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特開2024-47798出力バッファ回路、チャージポンプ装置、表示駆動装置及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047798
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】出力バッファ回路、チャージポンプ装置、表示駆動装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240401BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240401BHJP
   G09G 3/3208 20160101ALI20240401BHJP
   G09G 3/3275 20160101ALI20240401BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240401BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H03K19/0175 220
G09G3/36
G09G3/3208
G09G3/3275
G09G3/20 623B
G09G3/20 612D
G09G3/20 611F
G09G3/20 621F
H03K19/0185
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153491
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土 弘
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C380
5J056
【Fターム(参考)】
5C006AF71
5C006BB11
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC20
5C006BF14
5C006BF26
5C006BF27
5C006BF31
5C006BF36
5C006BF37
5C006BF42
5C006BF46
5C006FA14
5C006FA31
5C006FA43
5C006FA47
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD08
5C080DD12
5C080DD22
5C080DD26
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C380AA01
5C380AB04
5C380AB18
5C380BA01
5C380BA08
5C380BA13
5C380BC20
5C380CA01
5C380CA12
5C380CA17
5C380CB01
5C380CB26
5C380CE01
5C380CE19
5C380CF22
5C380CF23
5C380CF32
5C380CF37
5C380CF41
5C380CF43
5C380CF46
5C380CF61
5J056AA05
5J056BB02
5J056BB19
5J056BB25
5J056BB57
5J056CC09
5J056CC29
5J056DD13
5J056DD29
5J056DD51
5J056DD55
5J056FF08
5J056KK01
(57)【要約】
【目的】消費電力及びノイズの発生を抑制すると共に、回路面積の低減及び高速応答化を図ることが可能な出力バッファ回路、チャージポンプ装置、表示駆動装置及び表示装置を提供する。
【構成】入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する第1のトランジスタと、入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を第2ノードに供給する第2のトランジスタと、第1ノード上の信号の逆位相の信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する第3のトランジスタと、第2ノード上の信号の逆位相の信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する第4のトランジスタと、第1ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を出力端子に供給する第5のトランジスタと、第2ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を出力端子に供給する第6のトランジスタと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子で受けた入力信号と同位相の出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、
前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する第1導電型の第1のトランジスタと、
前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を第2ノードに供給する第2導電型の第2のトランジスタと、
前記第1ノード上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第1導電型の第3のトランジスタと、
前記第2ノード上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1ノード上の信号を自身の制御端子で受け、前記第1ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に前記第1の電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第5のトランジスタと、
前記第2ノード上の信号を自身の制御端子で受け、前記第2ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に前記第2の電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第6のトランジスタと、を有することを特徴とする出力バッファ回路。
