(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047790
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
F25D23/02 305Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153477
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 千佳
(72)【発明者】
【氏名】岡田 由美
(72)【発明者】
【氏名】高岡 光幸
(72)【発明者】
【氏名】熊切 義朗
(72)【発明者】
【氏名】石川 享
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA01
3L102KC07
(57)【要約】
【課題】ドアパッキンのシール不良をより確実に抑制する。
【解決手段】ドアパッキン20は、マグネット40が保持され、扉15Bの閉状態において、貯蔵庫本体11の開口縁部11B、17A、17Bに密着するマグネット保持部21と、扉本体部30の後面32Aに当接する当接壁22と、当接壁22とマグネット保持部21との間に介在する介在壁23と、開口縁部11B、17A、17Bとマグネット40との間の磁気吸引力に応じて弾性変形し、マグネット保持部21の第1側壁21Bと当接壁22とを連結する第1連結壁25と、第2側壁21Cと当接壁22とを連結する第2連結壁26と、第1側壁21Bと介在壁23とを連結する第3連結壁27と、を有する。磁気吸引力が作用していない状態において、第3連結壁27は、マグネット保持部21との接続部分である第1接続部27Aより後方、又は介在壁23との接続部分である第2接続部27Bより前方に膨出する第1膨出部27Cを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口を有する断熱箱体である貯蔵庫本体と、
前記前面開口を開閉する扉と、を備え、
前記扉は、
断熱材を含む扉本体部と、
前記扉本体部の後面に設けられ、前記扉本体部と、前記貯蔵庫本体の前記前面開口の開口縁部との間をシールするドアパッキンと、を備え、
前記ドアパッキンは、
マグネットが保持され、前記扉の閉状態において、前記開口縁部に密着するシール壁を有するマグネット保持部と、
前記扉本体部の前記後面に当接する当接壁と、
前記当接壁と前記マグネット保持部との間に介在する介在壁と、
前記開口縁部と前記マグネットとの間の磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記マグネット保持部の第1側壁と前記当接壁とを連結する第1連結壁と、
前記磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記マグネット保持部の前記第1側壁と対向する第2側壁と前記当接壁とを連結する第2連結壁と、
前記磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記第1側壁と前記介在壁とを連結する第3連結壁と、を有し、
前記磁気吸引力が作用していない状態において、前記第3連結壁は、前記マグネット保持部との接続部分である第1接続部より後方、又は前記介在壁との接続部分である第2接続部より前方に膨出する第1膨出部を有する貯蔵庫。
【請求項2】
前記第1側壁が前記磁気吸引力に応じて前後方向に変位可能な可動域は、前記第2側壁が前記磁気吸引力に応じて前後方向に変位可能な可動域に比べて大きい請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記磁気吸引力が作用していない状態において、前記第2連結壁は、前記マグネット保持部との接続部分である第3接続部より後方に膨出する第2膨出部を有し、
前記第2連結壁のうち前記第3接続部から前記第2膨出部までの部分は、前記第2側壁に対して60度傾斜している請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項4】
前記第1連結壁、前記第2連結壁、及び前記第3連結壁の壁厚は、0.4mm以下である請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項5】
前記扉本体部は、前記後面から後方に突出し、前記閉状態において前記前面開口に挿入される枠状のリブを備え、
前記ドアパッキンは、前記リブを取り囲むように配置されており、
前記第1連結壁は、前記リブの外周壁に近接している請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項6】
前記第1連結壁は、前記第1連結壁と前記第3連結壁との間の空間に空気を流入させるための通気口を有し、
前記第1連結壁の前記当接壁との接続部分である第4接続部の壁厚は、前記当接壁の壁厚よりも小さい請求項5に記載の貯蔵庫。
【請求項7】
前記第1連結壁のうち前記外周壁に近接する部分は、前記外周壁に沿う形状をなしており、
前記ドアパッキンは、第1連結壁から突出して前記外周壁に接触するヒレ部を有する請求項5に記載の貯蔵庫。
【請求項8】
