(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047832
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】媒体供給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20240401BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
B65H3/48 320Z
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153544
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】堀川 和彦
(72)【発明者】
【氏名】米坂 綾甫
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BB02
3F048BB05
3F048BB10
3F048CA04
3F048CB06
3F048DA01
3F048DC11
3F048EB02
3F048EB08
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC01
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA33
3F343JD28
3F343KB03
3F343LA03
3F343LB10
3F343LD07
3F343MA02
3F343MA09
3F343MB09
(57)【要約】
【課題】上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる媒体供給装置を得る。
【解決手段】媒体供給装置10は、用紙Pが上下方向に積載可能な積載部12と、積載部12に積載された複数の用紙Pに空気を供給して複数の用紙Pを浮揚及び分離させる供給部14と、供給部14によって浮揚及び分離された用紙Pを順次送り出す送出部16と、供給部14によって用紙Pが浮揚及び分離されている状態を撮影するカメラ18と、上下方向の複数の異なる位置から用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射する光照射部22と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が上下方向に積載可能な積載部と、
前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、
前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す搬送部と、
前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を撮影する撮影部と、
上下方向の複数の異なる位置から前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に光を照射する光照射部と、
を有する媒体供給装置。
【請求項2】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部によって撮影された画像により前記媒体の詰まり又は重送の懸念があると判定された場合に、前記供給部による空気の供給量を変更する、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部により撮影する1つの撮影画像ごとに、前記光照射部により光を前記媒体に照射する上下方向の位置を変更して前記撮影画像を取得する、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項4】
前記光照射部は、上下方向の異なる位置に配置された複数の照明部を有する、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項5】
前記複数の照明部は、前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に対して接近又は離れる方向にずれて配置されている、請求項4に記載の媒体供給装置。
【請求項6】
前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する位置に配置され、
前記照明部は、前記撮影部に対して少なくとも上下方向の上方側に配置されている、請求項4に記載の媒体供給装置。
【請求項7】
複数の前記照明部は、前記撮影部に対して上下方向の上方側と下方側に配置されている、請求項6に記載の媒体供給装置。
【請求項8】
前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する上下方向の中央部に配置されている、請求項6に記載の媒体供給装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記光照射部により上下方向の光を照射する位置と前記媒体との相対位置から前記媒体の判別に適さないエリアを除外し、前記媒体を判別可能なエリアのみに対応する撮影画像の前記媒体の端部を検出する、請求項3に記載の媒体供給装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記撮影画像ごとに検出された前記媒体の端部の位置同士を比較し、前記媒体の端部の位置の差分が閾値以下の場合は同一の媒体とし、前記閾値より大きい場合は新たな媒体として検出する、請求項3に記載の媒体供給装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
n個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタを作成し、
n+1個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置が前記フィルタの内側に入るときは同一の媒体と判断し、n+1個目の前記撮影画像の前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせた新たなフィルタに更新する、請求項10に記載の媒体供給装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の媒体供給装置と、
前記媒体供給装置により供給された前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体供給装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数のシートが上下方向に積層されてなるシート束を配置可能な配置部と、前記配置部に配置されたシート束にエアを吹き付けることで該シート束の上層に位置するシートを浮上させる送風手段と、前記配置部の上方に設けられ、かつ、前記送風手段によって浮上させられたシートを吸着して、定められた搬送方向に搬送する吸着/搬送機構と、前記送風手段によって浮上させられたシートを撮影する撮影手段と、前記撮影手段における1回の露光中に、前記送風手段によって浮上させられたシートに対して光を複数回照射する照明手段と、を備えるシート供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる媒体供給装置、及び画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る媒体供給装置は、媒体が上下方向に積載可能な積載部と、前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す搬送部と、前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を撮影する撮影部と、上下方向の複数の異なる位置から前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に光を照射する光照射部と、
を有する。
【0006】
