(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047821
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】枠改装構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/62 20060101AFI20240401BHJP
E06B 1/56 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
E06B1/62 B
E06B1/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153521
(22)【出願日】2022-09-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 :長島サッシ様 ドアリモ玄関ドアマンション用商品説明 YKK AP株式会社主催 開催場所:有限会社長島サッシ工業事務所(千葉県木更津市高柳2-1-2) 開催日 :令和4年8月29日
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】平山 健司
(72)【発明者】
【氏名】岩田 奈穂
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA03
2E011KA03
2E011KB02
2E011KB03
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KD14
2E011KE04
2E011KE07
2E011KG00
2E011KH01
2E011LB02
2E011LC02
2E011LD02
2E011LD04
2E011LD07
2E011LF01
2E011LF06
(57)【要約】
【課題】枠改装構造の防火性能を確保しつつ、施工現場での額縁の容易な加工を可能にする。
【解決手段】枠改装構造9では、既設枠2の既設枠材5に改装用の新設枠1Aの新設枠材8が連結されている。枠改装構造9は、新設枠材8の室外側部8Bと室内側部8Gの少なくとも一方に取り付けられた額縁30、40を備えている。既設枠材5と新設枠材8は、鋼製であり、額縁30、40は、アルミニウム合金製である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設枠の既設枠材に改装用の新設枠の新設枠材が連結された枠改装構造であって、
前記新設枠材の室外側部と室内側部の少なくとも一方に取り付けられた額縁を備え、
前記既設枠材と前記新設枠材は、鋼製であり、
前記額縁は、アルミニウム合金製である枠改装構造。
【請求項2】
請求項1に記載された枠改装構造において、
前記額縁は、前記新設枠材に当接して前記額縁を位置決めする位置決め部を有する枠改装構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された枠改装構造において、
前記新設枠材は、連結ネジを用いて前記既設枠材に連結され、
前記額縁は、前記連結ネジを遮蔽する遮蔽部を有する枠改装構造。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された枠改装構造において、
前記額縁と建物の壁面との間に生じる間隙を覆う覆い材を備えた枠改装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設枠の既設枠材に改装用の新設枠の新設枠材が連結された枠改装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建具であるドアを改装するときには、既設ドアの既設枠を残して、改装用の新設枠を設置する。その際、既設枠の既設枠材に新設枠の新設枠材が連結されて、新設枠材が既設枠材に保持される。また、このような枠改装構造に関し、従来、下地部材を使用して、2つに分割された新ドア枠を旧ドア枠に連結する金属製ドア枠のリフォーム工法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の金属製ドア枠のリフォーム工法では、下地部材を旧ドア枠に予め抵抗溶接し、外部新ドア枠を下地部材にビスで止めた後に、内部新ドア枠を下地部材にビスで止める。続いて、新ドア枠の外部新ドア枠と内部新ドア枠とを分割位置に沿って溶接して一体化する。旧ドア枠は、新ドア枠の内部に配置されて、新ドア枠により囲まれる。
【0004】
これに対し、従来、額縁を新設枠材に取り付けて、額縁と新設枠材により、既設枠材を囲むことも行われている。ただし、既設枠材は様々な壁面の建物に設置されるため、額縁と建物の壁面との位置関係も様々に変化する。そのため、額縁を備えた枠改装構造では、額縁が建物の壁面に当たらないように、施工現場で、額縁の加工を要することがあり、施工性の観点から、額縁の加工のし易さが求められる。加えて、枠改装構造においては、火災への対処のため、防火性能を確保することも求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、枠改装構造の防火性能を確保しつつ、施工現場での額縁の容易な加工を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
