IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープディスプレイテクノロジー株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047703
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240401BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240401BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240401BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240401BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20240401BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALN20240401BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALN20240401BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 366A
G09F9/30 348A
G06F3/041 412
G06F3/041 422
G06F3/044 124
G02F1/1368
G02F1/1333
G02F1/1343
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153346
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 光
(72)【発明者】
【氏名】紙谷 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】森永 潤一
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H192
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA62
2H092HA04
2H092JA24
2H092JA26
2H092NA07
2H189JA14
2H189LA28
2H189LA31
2H192AA24
2H192BB13
2H192BB53
2H192BB73
2H192CB05
2H192CB37
2H192EA22
2H192EA26
2H192EA67
2H192FB02
2H192FB22
2H192FB42
2H192GA03
2H192GA42
2H192GB33
2H192JA33
5C094AA03
5C094AA22
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB01
5C094DB04
5C094EA04
5C094EA07
5C094FA01
5C094FA02
5G435AA01
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】画素の開口率が低下し難くし、表示輝度にムラが生じ難くする。
【解決手段】アレイ基板21は、複数の配線には、第1方向について第1画素電極24αと第2画素電極24βとの間に位置する第1配線26αと、第1方向について第3画素電極24γと第4画素電極24δとの間に位置する第2配線26βと、が含まれ、複数のスイッチング素子23には、第1スイッチング素子23αと、第2スイッチング素子23βと、が含まれ、複数の共通電極25には、第1画素電極24α、第2画素電極24β、第3画素電極24γ、第1配線26α及び第1半導体部23Dαと重畳する第1共通電極25αと、第4画素電極24δ及び第2配線26βと重畳する第2共通電極25βと、が含まれ、第2半導体部23Dβと重畳して配され、複数の共通電極25のいずれかと同電位とされる第1重畳部41αを備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の共通電極と、
前記複数の共通電極に対して第1絶縁膜を介して重畳して配される複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に接続される複数のスイッチング素子と、
前記複数の共通電極のいずれか、または前記複数のスイッチング素子のいずれか、に接続される複数の配線と、を備え、
前記複数の画素電極には、第1画素電極と、前記第1画素電極に対して第1方向に間隔を空けて配される第2画素電極と、第3画素電極と、前記第3画素電極に対して前記第1方向に間隔を空けて配される第4画素電極と、が含まれ、
前記複数の配線には、前記第1方向について前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1配線と、前記第1方向について前記第3画素電極と前記第4画素電極との間に位置し、前記第2方向に沿って延在する第2配線と、が含まれ、
前記複数のスイッチング素子には、前記第1配線及び前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、前記第2配線及び前記第3画素電極に接続される第2スイッチング素子と、が含まれ、
前記複数の共通電極には、第1共通電極と、前記第1共通電極に対して前記第1方向に間隔を空けて配される第2共通電極と、が含まれ、
前記第1スイッチング素子は、第1半導体部を有し、
前記第2スイッチング素子は、第2半導体部を有し、
前記第1共通電極は、前記第1画素電極、前記第2画素電極、前記第3画素電極、前記第1配線及び前記第1スイッチング素子のうちの少なくとも前記第1半導体部と重畳して配され、
前記第2共通電極は、前記第4画素電極及び前記第2配線と重畳して配され、
前記第2スイッチング素子のうちの少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記複数の共通電極のいずれかと同電位とされる重畳部を備えるアレイ基板。
【請求項2】
前記複数の共通電極は、複数の位置検出電極であり、
前記第1共通電極は、第1位置検出電極であり、
前記第2共通電極は、第2位置検出電極であり、
前記複数の配線には、
前記第1方向に沿って延在し、前記複数の位置検出電極のいずれかに接続される第3配線と、
前記第1方向に沿って延在し、少なくとも前記第2スイッチング素子に接続される第4配線と、が含まれ、
前記第3配線は、少なくとも一部が前記第4配線に対して第2絶縁膜を介して重畳して配され、
前記第3配線の一部は、前記第2半導体部と重畳して配され、
前記重畳部には、前記第3配線のうちの前記第2半導体部と重畳する部分により構成される第1重畳部が含まれる請求項1記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第2スイッチング素子は、前記第2半導体部の一部に接続され、前記第3画素電極の一部と重畳して配される第1電極を有し、
前記第1電極及び前記第3画素電極の一部ずつと重畳して配される第2電極を備えており、
前記第3配線は、前記複数の位置検出電極及び前記複数の画素電極のいずれに対しても第3絶縁膜を介して下層側に位置する第1導電膜からなり、
前記第4配線は、前記第1導電膜に対して前記第2絶縁膜を介して下層側に位置する第2導電膜からなり、
前記第1電極は、前記第2導電膜のうちの前記第4配線とは別の部分からなり、
前記第2電極は、前記第1導電膜のうちの前記第3配線及び前記第1重畳部とは別の部分からなり、重畳する前記第3画素電極及び前記第1電極に接続され、
前記第1重畳部は、前記第2電極に対して前記第2方向に間隔を空けて並んで配される請求項2記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第2スイッチング素子は、前記第2半導体部のうちの前記第1電極との接続部位とは別の部位に接続される第3電極を有し、
前記第3電極は、前記第4配線の一部により構成され、
前記第1電極は、
前記第2電極と重畳する第1部と、
前記第1部から前記第2方向に沿って延出して前記第2半導体部の一部に接続される第2部と、を有する請求項3記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記複数の配線には、
前記第1方向に沿って延在し、前記第1位置検出電極と重畳し、前記第2位置検出電極とは非重畳に配されて前記第1位置検出電極に接続される第5配線と、
前記第1方向に沿って延在し、前記第2位置検出電極と重畳し、前記第1位置検出電極とは非重畳に配されて前記第2位置検出電極に接続される第6配線と、
前記第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第5配線及び前記第6配線に対して前記第2絶縁膜を介して重畳して配される第7配線と、が含まれ、
前記複数のスイッチング素子には、前記第2配線及び前記第7配線に接続される第3スイッチング素子が含まれ、
前記第3スイッチング素子は、第3半導体部を有し、
前記第5配線または前記第6配線の一部は、前記第3半導体部と重畳して配され、
前記重畳部には、前記第5配線または前記第6配線のうちの前記第3半導体部と重畳する部分により構成される第2重畳部が含まれる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記複数の位置検出電極には、前記第1位置検出電極に対して前記第2方向に間隔を空けて並ぶ第3位置検出電極が含まれ、
前記複数の配線には、
前記第1方向に沿って延在し、前記第1位置検出電極と前記第3位置検出電極との間に挟まれて配され、前記第1位置検出電極及び前記第3位置検出電極とは非重畳の配置とされる第8配線と、
前記第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第8配線に対して前記第2絶縁膜を介して重畳して配される第9配線と、が含まれ、
前記第8配線は、前記複数の位置検出電極のいずれかに直接的または間接的に接続され、
前記複数のスイッチング素子には、前記第2配線及び前記第9配線に接続される第4スイッチング素子が含まれ、
前記第4スイッチング素子は、第4半導体部を有し、
前記第8配線の一部は、前記第4半導体部と重畳して配され、
前記重畳部には、前記第8配線のうちの前記第4半導体部と重畳する部分により構成される第3重畳部が含まれる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記複数の共通電極は、複数の位置検出電極であり、
前記第1共通電極は、第1位置検出電極であり、
前記第2共通電極は、第2位置検出電極であり、
前記複数の配線には、
前記第1方向に沿って延在し、前記複数の位置検出電極のいずれかに接続される第10配線と、
前記第1方向に沿って延在し、少なくとも前記第2スイッチング素子に接続される第11配線と、が含まれ、
前記第11配線は、前記複数の位置検出電極及び前記複数の画素電極のいずれに対しても第4絶縁膜を介して下層側に位置する第3導電膜からなり、
前記第10配線は、前記第3導電膜のうちの前記第11配線とは別の部分からなり、前記第11配線に対して前記第2方向に間隔を空けて並んで配され、
前記複数の画素電極は、第4導電膜からなり、
前記重畳部には、前記第4導電膜のうちの前記複数の画素電極とは別の部分からなる第4重畳部が含まれる請求項1記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第4重畳部には、前記第1位置検出電極または前記第2位置検出電極と重畳する第3部を有する第5重畳部が含まれ、
前記第5重畳部は、前記第3部が前記第1位置検出電極または前記第2位置検出電極に接続される請求項7記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記第4重畳部には、前記第10配線と重畳する第4部を有する第6重畳部が含まれ、
前記第6重畳部は、前記第4部が前記第10配線に接続される請求項7または請求項8記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、前記第1方向についての間に前記第2半導体部を挟んでいて前記第2半導体部とは非重畳となる配置とされ、
前記重畳部は、前記複数の共通電極とは異なる層に配される請求項1から請求項4、請求項7、請求項8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1共通電極または前記第2共通電極の一部は、前記第2半導体部と重畳して配され、
前記重畳部は、前記第1共通電極または前記第2共通電極のうちの前記第2半導体部と重畳する部分により構成される請求項1記載のアレイ基板。
【請求項12】
請求項1から請求項4、請求項7、請求項8、請求項11のいずれか1項に記載のアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向するよう配される対向基板と、を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された表示装置は、画素電極と、画素電極に対して絶縁膜を介して重畳する共通電極と、画素電極に接続されるスイッチング素子と、スイッチング素子に接続されていて画素電極に対して隣り合うよう配される画素配線と、画素電極に対して画素配線と同じ側に隣り合っていて複数が間に間隔を空けて配されていて共通電極に電気的に接続される配線と、を備え、複数の配線は、画素配線に対して共通の位置関係となる共通部をそれぞれ有する。また、特許文献1に記載された表示装置は、共通電極を分割してなる複数の位置検出電極と、画素配線と交差していて複数の位置検出電極を仕切る仕切開口部と重畳して配される第2の画素配線と、第2の画素配線に対して重畳していて配線に電気的に接続される遮蔽部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0272012号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載された表示装置においては、第2の画素配線が仕切開口部と重畳する配置であるため、第2の画素配線から生じる電界は、位置検出電極によって遮蔽されることがないものの、第2の画素配線と重畳する遮蔽部によって遮蔽される。しかしながら、第2の画素配線と重畳する位置に遮蔽部を設けると、他の電極等と遮蔽部との短絡を回避する等の理由から、遮蔽部の配置スペースを広く確保する必要が生じる。そうなると、遮蔽部付近の構造が視認されるのを防ぐため、遮光範囲を広くする必要が生じ、画素の開口率が低下するおそれがあった。画素の開口率が低下しないようにするための対策を採ろうとすると、結果として表示輝度にムラが生じるおそれがあった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、画素の開口率が低下し難くし、表示輝度にムラが生じ難くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わるアレイ基板は、複数の共通電極と、前記複数の共通電極に対して第1絶縁膜を介して重畳して配される複数の画素電極と、前記複数の画素電極に接続される複数のスイッチング素子と、前記複数の共通電極のいずれか、または前記複数のスイッチング素子のいずれか、に接続される複数の配線と、を備え、前記複数の画素電極には、第1画素電極と、前記第1画素電極に対して第1方向に間隔を空けて配される第2画素電極と、第3画素電極と、前記第3画素電極に対して前記第1方向に間隔を空けて配される第4画素電極と、が含まれ、前記複数の配線には、前記第1方向について前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1配線と、前記第1方向について前記第3画素電極と前記第4画素電極との間に位置し、前記第2方向に沿って延在する第2配線と、が含まれ、前記複数のスイッチング素子には、前記第1配線及び前記第1画素電極に接続される第1スイッチング素子と、前記第2配線及び前記第3画素電極に接続される第2スイッチング素子と、が含まれ、前記複数の共通電極には、第1共通電極と、前記第1共通電極に対して前記第1方向に間隔を空けて配される第2共通電極と、が含まれ、前記第1スイッチング素子は、第1半導体部を有し、前記第2スイッチング素子は、第2半導体部を有し、前記第1共通電極は、前記第1画素電極、前記第2画素電極、前記第3画素電極、前記第1配線及び前記第1スイッチング素子のうちの少なくとも前記第1半導体部と重畳して配され、前記第2共通電極は、前記第4画素電極及び前記第2配線と重畳して配され、前記第2スイッチング素子のうちの少なくとも前記第2半導体部と重畳して配され、前記複数の共通電極のいずれかと同電位とされる重畳部を備える。
【0007】
(2)また、上記アレイ基板は、上記(1)に加え、前記複数の共通電極は、複数の位置検出電極であり、前記第1共通電極は、第1位置検出電極であり、前記第2共通電極は、第2位置検出電極であり、前記複数の配線には、前記第1方向に沿って延在し、前記複数の位置検出電極のいずれかに接続される第3配線と、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも前記第2スイッチング素子に接続される第4配線と、が含まれ、前記第3配線は、少なくとも一部が前記第4配線に対して第2絶縁膜を介して重畳して配され、前記第3配線の一部は、前記第2半導体部と重畳して配され、前記重畳部には、前記第3配線のうちの前記第2半導体部と重畳する部分により構成される第1重畳部が含まれてもよい。
【0008】
(3)また、上記アレイ基板は、上記(2)に加え、前記第2スイッチング素子は、前記第2半導体部の一部に接続され、前記第3画素電極の一部と重畳して配される第1電極を有し、前記第1電極及び前記第3画素電極の一部ずつと重畳して配される第2電極を備えており、前記第3配線は、前記複数の位置検出電極及び前記複数の画素電極のいずれに対しても第3絶縁膜を介して下層側に位置する第1導電膜からなり、前記第4配線は、前記第1導電膜に対して前記第2絶縁膜を介して下層側に位置する第2導電膜からなり、前記第1電極は、前記第2導電膜のうちの前記第4配線とは別の部分からなり、前記第2電極は、前記第1導電膜のうちの前記第3配線及び前記第1重畳部とは別の部分からなり、重畳する前記第2画素電極及び前記第1電極に接続され、前記第1重畳部は、前記第3電極に対して前記第2方向に間隔を空けて並んで配されてもよい。
【0009】