【請求項2】
入力端子で受けた入力信号と逆位相の出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、
前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する第1導電型の第1のトランジスタと、
前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に接地電圧を第2ノードに供給する第2導電型の第2のトランジスタと、
前記第1ノード上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第1導電型の第3のトランジスタと、
前記第2ノード上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第2逆位相信号を自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1の電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第5のトランジスタと、
前記第1逆位相信号を自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第2の電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第6のトランジスタと、を有することを特徴とする出力バッファ回路。
【請求項3】
前記第1ノード上の信号を受け、前記第1ノード上の信号の位相を反転させた信号を前記第1逆位相信号として生成する第1のインバータと、
前記第2ノード上の信号を受け、前記第2ノード上の信号の位相を反転させた信号を前記第2逆位相信号として生成する第2のインバータと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の出力バッファ回路。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の出力バッファ回路と、
前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を有することを特徴とするチャージポンプ装置。
【請求項5】
映像信号に基づき、複数の表示セルが配置されている表示パネルを駆動する信号群を生成する表示駆動装置であって、
請求項1又は2に記載の出力バッファ回路と、
前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて、前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を含み、前記電圧差が拡幅された電圧に基づき前記信号群を生成するための電源電圧を生成する電源部を有することを特徴とする表示駆動装置。
【請求項6】
複数の表示セルが配置されている表示パネルと、映像信号に基づき前記表示パネルを駆動する信号群を生成する表示駆動装置と、を有する表示装置であって、
前記表示駆動装置は、
請求項1又は2に記載の出力バッファ回路と、
前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて、前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を含み、前記電圧差が拡幅された電圧に基づき前記信号群を生成するための電源電圧を生成する電源部を有することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を駆動する出力バッファ回路、チャージポンプ装置、表示駆動装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示パネルにて、映像信号に基づく映像を表示する表示装置には、この表示パネルを駆動する為の各種の信号を生成し、当該表示パネルに供給する表示駆動装置が含まれている。
【0003】
このような表示駆動装置には、システムから供給された少なくとも2つの外部電源電圧に基づき、この2つの外部電源電圧の一方を基準として、他方の外部電源電圧との電圧差を拡大することで、上記した各種の信号を生成する為の電源電圧を生成するチャージポンプ回路と、このチャージポンプ回路を駆動する駆動回路が設けられている。
【0004】
チャージポンプ回路は、例えば容量素子を含み、駆動回路から供給された駆動信号に応じて、この容量素子の一端を上記2つの外部電源電圧による充電動作と放電動作とを交互に切り替えることで、2つの外部電源電圧の他方を昇圧又は降圧した所望の電圧値を有する電源電圧を生成する。
【0005】
駆動回路は、例えば昇圧した電源電圧を生成する場合、チャージポンプ回路で生成された電源電圧に追随する検知電圧が所定の参照電圧以下である場合には、入力されたクロックCLK信号のCLK周期に基づき、容量素子の充電動作及び放電動作の切り替えを促す2値の信号を生成する一方、当該検知電圧が所定の参照電圧より高い場合には、容量素子の充電動作/放電動作の切り替えを停止させる1値の信号を生成する。そして、駆動回路は、自身に含まれる出力バッファによって当該2値信号を増幅したものを上記駆動信号としてチャージポンプ回路に供給する。
【0006】
ところで、出力バッファは、上記した2値信号を夫々のゲート端で受け、且つ夫々のドレイン端同士が出力ノードに接続されているPチャネルMOS(metal oxide semiconductor)型のトランジスタ及びNチャネルMOS型のトランジスタから構成される。かかる構成により、出力バッファは、両トランジスタを上記した2値信号によって相補的にオン状態に設定することで、出力ノードから上記した駆動信号を出力する。
【0007】
しかしながら、このようなチャージポンプ回路を駆動する出力バッファは、チャージポンプ回路の電流駆動能力を決定する容量素子の容量値が大きく、当該容量素子の一端を駆動する出力バッファの両トランジスタのサイズも大きい。それゆえに、両トランジスタのうちの一方のトランジスタがオフ状態からオン状態へ切り替わるタイミングに対して、他方のトランジスタがオン状態からオフ状態へ切り替わるタイミングが遅れると、一時的に両トランジスタが同時にオン状態となり、両者の間で大きな貫通電流が流れてしまう。これにより、消費電力の増加や電源ノイズの発生を招くという問題が生じる。
