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  • 特開-車両共同購入管理装置 図1
  • 特開-車両共同購入管理装置 図2A
  • 特開-車両共同購入管理装置 図2B
  • 特開-車両共同購入管理装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047724
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】車両共同購入管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240401BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153379
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】澤志 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】本田 祥基
(72)【発明者】
【氏名】坂口 美和
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】車両を不満なく共同購入すること。
【解決手段】車両共同購入管理装置100は、車両の共同購入を希望する複数の購入希望者毎に、車両の利用目的を示す利用目的情報と、車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とを含む共同購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶部11と、利用目的情報が異なり、かつ、利用地情報の利用地が所定範囲内に含まれる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定し、購入希望者毎の購入代金を算出する算出部12と、共同購入者としての複数の購入希望者に購入代金を示す情報を出力する情報出力部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の共同購入を希望する複数の購入希望者毎に、前記車両の利用目的を示す利用目的情報と、前記車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とを含む共同購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶部と、
前記利用目的情報が異なり、かつ、前記利用地情報の利用地が所定範囲内に含まれる複数の前記購入希望者同士を共同購入者として決定し、前記購入希望者毎の購入代金を算出する算出部と、
前記共同購入者としての複数の前記購入希望者に前記購入代金を示す情報を出力する情報出力部と、
を備えることを特徴とする車両共同購入管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両共同購入管理装置において、
前記購入希望情報記憶部は、前記車両を利用する曜日および時間帯を示す週間予定情報を前記利用目的情報として記憶し、
前記算出部は、前記車両を利用する曜日および時間帯が前記購入希望者間で異なる複数の前記購入希望者同士を共同購入者として決定し、前記共同購入者毎の前記週間予定情報における利用時間に応じて、前記購入代金を前記共同購入者毎に算出することを特徴とする車両共同購入管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両共同購入管理装置において、
前記算出部は、前記購入代金を前記共同購入者毎に算出する際に、前記車両の利用予定が密になる曜日または時間帯にあらかじめ定めた利用目的と異なる利用目的で前記車両を利用する前記共同購入者に対する前記購入代金を、前記利用予定が密になる程度、または前記車両の負荷の程度に応じた割増料金を含めて算出することを特徴とする車両共同購入管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両共同購入管理装置において、
前記購入希望情報記憶部は、さらに複数の前記購入希望者の個人と法人の種別を含む属性情報を記憶し、
前記算出部は、前記属性情報に基づいて個人と法人を含む前記購入希望者同士を前記共同購入者として決定することを特徴とする車両共同購入管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の共同購入を支援するための車両共同購入管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不動産である土地を共同で購入するサービスが提案されている。例えば特許文献1には、土地共同購入支援システムとして、土地の売却希望者より募集した売却地の情報を公開して共同購入希望者を募った上で、受付けた複数の共同購入希望者間で売却地の区画を調整し、土地区画案に合意した者で購入者団体を設立する技術が開示されている。
一方で、無人の駐車場に配置された自動車を時間毎の利用料金を支払って利用するカーシェアリングサービスが普及している。カーシェアリング利用者からは、他の利用者によるボディ等の傷や車室内の汚れに対する不満が発生しており、安価に車両を購入できるサービスが求められている。
【0003】
