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特開2024-47804ラインライトの固定ホルダーおよびラインライトの取付部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047804
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ラインライトの固定ホルダーおよびラインライトの取付部材
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/02 20060101AFI20240401BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240401BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20240401BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20240401BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20240401BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240401BHJP
【FI】
F21V21/02
F21S2/00 230
F21V21/00 140
F21S8/02 300
F21S8/00 200
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153499
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸川 厚
(57)【要約】
【課題】ラインライトの施工作業性を向上できるラインライトの固定ホルダーおよびラインライトの取付部材を提供すること
【解決手段】ラインライトの固定ホルダー6は、固定片30と、第1保持片40と、第2保持片50とを備える。第1保持片40の先端側には、第1傾斜面442を有する第1突起44と、第1傾斜面442の先端側に連続して設けられて第1保持片40の延出方向に沿った第1平面45とが設けられる。第2保持片50の先端側には、第2傾斜面542を有する第2突起54と、第2傾斜面542の先端側に連続して設けられて第2保持片50の延出方向に沿った第2平面55とが設けられる。第1保持片40の先端側には、第1平面45の先端側に連続して設けられ、先端側に向かうにしたがって他方の保持片から離れる方向に傾斜されたガイド部46面が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインライトの固定ホルダーであって、
前記固定ホルダーは、
固定片と、前記固定片から延出された第1保持片と、前記固定片から延出されて前記第1保持片との間に前記ラインライトを保持可能な第2保持片と、を備え、
前記第1保持片の先端側には、
前記第2保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第2保持片から離れる方向に傾斜された第1傾斜面を有する第1突起と、
前記第1傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第1保持片の延出方向に沿った第1平面と、が設けられ、
前記第2保持片の先端側には、
前記第1保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第1保持片から離れる方向に傾斜された第2傾斜面を有する第2突起と、
前記第2傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第2保持片の延出方向に沿った第2平面と、が設けられ、
前記第1保持片および前記第2保持片の少なくとも一方の保持片の先端側には、前記第1平面または前記第2平面の先端側に連続して設けられ、先端側に向かうにしたがって他方の保持片から離れる方向に傾斜されたガイド面が設けられている
ことを特徴とするラインライトの固定ホルダー。
【請求項2】
請求項1に記載のラインライトの固定ホルダーにおいて、
前記第1保持片および前記第2保持片は、前記ラインライトの長手方向に沿った左右方向に間隔を空けてそれぞれ一対設けられている
ことを特徴とするラインライトの固定ホルダー。
【請求項3】
請求項1に記載のラインライトの固定ホルダーにおいて、
前記ガイド面は、前記第1平面の先端側に連続して設けられ、
前記第2平面の前記延出方向の寸法は、前記第1平面の前記延出方向の寸法よりも大きい
ことを特徴とするラインライトの固定ホルダー。
【請求項4】
請求項1に記載のラインライトの固定ホルダーにおいて、
前記第1保持片の前記延出方向の中間には、前記第2保持片側に突出する第1凸部が形成され、
前記第2保持片の前記延出方向の中間には、前記第1保持片側に突出する第2凸部が形成され、
前記ラインライトは、前記延出方向において、前記第1突起および前記第1凸部間と、前記第2突起および前記第2凸部間とに保持される
ことを特徴とするラインライトの固定ホルダー。
【請求項5】
ラインライトの取付部材であって、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のラインライトの固定ホルダーと、
前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、
前記取付金具は、
被取付物に取り付けられる取付片と、
前記取付片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、
前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有する
ことを特徴とするラインライトの取付部材。
【請求項6】
ラインライトの取付部材であって、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のラインライトの固定ホルダーと、
前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、
前記取付金具は、
被取付物に取り付けられる取付片と、
前記取付片から屈曲して延出された連結片と、
