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特開2024-47828物品情報提供システム、物品情報提供方法及び物品情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047828
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】物品情報提供システム、物品情報提供方法及び物品情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240401BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240401BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
G06T19/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153538
(22)【出願日】2022-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 靖
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 博将
(72)【発明者】
【氏名】大島 正晴
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA13
5B050BA20
5B050CA07
5B050DA01
5B050EA04
5B050EA26
5B050FA02
5B050GA08
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】購入検討者等が知りたい任意の部分のサイズを提供可能にする。
【解決手段】物品情報提供システム100では、購入検討者端末30は、出品者端末20に搭載された測距センサによって物品を計測することによって得られた、物品の表面を構成する点群の座標情報を有する物品の3次元モデルを表示する。購入検討者端末30は、表示された3次元モデルにおける始点及び終点が購入検討者によって指定されると、座標情報に基づき、始点と終点との間の距離を計測する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示する表示制御部と、
前記表示制御部によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測部と
を備える物品情報提供システム。
【請求項2】
前記3次元モデルは、前記物品を撮影して得られた画像を、前記座標情報が示す各点の位置に合わせて貼り付けて生成された
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項3】
前記計測部は、前記始点と前記終点との間における前記3次元モデルの表面に沿った距離を計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項4】
前記計測部は、前記始点と前記終点との間に中継点が指定されると、前記始点と前記中継点との間の距離と、前記中継点と前記終点との間の距離とを計測して、計測した距離の和を計算する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項5】
前記計測部は、前記3次元モデル上に線が引かれると、前記線の長さを計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項6】
前記計測部は、範囲が指定されると、前記座標情報に基づき、前記範囲内の面積を計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記3次元モデルにおける点を指定した追加コンテンツが含まれる
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項8】
コンピュータが、測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示し、
コンピュータが、表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する物品情報提供方法。
【請求項9】
測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示する表示制御処理と、
前記表示制御処理によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測処理と
を行う物品情報提供システムとしてコンピュータを機能させる物品情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品のサイズを含む情報の提供技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ECサイト及びフリーマーケットアプリケーション等には様々な物品が出品される。ECは、Electronic Commerceの略である。出品された物品については、写真及び説明が提供される。購入検討者は、写真及び説明を参照して、物品の購入をするかを判断する。
【0003】
物品の説明には、物品のサイズが含まれることが多い。物品のサイズは、物品を購入するか否かの判断の重要な指標となるためである。出品者は、物品の主要な部分のサイズを計測して、説明に記載しておく。しかし、購入検討者によっては、主要な部分とは異なる部分のサイズを知りたい場合がある。
この場合には、購入検討者は、出品者に知りたい部分のサイズを問い合わせる。そして、出品者は、問合せに対して回答する。このやり取りには購入検討者及び出品者の双方に手間がかかってしまう。また、購入検討者によっては、知りたい部分のサイズが説明に含まれていなかった時点で購入を止めてしまうことがある。そのため、必要となりそうな部分のサイズをできるだけ説明に含めておくことが望ましい。しかし、全ての購入検討者が希望する部分のサイズを含めておくことは難しかった。
【0004】
特許文献1には、クレジットカード等の寸法が予め定まっているものをマーカーとして物品とともに撮影しておき、物品の所定の部分のサイズを計測することが記載されている。これにより、特許文献1では、サイズ計測の手間の軽減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-107015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたように、マーカーを用いたサイズの計測は、誤差が出やすい。特許文献1では、購入検討者が知りたい任意の部分のサイズを計測することは想定されていない。しかし、仮に特許文献1の方法を用いて購入検討者が知りたい任意の部分のサイズを計測した場合に、位置によってはマーカーの写り具合との関係から誤差が大きくなってしまう可能性がある。
