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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047791
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ロータおよび回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/276 20220101AFI20240401BHJP
【FI】
H02K1/276
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153478
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】南 香夏子
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622AA03
5H622CA02
5H622CA07
5H622CA10
5H622CA14
5H622CB03
5H622CB05
5H622DD01
5H622DD02
5H622PP10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な構成で効率を高めることが可能なロータおよび回転電機を提供する。
【解決手段】中心軸Jを中心として軸方向に延びる複数のマグネット孔31a、31bおよび複数の収容部33が設けられるロータコア20と、マグネット孔31a、31bに配置されるマグネット41a、41bを有する複数の磁極部70と、収容部33に配置され、弾性変形に伴い比透磁率が変化する磁歪部50と、を備える。1つの磁極部70は、2個のマグネット41a、41bを有する。2個のマグネット41a、41bは、周方向に互いに間隔を空けて配置され、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びる。磁歪部50は、2個のマグネット41a、41bの径方向外側で磁極部70におけるd軸上に配置され、周方向に延びる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として軸方向に延びる複数のマグネット孔および複数の収容部が設けられるロータコアと、
前記マグネット孔に配置されるマグネットを有する複数の磁極部と、
前記収容部に配置され、弾性変形に伴い比透磁率が変化する磁歪部と、を備え、
1つの前記磁極部は、2個のマグネットを有し、
前記2個のマグネットは、周方向に互いに間隔を空けて配置され、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延び、
前記磁歪部は、前記2個のマグネットの径方向外側で前記磁極部におけるd軸上に配置され、周方向に延びる、
ロータ。
【請求項2】
前記2個のマグネット同士がなす角度は、50°以上60°以下である、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記磁歪部の周方向両端部は、前記2個のマグネットの径方向外側の端部同士の間の領域よりも周方向外側に位置する、
請求項1に記載のロータ。
【請求項4】
前記磁歪部の周方向両端部は、前記2個のマグネットの周方向外側の端部同士の間の領域よりも周方向内側に位置する、
請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記磁歪部の周方向両端部と前記収容部の内側面との間には、それぞれ隙間が設けられる、
請求項1に記載のロータ。
【請求項6】
前記磁歪部は、前記ロータコアの回転に伴う遠心力で周方向に弾性変形する、
請求項1に記載のロータ。
【請求項7】
前記d軸に対して、前記2個のマグネットおよび前記磁歪部は線対称に配置される、
請求項1に記載のロータ。
【請求項8】
前記マグネット孔の内側面と前記マグネットにおける径方向内側の側面との間には、隙間が設けられる、
請求項1に記載のロータ。
【請求項9】
前記磁歪部は、周方向に湾曲して延びる、
請求項1に記載のロータ。
【請求項10】
前記磁歪部は、前記ロータコアの外周から前記ロータコアの直径の0%以上、10%以内に配置される、
請求項9に記載のロータ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のロータと、
前記ロータに対向するステータと、
を備える、回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータおよび回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用トラクションモータは、低速大トルクから高速回転高出力まで幅広い動作が要求されるため、全ての動作領域において効率を高めることは困難である。近年、運転中の動作点に応じてモータの有効磁束を可変することができる「可変界磁技術」が注目されている。
