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特開2024-47718情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047718
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240401BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240401BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G09B19/00 H
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153371
(22)【出願日】2022-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】500147023
【氏名又は名称】デジタルアーツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】道具 登志夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習環境による理解度の差異を把握して、効果的に学習を進めることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部12と、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部13と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部と、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記比較解析部は、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析し、
分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案する学習提案部、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存するステップと、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する機能、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する機能、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項5】
情報処理装置と教育機関に設けられた処理サーバとの間で通信可能な情報処理システムであって、
ユーザ端末それぞれからデータを受け付けて、前記ユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記学習データを受け付けて、前記学習データの理解度に基づいて所定の基準を満たすユーザを抽出する処理サーバと、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校教育の現場において、個々の児童や生徒に対して学習用の端末が配布されて、インターネット環境を利用したオンラインでの教育環境の整備が進んでいる。オンラインでの学習は、データの学習資料、教材などを用い、さらにインターネットを利用して学習情報にアクセスすることにより、様々な知識に素早くアクセスすることができ、理解がより進むというメリットがある。また、児童や生徒は、学校での学習に加えて、学習塾等の、学校とは異なる環境においてもオンラインで学習する場合も多く、オンライン学習の場は多く存在しており、その内容の充実が求められている。
【0003】
従来では、オンライン学習において、生徒の理解度を適切に判断し、理解度に応じて提供する教材データを適切に変更して、効果的な学習を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-116894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
様々な学習環境を利用することで、様々な学習情報を広く利用することができるものの、学びに関する情報量が多くなり、学習を進めていくうちに、自分自身の得意な項目や分野や理解が進んでいない弱点の項目を認識することが難しい場合があった。自分自身がどの分野について理解が進んでいないのかを把握できければ、効果的に学習を進めることができないおそれがある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、学習環境による理解度の差異を把握して、効果的に学習を進めることができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部と、ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、学習環境による理解度の差異を把握して、効果的に学習を進めることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す構成図。
図2】ユーザの各学習環境における学習データを説明する説明図。
図3】ユーザの学習データに含まれる成績情報を説明する説明図。
図4】各学習環境における理解度を比較した解析データを説明する説明図。
図5】本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
図6】本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。
【0011】
実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザ端末20のユーザの学習環境に対応付けて、ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存して、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析するサーバである。
【0012】
