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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047911
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153683
(22)【出願日】2022-09-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年 5月31日 https://www.beaustage.com/eleganjet 令和4年 6月18日 https://goetheweb.jp/lifestyle/beauty/20220618-aderans 令和4年 7月 1日 https://dime.jp/genre/1415100/ 令和4年 9月 1日 https://bosleysalon.jp/jetex/ 令和4年 5月31日 株式会社スポーツニッポン新聞社 スポーツニッポン 第9面 令和4年 5月31日 ELEGANJET発表会 令和4年 6月14日 第8回TOP CONNECTレディース 令和4年 7月15日 ミセスユニバースジャパン2022
(71)【出願人】
【識別番号】000126676
【氏名又は名称】株式会社アデランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】津村 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】高野 龍一
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH04
(57)【要約】
【課題】見栄えの良い外観のヘアドライヤーを設計し易く、ヘアドライヤーの内部の空気抵抗が高められることによる故障を抑制し、且つ、毛髪や頭部に向けて出力される空気の量も過不足のない好適な量に設定し易くする。
【解決手段】空気が出力される吹出口2を有する本体部4と、本体部4に対して下方側に突出するハンドル部5と、吹出口2の前側に障害物が接触するか近接することで吹出口からの空気の出力が困難となった出力困難状態において、当該出力困難状態となる前と比較して、空気が通過する量を変化させることができる通風口3が、吹出口2における水平方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が出力される吹出口を有する本体部と、該本体部に対して下方側に突出するハンドル部とを備え、前記本体部に対しては、前記吹出口から空気が出力される前側部分に、前記吹出口とは異なる広さ範囲に空気を出力することを可能とする付属部品を着脱可能に構成されたヘアドライヤーであって、
前記吹出口は、前記本体部に対して前記ハンドル部が設けられる方向側を下方側とした前方側視において上下方向側に交差する所定の方向側を長手方向とする形状とされ、
前記本体部には、前記吹出口の前側に障害物が接触するか近接することで前記吹出口からの空気の出力が困難となった出力困難状態において、当該出力困難状態となる前と比較して、空気が通過する量を変化させるか、進行方向を異ならせて空気の通過を可能とする通風口が、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして、設けられていることを特徴とするヘアドライヤー。
【請求項2】
前記本体部には、前記吹出口の外周部分を構成する外周縁部が設けられ、
前方側視において、前記外周縁部の内側であって前記所定の方向に沿った両端部分に前記通風口が視認可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記外周縁部は、
前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分を構成する両端側縁部と、
該両端側縁部よりも前記吹出口の上側の部分を構成し、前方斜め上方側を向く第1の仮想平面に沿った形状の上側縁部と、
前記両端側縁部よりも前記吹出口の下側の部分を構成し、前方斜め下方側を向く第2の仮想平面に沿った形状の下側縁部とを有し、
前記通風口は、前記両端側縁部の後方側に相当する高さ位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載のヘアドライヤー。
【請求項4】
前記本体部の内部に設けられて前記吹出口から空気を出力するための送風装置を備え、
前記外周縁部の内側には、前方側視において、前記外周縁部の内側における全周にわたって形成される外周側隙間部が設けられ、前記外周縁部に対して前記外周側隙間部を隔てた内側に、前記送風装置から空気が出力される出力通路の出口部分を形成する内周側壁部が設けられ、