【0008】
そこで、出力バッファの前段に、両トランジスタの同時オンを防止するように、夫々のオン(オフ)状態からオフ(オン)状態への切替タイミングを調整するタイミング調整部20を設けたバッファ回路が提案されている(例えば、特許文献1の図1参照)。かかるバッファ回路に含まれるタイミング調整部20は、夫々の出力端が他方の1入力端に接続されているOR回路21及びAND回路22から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001-217706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1に記載のタイミング調整部20を構成するOR回路21及びAND回路22は、夫々が6個のトランジスタからなる。なおOR回路21及びAND回路22を構成する各トランジスタは、サイズの大きい出力バッファの両トランジスタを高速にオン、オフ動作させることができる比較的大きなサイズで構成されている。
【0011】
よって、タイミング調整部20によると、出力バッファ回路の2つのトランジスタ間に流れる貫通電流を阻止する為に、合計12個のトランジスタが必要となり、出力バッファの回路面積が大きくなるという問題があった。
【0012】
そこで、本願発明は、貫通電流に伴う消費電力及びノイズの発生を抑制すると共に、回路面積の低減及び高速応答化を図ることが可能な出力バッファ回路、半導体装置、表示ドライバ及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る出力バッファ回路は、入力端子で受けた入力信号と同位相の出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する第1導電型の第1のトランジスタと、前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を第2ノードに供給する第2導電型の第2のトランジスタと、前記第1ノード上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第1導電型の第3のトランジスタと、前記第2ノード上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第2導電型の第4のトランジスタと、前記第1ノード上の信号を自身の制御端子で受け、前記第1ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に前記第1の電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第5のトランジスタと、前記第2ノード上の信号を自身の制御端子で受け、前記第2ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に前記第2の電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第6のトランジスタと、を有する。
【0014】
また、本発明に係る出力バッファ回路は、入力端子で受けた入力信号と逆位相の出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する第1導電型の第1のトランジスタと、前記入力信号を自身の制御端子で受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を第2ノードに供給する第2導電型の第2のトランジスタと、前記第1ノード上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第1導電型の第3のトランジスタと、前記第2ノード上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1ノード及び前記第2ノード間を接続する第2導電型の第4のトランジスタと、前記第2逆位相信号を自身の制御端子で受け、前記第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第1の電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第5のトランジスタと、前記第1逆位相信号を自身の制御端子で受け、前記第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に前記第2の電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第6のトランジスタと、を有する。
【0015】
本発明に係るチャージポンプ装置は、上記した出力バッファ回路と、前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて、前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を有する。
【0016】
本発明に係る表示駆動装置は、映像信号に基づき、複数の表示セルが配置されている表示パネルを駆動する信号群を生成する表示駆動装置であって、上記した出力バッファ回路と、前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて、前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を含み、前記電圧差が拡幅された電圧に基づき前記信号群を生成するための電源電圧を生成する電源部を有する。
【0017】
本発明に係る表示装置は、複数の表示セルが配置されている表示パネルと、映像信号に基づき前記表示パネルを駆動する信号群を生成する表示駆動装置と、を有する表示装置であって、前記表示駆動装置は、上記した出力バッファ回路と、前記出力バッファ回路から出力された前記出力信号を駆動信号として受け、前記駆動信号に応じて、前記第1及び前記第2の電源電圧のうちの一方を基準として前記第1及び前記第2の電源電圧の電圧差が拡幅された電圧を生成するチャージポンプ回路と、を含み、前記電圧差が拡幅された電圧に基づき前記信号群を生成するための電源電圧を生成する電源部を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る出力バッファ回路は、自身の制御端子で受けた信号に基づきオン状態となった場合に第1の電源電圧を出力端子に供給するトランジスタと、自身の制御端子で受けた信号に基づきオン状態となった場合に第2の電源電圧を出力端子に供給するトランジスタと、の間に流れる貫通電流を、以下の8個のトランジスタで阻止している。
