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特開2024-47819保険管理装置、保険管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047819
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】保険管理装置、保険管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240401BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153519
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】入江 晋太朗
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保険料を低減する保険管理装置、保険管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】保険管理システム10において、保険管理装置100は、移動体20の所有権を移動体20の利用者30から承継取得するリース事業者40が、利用者30に移動体20をリースする場合に、リース事業者40を移動体20の所有者として受け付ける受付部122と、リース事業者40が所有者として受付部により受け付けられる場合に、利用者30による移動体20の利用に伴って発生する損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成部128と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付部と、
前記リース事業者が前記所有者として前記受付部により受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成部と、
を備える、保険管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保険管理装置であって、
前記利用者による前記移動体の前記利用に伴って発生した事故の履歴に応じて、前記利用者のランクを決定する決定部をさらに備え、
前記生成部は、前記ランクに応じた前記保険料を示す前記保険料情報を生成する、保険管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保険管理装置であって、
前記生成部は、前記利用者が前記移動体を利用する利用時間を示す利用時間情報に応じた前記保険料情報を生成する、保険管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の保険管理装置であって、
通信ネットワークを介して、前記利用時間情報を前記移動体から取得する取得部をさらに備え、
前記生成部は、前記取得部により取得された前記利用時間情報に応じた前記保険料情報を生成する、保険管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の保険管理装置であって、
前記取得部は、前記利用者が所持する利用者端末をさらに介して、前記利用時間情報を前記移動体から取得する、保険管理装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の保険管理装置であって、
前記移動体の前記所有権が前記リース事業者から前記利用者に移転された場合、前記受付部は、前記利用者を前記所有者として受け付け、
前記生成部は、前記利用者が前記所有者として前記受付部により受け付けられる場合の前記保険料を示す前記保険料情報を生成する、保険管理装置。
【請求項7】
移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、
前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、
を備える、保険管理方法。
【請求項8】
移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、
前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険管理装置、保険管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体を操作する利用者に対する保険料を決定する決定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-51390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保険料を低減することが待望されている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、保険管理装置であって、移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付部と、前記リース事業者が前記所有者として前記受付部により受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、保険管理方法であって、移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、を備える。
【0008】
本発明の第3の態様は、プログラムであって、移動体の所有権を前記移動体の利用者から承継取得するリース事業者が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保険料の低減に資する保険管理装置、保険管理方法およびプログラムが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、保険管理システムの一例を示す図である。
図2図2は、利用者の基本情報を例示する図である。
図3図3は、事故履歴情報を例示する図である。
図4図4は、利用時間情報を例示する図である。
図5図5は、保険管理装置の動作の例を示すフローチャートである。