前記ドアパッキンは、前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁を有し、
隣り合う前記支持壁の間に位置する前記当接壁は、切り欠け部を有する請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項9】
前記ドアパッキンは、前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁を有し、
隣り合う前記支持壁の間に位置する前記介在壁は、切り欠け部を有する請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項10】
前記ドアパッキンは、
前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁と、
前記当接壁から前方に突出し、前記扉本体部のパッキン装着溝に取り付けられる取付脚と、を有し、
前記取付脚の壁部と前記当接壁との接続部分である第5接続部は、少なくとも一つの前記支持壁と前記当接壁との接続部分である第6接続部と略一致している請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項11】
前記第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁と、前記介在壁との接続部分である第7接続部は、前記第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁と、前記当接壁との接続部分である前記第6接続部に比べて、前記第2連結壁に近い位置に設けられている請求項10に記載の貯蔵庫。
【請求項12】
前記第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁は、前記第3連結壁に最も近い位置にある前記取付脚の前記壁部に比べて、前記第2連結壁に近い位置に設けられている請求項10に記載の貯蔵庫。
【請求項13】
前記取付脚の前記壁部は、前記取付脚の内部において前記当接壁から前方に突出する内部壁であり、
前記内部壁と前記当接壁との前記第5接続部は、前記第6接続部と略一致している請求項12に記載の貯蔵庫。
【請求項14】
前記ドアパッキンは、前記マグネット保持部の前壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する支持壁を備える請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵庫本体の開口を開閉する断熱扉は、開口縁部に密着するドアパッキンを備えることが知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のドアパッキンは、揺動ドア(断熱扉)に圧嵌装着されるシールベースと、本体ケース(貯蔵庫本体)のシール壁(開口縁部)に磁気吸着するマグネット部と、シールベースとマグネット部との間に設けられる外弾性壁、第1内弾性壁、および第2内弾性壁を備える。
【0003】
当該ドアパッキンは、マグネット部と開口縁部の磁気吸着作用で各弾性壁が伸張変形する状態において、外弾性壁が伸張限界まで変形するときの伸張量と、第1内弾性壁が伸張限界まで変形するときの伸張量とが等量化されていることを特徴としている。両伸張量の等量化によって、断熱扉が開口縁部に接近する時に、断熱扉のマグネット部が開口縁部に対して傾斜してしまう事態を抑制でき、マグネット部の開口縁部に対する飛びつき性能を向上できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、断熱箱体である貯蔵庫本体は一般に、内部に発泡断熱材が充填されて製造される。より詳しくは、貯蔵庫本体を構成する内箱と外箱との間に発泡ウレタン原液を注入して発泡させることで、発泡ウレタンフォーム(発泡断熱材)を充填させる。この発泡過程において、発泡圧力によって貯蔵庫本体の開口縁部の表面が傾斜してしまうことがある。その場合、特許文献1に記載のドアパッキンのように、外弾性壁の伸張量と、第1内弾性壁の伸張量とが等量化されていると、傾斜面を有する開口縁部との間に隙間が発生することがある。その結果、シール不良が生じて冷気漏れが発生し、冷却性能が低下してしまう。
【0006】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、ドアパッキンのシール不良をより確実に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術に関わる貯蔵庫は、前面開口を有する断熱箱体である貯蔵庫本体と、前記前面開口を開閉する扉と、を備え、前記扉は、断熱材を含む扉本体部と、前記扉本体部の後面に設けられ、前記扉本体部と、前記貯蔵庫本体の前記前面開口の開口縁部との間をシールするドアパッキンと、を備え、前記ドアパッキンは、マグネットが保持され、前記扉の閉状態において、前記開口縁部に密着するシール壁を有するマグネット保持部と、前記扉本体部の前記後面に当接する当接壁と、前記当接壁と前記マグネット保持部との間に介在する介在壁と、前記開口縁部と前記マグネットとの間の磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記マグネット保持部の第1側壁と前記当接壁とを連結する第1連結壁と、前記磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記マグネット保持部の前記第1側壁と対向する第2側壁と前記当接壁とを連結する第2連結壁と、前記磁気吸引力に応じて弾性変形し、前記第1側壁と前記介在壁とを連結する第3連結壁と、を有し、前記磁気吸引力が作用していない状態において、前記第3連結壁は、前記マグネット保持部との接続部分である第1接続部より後方、又は前記介在壁との接続部分である第2接続部より前方に膨出する第1膨出部を有する。