本開示は、購入検討者等が知りたい任意の部分のサイズを提供可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品情報提供システムは、
測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示する表示制御部と、
前記表示制御部によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測部と
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示では、物品の表面を構成する点群の座標情報を含む3次元モデルを表示し、座標情報に基づき、指定された始点と終点との間の距離を計測する。これにより、購入検討者等が知りたい任意の部分のサイズを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る物品情報提供システム100の構成図。
図2】実施の形態1に係る物品情報提供装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係る出品者端末20の構成図。
図4】実施の形態1に係る購入検討者端末30の構成図。
図5】実施の形態1に係る出品時の処理のフローチャート。
図6】実施の形態1に係る物品情報131の説明図。
図7】実施の形態1に係る購入検討時の処理のフローチャート。
図8】実施の形態1に係る指定物品表示処理の説明図。
図9】実施の形態1に係る計測された距離の表示方法の説明図。
図10】実施の形態1に係る直線距離と3次元モデルの表面に沿った距離との説明図。
図11】実施の形態1に係る計測する部分の指定方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る物品情報提供システム100の構成を説明する。
物品情報提供システム100は、物品情報提供装置10と、出品者端末20と、購入検討者端末30とを備える。物品情報提供装置10は、出品者端末20及び購入検討者端末30とネットワーク90を介して接続されている。
物品情報提供装置10は、クラウドサーバ等のコンピュータである。物品情報提供装置10は、出品者端末20から送信された物品情報131を保持し、要求に応じて物品情報131を購入検討者端末30に提供する。出品者端末20は、物品の提供者によって使用されるスマートフォン又はタブレット端末等のコンピュータである。出品者端末20は、物品情報131を物品情報提供装置10に送信する。購入検討者端末30は、物品の購入検討者によって使用されるPC、スマートフォン又はタブレット端末等のコンピュータである。購入検討者端末30は、物品情報提供装置10に対して物品情報131の提供を要求する。PCは、Personal Computerの略である。
【0011】
図2を参照して、実施の形態1に係る物品情報提供装置10の構成を説明する。
物品情報提供装置10は、コンピュータである。
物品情報提供装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0012】
物品情報提供装置10は、機能構成要素として、情報取得部111と、情報提供部112とを備える。物品情報提供装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、物品情報提供装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、物品情報提供装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
また、ストレージ13には、物品情報131が記憶される。
【0013】
図3を参照して、実施の形態1に係る出品者端末20の構成を説明する。
出品者端末20は、コンピュータである。
出品者端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24と、カメラ25と、測距センサ26とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0014】
出品者端末20は、機能構成要素として、撮影部211と、モデル生成部212と、計測部213と、説明受付部214と、送信部215とを備える。出品者端末20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ23には、出品者端末20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、出品者端末20の各機能構成要素の機能が実現される。
【0015】
図4を参照して、実施の形態1に係る購入検討者端末30の構成を説明する。
購入検討者端末30は、コンピュータである。
購入検討者端末30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信インタフェース34とのハードウェアを備える。プロセッサ31は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0016】
購入検討者端末30は、機能構成要素として、表示制御部311と、計測部312と、購入処理部313とを備える。購入検討者端末30の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ33には、購入検討者端末30の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ31によりメモリ32に読み込まれ、プロセッサ31によって実行される。これにより、購入検討者端末30の各機能構成要素の機能が実現される。
【0017】
プロセッサ11,21,31は、プロセッシングを行うICである。ICはIntegrated Circuitの略である。プロセッサ11,21,31は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0018】
メモリ12,22,32は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12,22,32は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0019】