前記連結片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、
前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有する
ことを特徴とするラインライトの取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインライトの固定ホルダーおよびラインライトの取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外構の階段などに設置されるライン状の照明装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この照明装置は、照明装置本体と、複数の照明装置取付治具とを備える。照明装置本体は、光源ユニットと、長物状に形成されて光源ユニットを一体に保持する筐体とを備える。
照明装置取付治具は、一対の保持片と、一対の保持片を繋ぐように設けられ、照明装置取付治具を所定位置に固定するための固定部とを備えて断面コ字状に形成されている。一方の保持片の先端側には、他方の保持片側に突出し、先端面が傾斜する係止片が設けられている。他方の保持片の中間部には一方の保持片側に突出して筐体の投光開口に嵌合する係合凸部が設けられ、さらに先端側には傾斜面を有する係止片が設けられている。
そして、固定部に形成した貫通孔にビスを挿通して幕板などの被取付物に照明装置取付治具をビス止めし、その後、照明装置取付治具の一対の保持片の間に照明装置本体を押し込んで保持片を弾性変形させて、一対の保持片で照明装置本体を保持することで照明装置本体を設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-123270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記照明装置取付治具では、他方の保持片の係止片は、一方の保持片の係止片よりも後端側に設けられているため、照明装置の筐体を取付治具の側方から押し込んだ際に、筐体は、まず一方の保持片の係止片のみに当接し、この係止片を乗り越えた後は他方の保持片の係止片のみに当接する。このため、筐体が傾斜面によって回転しやすくなり、筐体を各保持片間にスムーズに押し込むことができず、施工作業性が低下するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、ラインライトの施工作業性を向上できるラインライトの固定ホルダーおよびラインライトの取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ラインライトの固定ホルダーであって、前記固定ホルダーは、固定片と、前記固定片から延出された第1保持片と、前記固定片から延出されて前記第1保持片との間に前記ラインライトを保持可能な第2保持片と、を備え、前記第1保持片の先端側には、前記第2保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第2保持片から離れる方向に傾斜された第1傾斜面を有する第1突起と、前記第1傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第1保持片の延出方向に沿った第1平面と、が設けられ、前記第2保持片の先端側には、前記第1保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第1保持片から離れる方向に傾斜された第2傾斜面を有する第2突起と、前記第2傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第2保持片の延出方向に沿った第2平面と、が設けられ、前記第1保持片および前記第2保持片の少なくとも一方の保持片の先端側には、前記第1平面または前記第2平面の先端側に連続して設けられ、先端側に向かうにしたがって他方の保持片から離れる方向に傾斜されたガイド面が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明は、ラインライトの取付部材であって、前記ラインライトの固定ホルダーと、前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、前記取付金具は、被取付物に取り付けられる取付片と、前記取付片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有することを特徴とする。
【0008】
本発明は、ラインライトの取付部材であって、前記ラインライトの固定ホルダーと、前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、前記取付金具は、被取付物に取り付けられる取付片と、前記取付片から屈曲して延出された連結片と、前記連結片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ラインライトの施工作業性を向上できる固定ホルダーおよび固定ホルダーを備える取付部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態のラインライトおよび固定ホルダーを示す斜視図である。
図2】第1実施形態のラインライトおよび固定ホルダーを示す縦断面図である。
図3】第1実施形態の固定ホルダーを示す斜視図である。
図4】第1実施形態の固定ホルダーを示す側面図である。
図5】第1実施形態のラインライトの取り付け手順を示す図である。
図6】第1実施形態のラインライトの取り外し手順を示す図である。
図7】第1実施形態のラインライトの取り付け手順を示す図である。
図8】第2実施形態のラインライトの取付部材を示す斜視図である。
図9】第2実施形態のラインライトの取付部材を示す正面図である。
図10】第2実施形態のラインライトの取付部材を示す縦断面図である。
図11】第3実施形態のラインライトの取付部材を示す斜視図である。
図12】第3実施形態のラインライトの取付部材を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態のラインライト1の固定ホルダー6を図面に基づいて説明する。
