。
【0015】
(処理の概要)
図2~4は、一実施形態に係る処理の概要について説明するための図である。地図表示システム1は、例えば、図2に示すように、表示画面200に表示した地図201A上の地点を指定することにより、地図201A上に、例えば、アイコン、又は注記等の目印202を表示することができる。この目印202は、例えば、名称検索、又はルート検索等によって表示されるものであってもよいし、地図201A上の地点をタッチ、又はクリック等で選択することによって表示されるものであってもよい。
【0016】
図2に示した表示画面200において、ユーザが、地図201Aをスクロールさせると、例えば、図3に示すように、表示画面200に表示した地図201Bから、目印202が消えてしまう場合がある。なお、図2に示した表示画面200において、ユーザが、地図201Aを拡大した場合にも、同様にして、表示画面200に表示した地図から、目印202が消えてしまう場合がある。
【0017】
具体的な一例として、ユーザが、住宅地図(不動産地図)において、候補となる物件等に、例えば、図2に示すように、目印202を付けたものとする。また、ユーザは、目印202を付けた物件の最寄りの施設(例えば、学校、公園、役所等)を探すために、住宅地図をスクロールさせたものとする。この場合、例えば、図3に示すように、目印202が、表示画面200に表示されなくなり、目印202を付けた物件がどこにあるのか、分からなくなってしまう場合がある。
【0018】
そこで、本実施形態に係る地図表示システム1は、表示画面200に表示した地図201Aをスクロール、又は拡大したときに、地図201A上に設定した目印202が表示され続けるように、表示画面200を制御する機能を有している。
【0019】
一例として、地図表示システム1は図2に示すような表示画面200に表示した地図201Aがスクロール、又は拡大されたときに、スクロール後、又は拡大後の表示画面200に目印202が表示されるか否かを判断する。
【0020】
また、地図表示システム1は、例えば、図3に示す表示画面200のように、表示画面200に目印202が表示されない場合、例えば、図4に示すように、表示画面200に、目印202が表示されるように、縮小した地図201Cを表示させる。
【0021】
このように、本実施形態によれば、表示画面に地図を表示させる地図表示システム1において、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印が表示されなくなることを抑制することができる。これにより、地図を利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0022】
<ハードウェア構成>
端末装置10、及びサーバ装置20は、例えば、図5に示すようなコンピュータ500のハードウェア構成を有している。なお、サーバ装置20は、複数のコンピュータ500によって実現されるものであってもよいし、クラウド上の仮想マシン等によって実現されるものであってもよい。
【0023】
図5は、コンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、メモリ502、ストレージデバイス503、通信装置504、出力装置505、入力装置506、外部I/F(Interface)507、及びバス509等を有する。また、コンピュータ500が端末装置10である場合、コンピュータ500は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信装置等の測位装置をさらに有していてもよい。
【0024】
CPU501は、例えば、ストレージデバイス503等の記憶媒体に格納された所定のプログラムを実行することにより、例えば、端末装置10、又はサーバ装置20が備える様々な機能を実現するプロセッサである。メモリ502には、例えば、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びCPU501の起動用のプログラム等を記憶した不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等が含まれる。ストレージデバイス503は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の大容量で不揮発性の記憶デバイスである。
【0025】
通信装置504は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。例えば、コンピュータ500がサーバ装置20である場合、通信装置504は、サーバ装置20を通信ネットワーク2に接続するためのNIC(Network Interface Card)等を含む。また、コンピュータ500が、スマートフォン、又はタブレット端末等の汎用の端末装置10である場合、通信装置504は、情報端末を、無線通信で通信ネットワーク2に接続する無線通信デバイス等を含む。さらに、コンピュータ500が、カーナビゲーション装置等の車載装置(端末装置10の別の一例)である場合、通信装置504は、車載装置を車載ネットワークに接続するための通信インタフェースをさらに含む。