ユーザ端末20は、児童や生徒等が保有する端末であり、スマートフォン、タブレット等の携帯端末やPCが例示される。ユーザ端末20のユーザは、学習環境から提供を受けた学習教材データを用いて学習を行う。
【0013】
学習環境とは、児童や生徒等のユーザが学習を行う場所を意味しており、例えばユーザが学習のために通学している学校、学習塾が例示される。学習環境は、物理的な学習場所に限定されるものでは無く、インターネット上で提供される学習用のアプリケーションなども含まれる。
【0014】
ユーザ端末20のユーザは、自身が属する学習環境(または自身が利用する学習環境)のそれぞれから学習教材データの提供を受け付けて、当該学習教材データを用いて学習を行う。なお、学習教材データには、学習用の教科書データ、参考書データ、理解度を確認するためのテストデータ等が含まれる。より具体的には、ユーザ端末20のユーザは、各学習環境において、学習教材データの学習項目、学習項目それぞれの学習内容を端末にて学習を行い、テストデータを実施して、テストデータへの回答に対する採点が行われて理解度が評価される。
【0015】
ユーザ端末20は、情報処理装置10とネットワークを介して通信可能に構成される。なお、図1では、ユーザAが、ユーザ端末20を用いて、学校X及び学習塾Yの学習環境において学習する場合を示しているが、ユーザが複数の端末を用いて学習する場合には、複数の端末のそれぞれが情報処理装置10と通信可能に構成されてもよい。また、複数のユーザそれぞれは、それぞれが保有するユーザ端末20を介して情報処理装置10と通信する。
【0016】
ユーザ端末20は、ユーザが実施した、学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度、テストを実施した日付等の、学習に関するデータを情報処理装置10に送信する。
【0017】
学習項目とは、学習の科目(例えば数学)や学習の範囲(例えば数学の二次関数)を意味している。学習内容とは、具体的な学習のポイント、理解に必要なキーワード等を意味している。学習内容には、テストの問題、回答、回答を導くためのポイント等のデータが含まれてもよい。また、学習の理解度のデータとは、学習項目に対するテストの結果を示した正答率、得点を意味している。ユーザの学習に関するデータとして、学習項目ごとの学習時間、学習に利用した教科書の名称、担当教師等の情報を情報処理装置10に送信してもよい。
【0018】
ユーザ端末20は、ユーザの学習データに、学習環境のそれぞれを識別する学習環境情報を対応付けて送信する。学習環境情報は、ユーザが属する学校や学習塾等の学習環境それぞれを識別するための情報であり、ユーザ端末20が設定してもよいし、情報処理装置10において予め設定されてもよい。また、ユーザ端末20は、ユーザそれぞれを識別するための識別情報(例えばID、パスワード)を送信する。ユーザの学習に関するデータは、ユーザが理解度を評価するためのテストを実施した後等、ユーザ端末20から情報処理装置10に随時送信される。また、ユーザの学習データには、学期末ごとに評価される学内の順位、通信簿のデータ、出席率等の学業実績・成績に関する情報も含まれる。
【0019】
本実施形態に係る情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
情報処理装置10は、データ受付部11と、学習データ保存部12と、比較解析部13と、評価データ保存部14と、学習提案部15と、を備えている。
【0020】
なお、情報処理装置10を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサを用いて実行することによって実現しても良く、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等を用いたハードウェア処理で実現してもよいし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて実現してもよい。
【0021】
データ受付部11は、ユーザを識別するための識別情報に基づいてユーザの認証を行い、ユーザの学習に関するデータ、当該データに対応する学習環境情報を受け付ける。なお、ユーザ端末20のユーザが、学習環境ごとに端末を変えて利用する場合、複数の端末それぞれから学習データを受け付ける。なお、ユーザ端末20のユーザがインターネット上で提供される学習用のアプリケーションを用いて学習する場合には、情報処理装置10をアプリケーションに連携させて、アプリケーションからユーザの学習に関するデータを受け付けてもよい。
【0022】
学習データ保存部12は、受け付けたデータについて、ユーザ端末20のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する。学習データ保存部12は、ユーザ端末20から学習に関するデータ送信されるたびに保存する。また、学習データ保存部12は、学習環境情報が一致し、かつ学習項目が一致する別々のデータについては、1つの学習項目に対するデータとしてまとめてもよい。この場合、学習項目に対する理解度は、理解度が低い方のデータまたは高い方のデータを選択して保存してよく、平均値を計算して保存してもよい。また、学習データ保存部12は、ユーザ端末20のユーザの学習環境別に、学習項目ごとの学習時間を記録してもよい。
【0023】
また、学習データ保存部12は、受け付けたデータについて、ユーザ端末20のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、学習科目に対する学内の順位、生徒の通信簿における評価値、教師からの評価、出席率等の学業の成績情報を学習データとして保存してもよい。
【0024】
図2は、ユーザの各学習環境における学習データを説明する説明図である。図2に示すように、ユーザ:山田太郎について、学校Xでの学習科目、学習項目、学習内容、学習の修了に関するテストの正答率が、テストを実施した日付ごとに記録されている。学習内容のデータとして、学習時間、学習に利用した教科書、担当教師の情報も保存されている。
【0025】