既設枠の既設枠材に改装用の新設枠の新設枠材が連結された枠改装構造であって、
前記新設枠材の室外側部と室内側部の少なくとも一方に取り付けられた額縁を備え、
前記既設枠材と前記新設枠材は、鋼製であり、
前記額縁は、アルミニウム合金製である枠改装構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、枠改装構造の防火性能を確保しつつ、施工現場での額縁の容易な加工を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態の新設建具と既設枠を示す縦断面図である。
【
図3】本実施形態の新設建具と既設枠を示す横断面図である。
【
図4】本実施形態の上枠材における枠改装構造を示す縦断面図である。
【
図5】本実施形態の縦枠材における枠改装構造を示す横断面図である。
【
図6】本実施形態の額縁の寸法の調整例を示す横断面部である。
【
図7】本実施形態の額縁の寸法の調整例を示す横断面部である。
【
図8】本実施形態の額縁の寸法の調整例を示す横断面部である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の枠改装構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の枠改装構造は、既設枠の既設枠材と改装用の新設枠の新設枠材を含む枠の改装構造である。枠改装構造では、新設枠材が既設枠材に連結されて、既設枠材が新設枠材に改装される。ここでは、既設枠と新設枠は、建具の既設枠と新設枠であり、枠改装構造は、建具の枠改装構造である。既設建具の既設枠の既設枠材は、新設建具の新設枠の新設枠材により覆われて改装される。以下、建具がドアである場合を例にとり、枠改装構造について説明する。従って、既設建具は、既設ドアであり、改装用の新設建具は、既設ドアの改装に用いられる新設ドアである。
【0011】
図1は、本実施形態の新設建具1(新設ドア)を示す正面図であり、建物10に設置された新設建具1を室外側からみて示している。
図示のように、新設建具1は、建物10の玄関に設置される玄関ドアであり、建物10の室内(屋内)と室外(屋外)の間に配置される。また、新設建具1は、片開きドアであり、建物10の開口(建物開口11)に設置される。
【0012】
なお、建物10に設置した新設建具1、既設枠、及び、枠改装構造を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図1では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。室内外方向は、建物10に設置した新設建具1、既設枠、及び、枠改装構造における室内外方向(屋内外方向)である。また、室内外方向は、建物10に設置した新設建具1、既設枠、及び、枠改装構造を正面からみたときに、前後となる方向であり、
図1では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、新設建具1、既設枠、及び、枠改装構造に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、新設建具1、既設枠、及び、枠改装構造に関して室内側、室外側とは、建物10に設置した状態での室内側、室外側である。
【0013】
新設建具1は、改装用の新設枠1Aと、開閉可能な扉体1Bを備えている。扉体1Bは、パネル体であり、新設枠1Aに開閉可能に連結されている。扉体1Bは、新設枠1Aの内側の開口(新設枠開口1C)に配置され、室外側と新設枠1A側とに回動して移動する。開閉時に、扉体1Bは、新設枠1Aの新設枠開口1C内の閉位置から室外側の開位置に向かって移動して開き、開位置から新設枠1A側の閉位置に向かって移動して閉じる。
【0014】
図2は、本実施形態の新設建具1と既設枠2を示す縦断面図であり、
図3は、本実施形態の新設建具1と既設枠2を示す横断面図である。
図2、
図3では、建物10を二点鎖線で示している。
図示のように、既設建具の既設枠2は、建物10に取り付けられて、建物開口11に設置されている。新設建具1の設置前(施工前)に、既設枠2を残して、既設建具の扉体を既設枠2から取り外す。既設枠2が建物開口11に残存する状態で、新設建具1は、既設枠2の内側の開口(既設枠開口2A)に配置されて、建物開口11に新たに設置される。新設枠1Aは、既設枠2の既設枠開口2Aに配置されて、既設枠2に連結される。
【0015】
既設枠2は、方形状の開口枠(既設ドア枠)であり、互いに組み合わされた4つの既設枠材3~5(既設上枠材3、既設下枠材4、一対の既設縦枠材5)を有している。既設枠材3~5は、既設枠2を構成する既設枠構成材であり、それぞれ建物10に取り付けられて、方形状の既設枠開口2Aを形成している。既設上枠材3と既設下枠材4は、上下の既設横枠材であり、既設枠2の上部と下部で左右方向S(横方向)に延びる。一対の既設縦枠材5は、既設枠2の左右の側部に位置する左右の既設側枠材であり、既設枠2の側部で上下方向R(縦方向)に延びる。