第2態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記撮影部によって撮影された画像により前記媒体の詰まり又は重送の懸念があると判定された場合に、前記供給部による空気の供給量を変更する。
【0007】
第3態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記撮影部により撮影する1つの撮影画像ごとに、前記光照射部により光を前記媒体に照射する上下方向の位置を変更して前記撮影画像を取得する。
【0008】
第4態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記光照射部は、上下方向の異なる位置に配置された複数の照明部を有する。
【0009】
第5態様に係る媒体供給装置は、第4態様に記載の媒体供給装置において、前記複数の照明部は、前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に対して接近又は離れる方向にずれて配置されている。
【0010】
第6態様に係る媒体供給装置は、第4態様に記載の媒体供給装置において、前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する位置に配置され、前記照明部は、前記撮影部に対して少なくとも上下方向の上方側に配置されている。
【0011】
第7態様に係る媒体供給装置は、第6態様に記載の媒体供給装置において、複数の前記照明部は、前記撮影部に対して上下方向の上方側と下方側に配置されている。
【0012】
第8態様に係る媒体供給装置は、第6態様に記載の媒体供給装置において、前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する上下方向の中央部に配置されている。
【0013】
第9態様に係る媒体供給装置は、第3態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、前記光照射部により上下方向の光を照射する位置と前記媒体との相対位置から前記媒体の判別に適さないエリアを除外し、前記媒体を判別可能なエリアのみに対応する撮影画像の前記媒体の端部を検出する。
【0014】
第10態様に係る媒体供給装置は、第3態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、前記撮影画像ごとに検出された前記媒体の端部の位置同士を比較し、前記媒体の端部の位置の差分が閾値以下の場合は同一の媒体とし、前記閾値より大きい場合は新たな媒体として検出する。
【0015】
第11態様に係る媒体供給装置は、第10態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、n個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタを作成し、n+1個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置が前記フィルタの内側に入るときは同一の媒体と判断し、n+1個目の前記撮影画像の前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせた新たなフィルタに更新する。
【0016】
第12態様に係る画像形成装置は、第1態様から第11態様までのいずれか1つに記載の媒体供給装置と、前記媒体供給装置により供給された前記媒体に画像を形成する画像形成部と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
第1態様に係る媒体供給装置によれば、上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0018】
第2態様に係る媒体供給装置によれば、空気の供給量が常に一定である場合と比較して、媒体の詰まり又は重送を抑制することができる。
【0019】
第3態様に係る媒体供給装置によれば、上下方向の同じ位置から光を媒体に照射して複数の撮影画像を取得する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0020】
第4態様に係る媒体供給装置によれば、1つの光照射部を用いて上下方向の異なる位置から媒体に光を照射する場合と比較して、構造が簡単である。
【0021】
第5態様に係る媒体供給装置によれば、複数の照射部が媒体の撮影部による撮影側の端部に対して同じ距離で配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0022】
第6態様に係る媒体供給装置によれば、照明部が撮影部に対して上下方向の下方側にのみ配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0023】
第7態様に係る媒体供給装置によれば、照明部が撮影部に対して上下方向の上方側にのみ配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0024】
第8態様に係る媒体供給装置によれば、撮影部が供給部によって浮揚及び分離される複数の媒体の上下方向の下方側に配置される場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0025】
第9態様に係る媒体供給装置によれば、撮影画像の全体から媒体の端部を検出する場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0026】
第10態様に係る媒体供給装置によれば、撮影画像ごとに検出された媒体の同一性を判断しない場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0027】
第11態様に係る媒体供給装置によれば、常に同じフィルタを用いる場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0028】
第12態様に係る画像形成装置によれば、上下方向の1箇所の同じ位置からの光を媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】(A)は、第1実施形態に係る媒体供給装置の一部を示す正面図であり、(B)は、媒体供給装置を備えた画像形成装置の一例を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態に係る媒体供給装置の一部を示す平面図である。
【
図3】第1実施形態に係る媒体供給装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る媒体供給装置の制御装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る媒体供給装置において、カメラで用紙の端部を撮影するときに点灯する照明部の第1例を示す構成図である。
【
図6】第1実施形態に係る媒体供給装置において、カメラで用紙の端部を撮影するときに点灯する照明部の第2例を示す構成図である。
【
図7】第1実施形態に係る媒体供給装置において、カメラで用紙の端部を撮影するときに点灯する照明部の第3例を示す構成図である。
【
図8】第1実施形態に係る媒体供給装置において、カメラで用紙の端部を撮影するときに点灯する照明部の第4例を示す構成図である。
【
図9】(A)は、第1実施形態に係る媒体供給装置において、実際の複数の用紙の位置を示す図であり、(B)は、複数の用紙を撮影した第1フレーム目の画像の一例を示す図であり、(C)は、複数の用紙を撮影した第2フレーム目の画像の一例を示す図である。
【
図10】(A)は、第1フレーム目の画像に基づきフィルタを作成した一例を示す図であり、(B)は、第2フレーム目の画像に基づきフィルタを作成した一例を示す図である。
【