【0008】
このように第3連結壁を設けることで、第3連結壁と接続されるマグネット保持部の第1側壁を、第2連結壁と接続されるマグネット保持部の第2側壁に比べて、後方(貯蔵庫本体側)に変位しやすくできる。仮に開口縁部が傾斜面を有する場合、傾斜面によってマグネット保持部と開口縁部との距離が増大して隙間が発生しやすくなる部分に、マグネット保持部の第1側壁を配置することで、当該隙間を抑制できる。その結果、シール不良をより確実に抑制でき、冷気漏れが発生して冷却性能が低下してしまう事態を抑制できる。
【0009】
また、前記第1側壁が前記磁気吸引力に応じて前後方向に変位可能な可動域は、前記第2側壁が前記磁気吸引力に応じて前後方向に変位可能な可動域に比べて大きくてもよい。このようにすれば、第1側壁側の可動域を増大できる。
【0010】
また、前記磁気吸引力が作用していない状態において、前記第2連結壁は、前記マグネット保持部との接続部分である第3接続部より後方に膨出する第2膨出部を有し、前記第2連結壁のうち前記第3接続部から前記第2膨出部までの部分は、前記第2側壁に対して60度傾斜していてもよい。このようにすれば、限られたスペースにおいて第2連結壁の長さを大きくし、シール壁の第2側壁側の可動域を増大できる。
【0011】
また、前記第1連結壁、前記第2連結壁、及び前記第3連結壁の壁厚は、0.4mm以下であってもよい。このようにすれば、第1連結壁、第2連結壁、及び第3連結壁の柔軟性を増大し、マグネット保持部の第1側壁、及び第2側壁の可動域を増大できる。
【0012】
また、前記扉本体部は、前記後面から後方に突出し、前記閉状態において前記前面開口に挿入される枠状のリブを備え、前記ドアパッキンは、前記リブを取り囲むように配置されており、前記第1連結壁は、前記リブの外周壁に近接していてもよい。このようにすれば、第1連結壁の前後方向についての可動域を維持しつつ、前後方向と交わる幅方向についての第1連結壁の移動をリブの外周壁によって規制できる。第1連結壁と繋がっているマグネット保持部のシール壁の幅方向の移動を規制でき、シール壁と開口縁部との位置ズレを抑制できる。その結果、シール壁と開口縁部との密着面積を確保すると共に、マグネットと開口縁部との間の磁気吸引力が設計値からずれてしまい、シール不良となる事態を抑制できる。
【0013】
また、前記第1連結壁は、前記第1連結壁と前記第3連結壁との間の空間に空気を流入させるための通気口を有し、前記第1連結壁の前記当接壁との接続部分である第4接続部の壁厚は、前記当接壁の壁厚よりも小さくてもよい。通気口を設けることで、第1連結壁と第3連結壁との間の空間が空気で満たされ、これらの形状を設計通りに維持しやすくなるが、第1連結壁とリブの外周壁とが近接する場合、この通気口が塞がりやすくなる懸念がある。そこで、第1連結壁の当接壁との接続部(第4接続部)の壁厚を小さくすることで、通気口の近傍に隙間を形成し、通気口が塞がれてしまう事態を抑制できる。
【0014】
前記第1連結壁のうち前記外周壁に近接する部分は、前記外周壁に沿う形状をなしており、前記ドアパッキンは、第1連結壁から突出して前記外周壁に接触するヒレ部を有してもよい。第1連結壁の形状をリブの外周壁に沿うものとすることで、第1連結壁を外周壁に容易に近接できるようになる。一方で、これらが近接すると、第1連結壁と外周壁との隙間にゴミ等が溜まりやすくなる。そこでヒレ部を設けることで、当該隙間へのゴミの侵入を抑制できる。
【0015】
また前記ドアパッキンは、前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁を有し、隣り合う前記支持壁の間に位置する前記当接壁は、切り欠け部を有していてもよい。支持壁を設けると、介在壁を安定的に支持できる。またその場合に、当接壁に切り欠け部を設けることで、第2連結壁の前後方向の可動域を増大できる。
【0016】
また前記ドアパッキンは、前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁を有し、隣り合う前記支持壁の間に位置する前記介在壁は、切り欠け部を有していてもよい。支持壁を設けると、介在壁を安定的に支持できる。またその場合に、介在壁に切り欠け部を設けることで、第2連結壁の前後方向の可動域を増大できる。さらに当接壁に切り欠け部を設ける構成に比べて、切り欠け部からゴミが侵入する事態を抑制できる。
【0017】
