(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047766
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20240401BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240401BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G09F9/30 338
G09F9/30 349C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153441
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 陽平
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA26
2H092GA29
2H092JA25
2H092JB23
2H092JB32
2H092JB54
2H092JB64
2H092KA04
2H092NA01
2H092NA25
2H092RA05
2H192AA24
2H192BC32
2H192BC42
2H192CB02
2H192CB08
2H192CB53
2H192CC17
2H192CC57
2H192DA12
2H192DA44
2H192DA52
2H192DA67
2H192EA04
2H192EA13
2H192EA15
2H192JB02
5C094BA03
5C094BA43
5C094EA10
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
(57)【要約】
【課題】半導体層への入射光の侵入を抑え、オフリークに起因するフリッカーを低減する。
【解決手段】半導体層131のソース領域に電気的に接続される配線124bは、平面視においてX軸に沿って突出する突出部124baを備え、配線124aは、ドレイン領域に電気的に接続され、LDD領域133bと平面視において重なる領域において、突出部124baとの間に隙間Ap1を有し、配線125aは、配線124aに電気的に接続され、平面視において隙間Ap1を覆う。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のソースドレイン領域と、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置するチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、
前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って突出する第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、
前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる領域において、前記第1突出部との間に隙間を有し、前記他方のソースドレイン領域に電気的に接続される第1遮光部材と、
平面視において前記第1遮光部材と前記第1突出部との間の隙間を覆い、前記第1遮光部材に電気的に接続される第2遮光部材と、
を備える
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する第2データ線と、
前記第2データ線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する遮光配線と、
を備える
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1データ線は、前記第2方向に沿って延在する本体部を有し、
前記第1突出部は、前記第1方向に沿って前記本体部から突出している
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
一方のソースドレイン領域と、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置し、前記ゲート電極と平面視において重なるチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、
前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、
平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記第1突出部を覆う第2突出部を有し、前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する遮光配線と、
を備える
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
前記遮光配線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する第2データ線を、備える
請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1データ線は、前記第2方向に沿って延在する本体部を有し、
前記第1突出部は、前記第1方向に沿って前記本体部から突出している
請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記ゲート電極は、
前記走査線の一部を覆うように島状に設けられ、前記走査線の線幅よりも広い
請求項1または4に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記半導体層は、
前記一方のソースドレイン領域から前記他方のソースドレイン領域の一部までが前記走査線と平面視において重なり、
前記他方のソースドレイン領域の一部を除いた残部が前記第2データ線と平面視において重なる
請求項2または5に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第2データ線および前記遮光配線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在する容量配線と、
前記他方のソースドレイン領域一部を除いた残部と、前記容量配線と、で誘電膜を挟持した蓄積容量と、
を備える請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記遮光配線は、前記容量配線と電気的に接続され、
前記第2データ線は、前記遮光配線と前記容量配線との間に配置される
請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
請求項1に記載の電気光学装置を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば表示素子として液晶素子を用いた電気光学装置では、一定の間隙に保たれた一対の基板によって液晶が挟持される。詳細には、一方の基板である素子基板において画素電極がマトリクス状に配列し、他方の基板である対向基板にコモン電極が各画素にわたって共通となるように設けられて、画素電極とコモン電極とで液晶が挟持される。画素電極とデータ線との間にはトランジスターが設けられ、当該トランジスターは、走査線の電位に応じてオン状態またはオフ状態に制御される。
【0003】
液晶素子は、画素電極と対向電極とで液晶を挟持した、一種の容量を構成する。この容量性を見掛け上増大させるために、液晶素子と並列に容量素子(画素付加容量)が設けられる。近年のように微細化および高解像度化が進むと、容量素子の容量を確保することが困難になる。
【0004】