車両の共同購入が普及することで、車両による移動がより安価に可能となり、交通の利便性が向上する。また、自ら所有する車両は丁寧に使用されることから、車両の状態が良好に維持され、交通の安全性が向上する。これにより、持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-259532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、物理的に分割可能な土地には適用できるものの、分割できない自動車に適用することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である車両共同購入管理装置は、車両の共同購入を希望する複数の購入希望者毎に、車両の利用目的を示す利用目的情報と、車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とを含む共同購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶部と、利用目的情報が異なり、かつ、利用地情報の利用地が所定範囲内に含まれる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定し、購入希望者毎の購入代金を算出する算出部と、共同購入者としての複数の購入希望者に購入代金を示す情報を出力する情報出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両を不満なく共同購入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る車両共同購入管理装置の全体構成の一例を概略的に示すブロック図。
図2A】共同購入される車両の週間予定情報の一例を示す図。
図2B】共同購入される車両の週間予定情報の他の例を示す図。
図3図1のサーバで実行される車両共同購入管理処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
発明の実施の形態に係る車両共同購入管理装置は、複数の共同購入希望者から車両の購入希望情報を受付け、複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。そして、購入希望者毎の購入代金を算出し、共同購入者としての複数の購入希望者に対し、購入代金を示す情報を出力する。
【0010】
一般に、物理的に分割ができない車両を共同購入した場合、共同購入者は、全員が車両に相乗りして一緒に移動する場合を除き、各人が車両を使用する日時を共同購入者間で調整しなければならず、使い勝手がよくない。
【0011】
そこで、実施の形態では、各購入希望者の購入希望情報に車両の利用目的と、車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とを含めることにより、利用目的が異なり、かつ、利用地情報の利用地が所定範囲内に含まれる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。共同購入した車両は、共同購入者の共有財産として各人が丁寧に使用することから、ボディ等の傷や車室内の汚れに対する不満が発生しにくい。換言すると、車両を利用する満足度を高めることが可能となる。このような車両共同購入管理装置の詳細について、以下に説明する。
【0012】
<装置の概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る車両共同購入管理装置100の全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、車両共同購入管理装置100は、サーバ10と、第1の購入希望者が使用する第1の購入希望者端末20と、第2の購入希望者が使用する第2の購入希望者端末25と、第3の購入希望者が使用する第3の購入希望者端末30と、第4の購入希望者が使用する第4の購入希望者端末35とを主に有する。サーバ10と第1の購入希望者端末20、サーバ10と第2の購入希望者端末25、サーバ10と第3の購入希望者端末30、およびサーバ10と第4の購入希望者端末35とは、インターネット等のネットワーク40を介して通信可能に接続される。
図1に例示した購入希望者端末の数は便宜上4台としたが、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35以外にも購入希望者の数に合わせて多数存在する。
【0013】
<サーバ>
サーバ10は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM(メモリ)、その他の周辺回路等を有するコンピュータを含んで構成される。サーバ10は、購入希望情報記憶部11と、算出部12と、情報出力部13として機能する。
【0014】
<購入希望者端末>
第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35は、スマートフォンやパソコン等の通信端末として構成される。第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35には、それぞれ共同購入用のアプリケーションがあらかじめインストールされる。第1~第4の購入希望者は、それぞれ第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35を介し、サーバ10へ共同購入希望情報を送出することができる。
【0015】
サーバ10の機能的構成について説明する。
<購入希望情報記憶部>