前記通風口は、前記外周側隙間部の後方側に連続する位置に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のヘアドライヤー。
【請求項5】
前記内周側壁部には、前方側視において、前記所定の方向側の両端側から中央側に向けて正面側からみて前記吹出口の中央側に凹んだ溝部が設けられ、
当該溝部は、後方側に向けて次第に凹みが浅くなって前記溝部が形成されなくなる位置まで連続する形状とされ、
前記本体部は、前記溝部が形成されなくなった位置と略同一か、当該位置よりも後側に、前記通風口に通じる内部通路の前端部分が位置するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のヘアドライヤー。
【請求項6】
前記付属部品は、前記外周縁部より一回り小さく形成されて前記外周側隙間部に差し込み可能な差込部と、
該差込部における前記所定の方向に沿った両側の内周部分に設けられて前記内周側壁部の外面側に突出し、前後方向に連続する内側突起部とを有し、
前記内側突起部として、第1の内側突起部と、前方側から見た所定の断面視において前記第1の内側突起部に対して前記通風口の少なくとも一部が位置する一方側に設置される
第2の内側突起部とが設けられ、
前記所定の断面視において、前記第1の内側突起部と前記第2の内側突起部との間部分における前記吹出口の中央側に、前記溝部が設けられることを特徴とする請求項5に記載のヘアドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の出力部分にディフューザー等の付属部品を取付可能なヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアドライヤーの付属部品として、空気の出力部分に取り付けられることにより、取り付け無しの状態とは異なる範囲に空気を出力可能とする部品が知られている。例えば、付属部品としてディフューザーが知られており、ディフューザーを通じてヘアドライヤーから空気を出力することにより、広範囲に拡散された空気を毛髪に吹き当てることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-6664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ヘアドライヤーの空気の出力部分にディフューザー等の付属部品を取付可能にすると、付属部品が取り付けられているか否かや、付属部品の形状の相違等によって、ヘアドライヤーの空気の流れが変化する。また、ヘアドライヤーからの空気の出力部分に頭髪や皮膚が接触した状況や近接した状況、近くに何もない状況でも、空気の流れは変わってしまう。この空気の流れの変化は、ヘアドライヤーの内部の空気抵抗を増大させてヘアドライヤーの故障の原因となる可能性があり、また、空気の流れを良好とするために排出口を設けると見栄えを損なう可能性がある。このため、ヘアドライヤーの使用状況に応じて空気を好適に出力するための構成について、未だ改良の余地がある可能性があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、見栄えの良い外観のヘアドライヤーを設計し易く、ヘアドライヤーの内部の空気抵抗が高められることによる故障を抑制し、且つ、毛髪や頭部に向けて出力される空気の量も過不足のない好適な量に設定し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のヘアドライヤーは、空気が出力される吹出口を有する本体部と、該本体部に対して下方側に突出するハンドル部とを備え、前記本体部に対しては、前記吹出口から空気が出力される前側部分に、前記吹出口とは異なる広さ範囲に空気を出力することを可能とする付属部品を着脱可能に構成され、前記吹出口は、前記本体部に対して前記ハンドル部が設けられる方向側を下方側とした前方側視において上下方向側に交差する所定の方向側を長手方向とする形状とされ、前記本体部には、前記吹出口の前側に障害物が接触するか近接することで前記吹出口からの空気の出力が困難となった出力困難状態において、当該出力困難状態となる前と比較して、空気が通過する量を変化させるか、進行方向を異ならせて空気の通過を可能とする通風口が、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして、設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のヘアドライヤーは、請求項1に記載のヘアドライヤーであって、前記本体部には、前記吹出口の外周部分を構成する外周縁部が設けられ、前方側視において、前記外周縁部の内側であって前記所定の方向に沿った両端部分に前記通風口が視認可能に