そこで、絶縁性の基板をエッチングして、平面視で第1方向および当該第1方向に交差する第2方向に伸びるL字状のトレンチを設け、このトレンチに、第1容量電極、絶縁層、第2容量電極を形成する技術が提案されている(例えば特許文献1の記載参照)。また、この特許文献1には、一の導電層をパターニングすることによって、トランジスターのソース領域に接続されるデータ線およびドレイン領域に接続される中継配線が設けられ、一の導電層とは上層にある別の導電層をパターニングすることによって、上記中継配線に接続される容量線が設けられる点も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の記載の技術では、光源からの入射光が、別の配線層で生じる隙間と一の配線層で生じる隙間とを順に介して、トランジスターにおける半導体層、特にLDD(Lightly Doped Drain)領域に侵入する。この光の侵入によって発生するオフリークに起因して液晶素子の保持電圧が変動し、透過率(または反射率)の変化、すなわちフリッカーとして視認される、という課題がある。
このような事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、半導体層への入射光の侵入を抑えて、オフリークに起因するフリッカーを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る電気光学装置は、一方のソースドレイン領域と、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置するチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って突出する第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる領域において、前記第1突出部との間に隙間を有し、前記他方のソースドレイン領域に電気的に接続される第1遮光部材と、平面視において前記第1遮光部材と前記第1突出部との間の隙間を覆い、前記第1遮光部材に電気的に接続される第2遮光部材と、を備える。
【0008】
また、別態様に係る電気光学装置は、一方のソースドレイン領域と、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置し、前記ゲート電極と平面視において重なるチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記第1突出部を覆う第2突出部を有し、前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する遮光配線と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る電気光学装置を適用した投射型表示装置を示す図である。
【
図2】投射型表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】電気光学装置における画素回路の構成を示す図である。
【
図7】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図8】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図9】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図10】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図11】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図12】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図13】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図14】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図15】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図16】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図17】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図18】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図19】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図20】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図21】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図22】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図23】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図24】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図25】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図26】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図27】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【
図28】第2実施形態に係る電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図29】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図30】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図31】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図32】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図33】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図34】電気光学装置における素子基板の製造プロセスを示す図である。
【
図35】素子基板の製造プロセスを示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る電気光学装置について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る電気光学装置100を適用した投射型表示装置10の光学的な構成を示す図である。図に示されるように、投射型表示装置10は、電気光学装置100R、100Gおよび100Bを含む。また、投射型表示装置10の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット2102が設けられている。このランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によって、赤(R)、緑(G)および青(B)の3原色に分離される。このうち、Rの光は電気光学装置100Rに、Gの光は電気光学装置100Gに、Bの光は電気光学装置100Bに、それぞれ入射する。
なお、Bの光路は、Rの光路およびGの光路と比較して長いので、Bの光路での損失を防ぐ必要がある。このため、Bの光路には、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121が設けられる。
【0012】
電気光学装置100R、100Gおよび100Bは、例えばそれぞれ透過型の液晶パネルであり、それぞれが複数の画素回路を有する。複数の画素回路の各々は、それぞれ液晶素子を含む。電気光学装置100Rの液晶素子は、後述するようにRに対応するデータ信号に基づいて駆動されることによって、当該データ信号の電圧に応じた透過率となる。