また前記ドアパッキンは、前記当接壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する複数の支持壁と、前記当接壁から前方に突出し、前記扉本体部のパッキン装着溝に取り付けられる取付脚と、を有し、前記取付脚の壁部と前記当接壁との接続部分である第5接続部は、少なくとも一つの前記支持壁と前記当接壁との接続部分である第6接続部と略一致していてもよい。取付脚を設けると、ドアパッキンを扉本体部に対して容易に取り付けられる。また、第5接続部と、第6接続部とを略一致させることで、取付脚の壁部を補強し、取付脚の着脱を容易に行えるようになる。
【0018】
また第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁と、前記介在壁との接続部分である第7接続部は、前記第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁と、前記当接壁との接続部分である前記第6接続部に比べて、前記第2連結壁に近い位置に設けられていてもよい。このようにすれば、第3連結壁の長さを増大し、第3連結壁の柔軟性を向上できる。
【0019】
また前記第3連結壁に最も近い位置にある前記支持壁は、前記第3連結壁に最も近い位置にある前記取付脚の前記壁部に比べて、前記第2連結壁に近い位置に設けられていてもよい。このようにすれば、第3連結壁の長さを増大し、第3連結壁の柔軟性を向上できる。
【0020】
また前記取付脚の前記壁部は、前記取付脚の内部において前記当接壁から前方に突出する内部壁であり、前記内部壁と前記当接壁との前記第5接続部は、前記第6接続部と略一致していてもよい。内部壁と当接壁との第5接続部と、第6接続部とを略一致させることで、取付脚を補強し、取付脚の着脱を容易に行えるようになる。
【0021】
また前記ドアパッキンは、前記パッキン保持部の前壁と前記介在壁とを接続して、前記介在壁を支持する支持壁を備えていてもよい。支持壁によって介在壁を安定的に支持できる。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、ドアパッキンのシール不良をより確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図6】ドアパッキンが伸張していない状態を示す断面図
【
図7】マグネット保持部が介在壁に当接している状態を示す断面図
【
図8】ドアパッキンが伸張している状態を示す断面図
【
図9】扉が閉じられる際のドアパッキンと開口縁部との位置関係を示す断面図
【
図10】ドアパッキンの通気口付近を拡大した断面図
【
図11】実施形態2に係るドアパッキンを示す断面図
【
図12】実施形態3に係るドアパッキンを示す断面図
【
図13】実施形態4に係るドアパッキンを示す断面図
【
図14】実施形態5に係るドアパッキンを示す断面図
【
図15】実施形態6に係るドアパッキンを示す断面図
【
図17】実施形態7に係るドアパッキンを示す断面図
【
図18】他の実施形態(1)に係るドアパッキンを示す断面図
【
図19】他の実施形態(2)に係るドアパッキンを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
実施形態1に係る冷蔵庫10(貯蔵庫の一例)について
図1から
図10を参照して説明する。各図に示した符号F,B,L,R,U,Dはそれぞれ、冷蔵庫10の前後方向における前、後、正面から見たときの幅方向(左右方向)における左、右、鉛直方向(上下方向)の上、下を示している。
【0025】
冷蔵庫10は、
図1に示すように、縦長の略直方体状をなす貯蔵庫本体11と、複数(図では一例として4つ)の断熱性の扉15と、貯蔵庫本体11の上方に配置された機械室12と、を備える4ドア式の冷蔵庫である。貯蔵庫本体11は、4つの前面開口11Aが形成された断熱箱体であり、その内部は、食材等を貯蔵する貯蔵室14とされる。貯蔵庫本体11は、金属製(ステンレス鋼板等)の外箱と内箱との間の内部空間に発泡断熱材が充填された構造を有する。より詳しくは、貯蔵庫本体11は、当該内部空間に注入口11D(
図3参照)から発泡ウレタン原液を注入して発泡させることによって、発泡断熱材である発泡ウレタンフォームが充填されている。
【0026】
前面開口11Aは、貯蔵庫本体11に形成された一つの開口を横長状の第1フロントフレーム17Aによって上下に仕切り、縦長状の第2フロントフレーム17Bによって左右に仕切ることで4つ形成されている。従って、貯蔵庫本体11の前面開口11Aの開口縁部11B、17A、17Bは、貯蔵庫本体11の前面枠11Bと、第1フロントフレーム17Aと、第2フロントフレーム17Bによって構成されている。前面枠11Bは、4つの前面開口11A全体を取り囲むように矩形枠状をなしている。
【0027】
機械室12は、
図1に示すように、貯蔵庫本体11の上方に設けられている。機械室12には、冷却サイクルを構成する冷却装置が収容されている。冷却装置は、蒸発器や循環ファン等を備えて構成されている。冷却装置が稼働すると、蒸発器によって空気が冷却される。冷却された空気(冷気)は、循環ファンによって貯蔵室14内に循環供給され、これにより貯蔵室14内が冷却される。
【0028】
扉15は、