【0026】
出力装置505は、外部への出力を行う、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力デバイスである。入力装置506は、外部からの入力を受け付ける、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、スイッチ、センサ等の入力デバイスである。なお、出力装置505、及び入力装置506は、例えば、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置であってもよい。
【0027】
外部I/F507は、コンピュータ500に外部装置を接続するためのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体508等が含まれる。コンピュータ500は、外部I/F507を介して、記録媒体508の読み取りや書き込み等を行うことができる。記録媒体508には、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。バス509は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0028】
<機能構成>
図6は、一実施形態に係る地図表示システムの機能構成の一例を示す図である。
【0029】
(サーバ装置の機能構成)
サーバ装置(情報処理装置)20は、例えば、ストレージデバイス503、メモリ502、又は記録媒体508等に記憶したプログラムを、CPU501が実行することにより、図6に示すような機能構成を実現している。図6の例では、サーバ装置20は、通信部601、判断部602、表示制御部603、設定部604、経路探索部605、及び記憶部606等を有している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0030】
通信部601は、例えば、通信装置504を用いて、サーバ装置20を通信ネットワーク2に接続し、端末装置10等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0031】
判断部602は、表示画面に表示させた地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定された目印が表示画面に表示されるか否かを判断する判断処理を実行する。
【0032】
好適な一例として、判断部602は、地図をスクロールしたとき、又は地図を拡大したときに、地図上に設定された目印が、表示画面の範囲内に収まるか否かを判断する。
【0033】
例えば、図2の表示画面200において、ユーザが、地図201Aをスクロールさせたときに、図3に示すように、表示画面200に表示した地図201Bから、目印202が消えてしまうものとする。この場合、判断部602は、地図上に設定された目印が表示画面に表示されない(又は地図上に設定された目印が表示画面の範囲内に収まらない)と判断する。
【0034】
表示制御部603は、表示画面に地図を表示させるための様々な処理を実行する。例えば、本実施形態に係る表示制御部603は、判断部602が、地図上に設定された目印が表示画面に表示されないと判断したときに、地図上に設定された目印が表示画面の範囲内に表示されるように、表示画面を制御する表示制御処理を実行する。
【0035】
この表示制御処理は、例えば、判断部602が、地図上に設定された目印が表示画面の範囲内に収まらないと判断した場合、当該目印が表示画面の範囲内に収まるように地図を縮小する処理を含む。
【0036】
設定部604は、上述した表示制御処理を実行するか否かを設定する設定値を受け付ける設定処理を実行する。例えば、設定部604は、地図表示システム1の設定を行う設定画面を表示させて、当該設定画面において、地図上に設定された目印が表示画面の範囲内に表示されるように制御する表示制御処理を実行するか否かの設定操作を受け付ける。また、設定部604は、受け付けた設定値607を記憶部606等に記憶する。
【0037】
経路探索部605は、端末装置10から受け付けた、端末装置10の位置を示す位置情報、指定された目的地、及び地図DB608等に基づいて、公知の経路探索アルゴリズムで、指定された目的地までの案内経路を探索する経路探索処理を実行する。
【0038】
なお、経路探索部605は、オプションであり、本実施形態に必須の機能構成ではない。サーバ装置20が経路探索部605を有している場合、表示制御部603は、表示画面に表示させる地図上に、経路探索部605が探索した案内経路を表示させる処理も行う。
【0039】
記憶部308は、例えば、CPU501で実行されるプログラム、及びストレージデバイス503等によって実現され、設定部604が受け付けた設定値607、及び地図DB608等の様々な情報、データ、及びプログラム等を記憶する。なお、地図DB608は、例えば、道路地図、住宅地図、又は市街地図等の地図データを含む。
【0040】
(端末装置の機能構成)