(4)また、上記アレイ基板は、上記(3)に加え、前記第2スイッチング素子は、前記第2半導体部のうちの前記第1電極との接続部位とは別の部位に接続される第3電極を有し、前記第3電極は、前記第4配線の一部により構成され、前記第1電極は、前記第2電極と重畳する第1部と、前記第1部から前記第2方向に沿って延出して前記第2半導体部の一部に接続される第2部と、を有してもよい。
【0010】
(5)また、上記アレイ基板は、上記(2)から上記(4)のいずれかに加え、前記複数の配線には、前記第1方向に沿って延在し、前記第1位置検出電極と重畳し、前記第2位置検出電極とは非重畳に配されて前記第1位置検出電極に接続される第5配線と、前記第1方向に沿って延在し、前記第2位置検出電極と重畳し、前記第1位置検出電極とは非重畳に配されて前記第2位置検出電極に接続される第6配線と、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第5配線及び前記第6配線に対して前記第2絶縁膜を介して重畳して配される第7配線と、が含まれ、前記複数のスイッチング素子には、前記第2配線及び前記第7配線に接続される第3スイッチング素子が含まれ、前記第3スイッチング素子は、第3半導体部を有し、前記第5配線または前記第6配線の一部は、前記第3半導体部と重畳して配され、前記重畳部には、前記第5配線または前記第6配線のうちの前記第3半導体部と重畳する部分により構成される第2重畳部が含まれてもよい。
【0011】
(6)また、上記アレイ基板は、上記(2)から上記(5)のいずれかに加え、前記複数の位置検出電極には、前記第1位置検出電極に対して前記第2方向に間隔を空けて並ぶ第3位置検出電極が含まれ、前記複数の配線には、前記第1方向に沿って延在し、前記第1位置検出電極と前記第3位置検出電極との間に挟まれて配され、前記第1位置検出電極及び前記第3位置検出電極とは非重畳の配置とされる第8配線と、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第8配線に対して前記第2絶縁膜を介して重畳して配される第9配線と、が含まれ、前記第8配線は、前記複数の位置検出電極のいずれかに直接的または間接的に接続され、前記複数のスイッチング素子には、前記第2配線及び前記第9配線に接続される第4スイッチング素子が含まれ、前記第4スイッチング素子は、第4半導体部を有し、前記第8配線の一部は、前記第4半導体部と重畳して配され、前記重畳部には、前記第8配線のうちの前記第4半導体部と重畳する部分により構成される第3重畳部が含まれてもよい。
【0012】
(7)また、上記アレイ基板は、上記(1)に加え、前記複数の共通電極は、複数の位置検出電極であり、前記第1共通電極は、第1位置検出電極であり、前記第2共通電極は、第2位置検出電極であり、前記複数の配線には、前記第1方向に沿って延在し、前記複数の位置検出電極のいずれかに接続される第10配線と、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも前記第2スイッチング素子に接続される第11配線と、が含まれ、前記第11配線は、前記複数の位置検出電極及び前記複数の画素電極のいずれに対しても第4絶縁膜を介して下層側に位置する第3導電膜からなり、前記第10配線は、前記第3導電膜のうちの前記第11配線とは別の部分からなり、前記第11配線に対して前記第2方向に間隔を空けて並んで配され、前記複数の画素電極は、第4導電膜からなり、前記重畳部には、前記第4導電膜のうちの前記複数の画素電極とは別の部分からなる第4重畳部が含まれてもよい。
【0013】
(8)また、上記アレイ基板は、上記(7)に加え、前記第4重畳部には、前記第1位置検出電極または前記第2位置検出電極と重畳する第3部を有する第5重畳部が含まれ、前記第5重畳部は、前記第3部が前記第1位置検出電極または前記第2位置検出電極に接続されてもよい。
【0014】
(9)また、上記アレイ基板は、上記(7)または上記(8)に加え、前記第4重畳部には、前記第10配線と重畳する第4部を有する第6重畳部が含まれ、前記第6重畳部は、前記第4部が前記第10配線に接続されてもよい。
【0015】
(10)また、上記アレイ基板は、上記(1)から上記(9)のいずれかに加え、前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、前記第1方向についての間に前記第2半導体部を挟んでいて前記第2半導体部とは非重畳となる配置とされ、前記重畳部は、前記複数の共通電極とは異なる層に配されてもよい。
【0016】
(11)また、上記アレイ基板は、上記(1)に加え、前記第1共通電極または前記第2共通電極の一部は、前記第2半導体部と重畳して配され、前記重畳部は、前記第1共通電極または前記第2共通電極のうちの前記第2半導体部と重畳する部分により構成されてもよい。
【0017】
(12)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(1)から上記(11)のいずれかに記載のアレイ基板と、前記アレイ基板に対向するよう配される対向基板と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に記載の技術によれば、画素の開口率が低下し難くし、表示輝度にムラが生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1に係る液晶パネルの平面図
図2】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、第1金属膜及び第2金属膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図3】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図4】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図5】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のv-v線断面図
図6】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のvi-vi線断面図
図7】実施形態1に係る液晶パネルにおける図2のvii-vii線断面図
図8】実施形態1に係るタッチ電極の形成範囲におけるTFT及びタッチ配線等を拡大した平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図9】実施形態1に係るタッチ電極の形成範囲におけるTFT及びタッチ配線等を拡大した平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図10】実施形態1に係るタッチ電極の形成範囲におけるTFT及び接続配線等を拡大した平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図11】実施形態1に係るタッチ電極の形成範囲におけるTFT及び接続配線等を拡大した平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図12】実施形態1に係る4つのタッチ電極と、TFT、画素電極、ゲート配線、ソース配線、タッチ配線、接続配線及びダミータッチ配線と、の関係を概略的に示す平面図
図13】実施形態1に係る第1タッチ電極と第3タッチ電極とを仕切る第2スリット付近における第1接続配線及び第1ダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図14】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT、第2ゲート配線及び第1タッチ配線等を拡大して示す平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図15】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT、第2ゲート配線及び第1タッチ配線等を拡大して示す平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図16】実施形態1に係る液晶パネルにおける図15のxvi-xvi線断面図
図17】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第3TFT及び第1接続配線等を拡大して示す平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図18】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第3TFT及び第1接続配線等を拡大して示す平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図19】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第4TFT及び第1ダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図20】実施形態1に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第4TFT及び第1ダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であり、第3金属膜を網掛け状にして示す平面図
図21】実施形態2に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図22】実施形態2に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図23】実施形態2に係る液晶パネルにおける図22のxxiii-xxiii線断面図
図24】実施形態2に係る液晶パネルにおける図22のxxiv-xxiv線断面図
図25】実施形態2に係る液晶パネルにおける図22のxxv-xxv線断面図
図26】実施形態2に係る4つのタッチ電極と、TFT、画素電極、ゲート配線、ソース配線、タッチ配線、接続配線及びダミータッチ配線と、の関係を概略的に示す平面図
図27】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図28】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図29】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及び接続配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図30】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及び接続配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図31】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図32】実施形態2に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図33】実施形態2に係る液晶パネルにおける図27のxxxiii-xxxiii線断面図
図34】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図35】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図36】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及び接続配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図37】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及び接続配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図38】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及びダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図39】実施形態2に係る第1タッチ電極の形成範囲における第1TFT及びダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図40】実施形態3に係る液晶パネルの表示領域における画素配列に示す平面図であり、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図41】実施形態3に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図42】実施形態3に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及び接続配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図43】実施形態3に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であって、第2金属膜及び第2透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図44】実施形態3に係る液晶パネルにおける図41のxxxxiv-xxxxiv線断面図
図45】実施形態4に係る第1タッチ電極と第2タッチ電極とを仕切る第1スリット付近における第2TFT及びタッチ配線等を拡大して示す平面図であって、半導体膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
図46】実施形態4に係る液晶パネルにおける図45のxxxxvi-xxxxvi線断面図
図47】他の実施形態(1)に係る第1タッチ電極と第3タッチ電極とを仕切る第2スリット付近における第1ダミータッチ配線等を拡大して示す平面図であり、第3金属膜及び第1透明電極膜を異なる網掛け状にして示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図20によって説明する。本実施形態では、画像表示機能及びタッチパネル機能(位置入力機能、位置検出機能)を備える液晶パネル(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図5図6図7及び図16の上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0021】
図1を用いて液晶パネル10の概略的な平面構成について説明する。液晶パネル10は、図1に示すように、全体として平面形状が横長の略方形状とされる。この液晶パネル10は、その短辺方向がY軸方向と、長辺方向がX軸方向と、板厚方向(各基板20,21の板面の法線方向)がZ軸方向と、それぞれ一致している。本実施形態では、Y軸方向が「第1方向」であり、X軸方向が「第1方向と交差する第2方向」である。液晶パネル10は、自身の裏側に配されたバックライト装置(照明装置)から照射される照明光を利用して画像を表示することが可能とされる。バックライト装置は、液晶パネル10に対して裏側(背面側)に配置され、例えば光源(例えばLEDなど)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。
【0022】
液晶パネル10は、図1に示すように、画面の中央側部分が、画像が表示される表示領域(図1において一点鎖線により囲った範囲)AAとされる。これに対し、液晶パネル10の画面における表示領域AAを取り囲む額縁状(枠状)の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。液晶パネル10は、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち表側(正面側)の基板が対向基板20とされ、裏側(背面側)の基板がアレイ基板(アクティブマトリクス基板)21とされる。対向基板20及びアレイ基板21は、いずれもガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。なお、両基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
【0023】
アレイ基板21は、図1に示すように、対向基板20に対してY軸方向に沿って側方に突き出す突き出し部21Aを有する。この突き出し部21Aには、次述する表示機能やタッチパネル機能に係る各種信号を供給するためのドライバ(信号供給部)11及びフレキシブル基板12が実装されている。ドライバ11は、アレイ基板21の突き出し部21Aに対してCOG(Chip On Glass)実装されている。ドライバ11は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなり、フレキシブル基板12によって伝送される各種信号を処理する。ドライバ11は、アレイ基板21において表示領域AAに対してY軸方向に間隔を空けて並んで配されている。フレキシブル基板12は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなる基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板12は、一端側部分がアレイ基板21に、他端側部分が外部のコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板12を介して液晶パネル10に伝送される。また、アレイ基板21の非表示領域NAAには、表示領域AAをX軸方向に両側から挟み込む形で一対のゲート回路部13が設けられている。ゲート回路部13は、後述するゲート配線26に走査信号を供給する。ゲート回路部13は、アレイ基板21にモノリシックに設けられている。
【0024】
本実施形態に係る液晶パネル10は、画像を表示する表示機能と、表示される画像に基づいて使用者が入力する位置(入力位置)を検出するタッチパネル機能と、を併有している。液晶パネル10には、タッチパネル機能を発揮するためのタッチパネルパターンが一体化(インセル化)されている。タッチパネルパターンは、いわゆる投影型静電容量方式とされ、その検出方式が自己容量方式とされる。タッチパネルパターンは、図1に示すように、液晶パネル10の板面内においてマトリクス状に並んで配される複数のタッチ電極(位置検出電極)30から構成されている。タッチ電極30は、液晶パネル10の表示領域AAに配されている。従って、液晶パネル10の表示領域AAは、入力位置を検出可能なタッチ領域(位置入力領域)とほぼ一致している。なお、非表示領域NAAは、入力位置を検出不能な非タッチ領域(非位置入力領域)とほぼ一致している。液晶パネル10の表示領域AAに表示された画像に基づいて、使用者が、導電体である使用者の指や使用者によって操作されるタッチペンなどの位置入力体を、液晶パネル10の表面(表示面)に近づけると、その位置入力体とタッチ電極30との間で静電容量が形成される。これにより、位置入力体の近くにあるタッチ電極30にて検出される静電容量には、位置入力体が近づくのに伴って変化が生じ、位置入力体から遠くにあるタッチ電極30の静電容量とは異なるものとなる。この静電容量の相違に基づいて、後述する検出回路は、入力位置を検出することが可能である。