【0003】
特許文献1には、隣接する磁石挿入孔間にあけた複数のフラックスバリア内にそれぞれ配置され、隣接する永久磁石の一方の第1極から他方の第2極への磁束の通路を有する磁束短絡部材を含み、磁束短絡部材の少なくとも一部が超磁歪材料から成るロータコアが開示されている。特許文献1に記載されたロータコアにおいては、ロータが高速で回転するとき、低速で回転するときよりも超磁歪材料の透磁率を向上させて短絡磁束を増加させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-343842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モータの平均効率を考慮すると、ロータが高速で回転するときには、ロータの径方向の透磁率を小さくして磁石磁束を低減させることが好ましいが、特許文献1に記載されたロータコアにおいては、ロータが高速で回転するときに透磁率を大きくしている。そのため、モータの平均効率およびシステム効率の向上には効果が小さい。また、特許文献1に記載されたロータコアでは、透磁率を変化させるために、ウエートおよび圧縮バネを設けており、大型化およびコスト増を生じさせる。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、簡単な構成で効率を高めることが可能なロータおよび回転電機を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロータの一つの態様は、中心軸を中心として軸方向に延びる複数のマグネット孔および複数の収容部が設けられるロータコアと、前記マグネット孔に配置されるマグネットを有する複数の磁極部と、前記収容部に配置され、弾性変形に伴い比透磁率が変化する磁歪部と、を備える。1つの前記磁極部は、2個のマグネットを有する。前記2個のマグネットは、周方向に互いに間隔を空けて配置され、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びる。前記磁歪部は、前記2個のマグネットの径方向外側で前記磁極部におけるd軸上に配置され、周方向に延びる。
【0008】
本発明の回転電機の一つの態様は、上記のロータと、前記ロータに対向するステータと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、ロータおよび回転電機において簡単な構成で効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態のロータを有する回転電機を示す断面図である。
図2図2は、一実施形態のロータを有する回転電機の一部を示す断面図であって、図1におけるII-II断面図である。
図3図3は、一実施形態のロータの磁極部およびステータコアの一部を示す断面図である。
図4図4は、一実施形態のロータにおいて、第1角度を変化させた場合の可変界磁幅、およびトルクのシミュレーション結果を表すグラフである。
図5図5は、図4と比較して磁歪部の厚さを2倍にしたロータにおいて、第1角度を変化させた場合の可変界磁幅、およびトルクのシミュレーション結果を表すグラフである。
図6図6は、図4と比較して磁歪部の厚さを3倍にしたロータにおいて、第1角度を変化させた場合の可変界磁幅、およびトルクのシミュレーション結果を表すグラフである。
図7図7は、一実施形態のロータにおいて、第2角度を変化させた場合の可変界磁幅を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るロータおよび回転電機について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0012】
各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を「上側」とし、負の側を「下側」とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図に適宜示す矢印θは、周方向を示している。矢印θは、上側から見て中心軸Jを中心として時計回りの向きを向いている。以下の説明では、或る対象を基準として周方向のうち矢印θが向かう側、すなわち上側から見て時計回りに進む側を「周方向一方側」と呼び、或る対象を基準として周方向のうち矢印θが向かう側と逆側、すなわち上側から見て反時計回りに進む側を「周方向他方側」と呼ぶ。
【0013】
なお、上下方向、上側、および下側とは、単に各部の配置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0014】
[回転電機]
図1は、本実施形態の回転電機1を示す断面図である。本実施形態の回転電機1は、インナーロータ型の回転電機である。本実施形態において回転電機1は、三相交流式の回転電機である。回転電機1は、例えば、三相交流の電源が供給されることで駆動される三相モータである。回転電機1は、ハウジング2と、ロータ10と、ステータ60と、ベアリングホルダ4と、ベアリング5a,5bと、を備える。