【0019】
すなわち、第1のトランジスタは、入力信号を自身の制御端子で受け、当該入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を第1ノードに供給する。第2のトランジスタは、入力信号を自身の制御端子で受け、当該入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を第2ノードに供給する。第3のトランジスタは、2つのトランジスタからなる第1のインバータによって第1ノード上の信号の位相を反転させた第1逆位相信号を自身の制御端子で受け、この第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。第4のトランジスタは、2つのトランジスタからなる第2のインバータによって第2ノード上の信号の位相を反転させた第2逆位相信号を自身の制御端子で受け、この第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。
【0020】
よって、貫通電流を防止する為に12個のトランジスタが必要となる特許文献1に記載の構成に比べて、回路面積を低減させることができる。
【0021】
更に、本発明によれば、非反転バッファ及び反転バッファのいずれを実現する場合にも入力端子の後段に2つのインバータを介在させることなく、且つその入力容量を第1及び第2のトランジスタ各々の制御端子だけにすることができるので、高速応答化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】出力バッファ回路100の構成を示す回路図である。
図2】出力バッファ回路100の内部動作を表すタイムチャートである。
図3】出力バッファ回路100の変形例としての出力バッファ回路100Aの構成を示す回路図である。
図4】チャージポンプ装置200の構成を示すブロック図である。
図5】チャージポンプ回路220の構成を示す回路図である。
図6】チャージポンプ装置200Aの構成を示すブロック図である。
図7】表示装置300の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0023】
図1は、本発明に係る出力バッファ回路の一例としての出力バッファ回路100の構成を示す回路図である。
【0024】
出力バッファ回路100は、2つの電源電圧間に設けられ、入力端子TIで受けた2値(論理レベル0又は1)の入力信号Siの位相を維持した信号の電流を増幅した出力信号Soを生成し、これを出力端子TOを介して出力する、いわゆる非反転バッファである。尚、入力信号Siにおける論理レベル1の実際の信号レベルは例えば電源電圧VDDであり、論理レベル0の信号レベルは例えば接地電圧VSSである。
【0025】
出力バッファ回路100は、例えば半導体装置としての半導体ICチップに形成されており、タイミング調整部10及び出力部11を有する。
【0026】
タイミング調整部10は、Pチャネル型のトランジスタQ11及びQ13、Nチャネル型のトランジスタQ12及びQ14、インバータ17及び18から構成される。
【0027】
タイミング調整部10では、入力端子TIが、トランジスタQ11及びQ12各々のゲートに接続されている。トランジスタQ11のソースには電源電圧VDDが印加されており、そのドレインは、ノードn11を介してトランジスタQ13のソース、トランジスタQ14のドレイン及びインバータ17の入力端に接続されている。トランジスタQ12のソースには接地電圧VSSが印加されており、そのドレインは、ノードn12を介してトランジスタQ13のドレイン、トランジスタQ14のソース及びインバータ18の入力端に接続されている。
【0028】
更に、タイミング調整部10では、トランジスタQ13のゲートがインバータ17の出力端に接続されており、トランジスタQ14のゲートがインバータ18の出力端に接続されている。
【0029】
出力部11は、Pチャネル型のトランジスタQ15及びNチャネル型のトランジスタQ16を含む。
【0030】
出力部11では、トランジスタQ15のゲートがノードn11に接続されており、トランジスタQ16のゲートがノードn12に接続されている。トランジスタQ15のソースには電源電圧VDDが印加されており、トランジスタQ16のソースには接地電圧VSSが印加されている。トランジスタQ15及びQ16各々のドレインは出力端子TOに接続されている。
【0031】
次に、出力バッファ回路100の内部動作について説明する。
【0032】
図2は、論理レベル0(接地電圧VSS)の状態から論理レベル1(電源電圧VDD)の状態に遷移し、再び論理レベル0の状態に戻る入力信号Siを受けた場合における出力バッファ回路100の内部動作を示すタイムチャートである。尚、以降、電源電圧VDDの状態を論理レベル1と表記し、接地電圧VSSの状態を論理レベル0と表記する。
【0033】
先ず、論理レベル0の入力信号Siに応じて、図2に示すようにトランジスタQ11がオン、トランジスタQ12がオフの状態になる。これにより、トランジスタQ11を介して、論理レベル1の信号がノードn11に供給される。
【0034】
すると、インバータ17は、ノードn11に供給された論理レベル1の信号の位相を反転させた論理レベル0の信号をトランジスタQ13のゲートに供給する。
【0035】
これにより、トランジスタQ13がオン状態となり、ノードn11に供給された論理レベル1の信号を、当該トランジスタQ13を介してノードn12に供給する。すると、インバータ18が、ノードn12に供給された論理レベル1の信号の位相を反転させた論理レベル0の信号をトランジスタQ14のゲートに供給することで、図2に示すようにトランジスタQ14をオフ状態にする。
【0036】
その結果、ノードn11に供給された論理レベル1の信号に応じて、出力部11のトランジスタQ15がオフ状態、ノードn12に供給された論理レベル1の信号に応じて出力部11のトランジスタQ16がオン状態となる。
【0037】
よって、入力信号Siが論理レベル0の状態にある間は、トランジスタQ16を介して接地電圧VSSが出力端子TOに印加され、図2に示すように、論理レベル0を表す出力信号Soが出力端子TOを介して出力される。