さらに、ユーザ:山田太郎の学習塾Yでの学習科目、学習項目、学習内容、学習の修了に関するテストの正答率が、テストを実施した日付ごとに記録されている。このように、学習データ保存部12は、学習環境別に、ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度等の学習データを保存する。
【0026】
また、図3は、ユーザの学習データに含まれる成績情報を説明する説明図である。図3に示すように、ユーザ:山田太郎について、学校Xにおける、学期末ごとに評価される学内の順位、通信簿の評価値、教師による評価等のデータ、出席率等の成績に関する情報を学習データとして保存している。学習塾Yにおける、学期末ごとに評価される塾内の順位、評価値、教師による評価等のデータ、出席率等の成績に関する情報を学習データとして保存している。
【0027】
比較解析部13は、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析する。
【0028】
具体的には、比較解析部13は、各学習環境における学習項目に対する理解度を比較する。そして、理解度に差異がある場合には、その学習項目におけるユーザの学習内容に関するデータを抽出、比較して、学習内容が一致するデータ(または類似するデータ)及び一致しないデータを判別する。学習内容が一致するデータは、各学習環境において共通する学習内容になる一方、一致しないデータは、各学習環境において共通しない学習内容、すなわち一部の学習環境のみでの学習内容となる。
【0029】
また、比較解析部13は、学習項目に対する理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析する構成にしてよい。所定の基準とは、例えば学習項目に対する理解度を示す正答率が、学習環境で比較した場合に20%以上差がある等を基準として設定してもよい。同じ学習項目において、学習環境で比較した場合に理解度の差が大きく生じる場合には、学習内容において有意差が存在していると考えられる。また、比較解析部13は、学習環境別に、学習項目ごとの学習時間(累積学習時間)を比較してもよい。
【0030】
評価データ保存部14は、比較解析部13において解析された解析データを保存する。なお、複数のユーザの学習データに基づく解析データについては、ユーザごとにそれぞれ異なるデータとして保存する。比較解析部13による解析データは、情報処理装置10の管理者端末(図示省略)またはユーザ端末20からアクセスされて、管理者端末またはユーザ端末20に表示される。
【0031】
図4は、各学習環境に理解度を比較した解析データの説明図である。図4に示すように、数学の微分積分の学習項目について、学校Xと学習塾Yにおいて、理解度がそれぞれ80%、30%となり大きく差が生じている。
【0032】
比較解析部13は、微分積分の学習項目について、学校Xと学習塾Yにおける学習内容のそれぞれを抽出、比較し、学習内容が一致するデータ及び一致しないデータを判別する。図4では、学習内容が一致しないデータを、学習内容の差異として抽出している。なお、学習内容が一致するデータを抽出してもよい。
【0033】
さらに、図1に戻って説明を続ける。
学習提案部15は、学習項目に対する理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、分析された学習内容の差異に基づいてユーザのユーザ端末20に学習提案する。例えば2つの学習環境において、1つの学習項目において20%以上理解度の差がある場合に、学習内容が一致しないものを、優先的に理解を進めるべき学習内容としてユーザのユーザ端末20に学習提案する。学習環境ごとに理解度の差が生じる原因として、複数の学習環境において一致する学習内容は理解が進んでいる一方、一致していない学習内容は理解が進んでいないと考えられる。
【0034】
さらに、学習提案部15は、ユーザ端末20に対する学習内容の提案後、ユーザ端末20のユーザが当該提案にかかる学習内容を学習した場合に、ユーザ端末20から学習完了の通知を受け付けてもよい。学習提案部15が、学習完了の通知を受け付けて、当該提案にかかる学習項目の学習データ(理解度)を取得した場合には、比較解析部13は、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に再度比較してもよい。また、学習提案前後での学習項目に対する理解度の結果を比較してもよい。
【0035】
この比較データは、解析データとして評価データ保存部14に保存される。比較解析部13による解析データは、比較解析部13による解析データは、情報処理装置10の管理者端末(図示省略)またはユーザ端末20からアクセスされて、管理者端末またはユーザ端末20に表示される。これにより、ユーザ端末20のユーザ等は、学習提案に基づき学習した後に、学習環境別の理解度の差異、学習項目に対する理解の進み具合等を再度確認することができる。
【0036】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10の動作について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャートである(適宜、図1参照)。
【0037】
学習データ保存部12は、ユーザ端末20から受け付けたデータについて、ユーザ端末20のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を含む学習データとして保存する(S10)。
【0038】
比較解析部13は、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境に応じた理解度の差が所定の基準以上ある場合には、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析する(S11:YES、S12)。なお、学習環境に応じた理解度の差が所定の基準に満たない場合には、終了する(S11:NO、終了)。
【0039】
学習提案部15は、分析された学習内容の差異に基づいてユーザのユーザ端末20に学習提案する(S13)。
【0040】
このように、ユーザ端末20のユーザの学習環境に対応付けて学習データを保存し、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析することで、ユーザ自身が学習環境による理解度の差異を把握して、効果的に学習を進めることができる。