【0015】
ハウジング2は、ロータ10、ステータ60、ベアリングホルダ4、およびベアリング5a,5bを内部に収容している。ハウジング2の底部は、ベアリング5bを保持している。ベアリングホルダ4は、ベアリング5aを保持している。ベアリング5a,5bは、例えば、ボールベアリングである。
【0016】
ステータ60は、ロータ10の径方向外側に位置する。ステータ60は、ステータコア61と、インシュレータ64と、複数のコイル65と、を有する。ステータコア61は、コアバック62と、複数のティース63と、を有する。コアバック62は、後述するロータコア20の径方向外側に位置する。なお、以下の図2から図3においては、コイル65の図示を省略している。図2から図3においては、インシュレータ64の図示を省略している。
【0017】
図2は、図1におけるII-II線に沿う回転電機1の断面図である。
コアバック62は、ロータコア20を囲む環状である。コアバック62は、中心軸Jを中心とする円環状である。
【0018】
複数のティース63は、コアバック62から径方向内側に延びている。複数のティース63は、周方向に間隔を空けて並んで配置されている。複数のティース63は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態において、ティース63は、48個設けられている。つまり、本実施形態の回転電機1のスロット67の数は、48である。図3に示すように、複数のティース63は、基部と、アンブレラ部と、をそれぞれ有する。
【0019】
ティース63の基部は、コアバック62から径方向内側に延びている。基部の周方向の寸法は、径方向の全体に亘って同じである。なお、基部の周方向の寸法は、径方向内側に向かうに従って小さくなっていてもよい。
【0020】
ティース63のアンブレラ部は、基部の径方向内側の端部に設けられている。アンブレラ部は、基部よりも周方向の両側に突出している。アンブレラ部の周方向の寸法は、基部の径方向内側の端部における周方向の寸法よりも大きい。アンブレラ部の径方向内側の面は、周方向に沿った曲面である。アンブレラ部の径方向内側の面は、軸方向に見て、中心軸Jを中心とする円弧状に延びている。アンブレラ部の径方向内側の面は、後述するロータコア20の外周面と径方向に隙間を介して対向している。周方向に隣り合うティース63同士において、アンブレラ部同士は、周方向に隙間を介して並んで配置されている。
【0021】
複数のコイル65は、ステータコア61に取り付けられている。図1に示すように、複数のコイル65は、インシュレータ64を介してティース63に取り付けられている。本実施形態においてコイル65は、分布巻きされている。つまり、各コイル65は、複数のティース63に跨って巻き回されている。本実施形態においてコイル65は、全節巻きされている。つまり、コイル65が差し込まれるステータ60のスロット同士の周方向ピッチが、ステータ60に三相交流電源が供給された際に生じる磁極の周方向ピッチと等しい。本実施形態の回転電機1の極数は、8である。つまり、本実施形態の回転電機1は、8極48スロットの回転電機である。このように、本実施形態の回転電機1においては、極数をNとしたとき、スロット数がN×6となる。
【0022】
[ロータ]
ロータ10は、中心軸Jを中心として回転可能である。図2に示すように、ロータ10は、シャフト11と、ロータコア20と、複数のマグネット40と、複数の磁歪部50とを有する。シャフト11は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。図1に示すように、シャフト11は、ベアリング5a,5bによって中心軸J回りに回転可能に支持されている。
【0023】
ロータコア20は、磁性体である。ロータコア20は、シャフト11の外周面に固定されている。ロータコア20は、ロータコア20を軸方向に貫通する貫通孔21を有する。図2に示すように、貫通孔21は、軸方向に見て、中心軸Jを中心とする円形状である。貫通孔21には、シャフト11が通されている。シャフト11は、圧入等により、貫通孔21内に固定されている。図示は省略するが、ロータコア20は、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されている。
【0024】
ロータコア20は、複数のマグネット孔30と、複数の収容部33と、を有する。複数のマグネット孔30は、ロータコア20を軸方向に貫通している。複数のマグネット孔30の内部には、それぞれ1つのマグネット40がそれぞれ収容されている。マグネット孔30内におけるマグネット40の固定方法は、特に限定されない。複数のマグネット孔30は、一対のマグネット孔31a,31bを一組として、複数組に分類される。ロータコア20に設けられるマグネット孔30の組数は、ロータ10の極数と一致する。したがって、ロータコア20には、一対のマグネット孔31a、31bを一組とするマグネット孔30の組が8組設けられる。マグネット孔30の各組同士は、周方向に間隔を空けて配置される。