図11】(A)は、用紙の浮揚及び分離が良好な状態の一例を示す図であり、(B)は、用紙の浮揚及び分離が十分でない状態の一例を示す図であり、(C)は、用紙の浮揚及び分離が十分でない状態の他の例を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る媒体供給装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】比較例の媒体供給装置において、用紙の端部を撮影した撮影画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行方向とする。
【0031】
〔第1実施形態〕
図1(A)には、第1実施形態に係る媒体供給装置10の一部が示されており、
図1(B)には、媒体供給装置10を備えた画像形成装置100の一例が示されている。
【0032】
<画像形成装置の構成>
図1(B)に示されるように、画像形成装置100は、媒体の一例としての用紙Pに画像を形成する画像形成部102と、画像形成部102に対して用紙Pを一枚ずつ供給する媒体供給装置10と、を備えている。図示を省略するが、画像形成装置100の内部には、用紙Pを画像形成部102の画像形成位置に搬送する搬送手段が設けられている。画像形成部102と搬送手段の構成及び配置は特に限定されない。また、媒体供給装置10は、オプションで画像形成装置本体に取付けられる構成でもよい。
【0033】
<媒体供給装置の構成>
(全体構成)
図1(A)、(B)に示されるように、媒体供給装置10は、用紙Pが上下方向に積載可能な積載部12と、積載部12に積載された複数の用紙Pに空気を供給して用紙Pを浮揚及び分離させる供給部14と、を備えている。また、媒体供給装置10は、供給部14によって浮揚及び分離された用紙Pを順次送り出す送出部16を備えている。送出部16は、搬送部の一例である。また、媒体供給装置10は、供給部14によって用紙Pが浮揚及び分離されている状態を撮影する撮影部の一例としてのカメラ18と、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射する光照射部22と、を備えている。さらに、媒体供給装置10は、各部の動作を制御する制御装置50を備えている。制御装置50は、プロセッサの一例である。
【0034】
(積載部)
図1(B)に示されるように、積載部12は、複数の用紙Pが積載可能な板状体12Aを備えている。図示を省略するが、媒体供給装置10には、の板状体12Aを上下方向に昇降させる昇降装置を備えている。昇降装置は、板状体12Aの上側に積載された用紙Pの最上部の用紙Pの位置が定められた高さとなるように、板状体12Aを上昇させる。
【0035】
図2に示されるように、媒体供給装置10には、積載部12に積載された用紙Pの幅方向(本例では矢印Z方向)の側部の位置を規制するサイドガイド20が設けられている。サイドガイド20は、積載部12の上側に配置されると共に、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側に設けられている。一例として、サイドガイド20は、積載部12に装置奥行方向(矢印Z方向)にスライド可能に取付けられている。用紙Pのサイズに合わせて、サイドガイド20を装置奥行方向(矢印Z方向)にスライドさせることができる。サイドガイド20は送出部16に干渉しないように移動範囲が図示しないストッパ(ガイドスリットの長さ)などで制限されている。
【0036】
(供給部)
図1(A)及び
図2に示されるように、供給部14は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の方向から積載部12の上方側に空気を吹き出す吹出口30を備えている。吹出口30は、板状体12Aの上側に積載された複数の用紙Pの上部と対向する位置に配置されている。供給部14は、吹出口30からの空気を複数の用紙Pの間に吹き込むことで、積載部12の板状体12Aに積載された複数の用紙Pを浮揚及び分離させる。
【0037】
供給部14は、吹出口30に繋がれるダクト32と、ダクト32における空気の流れ方向の上流側に設けられたファン34と、を備えている(
図2参照)。供給部14では、ファン34の回転により空気がダクト32を通って吹出口30に供給され、吹出口30から積載部12の上方側に空気が吹き出される。
【0038】
図示を省略するが、吹出口30は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側に設けられている。一例として、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側のサイドガイド20に吹出口30が設けられている。ダクト32は、ファン34よりも空気の流れ方向の下流側で2つに分岐されており、ダクト32の分岐された部分の下流側端部にそれぞれ吹出口30が設けられている。
【0039】
(送出部)
図1(A)に示されるように、送出部16は、積載部12の板状体12Aの上側に積載された用紙Pを一枚ずつ矢印A方向、すなわち装置幅方向の右側(矢印X方向の右側)に搬送する。送出部16は、積載部12の上側の最上部の用紙Pを一枚ずつ送り出す送出ロール(給送ロール)36と、送出ロール36よりも装置幅方向の内側(矢印X方向の左側)に配置される吸着部40と、を備えている。吸着部40は、最上部の用紙Pを吸着する。さらに、送出部16は、送出ロール36によって送り出された用紙Pを搬送する一対の搬送ロール38を備えている。
【0040】
一例として、送出部16では、吸着部40によって吸着された用紙Pが送出ロール36に接触することで、用紙Pが送出ロール36より矢印A方向に送り出され、搬送ロール38によって矢印A方向に搬送される。
【0041】
(カメラ)
カメラ18は、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を撮影する。
図1及び
図2に示されるように、カメラ18は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の側に設けられている。カメラ18は、板状体12Aに積載された用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部と対向する位置に配置されている。これにより、カメラ18は、用紙Pが浮揚及び分離されている状態を用紙Pの幅方向の端部の外側から撮影する。一例として、カメラ18は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部の両側にそれぞれ設けられている。
【0042】
一例として、カメラ18は、サイドガイド20の上部側に配置されており、サイドガイド20における用紙Pの送り出し方向(矢印A方向)の下流側の端部付近に配置されている。
【0043】
(光照射部)
光照射部22は、カメラ18による用紙Pの端部の撮影時に用紙Pの端部に光を照射する。
図5に示されるように、光照射部22は、上下方向の複数の異なる位置から、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射する。一例として、光照射部は22、上下方向の異なる位置に配置された複数の照明部24を有する。第1実施形態では、複数の照明部24は、4つであり、上下方向の上側から下側に向かって配置された第1照明部24A、第2照明部24B、第3照明部24C、及び第4照明部24Dを備えている。
【0044】
複数の照明部24は、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に対して接近又は離れる方向にずれて配置されている。第1実施形態では、最上部の第1照明部24Aと最下部の第4照明部24Dは、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に対して接近する側に配置されている。上下方向の中間部の第2照明部24Bと第3照明部24Cは、第1照明部24A及び第4照明部24Dと比較すると、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に対して離れる方向にずれて配置されている。媒体供給装置10の平面視にて、第2照明部24Bと第3照明部24Cは用紙Pの幅方向の端部に近い側に重なるように配置されており、第1照明部24Aと第4照明部24Dは用紙Pの幅方向の端部から離れる側に重なるように配置されている。