【0016】
新設枠1Aは、方形状の開口枠(新設ドア枠)であり、互いに組み合わされた4つの新設枠材6~8(新設上枠材6、新設下枠材7、一対の新設縦枠材8)を有している。新設枠材6~8は、新設枠1Aを構成する新設枠構成材であり、方形状の新設枠開口1Cを形成している。新設上枠材6と新設下枠材7は、上下の新設横枠材であり、新設枠1Aの上部と下部で左右方向Sに延びる。一対の新設縦枠材8は、新設枠1Aの左右の側部に位置する左右の新設側枠材であり、新設枠1Aの側部で上下方向Rに延びる。
【0017】
新設枠材6~8は、それぞれ既設枠材3~5に対して既設枠2の内側(既設枠開口2A側)に設けられている。新設上枠材6は、既設上枠材3に沿って配置されて、既設上枠材3の長手方向に延びる。新設下枠材7は、既設下枠材4に沿って配置されて、既設下枠材4の長手方向に延びる。新設縦枠材8は、既設縦枠材5に沿って配置されて、既設縦枠材5の長手方向に延びる。新設枠材6~8は、それぞれ下地材20を介して、既設枠材3~5に連結されている。下地材20は、既設枠材3~5のそれぞれに取り付けられ、新設枠材6~8は、それぞれ下地材20に取り付けられている。
【0018】
既設上枠材3、既設下枠材4、新設上枠材6、新設下枠材7のそれぞれの長手方向は、左右方向Sであり、既設縦枠材5、新設縦枠材8のそれぞれの長手方向は、上下方向Rである。また、既設上枠材3、既設下枠材4、新設上枠材6、新設下枠材7のそれぞれの見付け方向は、上下方向Rであり、既設縦枠材5、新設縦枠材8のそれぞれの見付け方向は、左右方向Sである。既設枠材3~5、新設枠材6~8のそれぞれの見込み方向は、室内外方向Tである。
【0019】
既設下枠材4は、新設下枠材7により覆われている。これに対し、他の既設枠材3、5は、それぞれ新設枠材6、8及び額縁30、40により覆われている。また、既設枠材3、5の室外側には塞ぎ材50が設けられ、既設枠材3、5の室内側には覆い材60が設けられている。既設枠材3~5、新設枠材6~8、下地材20、及び、塞ぎ材50は、鋼製であり、額縁30、40は、アルミニウム合金製である。
【0020】
本実施形態の枠改装構造9は、既設枠材3、5を新設枠材6、8に改装したときの改装構造であり、既設下枠材4及び新設下枠材7の箇所には設けられずに、既設枠材3、5及び新設枠材6、8の箇所に設けられている。また、上枠材(既設上枠材3、新設上枠材6)における枠改装構造9と一対の縦枠材(既設縦枠材5、新設縦枠材8)における枠改装構造9は、同様に構成されている。以下、上枠材と縦枠材における枠改装構造9について説明する。
【0021】
図4は、本実施形態の上枠材における枠改装構造9を示す縦断面図であり、
図2の上側の部分を拡大して示している。
図5は、本実施形態の縦枠材における枠改装構造9を示す横断面図であり、
図3の左右方向Sの一方側の部分を拡大して示している。
図示のように、枠改装構造9は、既設枠2の既設枠材3、5(既設上枠材3、既設縦枠材5)、新設枠1Aの新設枠材6、8(新設上枠材6、新設縦枠材8)、下地材20、額縁30、40、塞ぎ材50、及び、覆い材60を備えている。新設枠材6、8、下地材20、額縁30、40、塞ぎ材50、及び、覆い材60は、既設枠材3、5の長手方向に延び、既設枠材3、5の長手方向の全体にわたって設けられている。
【0022】
新設枠材6、8は、既設枠材3、5の少なくとも一部を覆って遮蔽している。ここでは、新設枠材6、8は、既設枠材3、5の既設枠開口2A側の位置から既設枠材3、5の室外側の位置まで配置されて、既設枠材3、5を既設枠開口2A側及び室外側において覆う。また、新設枠材6、8は、既設枠材3、5の室内側の位置には配置されず、既設枠材3、5を室内側において覆わない。
【0023】
既設枠材3、5は、それぞれ室外側見付け部3A、5A、室内側見付け部3B、5B、及び、見込み部3C、5Cを有している。室外側見付け部3A、5Aは、既設枠材3、5における室外側に位置する室外面部であり、室外側に向けて配置されている。室内側見付け部3B、5Bは、既設枠材3、5における室内側に位置する室内面部であり、室内側に向けて配置されている。室外側見付け部3A、5Aと室内側見付け部3B、5Bは、既設枠材3、5の見付け方向に沿って配置されている。
【0024】
既設枠材3、5の見込み部3C、5Cは、既設枠材3、5における既設枠開口2A側(既設枠2の内周側)に位置する内周面部であり、室外側見付け部3A、5Aと室内側見付け部3B、5Bの間に位置している。また、見込み部3C、5Cは、既設枠材3、5の見込み方向の中間部に位置する段部3D、5Dを有し、段部3D、5Dにおいて屈曲する屈曲形状に形成されている。見込み部3C、5Cは、屈曲しつつ、既設枠材3、5の見込み方向に延びる。
【0025】