図1に示すように、貯蔵庫本体11の前面に、上下に1対ずつ設けられている。一対の扉15は、観音開き式に左右に対をなす2つの扉15A、15Bからなる。それぞれの扉15A、15Bは、前面開口11Aを前方から開閉するように、貯蔵庫本体11に取り付けられている。左側の扉15Aは、ヒンジ16Aによって左側縁が、右側の扉15Bは、ヒンジ16Bによって右側縁が、貯蔵庫本体11に取り付けられている。これにより、左側の扉15Aは左側縁に沿った回動軸周りに、右側の扉15Bは右側縁に沿った回動軸周りに、それぞれ回動可能に軸支されている。
【0029】
対をなす2つの扉15A、15Bは左右対称な形状をなしているものの、それ以外は同じ構成とされる。以降の説明では、主に右側の扉15Bの構成について説明する。扉15Bはおおまかには、
図2及び
図3に示すように、扉本体部30と、ドアパッキン20と、マグネット40と、を備える。
【0030】
扉本体部30は、扉15Bの大部分を占めており、対向する外装板31(ドアパネル)と内装板32(ドアパック)との間の内部空間に発泡樹脂(発泡ウレタンフォーム等)製の断熱材が充填された構造を有する。外装板31は、例えばステンレス鋼板等の金属で形成される。外装板31は、扉本体部30の前面(庫外側の面)、及び外周側面を構成している。内装板32は、例えば合成樹脂によって形成される。内装板32は、扉本体部30の後面32A(庫内側の面)の大部分を構成している。
【0031】
内装板32(扉本体部30の後面32A)には、
図2から
図4に示すように、その外周縁部に沿って矩形枠状のリブ32Bが形成されている。リブ32Bは後方(庫内側)に突出しており、扉15Bが閉じられると前面開口11A内に挿入される。リブ32Bは、庫内の冷気が後面32Aと貯蔵庫本体11の開口縁部11B、17A、17Bとの間から庫外に漏れることを抑制するために設けられている。また内装板32には、ドアパッキン20が装着されるパッキン装着溝32Cが形成されている。
【0032】
ドアパッキン20は、柔軟性を有する軟質樹脂製のシール部材であって、平面視において、扉本体部30のリブ32Bを取り囲むように、リブ32Bよりひと回り大きい矩形枠状をなしている。ドアパッキン20は、
図5に示す細長状の辺部が、扉本体部30のパッキン装着溝32Cに4つ取り付けられることで、全体として矩形枠状に組付けられる。ドアパッキン20はおおまかには、パッキン本体20Aと、取付脚20Bと、を有する。
【0033】
取付脚20Bは、
図3から
図5に示すように、パッキン本体20A(より詳しくは、後述する当接壁22)から前方に突出する断面矢じり状の突起である。取付脚20Bが内装板32のパッキン装着溝32Cに後方から嵌め込まれると、ドアパッキン20が扉本体部30に取り付けられる。取付脚20Bは、嵌め込み時の柔軟性を高めるために、中空状に形成されている。取付脚20Bは、当接壁22から前方に突出する2つの突出壁41A、41Bと、突出壁41A、41B間を接続する先端壁42と、を有する。
【0034】
パッキン本体20Aは、
図3から
図5に示すように、ドアパッキン20の大部分を占めており、取付脚20Bがパッキン装着溝32Cに嵌め込まれた状態において、後面32Aから突出している。パッキン本体20Aは、扉15Bの閉状態において、貯蔵庫本体11の開口縁部11B、17A、17Bに密着して、扉15Bと貯蔵庫本体11との間をシールする。パッキン本体20Aは、
図6に示すように、マグネット保持部21と、当接壁22と、介在壁23と、支持壁24と、第1連結壁25と、第2連結壁26と、第3連結壁27と、第1ヒレ部28と、第2ヒレ部29と、を有する。
【0035】
マグネット保持部21は、
図3から
図6示すように、角形の筒状をなす中空部であり、その内部空間に、角柱状のマグネット40を保持する。マグネット40は、扉15Bが閉じられる際に貯蔵庫本体11の開口縁部11B、17A、17Bに磁気的に吸引される。この磁気吸引力によって、マグネット保持部21は、金属材料からなる開口縁部11B、17A、17Bに吸着される。なお、開口縁部11B、17A、17Bには、磁気吸引力を増大するためのマグネットが配設されていても構わない。
【0036】
角形筒状のマグネット保持部21は、
図6に示すように、開口縁部11B、17A、17Bに密着するシール壁21Aと、シール壁21Aの両側部に連なる2つの側壁21B、21Cと、シール壁21Aと対向する前壁21Dと、を有する。2つの側壁21B、21Cは対向しており、一方が扉本体部30のリブ32B側の第1側壁21B(
図4では左側壁)であり、他方が扉本体部30の外周縁30A側の第2側壁21C(
図4では右側壁)である。
【0037】
当接壁22は、
図4及び
図6に示すように、扉本体部30の後面32Aに当接する壁部である。当接壁22は、平板状をなしている。当接壁22における扉本体部30の外周縁30A側の端部(
図4では右端部)からは、第2ヒレ部29が突出している。第2ヒレ部29は、扉本体部30の後面32Aに接触するように薄膜状に形成されている。第2ヒレ部29は、扉本体部30の外装板31と内装板32との接続部分を覆っている。
【0038】
介在壁23は、
図4及び
図6に示すように、当接壁22とマグネット保持部21の前壁21Dとの間に介在する壁部である。介在壁23は、当接壁22、及び前壁21Dに並行する平板状をなしている。支持壁24は、当接壁22と介在壁23とを接続して、介在壁23を支持する壁部である。支持壁24は、当接壁22と介在壁23とを接続するように前後方向に延在する平板状をなしている。