ラインライト1は、図1に示すように、本体2と、エンドキャップ3と、電線4と、コネクタ5A、5Bと、図2に示す光源ユニット10とを備えている。ラインライト1は、外構の階段やデッキのような段差部に設置されるものであり、本実施形態では、図2に示すように、被取付物である外構の階段の蹴込み面100の上端部、つまり段鼻部101の下面102に沿って取り付けられている。なお、ラインライト1の長手方向、つまり蹴込み面100の表面に沿った水平方向をX軸方向、蹴込み面100の表面に直交する方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。そして、X軸方向において、図1の右側の方向をX1方向、左側の方向のX2方向とし、Y軸方向において、蹴込み面に向かう方向をY1方向、蹴込み面から離れる方向をY2方向とし、Z軸方向において上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。
本体2は、図2に示すように、一対の側面部21、22と、一対の側面部21、22の端部同士を繋ぐ背面部23および前面部24とを備えて、略角筒状に形成されている。一対の側面部21、22の互いに対向する内面にはガイド用の突条部25が長手方向に連続して形成されている。本体2は、ポリカーボネートなどの透光性を有する合成樹脂で形成された押出成形品である。
【0012】
光源ユニット10は、本体2内に収納されており、帯状に形成された基板11と、基板11の長手方向に間隔をあけて基板11に取り付けられた複数の発光素子12とを備えて構成されている。発光素子12は、発光ダイオード(LED)で形成されている。
エンドキャップ3は、本体2の長手方向の両端に取り付けられている。このエンドキャップ3部分を介して、光源ユニット10と電線4とが導通されている。
各電線4にはコネクタ5A、5Bが取り付けられている。コネクタ5Aには、他のラインライト1のコネクタ5Bが連結され、コネクタ5Bには、他のラインライト1のコネクタ5Aが連結される。これにより、複数のラインライト1を順次連結して設置できるように構成されている。
【0013】
以上のように構成されるラインライト1は、外構の階段などの所定の位置に、固定ホルダー6を用いて取り付けられる。
固定ホルダー6は、透光性を有するポリカーボネートなどの合成樹脂材で形成され、図3および図4にも示すように、固定片30と、第1保持片40と、第2保持片50とを備えて構成されている。
固定片30は、矩形板状に形成されている。
第1保持片40は、固定片30の上端部と、下端部との略中間位置からY2方向に延出されている。第1保持片40は、ラインライト1の長手方向に沿った左右方向つまりX軸方向に間隔を空けて一対設けられている。
第2保持片50は、固定片30の下端部からY2方向に延出され、X軸方向に間隔を空けて一対設けられている。
各第1保持片40および各第2保持片50は、それぞれ上下方向(Z軸方向)に対向して形成され、これらの第1保持片40および第2保持片50間にラインライト1の本体2が保持されている。
【0014】
第1保持片40は、図4にも示すように、固定片30に連結される基端40A側から先端40B側つまりY2方向に延出され、その上面41および下面42は略Y軸方向に沿ったフラットな面である。同様に、第2保持片50は、固定片30に連結される基端50A側から先端50B側つまりY2方向に延出され、その上面51および下面52は略Y軸方向に沿ったフラットな面である。本実施形態では、第1保持片40はY軸方向に沿って延出され、第2保持片50は先端50BがY軸方向に対して約1度上側に傾いて延出されている。このため、下面42および上面51間の間隔は、基端40A、50A側に対して先端40B、50B側が僅かに小さくなるように設定されている。
第1保持片40の下面42(第2保持片50側の面)の基端40Aから先端40Bの中間には、第2保持片50側に突出する第1凸部43が形成されている。第2保持片50の上面51(第1保持片40側の面)の基端50Aから先端50Bの中間には、第1保持片40側に突出する第2凸部53が形成されている。
第1凸部43および第2凸部53は、X軸方向に沿って断面矩形状に形成され、互いに対向する位置、つまりY軸方向の位置が同じであり、ラインライト1を保持する際に、一方の側面部21がそれぞれ当接される。
【0015】
第1保持片40の先端40B側の下面42には、断面略三角形状の第1突起44が形成されている。第1突起44は、第1凸部43に対向する第1保持面441と、先端40B側に面した第1傾斜面442とを備える。第1保持面441は、基端40A側から先端40B側つまりY2方向に向かうにしたがって第2保持片50に近づく方向に傾斜され、第1保持片40の延出方向であるY軸方向に対する角度が約80度程度と大きくされており、本体2の側面部22に当接して保持可能に構成されている。
第1傾斜面442は、Y2方向に向かうにしたがって第2保持片50から離れる方向に傾斜され、Y軸方向に対して約40度の角度で傾斜されている。第1保持面441と第1傾斜面442とは円弧面で連続して形成されている。
第1傾斜面442の先端40B側は第1平面45に連続している。第1平面45の高さ位置は、下面42よりも僅かに上側である。第1平面45は、略Y軸方向に沿った略フラットな面である。第1平面45の先端40B側は、ガイド部46のガイド面461に連続している。
ガイド部46は、斜め上方に延出され、ガイド面461はY2方向に向かうにしたがって第2保持片50から離れる方向に傾斜されている。
【0016】
第2保持片50の先端50B側の上面51には、第1突起44と同様の断面略三角形状の第2突起54が形成されている。第2突起54は、第2凸部53に対向する第2保持面541と、先端50B側に面した第2傾斜面542とを備える。第2保持面541は、Y2方向に向かうにしたがって第1保持片40に近づく方向に傾斜され、Y2方向に対する角度が約80度程度と大きくされており、本体2の側面部22に当接して保持可能に構成されている。
第2傾斜面542は、Y2方向に向かうにしたがって第1保持片40から離れる方向に傾斜され、Y軸方向に対して約30度の角度で傾斜されている。第2保持面541と第2傾斜面542とは円弧面で連続して形成されている。
第2傾斜面542の先端50B側は第2平面55に連続している。第2平面55は、上面51の延長線上に設けられている。このため、第2平面55は、上面51と同じく先端側が基端側に対して1度上側に傾いた平面である。第2平面55の先端50B側は、円弧面を介して下面52に連続している。