下地材20は、既設枠材3、5の既設枠開口2A側に位置して、既設枠材3、5に沿って配置されている。また、下地材20は、室内外方向Tの中間部に位置する段部21と、既設枠材3、5よりも室外側の位置まで突出する突出部22を有し、段部21において屈曲する屈曲形状に形成されている。下地材20は、屈曲しつつ、室内外方向Tに延びる。下地材20は、段部21を既設枠材3、5の見込み部3C、5Cの段部3D、5Dに重ねて、既設枠材3、5の見込み部3C、5Cに沿って配置される。その状態で、下地材20の突出部22は、既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aに対して室外側に突出している。
【0026】
下地材20は、新設枠材6、8を既設枠材3、5に連結する板状の連結材であり、既設枠材3、5と新設枠材6、8の間に配置されて、室内外方向Tに離隔したネジ70、71により、既設枠材3、5(ここでは、見込み部3C、5C)に取り付けられている。既設枠材3、5の見込み部3C、5Cの段部3D、5D及び下地材20の段部21の室外側と室内側のそれぞれの箇所で、スペーサ23、24が下地材20と既設枠材3、5の見込み部3C、5Cの間に挟まれている。ネジ70、71は、下地材20の挿通孔とスペーサ23、24の挿通孔を挿通して、既設枠材3、5の見込み部3C、5Cのネジ孔に螺合している。これにより、ネジ70、71が既設枠材3、5の見込み部3C、5Cに固定されて、ネジ70、71により、下地材20が既設枠材3、5の見込み部3C、5Cに取り付けられる。
【0027】
新設枠材6、8は、それぞれ見込み部6A、8A、及び、室外側部6B、8Bを有している。見込み部6A、8Aは、新設枠材6、8における新設枠開口1C側(新設枠1Aの内周側)に位置する内周面部であり、既設枠材3、5の既設枠開口2A側に配置されている。室外側部6B、8Bは、新設枠材6、8における室外側に位置する部分であり、既設枠材3、5との間に隙間6C、8Cを形成した状態で、既設枠材3、5の室外側に配置されている。新設枠材6、8は、見込み部6A、8Aにより、既設枠材3、5を既設枠開口2A側において覆い、室外側部6B、8Bにより、既設枠材3、5を室外側において覆う。
【0028】
新設枠材6、8の見込み部6A、8Aは、タイト材80を保持する溝状の保持部6D、8Dを有している。タイト材80は、見込み部6A、8Aの保持部6D、8Dに取り付けられ、保持部6D、8Dから室外側に張り出して、閉位置の扉体1Bと当接する。保持部6D、8Dは、見込み部6A、8Aに形成された段部であり、見込み部6A、8Aで、新設枠材6、8の見込み方向の中間部に位置している。見込み部6A、8Aは、保持部6D、8Dにおいて屈曲する屈曲形状に形成され、屈曲しつつ、新設枠材6、8の見込み方向に延びる。
【0029】
新設枠材6、8は、室内外方向Tに離隔したネジ72、73により、下地材20に取り付けられ、ネジ72、73及び下地材20を介して、既設枠材3、5に連結されている。従って、ネジ72、73は、新設枠材6、8の連結用のネジ(連結ネジ)であり、新設枠材6、8は、ネジ72、73(連結ネジ)を用いて既設枠材3、5に連結されている。
【0030】
新設枠材6、8の見込み部6A、8Aは、突出部22を含む下地材20に重ねて配置され、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bは、下地材20の室外側に配置されている。保持部6D、8D及び下地材20の段部21の室外側と室内側のそれぞれの箇所で、ネジ72、73は、新設枠材6、8の見込み部6A、8Aの挿通孔を挿通して、下地材20のネジ孔に螺合している。これにより、ネジ72、73が下地材20に固定されて、ネジ72、73により、新設枠材6、8の見込み部6A、8Aが下地材20に取り付けられる。新設枠材6、8の見込み部6A、8Aは、下地材20を介して、既設枠材3、5の見込み部3C、5Cに連結されている。
【0031】
新設枠材6、8の室外側部6B、8Bは、新設枠材6、8の室外側見付け部6E、8Eと取付部6F、8Fを有している。室外側見付け部6E、8Eは、新設枠材6、8における室外側に位置する室外面部であり、見込み部6A、8Aの室外側の端部に連続して、室外側に向けて配置されている。室外側見付け部6E、8Eは、新設枠材6、8の見付け方向に沿って配置され、取付部6F、8Fは、室外側見付け部6E、8Eから室内側に突出している。また、取付部6F、8Fは、室内側の既設枠材3、5(ここでは、室外側見付け部3A、5A)に向かって突出して、室内外方向Tにおいて、既設枠材3、5と対向している。
【0032】
新設枠材6、8の室外側部6B、8Bは、既設枠材3、5から室外側に離隔して、既設枠材3、5よりも室外側の位置に配置されている。既設枠材3、5の室外側で、室外側部6B、8Bは、既設枠材3、5との間に隙間6C、8Cを形成する。隙間6C、8Cは、室外側部6B、8Bの取付部6F、8Fと既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aの間に形成されて、室外側部6B、8Bの取付部6F、8Fの室内側、及び、既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aの室外側に位置している。隙間6C、8Cは、新設枠材6、8の見付け方向における両方向に向かって開放されている。