【0039】
本実施形態では、支持壁24は3つ設けられており、3つの支持壁は互いに平行である。3つの支持壁24は、第3連結壁27に近い順に符号を区別すると、
図6に示すように、支持壁24A、24B、24Cからなる。第3連結壁27寄りの2つの支持壁24A、24Bは、取付脚20Bの2つの突出壁41A、41Bの延長上に延在している。より詳しくは、突出壁41A、41Bと当接壁22との接続部分22C(第5接続部)は、支持壁24A、24Bと当接壁22との接続部分22D(第6接続部)と略一致している。第5接続部22Cと第6接続部22Dとを略一致させることで、取付脚20Bの突出壁41A、41Bを補強し、取付脚20Bの着脱を安定的に容易に行えるようになっている。
【0040】
介在壁23、及び支持壁24は、上記した取付脚20Bの補強だけでなく、
図7に示すように、マグネット保持部21が後方から押圧される場合に、マグネット保持部21を支持する土台としての役割も担っている。マグネット保持部21は、扉15Bの製造時に扉本体部30内に発泡断熱材を充填したり、取付脚20Bをパッキン装着溝32Cに嵌め込んだりする際に、後方から強く押圧される。押圧されると、マグネット保持部21の前壁21Dは介在壁23に当接し、マグネット保持部21は介在壁23、及び支持壁24によって支持されるようになっている。
【0041】
第1連結壁25は、
図4及び
図6に示すように、断面略U字状をなしており、その一端部25Aは第1側壁21Bと接続し、他端部25Bは当接壁22と接続している。より詳しくは第1連結壁25は、マグネット保持部21の第1側壁21Bの後端部と、当接壁22のリブ32B側の端部とを連結する壁部である。第1連結壁25は、リブ32Bの外周壁32B1に近接するように配置される。また第1連結壁25のうち外周壁32B1に近接する部分は、外周壁32B1に沿う形状をなしている。このように第1連結壁25を設けることで、第1連結壁25の幅方向(左右方向)の移動が規制され、シール壁21Aと、これと密着する開口縁部11B、17A、17Bとの幅方向の位置ずれを抑制できる。その結果、シール壁21Aの密着面積を確保できると共に、磁気吸引力が設計値からずれてシール不良となる事態を抑制できる。
【0042】
一方で、このように第1連結壁25を設けると、第1連結壁25と外周壁32B1との間は狭い隙間G1となるため、当該隙間G1にゴミ等が溜まりやすくなってしまう。そこで本実施形態では、
図4に示すように、第1ヒレ部28によって当該隙間を覆うことで、ゴミ等が侵入できないようになっている。第1ヒレ部28は、第1連結壁25から突出し、リブ32Bの外周壁32B1に接触するように薄膜状に形成されている。
【0043】
第2連結壁26は、
図4及び
図6に示すように、その一端部26Aが第2側壁21Cと接続し、他端部26Bが当接壁22と接続している。より詳しくは第2連結壁26は、マグネット保持部21の第2側壁21Cの前端部と、当接壁22における扉本体部30の外周縁側の端部とを連結する壁部である。
【0044】
第3連結壁27は、
図4及び
図6に示すように、第1連結壁25よりひと回り小さい大きさで、第1連結壁25の内側に断面略U字状に設けられている。第3連結壁27は、その一端部27Aが第1側壁21Bと接続し、他端部27Bが介在壁23と接続している。より詳しくは第3連結壁27は、マグネット保持部21の第1側壁21Bの前端部と、当接壁22のリブ32B側の端部とを連結する壁部である。
【0045】
上記した3つの連結壁25、26、27は、マグネット40と、開口縁部11B、17A、17Bとの間の磁気吸引力に応じて弾性変形する。3つの連結壁25、26、27は、
図8に示すように、磁気吸引力によって伸張する。このように3つの連結壁25、26、27が伸張することで、マグネット保持部21のシール壁21Aが開口縁部11B、17A、17Bに飛び付くように密着可能となり、ドアパッキン20のシール性を高めることができる。以下では、マグネット保持部21の変位量(可動域)に関する性能を、飛び付き性能と言うことがある。マグネット保持部21の可動域が増大すると、飛び付き性能は向上することとなる。3つの連結壁25、26、27は、柔軟性を向上し、ひいてはマグネット保持部21の可動域(飛び付き性能)を増大するために、壁厚が0.4mm以下の薄膜状であることが好ましい。
【0046】
第3連結壁27は、
図6に示すように、磁気吸引力が作用していない状態において、マグネット保持部21との接続部分である一端部27A(第1接続部)より後方に膨出する第1膨出部27Cを有する。また、第2連結壁26は、同状態において、マグネット保持部21との接続部分である一端部26A(第3接続部)より後方に膨出する第2膨出部26Cを有する。第2連結壁26のうち第3接続部26Aから第2膨出部26Cまでの部分は、第2側壁21Cに対する角度θが約60度傾斜している。このように第1膨出部27C、及び第2膨出部26Cを形成することで、限られた空間において第3連結壁27、第2連結壁26の長さを増大でき、マグネット保持部21の可動域(飛び付き性能)をより増大できる。
【0047】