以上のとおり、第1平面45はY軸方向に沿った平面であり、第2平面55はY軸方向に対して1度傾いた平面であるため、第1平面45および第2平面55は、互いに略平行に形成されている。第1平面45および第2平面55は、後述するように、ラインライト1の本体2を第1保持片40、第2保持片50間に押し込んで保持させる際に、本体2が回転しないように安定させるために設けられている。
【0017】
本実施形態では、下面42および上面51間の高さ寸法は、本体2の高さ寸法よりも僅かに小さくされており、下面42および上面51間に本体2が保持された際には、第1保持片40および第2保持片50は弾性変形され、その復元力で本体2を保持している。
第1平面45および第2平面55間の高さ寸法は、本体2の高さ寸法よりも僅かに大きくされ、第1平面45および第2平面55間に本体2をスムーズに移動できるように構成されている。
Y軸方向において、第1平面45および第2平面55の基端側の位置は略一致している。Y軸方向において、第2平面55の先端側の位置は、第1平面45の先端側の位置よりも先端側とされている。このため、第2平面55の第2保持片50の延出方向の寸法(Y軸方向の寸法)は、第1平面45の第1保持片40の延出方向の寸法(Y軸方向の寸法)よりも大きい。
Y軸方向において、第1保持片40の最先端位置、具体的にはガイド部46のガイド面461の上端部分と、第2保持片50の最先端位置は、略一致している。
【0018】
固定片30は、第1保持片40の基端40Aおよび第2保持片50の基端50A間を連結する連結部31と、基端40Aから上方(Z1方向)に延出された鍔部32とを備える。すなわち、鍔部32は、第1保持片40の基端40Aから第2保持片50の基端50A側とは反対側に延出されている。
鍔部32には、図4に示すように、Y軸方向に貫通する貫通孔321が形成されている。貫通孔321の最下端321Aの高さ位置は第1保持片40の上面41とほぼ同じ高さ位置とされている。貫通孔321のX軸方向の位置は、一対の第1保持片40の間である。
このため、図2および図3に示すように、貫通孔321にワッシャ61を装着したドリルネジ60を挿通し、蹴込み面100にドリルネジ60をネジ込む際に、電動ドライバーのビットが第1保持片40およびドリルネジ60間に保持されるラインライト1や、第1保持片40等に干渉することなく作業できる。
【0019】
図2および図4に示すように、鍔部32の延出方向(Z1方向)の端面つまり上端面は、Z1方向においてガイド部46の先端(上端)よりも突出し、Z1方向の突出寸法はH1である。これにより、図2に示すように、固定片30の上端を下面102に当接させて固定した際に、ガイド部46の上端と下面102との高さ寸法もH1であり、ガイド部46を押して第1保持片40を下面102側に湾曲させて、第1突起44、第2突起54間を広げて本体2を取り外すことができるように構成されている。なお、本実施形態では、高さ寸法H1は、Z2方向における第1突起44の下面42からの突出寸法以上に設定されている。
【0020】
本実施形態の固定ホルダー6は、連結部31にもドリルネジ60を挿通可能な第2の貫通孔311が形成されている。ただし、連結部31に形成された貫通孔311は、高さ位置が第1保持片40およびドリルネジ60間に保持されるラインライト1の高さ位置と重なるため、貫通孔311を用いてネジ止めする場合、ラインライト1を保持していない状態でドリルネジ60を蹴込み面100に固定する必要がある。
さらに、一対の第1保持片40間や、一対の第2保持片50間のX軸方向の間隔は、ドリルネジ60を貫通孔321や貫通孔311に挿通してネジ込んだ際に、ドリルネジ60の頭部が第1保持片40や第2保持片50に干渉しない寸法に設定されている。
【0021】
[ラインライトの取付手順]
次に、ラインライト1を蹴込み面100に取り付ける作業手順について説明する。
まず、予め工場などで組み立てられたラインライト1を固定ホルダー6に取り付ける。すなわち、図5(A)に示すように、ラインライト1の本体2を第1保持片40の第1平面45および第2保持片50の第2平面55間に配置する。
次に、本体2を固定片30側つまりY1方向に押し込むと、本体2の側面部21が第1突起44の第1傾斜面442、第2突起54の第2傾斜面542に当接し、第1傾斜面442、第2傾斜面542が本体2で押されることで、第1保持片40および第2保持片50が上下に湾曲する。さらに、本体2をY1方向に押し込むと、図5(B)に示すように、第1保持片40および第2保持片50間が更に広がり、本体2の背面部23および前面部24が第1突起44、第2突起54に当接する。
さらに、本体2を固定片30側つまりY1方向に押し込むと、図5(C)に示すように、本体2は第1突起44、第2突起54を乗り越えて第1突起44、第2突起54と第1凸部43、第2凸部53との間に保持される。
【0022】
次に、図5(D)に示すように、ラインライト1を保持した固定ホルダー6を蹴込み面100に当接し、さらに、固定片30の上端を段鼻部101の下面102に当接して位置決めする。そして、電動ドライバーなどを用いて、ワッシャ61が取り付けられたドリルネジ60を固定片30の貫通孔321を介して蹴込み面100にネジ込む。これにより、図2に示すように、ラインライト1が保持された固定ホルダー6は、蹴込み面100にドリルネジ60で固定される。
【0023】
以上の手順でラインライト1を階段の段差部分に取り付けることができるが、他の手順で取り付けることもできる。すなわち、まず蹴込み面100に固定ホルダー6をドリルネジ60で固定し、その後、図5(A)~(C)と同様に、第1保持片40および第2保持片50間にラインライト1の本体2を押し込むことでラインライト1を階段の段差部分に取り付けてもよい。このように固定ホルダー6のみを先に蹴込み面100にドリルネジ60で固定する場合は、ドリルネジ60は貫通孔321または貫通孔311のいずれかの貫通孔を介して蹴込み面100にネジ込めばよい。ドリルネジ60をどちらの貫通孔321、貫通孔311に挿通するのかは、現場の作業者が適宜選択すればよい。
【0024】
[ラインライトの着脱手順]