このため、電気光学装置100Rでは、液晶素子の透過率を個別に制御することによって、Rの透過像が生成される。同様に、電気光学装置100Gでは、Gに対応するデータ信号に基づいてGの透過像が生成され、電気光学装置100Bでは、Bに対応するデータ信号に基づいてBの透過像が生成される。
【0013】
電気光学装置100R、100Gおよび100Bによってそれぞれ生成された各色の透過像は、ダイクロイックプリズム2112の三方向に入射する。ダイクロイックプリズム2112において、RおよびBの光は90度に屈折する一方、Gの光は直進する。したがって、ダイクロイックプリズム2112において各色の画像が合成されて、加法混色によるカラー画像が生成される。ダイクロイックプリズム2112による合成像は投射レンズ2114に入射し、投射レンズ2114は当該合成像をスクリーンScrに拡大して投射する。
【0014】
なお、電気光学装置100R、100Bによる透過像は、ダイクロイックプリズム2112により反射した後に投射されるのに対し、電気光学装置100Gによる透過像は直進して投射される。したがって、電気光学装置100R、100Bによる各透過像は、電気光学装置100Gの透過像に対して左右反転した関係となる。
【0015】
図2は、投射型表示装置10の電気的な構成を示すブロック図である。投射型表示装置10は、表示制御回路20と、上述した電気光学装置100R、100Gおよび100Bとを含む。
【0016】
図示省略されたホスト装置等の上位装置から、映像データVid-inが同期信号Syncに同期して供給される。映像データVid-inは、表示すべき画像における画素の階調レベルを、RGB毎に例えば8ビットで指定する。
【0017】
投射型表示装置10では、スクリーンScrに投射されるカラー画像が、上述したように電気光学装置100R、100Gおよび100Bの各透過像を合成することで表現される。したがって、カラー画像の最小単位である画素は、電気光学装置100Rによる赤の副画素、電気光学装置100Gによる緑の副画素、および、電気光学装置100Bによる青の副画素に分けることができる。ただし、電気光学装置100R、100Gおよび100Bにおける副画素について、色について特定する必要がない場合や、単に明暗のみを問題とする場合等では、副画素と敢えて表記する必要がない。そこで本説明では、電気光学装置100R、100Gおよび100Bにおける表示単位について、単に画素と表記する。
【0018】
同期信号Syncには、映像データVid-inの垂直走査開始を指示する垂直同期信号や、水平走査開始を指示する水平同期信号、および、映像データVid-inにおける映像画素の1つ分のタイミングを示すクロック信号が含まれる。
【0019】
表示制御回路20は、上位装置からの映像データVid-inをRGB成分毎に分けるとともに、アナログ電圧のデータ信号に変換して電気光学装置100R、100Gおよび100Bに供給する。具体的には、表示制御回路20は、映像データVid-inのうち、R成分をアナログに変換してデータ信号Vid-Rとして電気光学装置100Rに供給する。同様に、表示制御回路20は、映像データVid-inのうち、G成分をアナログに変換してデータ信号Vid-Gとして電気光学装置100Gに供給し、B成分をアナログに変換してデータ信号Vid-Bとして電気光学装置100Bに供給する。
なお、表示制御回路20は、データ信号Vid_R、Vid_GおよびVid_Bを順に電気光学装置100R、100Gおよび100Bの駆動を制御するための制御信号Ctrに同期して供給する。
【0020】
次に、電気光学装置100R、100Gおよび100Bについて説明する。電気光学装置100R、100Gおよび100Bについては、入射する光の色、すなわち波長だけが異なり、構造的には共通である。そこで、電気光学装置100R、100Gおよび100Bについては、符号を100として、色を特定しないで一般的に説明する。
【0021】
図3は、電気光学装置100の外観を示す斜視図であり、
図4は、
図3におけるH-h線で切断した断面図である。
これらの図に示されるように、電気光学装置100では、画素電極126が設けられた素子基板100aと、コモン電極72が設けられた対向基板100bとが、一定の間隙を保ちつつ、互いに電極形成面が対向するようにシール材90によって貼り合わせられ、この間隙に液晶62が封入される。
【0022】
素子基板100aおよび対向基板100bとしては、それぞれガラスや石英などの光透過性および絶縁性を有する基板が用いられる。
図3に示されるように、素子基板100aにおける一辺は、対向基板100bから張り出している。この張り出した領域に、図において横方向に沿って複数の端子7が設けられている。複数の端子7には、図示省略されたFPC(Flexible Printed Circuits)基板の一端が接続される。なお、当該FPC基板の他端は、表示制御回路20に接続されて、上述した各種の信号が供給される。
【0023】
素子基板100aにおいて対向基板100bに向かう面には、詳細には後述するが、画素電極126が、透明性を有する導電層のパターニングによって設けられる。また、素子基板100aの対向面および対向基板100bの対向面には、電極以外にも様々な要素が設けられるが、
図4では省略される。
【0024】
図5は、電気光学装置100の電気的な構成を示すブロック図である。電気光学装置100には、表示領域5の周縁に、走査線駆動回路30およびデータ線駆動回路40が設けられる。
【0025】
電気光学装置100の表示領域5では、画素回路50がマトリクス状に配列される。詳細には、表示領域5において、複数本の走査線12が図において横のX軸に沿って延在して設けられる。X軸は、第1方向において向きを指定しない場合の例である。また、複数本のデータ線14が縦のY軸に沿って延在し、かつ、走査線12と互いに電気的な絶縁を保って設けられる。Y軸は、第2方向において向きを指定しない場合の一例である。複数本の走査線12と複数本のデータ線14との交差に対応して画素回路50がマトリクス状に設けられる。
なお、X軸およびY軸は相対的な関係にあり、端的にいえば、走査線12がX軸またはY軸の一方に沿って延在し、データ線14がX軸またはY軸の他方に沿って延在する、という関係にある。このため、データ線14が第1方向の一方から他方に向かうX軸に沿って延在するとした場合、走査線12が第2方向の一方から他方に向かうY軸に沿って延在する、ということができる。
【0026】
走査線12の本数をmとし、データ線14の本数をnとした場合、画素回路50は、縦m行×横n列でマトリクス状に配列する。m、nは、いずれも2以上の整数である。走査線12と画素回路50とにおいて、マトリクスの行を区別するために、図において上から順に1、2、3、…、(m-1)、m行と呼ぶ場合がある。同様にデータ線14および画素回路50において、マトリクスの列を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、(n-1)、n列と呼ぶ場合がある。
【0027】
走査線駆動回路30は、表示制御回路20からの制御信号Ctrにしたがって走査線12を例えば1、2、3、…、m行目という順番で1本ずつ選択し、選択した走査線12への走査信号をHレベルとする。なお、走査線駆動回路30は、選択した走査線12以外の走査線12への走査信号をLレベルとする。
データ線駆動回路40は、表示制御回路20から供給されるデータ信号のうち、対応する色のデータ信号を1行分ラッチするとともに、走査線12への走査信号がHレベルとなった期間において、当該走査線12に位置する画素回路50に、データ線14を介して出力する。
【0028】