【0033】
塞ぎ材50は、板状の鋼材であり、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bから既設枠材3、5まで配置されて、室外側部6B、8Bと既設枠材3、5との間の隙間6C、8Cを塞ぐ。また、塞ぎ材50は、室外側部6B、8Bから既設枠材3、5に向かって室内側に突出して、室外側部6B、8Bと既設枠材3、5に当接する。塞ぎ材50は、新設枠材6、8及び既設枠材3、5の長手方向の全体にわたって、隙間6C、8Cに沿って配置されて、隙間6C、8Cを全体にわたって塞ぐ。隙間6C、8Cは、塞ぎ材50により覆われて閉塞される。
【0034】
塞ぎ材50は、新設枠材6、8の室外側部6B、8B(ここでは、取付部6F、8F)に取り付けられて、室外側部6B、8Bから既設枠材3、5に向けて突出している。また、塞ぎ材50は、室外側部6B、8Bの取付部6F、8Fから既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aまで隙間6C、8Cに沿って突出して、既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aに当接している。
【0035】
塞ぎ材50は、室内外方向Tに延びる長孔51を有している。塞ぎ材50の長孔51は、ネジ74が挿通する細長い挿通孔であり、塞ぎ材50を新設枠材6、8の見付け方向に貫通して、新設枠材6、8の室外側部6B、8B(ここでは、取付部6F、8F)に重ねて配置される。長孔51の長手方向は、長孔51の延びる方向(長さ方向)である室内外方向Tであり、長孔51の短手方向は、長孔51の幅方向である新設枠材6、8の長手方向である。長孔51の長手方向と短手方向は、互いに直交している。ネジ74は、長孔51を挿通して、室外側部6B、8Bのネジ孔に螺合し、室外側部6B、8Bに固定されている。塞ぎ材50は、ネジ74により、室外側部6B、8Bに取り付けられている。
【0036】
ネジ74は、塞ぎ材50の長孔51内で、長孔51の長手方向(室内外方向T)の任意の位置に配置可能である。そのため、ネジ74を緩めた状態で、塞ぎ材50を室内外方向Tに移動させると、長孔51内におけるネジ74の位置が長孔51の長手方向に変化する。これにより、塞ぎ材50の室内外方向Tの位置が調整される。塞ぎ材50を室内外方向Tに移動させることで、塞ぎ材50の室内外方向Tの位置は、塞ぎ材50が既設枠材3、5に当接する位置、及び、塞ぎ材50により隙間6C、8Cが塞がれる位置に調整される。その状態で、ネジ74を締め付けて、塞ぎ材50を室外側部6B、8Bに取り付ける。
【0037】
既設枠材3、5は、既設上枠材3と一対の既設縦枠材5である。また、新設枠材6、8は、既設上枠材3に連結される新設上枠材6と、一対の既設縦枠材5に連結される一対の新設縦枠材8である。塞ぎ材50は、上枠材用の塞ぎ材50と、一対の縦枠材用の塞ぎ材50である。上枠材用の塞ぎ材50は、新設上枠材6の室外側部6Bから既設上枠材3まで配置されて、新設上枠材6の室外側部6Bと既設上枠材3との間の隙間6Cを塞ぐ。一対の縦枠材用の塞ぎ材50は、一対の新設縦枠材8の室外側部8Bから一対の既設縦枠材5まで配置されて、一対の新設縦枠材8の室外側部8Bと一対の既設縦枠材5との間の隙間8Cを塞ぐ。
【0038】
額縁30、40は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bと室内側部6G、8Gの少なくとも一方(いずれか一方又は両方)に取り付けられている。新設枠材6、8の室内側部6G、8Gは、新設枠材6、8における室内側に位置する部分である。ここでは、室内側部6G、8Gは、見込み部6A、8Aにおける室内側に位置する部分であり、見込み部6A、8A及び新設枠材6、8の室内側の端部6H、8Hを含む。また、額縁30、40は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bと室内側部6G、8Gの両方に取り付けられている。2つの額縁30、40のうちの一方は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bに取り付けられた外額縁30であり、2つの額縁30、40のうちの他方は、新設枠材6、8の室内側部6G、8Gに取り付けられた内額縁40である。
【0039】
外額縁30は、新設枠材6、8の室外側部6B、8B(ここでは、室外側見付け部6E、8E)の室外側で、ネジ75により、室外側部6B、8Bに取り付けられて、既設枠材3、5の室外側に位置し、塞ぎ材50及び既設枠材3、5を遮蔽する。また、外額縁30は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bから建物10の壁面12に向かって配置されて、建物10の壁面12と対向する。建物10の壁面12は、既設枠2の外周側に位置する建物10の外壁面であり、室外側に向けて設けられている。外額縁30は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bの少なくとも一部、塞ぎ材50、及び、既設枠材3、5の室外側に露出する部分(新設枠材6、8及び塞ぎ材50により遮蔽されない部分)を覆って遮蔽する。