次に、ラインライト1の点検時や故障時などに、固定ホルダー6からラインライト1を取り外し、再度、ラインライト1を固定ホルダー6に取り付ける着脱手順について、図6および図7を参照して説明する。
ラインライト1を固定ホルダー6から取り外す場合は、図6(A)に示すように、まず、第1保持片40のガイド部46を斜め上方に押して第1保持片40を弾性変形によって湾曲させる。これにより、第1保持片40の第1突起44および第2保持片50の第2突起54間の間隔を広げることができ、作業者は、図6(B)に示すように、本体2をY2方向に移動できる。そのまま、本体2をY2方向に移動することで、図6(C)に示すように、固定ホルダー6からラインライト1を取り外すことができ、第1保持片40および第2保持片50は元の状態に戻る。
【0025】
ラインライト1の点検後や修理後、あるいは新しいラインライト1に交換する場合に、ラインライト1を固定ホルダー6に取り付けるには、図7(A)に示すように、ラインライト1を固定ホルダー6の位置まで押し込む。この際、階段下の段差部などの作業しにくい場所でラインライト1を取り付けるために、本体2の高さ位置が第1平面45、第2平面55間の位置からずれた場合には、ガイド部46のガイド面461に沿って本体2を移動することで、図7(B)に示すように、本体2を第1平面45、第2平面55間に移動できる。
次に、本体2を固定片30側つまりY1方向に押し込むと、本体2の側面部21が第1突起44の第1傾斜面442、第2突起54の第2傾斜面542に当接し、第1傾斜面442、第2傾斜面542が本体2で押されることで、第1保持片40および第2保持片50が上下に湾曲する。さらに、本体2をY1方向に押し込むと、図7(C)に示すように、第1保持片40および第2保持片50間が更に広がり、本体2の背面部23および前面部24が第1突起44、第2突起54に当接する。
さらに、本体2を固定片30側つまりY1方向に押し込むと、図2に示すように、本体2は第1突起44、第2突起54を乗り越えて第1突起44、第2突起54と第1凸部43、第2凸部53との間に保持される。
【0026】
[第1実施形態の効果]
第1保持片40は、先端40B側から基端40A側に向けて、ガイド面461、第1平面45、第1傾斜面442の順で連続して形成されるため、ラインライト1を取り付ける場合に、ラインライト1をガイド面461に沿って移動させて、第1平面45および第2平面55間に案内できる。このため、第1保持片40および第2保持片50間にラインライト1の本体2を押し込む際に、本体2を第1平面45、第2平面55でガイドできるので、第1突起44の第1傾斜面442および第2突起54の第2傾斜面542に本体2を押し付けて第1保持片40および第2保持片50を弾性変形させて間隔を広げる際に、ラインライト1は回転せずに移動でき、第1保持片40および第2保持片50をスムーズに変形させて本体2を押し込むことができる。したがって、第1突起44および第2突起54の先端側に、ガイド面461および第1平面45と、第2平面55とを設けることで、ラインライト1を固定ホルダー6に容易に保持することができ、施工作業性を向上できる。
【0027】
第1保持片40にガイド部46を設けたので、階段の段鼻部101の下側の狭いスペースであっても、ラインライト1の本体2を固定ホルダー6に向かって押し込めば、ガイド部46に沿って本体2を移動でき、第1平面45、第2平面55間の位置に本体2を案内してラインライト1を確実に固定ホルダー6で保持することができる。
また、ガイド面461に連続する第1平面45の延出方向の寸法に対して、第2平面55の延出方向の寸法が大きいため、Z軸方向において、第2平面55をガイド面461に対向する位置まで設けることができる。このため、ガイド面461に沿ってラインライト1を移動した際に、ラインライト1がガイド面461から離れて下方に移動した場合でも第2平面55でガイドできるため、第1平面45および第2平面55間にラインライト1をスムーズに移動できる。
【0028】
第1保持片40および第2保持片50の中間位置に第1凸部43および第2凸部53を形成したので、ラインライト1を、Y軸方向においては、第1突起44、第2突起54および第1凸部43、第2凸部53間に保持でき、Z軸方向においては、第1保持片40、第2保持片50間に保持できる。このため、ラインライト1に係合用の凹部などを形成する必要が無く、本体2は単純な断面矩形状に形成すればよいため、ラインライト1の製造コストを低減できる。
【0029】
固定ホルダー6の固定片30に、第1保持片40よりも上方に突出する鍔部32を形成し、この鍔部32にドリルネジ60が挿通可能な貫通孔321を形成したので、固定ホルダー6の第1保持片40および第2保持片50間にラインライト1の本体2を保持した状態で固定ホルダー6を蹴込み面100にネジ止めすることができる。このため、施工現場で最初に固定ホルダー6を蹴込み面100に取り付け、その後、ラインライト1を固定ホルダー6に取り付けて2段階で作業する場合に比べて、ラインライト1を保持した状態の固定ホルダー6を蹴込み面100にネジ止めするため、1段階の作業で取り付けることができ、施工作業性を向上できる。
また、固定ホルダー6にラインライト1を保持した状態で蹴込み面100に取り付けることができるため、ラインライト1が正しい位置、例えば長手方向に沿って水平に配置された状態であるかを確認しながら固定ホルダー6を固定できる。
【0030】
固定片30の鍔部32の上端と、第1保持片40のガイド部46の上端との高さ寸法H1を確保しているため、固定片30の上端面を下面102に当接させた状態でガイド部46の上端と下面102との間にも高さ寸法H1を確保できる。このため、ガイド部46を斜め上方に押し上げることで、第1突起44、第2突起54間の間隔を広げることができ、ラインライト1の本体2を固定ホルダー6から容易に取り外すことができる。
【0031】
固定ホルダー6は、一対の第1保持片40と一対の第2保持片50とを備えるため、本体2を安定して強固に保持することができる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について図8図10を参照して説明する。
第2実施形態は、固定ホルダー6に取付金具70を取り付けて構成される取付部材7を用いてラインライト1を取り付けるものである。
固定ホルダー6は、第1実施形態と同じ部材であるため、同一符号を付して説明を省略する。