購入希望情報記憶部11は、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35からの共同購入希望情報がサーバ10で受付けられると、購入希望者毎の共同購入希望情報を記憶する。共同購入希望情報には、その購入希望者による車両の利用目的を示す利用目的情報と、その購入希望者が利用する車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とが含まれる。利用目的は、例えば通勤、買い物、レジャー等の車両の用途と、利用を予定している曜日および時間帯を含むものとする。
【0016】
具体的には、購入希望者は、購入する車両の1週間の曜日毎の利用予定を作成して共同購入希望情報に含める。一例をあげると、日曜日の6時から12時まで買い物の用途で利用する予定であることと、出発地および到着地がP町一丁目であることとを含める。他の例として、月曜日までの毎日7時から9時30分まで通勤の用途で利用する予定であることと、出発地がP町一丁目、到着地がQ町二丁目であることとを含める。
【0017】
購入希望情報記憶部11が記憶する購入希望者毎の共同購入希望情報は、後述する算出部12が複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する際に参照される。
なお、共同購入希望情報には、上記利用目的情報と上記利用地情報の他に、各購入希望者が個人であるか、法人であるかの種別を含む属性情報を含めることが可能である。
【0018】
<算出部>
算出部12は、購入希望情報記憶部11が記憶する購入希望者毎の共同購入希望情報に基づき、利用目的情報の利用目的が異なり、かつ、利用地情報の利用地が所定範囲内(例えば同じ町内)に含まれる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。具体例として算出部12は、購入希望者間で利用目的および利用地のマッチングをとることにより、購入する車両を利用する予定の曜日および時間帯の少なくとも一方が異なるとともに、前の利用者による到着地と、後の利用者による出発地とが所定範囲(例えば同じ町内)に位置する複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。
【0019】
(例1)
図2Aは、共同購入される車両の週間予定情報の一例を示す図である。週間予定情報は、共同購入者を決定する過程をわかりやすく説明するために作成したものであり、例示したような週間予定情報そのものを必ずしも作成する必要はない。
【0020】
図2Aにおいて、共同購入される車両の使用予定が1週間の曜日毎に記されている。斜線を引いた時間帯は、車両が使用されない時間帯を示す。アルファベットのA~Eは、それぞれ共同購入者A~Eによって使用される時間帯を示す。
【0021】
P町に在住する共同購入者Aは、購入する車両を月曜日から金曜日まで通勤の用途で利用する。具体的には、7時から9時30分までを通勤の往路で、18時から20時までを通勤の復路でそれぞれ利用する。往路の出発地はP町、到着地はQ町であり、復路の出発地はQ町、到着地はP町である。この車両は、月曜日から金曜日までの9時30分から18時までは、共同購入者Aの勤務先があるQ町の駐車場に駐車される。そのため、Q町に在住する共同購入者BおよびCが、それぞれ月曜日から金曜日までの9時30分から18時までの間に、通勤以外の用途でそれぞれ車両を利用する。具体的には買い物、通院等の用途で、出発地および到着地をQ町とする近距離移動の利用である。
【0022】
P町に在住する共同購入者Dは、土曜日の6時から20時までをレジャーの用途で車両を利用する。出発地および到着地をP町とする長距離移動の利用である。
上記共同購入者Aは、日曜日の6時から12時まで、P町に在住する共同購入者Eは、日曜日の13時から21時までを、それぞれ買い物および外食等の用途で車両を利用する。それぞれ出発地および到着地をP町とする近距離移動の利用である。
【0023】
算出部12は、図2Aに例示したように、同じ曜日の同じ時間帯に購入希望者による車両の利用予定が重複せず、前の利用者による到着地と、後の利用者による出発地とが所定範囲に位置する複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。
なお、算出部12は、前の利用者の利用終了時刻と、後の利用者の利用開始時刻との間に例えば60分の空き時間を設ける。
【0024】
(例2)
図2Bは、共同購入される車両の週間予定情報の他の例を示す図である。図2Aの場合と同様に、週間予定情報は、共同購入者を決定する過程をわかりやすく説明するために作成したものであり、例示したような週間予定情報そのものを必ずしも作成する必要はない。
【0025】
例2と例1の相違点は、共同購入者として個人と法人が混在する点である。具体的には、例1においては共同購入者が全て個人であるのに対し、例2においては、算出部12が共同購入希望情報に含まれる属性情報を参照することにより、共同購入者に個人と法人とが含まれるように共同購入者を決定する。
【0026】
図2Bにおいて、図2Aと同様に、共同購入される車両の使用予定が1週間の曜日毎に記されている。斜線を引いた時間帯は、車両が使用されない時間帯を示す。アルファベットのAは共同購入者のうちの法人Aによって使用される時間帯、アルファベットのB、CおよびDは、共同購入者のうちの個人B、個人Cおよび個人Dによってそれぞれ使用される時間帯を示す。