【0038】
その後、図2に示すように、入力信号Siが論理レベル0から1の状態に遷移すると、トランジスタQ11がオフ、トランジスタQ12がオンの状態に切り替わる。
【0039】
トランジスタQ12がオン状態に切り替わると、論理レベル0の信号が当該トランジスタQ12及びノードn12を介して、インバータ18及びトランジスタQ16のゲートに供給される。これにより、図2に示すように、先ず、トランジスタQ16がオン状態からオフ状態に切り替わり、その後、インバータ18の素子遅延の経過後にトランジスタQ14がオフ状態からオン状態に切り替わる。トランジスタQ14がオン状態に切り替わると、ノードn12に供給された論理レベル0の信号がトランジスタQ14及びノードn11を介して、インバータ17及びトランジスタQ15のゲートに供給される。
【0040】
その結果、トランジスタQ15がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、インバータ17の素子遅延の経過後にトランジスタQ13がオン状態からオフ状態に切り替わる。
【0041】
よって、入力信号Siが論理レベル0から1に遷移すると、トランジスタQ15を介して電源電圧VDDが出力端子TOに印加され、図2に示すように論理レベル1を表す出力信号Soが出力端子TOを介して出力される。
【0042】
その後、図2に示すように、入力信号Siが論理レベル1から0の状態に遷移すると、トランジスタQ11がオフ状態からオン状態に切り替わると共に、トランジスタQ12がオン状態からオフ状態に切り替わる。トランジスタQ11がオンの状態に切り替わると、論理レベル1の信号が当該トランジスタQ11及びノードn11を介して、インバータ17及びトランジスタQ15のゲートに供給される。
【0043】
これにより、先ず、トランジスタQ15がオン状態からオフ状態に切り替わり、その後、インバータ17の素子遅延の経過後にトランジスタQ13がオフ状態からオン状態に切り替わる。トランジスタQ13がオン状態に切り替わると、ノードn11に供給された論理レベル1の信号がトランジスタQ13及びノードn12を介して、インバータ18及びトランジスタQ16のゲートに供給される。
【0044】
その結果、図2に示すように、先ず、トランジスタQ16がオフ状態からオン状態に切り替わり、その後、インバータ18の素子遅延の経過後にトランジスタQ14がオン状態からオフ状態に切り替わる。
【0045】
よって、入力信号Siが論理レベル1から0に遷移すると、トランジスタQ16を介して接地電圧VSSが出力端子TOに印加され、図2に示すように論理レベル0を表す出力信号Soが出力端子TOを介して出力される。
【0046】
以上、詳述したように、タイミング調整部10によれば、入力信号Siの論理レベル0から1への遷移に応じて、図2に示すように、出力部11のトランジスタQ16がオン状態からオフ状態に遷移してから、期間Twを経た後に、出力部11のトランジスタQ15がオフ状態からオン状態に遷移する。また、入力信号Siの論理レベル1から0への遷移に応じて、図2に示すように、出力部11のトランジスタQ15がオン状態からオフ状態に遷移してから、期間Twを経た後に、出力部11のトランジスタQ16がオフ状態からオン状態に遷移する。
【0047】
よって、タイミング調整部10によれば、トランジスタQ15及びQ16が共にオフ状態となる期間Twを挟んで、トランジスタQ15及びQ16が相補的にオフ(オン)状態からオン(オフ)状態に切り替わるので、両トランジスタの同時オンが回避される。これにより、トランジスタQ15及びQ16間に流れる貫通電流が阻止され、貫通電流に伴う消費電力の増加及びノイズの発生が抑制される。
【0048】
また、タイミング調整部10は、インバータ17及び18による4個のトランジスタと、トランジスタQ11~Q14との合計8個のトランジスタにより、出力部11のトランジスタQ15及びQ16間に流れる貫通電流を防止している。よって、特許文献1に記載のタイミング調整部のように、上記した貫通電流を防止するために12個のトランジスタが必要となるものに比べて回路面積を抑えることが可能となる。
【0049】
更に、出力バッファ回路100では、特許文献1の図1に記載されている出力バッファ回路10と比べ、入力端子TIや出力部11の入力端(トランジスタQ15、Q16の各ゲート)に接続されているトランジスタ数が削減され、寄生容量が削減されているので高速応答が可能となる。
【0050】
要するに、出力バッファ回路100では、入力端子TIで受けた入力信号Siと同位相の出力信号Soを出力端子TOから出力するにあたり、以下の第1~第6のトランジスタを含む構成を採用することで、貫通電流に伴う消費電力の増加及びノイズ発生を抑制すると共に、回路面積の低減及び高速応答化を図るのである。
【0051】
すなわち、第1のトランジスタ(Q11)は、入力信号(Si)を自身の制御端子(ゲート)で受け、この入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧(VDD)を第1ノード(n11)に供給する。第2のトランジスタ(Q12)は、入力信号(Si)を自身の制御端子(ゲート)で受け、この入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧(VSS)を第2ノード(n12)に供給する。第3のトランジスタ(Q13)は、第1ノード(n11)上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子(ゲート)で受け、第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。第4のトランジスタ(Q14)は、第2ノード(n12)上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子(ゲート)で受け、第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。第5のトランジスタ(Q15)は、第1ノード(n11)上の信号を自身の制御端子(ゲート)で受け、第1ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧(VDD)を出力端子(To)に供給する。第6のトランジスタ(Q16)は、第2ノード(n12)上の信号を自身の制御端子(ゲート)で受け、第2ノード上の信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧(VSS)を出力端子(To)に供給する。