【0025】
タッチ電極30は、図1に示すように、表示領域AAにおいてY軸方向(第1方向)及びX軸方向(第2方向)に沿って複数ずつがそれぞれ間隔を空けて並んで配されている。タッチ電極30は、平面に視て略方形状をなしており、一辺の寸法が数mm程度とされる。タッチ電極30は、平面に視た大きさが後述する画素PXよりも遙かに大きくなっており、X軸方向及びY軸方向に複数(数十~数百程度)ずつの画素PXに跨る範囲に配置されている。タッチ電極30の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0026】
複数のタッチ電極30には、図1に示すように、液晶パネル10に設けられた複数のタッチ配線(第3配線)31が選択的に接続されている。タッチ配線31は、概ねY軸方向に沿って延在する。タッチ配線31のY軸方向の一端側部分が、非表示領域NAAにてドライバ11に対して接続されている。タッチ配線31のY軸方向の他端側部分が、表示領域AAにてY軸方向に沿って並ぶ複数のタッチ電極30のうちの特定のタッチ電極30に対して接続されている。タッチ配線31は、Y軸方向の形成範囲がドライバ11から接続対象のタッチ電極30に至るまでの範囲に限られており、接続対象のタッチ電極30よりもドライバ11側(図1の下側)とは反対側(図1の上側)には非配置とされる。なお、タッチ配線31の設置数によっては、1つのタッチ電極30に1本のみのタッチ配線31を接続してもよいが、1つのタッチ電極30に複数のタッチ配線31を接続してもよい。また、1つのタッチ電極30に接続するタッチ配線31の本数は、タッチ電極30の位置に応じて異なっていてもよい。その場合は、例えばドライバ11から遠いタッチ電極30に接続されるタッチ配線31の数を、ドライバ11に近いタッチ電極30に接続されるタッチ配線31の数よりも多くするのが好ましいが、必ずしもその限りではない。なお、図1では、タッチ電極30に対するタッチ配線31の接続箇所(第1コンタクトホールCH1)を黒丸にて図示している。さらにタッチ配線31は、検出回路と接続されている。検出回路は、ドライバ11に備えられてもよいが、フレキシブル基板12を介して液晶パネル10の外部に備えられてもよい。タッチ配線31の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0027】
複数のタッチ電極30には、図1に示すように、液晶パネル10に設けられた複数の接続配線(第5配線、第6配線)32が直接的に接続されている。接続配線32は、タッチ配線31と同様に、概ねY軸方向に沿って延在する。接続配線32は、接続対象のタッチ電極30と重畳して配され、Y軸方向についての形成範囲が、接続対象のタッチ電極30の同形成範囲に限られている。接続配線32は、接続対象のタッチ電極30に対して複数箇所で接続されている。なお、図1では、タッチ電極30に対する接続配線32の接続箇所(第2コンタクトホールCH2)を黒丸にて図示している。このような接続配線32によってタッチ電極30の抵抗分布が低減される。接続配線32は、タッチ配線31に対してY軸方向にドライバ11側とは反対側に間隔を空けて配されている。つまり、接続配線32は、タッチ配線31と同列に位置する。接続配線32は、タッチ配線31が非配置とされるスペースを利用して配置されている、と言える。タッチ電極30に対して重畳配置される接続配線32の数は、ドライバ11から遠いタッチ電極30が、ドライバ11に近いタッチ電極30よりも多い。接続配線32の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0028】
さらには、複数のタッチ電極30には、図1に示すように、液晶パネル10に設けられた複数のダミータッチ配線(第8配線)33が間接的に接続されている。ダミータッチ配線33は、タッチ配線31及び接続配線32と同様に、概ねY軸方向に沿って延在する。ダミータッチ配線33は、X軸方向に隣り合うタッチ電極30の間に挟まれて配され、いずれのタッチ電極30とも非重畳の配置とされる。ダミータッチ配線33は、Y軸方向についての形成範囲が、X軸方向に隣り合うタッチ電極30の同形成範囲に限られている。ダミータッチ配線33は、X軸方向に間隔を空けて隣り合う接続配線32に対して複数箇所で接続されている(図12を参照)。従って、ダミータッチ配線33は、接続配線32を介してタッチ電極30に対して間接的に接続されている。このようなダミータッチ配線33によってタッチ電極30の抵抗分布がさらに低減される。ダミータッチ配線33は、Y軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。Y軸方向についてのダミータッチ配線33の並び数は、Y軸方向についてのタッチ電極30の並び数と一致する。ダミータッチ配線33の詳しい構成については、後に改めて説明する。
【0029】
図2を用いてアレイ基板21の表示領域AAにおける画素配列について説明する。図2には、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ2つずつ(合計4つ)のタッチ電極30の境界付近における画素配列が図示されている。図2では、アレイ基板21に備わる第1金属膜及び第2金属膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。なお、図2では、第1透明電極膜を二点鎖線にて図示する。上記した第1金属膜及び第2金属膜に関しては、後に詳しく説明する。アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、図2に示すように、複数ずつのTFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)23及び画素電極24が、アレイ基板21の面内にて間隔を空けて並んで設けられている。複数ずつのTFT23及び画素電極24は、Y軸方向(第1方向)及びY軸方向と交差するX軸方向(第2方向)にそれぞれ間隔を空けてマトリクス状(行列状)に並んで設けられる。TFT23及び画素電極24の周りには、格子状をなすゲート配線(第1配線、第2配線、走査配線)26及びソース配線(第4配線、第7配線、第9配線、信号配線)27が取り囲むようにして配設されている。ゲート配線26は、X軸方向に沿ってほぼ直線状に延在し、Y軸方向に画素電極24を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配される。ゲート配線26は、X軸方向の位置に応じて線幅が変化する。ソース配線27は、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在している。ソース配線27は、X軸方向に画素電極24を挟むよう間隔を空けて複数が並んで配される。ゲート配線26及びソース配線27は、互いに交差しており、その交差箇所の数は、ゲート配線26の設置数と、ソース配線27の設置数と、を乗算した値となる。TFT23は、いずれも自身に接続される画素電極24とゲート配線26との間にY軸方向に挟まれて配されている。なお、複数のTFT23には、接続対象とされるソース配線27に対して図2の右側に位置するものと同図の左側に位置するものとが含まれている。接続対象とされるソース配線27に対して図2の右側に位置するTFT23と、同図の左側に位置するTFT23と、がY軸方向に1つずつ交互に並んでいる。接続対象とされるソース配線27に対して図2の右側に位置するTFT23と、同図の左側に位置するTFT23と、は、互いに左右反転した構成となっている。また、全てのTFT23は、接続対象とされる画素電極24に対して図2の下側に位置する。
【0030】
図1及び図3を用いてアレイ基板21に備わる共通電極25について説明する。図3には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されており、図3では、アレイ基板21に備わる第1透明電極膜を網掛け状にして図示する。上記した第1透明電極膜に関しては、後に詳しく説明する。アレイ基板21には、図3に示すように、表示領域AAのほぼ全域にわたって配される共通電極25が設けられている。共通電極25は、複数の画素電極24に対して下層側に重畳して配されている。共通電極25は、図1及び図3に示すように、表示領域AAにおいてX軸方向及びY軸方向に沿って複数ずつがそれぞれ間隔を空けて並んで配されている。つまり、共通電極25は、既述したタッチ電極30を構成している。隣り合う共通電極25は、スリット25Aにより仕切られている。スリット25Aは、全体としては平面に視て略格子状をなしている。スリット25Aは、概ねX軸方向に沿って表示領域AAの全長にわたって横断する第1スリット25A1と、概ねY軸方向に沿って表示領域AAの全長にわたって縦断する第2スリット25A2と、からなる。なお、図3には、4つの共通電極25(タッチ電極30)が図示されている。Y軸方向に沿って並ぶ共通電極25(タッチ電極30)は、第1スリット25A1により仕切られる。X軸方向に沿って並ぶ共通電極25(タッチ電極30)は、第2スリット25A2により仕切られる。
【0031】
このようなタッチ電極30に接続されたタッチ配線31には、図1に示すように、ドライバ11から、画像表示機能に係る共通電位信号と、タッチパネル機能に係るタッチ信号(位置検出信号)と、が時分割して供給される。ドライバ11からタッチ配線31に共通電位信号が供給されるタイミングが表示期間である。ドライバ11からタッチ配線31にタッチ信号が供給されるタイミングがセンシング期間(位置検出期間)である。この共通電位信号は、同じタイミング(表示期間)で全てのタッチ配線31に伝送されることで、全てのタッチ電極30が共通電位信号に基づく基準電位となって共通電極25として機能する。また、共通電極25には、図3に示すように、TFT23の一部(後述する第3コンタクトホールCH3及び第4コンタクトホールCH4付近)と重畳する第1開口25B1が形成されている。第1開口25B1は、共通電極25のうち、複数のTFT23のそれぞれと重畳する位置に複数が形成されている。複数の第1開口25B1は、共通電極25においてX軸方向及びY軸方向に間隔を空けてマトリクス状に並んで配される。共通電極25は、第1開口25B1によって画素電極24との短絡が避けられている。また、共通電極25には、タッチ配線31及び接続配線32と重畳する複数の第2開口25B2が形成されている。複数の第2開口25B2は、タッチ配線31及び接続配線32の延在方向に沿って延在する細長い(縦長の)スリット状をなしている。第2開口25B2は、Y軸方向についての形成範囲が、画素電極24のうちの後述する画素電極本体24AのY軸方向についての形成範囲と概ね同じ程度とされる。
【0032】
図4を用いてタッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33について説明する。図4には、図2と同じ範囲の画素配列が図示されており、図4では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。なお、図4では、第1透明電極膜(共通電極25及びタッチ電極30)等を二点鎖線にて図示する。上記した第3金属膜に関しては、後に詳しく説明する。タッチ配線31は、図4に示すように、ソース配線27に対して平面に視て重畳して配されている。タッチ配線31は、ソース配線27と同様に、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在している。タッチ配線31は、Y軸方向に隣り合うタッチ電極30の間を仕切る第1スリット25A1を横切って配される。接続配線32は、タッチ配線31と同層にあり、ソース配線27に対して平面に視て重畳して配されている。接続配線32は、ソース配線27及びタッチ配線31と同様に、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在している。接続配線32は、接続対象のタッチ電極30と、Y軸方向に隣り合うタッチ電極30と、の間を仕切る第1スリット25A1を横切ることがない。接続配線32は、接続対象のタッチ電極30に対してY軸方向に隣り合うタッチ電極30と重畳するタッチ配線31及び接続配線32とは、間隔を空けてY軸方向に並ぶ関係とされる。ダミータッチ配線33は、タッチ配線31及び接続配線32と同層にあり、ソース配線27に対して平面に視て重畳して配されている。ダミータッチ配線33は、ソース配線27、タッチ配線31及び接続配線32と同様に、ジグザグ状に繰り返し屈曲されつつも概ねY軸方向に沿って延在している。ダミータッチ配線33は、X軸方向に隣り合うタッチ電極30の間を仕切る第2スリット25A2と重畳して配される。ダミータッチ配線33は、Y軸方向に隣り合うタッチ電極30の間を仕切る第1スリット25A1を横切ることがない。
【0033】
図5を用いて液晶パネル10における画素電極24(画素PX)の中央部付近の断面構成を説明する。液晶パネル10は、図5に示すように、一対の基板20,21間に配されて電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(媒質層)22を有している。液晶パネル10を構成する対向基板20の内面側における表示領域AAには、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する3色のカラーフィルタ28が設けられている。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、ゲート配線26の延在方向(X軸方向)に隣り合うよう並んで配される。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、ソース配線27の延在方向(概ねY軸方向)に沿って延在している。このように、互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、全体としてストライプ状に配列されている。これらのカラーフィルタ28は、アレイ基板21側の各画素電極24と平面に視て重畳する配置とされている。互いに異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28は、その境界(色境界)がソース配線27と重畳する配置とされる。また、カラーフィルタ28の上層側(液晶層22側)には、平坦化のために対向基板20のほぼ全域にわたってベタ状に配されるオーバーコート膜20OCが設けられている。なお、両基板20,21のうち、液晶層22に接する最内面(最上層)には、液晶層22に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜がそれぞれ形成されている。
【0034】
カラーフィルタ28には、図5に示すように、緑色を呈する第1カラーフィルタ(緑色カラーフィルタ)28Gと、青色を呈する第2カラーフィルタ(青色カラーフィルタ)28Bと、赤色を呈する第3カラーフィルタ(赤色カラーフィルタ)28Rと、が含まれる。以下では、カラーフィルタ28を区別する場合には、緑色を呈する第1カラーフィルタの符号に添え字Gを、青色を呈する第2カラーフィルタの符号に添え字Bを、赤色を呈する第3カラーフィルタの符号に添え字Rを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。第1カラーフィルタ28Gは、緑色の波長領域(約500nm~約570nm)に含まれる波長の緑色光を選択的に透過する。第1カラーフィルタ28Gは、比視感度が最も高い。第2カラーフィルタ28Bは、青色の波長領域(約400nm~約500nm)に含まれる青色光を選択的に透過する。第2カラーフィルタ28Bは、比視感度が最も低い。第3カラーフィルタ28Rは、赤色の波長領域(約600nm~約780nm)に含まれる波長の赤色光を選択的に透過する。第3カラーフィルタ28Rは、第1カラーフィルタ28Gよりも比視感度が低いものの、第2カラーフィルタ28Bよりは比視感度が高い。本実施形態では、カラーフィルタ28は、図5の左側から第1カラーフィルタ28G、第3カラーフィルタ28R、第2カラーフィルタ28Bの順で繰り返し並ぶ配列とされる。
【0035】
この液晶パネル10においては、図5に示すように、X軸方向に沿って並ぶ3色のカラーフィルタ28G,28B,28Rと、各カラーフィルタ28G,28B,28Rと対向する3つの画素電極24と、が3色の画素GPX,BPX,RPXをそれぞれ構成している。最も視感度が高い緑色を呈する第1画素(緑色画素)GPXは、第1カラーフィルタ28Gと、第1カラーフィルタ28Gと対向する画素電極24と、により構成される。最も視感度が低い青色を呈する第2画素(青色画素)BPXは、第2カラーフィルタ28Bと、第2カラーフィルタ28Bと対向する画素電極24と、により構成される。中間の視感度の赤色を呈する第3画素(赤色画素)RPXは、第3カラーフィルタ28Rと、第3カラーフィルタ28Rと対向する画素電極24と、により構成される。そして、この液晶パネル10においては、X軸方向に沿って隣り合う3色の画素GPX,BPX,RPXによって所定の階調のカラー表示を可能な表示画素が構成されている。画素GPX,BPX,RPXにおけるY軸方向の配列ピッチは、X軸方向の配列ピッチの3倍程度とされる。
【0036】
対向基板20の表示領域AAにおける内面側には、図5に示すように、遮光部(画素間遮光部、ブラックマトリクス)29が設けられている。遮光部29は、優れた遮光性を有する遮光性材料(例えばアクリルやポリイミドなどの感光性樹脂材料にカーボンブラックなどの顔料を含有させた材料)からなる。遮光部29は、バックライト装置などから照射される光を遮ることができる。表示領域AAにおいて遮光部29は、平面形状が略格子状をなしており、隣り合う画素電極24(画素PX)の間を仕切っている。遮光部29は、アレイ基板21側の少なくともゲート配線26及びソース配線27と平面に視て重畳する配置とされる。遮光部29は、X軸方向に沿って延在してゲート配線26と重畳する第1遮光部と、概ねY軸方向に沿って延在してソース配線27と重畳する第2遮光部と、を有する。なお、図5には、第2遮光部のみが図示されており、第1遮光部は、図7等に図示されている。対向基板20の面内において、遮光部29を構成する第1遮光部と第2遮光部とにより囲まれた領域(画素開口部)が、画素電極24の大部分と重畳していて、画素PXの開口範囲を画定する。上記領域は、画素電極24及びカラーフィルタ28の透過光を透過し、液晶パネル10の外部へ出光させる。なお、遮光部29は、対向基板20の非表示領域NAAにも設けられており、非表示領域NAAではほぼ全域にわたってベタ状に配されている。