【0027】
R町に支店を有する法人Aは、月曜日から金曜日までの6時から21時まで、購入する車両を社用車の用途で利用する。この車両は、月曜日から金曜日までの朝6時までと21時以降は、R町の駐車場に駐車される。R町に在住する個人の共同購入者B、CおよびDは、土曜日と日曜日の重複しない時間帯に、買い物、外食、レジャー等の用途でそれぞれ車両を利用する。いずれも出発地および到着地をR町とする近距離移動または長距離移動の利用である。
【0028】
具体的には、共同購入者Bは、土曜日の4時から23時までをレジャーの用途で車両を利用する。出発地および到着地をR町とする長距離移動の利用である。
共同購入者Cは、日曜日の7時から12時30分まで、共同購入者Dは、日曜日の13時30分から18時30分まで、上記共同購入者Bは、日曜日の19時30分から23時までを、それぞれ買い物および外食等の用途で車両を利用する。それぞれ出発地および到着地をR町とする近距離移動の利用である。
【0029】
算出部12は、図2Bに例示したように、同じ曜日の同じ時間帯に購入希望者による車両の利用予定が重複せず、前の利用者による到着地と、後の利用者による出発地とが所定範囲に位置する、法人と個人とが混在する複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する。
なお、算出部12が前の利用者の利用終了時刻と後の利用者の利用開始時刻との間に少なくとも60分程度の空き時間を設ける点は、例1の場合と同様である。
【0030】
算出部12は、例えば、個人である購入希望者から法人と共同購入したいという要求がある場合に例2の方式を選ぶ。また、算出部12は、個人の購入希望者同士で共同購入したいという要求がある場合に例1の方式を選ぶ。
【0031】
算出部12はさらに、共同購入者毎の週間予定情報における利用時間(各購入希望者毎の利用予定時間の和)に応じて、車両の購入代金を共同購入者毎に算出する。
【0032】
<情報出力部>
情報出力部13は、算出部12により共同購入者として決定された購入希望者へ、算出部12により算出された購入希望者毎の購入代金を示す情報を提示するために、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35へ購入代金を示す情報を出力する。
【0033】
<フローチャートの説明>
図3は、あらかじめメモリに記憶されたプログラムに従いサーバ10で実行される車両共同購入管理処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す車両共同購入管理処理は、一例として、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35からの複数の共同購入希望情報が受付けられると実行されるものとする。
【0034】
ステップS10において、サーバ10は、受付けた共同購入希望情報を購入希望情報記憶部11へ購入希望者毎に記録してステップS20へ進む。上述したように、共同購入希望情報には、車両の利用目的を示す利用目的情報と、車両を利用する利用地情報とが含まれる。
【0035】
ステップS20において、サーバ10は、図2Aまたは図2Bに例示したように、購入希望者間で車両の利用予定のマッチングをとる。具体的には、同じ曜日の同じ時間帯に購入希望者による車両の利用予定が重複せず、前の利用者による到着地と、後の利用者による出発地とが所定範囲に位置する複数の購入希望者を、購入希望情報記憶部11に記憶されている複数の購入希望者の中から抽出してステップS30へ進む。
【0036】
ステップS30において、サーバ10は、ステップS20で抽出した購入希望者を共同購入者として決定してステップS40へ進む。
【0037】
ステップS40において、サーバ10は、ステップS30で決定した共同購入者毎の週間予定情報における利用時間(各購入希望者毎の利用予定時間の和)に応じて、車両の購入代金を共同購入者毎に算出してステップS50へ進む。
【0038】
ステップS50において、サーバ10は、購入代金を共同購入者として決定された購入希望者へ提示する。より具体的には、情報出力部13により、共同購入者となった購入希望者の第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35へ、購入希望者毎の購入代金を示す情報を出力してステップS60へ進む。このように構成したので、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35には、それぞれの購入代金が不図示の表示部に表示される。また、例えば「この内容でよろしいですか?」というメッセージが表示される。
【0039】
ステップS60において、サーバ10は、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35に対する処理を終了してよいか否かを判定する。サーバ10は、OKである場合にステップS60を肯定判定して図3による処理を終了する。サーバ10は、OKでない場合にステップS60を否定判定してステップS10へ戻り、上述した処理を繰り返す。OKである場合とは、例えば、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35から購入代金を確認したことを示す信号を受けた場合が該当する。また、OKでない場合とは、例えば、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35から利用予定の変更等を目的にしたリトライ(retry)要求を受けた場合が該当する。