【0045】
図5に示されるように、カメラ18は、供給部14からの空気によって浮揚及び分離される複数の用紙Pと対向する位置に配置されている。一例として、カメラ18は、供給部14からの空気によって浮揚及び分離される複数の用紙Pと対向する上下方向の中央部に配置されている。ここで、複数の用紙Pと対向する上下方向の中央部とは、定められた量の空気を吹き付けたときに複数の用紙Pがばらける範囲の中央をいう。第1照明部24Aと第2照明部24Bは、カメラ18に対して上下方向の上方側に配置されている。第3照明部24Cと第4照明部24Dは、カメラ18に対して上下方向の下方側に配置されている。
【0046】
図5~
図8に示されるように、光照射部22は、第1照明部24Aと、第2照明部24Bと、第3照明部24Cと、第4照明部24Dとを定められた順序で点灯させることで、上下方向の複数の異なる位置から用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射する。第1照明部24A、第2照明部24B、第3照明部24C、及び第4照明部24Dは、同様の構成とされており、これらの4つを区別する必要がない場合は、照明部24と記載して説明する。
【0047】
(媒体供給装置のハードウェア構成)
図3は、媒体供給装置10に搭載される機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、媒体供給装置10は、上述したように制御装置50と、カメラ18と、供給部14と、光照射部22と、を含んでいる。光照射部22は、第1照明部24A、第2照明部24B、第3照明部24C、及び第4照明部24Dを含んでいる。
【0048】
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、及び入出力インタフェース55の各構成を有する。各構成は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0049】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU51は、プロセッサの一例である。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52又はストレージ54に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM52又はストレージ54には、検出処理プログラムが格納されている。
【0050】
ROM52は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。ストレージ54には、プリンタドライバのプログラムが格納されている。CPU51は、ストレージ54からプリンタドライバのプログラムを読み出し、プログラムを実行することで、プリンタドライバとして機能する。
【0051】
入出力インタフェース55は、媒体供給装置10に搭載される各装置と通信するためのインタフェースである。制御装置50は、入出力インタフェース55を介してカメラ18、供給部14、及び光照射部22に接続されている。なお、カメラ18、供給部14、及び光照射部22は、バス59を介して直接接続されていてもよい。
【0052】
(制御装置の機能構成)
図4は、制御装置50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0053】
図4に示されるように、制御装置50は、機能構成として、光照射制御部71、撮影画像取得部72、用紙演算部73、用紙状態判定部74、及び空気供給量変更部75を有する。CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された検出処理プログラムを読み出して、RAM53に展開して実行することにより実現される。
【0054】
光照射制御部71は、光照射部22における複数の照明部24の点灯及び消灯を制御する。より具体的には、光照射制御部71は、複数の照明部24を構成する第1照明部24Aと、第2照明部24Bと、第3照明部24Cと、第4照明部24Dの点灯及び消灯を制御することで、用紙Pに光を照射する上下方向の位置を変更する(
図5~
図8参照)。第1実施形態では、カメラ18により撮影する1フレームごとに、複数の照明部24により光を用紙Pに照射する上下方向の位置を変更する。1フレームは、1つの撮影画像の一例である。一例として、光照射制御部71は、複数の照明部24のうちの1つの照明部24(第1照明部24A、第2照明部24B、第3照明部24C、及び第4照明部24Dのいずれか1つ)を定められた順番に点灯させ、1つの照明部24を点灯させるときに他の照明部24を消灯させる。
【0055】
撮影画像取得部72は、カメラ18によって撮影された用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部の撮影画像を取得する。撮影画像取得部72は、カメラ18により撮影する1フレームごとに複数の照明部24により光を用紙Pに照射する上下方向の位置を変更した複数の撮影画像を取得する。一例として、媒体供給装置10では、第1照明部24A、第2照明部24B、第3照明部24C、及び第4照明部24Dのいずれか1つが定められた順番で点灯するごとに、カメラ18により用紙Pの端部を撮影することで、撮影画像取得部72は、少なくとも4つの撮影画像を取得する。
【0056】
用紙演算部73は、カメラ18によって撮影された用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部の撮影画像に基づき、用紙Pの幅方向の端部の位置を演算する。用紙演算部73は、光照射部22により上下方向の光を照射する位置と用紙Pとの相対位置から用紙Pの判別に適さない判別不能エリア82(
図5~
図8参照)を除外し、用紙Pを判別可能な判別可能エリア80(
図5等参照)のみに対応する撮影画像の用紙Pの端部を検出する。判別不能エリア82は、用紙Pの判別に適さないエリアの一例であり、判別可能エリア80は、用紙Pを判別可能なエリアの一例である。用紙演算部73は、判別可能エリア80の用紙Pの幅方向の端部の位置を演算することで、用紙Pの幅方向の端部の浮揚及び分離状態を検出する。この用紙P用紙Pの幅方向の端部の浮揚及び分離状態を検出する方法については、後述する。
【0057】
用紙状態判定部74は、用紙Pの幅方向の端部の浮揚及び分離状態から、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるか否かを判定する。用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるか否かを判定するための条件は、予め、ストレージ54に記憶されている。この条件については、後述する。
【0058】
空気供給量変更部75は、供給部14による空気の供給量を変更する。例えば、空気供給量変更部75は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念あると判定された場合に、供給部14による空気の供給量を変更する。
【0059】
例えば、用紙Pの浮揚及び分離状態が不十分である(浮揚及び分離している用紙Pの枚数が少ない)場合は、空気供給量変更部75は、供給部14による空気の供給量を増加させる。また例えば、用紙Pの浮揚枚数が多すぎ、複数枚の用紙Pが束となって十分に分離さていない場合は、空気供給量変更部75は、供給部14による空気の供給量を減少させる。例えば、供給部14による空気の供給量を変更は、ファン34の回転速度を変更することよって実行する。
【0060】
(比較例の媒体供給装置の構成及び課題)
ここで、比較例の媒体供給装置の構成及び課題について説明する。
【0061】
比較例の媒体供給装置では、図示を省略するが、上下方向の位置が固定された1つの照明部と、カメラと、を備えている。そして、1つの照明部から光を照射した状態でカメラにより用紙Pの幅方向の端部を撮影する。
【0062】