【0037】
ここで、アレイ基板21の内面側に積層形成された各種の膜について図6を参照しつつ説明する。アレイ基板21には、図6に示すように、下層側(ガラス基板側)から順に第1金属膜、ゲート絶縁膜34、半導体膜、第2金属膜(第2導電膜)、第1層間絶縁膜(第2絶縁膜)35、平坦化膜(第2絶縁膜)36、第3金属膜(第1導電膜)、第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)37、第1透明電極膜、第3層間絶縁膜(第1絶縁膜)38、第2透明電極膜、配向膜が積層形成されている。第1金属膜、第2金属膜及び第3金属膜は、それぞれ銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステン等の中から選択される1種類の金属材料からなる単層膜または異なる種類の金属材料からなる積層膜や合金とされることで導電性及び遮光性を有している。第1金属膜は、ゲート配線26やTFT23のゲート電極23A等を構成する。第2金属膜は、ソース配線27、TFT23のソース電極23B及びドレイン電極23C等を構成する。第3金属膜は、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33等を構成する。半導体膜は、材料として例えば酸化物半導体、アモルファスシリコン等を用いた薄膜からなり、TFT23の半導体部23D等を構成する。第1透明電極膜及び第2透明電極膜は、透明電極材料(例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等)からなる。第1透明電極膜は、共通電極25(タッチ電極30)等を構成する。第2透明電極膜は、画素電極24等を構成する。配向膜は、既述した通りである。
【0038】
ゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38は、それぞれ窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)等の無機材料からなる。ゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38の膜厚は、第1透明電極膜及び第2透明電極膜の膜厚よりも大きい。平坦化膜36は、例えばPMMA(アクリル樹脂)などの有機材料からなり、感光性を有する。平坦化膜36の膜厚は、ゲート絶縁膜34、第1層間絶縁膜35、第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38の膜厚よりも遙かに大きい。この平坦化膜36によりアレイ基板21の内面(液晶層22側の面)が平坦化される。ゲート絶縁膜34は、下層側の第1金属膜と、上層側の半導体膜及び第2金属膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第1金属膜からなるゲート配線26と、第2金属膜からなるソース配線27と、の交差箇所は、ゲート絶縁膜34により絶縁状態に保たれる。また、TFT23において、第1金属膜からなるゲート電極23Aと、半導体膜からなる半導体部23Dと、の重畳箇所は、ゲート絶縁膜34により絶縁状態に保たれる。第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36は、下層側の半導体膜及び第2金属膜と、上層側の第3金属膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第2金属膜からなるソース配線27と、第3金属膜からなる各配線31~33と、の重畳箇所は、第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36により絶縁状態に保たれる。第2層間絶縁膜37は、下層側の第3金属膜と、上層側の第1透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第3金属膜からなる各配線31~33と、第1透明電極膜からなる共通電極25(タッチ電極30)と、の重畳箇所は、第2層間絶縁膜37により絶縁状態に保たれる。第3層間絶縁膜38は、下層側の第1透明電極膜と、上層側の第2透明電極膜と、を絶縁状態に保つ。例えば、第1透明電極膜からなる共通電極25(タッチ電極30)と、第2透明電極膜からなる画素電極24と、の重畳箇所は、第3層間絶縁膜38により絶縁状態に保たれる。
【0039】
次に、TFT23に関して図6から図9を参照しつつ説明する。図8及び図9には、タッチ電極30(後述する第1タッチ電極30α)の形成範囲におけるTFT23(後述する第1TFT23α)及びタッチ配線31等が拡大して図示されている。図8では、アレイ基板21に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図9では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。なお、図9では、第1透明電極膜を二点鎖線にて図示する。TFT23は、図6及び図8に示すように、第1金属膜からなるゲート電極23Aを有する。ゲート電極23Aは、X軸方向に沿って延在するゲート配線26の途中からY軸方向に沿って延出する部分である。つまり、ゲート電極23Aは、ゲート配線26を部分的に拡幅して形成されている。ゲート電極23Aは、X軸方向についての寸法が、後述する半導体部23Dの長さ寸法と同等である。ゲート電極23Aは、X軸方向についてソース配線27の殆どの範囲に対して重畳して配されている。ゲート電極23Aは、ゲート配線26に供給される走査信号に基づいてTFT23を駆動する。TFT23は、第2金属膜からなるソース電極23Bを有する。ソース電極23Bは、ソース配線27の一部(ゲート電極23Aとの重畳部分)により構成される。従って、ソース配線27は、ゲート配線26におけるゲート電極23Aのような拡幅部分(延出部分)を有さない。ソース電極23Bは、TFT23におけるX軸方向の一端(図6及び図8に示す左端)に配される。ソース電極23Bは、ゲート電極23Aの一部と重畳し、半導体部23Dのうちの一方の端部に接続される。
【0040】
TFT23は、図7及び図8に示すように、第2金属膜からなるドレイン電極23Cを有する。ドレイン電極23Cは、ソース電極23Bとの間にX軸方向に間隔を空けた位置、つまりTFT23におけるX軸方向の他端(図7及び図8に示す右端)に配される。ドレイン電極23Cは、平面に視て略逆T字型をなしている。ドレイン電極23Cは、ソース電極23Bに対してX軸方向に間隔を空けた位置に配される第1ドレイン電極構成部(第1部)23C1と、第1ドレイン電極構成部23C1からX軸方向に沿ってソース電極23B側に向けて延出する第2ドレイン電極構成部(第2部)23C2と、第1ドレイン電極構成部23C1からX軸方向に沿ってソース電極23B側とは反対側に向けて延出する第3ドレイン電極構成部23C3と、を有する。ドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1は、画素電極24の一部(後述するコンタクト部24B)に接続される。ドレイン電極23Cの第2ドレイン電極構成部23C2は、ゲート電極23Aの一部と重畳するよう配され、半導体部23Dのうちの他方の端部、つまりソース電極23B側とは反対側の端部に接続される。ドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1と画素電極24の一部との双方と重畳する位置には、図7及び図9に示すように、第3金属膜からなる中間電極39が設けられている。中間電極39は、Z軸方向に関してドレイン電極23Cと画素電極24との中間に位置している。中間電極39は、平面に視て略方形の島状をなしており、同じ第3金属膜の他の部分からなるタッチ配線31や接続配線32とは物理的に分離されている。ドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1と中間電極39との間に介在する第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36のうち、ドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1及び中間電極39と重畳する位置には、第3コンタクトホールCH3が形成されている。中間電極39は、ドレイン電極23Cに対して第3コンタクトホールCH3を通して接続されている。中間電極39と画素電極24との間に介在する第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38のうち、中間電極39及び画素電極24と重畳する位置には、第4コンタクトホールCH4が形成されている。画素電極24は、中間電極39に対して第4コンタクトホールCH4を通して接続されている。このように、画素電極24は、中間電極39を介してドレイン電極23Cに接続されている。ドレイン電極23Cの第3ドレイン電極構成部23C3は、ゲート配線26を部分的に拡幅して形成される拡幅部26Aと重畳している。拡幅部26Aは、ゲート電極23Aに対してX軸方向に間隔を空けた位置に配される。アレイ基板21の製造に際し、ゲート配線26に対してドレイン電極23CがX軸方向に位置ずれした場合でも、ドレイン電極23Cの第3ドレイン電極構成部23C3が拡幅部26Aと重畳して配されることで、ゲート配線26とドレイン電極23C(すなわち画素電極24)との間の容量が変動し難くなっている。
【0041】
TFT23は、図6及び図8に示すように、チャネル部を含む島状の半導体部23Dを有する。半導体部23Dは、X軸方向に沿って延在しており、平面に視て横長の方形状をなす。半導体部23Dは、大部分がゲート絶縁膜34を介してゲート電極23Aに対して重畳する。半導体部23Dは、X軸方向についての一方の端部が、ソース配線27の概ね全幅にわたって重畳して接続されている。半導体部23Dは、X軸方向についての他方の端部が、ドレイン電極23Cの第2ドレイン電極構成部23C2のうちの第1ドレイン電極構成部23C1からの延出先端部に対して重畳して接続されている。このように、半導体部23Dは、X軸方向についてドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1よりもソース配線27に近い位置に配されている。半導体部23Dのうち、ゲート電極23Aと重畳し、ソース電極23B及びドレイン電極23Cとは非重畳とされる部分が、チャネル(電流経路)として機能するチャネル部である。半導体部23Dのうち、ソース電極23B及びドレイン電極23Cと重畳する部分が、チャネルとして機能しない部分である。ゲート電極23Aに供給される走査信号に基づいてTFT23がオン状態にされると、ソース配線27に供給される画像信号(データ信号)は、ソース電極23Bから半導体部23Dを介してドレイン電極23Cへと供給される。その結果、画素電極24は、画像信号に基づいた電位に充電される。
【0042】
画素電極24に関して図5図7及び図8を参照しつつ説明する。画素電極24は、図8に示すように、平面形状が縦長形状の画素電極本体24Aを有する。画素電極本体24Aは、その長手方向について途中で屈曲している。詳しくは、画素電極本体24Aは、長手側の両側縁がY軸方向に対して僅かに傾斜するとともにほぼ中央位置にて一度屈曲されていて頂角が鈍角となる浅いV字型をなしている。画素電極本体24Aには、図5及び図8に示すように、長手側の側縁に沿って延在する複数(図5及び図8等では4本)のスリット24A1が形成されている。なお、スリット24A1の具体的な設置本数や形状や形成範囲などは、図示以外にも適宜に変更可能である。画素電極24は、図8に示すように、画素電極本体24AからY軸方向に沿って片側に突出するコンタクト部24Bを有する。コンタクト部24Bは、画素電極本体24Aから図8の下向きに突出し、ドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1及び中間電極39に対して重畳するよう配されている。コンタクト部24Bは、平面に視て方形状をなしている。コンタクト部24Bは、図7に示すように、中間電極39を介してドレイン電極23Cの第1ドレイン電極構成部23C1に接続される部位である。このような構成の画素電極24が充電されると、画素電極24と重畳する共通電極25との間に電位差が生じる。すると、画素電極24におけるスリット24A1の開口縁と共通電極25との間には、アレイ基板21の板面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。このフリンジ電界を利用することで液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル10は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。
【0043】
タッチ電極30とタッチ配線31との接続構造について図4図6及び図8を参照しつつ説明する。第3金属膜からなるタッチ配線31と、第1透明電極膜からなるタッチ電極30と、の間には、図6に示すように、第2層間絶縁膜37が介在している。第2層間絶縁膜37には、タッチ配線31とタッチ電極30とを接続するための第1コンタクトホールCH1が開口形成されている。第1コンタクトホールCH1は、図4及び図8に示すように、タッチ配線31と、そのタッチ配線31が接続対象とされるタッチ電極30と、の双方と重畳する位置に配されている。詳しくは、第1コンタクトホールCH1は、タッチ配線31及びタッチ電極30の双方と重畳する複数のTFT23に含まれる所定のTFT23に備わるソース電極23Bと重畳して配されている。
【0044】
タッチ電極30と接続配線32との接続構造について図4図10及び図11を参照しつつ説明する。図10及び図11には、タッチ電極30の形成範囲におけるTFT23及び接続配線32等が拡大して図示されている。図10では、アレイ基板21に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図11では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。なお、図11では、第1透明電極膜を二点鎖線にて図示する。接続配線32は、タッチ配線31と同じ第3金属膜からなる。従って、接続配線32とタッチ電極30との間には、第2層間絶縁膜37が介在している(図6を参照)。第2層間絶縁膜37には、図4図10及び図11に示すように、接続配線32とタッチ電極30とを接続するための第2コンタクトホールCH2が開口形成されている。第2コンタクトホールCH2は、接続配線32と、その接続配線32と重畳するタッチ電極30と、の双方と重畳する位置に配されている。詳しくは、第2コンタクトホールCH2は、接続配線32及びタッチ電極30の双方と重畳する複数のTFT23に含まれる所定のTFT23に備わるソース電極23Bと重畳して配されている。なお、タッチ電極30と接続配線32との接続箇所の断面構成は、図6に示されるタッチ電極30とタッチ配線31との接続箇所の断面構成と同様である。
【0045】
次に、複数のタッチ電極30(共通電極25)のうちの特定のタッチ電極30と、そのタッチ電極30と関係するTFT23、半導体部23D、画素電極24、ゲート配線26、ソース配線27、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33と、に関して図12から図20を参照しつつ詳しく説明する。図12には、複数のタッチ電極30の中から特に4つのタッチ電極30が図示されている。以下では、図示されたタッチ電極30を区別する場合には、図12の左上のタッチ電極30を「第1タッチ電極(第1位置検出電極)」としてその符号に添え字αを付し、図12の左下のタッチ電極30を「第2タッチ電極(第2位置検出電極)」としてその符号に添え字βを付し、図12の右上のタッチ電極30を「第3タッチ電極(第3位置検出電極)」としてその符号に添え字γを付し、図12の右下のタッチ電極30を「第4タッチ電極」としてその符号に添え字δを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。第1タッチ電極30αは、第1共通電極25αである。第2タッチ電極30βは、第2共通電極25βである。第3タッチ電極30γは、第3共通電極25γである。第4タッチ電極30δは、第4共通電極25δである。なお、第1タッチ電極30α(第1共通電極25α)、第2タッチ電極30β(第2共通電極25β)、第3タッチ電極30γ(第3共通電極25γ)及び第4タッチ電極30δ(第4共通電極25δ)は、図3にも図示されている。
【0046】
図12には、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βと重畳するゲート配線26が複数図示されている。以下では、ゲート配線26を区別する場合には、第1タッチ電極30αと重畳するゲート配線26を「第1ゲート配線(第1配線)」としてその符号に添え字αを付し、第2タッチ電極30βと重畳していて第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとを仕切る第1スリット25A1に最も近いゲート配線26を「第2ゲート配線(第2配線)」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。なお、第1ゲート配線26αは、図2から図4図8から図11にも図示されている。第2ゲート配線26βは、図2から図4にも図示されている。
【0047】
図12には、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βと重畳する画素電極24が複数図示されている。以下では、画素電極24を区別する場合には、第1タッチ電極30αと重畳していて第1ゲート配線26αに対して図12の上側(ドライバ11側とは反対側)に隣り合う画素電極24を「第1画素電極」としてその符号に添え字αを付し、第1タッチ電極30αと重畳していて第1画素電極24αとの間に第1ゲート配線26αを挟む画素電極24を「第2画素電極」としてその符号に添え字βを付し、第1タッチ電極30αと重畳していて第2ゲート配線26βに対して図12の上側に隣り合う画素電極24を「第3画素電極」としてその符号に添え字γを付し、第2タッチ電極30βと重畳していて第3画素電極24γとの間に第2ゲート配線26βを挟む画素電極24を「第4画素電極」としてその符号に添え字δを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0048】