設置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のヘアドライヤーは、請求項2に記載のヘアドライヤーであって、前記外周縁部は、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分を構成する両端側縁部と、該両端側縁部よりも前記吹出口の上側の部分を構成し、前方斜め上方側を向く第1の仮想平面に沿った形状の上側縁部と、前記両端側縁部よりも前記吹出口の下側の部分を構成し、前方斜め下方側を向く第2の仮想平面に沿った形状の下側縁部とを有し、前記通風口は、前記両端側縁部の後方側に相当する高さ位置に設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のヘアドライヤーは、請求項2又は3に記載のヘアドライヤーであって、前記本体部の内部に設けられて前記吹出口から空気を出力するための送風装置を備え、前記外周縁部の内側には、前方側視において、前記外周縁部の内側における全周にわたって形成される外周側隙間部が設けられ、前記外周縁部に対して前記外周側隙間部を隔てた内側に、前記送風装置から空気が出力される出力通路の出口部分を形成する内周側壁部が設けられ、前記通風口は、前記外周側隙間部の後方側に連続する位置に設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載のヘアドライヤーは、請求項4に記載のヘアドライヤーであって、前記内周側壁部には、前方側視において、前記所定の方向側の両端側から中央側に向けて正面側からみて前記吹出口の中央側に凹んだ溝部が設けられ、当該溝部は、後方側に向けて次第に凹みが浅くなって前記溝部が形成されなくなる位置まで連続する形状とされ、前記本体部には、前記溝部が形成されなくなった位置と略同一か、当該位置よりも後側に、前記通風口に通じる内部通路の前端部分が位置するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載のヘアドライヤーは、請求項5に記載のヘアドライヤーであって、前記付属部品は、前記外周縁部より一回り小さく形成されて前記外周側隙間部に差し込み可能な差込部と、該差込部における前記所定の方向に沿った両側の内周部分に設けられて前記内周側壁部の外面側に突出し、前後方向に連続する内側突起部とを有し、前記内側突起部として、第1の内側突起部と、前方側から見た所定の断面視において前記第1の内側突起部に対して前記通風口の少なくとも一部が位置する一方側に設置される第2の内側突起部とが設けられ、前記所定の断面視において、前記第1の内側突起部と前記第2の内側突起部との間部分における前記吹出口の中央側に、前記溝部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のヘアドライヤーによれば、前方側視において吹出口の中央から離れた位置に形成される通風口から空気を出力することができる。このため、小型の通風口であっても、付属部品の有無や空気の出力状況に応じて、通風口から出力される空気の量や、空気の進行方向を変化させ易くすることができる。よって、見栄えの良い外観のヘアドライヤーを設計し易く、ヘアドライヤーの内部の空気抵抗が高められることによる故障を抑制し、且つ、毛髪や頭部に向けて出力される空気の量も過不足のない好適な量に設定し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ヘアドライヤーの前方側斜視図である。
図2】ヘアドライヤーの後方側斜視図である。
図3】(a)はヘアドライヤーの側面図、(b)は吹出口部分の正面図である。
図4】(a)は図3(b)のSA-SA線における断面図、(b)は図3(b)のSB-SB線における断面図である。
図5】内周側壁部を前方側視した図であり、(a)は内周側壁部の前端部分、(b)は図5(a)より後方側における内周側壁部の断面図である。
図6】吹出口の前側の状況に応じて通風口から出力される空気の流量が変化する状況を示す説明図である。
図7】(a)はディフューザーの斜視図、(b)はディフューザーの使用状態である。
図8】(a)はディフューザーの背面図、(b)は図8(a)のSF―SF線における断面図、(c)は図7(b)のSG-SG線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のヘアドライヤー1は、吹出口2から空気が出力される使用中において、吹出口2の前側の状況に応じて、吹出口2とは別の通風口3からの空気の出力を変化させることが可能に構成されている。以下、本発明の実施の形態について、ヘアドライヤー1の単体について説明してから、付属部品を取り付けた場合について説明する。