一般的に、供給部から吹き出された空気により複数の用紙Pを浮揚及び分離させる構成では、用紙Pがカメラに対向する奥行き方向に数mm単位で移動しやすい。このため、比較例の媒体供給装置では、1つの照明部から光を照射した状態でカメラにより複数の用紙Pの端部を撮影したときに、上下方向の複数の用紙Pの端部の明るさが変わる場合がある。
【0063】
図13は、比較例の媒体供給装置において、カメラにより用紙Pの幅方向の端部を撮影した撮影画像である。
図13に示されるように、撮影画像における第1エリア302では、カメラに対して奥行き方向の奥側に移動した用紙Pが他の用紙Pに比べて暗い。これは、カメラに対して奥行き方向の奥側に移動した用紙Pがその真上又は真下の他の用紙Pに隠され、照明部の光が当たりにくくなり、用紙Pが他の用紙Pに比べて暗く映るためである。このため、複数の用紙Pの浮揚及び分離状態を検出するときに、第1エリア302の用紙Pを検出できない場合がある。
【0064】
また、
図13に示されるように、撮影画像における第2エリア304では、照明部が用紙Pの正面側から光を照射していることで、用紙Pの上面が光って映し出されている。このため、厚い用紙Pと誤検出される場合がある。また、カメラの位置によっては、用紙Pの正面側から光を照射することで、用紙Pの下面が光って映し出されることがあり、このときも厚い用紙Pと誤検出される場合がある。
【0065】
これに対して、第1実施形態の媒体供給装置10では、用紙Pの誤検出を抑制するために、以下のような用紙Pの端部を検出する処理を行っている。
【0066】
(用紙Pの端部を検出する処理)
媒体供給装置10では、複数の照明部24により光を用紙Pに照射する上下方向の位置を変更した状態で、カメラ18により用紙Pの端部を撮影することにより、複数の撮影画像を取得する。さらに、制御装置50のCPU51は、複数の撮影画像に基づき、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部の位置を検出する(例えば、画像解析する)処理を行う。
【0067】
図5~
図8には、上下方向の複数の照明部24の点灯位置を変えたときに、カメラ18により撮影される複数の用紙Pの状態が模式的に示されている。なお、
図5~
図8では、複数の用紙Pのうちのどの用紙Pであるかを分かりやすくするため、用紙Pが上から何枚目に位置するかを括弧書きの番号で示している。
【0068】
図5に示されるように、上下方向の最下部の第4照明部24Dを点灯したときは、上から2、4、5、6、及び8枚目の用紙Pは、用紙Pの端部と認識される。1、3、及び7枚目の用紙Pは、カメラ18に対して奥行き方向の奥側にずれており、検出することが難しい。また、9、及び10枚目の用紙Pは、上面又は下面が光って写り、誤検出となる場合がある。このため、CPU51は、上下方向の最下部の第4照明部24Dが点灯されたときは、1から8枚目の用紙Pを判別可能エリア80に設定し、9から10枚目の用紙Pを判別不能エリア82に設定する。
【0069】
図6に示されるように、上下方向下側から2番目の第3照明部24Cを点灯したときは、上から1、2、4、5、6、及び7枚目の用紙Pは、用紙Pの端部と認識される。3枚目の用紙Pは、カメラ18に対して奥行き方向の奥側にずれており、検出することが難しい。また、8、9、及び10枚目の用紙Pは、上面又は下面が光って写り、誤検出となる場合がある。このため、CPU51は、上下方向下側から2番目の第3照明部24Cが点灯されたときは、1から7枚目の用紙Pを判別可能エリア80に設定し、8から10枚目の用紙Pを判別不能エリア82に設定する。
【0070】
図7に示されるように、上下方向上側から2番目の第2照明部24Bを点灯したときは、上から3、4、5、6、8、9及び10枚目の用紙Pは、用紙Pの端部と認識される。7枚目の用紙Pは、カメラ18に対して奥行き方向の奥側にずれており、検出することが難しい。また、1、及び2枚目の用紙Pは、上面又は下面が光って写り、誤検出となる場合がある。このため、CPU51は、上下方向上側から2番目の第2照明部24Bが点灯されたときは、3から10枚目の用紙Pを判別可能エリア80に設定し、1から2枚目の用紙Pを判別不能エリア82に設定する。
【0071】
図8に示されるように、上下方向の最上部の第1照明部24Aを点灯したときは、上から1、2、4、5、6、及び8枚目の用紙Pは、用紙Pの端部と認識される。3、及び7枚目の用紙Pは、カメラ18に対して奥行き方向の奥側にずれており、検出することが難しい。また、9、及び10枚目の用紙Pは、8枚目の用紙Pに隠れてしまい、検出することが難しい。第1照明部24Aは、複数の用紙Pが浮揚及び分離されたときに、上から1枚目の用紙Pよりも上下方向上側に配置されているため、用紙Pの正面側から光が照射されず、用紙Pの上面又は下面が光って写ることが抑制される。このため、CPU51は、上下方向の最上部の第1照明部24Aが点灯されたときは、1から10枚目の用紙Pを判別可能エリア80に設定する。
図5~
図8に示されるように、判別可能エリア80と判別不能エリア82とは、光照射部22の複数の照明部24により上下方向の光を照射する位置と用紙Pとの相対位置に基づいて決定される。
【0072】
図9(A)には、実際の複数の用紙Pの位置の一例が示されている。
図9(B)には、カメラ18で複数の用紙Pを撮影したときの第1フレーム目の画像の一例が示されており、
図9(C)には、カメラ18で複数の用紙Pを撮影したときの第2フレーム目の画像の一例が示されている。
図9(A)に示されるように、1枚目から5枚目の用紙Pは等間隔に配置されている。
図9(B)に示されるように、第1フレーム目の画像では、3枚目の用紙Pが見えない。このため、第1フレーム目の画像では、3枚目の用紙Pは除外される。
図9(C)に示されるように、第2フレーム目の画像では、4枚目の用紙Pが見えない。このため、第2フレーム目の画像では、4枚目の用紙Pは除外される。
【0073】
図10(A)、(B)には、
図9に示すケースのCPU51による用紙Pの端部の検出処理の流れの一例が示されている。
図10(A)に示されるように、CPU51は、第1フレーム目の画像において、3枚目の用紙Pを除外し、1、2、4、及び5枚目の用紙Pの中心位置(すなわち、用紙Pの厚み方向の中心座標位置)を検出する。さらに、CPU51は、1、2、4、及び5枚目の用紙Pについて、用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタ90を作成する。
【0074】
図10(B)に示されるように、CPU51は、第2フレーム目の画像において、4枚目の用紙Pを除外し、1、2、3、及び5枚目の用紙Pの中心位置(すなわち、用紙Pの厚み方向の中心座標位置)を検出する。CPU51は、1、2、3、及び5枚目の用紙Pの中心位置が、第1フレーム目の画像に基づいて作成されたフィルタ90の内側に入るときは、同一の用紙Pと判断する(
図10(B)の左側に示す図を参照)。
【0075】
CPU51は、
図10(A)の右側に示すフィルタ90と
図10(B)の左側に示す用紙Pの中心位置でAND演算し、新たな用紙Pの中心位置を算出する。より具体的に説明すると、
図10(B)に示されるように、CPU51は、第2フレーム目の画像において、1、2、3、及び5枚目の用紙Pについて、用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタ90を作成する。さらに、CPU51は、第2フレーム目の画像において、第1フレーム目の画像に基づき作成された4枚目の用紙Pのフィルタ90(
図10(A)参照)と同じ位置にフィルタ90を作成する。すなわち、第2フレーム目の画像では、フィルタ90が更新される。CPU51は、カメラ18で撮影されたフレームの順番で、上記の処理を繰り返す。
【0076】
上記の検出処理をまとめると、以下のような処理となる。CPU51は、第nフレーム目の画像の用紙Pの中心位置(すなわち、用紙Pの厚み方向の中心座標位置)を検出する(