端末装置10は、例えば、ストレージデバイス503、メモリ502、又は記録媒体508等に記憶したプログラムを、CPU501が実行することにより、図6に示すような機能構成を実現している。図6の例では、端末装置10は、通信部611、UI(User Interface)部612、位置情報取得部323、及び記憶部614等を有している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0041】
通信部611は、例えば、通信装置504を用いて、端末装置10を通信ネットワーク2に接続して、サーバ装置20等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0042】
UI部612は、例えば、地図を表示する表示画面、及び地図表示システム1の設定を行う設定画面等のUI画面を、端末装置10が備えるディスプレイ(出力装置505の一例)等に表示する。また、UI部612は、UI画面に対するユーザの操作を受け付け、受け付けた情報を、通信部611を介してサーバ装置20に送信する。
【0043】
位置情報取得部323は、例えば、GPS受信装置等の測位装置を用いて、端末装置10の位置を示す位置情報を取得する。なお、位置情報取得部323は、例えば、IMU(Inertial Measurement Unit)等のセンサをさらに用いて、端末装置10の位置情報を取得してもよい。
【0044】
記憶部614は、例えば、CPU501で実行されるプログラム、及びストレージデバイス503等によって実現され、様々な情報、データ、及びプログラム等を記憶する。
【0045】
なお、図6に示した地図表示システム1の機能構成は一例である。例えば、サーバ装置20が備える機能のうち少なくとも一部は、端末装置10が有していてもよい。
【0046】
図7は、一実施形態に係る地図表示システム1の機能構成の別の一例を示している。図7の例では、端末装置(情報処理装置)10が、図でサーバ装置20が有していた、判断部602、表示制御部603、設定部604、及び経路探索部605等の機能構成を有している。上記の各機能構成は、例えば、ストレージデバイス503、メモリ502、又は記録媒体508等に記憶したプログラムを、CPU501が実行することにより実現される。
【0047】
このように、地図表示システム1が備える各機能構成は、地図表示システム1に含まれていればよく、地図表示システム1内のいずれの装置が有していてもよい。
【0048】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る地図表示方法の処理の流れについて説明する。
【0049】
(地図表示システムの処理)
図8は、一実施形態に係る地図表示システムの処理の例を示す図である。この処理は、例えば、ユーザが、地図検索を開始するとき等に、地図表示システム1が実行する処理の例を示している。
【0050】
ステップS801において、判断部602は、ユーザが利用する端末装置10の表示画面において、地図上に目印が設定されているか否かを判断する。地図上に目印が設定されていない場合、判断部602は、処理をステップS802に移行させる。一方、地図上に目印が設定されている場合、判断部602は、処理をステップS803に移行させる。
【0051】
ステップS802に移行すると、判断部602は、地図の自動調整処理を実行しないと判断する。このように、地図表示システム1は、地図上に目印が設定されていない場合、後述する地図の自動調整処理を実行しないことが望ましい。
【0052】
ステップS803に移行すると、判断部602は、記憶部606(又は記憶部614)に記憶した設定値607等に基づいて、地図の自動調整機能の設定が有効であるか否かを判断する。自動調整機能の設定が有効でない場合、判断部602は、処理をステップS802に移行させる。一方、地図の自動調整機能の設定が有効である場合、判断部602は、処理をステップS804に移行させる。
【0053】
ステップS804に移行すると、判断部602は、後述する地図の自動調整処理を実行すると判断する。このように、地図表示システム1は、後述する地図の自動調整処理を実行するか否かを、ユーザが設定できることが望ましい。なお、図8の処理は、表示制御部603が実行してもよい。
【0054】
(地図の自動調整処理)
図9は一実施形態に係る地図の自動調整処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図8のステップS804において、地図の自動調整処理を実行すると判断されたときに、地図表示システム1が実行する地図の自動調整処理の例を示している。なお、図9に示す処理の開始時点において、表示制御部603は、表示画面に地図を表示しているものとする。
【0055】
ステップS901において、表示制御部603は、表示画面に表示している地図に対して、スクロール操作、又は拡大操作を受け付けると、ステップS902以降の処理を実行する。
【0056】
ステップS902において、表示制御部603は、スクロール操作、又は拡大操作に応じて、表示画面に表示している地図をスクロール、又は拡大する。
【0057】