図12には、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βと重畳するタッチ配線31が図示されている。以下では、タッチ配線31を区別する場合には、接続対象が第3画素電極24γのTFT23(後述する第2TFT23β)に接続されるソース配線27(後述する第1ソース配線27α)と重畳するタッチ配線31を「第1タッチ配線(第3配線)」としてその符号に添え字αを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0049】
図12には、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βと重畳する接続配線32が複数図示されている。以下では、接続配線32を区別する場合には、第1タッチ電極30αと重畳する接続配線32を「第1接続配線(第5配線)」としてその符号に添え字αを付し、第2タッチ電極30βと重畳していて第1接続配線32αに対してY軸方向について間隔を空けて並ぶ接続配線32を「第2接続配線(第6配線)」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0050】
図12には、ダミータッチ配線33が図示されている。以下では、ダミータッチ配線33を区別する場合には、第1タッチ電極30αと第3タッチ電極30γとの間に挟まれるダミータッチ配線33を「第1ダミータッチ配線(第8配線)」としてその符号に添え字αを付し、第2タッチ電極30βと第4タッチ電極30δとの間に挟まれるダミータッチ配線33を「第2ダミータッチ配線」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0051】
図12には、複数のソース配線27が図示されている。以下では、ソース配線27を区別する場合には、第1タッチ配線31αと重畳するソース配線27を「第1ソース配線(第4配線)」としてその符号に添え字αを付し、第1接続配線32α及び第2接続配線32βと重畳するソース配線27を「第2ソース配線(第7配線)」としてその符号に添え字βを付し、第1ダミータッチ配線33α及び第2ダミータッチ配線33βと重畳するソース配線27を「第3ソース配線(第9配線)」としてその符号に添え字γを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。なお、第1ソース配線27α、第2ソース配線27β及び第3ソース配線27γは、図2にも図示されている。
【0052】
図12には、複数のTFT23が図示されている。以下では、TFT23を区別する場合には、第1ゲート配線26α及び第1画素電極24αに接続されるTFT23を「第1TFT(第1スイッチング素子)」としてその符号に添え字αを付し、第2ゲート配線26β、第1ソース配線27α及び第3画素電極24γに接続されるTFT23を「第2TFT(第2スイッチング素子)」としてその符号に添え字βを付し、第2ゲート配線26β及び第2ソース配線27βに接続されるTFT23を「第3TFT(第3スイッチング素子)」としてその符号に添え字γを付し、第2ゲート配線26β及び第3ソース配線27γに接続されるTFT23を「第4TFT(第4スイッチング素子)」としてその符号に添え字δを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。なお、第1TFT23α、第2TFT23β、第3TFT23γ及び第4TFT23δは、図2にも図示されている。
【0053】
図12には、複数のTFT23に備わるソース電極23Bが図示されている。以下では、ソース電極23Bを区別する場合には、第2TFT23βに備わるソース電極23Bを「第2ソース電極(第3電極)」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0054】
図12には、複数のTFT23に備わるドレイン電極23Cが図示されている。以下では、ドレイン電極23Cを区別する場合には、第2TFT23βに備わるドレイン電極23Cを「第2ドレイン電極(第1電極)」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0055】
図12には、複数のTFT23に備わる半導体部23Dが図示されている。以下では、半導体部23Dを区別する場合には、第1TFT23αに備わる半導体部23Dを「第1半導体部」としてその符号に添え字αを付し、第2TFT23βに備わる半導体部23Dを「第2半導体部」としてその符号に添え字βを付し、第3TFT23γに備わる半導体部23Dを「第3半導体部」としてその符号に添え字γを付し、第4TFT23δに備わる半導体部23Dを「第4半導体部」としてその符号に添え字δを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0056】
図12には、複数の中間電極39が図示されている。以下では、中間電極39を区別する場合には、第2ドレイン電極23Cβと重畳する中間電極39を「第2中間電極(第2電極)」としてその符号に添え字βを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0057】
接続配線32とダミータッチ配線33との接続構造について図12及び図13を参照しつつ説明する。図13には、第1タッチ電極30αと第3タッチ電極30γとを仕切る第2スリット25A2付近における第1接続配線32α及び第1ダミータッチ配線33α等が拡大して図示されている。図13では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。アレイ基板21には、図12に示すように、X軸方向に間隔を空けて互いに隣り合う接続配線32とダミータッチ配線33とを接続する横断配線40が設けられている。横断配線40には、図12に示すように、第1接続配線32αと第1ダミータッチ配線33αとを接続する第1横断配線40αと、第2接続配線32βと第2ダミータッチ配線33βとを接続する第2横断配線40βと、が少なくとも含まれる。第1横断配線40α及び第2横断配線40βは、それぞれY軸方向に間隔を空けた位置に複数ずつ配されている。図12には、第1横断配線40α及び第2横断配線40βを3つずつ例示している。横断配線40は、X軸方向に沿って延在し、接続配線32とダミータッチ配線33との間に挟まれるTFT23及び画素電極24を横切る。横断配線40は、図13に示すように、接続配線32及びダミータッチ配線33と同じ第3金属膜からなる。従って、横断配線40は、接続対象の接続配線32及びダミータッチ配線33に対してそれぞれ直接的に連ねられている。横断配線40は、大部分がゲート配線26と重畳して配される。
【0058】
第1タッチ電極30αとそれ以外の構造物との関係に関して図8図9及び図12を参照しつつ説明する。第1タッチ電極30αは、図8図9及び図12に示すように、第1TFT23αの第1半導体部23Dαのほぼ全域、第1画素電極24αのほぼ全域、第2画素電極24βのほぼ全域及び第3画素電極24γのほぼ全域に対して重畳して配されている。第1タッチ電極30αは、第1ゲート配線26αの一部、第1ソース配線27αの一部、第2ソース配線27βの一部及び第1タッチ配線31αの一部に対して重畳して配されている。上記した各配線26α,27α,27β,31αのうち、第1タッチ電極30αを横切る部分が、第1タッチ電極30αと重畳している。
【0059】
第2タッチ電極30βとそれ以外の構造物との関係に関して図12図14及び図15を参照しつつ説明する。図14及び図15には、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとを仕切る第1スリット25A1付近における第2TFT23β、第2ゲート配線26β及び第1タッチ配線31α等が拡大して図示されている。図14では、アレイ基板21に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図15では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。第2タッチ電極30βは、図12図14及び図15に示すように、第4画素電極24δと重畳して配される。第2タッチ電極30βは、第2ゲート配線26βの一部、第1ソース配線27αの一部、第2ソース配線27βの一部及び第1タッチ配線31αの一部に対して重畳して配されている。上記した各配線26β,27α,27β,31αのうち、第2タッチ電極30βを横切る部分が、第2タッチ電極30βと重畳している。特に、第2ゲート配線26βは、第2タッチ電極30βのうちの第1スリット25A1に臨む端部と重畳する配置であり、ゲート電極23Aを形成するために拡幅された部分や拡幅部26Aを除いて第1スリット25A1とは非重畳の配置となっている。
【0060】
上記したように、第1ゲート配線26α及び第2ゲート配線26βを含む全てのゲート配線26は、概ね全長にわたってタッチ電極30に対して重畳して配されている。従って、各ゲート配線26から生じる電界が、重畳する各タッチ電極30によって遮蔽されるようになっている。これにより、各ゲート配線26から生じる電界に起因して、各ゲート配線26に隣り合う各画素電極24に電位変動が生じ難くなり、その結果各画素PXに係る表示輝度にムラが生じ難くなる。従来のように、ゲート配線26と重畳する遮蔽部を設ける必要がないので、遮蔽部に起因する画素PXの開口率が低下する事態を避けることができる。
【0061】
一方、第2タッチ電極30βが第2ゲート配線26βに対して重畳する配置とされるのに伴い、第2TFT23βに備わる第2半導体部23Dβは、図12図14及び図15に示すように、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1と重畳し、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βのいずれとも非重畳の配置となっている。従って、第2半導体部23Dβは、第1タッチ電極30α及び第2タッチ電極30βによって上層側から覆われることがない。第1スリット25A1は、第2TFT23βに備わる第2半導体部23Dβに加えて、第2TFT23βに備わるソース電極23Bβの全域と、第2TFT23βに備わるドレイン電極23CβのうちのX軸方向に沿って延在する部分(第1ドレイン電極構成部23C1の一部と第2ドレイン電極構成部23C2及び第3ドレイン電極構成部23C3とを含む)と、に対しても重畳する。なお、第1スリット25A1は、X軸方向に沿って概ね直線的に延在し、途中で複数の第1開口25B1に連通する。詳しくは、第1スリット25A1は、第1開口25B1のうちのY軸方向について画素電極本体24A側とは反対側(図14及び図15の下側)の端部に連ねられている。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るアレイ基板21には、タッチ電極30と重畳する関係の半導体部23D(第1半導体部23Dαを含む)と、タッチ電極30とは非重畳となる関係の半導体部23D(第2半導体部23Dβを含む)と、が混在している。このため、タッチ電極30と重畳する関係の半導体部23Dを備えるTFT23(第1TFT23αを含む)と、タッチ電極30とは非重畳となる関係の半導体部23Dを備えるTFT23(第2TFT23βを含む)と、では、タッチ電極30に電位変動が生じた場合に各半導体部23Dに生じるバックチャネルに起因して流れるリーク電流に差異が生じるおそれがある。このリーク電流に差異が生じると、画素電極24の電位が変動してしまい、画素PXに係る表示輝度にムラが生じるおそれがあった。ここで、仮に、第1タッチ電極30αのうち、第1半導体部23Dαと重畳する部分に開口を設ける構成を採れば、全ての半導体部23Dがタッチ電極30とは非重畳の関係となる。しかしながら、そのような開口を第1タッチ電極30αに設けると、第1タッチ電極30αの抵抗分布が高くなってしまい、結果としてタッチ感度が低下する等の問題が生じるおそれがある。
【0063】
そこで、本実施形態に係るアレイ基板21には、図4図14から図16に示すように、いずれのタッチ電極30とも非重畳で第1スリット25A1と重畳する配置の半導体部23Dに対して重畳して配される重畳部41が設けられている。重畳部41は、複数のタッチ電極30のいずれかと同電位とされる。本実施形態では、重畳部41は、複数のタッチ電極30のいずれかに間接的に接続されている。重畳部41は、第3金属膜からなり、半導体部23Dに対して第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して上層側に重畳して配されている。重畳部41は、半導体部23Dの殆どの部分(少なくともチャネルとして機能するチャネル部)に対して重畳する形成範囲を有する。重畳部41には、タッチ配線31に接続される第1重畳部41αと、接続配線32に接続される第2重畳部41βと、ダミータッチ配線33に接続される第3重畳部41γと、が含まれる。以下では、重畳部41を区別する場合には、タッチ配線31に接続される重畳部41を「第1重畳部」としてその符号に添え字αを付し、接続配線32に接続される重畳部41を「第2重畳部」としてその符号に添え字βを付し、ダミータッチ配線33に接続される重畳部41を「第3重畳部」としてその符号に添え字γを付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0064】
第1重畳部41αに関して図14から図16を参照しつつ説明する。第1重畳部41αは、図14から図16に示すように、第1タッチ配線31αの一部により構成されている。詳しくは、第1タッチ配線31αのうち、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1を横切る部分が、選択的に拡幅されている。第1タッチ配線31αの拡幅部分は、X軸方向に沿って延出し、第1タッチ配線31αの他の部分(本体部分)に対して側方に突き出している。第1タッチ配線31αの拡幅部分は、第2TFT23βに備わる第2半導体部23Dβに対して重畳していて第1重畳部41αを構成する。このように、第1タッチ配線31αの一部からなる第1重畳部41αは、複数のタッチ電極30のいずれかに対して第1タッチ配線31αを介して間接的に接続されている。従って、少なくともドライバ11から第1タッチ配線31αに共通電位信号が供給されるタイミングにおいては、第1タッチ配線31αに接続されるタッチ電極30と、第1重畳部41αと、が同電位とされる。本実施形態によれば、第1TFT23αの第1半導体部23Dαには、第1タッチ電極30αが重畳して配され、第2TFT23βの第2半導体部23Dβには、第1重畳部41αが重畳して配される。第1重畳部41αは、複数のタッチ電極30のいずれかと同電位とされる。従って、複数のタッチ電極30に電位変動が生じた場合、その電位変動に起因して第1半導体部23Dα及び第2半導体部23Dβに流れるリーク電流が同等となる。これにより、第1半導体部23Dα及び第2半導体部23Dβにリーク電流が流れても、第1画素電極24α及び第3画素電極24γに係る表示輝度にムラが生じ難くなる。
【0065】
第2重畳部41βに関して図17及び図18を参照しつつ説明する。図17及び図18には、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとを仕切る第1スリット25A1付近における第3TFT23γ及び第1接続配線32α等が拡大して図示されている。図17では、アレイ基板21に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図18では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。第2重畳部41βは、図17及び図18に示すように、第1接続配線32αの一部により構成されている。詳しくは、第1接続配線32αのうち、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1に臨む端部(第2接続配線32βに近い側の端部)が、選択的に拡幅されている。第1接続配線32αの拡幅部分は、X軸方向に沿って延出し、第1接続配線32αの他の部分(本体部分)に対して側方に突き出している。第1接続配線32αの拡幅部分は、第3TFT23γに備わる第3半導体部23Dγに対して重畳していて第2重畳部41βを構成する。なお、互いに重畳する第2重畳部41β及び第3半導体部23Dγの断面構成は、図16に示される第1重畳部41α及び第2半導体部23Dβの断面構成と同様である。このように、第1接続配線32αの一部からなる第2重畳部41βは、第1タッチ電極30αに対して第1接続配線32αを介して間接的に接続されている。従って、少なくともドライバ11からタッチ配線31に共通電位信号が供給されるタイミングにおいては、第1タッチ電極30αに接続される第1接続配線32αと、第2重畳部41βと、が同電位とされる。本実施形態によれば、第1TFT23αの第1半導体部23Dαには、第1タッチ電極30αが重畳して配され、第2TFT23βの第2半導体部23Dβには、第1重畳部41αが重畳して配され、第3TFT23γの第3半導体部23Dγには、第2重畳部41βが重畳して配される。第2重畳部41βは、第1タッチ電極30αと同電位とされる。従って、複数のタッチ電極30に電位変動が生じた場合、その電位変動に起因して第1半導体部23Dα、第2半導体部23Dβ及び第3半導体部23Dγに流れるリーク電流が同等となる。これにより、第1半導体部23Dα、第2半導体部23Dβ及び第3半導体部23Dγにリーク電流が流れても、第1画素電極24α及び第2画素電極24βと、第3TFT23γに接続された画素電極24と、に係る表示輝度にムラが生じ難くなる。
【0066】