取付金具70は、造作床などの被取付物110に取り付けられる取付片71と、取付片71から屈曲し、固定ホルダー6の固定片30に沿って延出されるホルダー取付片72とを備える断面略L字状の金具である。取付片71には、X軸方向に沿って2つの貫通孔711,712が形成されている。貫通孔711は、X軸方向において、固定ホルダー6の一対の第1保持片40の間に形成されている。貫通孔712は、X軸方向において、固定ホルダー6から外れた位置に形成されている。
また、貫通孔711、712のY軸方向の位置は、図10に示すように、固定ホルダー6の固定片30と第1凸部43、第2凸部53との間に設定されている。
【0033】
貫通孔711,712には、取付金具70を被取付物110の下面111に固定するドリルネジ65が挿通される。この際、貫通孔711、712のX軸方向の位置は、第1保持片40、第2保持片50とは重ならないため、貫通孔711、712を介してドリルネジ65を被取付物110にネジ込む際に、ドリルネジ65や電動ドライバーのビットなどは、第1保持片40、第2保持片50に干渉することなく取付作業を行うことができる。
また、貫通孔711、712のY軸方向の位置は、固定片30と第1凸部43、第2凸部53との間であるため、貫通孔711、712を介してドリルネジ65を被取付物110にネジ込む際に、ドリルネジ65や電動ドライバーのビットなどは、固定ホルダー6に保持されたラインライト1の本体2や固定片30に干渉することなく取付作業を行うことができる。
【0034】
ホルダー取付片72には、固定ホルダー6の固定片30の下面が当接する一対の位置決め突起721が形成されている。また、ホルダー取付片72には、図10に示すように、固定ホルダー6を取付金具70に取り付けるためのネジ75が螺合されるネジ穴722が形成されている。ネジ穴722は、位置決め突起721に固定片30の下面を当接させ、固定片30のX2方向側の側面(図9では左側の側面)をホルダー取付片72のX2方向側の側面に揃えた際に、固定片30の貫通孔311と中心軸が一致する位置に形成されている。これにより、取付金具70のホルダー取付片72に対して固定ホルダー6を位置決めでき、ワッシャ76が取り付けられたネジ75を、貫通孔311を介してネジ穴722に螺合することで、固定ホルダー6および取付金具70が一体化されて取付部材7が構成される。
【0035】
[ラインライトの取付手順]
第2実施形態の取付部材7を用いたラインライト1の取付手順は以下の通りである。
まず、固定ホルダー6を取付金具70にネジ75で取り付けて取付部材7を構成する。次に、固定ホルダー6にラインライト1の本体2を押し込んで保持させる。本体2の保持作業は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
次に、固定ホルダー6に本体2を保持させた状態で、取付金具70の取付片71を被取付物110の下面111に当接させてラインライト1の設置位置を調整する。そして、固定ホルダー6の下方からドリルネジ65を貫通孔711、712に挿入し、電動ドライバーなどを用いてドリルネジ65を被取付物110にネジ込んで固定する。
以上の作業によって、被取付物110の下面111に、固定ホルダー6および取付金具70で構成される取付部材7に保持されたラインライト1を設置できる。
なお、ラインライト1の点検、交換時の着脱方法は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0036】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態の取付部材7は、第1実施形態と同じ固定ホルダー6を用いているので、固定ホルダー6を用いることによって第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
固定ホルダー6に取付金具70を連結して取付部材7を構成しているので、被取付物110の下面111にラインライト1を取り付けることができる。
取付金具70のホルダー取付片72に位置決め突起721を形成したので、ホルダー取付片72に対する固定ホルダー6のZ軸方向の位置決めを容易に行える。また、固定片30およびホルダー取付片72の一方の側面を揃えた位置をX軸方向の基準位置に設定しているので、ホルダー取付片72に対する固定ホルダー6のX軸方向の位置決めを容易に行える。このため、貫通孔311とネジ穴722との中心軸を簡単に一致させることができ、固定ホルダー6および取付金具70をネジ75で容易に連結できる。
【0037】
第1保持片40、第2保持片50の第1凸部43、第2凸部53と、固定片30とのY軸方向の間隔寸法を、ネジ75が挿通可能な寸法に設定し、Y軸方向において、貫通孔711、712と、固定ホルダー6に保持された本体2とが干渉しないように設定し、さらに、X軸方向において、貫通孔711、712と第1保持片40、第2保持片50とが干渉しないように設定しているので、固定ホルダー6に本体2を保持させた状態で、ドリルネジ65を用いて取付片71を被取付物110に固定できる。このため、取付部材7を被取付物110に取り付けてから、固定ホルダー6にラインライト1の本体2を保持させる必要が無く、施工作業性を向上できる。また、ラインライト1を保持させた状態で取付部材7を被取付物110に取り付けることができるのでラインライト1の設置位置を確認しながら取付作業を行うことができる。
【0038】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。
第3実施形態は、固定ホルダー6に取付金具80を取り付けて構成される取付部材8を用いてラインライト1を取り付けるものである。
固定ホルダー6は、第1実施形態と同じ部材であるため、同一符号を付して説明を省略する。
取付金具80は、ウッドデッキの幕板等の被取付物120の裏面121に取り付けられる取付片81と、固定ホルダー6の固定片30に沿って設けられるホルダー取付片82と、取付片81およびホルダー取付片82を連結する連結片83とを備える断面略Z字状の金具である。すなわち、取付金具80は、被取付物120に取り付けられる取付片81と、取付片81からY1方向に屈曲して延出された連結片83と、連結片83からZ2方向に屈曲して延出され、固定片30が取り付けられるホルダー取付片82とを備える。
