特開 2024-47723 投稿情報管理装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024047723

(43)【公開日】2024-04-08

(54)【発明の名称】投稿情報管理装置

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/0207 20230101AFI20240401BHJP

【ＦＩ】

G06Q30/02 350

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022153378

(22)【出願日】2022-09-27

(71)【出願人】

【識別番号】000005326

【氏名又は名称】本田技研工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100154380

【弁理士】

【氏名又は名称】西村 隆一

(74)【代理人】

【識別番号】100081972

【弁理士】

【氏名又は名称】吉田 豊

(72)【発明者】

【氏名】河村 和輝

(72)【発明者】

【氏名】田中 誠也

(72)【発明者】

【氏名】山田 律

(72)【発明者】

【氏名】呉 昊天

(72)【発明者】

【氏名】吉田 雅

【テーマコード（参考）】

5L049

【Ｆターム（参考）】

5L049BB07

(57)【要約】

【課題】車両に関して有益な情報を提供すること。
【解決手段】投稿情報管理装置１００は、車両に関する情報を投稿する投稿者の投稿者ＩＤおよび車両の購入日情報を含む車両情報を、投稿者情報として記憶する投稿者情報記憶部１１と、投稿者から投稿された投稿内容情報および投稿内容情報の種別を示す種別情報を含む投稿情報を、投稿者ＩＤ毎に記憶する投稿情報記憶部１２と、種別情報と購入日情報とに基づいて投稿者に付与する特典を決定する決定部１３と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

車両に関する情報を投稿する投稿者の投稿者ＩＤおよび前記車両の購入日情報を含む車両情報を、投稿者情報として記憶する投稿者情報記憶部と、
前記投稿者から投稿された投稿内容情報および前記投稿内容情報の種別を示す種別情報を含む投稿情報を、前記投稿者ＩＤ毎に記憶する投稿情報記憶部と、
前記種別情報と前記購入日情報とに基づいて投稿者に付与する特典を決定する決定部と、
を備えることを特徴とする投稿情報管理装置。

【請求項2】

請求項１に記載の投稿情報管理装置において、
前記投稿情報記憶部は、前記車両に関する商品情報と、前記車両の利用に関する利用情報とを前記種別情報として含む前記投稿情報を記憶し、
前記決定部は、前記種別情報が前記商品情報の場合は、前記購入日情報の購入日からの経過日数とともに減少する第１の特典を決定し、前記投稿内容種別情報が前記利用情報の場合は、前記購入情報の購入日からの経過日数とともに増加する第２の特典を決定することを特徴とする投稿情報管理装置。

【請求項3】

請求項２に記載の投稿情報管理装置において、
前記投稿情報記憶部は、利用情報として、車両による旅行、車両の点検、車両の車検、車両の部品交換のいずれかに関する情報を含むことを特徴とする投稿情報管理装置。

【請求項4】

請求項２に記載の投稿情報管理装置において、
前記決定部は、前記購入日から第１期間が経過すると前記第１の特典をなくすことを決定し、少なくとも前記購入日から第２期間が経過するまでの間、前記第２の特典を付与することを決定することを特徴とする投稿情報管理装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、投稿情報を管理する投稿情報管理装置に関する。

【背景技術】

【0002】

現在、ＳＮＳ（Social Networking Service）やウェブ検索等のインターネット上の情報を、商品の購入や利用に際して広く参考にする利用者が増加している。一方、インターネット上の情報は、情報を欲している利用者にステルスマーケティングと言われるような広告情報を送信する技術が増えており、利用者にとって必要な情報（広告情報でない情報）を入手することが難しくなっている。
このような問題に対し、有用な情報を提供する能力が高い情報提供者に利用者がアクセスできる確率を向上させることを目的として、情報提供者に付与されたポイントの数に基づいて情報提供者の順位を決定する特典管理システムが知られている（特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】国際公開第２０１９／０３５１８２号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、例えば商品が車両である場合は、商品に関して利用者が知りたい有益な情報が、必ずしも付与ポイントの多い情報提供者から提供されるとは限らない。例えば、車両の購入直後にその車両に関する情報を初めて発信する購入者から提供された情報は、その情報提供者に未だ付与ポイントが付与されていなくても、利用者にとって有益な情報となり得る。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明の一態様である投稿情報管理装置は、車両に関する情報を投稿する投稿者の投稿者ＩＤおよび車両の購入日情報を含む車両情報を、投稿者情報として記憶する投稿者情報記憶部と、投稿者から投稿された投稿内容情報および投稿内容情報の種別を示す種別情報を含む投稿情報を、投稿者ＩＤ毎に記憶する投稿情報記憶部と、種別情報と購入日情報とに基づいて投稿者に付与する特典を決定する決定部と、を備える。