【0040】
サーバ10は、ステップS60を肯定判定して図3による処理を終了後に、第1~第4の購入希望者端末20、25、30、35との間で、それぞれの購入手続き処理を行う。
【0041】
上述した実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両共同購入管理装置100は、車両の共同購入を希望する複数の購入希望者毎に、車両の利用目的を示す利用目的情報と、車両の出発または到着予定地を示す利用地情報とを含む共同購入希望情報を記憶する購入希望情報記憶部11と、利用目的情報が異なり、かつ、利用地情報の利用地が所定範囲内に含まれる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定し、購入希望者毎の購入代金を算出する算出部12と、共同購入者としての複数の購入希望者に購入代金を示す情報を出力する情報出力部13と、を備える。
このように構成したので、例えば通勤、買い物、レジャー等の車両の用途と、利用を予定している曜日および時間帯を含む車両の利用予定が重複せず、前の利用者による到着地と、後の利用者による出発地とが所定範囲に位置する複数の購入希望者同士を共同購入者として適切に決定することが可能になる。よって、車両を不満なく共同購入することが可能となる。
共同購入した車両は、共同購入者の共有財産として各人が丁寧に使用することから、ボディ等の傷や車室内の汚れに対する不満が発生しにくく、共同購入者が車両を利用する際の満足度を高めることが可能となる。
【0042】
(2)上記(1)の車両共同購入管理装置100において、購入希望情報記憶部11は、車両を利用する曜日および時間帯を示す週間予定情報を利用目的情報として記憶し、算出部12は、車両を利用する曜日および時間帯が購入希望者間で異なる複数の購入希望者同士を共同購入者として決定し、共同購入者毎の週間予定情報における利用時間に応じて、購入代金を共同購入者毎に算出する。
このように構成したので、同じ曜日の同じ時間帯に購入希望者による車両の利用予定が重複しない複数の購入希望者同士を共同購入者として適切に決定することができる。さらに、物理的に分割できない自動車の共同購入者毎の持ち分を週間予定情報における利用時間に応じて公平に算出し、持ち分に応じた購入代金を算出することができるため、車両を不満なく共同購入することが可能となる。
【0043】
(3)上記(1)または(2)の車両共同購入管理装置100において、購入希望情報記憶部11は、さらに複数の購入希望者の個人と法人の種別を含む属性情報を記憶し、算出部12は、属性情報に基づいて個人と法人を含む購入希望者同士を共同購入者として決定する。
一般に、法人が利用する車両は駐車場が確保される上に、法人により休日に車両が利用されることは極めて少ない。一方で、個人による休日の車両の利用は極めて多い。
以上のことから、共同購入者に法人が含まれることは、駐車場を確保する必要がなく、休日に比較的定まった時間内で車両の利用が見込める点において、個人の共同購入者にとっては好都合である。つまり、個人と法人を含む購入希望者同士を共同購入者として決定することは、個人および法人にとって双方の出費を抑えつつ、車両を不満なく共同購入することを可能にする。
【0044】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではない。上記実施の形態と下記変形例を組み合わせることも可能である。
(変形例)
上述した実施の形態では、車両の用途として、あらかじめ通勤、買い物、レジャー等を想定したが、例えばサーキット走行等のように、想定した通常の用途よりも車両に負荷がかかる用途がある。また、通常の用途であっても、前の利用者の利用終了時刻と後の利用者の利用開始時刻との間に空き時間がなく、車両の利用予定が密になる場合がある。
変形例において、算出部12は、共同購入希望情報の中に車両に負荷がかかる用途が含まれている場合、または、車両の利用予定が密になるような利用予定の変更等の要求があった場合において、複数の購入希望者同士を共同購入者として決定する際に、車両に負荷がかかる用途を含む共同購入希望情報に対応する購入希望者、または、車両の利用予定が密になる利用予定の変更等を要求した購入希望者に対し、割増した購入代金を算出することができる。
【0045】
変形例によれば、算出部12は、購入代金を共同購入者毎に算出する際に、車両の利用予定が密になる曜日または時間帯にあらかじめ定めた利用目的と異なる利用目的で車両を利用する共同購入者に対する購入代金を、利用予定が密になる程度、または車両の負荷の程度に応じた割増料金を含めて算出する。
このように構成したので、本来の用途を外れた利用や、車両が利用される曜日や時間帯が密になるような利用予定を抑制することが可能になる。この結果として、共同購入者は、例えばタイヤが過度にすり減る、利用開始時刻の直前まで車両が戻らないという不満を感じることなく、車両を共同購入することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
10 サーバ、11 購入希望情報記憶部、12 算出部、13 情報出力部、20 第1の購入希望者端末、25 第2の購入希望者端末、30 第3の購入希望者端末、35 第4の購入希望者端末、40 ネットワーク、100 車両共同購入管理装置
図1
図2A
図2B
図3