【0040】
外額縁30は、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bに取り付けられる基部31と、基部31に連続する見付け壁32と、見付け壁33に連続する見込み壁33を有している。基部31は、ネジ75により室外側部6B、8Bに取り付けられる溝部34と、溝部34に装着されたキャップ35と、溝部34から室外側に張り出す張出壁36を有し、室外側部6B、8Bから室外側に張り出す。溝部34は、室外側に向かって開放されて、ネジ75の頭部を収容する。キャップ35は、溝部34の内部に嵌め込まれて、溝部34の内部及びネジ75の頭部を室外側において覆って遮蔽する。
【0041】
外額縁30の見付け壁32は、基部31の張出壁36から新設枠開口1Cの反対側に向かって突出して、新設枠材6、8の見付け方向に沿って配置される。見込み壁33は、見付け壁32から室内側に突出して、新設枠材6、8の見込み方向に沿って配置される。また、見込み壁33は、見付け壁32から建物10の壁面12に向かって突出して、建物10の壁面12と対向する。
【0042】
外額縁30(ここでは、見込み壁33の室内側の先端部)は、建物10の壁面12から室外側に離隔して配置される。そのため、外額縁30と建物10の壁面12の間には、間隙81が生じる。間隙81の箇所で、シーリング材82が外額縁30と建物10の壁面12とに密着して設けられて、間隙81がシーリング材82により塞がれる。
【0043】
内額縁40は、ネジ76により、新設枠材6、8の室内側部6G、8G(ここでは見込み部6A、8Aの端部6H、8H寄りの部分)の新設枠開口1C側で、室内側部6G、8Gに取り付けられて、既設枠材3、5の室内側に位置している。また、内額縁40は、新設枠材6、8の室内側部6G、8Gから建物10の壁面13に向かって配置されて、建物10の壁面13と対向する。建物10の壁面13は、建物10の木額縁14の表面であり、室内外方向Tに沿って設けられている。木額縁14は、既設枠材3、5の室内側に位置している。内額縁40は、室内側部6G、8Gの少なくとも一部、及び、既設枠材3、5の室内側に露出する部分(室内側見付け部3B、5B)を覆って遮蔽する。
【0044】
内額縁40は、新設枠材6、8の室内側部6G、8Gに取り付けられる見込み壁41と、見込み壁41に連続する見付け壁42と、見込み壁41に設けられた位置決め部43及び遮蔽部44を有している。位置決め部43は、見込み壁41から突出する突片(位置決め片)であり、新設枠材6、8に当接して、内額縁40を位置決めする。また、位置決め部43は、新設枠材6、8の室内側部6G、8Gの端部6H、8Hに室内側から当接して、内額縁40の室内外方向Tの位置を位置決めする。内額縁40は、位置決め部43により、新設枠材6、8に対して位置決めされて、新設枠材6、8への取付位置に配置される。
【0045】
内額縁40の見込み壁41は、ネジ76により新設枠材6、8の室内側部6G、8Gに取り付けられる。その状態で、見込み壁41は、新設枠材6、8の室内側部6G、8Gに沿って配置されるとともに、室内側部6G、8Gから室内側に突出する。遮蔽部44は、見込み壁41における室外側の部分であり、ネジ73を覆って遮蔽する。ネジ73は、新設枠材6、8の既設枠材3、5への連結用のネジ72、73(連結ネジ)のうちの室内側に位置する一方のネジである。新設枠材6、8の室内側部6G、8Gは、ネジ73により、下地材20に取り付けられて、既設枠材3、5に連結される。
【0046】
内額縁40の見付け壁42は、見込み壁41から新設枠開口1Cの反対側に向かって突出して、新設枠材6、8の見付け方向に沿って配置される。また、見付け壁42は、見込み壁41から建物10の壁面13に向かって突出して、建物10の壁面13と対向する。内額縁40(ここでは、見付け壁42の壁面13側の先端部)は、建物10の壁面13から離隔して配置される。そのため、内額縁40と建物10の壁面13の間には、間隙83が生じる。
【0047】
覆い材60は、内額縁40の室内側に位置して、ネジ77により、建物10の壁面13に取り付けられている。また、覆い材60は、建物10の壁面13から突出して、建物10の壁面13から内額縁40の見付け壁42まで配置される。覆い材60は、内額縁40と建物10の壁面13との間に生じる間隙83の室内側に配置されて、室内側において、間隙83を覆って遮蔽する。
【0048】
額縁30、40は、新設建具1の施工現場で、新設枠材6、8に取り付けられる。ただし、新設枠材6、8への取り付け前に、額縁30、40は、建物10の壁面12、13に当たらないように加工される。額縁30、40の加工時には、加工用の工具を用いて、額縁30、40を建物10の壁面12、13から離隔する形状に加工する。例えば、加工用の工具は、切断用の工具であるカッターである。カッターにより、額縁30、40の長手方向に沿って額縁30、40を切断する。このようにして、額縁30、40を加工して、額縁30、40の不要な部分を除去し、額縁30、40の寸法を調整する。