第3重畳部41γに関して図19及び図20を参照しつつ説明する。図19及び図20には、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとを仕切る第1スリット25A1付近における第4TFT23δ及び第1ダミータッチ配線33α等が拡大して図示されている。図19では、アレイ基板21に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図20では、アレイ基板21に備わる第3金属膜を網掛け状にして図示する。第3重畳部41γは、図19及び図20に示すように、第1ダミータッチ配線33αの一部により構成されている。詳しくは、第1ダミータッチ配線33αのうち、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1に臨む端部(第2ダミータッチ配線33βに近い側の端部)が、選択的に拡幅されている。第1ダミータッチ配線33αの拡幅部分は、X軸方向に沿って延出し、第1ダミータッチ配線33αの他の部分(本体部分)に対して側方に突き出している。第1ダミータッチ配線33αの拡幅部分は、第4TFT23δに備わる第4半導体部23Dδに対して重畳していて第3重畳部41γを構成する。なお、互いに重畳する第3重畳部41γ及び第4半導体部23Dδの断面構成は、図16に示される第1重畳部41α及び第2半導体部23Dβの断面構成と同様である。このように、第1ダミータッチ配線33αの一部からなる第3重畳部41γは、第1タッチ電極30αに対して第1ダミータッチ配線33α及び第1接続配線32αを介して間接的に接続されている。従って、少なくともドライバ11からタッチ配線31に共通電位信号が供給されるタイミングにおいては、第1接続配線32αを介して第1タッチ電極30αに接続される第1ダミータッチ配線33αと、第3重畳部41γと、が同電位とされる。本実施形態によれば、第1TFT23αの第1半導体部23Dαには、第1タッチ電極30αが重畳して配され、第2TFT23βの第2半導体部23Dβには、第1重畳部41αが重畳して配され、第3TFT23γの第3半導体部23Dγには、第2重畳部41βが重畳して配され、第4TFT23δの第4半導体部23Dδには、第3重畳部41γが重畳して配される。つまり、第1スリット25A1に対して重畳する配置となる全ての半導体部23Dには、それぞれ重畳部41が重畳して配置される。第3重畳部41γは、第1タッチ電極30αと同電位とされる。従って、複数のタッチ電極30に電位変動が生じた場合、その電位変動に起因して第1半導体部23Dα、第2半導体部23Dβ、第3半導体部23Dγ及び第4半導体部23Dδに流れるリーク電流が同等となる。これにより、第1半導体部23Dα、第2半導体部23Dβ、第3半導体部23Dγ及び第4半導体部23Dδにリーク電流が流れても、第1画素電極24α及び第2画素電極24βと、第3TFT23γに接続された画素電極24と、第4TFT23δに接続された画素電極24と、に係る表示輝度にムラが生じ難くなる。
【0067】
また、アレイ基板21には、図4に示すように、第1スリット25A1とは非重畳でタッチ電極30と重畳する配置の半導体部23Dに対して重畳して配されるダミー重畳部45が設けられている。ダミー重畳部45は、重畳部41とは重畳する対象の半導体部23Dが異なる点で相違するものの、重畳部41と同様の構成である。ダミー重畳部45は、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33のいずれかの一部により構成され、第3金属膜からなる。ダミー重畳部45には、タッチ配線31に接続される第1ダミー重畳部45αと、接続配線32に接続される第2ダミー重畳部45βと、ダミータッチ配線33に接続される第3ダミー重畳部45γと、が含まれる。以上により、表示領域AAに配される全てのTFT23に備わる各半導体部23Dには、重畳部41及びダミー重畳部45のいずれかが重畳して配される。
【0068】
以上説明したように本実施形態のアレイ基板21は、複数の共通電極25と、複数の共通電極25に対して第3層間絶縁膜(第1絶縁膜)38を介して重畳して配される複数の画素電極24と、複数の画素電極24に接続される複数のTFT(複数のスイッチング素子)23と、複数の共通電極25のいずれか、または複数のTFT23のいずれか、に接続される複数の配線であるゲート配線26、ソース配線27、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33と、を備え、複数の画素電極24には、第1画素電極24αと、第1画素電極24αに対して第1方向に間隔を空けて配される第2画素電極24βと、第3画素電極24γと、第3画素電極24γに対して第1方向に間隔を空けて配される第4画素電極24δと、が含まれ、複数の配線には、第1方向について第1画素電極24αと第2画素電極24βとの間に位置し、第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1ゲート配線(第1配線)26αと、第1方向について第3画素電極24γと第4画素電極24δとの間に位置し、第2方向に沿って延在する第2ゲート配線(第2配線)26βと、が含まれ、複数のTFT23には、第1ゲート配線26α及び第1画素電極24αに接続される第1TFT(第1スイッチング素子)23αと、第2ゲート配線26β及び第3画素電極24γに接続される第2TFT(第2スイッチング素子)23βと、が含まれ、複数の共通電極25には、第1共通電極25αと、第1共通電極25αに対して第1方向に間隔を空けて配される第2共通電極25βと、が含まれ、第1TFT23αは、第1半導体部23Dαを有し、第2TFT23βは、第2半導体部23Dβを有し、第1共通電極25αは、第1画素電極24α、第2画素電極24β、第3画素電極24γ、第1ゲート配線26α及び第1TFT23αのうちの少なくとも第1半導体部23Dαと重畳して配され、第2共通電極25βは、第4画素電極24δ及び第2ゲート配線26βと重畳して配され、第2TFT23βのうちの少なくとも第2半導体部23Dβと重畳して配され、複数の共通電極25のいずれかと同電位とされる重畳部41を備える。
【0069】
第1TFT23αの第1半導体部23Dαには、第1共通電極25αが重畳して配され、第2TFT23βの第2半導体部23Dβには、重畳部41が重畳して配される。重畳部41は、複数の共通電極25のいずれかと同電位とされる。従って、複数の共通電極25に電位変動が生じた場合、その電位変動に起因して第1半導体部23Dα及び第2半導体部23Dβに流れるリーク電流が同等となる。これにより、第1半導体部23Dα及び第2半導体部23Dβにリーク電流が流れても、第1画素電極24α及び第3画素電極24γに係る表示輝度にムラが生じ難くなる。
【0070】
また、第1ゲート配線26αには、第1共通電極25αが重畳して配され、第2ゲート配線26βには、第2共通電極25βが重畳して配される。従って、第1ゲート配線26αから生じる電界が第1共通電極25αにより遮蔽され、第2ゲート配線26βから生じる電界が第2共通電極25βにより遮蔽される。これにより、第1ゲート配線26αから生じる電界に起因して第1画素電極24αに電位変動が生じ難くなり、第2ゲート配線26βから生じる電界に起因して第3画素電極24γに電位変動が生じ難くなるので、表示輝度にムラがより生じ難くなる。従来のように、第2ゲート配線26βと重畳する遮蔽部を設ける必要がないので、遮蔽部に起因する画素PXの開口率の低下を避けることができる。
【0071】
また、複数の共通電極25は、複数のタッチ電極(位置検出電極)30であり、第1共通電極25αは、第1タッチ電極(第1位置検出電極)30αであり、第2共通電極25βは、第2タッチ電極(第2位置検出電極)30βであり、複数の配線には、第1方向に沿って延在し、複数のタッチ電極30のいずれかに接続される第1タッチ配線(第3配線)31αと、第1方向に沿って延在し、少なくとも第2TFT23βに接続される第1ソース配線(第4配線)27αと、が含まれ、第1タッチ配線31αは、少なくとも一部が第1ソース配線27αに対して第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して重畳して配され、第1タッチ配線31αの一部は、第2半導体部23Dβと重畳して配され、重畳部41には、第1タッチ配線31αのうちの第2半導体部23Dβと重畳する部分により構成される第1重畳部41αが含まれる。このように、第1タッチ配線31αの一部が第1重畳部41αを構成する。従って、第1重畳部41αは、第1タッチ配線31αを介して複数のタッチ電極30のいずれかに間接的に接続される。仮に、第1重畳部41αを複数のタッチ電極30のいずれかに直接的に接続した場合に比べると、複数のタッチ電極30には第1重畳部41αに対する接続構造を設ける必要がないから、複数のタッチ電極30に係る設計自由度が向上する。
【0072】
また、第2TFT23βは、第2半導体部23Dβの一部に接続され、第2画素電極24βの一部と重畳して配される第2ドレイン電極(第1電極)23Cβを有し、第2ドレイン電極23Cβ及び第3画素電極24γの一部ずつと重畳して配される第2中間電極(第2電極)39βを備えており、第1タッチ配線31αは、複数のタッチ電極30及び複数の画素電極24のいずれに対しても第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)37を介して下層側に位置する第3金属膜(第1導電膜)からなり、第1ソース配線27αは、第3金属膜に対して第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して下層側に位置する第2金属膜(第2導電膜)からなり、第2ドレイン電極23Cβは、第2金属膜のうちの第1ソース配線27αとは別の部分からなり、第2中間電極39βは、第3金属膜のうちの第1タッチ配線31α及び第1重畳部41αとは別の部分からなり、重畳する第3画素電極24γ及び第2ドレイン電極23Cβに接続され、第1重畳部41αは、第2中間電極39βに対して第2方向に間隔を空けて並んで配される。第3画素電極24γ及び第2ドレイン電極23Cβは、第2中間電極39βを介して接続される。第1重畳部41αと第2中間電極39βとの間に間隔が空けられることで、相互の短絡が回避される。第1重畳部41αと第2中間電極39βとが第2方向に間隔を空けて並ぶ配置とされているので、第1重畳部41αと第2中間電極39βとの間の間隔を十分に確保しても、第1重畳部41αの配置スペースが第1方向について広くなり難くなる。
【0073】
また、第2TFT23βは、第2半導体部23Dβのうちの第2ドレイン電極23Cβとの接続部位とは別の部位に接続される第2ソース電極(第3電極)23Bβを有し、第2ソース電極23Bβは、第1ソース配線27αの一部により構成され、第2ドレイン電極23Cβは、第2中間電極39βと重畳する第1ドレイン電極構成部(第1部)23C1と、第1ドレイン電極構成部23C1から第2方向に沿って延出して第2半導体部23Dβの一部に接続される第2ドレイン電極構成部(第2部)23C2と、を有する。第2ドレイン電極23Cβは、第1ドレイン電極構成部23C1から第2半導体部23Dβに向けて第2方向に沿って延出する第2ドレイン電極構成部23C2を有しているから、第2ドレイン電極構成部23C2が延出する分だけ、第1重畳部41αと第2中間電極39βとの間の第2方向についての間隔を大きく確保することができる。これにより、第1重畳部41αと第2中間電極39βとの短絡が生じ難くなる。
【0074】
また、第1タッチ配線31α及び第1ソース配線27αに接続されて第1タッチ配線31α及び第1ソース配線27αに信号を供給するドライバ(信号供給部)11を備えており、複数の配線には、第1方向に沿って延在し、第1タッチ電極30αと重畳し、第2タッチ電極30βとは非重畳に配されて第1タッチ電極30αに接続される第1接続配線(第5配線)32αと、第1方向に沿って延在し、第2タッチ電極30βと重畳し、第1タッチ電極30αとは非重畳に配されて第2タッチ電極30βに接続される第2接続配線(第6配線)32βと、第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が第1接続配線32α及び第2接続配線32βに対して第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して重畳して配される第2ソース配線(第7配線)27βと、が含まれ、複数のTFT23には、第2ゲート配線26β及び第2ソース配線27βに接続される第3TFT(第3スイッチング素子)23γが含まれ、第3TFT23γは、第3半導体部23Dγを有し、第1接続配線32αまたは第2接続配線32βの一部は、第3半導体部23Dγと重畳して配され、重畳部41には、第1接続配線32αまたは第2接続配線32βのうちの第3半導体部23Dγと重畳する部分により構成される第2重畳部41βが含まれる。第3TFT23γの第3半導体部23Dγには、第2重畳部41βが重畳して配される。このように、第1接続配線32αまたは第2接続配線32βの一部が第2重畳部41βを構成する。従って、第2重畳部41βは、第1接続配線32αまたは第2接続配線32βによって第1タッチ電極30αまたは第2タッチ電極30βに間接的に接続される。仮に、第2重畳部41βを第1タッチ電極30αまたは第2タッチ電極30βに直接的に接続した場合に比べると、第1タッチ電極30αまたは第2タッチ電極30βには第2重畳部41βに対する接続構造を設ける必要がないから、第1タッチ電極30αまたは第2タッチ電極30βに係る設計自由度が向上する。また、第1接続配線32αによって第1タッチ電極30αの抵抗分布が低減され、第2接続配線32βによって第2タッチ電極30βの抵抗分布が低減される。
【0075】
また、複数のタッチ電極30には、第1タッチ電極30αに対して第2方向に間隔を空けて並ぶ第3タッチ電極(第3位置検出電極)30γが含まれ、複数の配線には、第1方向に沿って延在し、第1タッチ電極30αと第3タッチ電極30γとの間に挟まれて配され、第1タッチ電極30α及び第3タッチ電極30γとは非重畳の配置とされる第1ダミータッチ配線(第8配線)33αと、第1方向に沿って延在し、少なくとも一部が第1ダミータッチ配線33αに対して第2絶縁膜である第1層間絶縁膜35及び平坦化膜36を介して重畳して配される第3ソース配線(第9配線)27γと、が含まれ、第1ダミータッチ配線33αは、複数のタッチ電極30のいずれかに直接的または間接的に接続され、複数のTFT23には、第2ゲート配線26β及び第3ソース配線27γに接続される第4TFT(第4スイッチング素子)23δが含まれ、第4TFT23δは、第4半導体部23Dδを有し、第1ダミータッチ配線33αの一部は、第4半導体部23Dδと重畳して配され、重畳部41には、第1ダミータッチ配線33αのうちの第4半導体部23Dδと重畳する部分により構成される第3重畳部41γが含まれる。このように、第1ダミータッチ配線33αの一部が第3重畳部41γを構成する。第1ダミータッチ配線33αは、複数のタッチ電極30のいずれかに直接的または第1接続配線32αを介して間接的に接続される。従って、第3重畳部41γは、複数のタッチ電極30のいずれかと同電位とされる。このように、第3重畳部41γは、複数のタッチ電極30とは直接的に接続されないので、仮に、第3重畳部41γを複数のタッチ電極30のいずれかに直接的に接続した場合に比べると、複数のタッチ電極30には第3重畳部41γに対する接続構造を設ける必要がない。これにより、複数のタッチ電極30に係る設計自由度が向上する。
【0076】
また、第1共通電極25α及び第2共通電極25βは、第1方向についての間に第2半導体部23Dβを挟んでいて第2半導体部23Dβとは非重畳となる配置とされ、重畳部41は、複数の共通電極25とは異なる層に配される。第2半導体部23Dβは、第1共通電極25α及び第2共通電極25βとは非重畳の配置となるため、複数の共通電極25に電位変動が生じた場合に第1半導体部23Dαとは異なるリーク電流が流れることが懸念される。その点、第2半導体部23Dβには、第1共通電極25α及び第2共通電極25βとは異なる層に配される重畳部41が重畳して配されているので、複数の共通電極25に電位変動が生じた場合に流れるリーク電流が第1半導体部23Dαと同等になる。また、仮に、第1共通電極25α及び第2共通電極25βのいずれかを第2半導体部23Dβと重畳させた場合に生じ得る問題(例えば、第2ゲート配線26βからの電界が第2画素電極24βに作用する等)が生じ難くなる。
【0077】
また、液晶パネル(表示装置)10は、上記記載のアレイ基板21と、アレイ基板21に対向するよう配される対向基板20と、を備える。このような液晶パネル10によれば、画素PXの開口率が低下し難くなり、表示輝度にムラが生じ難くなる。これにより、表示品位の向上が図られる。
【0078】
<実施形態2>
実施形態2を図21から図39によって説明する。この実施形態2では、アレイ基板121の内面側に積層形成される膜を変更し、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133の配置等を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0079】
本実施形態に係るアレイ基板121は、図21から図24に示すように、上記した実施形態1に記載した第3金属膜及び第2層間絶縁膜37(図5及び図16等を参照)を備えない。具体的には、アレイ基板121には、下層側から順に第1金属膜、ゲート絶縁膜134、半導体膜、第2金属膜、第1層間絶縁膜135、平坦化膜136、第1透明電極膜、第3層間絶縁膜138、第2透明電極膜(第4導電膜)、配向膜が積層形成されている。なお、図21では、アレイ基板121に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図22では、アレイ基板121に備わる第2金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。
【0080】