【0025】
複数のマグネット40の種類は、特に限定されない。マグネット40は、例えば、ネオジム磁石であってもよいし、フェライト磁石であってもよい。複数のマグネット40は、一対のマグネット41a,41bを一組として、複数組に分類される。一対のマグネット41a,41bは、1つの極を構成する。したがって、マグネット40の組数は、ロータ10の極数(本実施形態では8)と一致する。本実施形態のロータ10の極数は、8である。したがって、本実施形態のロータコア20には、一対のマグネット孔31a、31bを一組とするマグネット孔30の組が8組設けられる。マグネット孔30の各組同士は、周方向に間隔をあけて配置される。
【0026】
ロータ10は、一対のマグネット孔31a,31bと一対のマグネット41a,41bとを1組ずつ含む磁極部70を複数有する。本実施形態のロータ10には、8個の磁極部70が設けられる。複数の磁極部70は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。複数の磁極部70は、ロータコア20の外周面における磁極がN極の磁極部70Nと、ロータコア20の外周面における磁極がS極の磁極部70Sと、を複数(本実施形態では4個)ずつ含む。磁極部70Nと4つの磁極部70Sとは、周方向に沿って交互に配置されている。各磁極部70の構成は、ロータコア20の外周面の磁極が異なる点および周方向位置が異なる点を除いて、同様の構成である。
【0027】
図3は、ロータ10の磁極部およびステータコアの一部を示す断面図である。
磁極部70において、一対のマグネット孔31a,31bは、周方向に互いに間隔を空けて配置されている。一方のマグネット孔31aは、他方のマグネット孔31bの周方向一方側(+θ側)に位置する。一対のマグネット孔31a,31bは、軸方向に見て、径方向に対して斜めに傾いた方向に略直線状に延びている。一対のマグネット孔31a,31bは、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びている。つまり、一方のマグネット孔31aと他方のマグネット孔31bとの間の周方向の距離は、径方向内側から径方向外側に向かうに従って大きくなっている。一方のマグネット孔31aは、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、周方向一方側に位置する。他方のマグネット孔31bは、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、周方向他方側(-θ側)に位置する。一対のマグネット孔31a,31bの径方向外側の端部は、ロータコア20の径方向外周縁部に位置する。
【0028】
一方のマグネット孔31aと他方のマグネット孔31bとは、軸方向に見て、d軸を構成する図3に示す磁極中心線IL1を周方向に挟んで配置されている。磁極中心線IL1は、磁極部70の周方向中心と中心軸Jとを通り、径方向に延びる仮想線である。一方のマグネット孔31aと他方のマグネット孔31bとは、軸方向に見て、磁極中心線IL1に対して線対称に配置されている。
【0029】
本実施形態において、マグネット孔31a、31bは、長方形状である。しかしながら、マグネット孔30は、径方向内側の端部、および径方向外側の端部に位置するフラックスバリアを有していてもよい。この場合フラックスバリアは、マグネット孔31a、31bの両端部を、マグネット孔31a、31bの長さ方向に拡大させるように設けられる。フラックスバリアは、磁束の流れを抑制できる部分である。フラックスバリアは、磁束の流れを抑制できるならば、特に限定されず、空隙部を含んでもよいし、樹脂部等が充填されていてもよい。
【0030】
一対のマグネット41a,41bは、一対のマグネット孔31a,31bの内部にそれぞれ収容されている。より具体的には、一方のマグネット41aは、一方のマグネット孔31aの内部に収容され、他方のマグネット41bは、他方のマグネット孔31bの内部に収容されている。一対のマグネット41a,41bは、例えば、軸方向に見て長方形状である。一対のマグネット41a,41bが延びる方向の長さは同じである。一対のマグネット41a,41bが延びる方向と直交する方向のマグネット41a,41bの長さは同じである。
【0031】
マグネット41a,41bは、例えば、直方体状である。マグネット41a,41bは、マグネット孔31a,31b内の軸方向の略全体に亘って設けられている。一対のマグネット41a,41bは、周方向に互いに間隔を空けて配置されている。一方のマグネット41aは、他方のマグネット41bの周方向一方側(+θ側)に位置する。
【0032】