ところで貯蔵庫本体11は、既述したように発泡ウレタンフォーム(発泡断熱材)を充填させて製造されている。このため開口縁部11Bの表面は、
図4及び
図8に示すように、発泡過程における発泡圧力に起因して傾斜することがある。磁気吸引力が作用していない状態において、開口縁部11Bの傾斜面11B1と、マグネット保持部21のシール壁21Aとの距離は、第1側壁21B側が大きく、第2側壁21C側が小さくなりやすい。また、開口縁部11Bの表面が傾斜していない場合であっても、扉15Bは、ヒンジ16Bが設けられている右側縁に沿った回動軸周りに揺動するため、
図9に示すように、開口縁部11Bとシール壁21Aとの距離は、扉15Bが閉じられる際には、第1側壁21B側が大きく、第2側壁21C側が小さくなる。
【0048】
そこで本実施形態では、第3連結壁27の他端部27Bを当接壁22ではなく、介在壁23に接続し、第3連結壁27に第1膨出部27Cを形成することで、
図6に示すように、シール壁21Aの第1側壁21B側の可動域L21Bを、第2側壁21C側の可動域L21Cより大きくできるようにしている。このようにすれば、開口縁部11Bとの距離が大きく隙間が発生しやすい第1側壁21B側の可動域を増大し、当該隙間を抑制しやすくなる。その結果、ドアパッキン20のシール不良を抑制でき、冷気漏れが発生して冷却性能が低下してしまう事態を抑制できる。
【0049】
また第1連結壁25、及び第3連結壁27にはそれぞれ、
図5及び
図10に示すように、これらを貫通して空気を流入させるための通気口25D、27Dが形成されている。通気口25Dによれば、第1連結壁25と第3連結壁27との間の空間S1にドアパッキン20の外部から空気が流入するようになる。また、通気口27Dによれば、さらに空間S1から第3連結壁27の内側の空間S2に空気が流入するようになる。その結果、パッキン本体20Aの形状、及び柔軟性を設計通りに維持できるようになる。
【0050】
ところで既述したように、第1連結壁25がリブ32Bの外周壁32B1に近接配置されている場合、第1連結壁25の通気口25Dは塞がりやすくなる懸念がある。そこで本実施形態では、
図10に示すように、第1連結壁25の当接壁22との接続部分である他端部25B(第4接続部)の壁厚T25Bを、当接壁22の壁厚T22より小さくしている。これにより、通気口25Dの近傍に所定の隙間G1を確保し、通気口25Dが塞がれてしまう事態を抑制できる。
【0051】
<実施形態2>
実施形態2に係るドアパッキン120について、
図11を参照して説明する。ドアパッキン120は、支持壁124が実施形態1と異なる。実施形態1と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0052】
支持壁124のうち、第3連結壁27に最も近い支持壁124Aは、他の支持壁24B、24Cと平行でなく傾斜している。支持壁124Aと介在壁23との接続部分23C(第7接続部)は、支持壁124Aと当接壁22との接続部分である第6接続部22Dに比べて、第2連結壁26に近い位置に設けられている。このようにすれば、実施形態1に比べて第3連結壁27の長さを増大し、第3連結壁27の柔軟性を向上できる。その結果、第3連結壁27は、磁気吸引力によって後方に変位しやすくなり、シール壁21Aの第1側壁21B側の可動域をより増大できる。
【0053】
<実施形態3>
実施形態3に係るドアパッキン220について、
図12を参照して説明する。ドアパッキン220は、取付脚220B及び支持壁224及びが実施形態1と異なる。実施形態1から2と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0054】
取付脚220Bは、その中空内部に内部壁41Cを有する。内部壁41は、突出壁41A、41Bの間において、これらと平行に設けられ、当接壁22から前方に突出している。また支持壁224のうち、第3連結壁27に最も近い支持壁224Aは、内部壁41Cの延長上に延在する。支持壁224Aは、取付脚220Bの壁部のうち第3連結壁27に最も近い突出壁41Aに比べて、第2連結壁26に近い位置に設けられている。支持壁224Aは、その他の支持壁24B、24Cと平行である。支持壁224Aと当接壁22との接続部分である第6接続部22Dは、内部壁41Cと当接壁22との接続部分である第5接続部22Cと略一致している。
【0055】
このようにすれば、実施形態1に比べて第3連結壁27の長さを増大し、第3連結壁27の柔軟性を向上できる。その結果、第3連結壁27は、磁気吸引力によって後方に変位しやすくなり、シール壁21Aの第1側壁21B側の可動域をより増大できる。また支持壁224Aは、実施形態2の支持壁124Aと異なり傾斜しておらず、他の支持壁24B、24Cと平行である。その場合であっても、取付脚220Bに内部壁41Cを設けることで、第6接続部22Dと第5接続部22Cとを略一致させることができる。これにより、取付脚220Bを補強し、取付脚220Bの着脱を安定的に容易に行える。
【0056】
<実施形態4>
実施形態4に係るドアパッキン320について、
図13を参照して説明する。ドアパッキン320は、当接壁322に切り欠け部322Cが設けられている点、及び支持壁324の数が実施形態1と異なる。実施形態1から3と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0057】