本実施形態に係るタッチ配線(第10配線)131、接続配線(第10配線)132及びダミータッチ配線(第10配線)133は、図22及び図23に示すように、いずれもソース配線127等と同じ第2金属膜からなる。つまり、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、第2金属膜のうち、ソース配線127、ソース電極123B及びドレイン電極123C等とは別の部分からそれぞれなる。タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、それぞれソース配線127に対してX軸方向について図21及び図22の左側に間隔を空けた位置に配されている。タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、隣り合うソース配線127との間の間隔を概ね一定に保った状態でソース配線127に並行している。なお、本実施形態では、全てのTFT123は、接続対象とされるソース配線127に対して図21及び図22の右側に位置する。タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、全てのソース配線127に対して隣り合うよう配されておらず、特定のソース配線127に対して隣り合うよう配されている。具体的には、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、例えば、比視感度が最も低い第2画素BPXと比視感度が2番目に低い第3画素RPXとの間に位置するソース配線127に対して選択的に隣り合うよう配されている。タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133の設置数の和は、ソース配線127の設置数の1/3程度とされる。タッチ配線131とソース配線127との間の間隔は、接続配線132とソース配線127との間の間隔やダミータッチ配線133とソース配線127との間の間隔と同じであり、画素電極124の短辺寸法よりも短く、ソース配線127の線幅程度とされる。これにより、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133が隣り合うソース配線127に短絡する事態が生じ難くなっている。X軸方向の配置について詳しく説明すると、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、隣り合うソース配線127に対してそのソース配線127が接続されるTFT123側(図22及び図23に示す右側)とは反対側(図22及び図23に示す左側)に間隔を空けて隣り合うよう配されている。タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、間隔を空けて隣り合うソース配線127と、そのソース配線127が接続されるTFT123側とは反対側に位置するTFT123及び画素電極124と、の間にX軸方向に挟まれている。
【0081】
本実施形態に係る画素電極124は、図22に示すように、平面形状が縦長の略方形状の画素電極本体124Aを有する。画素電極本体124Aは、長辺がソース配線127に沿って延在し、その長手側の両側縁がY軸方向に対して僅かに傾斜しているものの、実施形態1のように途中で折れ曲がってはいない(図2を参照)。画素電極本体124Aには、自身の長手方向(概ねY軸方向)に沿って延在する複数(図22等では2本)のスリット124A1が形成されている。TFT123に備わるドレイン電極123Cは、画素電極124のコンタクト部124Bに接続される第1ドレイン電極構成部123C1と、半導体部123Dに接続される第2ドレイン電極構成部123C2と、を備えるものの、実施形態1に記載した第3ドレイン電極構成部23C3を備えない(図8を参照)。これに伴い、ゲート配線126は、実施形態1に記載した拡幅部26Aを有さない(図8を参照)。画素電極124のコンタクト部124Bは、図25に示すように、ドレイン電極123Cの第1ドレイン電極構成部123C1に対して直接的に接続されている。コンタクト部124Bと第1ドレイン電極構成部123C1との間に介在する第1層間絶縁膜(第4絶縁膜)135及び平坦化膜(第4絶縁膜)136には、コンタクト部124Bと第1ドレイン電極構成部123C1とを接続するための第5コンタクトホールCH5が開口形成されている。第5コンタクトホールCH5は、第1層間絶縁膜135及び平坦化膜136のうち、コンタクト部124B及び第1ドレイン電極構成部123C1の双方と重畳する位置に配されている。これに伴い、アレイ基板121には、実施形態1に記載した中間電極39が非形成とされる(図7を参照)。
【0082】
上記したように、本実施形態では、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、図22に示すように、いずれもソース配線127とは非重畳の配置である点で、実施形態1とは異なる。これに伴い、本実施形態に係る複数のTFT123には、第1TFT123α及び第2TFT123βが含まれるものの、実施形態1に記載した第3TFT23γ及び第4TFT23δが含まれない。従って、本実施形態に係る重畳部141には、実施形態1に記載した第1重畳部41α、第2重畳部41β及び第3重畳部41γが含まれない。
【0083】
続いて、重畳部141と、第2TFT123βに備わる第2半導体部123Dβと、の関係について図26から図33を用いて説明する。図26には、図12と同様に、複数のタッチ電極130の中から特に4つのタッチ電極130(第1タッチ電極130α~第4タッチ電極130δ)が図示されている。図27及び図28には、図26に示される第1タッチ電極130αと第2タッチ電極130βとを仕切る第1スリット125A1付近における第2TFT123β及びタッチ配線131等が拡大して図示されている。図29及び図30には、図26に示される第1タッチ電極130αと第2タッチ電極130βとを仕切る第1スリット125A1付近における第2TFT123β及び接続配線132等が拡大して図示されている。図31及び図32には、図26に示される第1タッチ電極130αと第2タッチ電極130βとを仕切る第1スリット125A1付近における第2TFT123β及びダミータッチ配線133等が拡大して図示されている。図27図29及び図31では、アレイ基板121に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図28図30及び図32では、アレイ基板121に備わる第2金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。
【0084】
本実施形態に係る重畳部141には、図27から図32に示すように、画素電極124と同じ第2透明電極膜からなる第4重畳部141δが複数含まれる。第4重畳部141δは、第2透明電極膜のうち、画素電極124とは別の部分からなる。第4重畳部141δは、図33に示すように、第2TFT123βに備わる第2半導体部123Dβに対して第1層間絶縁膜135、平坦化膜136及び第3層間絶縁膜138を介して上層側に重畳して配されている。
【0085】
本実施形態に係る複数の第4重畳部141δは、図27から図32に示すように、全てが、複数のタッチ電極130のいずれかに直接的に接続される第1接続電極部(第3部)141Aを有する第5重畳部141εとされる。第5重畳部141εのうち、第1接続電極部141Aを除く本体部141Bは、平面に視て縦長の方形状をなしており、第2TFT123βに備わる第2半導体部123Dβの大部分(少なくともチャネルとして機能するチャネル部)に対して重畳して配されている。第5重畳部141εの本体部141Bは、画素電極124のコンタクト部124Bに対してX軸方向に間隔を空けた位置に配されている。これにより、互いに隣り合う本体部141Bとコンタクト部124Bとが短絡する事態が生じ難くなっている。第5重畳部141εのうちの第1接続電極部141Aは、平面に視て略正方形状をなしており、第1タッチ電極130αまたは第3タッチ電極130γと重畳して配される。また、第1接続電極部141Aは、第5重畳部141εの本体部141Bにおける1つの角部(図27から図32の左上の角部)に連なっていて、ソース配線127のうちのソース電極123Bよりも図27から図32の上側の部分に対して重畳して配されている。第1接続電極部141Aと第1タッチ電極130αまたは第3タッチ電極130γとの間に介在する第3層間絶縁膜138には、図33に示すように、第1接続電極部141Aと第1タッチ電極130αまたは第3タッチ電極130γとを接続するための第6コンタクトホールCH6が開口して形成されている。
【0086】
次に、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133と、タッチ電極130と、の接続構造に関して図24図34から図39を用いて説明する。図34及び図35には、第1タッチ電極130αの形成範囲における第1TFT123α及びタッチ配線131等が拡大して図示されている。図36及び図37には、第1タッチ電極130αの形成範囲における第1TFT123α及び接続配線132等が拡大して図示されている。図38及び図39には、第1タッチ電極130αの形成範囲における第1TFT123α及びダミータッチ配線133等が拡大して図示されている。図34図36及び図38では、アレイ基板121に備わる半導体膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。図35図37及び図39では、アレイ基板121に備わる第2金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。
【0087】
本実施形態に係るアレイ基板121には、図34から図39に示すように、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133を接続対象のタッチ電極130に接続するための接続電極42~44が設けられている。図34から図39に示される、タッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、いずれも第1タッチ電極130αに対して接続される。接続電極42~44は、画素電極124及び重畳部141と同じ第2透明電極膜からなる。接続電極42~44は、第2透明電極膜のうち、画素電極124及び重畳部141とは別の部分からなる。接続電極42~44には、タッチ配線131をタッチ電極130に接続する第1接続電極42と、接続配線132をタッチ電極130に接続する第2接続電極43と、ダミータッチ配線133をタッチ電極130に接続する第3接続電極44と、が含まれる。なお、図34から図39にて図示されるように、複数の第1TFT123αに備わる各第1半導体部123Dαには、第1タッチ電極130αが重畳して配されている。
【0088】
第1接続電極42は、図34及び図35に示すように、タッチ配線131と重畳する第1接続部42Aと、タッチ配線131とは非重畳とされてタッチ電極130と重畳する第2接続部42Bと、を有する。第1接続部42Aは、平面に視て縦長の方形状をなしており、タッチ配線131のうち、図34及び図35の左側にあるコンタクト部124Bと図34及び図35の右側にあるソース電極123Bとの間に挟まれた部分に対して重畳して配されている。第2接続部42Bは、第1接続部42Aにおける1つの角部(図34及び図35の右下の角部)に連なっていて、その一部がソース電極123Bに対して重畳して配されている。第2透明電極膜からなる第1接続部42Aと第2金属膜からなるタッチ配線131との間に介在する第1層間絶縁膜135、平坦化膜136及び第3層間絶縁膜138には、図24に示すように、第1接続部42Aとタッチ配線131とを接続するための第7コンタクトホールCH7が開口して形成されている。第2接続部42Bとタッチ電極130との間に介在する第3層間絶縁膜138には、第2接続部42Bとタッチ電極130とを接続するための第8コンタクトホールCH8が開口して形成されている。また、第8コンタクトホールCH8は、図34及び図35に示すように、X軸方向についてソース配線127とタッチ配線131との間に位置する。また、タッチ電極130には、タッチ配線131と重畳して配される第2開口125B2が、第1接続部42Aに対して重畳するように延長して形成されている。
【0089】
第2接続電極43は、図36及び図37に示すように、接続配線132と重畳する第3接続部43Aと、接続配線132とは非重畳とされてタッチ電極130と重畳する第4接続部43Bと、を有する。第3接続部43Aは、平面に視て縦長の方形状をなしており、接続配線132のうち、図36及び図37の左側にあるコンタクト部124Bと図36及び図37の右側にあるソース電極123Bとの間に挟まれた部分に対して重畳して配されている。第4接続部43Bは、第3接続部43Aにおける1つの角部(図36及び図37の右下の角部)に連なっていて、その一部がソース電極123Bに対して重畳して配されている。第2透明電極膜からなる第3接続部43Aと第2金属膜からなる接続配線132との間に介在する第1層間絶縁膜135、平坦化膜136及び第3層間絶縁膜138には、第3接続部43Aと接続配線132とを接続するための第9コンタクトホールCH9が開口して形成されている。第4接続部43Bとタッチ電極130との間に介在する第3層間絶縁膜138には、第4接続部43Bとタッチ電極130とを接続するための第10コンタクトホールCH10が開口して形成されている。なお、互いに重畳する第3接続部43A及び接続配線132の断面構成は、図24に示される第1接続部42A及びタッチ配線131の断面構成と同様である。互いに重畳する第4接続部43B及びタッチ電極130の断面構成は、図24に示される第2接続部42B及びタッチ電極130の断面構成と同様である。また、第10コンタクトホールCH10は、図36及び図37に示すように、X軸方向についてソース配線127と接続配線132との間に位置する。また、タッチ電極130には、接続配線132と重畳して配される第2開口125B2が、第3接続部43Aに対して重畳するように延長して形成されている。
【0090】
第3接続電極44は、図38及び図39に示すように、ダミータッチ配線133と重畳する第5接続部44Aと、ダミータッチ配線133とは非重畳とされてタッチ電極130(例えば第3タッチ電極130γ)と重畳する第6接続部44Bと、を有する。第5接続部44Aは、平面に視て縦長の方形状をなしており、ダミータッチ配線133のうち、図38及び図39の左側にあるコンタクト部124Bと図38及び図39の右側にあるソース電極123Bとの間に挟まれた部分に対して重畳して配されている。第6接続部44Bは、第5接続部44Aにおける1つの角部(図38及び図39の右下の角部)に連なっていて、その一部がソース電極123Bに対して重畳して配されている。第2透明電極膜からなる第5接続部44Aと第2金属膜からなるダミータッチ配線133との間に介在する第1層間絶縁膜135、平坦化膜136及び第3層間絶縁膜138には、第5接続部44Aとダミータッチ配線133とを接続するための第11コンタクトホールCH11が開口して形成されている。第6接続部44Bとタッチ電極130との間に介在する第3層間絶縁膜138には、第6接続部44Bとタッチ電極130とを接続するための第12コンタクトホールCH12が開口して形成されている。なお、互いに重畳する第5接続部44A及びダミータッチ配線133の断面構成は、図24に示される第1接続部42A及びタッチ配線131の断面構成と同様である。互いに重畳する第6接続部44B及びタッチ電極130の断面構成は、図24に示される第2接続部42B及びタッチ電極130の断面構成と同様である。また、第12コンタクトホールCH12は、図38及び図39に示すように、X軸方向についてソース配線127とダミータッチ配線133との間に位置する。また、タッチ電極130には、ダミータッチ配線133と重畳して配される第2スリット125A2が、第5接続部44Aに対して重畳するように形成されている。
【0091】
以上説明したように本実施形態によれば、複数の共通電極25は、複数のタッチ電極(位置検出電極)130であり、第1共通電極25αは、第1タッチ電極(第1位置検出電極)130αであり、第2共通電極25βは、第2タッチ電極(第2位置検出電極)130βであり、複数の配線には、第1方向に沿って延在し、複数のタッチ電極130のいずれかに接続される第10配線であるタッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133と、第1方向に沿って延在し、少なくとも第2TFT123βに接続されるソース配線(第11配線)127と、が含まれ、ソース配線127は、複数のタッチ電極130及び複数の画素電極124のいずれに対しても第4絶縁膜である第1層間絶縁膜135及び平坦化膜136を介して下層側に位置する第2金属膜(第3導電膜)からなり、第10配線であるタッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、第2金属膜のうちのソース配線127とは別の部分からなり、ソース配線127に対して第2方向に間隔を空けて並んで配され、複数の画素電極124は、第2透明電極膜(第4導電膜)からなり、重畳部141には、第2透明電極膜のうちの複数の画素電極124とは別の部分からなる第4重畳部141δが含まれる。このように、第10配線であるタッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、第2金属膜のうちのソース配線127とは別の部分からなるので、仮に第2金属膜とは別の層に配される金属膜(導電膜)によって第10配線であるタッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133が構成される場合に比べると、金属膜(導電膜)等の数を削減することができる。第10配線であるタッチ配線131、接続配線132及びダミータッチ配線133は、ソース配線127に対して第2方向に間隔を空けて並んで配されることで、ソース配線127との短絡が避けられている。第2透明電極膜の一部を利用して第4重畳部141δを設けることができる。
【0092】
また、第4重畳部141δには、第1タッチ電極130αまたは第2タッチ電極130βと重畳する第1接続電極部(第3部)141Aを有する第5重畳部141εが含まれ、第5重畳部141εは、第3部が第1タッチ電極130αまたは第2タッチ電極130βに接続される。第5重畳部141εの第1接続電極部141Aが第1タッチ電極130αまたは第2タッチ電極130βに直接的に接続されるので、高い接続信頼性が得られる。
【0093】
<実施形態3>
実施形態3を図40から図44によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2から第4重畳部241δの構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0094】
本実施形態に係る第4重畳部241δには、図40に示すように、実施形態2に記載した第5重畳部241εに加え、第6重畳部241ζが含まれる。図40では、アレイ基板221に備わる第2金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。第6重畳部241ζは、第2透明電極膜のうちの画素電極224及び第5重畳部241εとは別の部分からなる。
【0095】