【実施例0052】
図3は、出力バッファ回路100の変形例としての出力バッファ回路100Aの構成を示す回路図である。
【0053】
出力バッファ回路100Aは、2つの電源電圧間に設けられ、入力端子TIで受けた2値(論理レベル0又は1)の入力信号Siの位相を反転させ信号の電流を増幅した出力信号Soを生成し、これを出力端子TOを介して出力する、いわゆる反転バッファである。尚、入力信号Siにおける論理レベル1の実際の信号レベルは例えば電源電圧VDDであり、論理レベル0信号レベルは例えば接地電圧VSSである。
【0054】
出力バッファ回路100Aは、例えば半導体装置としての半導体ICチップに形成されており、タイミング調整部10A及び出力部11Aを有する。
【0055】
タイミング調整部10Aは、Pチャネル型のトランジスタQ21及びQ23、Nチャネル型のトランジスタQ22及びQ24、インバータ27及び28から構成される。
【0056】
タイミング調整部10Aでは、入力端子TIが、トランジスタQ21及びQ22各々のゲートに接続されている。トランジスタQ21のソースには電源電圧VDDが印加されており、そのドレインは、ノードn21を介してトランジスタQ23のソース、トランジスタQ24のドレイン及びインバータ27の入力端に接続されている。トランジスタQ22のソースには接地電圧VSSが印加されており、そのドレインは、ノードn22を介してトランジスタQ23のドレイン、トランジスタQ24のソース及びインバータ28の入力端に接続されている。
【0057】
更に、タイミング調整部10Aでは、インバータ27の出力端が、出力部11AのNチャネルMOS型のトランジスタQ26及びトランジスタQ23各々のゲートに接続されており、インバータ28の出力端が、出力部11AのPチャネルMOS型のトランジスタQ25及びトランジスタQ24各々のゲートに接続されている。
【0058】
出力部11Aは、上記したトランジスタQ25及びQ26を含む。
【0059】
出力部11Aでは、トランジスタQ25のソースには電源電圧VDDが印加されており、トランジスタQ26のソースには接地電圧VSSが印加されている。トランジスタQ25及びQ26各々のドレインは出力端子TOに接続されている。
【0060】
図3に示す構成からなる出力バッファ回路100Aによれば、論理レベル0、1及び0の順に信号レベルが遷移する入力信号Siに応じて、その位相を反転させた信号、つまり論理レベル1、0及び1の順に信号レベルが遷移する出力信号Soが出力される。
【0061】
この際、タイミング調整部10Aによれば、入力信号Siの論理レベル0から1への遷移に応じて、出力部11AのトランジスタQ25がオン状態からオフ状態に遷移してから、図2に示すような期間Twを経た後に、出力部11AのトランジスタQ26がオフ状態からオン状態に遷移する。また、入力信号Siの論理レベル1から0への遷移に応じて、出力部11AのトランジスタQ26がオン状態からオフ状態に遷移してから、図2に示すような期間Twを経た後に、出力部11AのトランジスタQ25がオフ状態からオン状態に遷移する。
【0062】
よって、タイミング調整部10Aによれば、トランジスタQ25及びQ26が共にオフ状態となる期間を挟んで、トランジスタQ25及びQ26が相補的にオフ(オン)状態からオン(オフ)状態に切り替わるので、両トランジスタの同時オンが回避される。これにより、トランジスタQ25及びQ26間に流れる貫通電流が阻止され、貫通電流に伴う消費電力の増加及びノイズの発生が抑制される。
【0063】
また、タイミング調整部10Aは、インバータ27及び28による4個のトランジスタと、トランジスタQ21~Q24との合計8個のトランジスタにより、出力部11AのトランジスタQ25及びQ26間に流れる貫通電流を防止している。よって、特許文献1に記載のタイミング調整部のように、上記した貫通電流を防止するために12個のトランジスタが必要となるものに比べて回路面積を抑えることが可能となる。
【0064】
更に、出力バッファ回路100Aでは、入力信号と逆位相の出力信号を出力するにあたり、入力端子TIや出力部11Aの入力端(トランジスタQ25、Q26の各ゲート)に接続されているトランジスタ数が削減され、寄生容量が削減されているので高速応答が可能となる。
【0065】
要するに、出力バッファ回路100Aでは、入力端子TIで受けた入力信号Siと逆位相の出力信号Soを出力端子TOから出力するにあたり、以下の第1~第6のトランジスタを含む構成を採用することで、貫通電流に伴う消費電力の増加及びノイズ発生を抑制すると共に、回路面積の低減及び高速応答化を図るのである。
【0066】
すなわち、第1のトランジスタ(Q21)は、入力信号(Si)を自身の制御端子(ゲート)で受け、この入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧(VDD)を第1ノード(n21)に供給する。第2のトランジスタ(Q22)は、入力信号(Si)を自身の制御端子(ゲート)で受け、この入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧(VSS)を第2ノード(n22)に供給する。第3のトランジスタ(Q23)は、第1ノード(n21)上の信号の逆位相の信号を第1逆位相信号として自身の制御端子(ゲート)で受け、第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。第4のトランジスタ(Q24)は、第2ノード(n22)上の信号の逆位相の信号を第2逆位相信号として自身の制御端子(ゲート)で受け、第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1及び第2ノード間を接続する。第5のトランジスタ(Q25)は、第2逆位相信号を自身の制御端子(ゲート)で受け、第2逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧(VDD)を出力端子(To)に供給する。第6のトランジスタ(Q26)は、第1逆位相信号を自身の制御端子(ゲート)で受け、第1逆位相信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧(VSS)を出力端子(To)に供給する。