【発明の効果】

【0006】

本発明によれば、車両に関する有益な情報を提供することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】本発明の実施の形態に係る投稿情報管理装置の全体構成の一例を概略的に示すブロック図。

【図2A】第１の特典を説明するための図。

【図2B】第２の特典を説明するための図。

【図3】図１のサーバで実行される投稿情報管理処理の一例を示すフローチャート。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
発明の実施の形態に係る投稿情報管理装置は、商品としての車両に関連する投稿情報を投稿者から受付け、投稿情報を閲覧者から閲覧可能な状態で管理する。投稿情報管理装置には、複数の投稿者が登録されている。

【0009】

投稿情報管理装置は、閲覧者に役立つ有益な投稿情報が閲覧者に提供されるように、投稿情報の投稿者に対し、あらかじめ定めた条件に基づいて特典を提供する。有益な投稿情報とは、一般消費者の立場を装って商品に対して好意的な内容を投稿する広告、宣伝情報とは異なり、実際にその商品を購入し、使用したからこそ知り得る内容等を紹介する情報をいう。

【0010】

実施の形態では、車両を購入して日が浅い投稿者からは、商品としての車両に関する投稿情報が投稿されるようにし、車両を購入して一定期間が経過した投稿者からは、商品としての車両の使い方等に関する投稿情報が投稿されるようにする。このような投稿情報管理装置の詳細について、以下に説明する。

【0011】

＜装置の概要＞
図１は、本発明の実施の形態に係る投稿情報管理装置１００の全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。図１に示すように、投稿情報管理装置１００は、サーバ１０と、第１の投稿者が使用する第１の投稿者端末２０と、第２の投稿者が使用する第２の投稿者端末３０と、投稿情報の閲覧者が使用する不図示の閲覧者端末とを主に有する。サーバ１０と第１の投稿者端末２０、サーバ１０と第２の投稿者端末３０、サーバ１０と閲覧者端末とは、インターネット等のネットワーク４０を介して通信可能に接続される。
図１に例示した投稿者端末の数は便宜上２台としたが、第１の投稿者端末２０および第２の投稿者端末３０以外にも投稿者端末が多数存在する。また、不図示の閲覧者端末も多数存在する。

【0012】

＜サーバ＞
サーバ１０は、ＣＰＵ（プロセッサ）、ＲＯＭ、ＲＡＭ（メモリ）、その他の周辺回路等を有するコンピュータを含んで構成される。サーバ１０は、投稿者情報記憶部１１と、投稿情報記憶部１２と、決定部１３と、記録制御部１４として機能する。

【0013】

＜投稿者端末＞
第１の投稿者端末２０および第２の投稿者端末３０は、スマートフォンやパソコン等の通信端末として構成される。第１の投稿者端末２０および第２の投稿者端末３０には、それぞれ情報投稿用のアプリケーションがあらかじめインストールされる。第１および第２の投稿者は、それぞれ第１の投稿者端末２０および第２の投稿者端末３０を介し、情報を投稿することができる。

【0014】

＜閲覧者端末＞
閲覧者端末は、スマートフォンやパソコン等の通信端末として構成される。閲覧者端末には、情報閲覧用のアプリケーションがあらかじめインストールされる。閲覧者は、閲覧者端末を介し、投稿された情報を閲覧することができる。

【0015】

サーバ１０の機能的構成について説明する。
＜投稿者情報記憶部＞
投稿者情報記憶部１１は、例えば、投稿者のメールアドレスおよびニックネーム等のプロフィール情報と、投稿者が購入した車両の種別を示す車種情報、車両ＩＤおよび購入日情報を含む車両情報と、投稿者に付与される特典の情報とを、投稿者情報として投稿者ＩＤと関連付けて記憶する。特典は、後述する決定部１３により決定される。サーバ１０が後述する記録制御部１４により投稿者情報記憶部１１に投稿者情報を記録することを、登録と呼んでもよい。