図10(A)参照)。用紙Pの端部が不鮮明な場合、又は判別不能エリア82の用紙P(すなわち、用紙Pの下面又は上面が光って映し出される可能性があるもの)は無視する。第nフレーム目の画像は、n個目の撮影画像の一例である。CPU51は、第nフレーム目の画像で検出された用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタ90を作成する(
図10(A)参照)。
【0077】
CPU51は、上記と同様に、第n+1フレーム目の画像の用紙Pの中心位置(すなわち、用紙Pの厚み方向の中心座標位置)を検出する(
図10(B)参照)。第n+1フレーム目の画像は、n+1個目の撮影画像の一例である。CPU51は、カメラ18による各フレームの画像ごとに検出された用紙Pの端部の位置同士を比較し、用紙Pの端部の位置の差分が閾値以下の場合は同一の用紙Pとし、閾値より大きい場合は新たな用紙Pとして検出する。第1実施形態では、CPU51は、第n+1フレーム目で検出された用紙Pの端部の中心位置がフィルタ90の内側に入るときは同一の用紙Pと判断する。CPU51は、第n+1フレーム目の画像の用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせた新たなフィルタ90に更新する(
図10(B)参照)。CPU51は、第n+1フレーム目の画像において、用紙Pが除外されているときは、第nフレーム目の画像の用紙Pのフィルタ90と同じ位置にフィルタ90を作成する。CPU51は、上記の処理を繰り返すことによって、用紙Pの端部の位置を検出、すなわち用紙Pの端部の画像解析を行う。
【0078】
(用紙Pの状態を判定するための条件)
次に、制御装置50により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるか否かを判定するための条件について説明する。
【0079】
制御装置50のCPU51は、上記の検出処理により、用紙Pの端部の位置を検出することで、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を検出する。さらに、CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるか否かを判定する。用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定される条件は、定められた枚数である第1閾値(例えば、4枚)以下の用紙Pが浮揚している場合である。また、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定される条件は、定められた枚数である第2閾値(例えば、3枚)以上の用紙Pが分離されていない束状態となっている場合である。上記のような場合は、CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定する。上記の第1閾値及び第2閾値については、変更が可能である。
【0080】
図11(A)~(C)には、積載部12の板状体12Aに積載された用紙Pに供給部14の吹出口30から空気が吹き出されたときの用紙Pの状態の一例が示されている。
図11(A)に示す第1例では、上部側の用紙Pが10枚前後バラバラに分離されて浮揚しており、用紙Pの浮揚及び分離状態が良好である。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送しても、用紙Pの重送などは発生しにくい。このような場合は、上記条件に基づき、CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がないと判定する。
【0081】
図11(B)に示す第2例では、用紙Pの浮揚枚数が1枚程度しかなく、用紙Pの浮揚及び分離状態が十分ではない。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送する際に、用紙Pがスムーズに供給されない供給不良(すなわち、ミスフィード)が発生する懸念がある。このような場合は、上記条件に基づき、CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定する。
【0082】
図11(C)に示す第3例では、吹出口30から空気を強く吹き出しすぎることで、上部側の用紙Pが束になって浮揚しており、用紙Pの浮揚及び分離状態が十分ではない。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送する際に、用紙Pの重送が発生する懸念がある。このような場合は、上記条件に基づき、CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定する。
【0083】
<作用及び効果>
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0084】
図12は、制御装置50が担当する検出処理の流れを示すフローチャートである。CPU51がROM52又はストレージ54から検出処理プログラムを読み出して、RAM53に展開して実行することにより、検出処理が行なわれる。
【0085】
図12に示す検出処理が実行される前に、ユーザーは、画像形成装置100で用紙Pへの画像データの印刷指示を行う。画像形成装置100が印刷指示を受付けると、媒体供給装置10では、供給部14により空気を供給し、積載部12に積載された用紙Pを浮揚及び分離させる。
【0086】
CPU51は、用紙Pの供給を開始する(ステップS201)。
【0087】
CPU51は、カメラ18により用紙Pの幅方向の端部が撮影された複数の撮影画像を取得する(ステップS202)。
図5~
図8に示されるように、媒体供給装置10では、光照射部22を構成する複数の照明部24により光を用紙Pに照射する上下方向の位置を変更した状態で、カメラ18により用紙Pの端部が撮影される。これにより、CPU51は、カメラ18により用紙Pの幅方向の端部が撮影された複数の撮影画像を取得する。
【0088】
CPU51は、用紙Pの状態、すなわち用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を検出する(ステップS203)。
図5~
図8に示されるように、CPU51は、複数の撮影画像において、判別不能エリア82を除外し、判別可能エリア80のみに対応する撮影画像の用紙Pの端部を検出する。CPU51は、
図9及び
図10に示されるように、用紙Pの端部の検出処理の流れに基づき、カメラ18により撮影された撮影画像の順番で用紙Pの端部の検出処理を行う。CPU51は、
図10に示す処理を繰り返すことにより、用紙Pの端部の位置を検出する(すなわち、用紙Pの端部の位置の画像解析を行う)。これにより、CPU51は、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を検出する。
【0089】
CPU51は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する(ステップS204)。例えば、CPU51は、上記検出の条件に基づき、用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する。
【0090】
用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合(ステップS204:NO)、CPU51は、用紙Pの供給動作を継続する(ステップS205)。すなわち、供給部14による空気の供給量は変更されない。
【0091】
用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合(ステップS204:YES)、CPU51は、供給部14による空気の供給量を変更する(ステップS206)。これにより、積載部12に積載された用紙Pの浮揚及び分離状態が調整される。さらに、CPU51は、ステップS202の処理に戻る。これにより、制御装置50が担当する検出処理プログラムに基づく処理を終了する。
【0092】