【実施例0067】
図4は、図1に示す出力バッファ回路100を含むチャージポンプ装置200の構成を示すブロック図である。
【0068】
尚、チャージポンプ装置200は、例えば、接地電圧VSSを基準にして電源電圧VDDを昇圧し、昇圧電圧VGHに追随する検知電圧FBHを参照電圧Vrefに対応させることにより、所望の電圧値に収束させた昇圧電圧VGHを生成して出力するものである。昇圧電圧VGHを出力するチャージポンプ装置200の出力端には不図示の負荷回路が接続され、昇圧電圧VGHが負荷回路の電源電圧として供給される。なおチャージポンプ装置200は、電源電圧VDDを基準にして接地電圧VSSを降圧した電圧を生成して出力することも可能である。以下では説明の便宜上、昇圧電圧VGHを生成し、出力するチャージポンプ装置のケースで説明する。
【0069】
チャージポンプ装置200は、例えば半導体ICチップに形成された駆動回路210及び半導体ICチップの外部に設けられたチャージポンプ回路220を含む。
【0070】
駆動回路210は、例えば比較器101、アンドゲート102及び出力バッファ回路100を含む。
【0071】
比較器101は、昇圧電圧VGHに追随する電圧値を有する検知電圧FBH及び参照電圧Vrefを受け、両者の大きさを比較する。比較器101は、検知電圧FBHが参照電圧Vrefより低い場合には昇圧動作を促す論理レベル1の昇圧実行信号を生成し、検知電圧FBHが参照電圧Vref以上となる場合には論理レベル0の昇圧実行信号を生成する。比較器101は、生成した昇圧実行信号をアンドゲート102に供給する。
【0072】
アンドゲート102は、上記した昇圧実行信号と共に所定周波数を有する2値(0、1)のクロック信号CLKを受ける。アンドゲート102は、当該昇圧実行信号が論理レベル0を示す場合には、論理レベル0の1値の駆動信号を入力信号Siとして出力バッファ回路100の入力端子TIに供給する。また、アンドゲート102は、当該昇圧実行信号が論理レベル1を示す場合には、上記したクロック信号CLKに従って論理レベル1の状態及び論理レベル0の状態を交互に繰り返す2値の駆動信号を、出力バッファ回路100の入力端子TIに供給する。
【0073】
出力バッファ回路100は、図1に示す構成を有し、入力端子TIで受けた駆動信号の電流を増幅した信号を駆動信号DRVHとして、出力端子TOを介してチャージポンプ回路220に供給する。
【0074】
図5は、2倍昇圧のチャージポンプ回路220の構成の一例を示す回路図である。チャージポンプ回路220は任意の昇圧倍率の構成が可能であるが、説明の便宜上、以下では2倍昇圧のチャージポンプ回路のケースで説明する。
【0075】
図5に示すように、チャージポンプ回路220は、ダイオードD1及びD2、コンデンサC0及びC1、抵抗R1及びR2を含む。
【0076】
ダイオードD1のアノードには電源電圧VDDが印加されており、カソードがノードn0を介してダイオードD2のアノードに接続されている。ノードn0には、一端に出力バッファ回路100の駆動信号DRVHが供給されたコンデンサC0の他端が接続されている。ダイオードD2のカソードはノードn1を介してコンデンサC1の一端及び抵抗R1の一端に接続されている。コンデンサC1の他端には接地電圧VSSが印加されており、抵抗R1の他端は抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端には接地電圧VSSが印加されている。
【0077】
図5に示す構成により、チャージポンプ回路220は、論理レベル0の状態及び論理レベル1の状態を交互に繰り返す駆動信号DRVHを受けた場合に、この駆動信号DRVHに応じてコンデンサC0の一端を繰り返し充電及び放電させる。駆動信号DRVHによりコンデンサC0の一端が接地電圧VSSに駆動されると、電源電圧VDDからダイオードD1及びノードn0を介してコンデンサC0に電荷が蓄積される。その後、駆動信号DRVHによりコンデンサC0の一端が電源電圧VDDに駆動されると、コンデンサC0に蓄積された電荷が、ノードn0及びダイオードD1を介して、ノードn1に接続されたコンデンサC1に供給されて保持される。上記動作の繰り返しにより、ノードn1に供給される昇圧電圧VGHは、最大で電源電圧VDDの約2倍まで昇圧可能となる。ただし図5の構成の場合、電源電圧VDDの2倍からダイオードD1、D2の順方向電圧分は低い昇圧電圧となる。チャージポンプ回路220は、かかるノードn1上の電圧を昇圧電圧VGHとして出力すると共に、この昇圧電圧VGHを抵抗R1及びR2によって分圧した電圧を検知電圧FBHとして、比較器101に供給する。そして図4に示すように、参照電圧Vrefと検知電圧FBHとの大小比較に応じて、駆動信号DRVHの2値駆動(充放電動作)と1値駆動(充放電停止)を制御することで、参照電圧Vrefに対応した所望の昇圧電圧VGHを出力することができる。
【0078】
この際、チャージポンプ装置200は、チャージポンプ回路220を駆動する駆動回路210に含まれる出力バッファ回路として、図1に示す構成の出力バッファ回路100を採用している。よって、図1に示す出力バッファ回路100を含むチャージポンプ装置200の構成によれば、チャージポンプ回路220を駆動する駆動回路210の消費電力及びノイズの発生を抑制すると共に、半導体ICチップに形成された駆動回路210の高速動作及び回路面積の低減を図ることが可能となる。
【実施例0079】
図6は、図3に示す出力バッファ回路100Aを含むチャージポンプ装置200Aの構成を示すブロック図である。チャージポンプ装置200Aは、図4と同様に、半導体ICチップに形成された駆動回路210A及び半導体ICチップの外部に設けられたチャージポンプ回路220を含む。
【0080】
尚、図6に示す構成では、図4の駆動回路210Aに代えて駆動回路210Aとし、出力バッファ回路100に代えて、図3に示す構成を有する出力バッファ回路100Aを採用し、アンドゲート102に代えてナンドゲート103を採用したものであり、他の構成及びその動作は図4に示すものと同一である。
【0081】