ストレージ13,23,33は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13,23,33は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13,23,33は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0020】
通信インタフェース14,24,34は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14,24,34は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0021】
カメラ25は、画像を取得する装置である。測距センサ26は、計測対象までの距離を計測する装置である。実施の形態1では、測距センサ26は、LiDARである。LiDARは、Light Detection And Rangingの略である。
【0022】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図3,4では、プロセッサ21,31は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ21,31は、複数であってもよく、複数のプロセッサ21,31が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0023】
***動作の説明***
図5から図11を参照して、実施の形態1に係る物品情報提供システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る物品情報提供システム100の動作手順は、実施の形態1に係る物品情報提供方法に相当する。また、実施の形態1に係る物品情報提供システム100の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る物品情報提供プログラムに相当する。
【0024】
物品情報提供システム100の処理には、出品時の処理と、購入検討時の処理とが含まれる。
【0025】
図5を参照して、実施の形態1に係る出品時の処理を説明する。
(ステップS11:撮影処理)
出品者端末20の撮影部211は、カメラ25及び測距センサ26を用いて、出品する物品を撮影する。つまり、撮影部211は、カメラ25により物品の画像を取得するとともに、測距センサ26により物品の表面を構成する複数点までの距離を計測する。この際、動画を撮影するように、出品者によって出品者端末20が移動される。これにより、出品物の1面だけでなく、他の面についても同時に画像及びその面を構成する複数点までの距離が取得される。
測距センサ26によって物品の表面を構成する複数点までの距離を計測することで、物品の表面を構成する点群の3次元の座標情報が生成される。また、複数点までの距離を計測するのと同時に物品の画像を取得することにより、点群の各点と、画像上の位置とが対応付けされる。
【0026】
(ステップS12:モデル生成処理)
モデル生成部212は、ステップS11で物品を撮影して得られた画像を、座標情報が示す対応する点の位置に合わせて貼り付ける。これにより、物品の3次元モデルが生成される。この際、モデル生成部212は、出品者によって指定された角度の3次元モデルのスクリーンショット画像を生成する。また、モデル生成部212は、スクリーンショットの縮小画像であるサムネイル画像を生成する。
【0027】
(ステップS13:計測処理)
計測部213は、3次元モデルにおける始点及び終点の指定を受け付ける。計測部213は、始点及び終点が指定されると、座標情報に基づき、始点と終点との間の距離を計測する。
ここでは、物品に応じた代表的な部分について、始点及び終点が指定される。例えば、物品が服の場合には、着丈及び袖丈といった部分に対応する始点及び終点が指定される。袖丈であれば、袖の付け根部分が始点、袖の先端部分が終点として指定される。
なお、出品者がサイズの計測を不要と考える場合には、ステップS13の処理はスキップされる。
【0028】
(ステップS14:説明受付処理)
説明受付部214は、出品者からサイズ以外の物品についての情報の入力を受け付ける。サイズ以外の物品についての情報には、物品名と、物品説明と、価格といった情報が含まれる。物品説明は、例えば、使用状況と、製造元等である。なお、説明は、文字情報に限らず、画像又は動画であってもよい。例えば、物品に傷がある場合に、説明は傷部分を拡大した画像でもよい。
この際、説明受付部214は、3次元モデルにおける点群に含まれる点を指定した上で説明を受け付けてもよい。例えば、説明が傷部分を拡大した画像である場合には、傷部分の点を指定することが考えられる。
【0029】
(ステップS15:送信処理)
送信部215は、ステップS12で生成された3次元モデルと、ステップS13で計測された距離と、ステップS14で受け付けされた情報とを、物品情報提供装置10に送信する。
すると、物品情報提供装置10の情報取得部111は、3次元モデルと距離と情報とを対応付け、物品IDを付与して物品情報131としてストレージ13に記憶する。IDは、IDentifierの略である。
【0030】
図6を参照して、実施の形態1に係る物品情報131を説明する。
物品情報131には、物品ID毎に、ステップS14で受け付けされた情報である物品名と物品説明と価格と、ステップS13で計測された距離と、ステップS12で生成されたスクリーンショット画像とサムネイル画像と3次元モデルとが含まれる。
3次元モデルには、オブジェクトファイルと、マテリアルファイルと、テクスチャーファイルとが含まれる。オブジェクトファイルは、点群の座標情報である。マテリアルファイルは、テクスチャーファイルに記憶されたデータと点群との対応付け情報である。テクスチャーファイルは、カメラ25で得られた画像のうち点群に貼り付けられるデータである。
【0031】
図7を参照して、実施の形態1に係る購入検討時の処理を説明する。
(ステップS21:一覧表示処理)
購入検討者端末30の表示制御部311は、物品の一覧情報を表示する。
具体的には、表示制御部311は、物品情報提供装置10に対して物品情報131の照会を行う。すると、物品情報提供装置10の情報提供部112は、ストレージ13に記憶された各物品情報131の一部の情報を抽出して購入検討者端末30に送信する。物品情報131の一部の情報とは、物品IDと物品名とサムネイル画像といった情報である。表示制御部311は、情報提供部112によって送信された情報を一覧にして表示する。つまり、各物品について、物品IDと物品名とサムネイル画像といった情報が表示される。