図6図6は、保険管理装置の動作の例を示すフローチャートである。
図7図7は、保険管理装置の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態による保険管理装置、保険管理方法およびプログラムについて、図1図7を用いて説明する。図1は、保険管理システム10の一例を示す図である。移動体20の利用者30は、利用者30による移動体20の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険に加入している。なお、移動体20は、例えば車両である。本実施形態では、移動体20が車両である場合を例に説明する。移動体20は、ロボット、飛行体等の他の移動体であってもよい。
【0012】
ところで、移動体20の所有権を利用者30からリース事業者40に承継取得させ、当該リース事業者40が当該利用者30に当該移動体20を利用させる場合には、当該利用者30が負担する保険料が大幅に低減される可能性がある。すなわち、利用者30は、移動体20の所有権をリース事業者40に承継させ得る。リース事業者40は、移動体20の所有権を利用者30から承継取得し得る。リース事業者40は、移動体20の所有者になり得る。利用者30から所有権を承継取得したリース事業者40は、当該利用者30に移動体20をリースし得る。
【0013】
利用者30から移動体20の所有権を承継取得したリース事業者40が、当該移動体20を利用者30に利用させる場合には、移動体20の所有者が利用者30である場合と比べて、利用者30が負担する保険料が大幅に低減される可能性がある。このため、移動体20の所有権を利用者30から承継取得したリース事業者40が当該移動体20を利用者30に利用させる場合の保険料に、当該利用者30は関心を持ち得る。そこで、本実施形態では、このような場合の保険料を示す保険料情報が、以下のようにして利用者30等に提供される。
【0014】
図1に示す保険事業者利用設備50は、保険事業者により利用される。移動体20には、通信機器60が搭載されている。利用者30は、利用者端末62を所持する。通信ネットワーク70を介して、保険事業者利用設備50と、通信機器60とが接続される。通信ネットワーク70を介して、保険事業者利用設備50と、利用者端末62とが接続される。通信ネットワーク70としては、インターネット等が挙げられる。
【0015】
保険事業者利用設備50は、端末装置90と、保険管理装置100とを含む。端末装置90は、保険事業者の従業員により操作され得る。端末装置90は、例えば、通信可能なパーソナルコンピュータ等により構成され得るが、これに限定されない。端末装置90と、保険管理装置100とは、通信ネットワーク70を介して相互に通信し得る。
【0016】
保険管理装置100は、サーバコンピュータ等により構成され得るが、これに限定されない。保険管理装置100には、演算部102と、記憶部104と、通信部106とが備えられ得る。保険管理装置100には、これらの構成要素以外の構成要素も備えられ得るが、ここでは説明を省略する。演算部102は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(processor)により構成され得る。すなわち、演算部102は、処理回路(processing circuitry)により構成され得る。
【0017】
演算部102には、制御部120と、受付部122と、取得部124と、決定部126と、生成部128と、提供部130とが備えられ得る。なお、演算部102には、これらの構成要素以外の構成要素も備えられ得るが、ここでは説明を省略する。制御部120と、受付部122と、取得部124と、決定部126と、生成部128と、提供部130とのうちの少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。
【0018】
また、制御部120と、受付部122と、取得部124と、決定部126と、生成部128と、提供部130とのうちの少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路により構成されるようにしてもよい。
【0019】
制御部120は、保険管理装置100の全体の制御を司る。制御部120と、受付部122と、取得部124と、決定部126と、生成部128と、提供部130とは、記憶部104に記憶されているプログラムが演算部102により実行されることにより実現され得る。
【0020】
記憶部104は、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとを備え得る。揮発性メモリとしては、例えばRAM(Random Access Memory)等が挙げられ得る。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用され、処理または演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えばROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられ得る。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用され、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。
【0021】
記憶部104の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。また、記憶部104には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等がさらに備えられ得る。記憶部104には、本実施形態による保険管理方法をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが予めインストールされる。
【0022】