取付片81には、図11に示すように、X軸方向に沿って2つの貫通孔811、812が形成されている。
貫通孔811、812には、取付金具80を被取付物120の裏面121に固定するドリルネジ66が挿通される。
【0039】
ホルダー取付片82には、第2実施形態と同様に、固定ホルダー6の固定片30の下面が当接する一対の位置決め突起821が形成されている。また、ホルダー取付片82には、図12に示すように、固定ホルダー6を取付金具70に取り付けるためのネジ85が螺合されるネジ穴822が形成されている。ホルダー取付片82の幅寸法、つまりX軸方向の寸法は、固定片30の幅寸法と同じ寸法とされている。そして、ネジ穴822は、位置決め突起821に固定片30の下面を当接させ、固定片30のX軸方向の左右の側面をホルダー取付片82の左右の側面に揃えた際に、固定片30の貫通孔311と中心軸が一致する位置に形成されている。
これにより、取付金具80のホルダー取付片82に対して固定ホルダー6を位置決めでき、ワッシャ86が取り付けられたネジ85を、貫通孔311を介してネジ穴822に螺合することで、固定ホルダー6および取付金具80が一体化されて取付部材8が構成される。
【0040】
連結片83は、図12に示すように、Z軸方向の高さ位置は、固定片30の上端よりも上方に設定されている。また、連結片83のY軸方向の長さ寸法は、取付金具80に取り付けられた固定ホルダー6のガイド部46を、被取付物120に干渉することなく、押し込んで第1保持片40を弾性変形させることができるように設定されている。
【0041】
[ラインライトの取付手順]
第3実施形態の取付部材8を用いたラインライト1の取付手順は第2実施形態と同様であり、最初に固定ホルダー6および取付金具70をネジ85で連結して取付部材8を構成する。次に、固定ホルダー6にラインライト1の本体2を押し込んで保持させる。
次に、固定ホルダー6に本体2を保持した状態で、取付金具80の取付片81を被取付物120の裏面121に当接させて設置位置を調整する。そして、固定ホルダー6の裏側からドリルネジ66を貫通孔811、812に挿入し、電動ドライバーなどを用いてドリルネジ66を被取付物120にネジ込んで固定する。
以上の作業によって、被取付物120の裏面121に、固定ホルダー6および取付金具80で構成される取付部材8に保持されたラインライト1を設置できる。
なお、ラインライト1の点検、交換時の着脱方法は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0042】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態の取付部材8は、第1実施形態と同じ固定ホルダー6を用いているので、固定ホルダー6を用いることによって第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
固定ホルダー6に取付金具80を連結して取付部材8を構成しているので、被取付物120の裏面121にラインライト1を取り付けることができる。
【0043】
取付金具80のホルダー取付片82に位置決め突起821を形成したので、ホルダー取付片82に対する固定ホルダー6のZ軸方向の位置決めを容易に行える。また、固定片30およびホルダー取付片82の一方の側面を揃えた位置をX軸方向の基準位置に設定しているので、ホルダー取付片82に対する固定ホルダー6のX軸方向の位置決めを容易に行える。このため、貫通孔311とネジ穴822との中心軸を簡単に一致させることができ、固定ホルダー6および取付金具80をネジ85で容易に連結できる。
【0044】
[変形例]
固定ホルダー6は、第1保持片40にガイド部46を形成していたが、第2保持片50にガイド部を形成してもよいし、第1保持片40および第2保持片50の両方にガイド部を形成してもよい。また、第2平面55のY軸方向の寸法を、第1平面45よりも大きく形成したものに限定されず、第1平面45および第2平面55のY軸方向の寸法を同じ寸法としてもよい。また、固定ホルダー6は、第1保持片40および第2保持片50をそれぞれ一対ずつ設けていたが、第1保持片40および第2保持片50を1つずつ設けた固定ホルダーを用いてもよい。
固定ホルダー6は、固定片30の連結部31および鍔部32にそれぞれ貫通孔311、321を形成していたが、鍔部32のみに貫通孔321を形成してもよい。さらに、固定ホルダー6の固定片30は、鍔部32を備えずに連結部31のみを有するものでもよい。
固定ホルダー6の第1保持片40、第2保持片50の具体的な構造、形状は前記実施形態に限定されず、第1突起44、第1平面45、ガイド部46、第2突起54、第2平面55などを備えており、ラインライト1の本体2を保持可能な構造、形状であればよい。
【0045】
第2実施形態の取付部材7では、取付金具70の取付片71をホルダー取付片72に対して第1保持片40、第2保持片50の延出方向つまりY2方向に向くように設定していたが、逆にY1方向に向くように設定してもよい。同様に、第3実施形態の取付部材8では、取付金具80の連結片83をホルダー取付片82に対して第1保持片40、第2保持片50の延出方向つまりY2方向に向くように設定していたが、逆にY1方向に向くように設定してもよい。
また、前記各実施形態では、鍔部32が連結部31の上方(Z1方向)に位置する向きで固定ホルダー6を設置していたが、鍔部32が連結部31の下方(Z2方向)に位置する向きで固定ホルダー6を設置してもよい。
【0046】
[発明のまとめ]
本発明は、ラインライトの固定ホルダーであって、前記固定ホルダーは、固定片と、前記固定片から延出された第1保持片と、前記固定片から延出されて前記第1保持片との間に前記ラインライトを保持可能な第2保持片と、を備え、前記第1保持片の先端側には、前記第2保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第2保持片から離れる方向に傾斜された第1傾斜面を有する第1突起と、前記第1傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第1保持片の延出方向に沿った第1平面と、が設けられ、前記第2保持片の先端側には、前記第1保持片側に突出し、先端側に向かうにしたがって前記第1保持片から離れる方向に傾斜された第2傾斜面を有する第2突起と、前記第2傾斜面の先端側に連続して設けられて前記第2保持片の延出方向に沿った第2平面と、が設けられ、前記第1保持片および前記第2保持片の少なくとも一方の保持片の先端側には、前記第1平面または前記第2平面の先端側に連続して設けられ、先端側に向かうにしたがって他方の保持片から離れる方向に傾斜されたガイド面が設けられていることを特徴とする。