一方のマグネット41aは、軸方向に見て一方のマグネット孔31aに沿って延びている。他方のマグネット41bは、軸方向に見て他方のマグネット孔31bに沿って延びている。一対のマグネット41a,41bは、軸方向に見て、径方向に対して斜めに傾いた方向に略直線状に延びている。一対のマグネット41a,41bは、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びている。つまり、一方のマグネット41aと他方のマグネット41bとの間の周方向の距離は、径方向内側から径方向外側に向かうに従って大きくなっている。
【0033】
一方のマグネット41aは、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、周方向一方側(+θ側)に位置する。他方のマグネット41bは、径方向内側から径方向外側に向かうに従って、周方向他方側(-θ側)に位置する。一方のマグネット41aと他方のマグネット41bとは、軸方向に見て、磁極中心線IL1を周方向に挟んで配置されている。一方のマグネット41aと他方のマグネット41bとは、軸方向に見て、d軸(磁極中心線IL1)に対して線対称に配置されている。
【0034】
ここで、2個のマグネット41a、41b同士がなす角度を第1角度αとする。第1角度は、一方のマグネット41aの径方向外側を向く面と、他方のマグネット41bの径方向外側を向く面と、がなす角度である。本実施形態において、第1角度αは、50°以上60°以下であることが好ましい。第1角度αを50°以上60°以下とすることで、ロータ10の可変界磁幅を大きし、回転速度に応じた効率的な駆動を可能とする回転電機1を提供できる。第1角度αを変化させたシミュレーション結果については、図4図6を基に後段において説明する。
【0035】
2個のマグネット41a、41bは、それぞれマグネット孔31a、31b内に収容される。マグネット孔31a、31bの内側面とマグネット41a、41bにおける径方向内側の側面との間には、隙間S1が設けられる。マグネット孔31a、31bは、組み立て工程におけるマグネット41a、41bの挿入のし易さを加味して、マグネット41a、41bの寸法よりも大きくされる。マグネット41a、41bの径方向内側の側面とマグネット孔31a、31bの内側面との間に隙間S1が設けられることで、ロータ10が回転したときの遠心力が付与される場合においても、マグネット41a、41bの径方向外側の側面をマグネット孔31a、41bの内側面に確実に接触させることができる。これにより、マグネット41bの磁束を、マグネット41bの径方向外側を向く面からロータコア20内に円滑に侵入させることができる。
【0036】
ロータコア20における磁極部70は、一対のマグネット41a,41bの径方向外側に位置する第1領域20Aと、径方向内側に位置する第2領域20Bとに分けられる。第1領域20Aは、径方向内側に向かうにつれて周方向の幅が狭まる。第1領域20Aと第2領域20Bとは、一対のマグネット孔31a、31bを境界として区画される。第1領域20Aは、ロータ10が回転したときの遠心力によって第1領域20Aよりも径方向外側の箇所を押すことになる。第1領域20Aと第2領域20Bとは、一対のマグネット孔31a,31bにおける径方向内側の端部の間に位置する第3領域20Cで繋がっている。
【0037】
一対のマグネット41a、41bの磁極は、軸方向に見てマグネット41a、41bが延びる方向と直交する方向に沿って配置されている。一方のマグネット41aの磁極のうち径方向外側に位置する磁極と、他方のマグネット41bの磁極のうち径方向外側に位置する磁極とは、互いに同じである。
【0038】
図3に示すように、磁極部70Nにおいて、一方のマグネット41aの径方向外側に位置する磁極と、他方のマグネット41bの径方向外側に位置する磁極とは、N極である。また、図示は省略するが、磁極部70Sにおいては、磁極部70Nに対して、各マグネット40の磁極が反転して配置されている。つまり、磁極部70Sにおいて、一方のマグネット41aの径方向外側に位置する磁極と他方のマグネット41bの径方向外側に位置する磁極とは、S極である。
【0039】
複数の収容部33は、複数のマグネット孔30よりも径方向外側に配置されている。収容部33は、周方向に円弧状に湾曲して延びている。軸方向に見て収容部33は、d軸(磁極中心線IL1)に対して線対称に配置されている。収容部33は、磁極部70のそれぞれに配置されている。周方向で隣り合う磁極部70において収容部33は、離れて配置されている。複数の収容部33は、ロータコア20を軸方向に貫通している。なお、収容部33は、マグネット孔31aと繋がっていてもよい。この場合、ロータ10が回転したときの遠心力によって磁歪部50により大きな負荷を加えることができる。
【0040】
複数の収容部33の内部には、複数の磁歪部50がそれぞれ収容されている。複数の磁歪部50は、軸方向に見て磁極部70の径方向外側で収容部33に配置されている。また、磁歪部50の周方向両端と収容部33の内側面との間には、それぞれ隙間33a、33bが設けられる。隙間33a、33bは、周方向に並ぶ磁極部70同士の間に位置する。収容部33内における収容部33の固定方法は、特に限定されない。