図6は、隣り合う2本の走査線12Aおよび12Bと、隣り合う2本のデータ線14Aおよび14Bとの交差に対応する縦2行横2列の計4個の、画素回路50の等価回路を示す図である。画素回路50の回路構成についてはそれぞれ共通である。そこで、走査線12Aとデータ線14Aとの交差に対応する画素回路50に着目し、当該画素回路50について説明する。
【0029】
当該画素回路50は、液晶素子60とトランジスター130と蓄積容量140とを含む。トランジスター130は、例えばnチャネル型の薄膜トランジスターである。画素回路50において、トランジスター130のゲート電極は走査線12Aに電気的に接続される一方、そのソース領域はデータ線14Aに電気的に接続され、そのドレイン領域は、画素電極126および蓄積容量140の一端に電気的に接続される。
【0030】
トランジスター130では、電流が流れる方向が反転すると、ソースとドレインとが入れ替わるが、本説明では、データ線14Aと電気的に接続される領域をソース領域(一方のソースドレイン領域)とし、画素電極126と電気的に接続される領域をドレイン領域(他方のソースドレイン領域)とする。
また、本説明において「電気的に接続」または単に「接続」とは、2以上の要素間の直接的または間接的な接続または結合を意味し、例えば素子基板において2以上の要素間が直接的ではなくても、異なる配線がコンタクトホールを介して接続されることも含む。
【0031】
画素電極126に対向するようにコモン電極72が全画素に対して共通に設けられる。コモン電極72には電圧LCcomが印加される。そして、画素電極126とコモン電極72との間には上述したように液晶62が挟持される。したがって、画素回路50毎に、画素電極126およびコモン電極72によって液晶62を挟持した液晶素子60が構成される。
また、液晶素子60に対して電気的に並列に蓄積容量140が設けられる。蓄積容量140において、一端が画素電極126に接続され、他端が容量線74に接続される。容量線74は、時間的に一定の電圧、例えばコモン電極72への印加電圧と同じ電圧LCcomが印加される。
【0032】
なお、
図6において容量線74は、走査線12の延在方向であるX軸に沿って設けられているが、実際には後述するように、複数の配線がコンタクトホールを介して接続されて、X軸およびY軸に沿って平面視したときにメッシュ状に設けられる。
また、
図6では、2本の走査線を区別するために符号を12Aおよび12Bとし、2本のデータ線を区別するために符号を14Aおよび14Bとしている。走査線およびデータ線を区別しない場合には、上述の
図5に示されるように、符号を12および14とする。
【0033】
画素回路50は、走査線12に沿ったX軸とデータ線14に沿ったY軸とにわたってマトリクス状に配列するので、画素回路50に含まれる画素電極126についてもX軸およびY軸にわたって配列する。
【0034】
走査信号がHレベルとなった走査線12では、当該走査線12に対応して設けられる画素回路50のトランジスター130がオン状態になる。トランジスター130のオン状態により、データ線14と画素電極126とが電気的に接続された状態になるので、データ線14に供給されたデータ信号が、オン状態のトランジスター130を介して画素電極126に到達する。走査線12がLレベルになると、トランジスター130がオフ状態になるが、画素電極126に到達したデータ信号の電圧は、液晶素子60および蓄積容量140によって保持される。
【0035】
周知のように、液晶素子60では、画素電極126およびコモン電極72によって生じる電界に応じて液晶分子の配向が変化する。したがって、液晶素子60は、印加された電圧の実効値に応じた透過率となる。
なお、液晶素子60がノーマリーブラックモードであれば、液晶素子60への印加電圧が高くなるにつれて、透過率が高くなる。
液晶素子60において画素として機能する領域は、すなわち電圧の実効値に応じた透過率となる領域は、素子基板100aおよび対向基板100bを平面視したときに、画素電極126とコモン電極72とが重なる領域である。画素電極126は、平面視で例えば正方形であるので、電気光学装置100による画素の形状も平面視したときに正方形となる。
本説明において平面視とは、基板面の垂直軸に沿って基板を眺めた場合をいい、特に素子基板100aの平面視とは、当該素子基板100aの対向面を対向基板100bから眺めた場合をいう。
【0036】
液晶素子60の画素電極126にデータ信号を供給する動作が、一垂直走査期間において1、2、3、…、m行目という順番で実行される。これによりm行n列で配列する画素回路50の液晶素子60の各々にデータ信号に応じた電圧が保持され、各液晶素子60が目的とする透過率となり、m行n列で配列する液晶素子60によって、対応する色の透過像が生成される。
このように透過像の生成がRGB毎に実行されて、RGBを合成したカラー画像がスクリーンScrに投射される。
【0037】
電気光学装置100における素子基板100aについて説明する。
図13は、素子基板100aにおける対向面を示す平面図である。素子基板100aの対向面では、画素電極126が、X軸およびY軸に沿ってマトリクス状に、互いに隙間を保って設けられる。
1つの画素電極126は、平面視したときに下辺ほぼ中央に設けられるコンタクトホールCt56を介して、配線125aに電気的に接続される。配線125aは、後述するようにトランジスター130のドレイン領域および蓄積容量140の一端に電気的に接続される中継配線である。
【0038】
図13においてA-a線は、平面視したときに後述するトランジスター130のソース領域からX軸の右方向に沿った点J1まで、および、点J1からY軸の上方向に沿った点J3までを結ぶ仮想線である。点J1は、ある画素電極126に着目した場合に、当該画素電極126の右下において、隣り合う4つの画素電極126によって生じる隙間の仮想中心点である。
B-b線は、平面視したときにX軸に沿った仮想線であって、着目した画素電極126と、当該着目した画素電極の右隣に位置する画素電極126との隙間を含む仮想線であり、蓄積容量140の構造を説明するために用いられる。
C-c線は、平面視したときにY軸に沿った仮想線であって、コンタクトホールCt56を含む仮想線であり、ゲート電極付近におけるトランジスター130の構造を説明するために用いられる。
【0039】
上記
図13を含む
図7から
図13までは、素子基板100aの製造プロセスを示す平面図である。なお、
図7から
図13までの平面図では、各種の絶縁層や誘電層が適宜省略されている。
図14から
図20までは、素子基板100aの製造プロセスを示す断面図であり、それぞれ順に
図7から
図13までの平面図におけるA-a線で素子基板100aを破断した断面模式図である。
図21からの
図27は、素子基板100aの製造プロセスを示す断面図であり、これらの図うち、各左欄は、それぞれ順に
図7から
図13までの平面図におけるB-b線で素子基板100aを破断した断面模式図であり、各右欄は、それぞれ順に
図7から
図13までの平面図におけるC-c線で素子基板100aを破断した断面図である。
なお、
図10、
図11および
図12では、図面の複雑化を避けるために、A-a線、B-b線およびC-c線が省略されている。
【0040】
まず、
図14および
図21の右欄に示されるように、石英などの光透過性および絶縁性を有する基材101の上面に、配線122が設けられる。
配線122は、平面視したときに
図7に示されるように、X軸に沿って行毎に形成される。配線122は、例えば遮光性および導電性を有するタングステン(W)やタングステンシリサイド(WSi)などの第1導電層のパターニングによって形成される。「行毎に」とは、走査線12と一対一に対応して、という意味である。
また、配線122は、
図7に示されるように、画素回路50毎に設けられる幅広部122aを含む。幅広部122aは、後述する2つのコンタクトホールCt23を受けるために設けられる。
【0041】