なお、ステップS206の後で、CPU51は、定められた時間が経過している場合に、用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るという情報をアラートで表示し、用紙Pの供給を停止してもよい。
【0093】
上記の媒体供給装置10では、光照射部22により上下方向の複数の異なる位置から用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射し、カメラ18により用紙Pが浮揚及び分離されている状態を撮影する。このため、媒体供給装置10では、上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを用紙に照射する場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。これにより、上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを用紙に照射する場合と比較して、用紙Pの搬送不良が低減される。
【0094】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、カメラ18によって撮影された画像により用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると判定された場合に、供給部14による空気の供給量を変更する。このため、媒体供給装置10では、空気の供給量が常に一定である場合と比較して、用紙Pの詰まり又は重送を抑制することができる。
【0095】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、カメラ18により撮影する1つの撮影画像ごとに、光照射部22により光を用紙Pに照射する上下方向の位置を変更して撮影画像を取得する。このため、媒体供給装置10では、上下方向の同じ位置から光を用紙に照射して複数の撮影画像を取得する場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0096】
また、媒体供給装置10では、光照射部22は、上下方向の異なる位置に配置された複数の照明部24を有する。このため、媒体供給装置10では、1つの光照射部を用いて上下方向の異なる位置から用紙に光を照射する場合と比較して、構造が簡単である。
【0097】
また、媒体供給装置10では、複数の照明部24は、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に対して接近又は離れる方向にずれて配置されている。このため、媒体供給装置10では、複数の照射部が用紙のカメラによる撮影側の端部に対して同じ距離で配置されている場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0098】
また、媒体供給装置10では、カメラ18は、供給部14によって浮揚及び分離される複数の用紙Pと対向する位置に配置され、照明部24は、カメラ18に対して少なくとも上下方向の上方側に配置されている。すなわち、照明部24は、送出部16によって送り出される最上部の用紙Pに近い位置に配置されている。このため、媒体供給装置10では、照明部がカメラに対して上下方向の下方側にのみ配置されている場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0099】
また、媒体供給装置10では、複数の照明部24は、カメラ18に対して上下方向の上方側と下方側に配置されている。このため、媒体供給装置10では、照明部がカメラに対して上下方向の上方側にのみ配置されている場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0100】
また、媒体供給装置10では、カメラ18は、供給部14によって浮揚及び分離される複数の用紙Pと対向する上下方向の中央部に配置されている。このため、媒体供給装置10では、カメラが供給部によって浮揚及び分離される複数の媒体の上下方向の下方側に配置される場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0101】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、光照射部22により上下方向の光を照射する位置と用紙Pとの相対位置から用紙Pの判別に適さない判別不能エリア82を除外し、用紙Pを判別可能な判別可能エリア80のみに対応する撮影画像の用紙Pの端部を検出する。このため、媒体供給装置10では、撮影画像の全体から用紙の端部を検出する場合と比較して、複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0102】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、撮影画像ごとに検出された用紙Pの端部の位置同士を比較し、用紙Pの端部の位置の差分が閾値以下の場合は同一の用紙Pとし、閾値より大きい場合は新たな用紙Pとして検出する。このため、媒体供給装置10では、
撮影画像ごとに検出された用紙の同一性を判断しない場合と比較して、複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0103】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、n個目の撮影画像で検出された用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタ90を作成する。そして、CPU51は、n+1個目の撮影画像で検出された用紙Pの端部の中心位置がフィルタ90の内側に入るときは同一の用紙Pと判断し、n+1個目の撮影画像の用紙Pの端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせた新たなフィルタ90に更新する。このため、媒体供給装置10では、常に同じフィルタを用いる場合と比較して、複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0104】
また、画像形成装置100は、媒体供給装置10と、媒体供給装置10により供給された用紙Pに画像を形成する画像形成部102と、を有する。このため、画像形成装置100では、上下方向の1箇所の同じ位置からの光を用紙に照射する場合と比較して、カメラ18により撮影された複数の用紙Pを精度よく検出することができる。
【0105】
〔補足説明〕
第1実施形態の媒体供給装置において、複数の照明部24の個数は変更可能である。複数の照明部24は、カメラ18に対して少なくとも上下方向の上方側に配置されていることが好ましい。また、複数の照明部24は、用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に対して奥行き方向の位置を変更してもよい。
【0106】
また、第1実施形態の媒体供給装置において、複数の照明部24とカメラ18との上下方向の位置関係を変更してもよい。
【0107】
また、第1実施形態の媒体供給装置において、光照射部22は、上下方向の複数の異なる位置から用紙Pのカメラ18による撮影側の端部に光を照射する構成であれば、他の構成に変更可能である。例えば、光照射部は、1つの照明部を有し、照明部が上下方向に移動する構成でもよい。また、1つの光照射部を設け、光を反射するミラーを用いて上下方向の光る位置を変える構成でもよい。
【0108】
また、第1実施形態の媒体供給装置において、照明部24の点灯位置と用紙Pとの相対位置に応じて、判別可能エリア80と判別不能エリア82の範囲は、変更可能である。
【0109】
また、第1実施形態の媒体供給装置では、カメラ18は、用紙Pの幅方向の両側にそれぞれ設けられていたが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、用紙Pの幅方向のどちらか一方に設けられている構成でもよい。
【0110】
上記の媒体供給装置10の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0111】