【0041】
磁歪部50は、マグネット40の径方向外側で磁極部70における磁極中心線IL1上に配置されている。磁歪部50は、周方向に円弧状に湾曲して延びている。すなわち、磁歪部50は、2個のマグネット41a、41bの径方向外側で磁極部70におけるd軸上に配置され、周方向に延びる。湾曲する磁歪部50の曲率中心は、中心軸Jである。
【0042】
磁歪部50は、周方向でマグネット40が配置される範囲に亘る寸法で設けられている。磁歪部50は、弾性変形に伴い比透磁率が変化する素材を含む。磁歪部50は、例えば、Si量が少ない電磁鋼板で作製されている。磁歪部50の素材は、一例として、パーメンジュールである。磁歪部50は、長手方向である周方向が磁化容易軸であり、長手方向と直交する径方向が困難軸である。従って、磁歪部50は、引張応力が作用しないときに対して、周方向を引張方向とする引張応力下では周方向の比透磁率が大きくなり、径方向の比透磁率が小さくなる。
【0043】
磁歪部50がマグネット40の径方向外側に配置されることで、ロータ10が高速回転したときに、磁歪部50は、ロータコア20における第1領域20A、およびマグネット41a,41bの遠心力によって径方向外側に向かう圧縮応力が付与される。これにより、磁歪部50は、径方向において圧縮され径方向寸法が小さくなり、周方向の両側に広がって周方向寸法を大きくする。すなわち、磁歪部50は、周方向に弾性変形する。磁歪部50は、周方向に弾性変形することで引張応力が発生する。本実施形態において、磁歪部50の周方向両端部50a、50bと収容部33の内側面との間には、それぞれ隙間33a、33bが設けられる。磁歪部50の周方向の弾性変形量は、隙間33a、33bの周方向の長さよりも短い。このため、磁歪部50は、収容部33において制約されることなく弾性変形する。磁歪部50に引張応力が印加されることで周方向の比透磁率を大きくできるとともに、径方向の比透磁率を小さくできる。これにより、大きな可変界磁幅と最大トルクが得られる。
【0044】
ロータ10が低速回転する場合、磁歪部50に生じる引張応力は極めて小さい。一方で、ロータ10が高速回転すると、磁歪部50には大きな引張応力が生じて、これに伴い磁歪部50における径方向の比透磁率が大幅(例えば1/10以下)に低減する。本実施形態によれば、ロータコア20が低速回転した際のマグネット磁束は、磁歪部50を通過してほぼステータ60に流れて鎖交する。一方で、ロータコア20が高速回転した際には、コイル65の励磁電流が低下するのでマグネット磁束の一部がロータコア20におけるバイパス路に漏洩するとともに、マグネット磁束は磁歪部50を優先的に通過してステータ60への鎖交磁束が低下する。ロータ10の回転速度と磁歪部50の引張応力は比例関係にあるため、界磁のためのエネルギー投入をすることなく回転速度に応じてステータ60に鎖交するマグネット磁束を受動的に可変できる。
【0045】
磁歪部50は、磁極中心線IL1に対して線対称に配置されている。磁歪部50が磁極中心線IL1に対して線対称に配置されていることで、磁歪部50にバランス良く引張応力を印加して径方向の比透磁率を小さくできる。ロータコア20が第1領域20Aと第2領域20Bとを有し、第1領域20Aが径方向内側に向かうにつれて周方向の幅が狭まることで、ロータ10が高速回転したときに、第1領域20Aが磁歪部50を遠心力で押しやすくなる。これにより、磁歪部50に引張応力を印加しやすくなる。第1領域20Aと第2領域20Bとが、マグネット孔31a、31bで境界が作られていることで、ロータ10が高速回転したときに、第1領域20Aが磁歪部50を遠心力で押しやすくなる。これにより、磁歪部50に引張応力を印加しやすくなる。
【0046】
磁歪部50は、ロータコア20の外周からロータコア20の直径の0%以上、10%以内に配置されている。磁歪部50は、径方向外側が露出していてもよい。磁歪部50の径方向外側が露出する場合、収容部33はロータコア20の外周面から径方向内側に窪んだ凹部で構成される。磁歪部50がロータコア20の外周からロータコア20の直径の0%以上、10%以内に配置されることで、マグネット40をロータコア20の外周に近い位置に配置できるため、高トルク化を実現できる。
【0047】
上記構成によれば、ロータコア20が高速回転したときの遠心力により、磁歪部50に引張応力が印加され径方向の比透磁率を変化させるため、比透磁率を変化させるための機器を別途設ける必要がなくなり、小型化およびコスト低減に寄与できる。上記構成によれば、既存のロータ10に対して磁歪部50を設けることで、容易に可変界磁機能を付加することが可能になる。
【0048】