第1保持片および第2保持片の少なくとも一方には、先端側からガイド面、第1平面または第2平面、第1突起の第1傾斜面または第2突起の第2傾斜面が連続して形成されるため、ラインライトを取り付ける場合に、ラインライトをガイド面に沿って移動させて、第1平面および第2平面間にラインライトを一旦配置することができる。このため、第1突起の第1傾斜面および第2突起の第2傾斜面にラインライトを押し付けて第1保持片および第2保持片を弾性変形させて互いの間隔を広げる際に、ラインライトは回転せずに移動されるため、各保持片をスムーズに変形させることができる。したがって、ラインライトを固定ホルダーにスムーズに保持でき、施工作業性を向上できる。
【0047】
本発明のラインライトの固定ホルダーにおいて、前記第1保持片および前記第2保持片は、前記ラインライトの長手方向に沿った左右方向に間隔を空けてそれぞれ一対設けられていることが好ましい。
固定ホルダーは、一対の第1保持片と一対の第2保持片とを備えるため、ラインライトを安定して強固に保持することができる。
【0048】
本発明のラインライトの固定ホルダーにおいて、前記ガイド面は、前記第1平面の先端側に連続して設けられ、前記第2平面の前記延出方向の寸法は、前記第1平面の前記延出方向の寸法よりも大きいことが好ましい。
ガイド面に連続する第1平面の延出方向の寸法に対して、第2平面の延出方向の寸法が大きいため、第2平面はガイド面に対向する位置まで設けることができる。このため、ガイド面に沿ってラインライトを移動した際に、ラインライトがガイド面から離れた場合でも第2平面でガイドできるため、第1平面および第2平面間にラインライトをスムーズに移動できる。
【0049】
本発明のラインライトの固定ホルダーにおいて、前記第1保持片の前記延出方向の中間には、前記第2保持片側に突出する第1凸部が形成され、前記第2保持片の前記延出方向の中間には、前記第1保持片側に突出する第2凸部が形成され、前記ラインライトは、前記延出方向において、前記第1突起および前記第1凸部間と、前記第2突起および前記第2凸部間とに保持されることが好ましい。
第1保持片および第2保持片の中間位置に第1凸部および第2凸部を形成したので、ラインライトを、各保持片の延出方向においては、各突起および凸部間に保持でき、各保持片の延出方向およびラインライトの長手方向に直交する方向においては、各保持片間に保持できる。このため、ラインライトに係合用の凹部などを形成する必要が無く、単純な断面矩形状に形成すればよいため、製造コストを低減できる。
【0050】
本発明は、ラインライトの取付部材であって、前記ラインライトの固定ホルダーと、前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、前記取付金具は、被取付物に取り付けられる取付片と、前記取付片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有することを特徴とする。
ラインライトを保持する固定ホルダーに、取付片と、取付片から屈曲して延出されるホルダー取付片とを備える取付金具を取り付けているので、ラインライトの被取付物が固定ホルダーの固定片に沿った面ではなく、第1保持片および第2保持片の延出方向に沿った面である場合に、固定ホルダーの固定片を取付金具のホルダー取付片に取り付け、このホルダー取付片から屈曲された取付片を前記面に取り付けることができる。このため、造作床の下面のように、ラインライトの上方の被取付物にラインライトを取り付けることができる。
また、ホルダー取付片に位置決め用突起を設けているので、ホルダー取付片と固定片との位置合わせを容易に行え、ホルダー取付片と固定片とをネジで固定する場合も簡単に作業できる。
【0051】
本発明は、ラインライトの取付部材であって、前記ラインライトの固定ホルダーと、前記固定ホルダーに取り付けられる取付金具と、を備え、前記取付金具は、被取付物に取り付けられる取付片と、前記取付片から屈曲して延出された連結片と、前記連結片から屈曲して延出され、前記固定片が取り付けられるホルダー取付片と、を備え、前記ホルダー取付片は、前記固定片の取付位置を規定する位置決め突起を有することを特徴とする。
ラインライトを保持する固定ホルダーに、取付片と、取付片から屈曲して延出される連結片と、連結片から屈曲して延出されるホルダー取付片とを備える取付金具を取り付けているので、ラインライトの被取付物が固定ホルダーの固定片に沿った面ではなく、固定片に沿ってかつ固定片よりも上方にあり、水平方向にも異なる面である場合に、固定ホルダーの固定片を取付金具のホルダー取付片に取り付け、取付金具の取付片を被取付物に取り付けることができる。このため、ウッドデッキの幕板の裏面にラインライトを取り付けることができる。
また、ホルダー取付片に位置決め用突起を設けているので、ホルダー取付片と固定片との位置合わせを容易に行え、ホルダー取付片と固定片とをネジで固定する場合も簡単に作業できる。
【符号の説明】
【0052】
1…ラインライト、2…本体、6…固定ホルダー、7…取付部材、8…取付部材、10…光源ユニット、30…固定片、31…連結部、32…鍔部、40…第1保持片、40A…基端、40B…先端、43…第1凸部、44…第1突起、45…第1平面、46…ガイド部、50…第2保持片、50A…基端、50B…先端、53…第2凸部、54…第2突起、55…第2平面、60…ドリルネジ、65…ドリルネジ、66…ドリルネジ、70…取付金具、71…取付片、72…ホルダー取付片、75…ネジ、80…取付金具、81…取付片、82…ホルダー取付片、83…連結片、85…ネジ、311…第2の貫通孔、321…貫通孔、441…第1保持面、442…第1傾斜面、461…ガイド面、541…第2保持面、542…第2傾斜面、711…貫通孔、712…貫通孔、721…位置決め突起、722…ネジ穴、811…貫通孔、812…貫通孔、821…位置決め突起、822…ネジ穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12