【0015】
<ヘアドライヤー1の構成>
図1から図4は、本発明のヘアドライヤー1を示す図であり、図1は、ヘアドライヤー1の前方側斜視図、図2は、ヘアドライヤー1の後方側斜視図である。また、図3(a)は、ヘアドライヤー1の側面図、図3(b)は、吹出口2の周辺を前方側視した正面図である。また、図4(a)は、図3(b)のSA-SA線における断面図、図4(b)は、図3(b)のSB-SB線における断面図である。なお、図1及び図2には、一点鎖線で囲んだ一部を拡大視した図を併せて示し、図4には、本体部4の内部構造を模式的に示している。
【0016】
本発明のヘアドライヤー1は、図1に示すように、空気が出力される吹出口2を有する本体部4と、本体部4に対して下方側に突出するハンドル部5とを備え、本体部4には、ヘアドライヤー1の外側と内側との間で空気の通過を可能とする通風口3が設けられている。本体部4は、左右対称に形成されている。通風口3は、本体部4の左右両側に1つずつ設けられ、吹出口2から空気が出力される前方側とは逆の後方側に向けて開口し、本体部4の側面に沿って後方側へ空気を出力可能に構成されている。
【0017】
通風口3は、図3(a)に示すように、側面視においては、開口が視認し得ず、図2に示すように、斜め後方側から視認することで本体部4の外面に開口が形成されていることを視認できる。通風口3の形状は、詳細には、斜め下側を向くように開口している。これにより、ヘアドライヤー1を、側面視したり、上方側から視認した場合において、機能面に必要な通風口3は視認し難くすることができ、スッキリしたデザインを実現することができる。
【0018】
本体部4には、図1及び図2に示すように、吸気口7と吹出口2とが設けられている。本体部4の内部には、図4(a)に示すように、送風装置8が設けられている。送風装置8は、吸気口7から吸い込んだ空気を吹出口2から出力するための装置であり、例えば、羽根部材8aと、羽根部材8aを駆動させるモータ等の駆動機構8bと、空気を暖めるヒータ8cとを備えて構成される。送風装置8から出力される空気は、図4(a)の矢印で示すように、出力口9の側へ進行し、吹出口2から温風を出力可能に構成される。
【0019】
ハンドル部5には、図1に示すように、ヘアドライヤー1を動作させる複数の操作部6が配置される。操作部6は、電源のオンオフ、温度の設定、風量の調節、冷風出力などの各操作の内容毎に、押し操作やスライド操作が可能に構成され、ハンドル部5の前側に操作部6の一部(前側操作部6a)が設けられ、ハンドル部5の側面側に、側面側操作部6bが設けられる。
【0020】
側面側操作部6bは、図3(a)に示すように、ハンドル部5を上下方向において概ね
3等分した場合の上側部分と下側部分とを除いた中央部分に設けられる。これにより、側面側操作部6bを操作し易い高さ位置に親指や人差し指が位置するようにしてハンドル部5を握った場合に、通風口3から出力される空気が、ハンドル部5を握った手より上方側に離れて進行し易くすることができる。よって、通風口3から出力された温風がハンドル部5を握った手に直接吹き付けられてしまうといった事態を回避しやすくすることができる。なお、側面側操作部6bには、ヘアドライヤー1の使用中において操作される操作部6が配置されることが好ましく、温度の高低を変更する操作や、風量の強弱を調節する操作を実行する操作が可能な操作部6が配置されることが好ましい。
【0021】
<吹出口2及び通風口3>
次に、図3図5及び図6を主に参照して、吹出口2と通風口3とについて、更に説明する。図5は、吹出口2の内側部分(内周側壁部16)を前方側視(正面視)した図であり、図5(a)は、内周側壁部16の前端部分(出力口9)であり、図5(b)は、図5(a)より後方側における内周側壁部16の断面図である。図6は、吹出口2の前側の状況に応じて通風口3から出力される空気の流量や進行方向が変化する状況を示す説明図であり、図6(a1)から図6(a3)は、図3(b)のSC-SC線における断面図、図6(b1)及び図6(b2)は、図3(b)のSD-SD線における断面図、図6(c)は、図3(b)のSE-SE線における断面図である。なお、図5には、吹出口2及び通風口3の外形形状を併せて示し、図6(a1)、図6(b1)、及び、図6(c)は、吹出口2の前方側に障害物Hが無い状態、図6(a2)及び図6(b2)は、吹出口2の前側に障害物Hが位置した状態、図6(a3)は、吹出口2の前側に付属部品Dが取り付けられた状態を示している。
【0022】