【0049】
図6~
図8は、本実施形態の額縁30、40の寸法の調整例を示す横断面部である。
図6~
図8では、額縁30、40の加工により除去された部分を鎖線で示している。
図示のように、額縁30、40は、施工現場で、加工された後に、新設枠材6、8に取り付けられる。内額縁40では、見付け壁42が加工されて、見付け壁42の不要な部分が除去され、見付け壁42の寸法が調整される。見付け壁42の寸法は、新設枠材6、8の見付け方向における寸法であり、見付け壁42が建物10の壁面13に当たらないように調整される。
【0050】
外額縁30では、見込み壁33が加工されて、見込み壁33の不要な部分が除去され、見込み壁33の寸法が調整される。或いは、見付け壁32が加工されて、見付け壁32の不要な部分が見込み壁33とともに除去され、見付け壁32の寸法が調整される。見付け壁32の寸法は、新設枠材6、8の見付け方向における寸法であり、見込み壁33の寸法は、新設枠材6、8の見込み方向における寸法である。
【0051】
図6に示す外額縁30では、見込み壁33の寸法は、見込み壁33が建物10の壁面12に当たらないように調整される。
図7に示す外額縁30では、見込み壁33の寸法は、見込み壁33が建物10の壁面15に当たらないように調整される。建物10の壁面15は、建物10の外壁の幅木16における室外側の面であり、室外側に向けて設けられている。
図8に示す外額縁30では、見付け壁32の寸法は、見付け壁32が建物10の壁面17に当たらないように調整される。建物10の壁面17は、既設枠材3、5よりも室外側に位置する建物10の外壁面であり、室内外方向Tに沿って設けられている。
【0052】
以上説明した枠改装構造9では、既設枠材3、5と新設枠材6、8は鋼製であり、例えば、アルミニウム合金製の枠材と比べて、熱に強く、火炎の熱に耐えることができる。これに対し、額縁30、40は、アルミニウム合金製であり、建物10の壁面12、13、15、17の位置又は形状に対応して、比較的容易に加工することができる。従って、枠改装構造9によれば、枠改装構造9の防火性能を確保しつつ、施工現場での額縁30、40の容易な加工を可能にすることができる。
【0053】
内額縁40の位置決め部43により、内額縁40を新設枠材6、8に正確に配置することができる。内額縁40の遮蔽部44により、新設枠材6、8の連結用のネジ73(連結ネジ)を隠して、枠改装構造9の意匠性を高めることができる。内額縁40と建物10の壁面13との間に間隙83が生じても、覆い材60により、間隙83を隠して、間隙83が視認されるのを防止することができる。
【0054】
新設枠材6、8の室外側部6B、8Bと既設枠材3、5との間に隙間6C、8Cを形成した状態で、新設枠材6、8を既設枠材3、5に連結する。そのため、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bを既設枠材3、5に接触させずに、新設枠材6、8を様々な形状の既設枠材3、5への連結位置に配置することができる。既設枠材3、5の形状の違いによって、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bと既設枠材3、5との間に生じる隙間6C、8Cが変化しても、塞ぎ材50により、隙間6C、8Cを塞ぐことができる。火災時等には、塞ぎ材50により、隙間6C、8Cに向かう火炎を遮り、火炎が隙間6C、8Cを通過するのを妨げることができる。
【0055】
従って、枠改装構造9によれば、形状の異なる既設枠2の既設枠材3、5に共通の新設枠1Aの新設枠材6、8を連結可能にしつつ、枠改装構造9の防火性能を確保することができる。加えて、下地材20を介することで、様々な形状の既設枠材3、5に新設枠材6、8を容易に連結することができる。ねじれ等の変形が既設枠材3、5に生じていても、下地材20を介して、新設枠材6、8を既設枠材3、5に連結することができる。
【0056】
外額縁30により、塞ぎ材50及び既設枠材3、5の露出を防いで、枠改装構造9の意匠性を向上させることができる。また、塞ぎ材50を新設枠材6、8の室外側部6B、8Bに取り付けることで、既設枠材3、5の形状によらずに、塞ぎ材50を隙間6C、8Cを塞ぐ位置に容易に保持することができる。塞ぎ材50の取付用のネジ74(取付ネジ)を塞ぎ材50の長孔51に挿通させることで、塞ぎ材50の室内外方向Tの位置を調整可能にして、隙間6C、8Cが変化しても、塞ぎ材50により隙間6C、8Cを確実に塞ぐことができる。上枠材用の塞ぎ材50と一対の縦枠材用の塞ぎ材50により、上枠材と一対の縦枠材における枠改装構造9の防火性能を確保することができる。
【0057】