また、媒体供給装置10を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、媒体供給装置10、画像形成装置100の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0112】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0113】
〔付記〕
(((1)))
媒体が上下方向に積載可能な積載部と、
前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、
前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す搬送部と、
前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を撮影する撮影部と、
上下方向の複数の異なる位置から前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に光を照射する光照射部と、
を有する媒体供給装置。
【0114】
(((2)))
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部によって撮影された画像により前記媒体の詰まり又は重送の懸念があると判定された場合に、前記供給部による空気の供給量を変更する、(((1)))に記載の媒体供給装置。
【0115】
(((3)))
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記撮影部により撮影する1つの撮影画像ごとに、前記光照射部により光を前記媒体に照射する上下方向の位置を変更して前記撮影画像を取得する、(((1)))又は(((2)))に記載の媒体供給装置。
【0116】
(((4)))
前記光照射部は、上下方向の異なる位置に配置された複数の照明部を有する、(((1)))から(((3)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0117】
(((5)))
前記複数の照明部は、前記媒体の前記撮影部による撮影側の端部に対して接近又は離れる方向にずれて配置されている、(((4)))に記載の媒体供給装置。
【0118】
(((6)))
前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する位置に配置され、
前記照明部は、前記撮影部に対して少なくとも上下方向の上方側に配置されている、(((4)))又は(((5)))に記載の媒体供給装置。
【0119】
(((7)))
複数の前記照明部は、前記撮影部に対して上下方向の上方側と下方側に配置されている、(((6)))に記載の媒体供給装置。
【0120】
(((8)))
前記撮影部は、前記供給部によって浮揚及び分離される複数の前記媒体と対向する上下方向の中央部に配置されている、(((1)))から(((7)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0121】
(((9)))
前記プロセッサは、
前記光照射部により上下方向の光を照射する位置と前記媒体との相対位置から前記媒体の判別に適さないエリアを除外し、前記媒体を判別可能なエリアのみに対応する撮影画像の前記媒体の端部を検出する、(((3)))に記載の媒体供給装置。
【0122】
(((10)))
前記プロセッサは、
前記撮影画像ごとに検出された前記媒体の端部の位置同士を比較し、前記媒体の端部の位置の差分が閾値以下の場合は同一の媒体とし、前記閾値より大きい場合は新たな媒体として検出する、(((3)))又は(((9)))に記載の媒体供給装置。
【0123】
(((11)))
前記プロセッサは、
n個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせたフィルタを作成し、
n+1個目の前記撮影画像で検出された前記媒体の端部の中心位置が前記フィルタの内側に入るときは同一の媒体と判断し、n+1個目の前記撮影画像の前記媒体の端部の中心位置から定められた厚み方向の幅分太らせた新たなフィルタに更新する、(((10)))に記載の媒体供給装置。
【0124】
(((12)))
(((1)))から(((11)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置と、
前記媒体供給装置により供給された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
【0125】
(((1)))に記載の媒体供給装置によれば、上下方向の1箇所の同じ位置からの光のみを媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0126】
(((2)))に記載の媒体供給装置によれば、空気の供給量が常に一定である場合と比較して、媒体の詰まり又は重送を抑制することができる。
【0127】
(((3)))に記載の媒体供給装置によれば、上下方向の同じ位置から光を媒体に照射して複数の撮影画像を取得する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0128】
(((4)))に記載の媒体供給装置によれば、1つの光照射部を用いて上下方向の異なる位置から媒体に光を照射する場合と比較して、構造が簡単である。
【0129】
(((5)))に記載の媒体供給装置によれば、複数の照射部が媒体の撮影部による撮影側の端部に対して同じ距離で配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0130】
(((6)))に記載の媒体供給装置によれば、照明部が撮影部に対して上下方向の下方側にのみ配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0131】
(((7)))に記載の媒体供給装置によれば、照明部が撮影部に対して上下方向の上方側にのみ配置されている場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0132】
(((8)))に記載の媒体供給装置によれば、撮影部が供給部によって浮揚及び分離される複数の媒体の上下方向の下方側に配置される場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0133】
(((9)))に記載の媒体供給装置によれば、撮影画像の全体から媒体の端部を検出する場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0134】
(((10)))に記載の媒体供給装置によれば、撮影画像ごとに検出された媒体の同一性を判断しない場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0135】
(((11)))に記載の媒体供給装置によれば、常に同じフィルタを用いる場合と比較して、複数の媒体を精度よく検出することができる。
【0136】
(((12)))に記載の画像形成装置によれば、上下方向の1箇所の同じ位置からの光を媒体に照射する場合と比較して、撮影部により撮影された複数の媒体を精度よく検出することができる。
【符号の説明】
【0137】
10 媒体供給装置
12 積載部
14 供給部
16 送出部(搬送部の一例)
18 カメラ(撮影部の一例)
22 光照射部
24 複数の照明部
24A 第1照明部
24B 第2照明部
24C 第3照明部
24D 第4照明部
50 制御装置
51 CPU(プロセッサの一例)
52 ROM
53 RAM
54 ストレージ
55 入出力インタフェース
59 バス
71 光照射制御部
72 撮影画像取得部
73 用紙演算部
74 用紙状態判定部
75 空気供給量変更部
80 判別可能エリア(媒体の判別に適さないエリアの一例)
82 判別不能エリア(媒体を判別可能なエリアの一例)
90 フィルタ
100 画像形成装置
102 画像形成部
P 用紙(媒体の一例)