【0016】

＜投稿情報記憶部＞
投稿情報記憶部１２は、投稿者から投稿された投稿内容を示す投稿内容情報および投稿内容の種別を示す種別情報を含む投稿情報を、投稿者ＩＤ毎に記憶する。種別情報は、投稿内容が商品としての車両に関する商品情報であるか、あるいは投稿内容が商品としての車両の利用に関する利用情報であるかを示す。

【0017】

＜決定部＞
決定部１３は、上記種別情報と、上記購入日情報とに基づいて投稿者に報酬として付与する特典を決定する。報酬をリワード(reward)と呼んでもよい。図２Ａは、第１の特典を説明するための図であり、図２Ｂは、第２の特典を説明するための図である。図２Ａおよび図２Ｂにおいて、横軸は投稿者が車両を購入してから経過した時間を示す。また、縦軸は、決定部１３により決定されるリワードの価値の高低を示す。

【0018】

決定部１３は、所定の判定基準に基づいて投稿内容が所定の要件を満たす（例えば、閲覧者にとって役立つ）と判定すると、その投稿者が車両を購入した購入日からの経過日数に応じた額に相当する特典を投稿者に付与する。例えば、投稿内容が車両に関する商品情報である場合、決定部１３は、図２Ａに例示したように、購入日からの経過日数とともにリワードが減少する第１の特典を投稿者に付与する。第１の特典は、購入日直後が最高額で、第１期間が経過するとゼロになる例である。第１の特典は、新たな購入者となった投稿者にとって、第１印象等を含む投稿内容をなるべく早く投稿することへの動機づけとなる。

【0019】

また、決定部１３は、例えば投稿内容が車両の利用に関する利用情報である場合、図２Ｂに例示したように、購入日からの経過日数とともにリワードが増加する第２の特典を投稿者に付与する。第２の特典は、購入日直後が最低額で、少なくとも第２期間（第１期間よりも長い）が経過するまで増加する例である。第２の特典は、車両を保有する投稿者にとって、使用場面、メンテナンス等を含む投稿内容を、長期間にわたって投稿することへの動機づけとなる。使用場面には、車両で出かける旅行、キャンプ等の紹介を含み、メンテナンスには車両の点検、継続検査（車検）、部品交換等の実例紹介を含む。

【0020】

なお、特典を投稿者に付与するか否かを、投稿内容が閲覧者にとって役立つか否かの観点で所定の判定基準に基づいて判定するので、一般消費者の立場を装った不誠実な投稿内容の投稿者に対して特典が付与されることが抑制される。

【0021】

記録制御部１４は、投稿者情報記憶部１１に対する投稿者のプロフィール情報、投稿者が購入した車両情報、および投稿者に付与された特典の情報の記録および読出しと、投稿情報記憶部１２に対する投稿情報の記録および読出しとを制御する。

【0022】

＜フローチャートの説明＞
図３は、あらかじめメモリに記憶されたプログラムに従いサーバ１０で実行される投稿情報管理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す投稿情報管理は、一例として、第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０からサーバ１０にアクセスがある毎に実行されるものとする。

【0023】

ステップＳ１０において、サーバ１０は、第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０から投稿者情報を取得し、記録制御部１４により、投稿者情報を投稿者情報記憶部１１に記録してステップＳ２０へ進む。

【0024】

ステップＳ２０において、サーバ１０は、第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０から投稿情報を取得し、記録制御部１４により、投稿情報を投稿情報記憶部１２に記録してステップＳ３０へ進む。