また、記憶部104には、基本情報記憶部140と、事故履歴情報記憶部142と、利用時間情報記憶部144とが備えられ得る。基本情報記憶部140には、基本情報が記憶される。基本情報には、移動体20に関する情報と、移動体20の利用者30に関する情報とが含まれる。事故履歴情報記憶部142には、利用者30による移動体20の利用に伴って発生した事故の履歴を示す事故履歴情報が記録される。利用時間情報記憶部144には、利用者30が移動体20を利用する利用時間を示す利用時間情報が記憶される。記憶部104の少なくとも一部が、保険管理装置100とは別個に設けられた不図示のストレージにより構成されてもよい。
【0023】
上述したように、保険管理装置100には、通信部106が備えられ得る。通信部106には、例えば、不図示の通信モジュールが備えられている。通信部106は、通信ネットワーク70を介して、端末装置90との間で通信を行い得る。また、通信部106は、通信ネットワーク70を介して、通信機器60との間で通信を行い得る。通信部106は、通信ネットワーク70を介して、利用者端末62との間で通信を行い得る。
【0024】
通信機器60は、利用者30が移動体20を利用した時間である利用時間を示す利用時間情報を、移動体20に備えられた各種センサによるセンサデータを用いて生成する。通信機器60が通信ネットワーク70への接続機能を備えている場合、通信機器60は、通信ネットワーク70を介して利用時間情報を保険管理装置100へ送信する。通信機器60が、通信ネットワーク70への接続機能を備えずに利用者端末62との近距離通信機能を備えている場合、通信機器60は、利用者端末62をさらに介して利用時間情報を保険管理装置100へ送信する。保険管理装置100へ送信された利用時間情報は、保険管理装置100の利用時間情報記憶部144に記憶される。
【0025】
移動体20の利用者30は、上述したように移動体20の所有権がリース事業者40に承継される場合の保険料に関心を持ち得る。利用者30は、当該保険料を把握するため、利用者端末62を操作して、上述した基本情報を入力する。利用者端末62は、通信ネットワーク70を介して基本情報を保険管理装置100へ送信する。なお、保険事業者の従業員が端末装置90を操作することにより、基本情報が保険管理装置100へ送信されてもよい。
【0026】
保険管理装置100へ送信された基本情報は、保険管理装置100の基本情報記憶部140に記憶される。
【0027】
利用者30による移動体20の利用に伴って事故が発生し、事故による損害を補償する保険金が保険事業者から利用者30へ支給される場合がある。その場合、保険事業者の従業員は、端末装置90を操作して、保険金が支給された対象の事故に関する事故情報を保険管理装置100へ送信する。保険管理装置100へ送信された事故情報に基づいて、保険管理装置100の事故履歴情報記憶部142に事故履歴情報が記憶される。
【0028】
上述したように、保険管理装置100の演算部102には、受付部122が備えられ得る。受付部122は、利用者端末62または端末装置90から供給された基本情報を取得する。受付部122は、取得した基本情報を基本情報記憶部140に記憶する。
【0029】
上述したように、保険管理装置100の演算部102には、取得部124が備えられ得る。取得部124は、移動体20に搭載された通信機器60から供給された利用時間情報を取得する。取得部124は、取得した利用時間情報を利用時間情報記憶部144に記憶する。
【0030】
取得部124は、さらに、端末装置90から供給された事故情報を取得する。取得部124は、取得した事故情報に基づく事故履歴情報を、事故履歴情報記憶部142に記憶する。
【0031】
上述したように、保険管理装置100の演算部102には、決定部126が備えられ得る。決定部126は、利用者30による移動体20の利用に伴って発生した事故の履歴を、上述した事故履歴情報記憶部142に記憶されている事故履歴情報を参照して取得する。決定部126は、取得した事故履歴情報が示す事故の履歴に応じて、利用者30のランクを決定する。
【0032】
生成部128は、リース事業者40が移動体20の所有者として受付部122により受け付けられる場合に利用者30が加入することが見込まれる保険の保険料を示す保険料情報を生成する。生成部128は、決定部126により決定されたランクに応じた保険料を示す保険料情報を生成し得る。生成部128は、上述した利用時間情報記憶部144を参照して、利用時間情報を取得する。生成部128は、取得した利用時間情報に応じた保険料を示す保険料情報を生成し得る。
【0033】
提供部130は、生成部128により生成された保険料情報を、通信部106および通信ネットワーク70を介して、端末装置90に提供し得る。保険事業者の従業員は、端末装置90の例えば表示画面に表示される保険料情報を把握することができる。提供部130は、生成部128により生成された保険料情報を、移動体20の利用者30が所持する利用者端末62に提供し得る。提供された保険料情報は、利用者端末62の例えば表示画面に表示される。利用者30は、このようにして保険料情報を把握することができる。
【0034】
保険料情報を把握した利用者30は、保険への加入を申し込んでもよい。保険への加入申込は、利用者端末62または端末装置90の操作により行われる。保険への加入申込が行われた場合、制御部120は、申込処理を行う。
【0035】
図2は、利用者30の基本情報を例示する図である。基本情報は基本情報記憶部140に記憶される。基本情報は、移動体20の利用者30を示す情報と、利用者30の年齢を示す情報と、移動体20の種類を示す情報と、移動体20の製造年を示す情報と、移動体20の所有者を示す情報とを含み得る。なお、基本情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0036】
リース事業者40が移動体20の所有権を利用者30から承継取得し、且つ、利用者30に移動体20をリースする場合、受付部122は、リース事業者40を移動体20の所有者として受け付ける。基本情報に含まれる項目の一つである所有者として、リース事業者40が設定される。図2に示す例では、利用者30であるX2が利用する移動体20の所有者は、X2ではなく、リース事業者40であるL1である。
【0037】