なお、表示制御部311は、購入検討者から入力された検索キーワード等を物品情報提供装置10に送信して、検索キーワード等に対応する物品情報131を照会してもよい。この場合には、情報提供部112は、検索キーワード等に対応する物品情報131についての情報だけを抽出して購入検討者端末30に送信する。
【0032】
(ステップS22:指定物品表示処理)
購入検討者端末30の表示制御部311は、指定された物品の物品情報を表示する。
具体的には、購入検討者によって、ステップS21で表示した一覧から物品が指定される。表示制御部311は、指定された物品の物品IDを物品情報提供装置10に送信する。すると、物品情報提供装置10の情報提供部112は、送信された物品IDについての物品情報131のうち、まだ購入検討者端末30に送信されていない情報を購入検討者端末30に送信する。表示制御部311は、送信された物品情報131を表示する。
例えば、ステップS21で物品IDと物品名とサムネイル画像とが送信された場合には、情報提供部112は、物品説明と価格とスクリーンショット画像と3次元モデルとの情報とを送信する。すると、表示制御部311は、物品IDと物品名とともに、送信された物品説明と価格と、スクリーンショット画像と、3次元モデルとを表示する。この際、購入検討者の操作に応じて、物品の3次元モデルを回転させる等して表示してもよい。
【0033】
なお、3次元モデルにおける点群に含まれる点を指定した上で説明が入力されている場合には、図8に示すように、指定された点を示した上で説明が表示される。指定された点は1つの点ではなく、範囲を示すような複数の点であってもよい。
【0034】
(ステップS23:計測処理)
購入検討者端末30の計測部312は、3次元モデルにおける点群に含まれる点から始点及び終点の指定を受け付ける。計測部213は、始点及び終点が指定されると、座標情報に基づき、始点と終点との間の距離を計測する。
ここでは、物品情報131に含まれていない任意の部分について、始点及び終点が指定される。例えば、物品が服の場合に、物品情報131に着丈及び袖丈が含まれているとする。この場合には、例えば、身幅、袖幅といった部分に対応する始点及び終点が指定される。
そして、表示制御部311は、計測された距離を表示する。例えば、図9に示すように、表示制御部311は、指定された始点及び終点を示すとともに、計測された距離を表示する。
【0035】
計測部312は、始点と終点との間の直線距離を計測してもよいし、始点と終点との間における3次元モデルの表面に沿った距離を計測してもよい。図10に示すように、裄丈を計測するとする。この場合には、直線距離ではなく、3次元モデルの表面に沿った距離で計測しないと、適切な距離が計測できない。そこで、購入検討者に、直線距離と3次元モデルの表面に沿った距離とのどちらを計測するかを指定させてもよい。
3次元モデルの表面に沿った距離を計測する場合には、購入検討者に中継点を指定させてもよい。例えば、図10では、肩の先を中継点としている。計測部312は、始点と終点との間に中継点が指定されると、始点と中継点との間の距離と、中継点と終点との間の距離とをそれぞれ計測して、計測した距離の和を計算する。
また、3次元モデルの表面に沿った距離を計測する場合には、図11に示すように、購入検討者に計測したい部分をなぞる等させて、3次元モデル上に線を引かせてもよい。計測部312は、3次元モデル上に線が引かれると、引かれた線の長さを計測する。
【0036】
計測部312は、範囲が指定されると、座標情報に基づき、範囲内の面積を計測してもよい。計測部312は、円、楕円、矩形等を拡大又は縮小させて範囲を指定させ、指定された範囲内の面積を計測する。例えば、傷又は汚れ等がある場合に、その部分の範囲を指定することで、傷又は汚れ等の大きさを計測することが可能である。
【0037】
(ステップS24:購入処理)
購入処理部313は、購入検討者により、購入ボタンが押下された場合には、物品の購入処理を行う。なお、購入ボタンが押されず画面が閉じられた場合等には、処理は終了する。
【0038】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る物品情報提供システム100は、物品の表面を構成する点群の座標情報を含む3次元モデルを表示し、座標情報に基づき、指定された始点と終点との間の距離を計測する。これにより、購入検討者等が知りたい任意の部分のサイズを提供可能である。
その結果、購入検討者が出品者に知りたい部分のサイズを問い合わせ、出品者が問合せに対して回答するというやり取りが発生しなくなる。したがって、購入検討者及び出品者の双方の手間を減らすことができる。また、知りたい部分のサイズが説明に含まれていなかったことにより、購入検討者が購入を止めてしまうことがなくなる。したがって、販売機会のロスを減らすことができる。
【0039】
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0040】
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、物品情報提供装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0041】
同様に、各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、出品者端末20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
【0042】
同様に、各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、購入検討者端末30は、プロセッサ31とメモリ32とストレージ33とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ32と、ストレージ33との機能とを実現する専用の回路である。
【0043】
電子回路としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
【0044】
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0045】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0046】
なお、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0047】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示する表示制御部と、