【0041】
図6は、本実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。なお、図6において本実施形態(図1)と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0042】
ここでは、ユーザ端末20a、20b、20cは、それぞれユーザA、B、Cが利用する端末であり、情報処理装置10は、A、B、Cそれぞれの学習データを分析する。
【0043】
処理サーバ31(31a,31b)は、高校、大学等の教育機関30(30a,30b)に設けられたサーバであり、教育機関30に属する生徒や学生のデータ等を処理するものである。処理サーバ31は、情報処理装置10と通信可能に構成されており、情報処理装置10に保存されている学習データにアクセス可能に構成されている。
【0044】
処理サーバ31は、情報処理装置10から学習データを受け付けて、学習データの理解度に基づいて所定の基準を満たすユーザを抽出する。所定の基準とは、例えば教育機関30に対して入学が必要な理解度の基準を意味する。理解度の基準は、学習項目ごとに予め設定される。
【0045】
また、処理サーバ31は、大学、高校等の教育機関30に入学している生徒の成績情報を含む学習データを機械学習により学習して、入学者の学習データの特徴量に基づく入学モデルを生成しておき、当該入学モデルに基づいてユーザそれぞれの学習データを分析して、入学レベルを満たすユーザを抽出してもよい。
【0046】
さらに、処理サーバ31は、所定の基準を満たすユーザのユーザ端末20に対して、基準を満たしている旨の通知をしてもよい。
【0047】
これにより、教育機関30がユーザの学習データを参照し、基準と比較することができるようにすることで、入学基準を満たす生徒を抽出し、その生徒に案内を自動的に通知することができる。ユーザは、入学が可能な学校を自身で認識することができる。
【0048】
以上述べた実施形態の情報処理装置によれば、ユーザ端末のユーザの学習環境に対応付けて学習データを保存し、ユーザの学習項目に対する理解度を学習環境別に比較し、学習環境におけるユーザの学習内容の差異を分析することで、ユーザ自身が学習環境による理解度の差異を把握して、効果的に学習を進めることができる。
【0049】
なお、情報処理装置10で実行されるプログラムは、ROM等の記憶回路に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10…情報処理装置、11…データ受付部、12…学習データ保存部、13…比較解析部、14…評価データ保存部、15…学習提案部、20(20a,20b,20c)…ユーザ端末、30(30a,30b)…教育機関、31(31a,31b)…処理サーバ、100…情報処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部と、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記比較解析部は、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析し、
分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案する学習提案部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存するステップと、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する機能、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する機能、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項5】
情報処理装置と教育機関に設けられた処理サーバとの間で通信可能な情報処理システムであって、
ユーザ端末それぞれからデータを受け付けて、前記ユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記学習データを受け付けて、前記学習データの理解度に基づいて所定の基準を満たすユーザを抽出する処理サーバと、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部と、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部と、
分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案する学習提案部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存するステップと、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析するステップと、
分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
コンピュータを、
ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する機能、
ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する機能、
分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案する機能、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、ユーザ端末のユーザの学習環境を識別する学習環境情報に対応付けて、前記ユーザの学習項目、学習内容、及び当該学習項目に対する理解度に関する情報を学習データとして保存する学習データ保存部と、ユーザの前記学習項目に対する理解度を前記学習環境別に比較し、前記学習項目に対する前記理解度の差が学習環境において所定の基準以上の場合に、前記学習環境における前記ユーザの学習内容の差異を分析する比較解析部と、分析された学習内容の差異に基づいて前記ユーザのユーザ端末に学習提案する学習提案部と、を備えることを特徴とする。