平面図においてコンタクトホールは、単なる四角枠と、四角枠に×を重ねた印と、の2種類で示される。このうち、前者の単なる四角枠は、接続される二配線のうち、下層の(基材101に近い)配線の位置を示し、後者の四角枠に×を重ねた印は、接続される二配線のうち、上層の(基材101から遠い)配線の位置を示す。
なお、
図21の左欄に示されるように、B-b線で破断した部分には、配線122が設けられない。
【0042】
次に、
図15および
図22の左欄に示されるように、基材101のエッチングによってトレンチTaが設けられる。トレンチTaは、平面視したときに
図8に示されるように、点J1および点J3の間において、Y軸に沿った矩形形状で設けられる。このため、
図22の右欄に示されるように、C-c線で破断した部分には、トレンチTaが設けられない。
なお、トレンチTaは、蓄積容量140の大部分が形成される領域である。
【0043】
次に、
図16および
図23の右欄に示されるように、基材101または配線122を覆うように、第1層間絶縁膜112が設けられる。この後、第1層間絶縁膜112または配線122の上面に、特にトレンチTaでは、第1層間絶縁膜112の上面に、半導体層131が設けられる。半導体層131は、蓄積容量140の一部およびトランジスター130を構成し、高温ポリシリコン膜をパターニングすることによって、平面視したときに
図9に示されるようにA-a線に沿ったL字状に形成される。
【0044】
図6に示される等価回路の関係でいえば、走査線12Aとデータ線14Bとに対応した画素回路50におけるトランジスター130の半導体層131が、走査線12Aと、データ線14Aの右隣に位置するデータ線14Bと、平面視において重なるように設けられる。なお、データ線14Aは第1データ線の一例であり、データ線14Bは第2データ線の一例である。
【0045】
半導体層131のうち、幅広部122aを含む配線122と重なる領域の一部は、当該配線122の線幅よりも狭く形成される。当該領域の一部は、後述するようにトランジスター130のソース領域、チャネル領域およびLDD領域になる。当該領域の一部が配線122の線幅よりも狭いことにより、裏面からの戻り光が配線122によって遮蔽されるので、戻り光がトランジスター130のチャネル領域およびLDD領域に侵入しにくい構成になっている。
なお、線幅とは、配線の延在方向に対して直交する方向の寸法をいう。また、半導体層131は、
図16および
図23の左欄に示されるように、トレンチTaの底部まで入り込む。
【0046】
図17および
図24に示されるように、第1層間絶縁膜112または半導体層131を覆うように、ゲート絶縁膜151が設けられて、その一部がフォトリソグラフィによって除去される。
ゲート絶縁膜151が除去される領域は、
図10では省略されるが、後述するドレイン領域の残部領域になる予定のL字状の領域である。フォトレジストがL字状の領域で開孔し、当該開孔に相当する領域においてゲート絶縁膜151が除去されて、半導体層131が露出する。このフォトレジストをマスクとして、半導体層131の露出部分にイオンが注入されて、蓄積容量140の一端として用いられる。この後に成膜された誘電膜およびデポポリシリコン膜のパターニングによって断面視したときに
図17および
図24に示されるように、誘電膜152a、152b、デポポリシリコン膜153aおよび153bが形成される。
【0047】
また、
図24の右欄に示されるように、2つのコンタクトホールCt23が1つの画素回路50に対応して設けられる。コンタクトホールCt23は、デポポリシリコン膜153a、誘電膜152a、ゲート絶縁膜151および第1層間絶縁膜112の順に開孔した開孔部である。コンタクトホールCt23によって配線122が露出する。
【0048】
第1層間絶縁膜112の上面には、例えば遮光性および導電性を有する第2導電層のパターニングによってゲート電極123aおよび配線123bが設けられる。
【0049】
このうち、配線123bは、容量配線の一例である容量線74の一部を構成し、
図10に示されるようにY軸に沿って各列のトレンチTaと重なるように設けられ、断面視では
図17および
図24の左欄に示されるように、デポポリシリコン膜153bおよび誘電膜152bと重なるように設けられる。
これにより、半導体層131のドレイン領域の一部を除いた残部領域と、配線123bおよびデポポリシリコン膜153bとで、誘電膜152bを挟持することにより、蓄積容量140が構成される。
蓄積容量140のうち、トレンチTaでは、当該トレンチTaの底部のみならず、サイドウォールにおいても、導電層/誘電膜/導電層が構成されるので、その分、容量を増加させることができる。
【0050】
配線123bは、平面視で
図10に示されるように各行の半導体層131と重なるように左に突出する突出部123baを有する。突出部123baは、コンタクトホールCt35を受けるために設けられる。
なお、突出部123baにおいても誘電膜152bが設けられるので、蓄積容量140はトレンチTa以外でも形成される。
【0051】
また、ゲート電極123aは、平面視したときに
図10に示されるように、2つのコンタクトホールCt23との間において半導体層131の幅狭部分に重なるように島状に設けられる。これにより、ゲート電極123aは、2つのコンタクトホールCt23を介して配線122に電気的に接続される。
なお、ゲート電極123aは、配線122および半導体層131と重なる領域において配線122よりも線幅が広い。
【0052】
半導体層131には、ゲート電極123aをマスクとしたイオン注入によって、LDD領域131aおよび131bが設けられる。
図10において、LDD領域131aおよび131bが、ハッチングが付された領域である。
図10および
図17に示されるように半導体層131のうち、LDD領域131aの左がソース領域であり、LDD領域131bの右がドレイン領域である。
なお、ソース領域は、低濃度のLDD領域131aよりも高濃度のドープ領域であり、ドレイン領域は、低濃度のLDD領域131bよりも高濃度のドープ領域である。
【0053】
ドレイン領域の一部は、
図10または
図17に示されるように、突出部123baを含む配線123bと重なる。突出部123baを含む配線123bと重なる領域、換言すれば平面視したときにドレイン領域の一部を除いたL字状の残部領域が配線123bと重なる領域は、上述したようにフォトレジストをマスクとしたイオン注入によってすでに高濃度ドープ領域になっている。
また、半導体層131のうち、平面視したときにゲート電極123aと重なる部分がチャネル領域131cである。
このようにして、トランジスター130のソース領域、ドレイン領域、LDD領域131a、131bおよびチャネル領域131cが設けられる。
【0054】
次に、
図18および
図25に示されるように、ゲート絶縁膜151、ゲート電極123aまたは配線123bを覆うように、第2層間絶縁膜113が設けられる。
また、
図18に示されるように、コンタクトホールCts4およびCtd4が設けられる。コンタクトホールCts4およびCtd4は、それぞれ第2層間絶縁膜113およびゲート絶縁膜151を順に開孔する。コンタクトホールCts4によって半導体層131のソース領域が露出し、コンタクトホールCtd4によって半導体層131のドレイン領域が露出する。
【0055】
第2層間絶縁膜113の上面には、例えばアルミニウムなどの遮光性および導電性を有する第3導電層のパターニングによって配線124aおよび124bが設けられる。
配線124aは、第1遮光部材の一例であり、島状に形成され、コンタクトホールCtd4を介して半導体層131のドレイン領域に電気的に接続される。
配線124bは、データ線14を構成し、平面視したときに
図11に示されるように、各行において右に突出した突出部124baを有する。配線124bの突出部124baは、第1突出部の一例であり、コンタクトホールCts4を介して半導体層131のソース領域に電気的に接続される。また、配線124bのうち、突出部124baを除いた部分が本体部の一例である。