吹出口2は、図3(b)に示すように、前方側視において、本体部4に対してハンドル部5が設けられる方向側を下方側とした場合に水平方向側を長手方向とする横長の形状に形成されている。吹出口2の横幅の最大部分は、上下方向における中央よりも下側に位置するように設定され、その横幅の最大部分の内側に通風口3が設けられている。言い換えれば、通風口3が上下方向における中央よりも下側に設けられており、通風口3が設けられる分、上下方向の中央より下側が横方向に拡大された形状としている。
【0023】
ヘアドライヤー1は、吹出口2の中央付近の方が、中央から離れた位置より空気が多く出力され、また、空気が高速で出力され易い構成としている。このため、通風口3は、風量が多く風速が高速となる中央側から遠く離れた位置に形成され、通風口3を通過する空気の流量や進行方向は、前方側へ進行する空気の影響を大きくは受けにくくすることができる。よって、必要に応じて空気の流量を減少させたり、進行方向を反転させて後方側へ進行させ易くすることもでき、小型の通風口3でも、効率良く空気の流量や進行方向を変化させることができる。
【0024】
なお、前方側視した場合における吹出口2の長手方向は、水平方向に必ずしも一致する設定にする必要はないが、水平方向に近い設定(例えば、水平方向に対して30度以下の傾き範囲内)とすることが好ましい。これにより、幅広の安定感のあるデザインを実現することができる。
【0025】
本体部4には、図3(b)に示すように、吹出口2の外周部分を構成する外周縁部11が設けられている。通風口3は、前方側視において、外周縁部11の内側であって水平方向に沿った両側の端部分に位置し、前方側から視認可能となるようにして設置されている。また、通風口3は、吹出口2の内側部分と本体部4の外面部分とを接続する内部通路13の出口部分に相当し、内部通路13の出口部分が、前方側視において、吹出口2の内側に位置している。このため、本体部4の横方向への拡がりを抑えてスリムなデザインにし易く、且つ、通風口3から出力された空気が使用者の側に進行することによって不快感を
生じさせてしまう事態を回避することができる。
【0026】
なお、通風口3は、吹出口2における水平方向側の両端部分に対して後方側であって、吹出口2の外周を形成する外周縁部11に対して後方側に通風口3の一部が重なるようにして設けられることが好ましい。また、通風口3は、横幅に比べて、縦方向に長い形状とされ、具体的には、通風口3の最大の横幅部分よりも縦方向に2倍以上の長さを有する縦長に形成されることが好ましい。これらの形状設定によって、通風口3の大きさ(開口面積)を確保しつつ、本体部4の横幅を抑えてスリムなデザインを実現できる。
【0027】
通風口3に対して後側には、図2に示すように、本体部4の外面を内側に凹ませて形成した後側凹み部12が設けられている。後側凹み部12は、通風口3より前側の内部通路13から通風口3より後側まで通風口3の形状(詳細には、本体部4の内側に相当する一部の形状)が連続するように、本体部4の内側に凹んだ部分が後方側に連続して構成される。図2には、後側凹み部12として、本体部4の内側に向けて凹んだ曲面の上下方向における中央に相当する位置を二点鎖線で示している。この後側凹み部12を本体部4の後方側まで長く形成することにより、通風口3から空気が出力される場合において空気を本体部4の外面に沿って後方側へ直進し易くすることができ、使用者の側へ空気が進行され難くすることができる。
【0028】
吹出口2は、図3(b)に示すように、本体部4の前側部分に位置する外周縁部11によって外周部分が構成される。吹出口2の外周縁部11は、前方側へ空気が出力される通路の外周部分を形成する。
【0029】
外周縁部11は、図3(a)に示すように、吹出口2を形成する外周縁部11の上下方向の中央よりも僅かに下側の高さ部分が前側(図3(a)の左側)に最も突出した形状に設定される。外周縁部11において前側に最も突出した部分の高さ位置は、通風口3が設けられる高さ位置に相当し、通風口3が設けられる高さ範囲内に含まれる設定とされることが好ましい。本実施形態では、図3(b)に示すように、通風口3の横幅が最大となる位置と略同一に設定されている。これにより、通風口3の数を少なく設定しても、障害物の有無などといった吹出口2の前側の状況に対応させ易い通風口3とすることができる。
【0030】
ここで、吹出口2の外周縁部11は、図3(b)に示すように、両端側縁部11aと、上側縁部11bと、下側縁部11cとを組み合わせて構成されている。両端側縁部11aは、吹出口2における水平方向側の両端部分を構成し、両端側縁部11aの内側に、前方側視において通風口3が設けられる。上側縁部11bは、両端側縁部11aよりも吹出口の上側の部分を構成する。下側縁部11cは、両端側縁部よりも吹出口の下側の部分を構成する。