図3は、事故履歴情報を例示する図である。事故履歴情報は事故履歴情報記憶部142に記憶される。上述したように、取得部124により取得された事故情報に基づいて、事故履歴情報が記憶される。事故履歴情報に基づいて利用者30のランクが決定部126により決定されるため、ランクの決定に必要な情報が、事故履歴情報として記憶される。事故履歴情報は、移動体20の利用者30を示す情報と、事故履歴を示す情報とを含み得る。なお、事故履歴情報に含まれる情報は、これらに限定されない。事故履歴を示す情報は、例えば事故の発生回数を示す情報、事故の種類を示す情報等である。
【0038】
図3に示す例で、利用者30の事故履歴はN2である。事故履歴であるN2が、利用者30であるX2のランクの決定に用いられる。ランクに応じて保険料が変化する。この仕組みは、利用者30が移動体20を利用する際に事故を回避する意識を高め得る。
【0039】
図4は、利用時間情報を例示する図である。利用時間情報は利用時間情報記憶部144に記憶される。上述したように、利用時間情報は、通信機器60で生成される。
【0040】
例えば、利用者30が移動体20のパワースイッチをオンにした時、利用時間の計測が開始される。利用者30がパワースイッチをオフにする時、利用時間の計測が停止される。こうして計測された利用時間を示す利用時間情報が、通信機器60から保険管理装置100へ送信される。図4に示す例では、利用者30であるX2による移動体20の利用時間はT2と記録されている。
【0041】
なお、上述した利用時間情報は、利用者30がパワースイッチをオンにした利用開始時刻、および利用者30がパワースイッチをオフにする利用終了時刻であってもよい。その場合、取得部124が、取得した利用時間情報に基づいて利用時間を算出する。利用時間は、利用終了時刻と利用開始時刻との差として得られる。
【0042】
利用時間に応じて保険料を変化させることができる。例えば、利用時間が短いほど、保険料が低減され得る。この仕組みは、移動体20を利用する機会が減少した利用者30が、保険料を理由として、移動体20の所有の維持を断念することを抑え得る。
【0043】
図5は、保険管理装置100の動作の例を示すフローチャートである。図5には、取得部124による事故履歴情報の記憶処理の処理手順が例示されている。本処理手順は、端末装置90から保険管理装置100に事故情報が供給されることにより開始される。本処理手順が開始されると、ステップS1で、取得部124は、端末装置90から事故情報を取得したか否かを判定する。
【0044】
ステップS1でYESとなった場合、本処理手順はステップS2へ進む。ステップS1でNOとなった場合、本処理手順は終了する。ステップS2で、取得部124は、ステップS1で取得した事故情報に基づいて、事故履歴情報記憶部142に事故履歴情報を記憶する。ステップS2の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0045】
図6は、保険管理装置100の動作の例を示すフローチャートである。図6には、取得部124による利用時間情報の記憶処理の処理手順が例示されている。本処理手順は、移動体20に搭載された通信機器60から保険管理装置100に利用時間情報が供給されることにより開始される。本処理手順が開始されると、ステップS11で、取得部124は、通信機器60から利用時間情報を取得したか否かを判定する。
【0046】
ステップS11でYESとなった場合、本処理手順はステップS12へ進む。ステップS11でNOとなった場合、本処理手順は終了する。ステップS12で、取得部124は、ステップS11で取得した利用時間情報を、利用時間情報記憶部144に記憶する。ステップS12の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0047】
図7は、保険管理装置100の動作の例を示すフローチャートである。保険管理装置100で行われる保険料情報の生成および提示処理の処理手順が例示されている。本処理手順は、移動体20および利用者30の基本情報が受付部122により取得されると開始される。本処理手順が開始されると、ステップS31で、生成部128は、基本情報記憶部140から、基本情報を取得する。
【0048】
ステップS32で、生成部128は、リース事業者40が移動体20の所有者として受付部122により受け付けられたか否かを判定する。具体的には、生成部128は、基本情報記憶部140を参照し、移動体20の所有者と移動体20の利用者30とが異なるか否かを判定する。所有者と利用者30とが異なる場合、リース事業者40が移動体20の所有者として受付部122により受け付けられたと判定される。
【0049】
ステップS32でYESとなった場合、本処理手順はステップS33へ進む。ステップS32でNOとなった場合、本処理手順は後述するステップS51へ進む。ステップS33で、決定部126は、事故履歴情報記憶部142から、利用者30の事故履歴情報を取得する。ステップS34で、決定部126は、取得した事故履歴情報に基づき、事故の履歴に応じた利用者30のランクを決定する。
【0050】
ステップS35で、生成部128は、利用時間情報記憶部144から、利用者30の利用時間情報を取得する。ステップS36で、生成部128は、利用者30が保険に加入した場合の保険料を示す保険料情報を生成する。保険料情報は、ステップS31で取得された基本情報と、ステップS34で決定されたランクの情報と、ステップS35で取得された利用時間情報とに基づいて生成される。
【0051】
ステップS37で、提供部130は、ステップS36で生成された保険料情報を、保険事業者利用設備50内の端末装置90、または利用者30が所持する利用者端末62に提供する。ステップS37の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0052】
移動体20の所有者がリース事業者40であるため、移動体20の所有者が利用者30である場合と比べて、保険料が大幅に低減される可能性が高い。提供された保険料情報に基づいて、利用者30は保険に加入するか否かを検討することができる。提供された保険料情報に基づいて、保険事業者の従業員は、利用者30に保険の加入を提案するか否かを検討することができる。保険事業者の従業員は、利用者30に保険の加入を提案する場合、提供された保険料情報に基づいて、保険提案書を作成することができる。