第6重畳部241ζの構成に関して図41から図44を参照しつつ説明する。図41には、第1タッチ電極230αと第2タッチ電極230βとを仕切る第1スリット225A1付近における第2TFT223β及びタッチ配線231等が拡大して図示されている。図42には、第1タッチ電極230αと第2タッチ電極230βとを仕切る第1スリット225A1付近における第2TFT223β及び接続配線232等が拡大して図示されている。図43には、第1タッチ電極230αと第2タッチ電極230βとを仕切る第1スリット225A1付近における第2TFT223β及びダミータッチ配線233等が拡大して図示されている。図41から図43では、アレイ基板221に備わる第2金属膜及び第2透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。
【0096】
第6重畳部241ζは、図41から図43に示すように、タッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかと重畳する第2接続電極部(第4部)241Cを有する。第6重畳部241ζは、第2接続電極部241Cが重畳するタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかに接続される。従って、第6重畳部241ζは、タッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかを介して複数のタッチ電極230のいずれかに間接的に接続される。第6重畳部241ζのうち、第2接続電極部241Cを除く本体部241Dは、平面に視て横長の方形状をなしており、第2TFT223βに備わる第2半導体部223Dβの大部分(少なくともチャネルとして機能するチャネル部)に対して重畳して配されている。第6重畳部241ζの本体部241Dは、画素電極224のコンタクト部224Bに対してX軸方向に間隔を空けた位置に配されている。これにより、互いに隣り合う本体部241Dとコンタクト部224Bとが短絡する事態が生じ難くなっている。第6重畳部241ζのうちの第2接続電極部241Cは、平面に視て縦長の方形状をなしておりタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかと重畳して配される。また、第2接続電極部241Cは、第6重畳部241ζの本体部241DのうちのX軸方向についてのコンタクト部224B側とは反対側の端部(図41から図43の左側の端部)に連なっていて、ソース電極223Bに対してX軸方向についてドレイン電極223C側とは反対側に間隔を空けた位置に配されている。第2接続電極部241Cとタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかとの間に介在する第1層間絶縁膜235、平坦化膜236及び第3層間絶縁膜238には、図44に示すように、第2接続電極部241Cとタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233のいずれかとを接続するための第13コンタクトホールCH13が開口して形成されている。また、タッチ電極230には、図41図42に示すように、タッチ配線231や接続配線232と重畳して配される第2開口225B2が、第2接続電極部241Cに対して重畳するように第1スリット225A1に連通して形成されている。また、タッチ電極230には、図43に示すように、ダミータッチ配線233と重畳して配される第2スリット225A2が、第2接続電極部241Cに対して重畳するように第1スリット225A1に連通して形成されている。
【0097】
以上説明したように本実施形態によれば、第4重畳部241δには、第10配線であるタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233と重畳する第2接続電極部(第4部)241Cを有する第6重畳部241ζが含まれ、第6重畳部241ζは、第2接続電極部241Cが第10配線であるタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233に接続される。このように、第6重畳部241ζの第2接続電極部241Cが、第10配線であるタッチ配線231、接続配線232及びダミータッチ配線233を介して複数のタッチ電極230のいずれかに間接的に接続される。仮に、第6重畳部241ζを複数のタッチ電極230のいずれかに直接的に接続した場合に比べると、複数のタッチ電極230には第6重畳部241ζに対する接続構造を設ける必要がないから、複数のタッチ電極230に係る設計自由度が向上する。
【0098】
<実施形態4>
実施形態4を図45及び図46によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から重畳部341の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0099】
本実施形態に係る重畳部341は、図45及び図46に示すように、複数のタッチ電極330のいずれかに直接的に接続されている。重畳部341は、タッチ電極330と同じ第1透明電極膜からなり、第2タッチ電極330βの一部により構成されている。つまり、第2タッチ電極330βの一部が、第2TFT323βに備わる第2半導体部323Dβの大部分(少なくともチャネルとして機能するチャネル部)に対して重畳して配されていて、重畳部341を構成している。
【0100】
具体的には、本実施形態では、第1タッチ電極330αと第2タッチ電極330βとを仕切る第1スリット325A1は、第2半導体部323Dβとは非重畳となっている。より詳細には、第1スリット325A1は、第2半導体部323Dβに対して第3画素電極324γの画素電極本体324A側(図45の上側)にシフトした配置となっている。第1スリット325A1は、第2TFT323βに備わるドレイン電極323Cのうちの第2ドレイン電極構成部323C2及び第3ドレイン電極構成部323C3とは非重畳で、第1ドレイン電極構成部323C1の一部とは重畳して配されている。第1スリット325A1は、第1開口325B1のうちのY軸方向について画素電極本体324A側(図45の上側)の端部に連ねられている。なお、第1スリット325A1に連通する第1開口325B1は、第1ドレイン電極構成部323C1、第2ドレイン電極構成部323C2及び第3ドレイン電極構成部323C3の一部ずつに対して重畳して配されている。また、第1スリット325A1は、第2TFT323βに備わるゲート電極323Aとは非重畳とされるものの、画素電極本体324AのうちのY軸方向についての第2半導体部323Dβ側(図45の下側)の端部と重畳して配されている。重畳部341は、第2タッチ電極330βのうちの第1スリット325A1に臨む端部の一部により構成されている。
【0101】
以上説明したように本実施形態によれば、第1タッチ電極330α(第1共通電極25α)または第2タッチ電極330β(第2共通電極25β)の一部は、第2半導体部323Dβと重畳して配され、重畳部341は、第1タッチ電極330α(第1共通電極25α)または第2タッチ電極330β(第2共通電極25β)のうちの第2半導体部323Dβと重畳する部分により構成される。第1タッチ電極330α(第1共通電極25α)または第2タッチ電極330β(第2共通電極25β)の一部が重畳部341を構成する。仮に、第1タッチ電極330α(第1共通電極25α)及び第2タッチ電極330β(第2共通電極25β)とは異なる層に重畳部341を設けた場合に比べると、重畳部341を複数のタッチ電極330(共通電極25)のいずれかに接続するための構造が不要となる。
【0102】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0103】
(1)実施形態1の変形例として、図47に示すように、ダミータッチ配線433をタッチ電極430に対して直接的に接続してもよい。図47では、アレイ基板421に備わる第3金属膜及び第1透明電極膜をそれぞれ異なる網掛け状にして図示する。ダミータッチ配線433は、一部(ソース電極423Bと重畳する部分)が拡幅されることで、第7接続部433Aを有する。第7接続部433Aは、タッチ電極430(例えば第3タッチ電極430γ)に対して重畳して配される。第7接続部433Aとタッチ電極430との間に介在する第2層間絶縁膜37には、第7接続部433Aとタッチ電極430とを接続するための第14コンタクトホールCH14が開口して形成されている。
【0104】
(2)実施形態1に記載した構成において、第2接続配線32βの一部が第2重畳部41βを構成してもよい。具体的には、第2接続配線32βのうち、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1に臨む端部(第1接続配線32αに近い側の端部)が、選択的に拡幅されることで、第2重畳部41βが形成されていてもよい。
【0105】
(3)実施形態1に記載した構成において、第2ダミータッチ配線33βの一部が第3重畳部41γを構成してもよい。具体的には、第2ダミータッチ配線33βのうち、第1タッチ電極30αと第2タッチ電極30βとの間を仕切る第1スリット25A1に臨む端部(第1ダミータッチ配線33αに近い側の端部)が、選択的に拡幅されることで、第3重畳部41γが形成されていてもよい。
【0106】
(4)実施形態1,4に記載した構成に、実施形態2,3に記載した技術事項を適用することも可能である。つまり、実施形態1,4に記載した構成において、重畳部41,341は、第2透明電極膜により構成されてもよい。この場合、第2透明電極膜からなる重畳部41,341の一部を、タッチ配線31、接続配線32,及びダミータッチ配線33,433のいずれかに対して重畳する配置とする。重畳部41,341とタッチ配線31 、接続配線32及びダミータッチ配線33,433のいずれかとの間に介在する第2層間絶縁膜37及び第3層間絶縁膜38には、重畳部41,341とタッチ配線31 、接続配線32及びダミータッチ配線33,433のいずれかを接続するためのコンタクトホールを開口して形成すればよい。
【0107】
(5)実施形態2,3に記載した構成において、第5重畳部141ε,241εを構成する第1接続電極部141Aが、第2タッチ電極130β,230βまたは第4タッチ電極130δと重畳して配されていて第2タッチ電極130β,230βまたは第4タッチ電極130δに接続されてもよい。
【0108】
(6)実施形態2,3に記載した構成に、実施形態4に記載した技術事項を適用することも可能である。つまり、実施形態2,3に記載した構成において、タッチ電極130,230の一部により重畳部141を構成してもよい。
【0109】
(7)実施形態2,3に記載した構成において、タッチ配線131,231、接続配線132,232及びダミータッチ配線133,233の設置数の和を変更してもよい。例えば、タッチ配線131,231、接続配線132,232及びダミータッチ配線133,233の設置数の和は、ソース配線127の設置数の1/3よりも少なくてもよく(例えば1/6、1/9程度でもよく)、逆にソース配線127の設置数の1/3よりも多くてもよい。
【0110】
(8)実施形態4に記載した構成において、重畳部341が第1タッチ電極330αの一部により構成されてもよい。また、複数の重畳部341に、第1タッチ電極330αの一部により構成される重畳部341と、第2タッチ電極330βの一部により構成される重畳部341と、が含まれてもよい。
【0111】
(9)実施形態1に記載した構成において、第3金属膜からなる重畳部41がタッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33のいずれかに直接的に連なることがなく、第1金属膜、第2金属膜、第1透明電極膜または第2透明電極膜からなる電極を介してタッチ電極30、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33のいずれかに間接的に接続されてもよい。
【0112】
(10)実施形態4に記載した構成において、第1透明電極膜からなる重畳部341がタッチ電極330に直接的に連なることがなく、第1金属膜、第2金属膜、第3金属膜または第2透明電極膜からなる電極を介してタッチ電極330、タッチ配線31、接続配線32及びダミータッチ配線33のいずれかに間接的に接続されてもよい。
【0113】
(11)ダミータッチ配線33,133,233,433は、第1スリット25A1,125A1,225A1,325A1を横切るよう形成されていてもよい。例えば、ダミータッチ配線33,133,233,433は、ソース配線27,127と同様に、表示領域AAをY軸方向に沿ってほぼ全長にわたって横切るよう配され、その一方の端部がドライバ11等に接続されて共通電位信号の供給を受けるようにしてもよい。
【0114】
(12)第3層間絶縁膜38,138,238の上層側に共通電極25が位置し、第3層間絶縁膜38,138,238の下層側に画素電極24,124,224が位置していてもよい。つまり、第1透明電極膜が画素電極24,124,224を構成し、第2透明電極膜が共通電極25(タッチ電極30,130,230,330,430)を構成してもよい。
【0115】
(13)上記した(12)の構成を実施形態2,3に適用した場合には、重畳部141及び接続電極42~44を画素電極24,124,224と同じ第1透明電極膜により構成することができる。
【0116】
(14)上記した(12)の構成を実施形態4に適用した場合には、重畳部を共通電極25(タッチ電極30,130,230,330,430)と同じ第2透明電極膜により構成することができる。
【0117】
(15)アレイ基板21,121,221に平坦化膜36,136,236が非形成であってもよい。
【0118】
(16)ゲート回路部13を省略することも可能である。その場合、アレイ基板21,121,221にゲート回路部13と同様の機能を有するゲートドライバを実装するようにしても構わない。また、ゲート回路部13をアレイ基板21,121,221における片側の辺部のみに設けることも可能である。
【0119】
(17)半導体部23D,123Dを構成する半導体膜の材料は、ポリシリコン(LTPS)等でもよい。
【0120】
(18)タッチパネルパターンは、自己容量方式以外にも相互容量方式であってもよい。
【0121】
(19)TFT23,123の構成は、図面にて示したボトムゲート型以外にも、トップゲート型、ダブルゲート型等でもよい。トップゲート型やダブルゲート型の場合。半導体部23Dのうち、上層側(液晶層22側)のゲート電極と重畳しない部分に対して、重畳部41,141,341を設けることが好ましい。
【0122】
(20)カラーフィルタ28は、アレイ基板21,121,221に設けられてもよい。その場合、画素電極24,124,224及びカラーフィルタ28が共にアレイ基板21,121,221に設けられることになり、対向基板20には、画素の構成要素が設けられない。
【0123】
(21)カラーフィルタ28の色数は、4色以上でもよい。追加するカラーフィルタ28は、黄色の波長領域(約570nm~約600nm)に含まれる黄色光を出射可能な黄色カラーフィルタや全波長領域の光を出射可能な透明カラーフィルタ等であってもよい。
【0124】
(22)液晶パネル10の平面形状は、縦長の長方形、正方形、円形、半円形、長円形、楕円形、台形などであってもよい。
【0125】
(23)液晶パネル10は、透過型以外にも反射型や半透過型であってもよい。
【0126】
(24)液晶パネル10以外の種類の表示パネル(有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなど)やEPD(マイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイパネル)であってもよい。
【0127】
(25)液晶パネル10は、タッチパネル機能を備えなくてもよい。その場合、複数のタッチ配線31は、専ら共通電位信号を伝送する複数の共通配線となる。複数の共通電極25は、複数の共通配線に接続されて共通電位とされ、タッチ電極30,130,230,330,430としては機能しない。
【符号の説明】
【0128】
10…液晶パネル(表示装置)、11…ドライバ(信号供給部)、20…対向基板、21,121,221…アレイ基板、23,123…複数のTFT(スイッチング素子)、23Bβ…第2ソース電極(第1電極)、23α,123α…第1TFT(第1スイッチング素子)、23β,123β,223β,323β…第2TFT(第2スイッチング素子)、23γ…第3TFT(第3スイッチング素子)、23δ…第4TFT(第4スイッチング素子)、23C1,123C1,323C1…第1ドレイン電極構成部(第1部)、23C2,123C2,323C2…第2ドレイン電極構成部(第2部)、23Cβ…第2ドレイン電極(第3電極)、23Dα,123Dα…第1半導体部、23Dβ,123Dβ,223Dβ,323Dβ…第2半導体部、23Dγ…第3半導体部、23Dδ…第4半導体部、24,124,224…複数の画素電極、24α…第1画素電極、24β…第2画素電極、24γ,324γ…第3画素電極、24δ…第4画素電極、25…共通電極、25α…第1共通電極、25β…第2共通電極、26,126…ゲート配線(複数の配線)、26α…第1ゲート配線(第1配線)、26β…第2ゲート配線(第2配線)、27…ソース配線(複数の配線)、27α…第1ソース配線(第4配線)、27β…第2ソース配線(第7配線)、27γ…第3ソース配線(第9配線)、30,130,230,330,430…複数のタッチ電極(位置検出電極)、30α,130α,230α,330α…第1タッチ電極(第1位置検出電極)、30β,130β,230β,330β…第2タッチ電極(第2位置検出電極)、30γ,130γ…第3タッチ電極(第3位置検出電極)、31…タッチ配線(複数の配線)、31α…第1タッチ配線(第3配線)、32…接続配線(複数の配線)、32α…第1接続配線(第5配線)、32β…第2接続配線(第6配線)、33,433…ダミータッチ配線(複数の配線)、33α…第1ダミータッチ配線(第8配線)、35…第1層間絶縁膜(第2絶縁膜)、36…平坦化膜(第2絶縁膜)、37…第2層間絶縁膜(第3絶縁膜)、38,138,238…第3層間絶縁膜(第1絶縁膜)、39β…第2中間電極(第2電極)、41,141,341…重畳部、41α…第1重畳部、41β…第2重畳部、41γ…第3重畳部、141δ,241δ…第4重畳部、141ε,241ε…第5重畳部、241ζ…第6重畳部、127…ソース配線(第11配線)、131,231…タッチ配線(第10配線)、132,232…接続配線(第10配線)、133,233…ダミータッチ配線(第10配線)、135,235…第1層間絶縁膜(第4絶縁膜)、136,236…平坦化膜(第4絶縁膜)、141A…第1接続電極部(第3部)、241C…第2接続電極部(第4部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47