【0025】

ステップＳ３０において、サーバ１０は、投稿情報に含まれる種別情報と、車両情報に含まれる購入日情報とに基づいて投稿者に付与する特典を決定し、ステップＳ４０へ進む。

【0026】

ステップＳ４０において、サーバ１０は、ステップＳ３０で決定した特典の情報を、記録制御部１４により、投稿者情報記憶部１１に記録してステップＳ５０へ進む。

【0027】

ステップＳ５０において、サーバ１０は、ステップＳ１０で投稿者情報を受けた第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０に対する処理を終了してよいか否かを判定する。第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０の不図示の表示部には、例えば「投稿者情報および投稿情報の記録を終了しますか？」というメッセージが表示される。サーバ１０は、第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０から終了指示を受けた場合にステップＳ５０を肯定判定して図３による処理を終了する。サーバ１０は、図３による処理を終了後に不図示の閲覧者端末から閲覧要求があると、閲覧処理を行うプログラムを起動する。一方、サーバ１０は、第１の投稿者端末２０または第２の投稿者端末３０から終了しない指示を受けた場合にはステップＳ５０を否定判定してステップＳ１０へ戻り、上述した処理を繰り返す。

【0028】

上述した実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
（１）投稿情報管理装置１００は、車両に関する情報を投稿する投稿者の投稿者ＩＤおよび車両の購入日情報を含む車両情報を、投稿者情報として記憶する投稿者情報記憶部１１と、投稿者から投稿された投稿内容情報および投稿内容情報の種別を示す種別情報を含む投稿情報を、投稿者ＩＤ毎に記憶する投稿情報記憶部１２と、種別情報と購入日情報とに基づいて投稿者に付与する特典を決定する決定部１３と、を備える。
このように構成したので、車両の保有期間が異なる投稿者から投稿を受付け、投稿内容によって異なる特典を、その投稿者に対して付与することができる。これにより、投稿情報管理装置１００は、特典に惹かれた複数の投稿者から車両に関する情報を集めることが可能になる。
投稿情報を閲覧する閲覧者は、車両に関して自分が知りたい情報を、例えば自分の車両保有期間と同程度の車両保有期間を有する投稿者の投稿内容から得ることが可能になる。また、例えば同じ車両を長く保有したときの状態を、自分よりも長い車両保有期間を有する投稿者の投稿内容に基づいて得ることが可能になる。
以上のように、実施の形態による投稿情報管理装置１００は、車両を購入予定または購入した顧客（情報の閲覧者）にとって有益な車両に関する情報を、情報の閲覧者に提供することが可能になる。

【0029】

（２）上記（１）の投稿情報管理装置１００において、投稿情報記憶部１２は、車両に関する商品情報と、車両の利用に関する利用情報とを種別情報として含む投稿情報を記憶し、決定部１３は、種別情報が商品情報の場合は、購入日情報の購入日からの経過日数とともに減少する第１の特典を決定し、投稿内容種別情報が利用情報の場合は、購入情報の購入日からの経過日数とともに増加する第２の特典を決定する。
このように構成したので、新たな購入者となった投稿者から、第１印象等を含む投稿内容をなるべく早く投稿してもらうことが可能になる。また、車両を保有する投稿者から、車両の使用場面、メンテナンス等を含む投稿内容を、長期間にわたって投稿しつづけてもらうことが可能になる。

【0030】

（３）上記（２）の投稿情報管理装置１００において、投稿情報記憶部１２は、利用情報として、車両による旅行、車両の点検、車両の車検、車両の部品交換のいずれかに関する情報を含むことを特徴とする。
このように構成したので、車両を購入予定または購入した顧客（情報の閲覧者）に対し、車両で出かける旅行、キャンプ等の紹介の他、車両の点検、継続検査（車検）、部品交換等の実例を紹介してもらうことが可能になる。

【0031】

（４）上記（２）の投稿情報管理装置１００において、決定部１３は、購入日から第１期間が経過すると第１の特典をなくすことを決定し、少なくとも購入日から第２期間が経過するまでの間、第２の特典を付与することを決定する。
このように構成したので、特典を付与する期間を定めることで、その期間が終了するまでは、情報の閲覧者にとって有益な情報を投稿者から集めることが可能になる。

【0032】

以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではない。

【符号の説明】

【0033】

１０ サーバ、１１ 投稿者情報記憶部、１２ 投稿情報記憶部、１３ 決定部、１４ 記録制御部、２０ 第１の投稿者端末、３０ 第２の投稿者端末、４０ ネットワーク、１００ 投稿情報管理装置

【図1】

【図2A】

【図2B】

【図3】