支持壁324は、実施形態1と同様の支持壁24A、24B、24Cに加えて、2つの支持壁24B、24Cの間に、もう一つの支持壁24Dが形成されている。また当接壁322は、隣り合う2つの支持壁24C、24Dの間に、切り欠け部322Cを有する。このようにすれば、切り欠け部322Cと対向する介在壁23は、一点鎖線で図示するように後方に曲がりやすくなる。その結果、第2連結壁26の当接壁322と接続する他端部26Bは、磁気吸引力によって後方に変位しやすくなり、シール壁21Aの第2側壁21C側の可動域をより増大できる。
【0058】
<実施形態5>
実施形態5に係るドアパッキン420について、
図14を参照して説明する。ドアパッキン420は、介在壁423に切り欠け部423Cが設けられている点が実施形態4と異なる。実施形態1から4と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0059】
介在壁423は、隣り合う2つの支持壁24C、24Dの間に、切り欠け部423Cを有する。このようにすれば、切り欠け部423Cと対向する当接壁22は、一点鎖線で図示するように後方に曲がりやすくなる。その結果、第2連結壁26の当接壁22と接続する他端部26Bは、磁気吸引力によって変位しやすくなり、シール壁21Aの第2側壁21C側の可動域をより増大できる。また、実施形態4のように当接壁に切り欠け部322Cを形成する場合に比べて、切り欠け部423Cを通じて外部からゴミ等が侵入する事態を抑制できる。
【0060】
<実施形態6>
実施形態6に係るドアパッキン520について、
図15から
図16を参照して説明する。ドアパッキン520は、介在壁523、及び支持壁524が実施形態5と異なる。実施形態1から5と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0061】
介在壁523の一部、及び支持壁524C、524Dは、マグネット保持部21の前壁21Dに設けられている。
【0062】
<実施形態7>
実施形態7に係るドアパッキン620について、
図17を参照して説明する。ドアパッキン620は、第3連結壁627の第1膨出部627Cが実施形態1と異なる。実施形態1から6と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
【0063】
第3連結壁627は、
図17に示すように、磁気吸引力が作用していない状態において、介在壁23との接続部分である一端部27B(第2接続部)より前方に膨出する第1膨出部627Cを有する。第1膨出部627Cを形成することで、限られた空間において第3連結壁627の長さを増大でき、マグネット保持部21の飛び付き性能を向上できる。すなわち、第1膨出部627Cは、実施形態1に係る第1膨出部27Cのように後方に膨出せずに、本実施形態のように前方に膨出していてもよい。さらに、実施形態1のように後方に膨出する第1膨出部27C、及び本実施形態のように前方に膨出する第1膨出部627Cの両方が形成されていても構わない。
【0064】
<他の実施形態>
本技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本技術の技術的範囲に含まれる。また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
【0065】
(1)第3連結壁27、627の形状は図示に限られず、例えば
図18に示すように、複数の湾曲部を含む蛇行状をなしていても構わない。また、第3連結壁27の一端部27Aは、シール壁21Aの第1側壁21Bの前端部以外(
図18に示すように、第1側壁21Bの前後方向における中央部等)と接続されていてもよい。このようにすれば、第3連結壁27の長さを容易に増大でき、第1側壁21B側の可動域を増大できる。
【0066】
(2)介在壁23、及び支持壁24は、実施形態6のようにそれらの一部ではなく、全部がマグネット保持部21の前壁21Dに設けられていても構わない(
図19及び
図20参照)。
【符号の説明】
【0067】
10:冷蔵庫(貯蔵庫)、11:貯蔵庫本体、11A:前面開口、11B:前面枠(開口縁部)、11B1:傾斜面、15、15A、15B:扉、17A,17B:フロントフレーム(開口縁部)、20、120、220、320、420、520、620:ドアパッキン、20A:パッキン本体、20B、220B:取付脚、21:マグネット保持部、21A:シール壁、21B:第1側壁、21C:第2側壁、22、322:当接壁、22C:第5接続部、22D:第6接続部、23、423、523:介在壁、23C:第7接続部、24、24A、24B、24C、24D、124、124A、324、524:支持壁、25:第1連結壁、25B:第4接続部、25D:通気口、26:第2連結壁、26A:第3接続部、26C:第2膨出部、27、627:第3連結壁、27A:第1接続部、27B:第2接続部、27C、627C:第1膨出部、28:ヒレ部、30:扉本体部、32A:後面、32B:リブ、32B1:外周壁、40:マグネット、322C、423C:切り欠け部