図6において、比較器101は、参照電圧Vref、及びチャージポンプ回路220が生成した検知電圧FBHを受け、両者の大きさを比較する。比較器101は、検知電圧FBHが参照電圧Vrefより低い場合には昇圧動作を促す論理レベル1の昇圧実行信号を生成し、検知電圧FBHが参照電圧Vref以上となる場合には論理レベル0の昇圧実行信号を生成する。比較器101は、生成した昇圧実行信号をナンドゲート103に供給する。
【0082】
ナンドゲート103は、上記した昇圧実行信号と共に所定周波数を有する2値(0、1)のクロック信号CLKを受ける。ナンドゲート103は、当該昇圧実行信号が論理レベル0を示す場合には、論理レベル1の1値の駆動信号を入力信号Siとして出力バッファ回路100Aの入力端子TIに供給する。また、ナンドゲート103は、当該昇圧実行信号が論理レベル1を示す場合には、上記したクロック信号CLKに従って論理レベル1の状態及び論理レベル0の状態を交互に繰り返す2値の駆動信号を、出力バッファ回路100Aの入力端子TIに供給する。
【0083】
出力バッファ回路100Aは、図3に示す構成を有し、入力端子TIで受けた駆動信号の電流を増幅した逆相信号を駆動信号DRVHとして、出力端子TOを介してチャージポンプ回路220に供給する。尚、チャージポンプ回路220の構成は図4に示すものと同一であり、その動作も同一であるので説明は省略する。
【0084】
よって、図6に示す構成により、チャージポンプ装置200Aは、図4に示すチャージポンプ装置200と同様に、電源電圧VDDを駆動信号DRVHに応じて昇圧しつつ、その昇圧電圧VGHを参照電圧Vrefに対応した所望の電圧として生成する。
【0085】
この際、チャージポンプ装置200Aでは、図6に示すように、チャージポンプ回路220を駆動する駆動回路210Aに含まれる出力バッファ回路として、図3に示す出力バッファ回路100A採用している。
【0086】
よって、図3に示す出力バッファ回路100Aを含むチャージポンプ装置200Aの構成によれば、チャージポンプ回路220を駆動する駆動回路210Aの消費電力及びノイズの発生を抑制すると共に、半導体ICチップに形成された駆動回路210Aの高速動作及び回路面積の低減を図ることが可能となる。
【実施例0087】
図7は、図4又は図6に示すチャージポンプ装置200又は200Aと同一構成を有するチャージポンプ装置CHPを含む表示装置300の概略構成を示すブロック図である。
【0088】
図7に示すように、表示装置300は、夫々が画面の水平方向に沿って配置されているゲート線GL1~GLr(rは2以上の整数)、及び各ゲート線に交叉して配置されているデータ線DL1~DLk(kは2以上の整数)が形成されている表示パネル150と、データ線の駆動回路を含む表示駆動装置120と、を含む。尚、表示パネル150上には、各画素を担う複数の表示セル154が、ゲート線GL1~GLrの各々とデータ線DL1~DLk各々との交叉部に形成されている。
【0089】
更に、表示パネル150上には、表示パネル150と一体で形成されているゲートドライバ151A及び151Bが配置されている。
【0090】
ゲートドライバ151Aは、ゲート線GL1~GLr各々の一端に接続されており、ゲートドライバ151Bは、ゲート線GL1~GLr各々の他端に接続されている。ゲートドライバ151Aは、表示駆動装置120から供給されたゲートタイミング信号GTaにて示されるタイミングでゲート選択信号Vg(r)~Vg1を順次生成し、夫々をゲート線GLr~GL1各々の一端に供給する。ゲートドライバ151Bは、表示駆動装置120から供給されたゲートタイミング信号GTbにて示されるタイミングでゲート選択信号Vg(r)~Vg1を順次生成し、夫々をゲート線GLr~GL1各々の他端に供給する。
【0091】
表示駆動装置120は、映像信号VD及び外部電源電圧VDD及び接地電圧VSSを受け、当該映像信号VDに基づき夫々が輝度レベルに対応した電圧値を有する駆動信号G1~Gkを生成して、データ線DL1~DLkに供給する。更に、表示駆動装置120は、映像信号VDに含まれる各水平同期信号に同期したゲートタイミング信号GTa及びGTbを生成し、夫々をゲートドライバ151A及び151Bに供給する。
【0092】
また、表示駆動装置120は、電源部121と、ゲートタイミング生成部122a及び122bと、を含む。
【0093】
電源部121は、少なくとも図4又は図6に示すチャージポンプ装置200(又は200A)と同一構成からなるチャージポンプ装置CHPを含み、当該チャージポンプ装置CHPによって電源電圧VDDを昇圧して得られた昇圧電圧VGHを電源電圧としてゲートタイミング生成部122a及び122bに供給する。更に、電源部121は、降圧作用のチャージポンプ装置を備え、接地電圧VSSを降圧して得られた降圧電圧VGLを負側の電源電圧としてゲートタイミング生成部122a及び122bに供給してもよい。また、電源部121は、当該昇圧電圧VGH又は降圧電圧VGLに基づき、表示駆動装置120に含まれるゲートタイミング生成部122a及び122b以外の回路ブロックを動作させるための電源電圧を生成するようにしても良い。
【0094】
ゲートタイミング生成部122aは、当該電源電圧(VGH、VGL)に基づき高電圧のゲートタイミング信号GTaを生成し、これを映像信号VDに含まれる各水平同期信号に同期したタイミングでゲートドライバ151Aに供給する。ゲートタイミング生成部122bは、当該電源電圧(VGH、VGL)に基づき高電圧のゲートタイミング信号GTbを生成し、これを映像信号VDに含まれる各水平同期信号に同期したタイミングでゲートドライバ151Bに供給する。
【0095】
このように、表示装置300では、表示駆動装置120で用いる電源電圧を生成する電源部として、図1又は図3に示す出力バッファ回路100又は100Aを含む図4図6に示すチャージポンプ装置CHP(200、200A)を備えた電源部121を採用している。
【0096】
よって、表示駆動装置120の消費電力及びノイズ発生を抑制しつつも、表示駆動装置120に含まれる半導体ICチップのチップ面積を縮小化することができるので、表示パネル150のコスト削減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0097】
10、10A タイミング調整部
11、11A 出力部
17、18、27、28 インバータ
Q11~Q16、Q21~Q26 トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7