配線124aは、半導体層131のドレイン領域を覆い、突出部124baは、半導体層131のソース領域、LDD領域131a、LDD領域131bおよびゲート電極123aを覆う。ここで、ドレイン領域と平面視で重なる領域において、配線124aと突出部124baとの間には隙間Ap1が生じている。
【0056】
なお、隙間Ap1は、平面視したときに、ドレイン領域と重なる領域ではなく、LDD領域131bと重なる領域に設けられてもよい。
また、
図11に示される3列の配線124bのうち、左端の配線124bがデータ線14Aに相当するとした場合、中央の配線124bがデータ線14Bに相当する。このため、ソース領域がデータ線14Aに相当する配線124bに接続された半導体層131は、走査線12に相当する配線122と平面視で重なり、かつ、点J1で屈曲してデータ線14Bに沿って平面視で重なる。
図11では、複雑化を避けるために、配線124a、124b、半導体層131およびゲート電極123aのみが図示され、突出部123baを含む他の配線が省略されている。
【0057】
図19および
図26に示されるように、配線124a、124bまたは第2層間絶縁膜113を覆うように、第3層間絶縁膜114が設けられる。
この後、
図19に示されるように、コンタクトホールCt35およびCt45が設けられる。コンタクトホールCt35は、第3層間絶縁膜114および第2層間絶縁膜113を順に開孔する。コンタクトホールCt35によって配線123bが露出する。コンタクトホールCt45は、第3層間絶縁膜114を開孔する。コンタクトホールCt45によって配線124aが露出する。
【0058】
第3層間絶縁膜114の上面には、例えばアルミニウムなどの遮光性および導電性を有する第4導電層のパターニングによって配線125aおよび125bが設けられる。
配線125aは、第2遮光部材の一例であり、平面視で
図12に示されるように、島状に形成され、コンタクトホールCt45を介して配線124aに電気的に接続される。配線125aは、
図19に示されるように、配線124aと突出部124baとの間で生じる隙間Ap1を覆う。
【0059】
配線125bは、遮光配線の一例であり、容量線74の一部を構成し、平面視したときにY軸に沿った部分が
図10の配線123bと同じ形状に形成される。配線125bは、各行において左に突出する突出部125baを有し、コンタクトホールCt35を介して配線123bに電気的に接続される。
配線125aは、平面視で配線124aの一部および突出部124baの一部を覆う。
なお、配線125aと
図12において右の配線125bの突出部125baとの間には隙間Ap2が生じている。
図12では、複雑化を避けるために、配線125aおよび125bのみが図示され、他の配線が省略されている。
【0060】
図20および
図27に示されるように、配線125a、125bまたは第3層間絶縁膜114を覆うように、第4層間絶縁膜115が設けられる。
この後、
図27の右欄に示されるように、コンタクトホールCt56が設けられる。コンタクトホールCt56は、第4層間絶縁膜115を開孔する。コンタクトホールCt56によって配線125aが露出する。
【0061】
第4層間絶縁膜115の上面には、
図27および上述した
図14に示されるように、透明性および導電性を有する第5導電層のパターニングによって画素電極126が設けられる。
画素電極126は、コンタクトホールCt56を介して配線125aに電気的に接続される。
図13では、複雑化を避けるために、画素電極126、配線125aおよび125bのみが図示され、他の配線が省略されている。
【0062】
本実施形態において、トランジスター130を構成する半導体層131のドレイン領域は、コンタクトホールCtd4、配線124a、コンタクトホールCt45、配線125aおよびコンタクトホールCt56という順で、画素電極126に電気的に接続される。
また、半導体層131のソース領域は、コンタクトホールCts4および突出部124baという順で、データ線14を構成する配線124bに電気的に接続される。
なお、ゲート電極123aは、コンタクトホールCt23を介して、走査線12を構成する配線122に電気的に接続される。
蓄積容量140の他端である配線123bおよびデポポリシリコン膜153bは、コンタクトホールCt35を介して配線125bに電気的に接続される。
【0063】
本実施形態によれば、特に
図19および
図20に示されるように、配線124aと突出部124baとの間にで生じた隙間Ap1は、配線125aで覆われる。このため、光源からの入射光は、配線125aで阻止されて、隙間Ap1を介して半導体層131、特にLDD領域131bに侵入しにくい。
また、光源からの入射光は、配線125aおよび125bとの間で生じている隙間Ap2を介して侵入する。ただし、当該侵入した光は、配線124aによって阻止されるので、半導体層131に侵入しにくい。
したがって、本実施形態では、光源からの入射光が半導体層131に侵入することを抑えることができる。
【0064】
また、半導体層131のうち、LDD領域131a、131bおよびチャネル領域131cは、平面視で配線122に重なり、かつ、LDD領域131a、131bおよびチャネル領域131cの線幅は、配線122の線幅よりも狭い。このため、戻り光は、配線122によって遮光されて、半導体層131に侵入しにくい。
【0065】
したがって、本実施形態では、光源からの入射光および戻り光が半導体層131に侵入しにくいため、オフリークに起因するフリッカーを低減することができる。
【0066】
また、本実施形態では、データ線14として機能する配線124bは、素子基板100aにおける基板面の垂直軸に対して下層の配線123bと上層の配線125bとで挟まれる。データ線14として機能する配線124bには、データ信号が供給されるので、電圧変動することからノイズ源になり得る。ただし、配線124bを挟む配線123bおよび125bは、コンタクトホールCt35を介して電気的に接続され、時間的に一定の電圧LCcomに保たれるので、シールド配線として機能する。
このため、本実施形態では、配線124bの電圧変動に起因するノイズの影響を抑えることができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る電気光学装置100について説明する。
第2実施形態に係る電気光学装置100は、第1実施形態に係る電気光学装置とは素子基板100aにおいて、次の点において異なる。具体的には、第2実施形態に係る電気光学装置100の素子基板100aは、第1実施形態と比較して相違する点は、主に、配線122の形状、半導体層131の形状、配線124bの形状、コンタクトホールCt45、Ctd4の廃止、および、コンタクトホールCtd6の新設である。
【0068】
図34は、第2実施形態に係る電気光学装置100の素子基板100aにおける対向面を示す平面図である。素子基板100aの対向面では、画素電極126が、X軸およびY軸に沿ってマトリクス状に、互いに隙間を保って設けられる。
1つの画素電極126は、平面視したときに下辺右寄りに設けられるコンタクトホールCtd6を介して、ドレイン領域に電気的に接続される。コンタクトホールCtd6は、複数の層間絶縁膜を開孔して、ドレイン領域を露出させる開孔部である。コンタクトホールCtd6には、後述するようにタングスグステン等の導電材料が充填される。
【0069】
図34においてD-d線は、平面視したときに後述するトランジスター130のソース領域からコンタクトホールCtd6を経由して点J1まで、および、点J1からY軸の上方向に沿った点J3までを結ぶ仮想線である。
なお、第2実施形態において、トランジスター130におけるゲート電極123aおよび配線122の接続と、蓄積容量140の構成とについては、第1実施形態と同様である。このため、第2実施形態では、素子基板100aをB-b線およびC-c線で破断した製造プロセスを示す断面図を省略する。
また、
図35は、素子基板100aをD-d線で破断した断面図である。