ステップS903において、判断部602は、地図上に設定されている目印が地図を表示している表示画面上に収まっているか否かを判断する。例えば、判断部602は、地図をスクロール後、又は拡大後の表示画面に、図2に示すように目印202が表示されている場合、目印が表示画面上に収まっていると判断する。一方、判断部602は、地図をスクロール後、又は拡大後の表示画面に、図3に示すように、目印202が表示されていない場合、目印が表示画面に収まっていないと判断する。
【0058】
目印が表示画面上に収まっている場合、判断部602は、処理をステップS905に移行させる。一方、目印が表示画面上に収まっていない場合、判断部602は、処理をステップS904に移行させる。
【0059】
ステップS904に移行すると、表示制御部603は、目印が表示画面上に収まるように、地図を縮小する。例えば、表示制御部603は、図3の表示画面200に表示した地図201Bを、図4の表示画面200に表示した地図201Cのように、表示画面200に目印202が表示されるように縮小する。
【0060】
ステップS905に移行すると、表示制御部603は、ステップS901で受け付けたスクロール操作、又は拡大操作が終了したか否かを判断する。スクロール操作、又は拡大操作が終了した場合、表示制御部603は、図9の処理を終了する。一方、スクロール操作、又は拡大操作が終了していない場合、表示制御部603は、処理をステップS902に戻して、同様の処理を再実行する。
【0061】
図9の処理により、地図表示システム1は、地図をスクロールしたとき、又は地図を拡大したときに、地図上に設定した目印が表示されなくなることを抑制することができる。
【0062】
なお、図9に示した地図の自動調整処理は一例である。本実施形態に係る地図の自動調整処理は、様々な変形、又は応用が可能である。
【0063】
(変形例1)
図9の説明では、表示画面に表示した地図をスクロールしたとき、又は拡大したときに、地図上に表示した目印が表示されなくなるものとして説明した。ただし、これに限られず、本実施形態は、表示画面に表示した地図を縮小したときに、地図上に表示した目印が表示されなくなる地図表示システムにも適用可能である。
【0064】
この場合、表示制御部603は、図9のステップS901において、地図のスクロール操作、又は地図の拡大/縮小操作(縮尺の変更操作)を受け付ける。ここで、地図の縮小操作を受け付けた場合、表示制御部603は、ステップS902で地図を縮小し、判断部602は、地図を縮小後の表示画面に目印が表示されているか否かを判断する。ここで、表示画面に目印が表示されていない場合、表示制御部603は、表示画面に目印が表示されるように地図を拡大する。これにより、地図表示システム1は、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したとき(地図を拡大/縮小したとき)に、地図上に設定した目印を表示画面上に表示し続けることができるようになる。
【0065】
(変形例2)
例えば、図10に示すように、地図201上に設定された目印202が、地図の中心100Aから離れた、表示画面200の周辺部にある場合、図9の処理だけでは、地図の拡大が実質的に行えない場合がある。これは、地図201の拡大が、地図の中心1001Aを中心として行われるため、地図201を少し拡大しただけで、目印202が、表示画面200の範囲外となってしまうためである。
【0066】
そこで、表示制御部603は、図9のステップS901で、地図の拡大操作を受け付けた場合、ステップS902で地図を拡大するときに、地図の中心1001Aを、目印202の方向に移動して、地図の中心1001Bを中心に拡大処理を実行してもよい。これにより、目印202が、表示画面200の周辺部にある場合でも、地図201の拡大が容易になる。
【0067】
(変形例3)
例えば、図10に示すような表示画面200において、地図201上に設定する目印202の数は1つに限られず、複数であってもよい。この場合、地図表示システム1の表示制御部603は、例えば、地図201上に設定された複数の目印202が表示画面200の範囲内に表示されるように、表示画面200を制御する。複数の目印202が、表示画面200の範囲内に表示されることで、複数の目印202を比較することができるようになるというメリットがある。例えば、ユーザが、不動産の複数の物件を、最寄りの施設を見ながら比較検討すること等が容易になる。
【0068】
なお、例えば、図10に示すような表示画面において、地図201上に複数の目印202を設定した場合、表示制御部603は、設定した複数の目印202の中心に拡大処理を行ってもよい。
【0069】
以上、本発明の各実施形態によれば、表示画面に地図を表示させる地図表示システム1において、地図をスクロールしたとき、又は地図の縮尺を変更したときに、地図上に設定した目印を表示画面上に表示し続けることができるようになる。これにより、地図を利用するユーザの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 地図表示システム
10 端末装置
20 サーバ装置
200 表示画面
201、201A~201C 地図
202 目印
500 コンピュータ
602 判断部
603 表示制御部
604 設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10