本実施形態のロータ10において、各磁極部70は、2個のマグネット41a、41bを有する。また、2個のマグネット41a、41bは、周方向に互いに間隔を空けて配置され、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びる。すなわち、本実施形態の磁極部70には、2個のマグネット41a、41bのみが設けられ、これらがV型に配置される。各磁極部70が、このような構成を有する場合に、磁極部が1個のマグネットのみを有する場合や、三角形状(∇型)に3個以上のマグネットを配置する場合と比較して、比透磁率の可変界磁幅を大きくしつつ高トルクを実現し易い。このことについて、以下図4図6を用いて説明する。
【0049】
図4は、上述の実施形態のロータ10において、第1角度αを変化させた場合の可変界磁幅、およびトルクを表すグラフである。なお、図4では、磁歪部50の厚さをdとした場合のシミュレーション結果である。
図5は、図4と同様のグラフであるが、磁歪部50の厚さを2d(図4の場合の2倍)とした場合のシミュレーション結果である。
図6は、図4および図5と同様のグラフであるが、磁歪部50の厚さを3d(図4の場合の3倍)とした場合のシミュレーション結果である。
【0050】
図4図6の何れのグラフにおいても、第1角度αを変化させてもロータ10のトルクに大きな変化がみられない。一方で、図4図6のグラフを比較すると、何れの場合においても第1角度αが50°以上60°以下の範囲で可変界磁幅のピークを迎えることがわかる。
【0051】
このことから、本実施形態のロータ10では、第1角度αによらず、ロータ10のトルクを安定させることができることがわかる。さらに、第1角度αを特定の範囲内(50°以上60°以下)とすることで、可変界磁幅を高めることができる。本実施形態のロータ10によれば、第1角度αに対し、トルクと可変界磁幅とが背反関係とはなっておらず、第1角度αを適切に設計することで、トルクおよび可変界磁幅を適切に高めた回転電機1を提供できる。
【0052】
本実施形態によれば、2個のマグネット41a、41b同士がなす角度(第1角度α)を、50°以上60°以下とすることで、トルクの低下を抑制しつつ可変界磁幅を大きくすることができる。また、ロータ10の可変界磁幅を大きくすることで、低速回転時および高速回転時のそれぞれにおいて磁歪部50の比透磁率を大きく変化させることができ、それぞれの回転速度においてロータの回転効率を高め、回転電機1消費電力を抑制できる。
【0053】
本実施形態において、磁歪部50の周方向両端部50a、50bは、2個のマグネット41a、41bの径方向外側の端部41aa、41ba同士の間の領域よりも周方向外側に位置する。すなわち、磁歪部50の周方向一方側(+θ側)の端部50aは、一方のマグネット41aの径方向外側の端部41aaよりも周方向一方側(+θ側)に位置する。また、磁歪部50の周方向他方側(-θ側)の端部50bは、他方のマグネット41bの径方向外側の端部41baよりも周方向他方側(-θ側)に位置する。本実施形態によれば、一対のマグネット41a、41bの径方向外側を向く端面から出た磁束の大部分が磁歪部50を通過し易くなる。これにより、ロータ10は、磁歪部50の変形に伴う比透磁率の変化による影響を享受し易くなり、可変界磁幅を大きくできる。加えて、磁歪部50の全体が第1領域20Aの径方向外側に配置されるため、遠心力が磁歪部50に付与されやすくなり、磁歪部50を十分に弾性変形さえ磁歪部50の比透磁率を変化させやすくなる。
【0054】
本実施形態において、磁歪部50の周方向両端部50a、50bは、2個のマグネット41a、41bの周方向外側の端部41ab、41bb同士の間の領域よりも周方向内側に位置する。すなわち、磁歪部50の周方向一方側(+θ側)の端部50aは、一方のマグネット41aの周方向外側の端部41abよりも周方向他方側(-θ側)に位置する。また、磁歪部50の周方向他方側(-θ側)の端部50bは、他方のマグネット41bの周方向外側の端部41bbよりも周方向一方側(+θ側)に位置する。磁極部70において、2個のマグネット41a、41bの周方向外側の端部41ab、41bb同士の間の領域よりも周方向外側に通過する磁束密度は十分に低い。このため、磁歪部50を、2個のマグネット41a、41bの周方向外側の端部41ab、41bb同士の間の領域よりも周方向外側まで延ばしても、回転速度に応じたロータ10の特性変化に寄与し難い。本実施形態によれば、磁歪部50を2個のマグネット41a、41bの周方向外側の端部41ab、41bb同士の間の領域よりも周方向内側に配置することで、磁歪部50の材料費を抑制しつつ回転速度に応じてロータ10の特性を変化させることができる。
【0055】
ここで、中心軸Jを中心として、磁歪部の周方向両端部50a、50bがなす角度を第2角度βとする。同様に、中心軸Jを中心として、2個のマグネット41a、41bの径方向外側の端部41aa、41ba同士がなす角度を第1基準角度A1とし、周方向外側の端部41ab、41bb同士がなす角度を第2基準角度A2とする。
【0056】