【0070】
上記
図34を含む
図28から
図34までは、素子基板100aの製造プロセスを示す平面図である。なお、
図28から
図34での平面図では、各種の絶縁層や誘電層が適宜省略されている。また、
図31、
図32および
図33では、図面の複雑化を避けるために、D-d線が省略されている。
【0071】
まず、
図28および
図35に示されるように、基材101の上面に、配線122が設けられる。
配線122は、第1実施形態と同様に、例えば遮光性および導電性を有するタングステン(W)やタングステンシリサイド(WSi)などの第1導電層のパターニングによって、平面視したときに
図28に示されるようにX軸に沿って行毎に形成される。第2実施形態において、配線122には、画素回路50毎に、突出部122cが設けられる。
【0072】
次に、
図29および
図35に示されるように、第1実施形態と同様に、基材101のエッチングによってトレンチTaが設けられる。
続いて、
図35に示されるように、基材101または配線122を覆うように、第1層間絶縁膜112が設けられ、この後、第1層間絶縁膜112または配線122の上面に、特にトレンチTaでは、第1層間絶縁膜112の上面に、半導体層131が設けられて、平面視で
図30に示されるようにパターニングされる。
第2実施形態において、半導体層131は、平面視したときに突出部131dを有する。突出部131dは、平面視で配線122の突出部122cと重なり、コンタクトホールCtd6を受けるために設けられる。第2実施形態における半導体層131は、突出部131dを有する点以外では、第1実施形態と同様である。
【0073】
半導体層131のパターニング後、第1層間絶縁膜112または半導体層131を覆うように、ゲート絶縁膜151が設けられて、その一部がフォトリソグラフィによって除去される。ゲート絶縁膜151が除去される領域は、第1実施形態と同様であり、ドレイン領域の残部領域になる予定のL字状の領域である。フォトレジストがL字状の領域で開孔し、当該開孔に相当する領域においてゲート絶縁膜151が除去されて、半導体層131が露出する。このフォトレジストをマスクとして、半導体層131の露出部分にイオンが注入されて、蓄積容量140の一端として用いられる。この後に成膜された誘電膜およびデポポリシリコン膜のパターニングによって断面視したときに、誘電膜152a、152b、デポポリシリコン膜153aおよび153bが形成される。
なお、誘電膜152a、152b、デポポリシリコン膜153aおよび153bは、
図35では複雑化を避けるために符号が省略されているが、
図17と同一箇所である。
【0074】
また、
図30に示されるように、2つのコンタクトホールCt23が1つの画素回路50に対応して設けられる。
第1層間絶縁膜112の上面には、例えば遮光性および導電性を有する第2導電層のパターニングによってゲート電極123aおよび配線123bが、
図31に示されるように第1実施形態と同様に設けられる。
これにより、半導体層131のドレイン領域の一部を除いた残部領域と、配線123bおよびデポポリシリコン膜153bとで、誘電膜152bが挟持されるので、蓄積容量140が構成される。
配線123bは、平面視で
図31に示されるように各行の半導体層131と重なるように左に突出する突出部123baを有する。突出部123baは、コンタクトホールCt35を受けるために設けられるが、半導体層131の突出部131dとは重ならない。
【0075】
また、ゲート電極123aは、平面視したときに
図31に示されるように、2つのコンタクトホールCt23との間において半導体層131の幅狭部分に重なるように島状に設けられる。これにより、ゲート電極123aは、2つのコンタクトホールCt23を介して配線122に電気的に接続される。
半導体層131には、ゲート電極123aをマスクとしたイオン注入によって、LDD領域131aおよび131bが設けられる。
なお、
図31および
図35に示されるように半導体層131のうち、LDD領域131aの左がソース領域であり、LDD領域131bの右がドレイン領域である。
また、半導体層131のうち、平面視したときにゲート電極123aと重なる部分がチャネル領域131cである。
このようにして、トランジスター130のソース領域、ドレイン領域、LDD領域131a、131bおよびチャネル領域131cが設けられる。
【0076】
次に、
図32および
図35に示されるように、ゲート絶縁膜151、ゲート電極123aまたは配線123bを覆うように、第2層間絶縁膜113が設けられる。第2層間絶縁膜113には、コンタクトホールCts4が設けられる。コンタクトホールCts4によって半導体層131のソース領域が露出する。
【0077】
第2層間絶縁膜113の上面には、例えばアルミニウムなどの遮光性および導電性を有する第3導電層のパターニングによって配線124bが設けられる。
第2実施形態において配線124bは、第1実施形態と同様にデータ線14を構成する。また、配線124bは、平面視したときに
図32に示されるように、各行において右に突出した突出部124bbを有する。配線124bの突出部124bbは、第1実施形態と同様に第1突出部の一例であり、コンタクトホールCts4を介して半導体層131のソース領域に電気的に接続される。
第2実施形態における突出部124bbは、第1実施形態における突出部124baよりも、X軸の右方に、すなわち半導体層131のドレイン領域を覆うように延長されている。
【0078】
ここで、
図32において、ある列の配線124bの突出部124bbは、当該列の右隣に位置する列の配線123bの突出部123baまで、隙間Ap3が生じている。
なお、隙間Ap3は、平面視したときに、少なくともLDD領域131bと重なる領域に設けられればよい。
図32では、複雑化を避けるために、突出部124bbを含む配線124b、半導体層131およびゲート電極123aのみが図示され、突出部123baを含む他の配線が省略されている。
【0079】
続いて、
図33および
図35に示されるように、突出部124bbを含む配線124bまたは第2層間絶縁膜113を覆うように、第3層間絶縁膜114が設けられる。
この後、
図35に示されるように、コンタクトホールCt35が設けられる。コンタクトホールCt35は、第3層間絶縁膜114および第2層間絶縁膜113を順に開孔する。コンタクトホールCt35によって配線123bが露出する。
【0080】
第3層間絶縁膜114の上面には、例えばアルミニウムなどの遮光性および導電性を有する第4導電層のパターニングによって配線125bが設けられる。なお、第2実施形態では、第1実施形態における配線124aが設けられない。
配線125bは、平面視したときに
図33に示されるように、各行において右に突出した突出部125cを有する。配線125bの突出部125cは、第2突出部の一例であり、配線124bの突出部124bbをほぼ平面視したときに同形状で覆う。
配線125bは、第1実施形態と同様に、各行において左に突出する突出部125baを有し、コンタクトホールCt35を介して配線123bに電気的に接続される。
なお、隙間Ap3は、平面視したときに
図33に示されるように、突出部125cと突出部125baとの間において生じている。
図33では、複雑化を避けるために、突出部125baおよび125cを含む配線125bと半導体層131の一部のみが図示され、他の配線が省略されている。
【0081】
次に、
図35に示されるように、配線125bまたは第3層間絶縁膜114を覆うように、第4層間絶縁膜115が設けられる。
この後、コンタクトホールCtd6が設けられる。コンタクトホールCtd6は、第4層間絶縁膜115、第3層間絶縁膜114、第2層間絶縁膜113およびゲート絶縁膜151を順に開孔する。コンタクトホールCtd6によってドレイン領域が露出する。
コンタクトホールCtd6には、遮光性を有するタングスグステン等の導電材料が充填される。
この後、第4層間絶縁膜115の上面には、上述した