【0053】
移動体20の利用態様が上述したリースの態様に実際に変更された場合、利用者30は保険への加入を申し込むことができる。利用者30が保険に加入した後、移動体20の所有権がリース事業者40から利用者30に再移転される場合がある。その場合、利用者30は、利用者端末62を操作することにより、図2に示す基本情報に含まれる所有者の情報を更新する。保険事業者の従業員が、端末装置90を操作することにより、基本情報に含まれる所有者の情報を更新してもよい。
【0054】
移動体20の所有者の情報を含む基本情報が、端末装置90から保険管理装置100へ送信される。受付部122は、通信ネットワーク70および通信部106を介して、基本情報を取得する。
【0055】
受付部122は、取得した基本情報に基づき、利用者30を移動体20の所有者として受け付ける。受付部122は、基本情報記憶部140に記憶されている基本情報を更新する。その場合、移動体20の所有者と利用者30とが一致するため、図7のステップS32における判定処理でNOと判定される。
【0056】
上述したように、ステップS32でNOとなった場合、本処理手順はステップS51へ進む。ステップS51で、決定部126は、事故履歴情報記憶部142から、利用者30の事故履歴情報を取得する。ステップS52で、決定部126は、取得した事故履歴情報に基づき、事故の履歴に応じた利用者30のランクを決定する。
【0057】
ステップS53で、生成部128は、利用者30が負担する保険料を示す保険料情報を生成する。すなわち、利用者30が移動体20の所有者として受付部122により受け付けられる場合の保険料を示す保険料情報が生成される。保険料情報は、ステップS31で取得された基本情報と、ステップS52で決定されたランクの情報とに基づいて生成される。ステップS53の処理が完了すると、本処理手順は上述したステップS37へ進む。
【0058】
ステップS37では、保険料情報が、保険事業者利用設備50内の端末装置90、または利用者30が所持する利用者端末62に提供される。上述したリースが終了し、移動体20の所有者が利用者30になった場合の保険料情報を、保険事業者の従業員または利用者30が把握できる。
【0059】
[実施形態から得られる発明]
上述した実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0060】
(1)保険管理装置(100)は、移動体(20)の所有権を前記移動体の利用者(30)から承継取得するリース事業者(40)が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付部(122)と、前記リース事業者が前記所有者として前記受付部により受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成部(128)と、を備える。これにより、保険料を大幅に低減できる可能性がある。
【0061】
(2)前記保険管理装置は、前記利用者による前記移動体の前記利用に伴って発生した事故の履歴に応じて、前記利用者のランクを決定する決定部(126)をさらに備え、前記生成部は、前記ランクに応じた前記保険料を示す前記保険料情報を生成してもよい。これにより、事故の履歴に応じて保険料を低減することができる。
【0062】
(3)前記生成部は、前記利用者が前記移動体を利用する利用時間を示す利用時間情報に応じた前記保険料情報を生成してもよい。これにより、移動体の利用時間に応じて保険料を低減することができる。
【0063】
(4)前記保険管理装置は、通信ネットワーク(70)を介して、前記利用時間情報を前記移動体から取得する取得部(124)をさらに備え、前記生成部は、前記取得部により取得された前記利用時間情報に応じた前記保険料情報を生成してもよい。これにより、移動体の利用時間を適確に取得することができる。
【0064】
(5)前記取得部は、前記利用者が所持する利用者端末(62)をさらに介して、前記利用時間情報を前記移動体から取得してもよい。
【0065】
(6)前記移動体の前記所有権が前記リース事業者から前記利用者に移転された場合、前記受付部は、前記利用者を前記所有者として受け付け、前記生成部は、前記利用者が前記所有者として前記受付部により受け付けられる場合の前記保険料を示す前記保険料情報を生成してもよい。これにより、リースの終了に応じた保険料情報を提供することができる。
【0066】
(7)保険管理方法は、移動体(20)の所有権を前記移動体の利用者(30)から承継取得するリース事業者(40)が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、を備える。
【0067】
(8)プログラムは、移動体(20)の所有権を前記移動体の利用者(30)から承継取得するリース事業者(40)が、前記利用者に前記移動体をリースする場合に、前記リース事業者を前記移動体の所有者として受け付ける受付ステップと、前記リース事業者が前記所有者として前記受付ステップで受け付けられる場合に、前記利用者による前記移動体の利用に伴って発生し得る損害を補償する保険の保険料を示す保険料情報を生成する生成ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0068】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0069】
10…保険管理システム 20…移動体
30…利用者 40…リース事業者
50…保険事業者利用設備 60…通信機器
62…利用者端末 70…通信ネットワーク
90…端末装置 100…保険管理装置
102…演算部 104…記憶部
106…通信部 120…制御部
122…受付部 124…取得部
126…決定部 128…生成部
130…提供部 140…基本情報記憶部
142…事故履歴情報記憶部 144…利用時間情報記憶部
図1
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図7