前記表示制御部によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測部と
を備える物品情報提供システム。
(付記2)
前記3次元モデルは、前記物品を撮影して得られた画像を、前記座標情報が示す各点の位置に合わせて貼り付けて生成された
付記1に記載の物品情報提供システム。
(付記3)
前記計測部は、前記始点と前記終点との間における前記3次元モデルの表面に沿った距離を計測する
付記1又は2に記載の物品情報提供システム。
(付記4)
前記計測部は、前記始点と前記終点との間に中継点が指定されると、前記始点と前記中継点との間の距離と、前記中継点と前記終点との間の距離とを計測して、計測した距離の和を計算する
付記1から3までのいずれか1項に記載の物品情報提供システム。
(付記5)
前記計測部は、前記3次元モデル上に線が引かれると、前記線の長さを計測する
付記1から4までのいずれか1項に記載の物品情報提供システム。
(付記6)
前記計測部は、範囲が指定されると、前記座標情報に基づき、前記範囲内の面積を計測する
付記1から5までのいずれか1項に記載の物品情報提供システム。
(付記7)
前記表示制御部は、前記3次元モデルにおける点を指定した追加コンテンツが含まれる
付記1から6までのいずれか1項に記載の物品情報提供システム。
(付記8)
コンピュータが、測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示し、
コンピュータが、表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する物品情報提供方法。
(付記9)
測距センサによって物品を計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを表示する表示制御処理と、
前記表示制御処理によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測処理と
を行う物品情報提供システムとしてコンピュータを機能させる物品情報提供プログラム。
【0048】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 物品情報提供システム、10 物品情報提供装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、111 情報取得部、112 情報提供部、131 物品情報、20 出品者端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信インタフェース、25 カメラ、26 測距センサ、211 撮影部、212 モデル生成部、213 計測部、214 説明受付部、215 送信部、30 購入検討者端末、31 プロセッサ、32 メモリ、33 ストレージ、34 通信インタフェース、311 表示制御部、312 計測部、313 購入処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品情報提供装置と購入検討者端末とを備える物品情報提供システムであり、
前記物品情報提供装置は、
前記購入検討者端末によって指定された物品について、測距センサによって計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを前記購入検討者端末に送信する情報提供部
を備え、
前記購入検討者端末は、
前記情報提供部によって送信された前記3次元モデルを表示する表示制御部と、
前記表示制御部によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測部と
を備える物品情報提供システム。
【請求項2】
前記物品情報提供システムは、さらに、出品者端末を備え、
前記出品者端末は、
前記物品について前記測距センサを用いて計測することにより得られたデータから、前記3次元モデルを生成するモデル生成部と、
前記モデル生成部によって生成された前記3次元モデルを前記物品情報提供装置に送信する送信部と
を備える請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項3】
前記3次元モデルは、前記物品を撮影して得られた画像を、前記座標情報が示す各点の位置に合わせて貼り付けて生成された
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項4】
前記計測部は、前記始点と前記終点との間における前記3次元モデルの表面に沿った距離を計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項5】
前記計測部は、前記始点と前記終点との間に中継点が指定されると、前記始点と前記中継点との間の距離と、前記中継点と前記終点との間の距離とを計測して、計測した距離の和を計算する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項6】
前記計測部は、前記3次元モデル上に線が引かれると、前記線の長さを計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項7】
前記計測部は、範囲が指定されると、前記座標情報に基づき、前記範囲内の面積を計測する
請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記3次元モデルにおける点を指定した追加コンテンツが含まれる請求項1に記載の物品情報提供システム。
【請求項9】
物品情報提供装置が、購入検討者端末によって指定された物品について、測距センサによって計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを前記購入検討者端末に送信し、
前記購入検討者端末が、前記3次元モデルを表示し、
前記購入検討者端末が、表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する物品情報提供方法。
【請求項10】
物品情報提供装置が、購入検討者端末によって指定された物品について、測距センサによって計測することによって得られた、前記物品の表面を構成する点群の座標情報を有する前記物品の3次元モデルを前記購入検討者端末に送信する情報提供処理と、
前記購入検討者端末が、前記情報提供処理によって送信された前記3次元モデルを表示する表示制御処理と、
前記購入検討者端末が、前記表示制御処理によって表示された前記3次元モデルにおける始点及び終点が指定されると、前記座標情報に基づき、前記始点と前記終点との間の距離を計測する計測処理と
を行う物品情報提供システムとしてコンピュータを機能させる物品情報提供プログラム。