図34および
図35に示されるように、透明性および導電性を有する第5導電層のパターニングによって画素電極126が設けられる。
画素電極126は、コンタクトホールCtd6を介してドレイン領域に電気的に接続される。
図34では、複雑化を避けるために、画素電極126、配線125bのみが図示され、他の配線が省略されている。
【0082】
第2実施形態によれば、特に
図35に示されるように、半導体層131のソース領域、LDD領域131a、131b、チャネル領域131cおよび一部のドレイン領域は、配線124bの突出部124bbで覆われ、さらに、突出部124bbは、平面視でほぼ同形状の配線125bの突出部125cで覆われる。
また、ある列の配線125bの突出部125cと別の列の配線125bの突出部125baとは、
図33に示されるように平面視で隙間Ap3が生じるが、隙間Ap3を介して光源からの入射する斜め光は、コンタクトホールCtd6に充填された遮光性のプラグPlgによって阻止される。
このため、第2実施形態では、光源からの入射する直進光および斜め光が半導体層131、特にLDD領域131bに侵入しにくい。
【0083】
また、第2実施形態は、第1実施形態と同様に、半導体層131のうち、LDD領域131a、131bおよびチャネル領域131cは、平面視で配線122に重なるので、戻り光が、半導体層131に侵入しにくい。
【0084】
したがって、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、光源からの入射光および戻り光が半導体層131に侵入しにくいので、オフリークに起因するフリッカーを低減することができる。
【0085】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、データ線14として機能する配線124bが、一定電圧に保持されてシールド線として機能する配線123bと配線125bとで挟まれるので、配線124bの電圧変動に起因するノイズの影響を抑えることができる。
【0086】
<付記>
以上に例示した形態から、例えば以下の態様が把握される。
【0087】
ひとつの態様(態様1)に係る電気光学装置は、一方のソースドレイン領域、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置するチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って突出する第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる領域において、前記第1突出部との間に隙間を有し、前記他方のソースドレイン領域に電気的に接続される第1遮光部材と、平面視において前記第1遮光部材と前記第1突出部との間の隙間を覆い、前記第1遮光部材に電気的に接続される第2遮光部材と、を備える。
態様1によれば、第2遮光部材が平面視において第1遮光部材と突出部との間の隙間を覆うように設けられるので、入射光が、半導体層に侵入しにくくなる。このため、オフリークに起因するフリッカーをさらに低減できる。
【0088】
態様1の具体的な態様2に係る電気光学装置は、前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する第2データ線と、前記第2データ線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する遮光配線と、を備える。
【0089】
態様1の具体的な態様3に係る電気光学装置は、前記第1データ線が前記第2方向に沿って延在する本体部を有し、前記第1突出部は、前記第1方向に沿って前記本体部から突出している。
【0090】
別の態様(態様4)に係る電気光学装置は、一方のソースドレイン領域と、他方のソースドレイン領域と、前記一方のソースドレイン領域と前記他方のソースドレイン領域との間に位置し、前記ゲート電極と平面視において重なるチャネル領域と、前記他方のソースドレイン領域と前記チャネル領域との間に位置するLDD領域と、を有する半導体層およびゲート電極を有するトランジスターと、前記ゲート電極と電気的に接続され、第1方向に沿って延在し、遮光性を有する走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記一方のソースドレイン領域に電気的に接続され、平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記LDD領域または前記他方のソースドレイン領域と平面視において重なる第1突出部を有し、遮光性を有する第1データ線と、平面視において前記第1方向に沿って一方に突出し、前記第1突出部を覆う第2突出部を有し、前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する遮光配線と、を備える。
態様4によれば、第1データ線から第1方向に沿って一方に突出する第1突出部は、LDD領域またはソースドレイン領域の他方と平面視において重なる。この第1突出部は、さらに第2突出部で覆われるので、入射光が、半導体層に侵入しにくくなる。このため、オフリークに起因するフリッカーをさらに低減できる。
【0091】
態様4の具体的な態様5に係る電気光学装置は、前記遮光配線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在し、遮光性を有する第2データ線を、備える。
【0092】
態様4の具体的な態様6に係る電気光学装置は、前記第1データ線が前記第2方向に沿って延在する本体部を有し、前記第1突出部は、前記第1方向に沿って前記本体部から突出している。
【0093】
態様1または態様4の具体的な態様7に係る電気光学装置は、前記ゲート電極が前記走査線の一部を覆うように島状に設けられ、前記走査線の線幅よりも広い。
【0094】
態様2または態様5の具体的な態様8に係る電気光学装置は、前記半導体層が前記一方のソースドレイン領域から前記他方のソースドレイン領域の一部までが前記走査線と平面視において重なり、前記他方のソースドレイン領域の一部を除いた残部が前記第2データ線と平面視において重なる。
態様8によれば、半導体層における一方のソースドレイン領域から他方のソースドレイン領域の一部までが走査線と平面視で重なり、他方のソースドレイン領域の残部が第2データ線と平面視で重なるので、走査線と重なる領域および第2データ線と重なる領域が有効に活用されて、開口率が高められる。
【0095】
態様8の具体的な態様9に係る電気光学装置は、前記第2データ線および前記遮光配線と平面視において重なるように前記第2方向に沿って延在する容量配線と、前記他方のソースドレイン領域一部を除いた残部と、前記容量配線と、で誘電膜を挟持した蓄積容量と、を備える。
【0096】
態様9の具体的な態様10に係る電気光学装置は、前記遮光配線が前記容量配線と電気的に接続され、前記第2データ線が前記遮光配線と前記容量配線との間に配置される。
態様10によれば、第2データ線の電圧振幅によって発生するノイズが容量配線と遮光配線とでシールドされる。
【0097】
態様11に係る電子機器は、態様1に係る電気光学装置を有する。
【符号の説明】
【0098】
10…投射型表示装置、12…走査線、14…データ線、14A…第1データ線、14B…第2データ線、50…画素回路、72…対向電極、74…容量線、100、100R、100G、100B…電気光学装置、101…基材、122…配線(走査線)、123a…ゲート電極、123b…配線(容量配線)、124a…配線(第1遮光部材)、124b…配線(データ線)、124ba、124bb…突出部(第1突出部)、125a…配線(第2遮光部材)、125c…突出部(第2突出部)、125b…配線(遮光配線)、126…画素電極、130…トランジスター、131…半導体層、131a、131b…LDD領域、131C…チャネル領域、140…蓄積容量、152b…誘電膜、Ap1…隙間、Ta…トレンチ。