本実施形態において、磁歪部50は、磁極中心線IL1に対して線対称に配置される。このため、第2角度βが、第1基準角度A1よりも大きい場合に、磁歪部50の周方向両端部50a、50bは、2個のマグネット41a、41bの径方向外側の端部41aa、41ba同士の間の領域よりも周方向外側に位置する。また、第2角度βが、第2基準角度A2以下である場合に、磁歪部50の周方向両端部50a、50bは、2個のマグネット41a、41bの周方向外側の端部41ab、41bb同士の間の領域よりも周方向内側に位置する。本実施形態の磁歪部50の周方向両端部50a、50bは、上述の関係(A1<β<A2)を満たしており、これにより上述の効果を得ることができる。
【0057】
図7は、上述の実施形態のロータ10において、第2角度βを変化させた場合の可変界磁幅を表すグラフである。図7に示すように、本実施形態のロータ10では、第2角度βが20°付近で可変界磁幅のピークを迎えることがわかる。なお、図3中に参考として磁極中心線IL1に線対称となるように中心軸Jを中心の20°の線を描画した。図7に示すシミュレーション結果からも、第2角度βを第1基準角度A1以上とすることの優位性が確認された。また図7に示すシミュレーション結果から、第2角度βを20°を超えて大きくしても可変界磁幅の改善は見られないことがわかる。このことから、第2角度βを第2基準角度A2より小さくして材料費を節約しても、可変界磁幅を十分に大きくできることが確認された。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0059】
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。この場合、回転電機は、三相交流式の発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、例えば、車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。回転電機の極数およびスロット数は、特に限定されない。回転電機においてコイルはどのような巻き方で構成されていてもよい。以上、本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0060】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸を中心として軸方向に延びる複数のマグネット孔および複数の収容部が設けられるロータコアと、 前記マグネット孔に配置されるマグネットを有する複数の磁極部と、前記収容部に配置され、弾性変形に伴い比透磁率が変化する磁歪部と、を備え、1つの前記磁極部は、2個のマグネットを有し、前記2個のマグネットは、周方向に互いに間隔を空けて配置され、軸方向に見て径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延び、前記磁歪部は、前記2個のマグネットの径方向外側で前記磁極部におけるd軸上に配置され、周方向に延びる、ロータ。
(2) 前記2個のマグネット同士がなす角度は、50°以上60°以下である、(1)に記載のロータ。
(3) 前記磁歪部の周方向両端部は、前記2個のマグネットの径方向外側の端部同士の間の領域よりも周方向外側に位置する、(1)又は(2)に記載のロータ。
(4) 前記磁歪部の周方向両端部は、前記2個のマグネットの周方向外側の端部同士の間の領域よりも周方向内側に位置する、(3)に記載のロータ。
(5) 前記磁歪部の周方向両端部と前記収容部の内側面との間には、それぞれ隙間が設けられる、(1)~(4)の何れか一項に記載のロータ。
(6) 前記磁歪部は、前記ロータコアの回転に伴う遠心力で周方向に弾性変形する、(1)~(5)の何れか一項に記載のロータ。
(7) 前記d軸に対して、前記2個のマグネットおよび前記磁歪部は線対称に配置される、(1)~(6)の何れか一項に記載のロータ。
(8) 前記マグネット孔の内側面と前記マグネットにおける径方向内側の側面との間には、隙間が設けられる、(1)~(7)の何れか一項に記載のロータ。
(9) 前記磁歪部は、周方向に湾曲して延びる、(1)~(8)の何れか一項に記載のロータ。
(10) 前記磁歪部は、前記ロータコアの外周から前記ロータコアの直径の0%以上、10%以内に配置される、(9)に記載のロータ。
(11) (1)~(10)の何れか一項に記載のロータと、前記ロータに対向するステータと、を備える、回転電機。
【符号の説明】
【0061】
1…回転電機、10…ロータ、20…ロータコア、30,31a,31b…マグネット孔、33…収容部、33a,33b,S1…隙間、40,41a,41b…マグネット、41aa,41ab,41ba,41bb,50a,50b…端部、50…磁歪部、60…ステータ、70,70N,70S…磁極部、J…中心軸、α…第1角度、β…第2角度、A1…第1基準角度、A2…第2基準角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7