なお、既設枠材3、5の見付け方向における室外側見付け部3A、5Aの寸法、又は、既設枠材3、5の見付け方向における新設枠材6、8の室外側部6B、8Bの位置等によっては、既設枠材3、5の室外側見付け部3A、5Aに対して、新設枠材6、8の室外側部6B、8Bの取付部6F、8F及び塞ぎ材50が既設枠材3、5の見付け方向にずれることがある。この場合には、塞ぎ材50を建物10の部材(例えば、壁面、躯体)に当接させて、建物10の部材側の箇所で、塞ぎ材50により、室外側部6B、8Bと既設枠材3、5との間の隙間6C、8Cを塞ぐ。このように、塞ぎ材50により、既設枠材3、5以外の箇所で、室外側部6B、8Bと既設枠材3、5との間の隙間6C、8Cを塞ぐようにしてもよい。
【0058】
内額縁40の位置決め部43と遮蔽部44に相当する位置決め部と遮蔽部を外額縁30に設けてもよく、覆い材60により、外額縁30と建物10の壁面12、15、17との間に生じる間隙81を覆ってもよい。建物10の壁面は、上記した例に限定されず、他の壁面(例えば、建物10の内壁面)であってもよい。2つの額縁30、40のうちのいずれか一方のみを枠改装構造9に設けるようにしてもよい。塞ぎ材50を既設枠材3、5に取り付けて、塞ぎ材50により隙間6C、8Cを塞いでもよい。
【0059】
額縁30、40の材料には、種々のアルミニウム合金を用いることができ、既設枠材3~5、新設枠材6~8、下地材20、及び、塞ぎ材50の材料には、種々の鋼を用いることができる。鋼は、例えば、炭素鋼、特殊鋼、ステンレス鋼である。
【0060】
枠改装構造9は、既設下枠材4と新設下枠材7の箇所に設けて、下枠材(既設下枠材4、新設下枠材7)における枠改装構造9として実施してもよい。また、枠改装構造9は、上枠材、一方の縦枠材、他方の縦枠材、下枠材のうちの少なくとも1つの箇所に設けることができ、上枠材、一方の縦枠材、他方の縦枠材、下枠材のうちのいずれか1つ、任意の複数、又は、全ての箇所に設けてもよい。建具は、ドア以外の建具(例えば、窓)であってもよい。
【0061】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(4)に記載された枠改装構造を開示している。
【0062】
(1) 既設枠の既設枠材に改装用の新設枠の新設枠材が連結された枠改装構造であって、
前記新設枠材の室外側部と室内側部の少なくとも一方に取り付けられた額縁を備え、
前記既設枠材と前記新設枠材は、鋼製であり、
前記額縁は、アルミニウム合金製である枠改装構造。
(1)に記載された枠改装構造では、枠改装構造の防火性能を確保しつつ、施工現場での額縁の容易な加工を可能にすることができる。
【0063】
(2) (1)に記載された枠改装構造において、
前記額縁は、前記新設枠材に当接して前記額縁を位置決めする位置決め部を有する枠改装構造。
(2)に記載された枠改装構造では、位置決め部により、額縁を新設枠材に正確に配置することができる。
【0064】
(3) (1)又は(2)に記載された枠改装構造において、
前記新設枠材は、連結ネジを用いて前記既設枠材に連結され、
前記額縁は、前記連結ネジを遮蔽する遮蔽部を有する枠改装構造。
(3)に記載された枠改装構造では、遮蔽部により、連結ネジを隠して、枠改装構造の意匠性を高めることができる。
【0065】
(4) (1)ないし(3)のいずれかに記載された枠改装構造において、
前記額縁と建物の壁面との間に生じる間隙を覆う覆い材を備えた枠改装構造。
(4)に記載された枠改装構造では、額縁と建物の壁面との間に間隙が生じても、覆い材により、間隙を隠して、間隙が視認されるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・新設建具、1A・・・新設枠、1B・・・扉体、1C・・・新設枠開口、2・・・既設枠、2A・・・既設枠開口、3・・・既設上枠材、3A・・・室外側見付け部、3B・・・室内側見付け部、3C・・・見込み部、3D・・・段部、4・・・既設下枠材、5・・・既設縦枠材、5A・・・室外側見付け部、5B・・・室内側見付け部、5C・・・見込み部、5D・・・段部、6・・・新設上枠材、6A・・・見込み部、6B・・・室外側部、6C・・・隙間、6D・・・保持部、6E・・・室外側見付け部、6F・・・取付部、6G・・・室内側部、6H・・・端部、7・・・新設下枠材、8・・・新設縦枠材、8A・・・見込み部、8B・・・室外側部、8C・・・隙間、8D・・・保持部、8E・・・室外側見付け部、8F・・・取付部、8G・・・室内側部、8H・・・端部、9・・・枠改装構造、10・・・建物、11・・・建物開口、12・・・壁面、13・・・壁面、14・・・木額縁、15・・・壁面、16・・・幅木、17・・・壁面、20・・・下地材、21・・・段部、22・・・突出部、23・・・スペーサ、24・・・スペーサ、30・・・外額縁、31・・・基部、32・・・見付け壁、33・・・見込み壁、34・・・溝部、35・・・キャップ、36・・・張出壁、40・・・内額縁、41・・・見込み壁、42・・・見付け壁、43・・・位置決め部、44・・・遮蔽部、50・・・塞ぎ材、51・・・長孔、60・・・覆い材、70~77・・・ネジ、80・・・タイト材、81・・・間隙、82・・・シーリング材、83・・・間隙、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・室内外方向。