【0031】
上側縁部11bは、図3(a)に示すように、前方斜め上方側を向く第1の仮想平面P1に沿った形状とされている。下側縁部11cは、前方斜め下方側を向く第2の仮想平面P2に沿った形状とされている。上側縁部11bと下側縁部11cとが、上方側と下方側とで別の方向側を向くように構成されることにより、吹出口2の前側に障害物が接触しても、吹出口2の上方側か下方側のいずれかに前後方向の隙間を形成し易くすることができる。
【0032】
第1の仮想平面P1と、第2の仮想平面P2は、図3(a)に示すように、側面視において傾き角度Aを形成するように交差する向きに設定されている。この傾き角度Aは、10度から60度の範囲内に設定することが良く、20度から45度の範囲内とすることが好適であり、本実施形態では、略30度の設定としている。
【0033】
吹出口2の内側には、第1の仮想平面P1と、第2の仮想平面P2とに対して、僅かな量(例えば、1mm~2mm)、後方側にオフセットされた位置が前端面となるようにして、出力口9が設けられている。出力口9は、送風装置8から送風された空気を出力する部分である。
【0034】
本体部4は、図4(a)に示すように、外側部材4aと、内側部材4bとの二重構造にして構成される。外側部材4aは、ヘアドライヤー1の外面部分を構成し、空気が通過する筒状部分の外側を形成する。内側部材4bは、外側部材4aの内側にて筒状に形成される出力通路14の外周部分を構成する。出力通路14の上流側に相当する後側(図4(a)の右側)には、送風装置8が設けられ、内側部材4bが送風装置8の空気の出力部分(図4(a)における送風装置8の左側部分)を囲う形状とされている。出力通路14の下流側に相当する前側(図4(a)の左側)には、吹出口2の内側にて開口形成される出力口9が設けられる。送風装置8から出力される空気は、出力通路14を経由し、出力口9からヘアドライヤー1の前方側へ出力される。
【0035】
また、出力通路14は、図4(b)に示すように、出力口9に近い部分において中央側へ空気が集中する形状を有するように形成されている。これにより、吹出口2の中央付近から高速の空気を出力され易くし、その分、吹出口2の中央から離れて設置される通風口3において空気の流量や進行方向を変化させ易くすることができる。
【0036】
出力口9は、図1に示すように、吹出口2の内側にて複数が離間して設けられた略V字状に開口形成された部位を組み合わせて構成される。複数の出力口9に囲われる中央側には、前方側視において略円形をした円柱状の磁性体15が設けられている。磁性体15は、吹出口2の前側に付属部品を取り付ける場合において、付属部品に磁石を設けて磁性体15の前側に磁力で吸着することを可能とする。
【0037】
出力口9は、図5(a)に示すように、略V字状に開口する外周部分を構成する壁部(内周側壁部16)によって形成される。内周側壁部16は、吹出口2(外周縁部11)に対して外周側隙間部17を隔てた内側に位置するようにして設けられる。
【0038】
吹出口2(外周縁部11)と出力口9(内周側壁部16)との間には、前方側視において、外周縁部11の内側における全周にわたる略一定幅の隙間が外周側隙間部17として設けられている。外周側隙間部17は、付属部品に形成される筒状の差込部33(図7(b)参照)を差し込むことで付属部品を取付可能とする部位である。
【0039】
内周側壁部16は、略V字状の出力口9を囲う形状とされ、吹出口2の周縁側から中央側に向けて、前方側視において略V字状に凹んだ溝部19を形成する。溝部19は、図5(a)、図5(b)及び図6(a1)に示すように、後方側に向けて次第に凹みが浅くなり、溝部19の底部分を構成する稜線21が吹出口2の外周部分(外側部材4a)に次第に近づく形状とされている。図5(b)には、溝部19の深さが略半分となった位置における内周側壁部16の断面形状を模式的に示している。
【0040】
溝部19は、後端側において最終的に溝部19が無くなる位置まで直線的に連続する形状とされている。これにより、吹出口2の中央側に近い部分の空気も通風口3に向かわせたり、通風口3から進入した空気の一部を吹出口2の中央に近い位置からも前方側へ向けて出力することができる。なお、溝部19は、必ずしも後方側に向かって直線的に連続する形状とする必要はなく、湾曲した形状や、折れ線状など、別の形状に形成して連続させてもよい。ただし、通風口3を経由した空気の進行をスムースにするために、直線状や、直線に近い曲線や折れ線、又はこれらの組み合わせにより構成することが好ましい。また、溝部19は、前方側視において必ずしも略V字状(略三角形状)に凹んだ形状とする必
要はなく、略U字状や略台形状など、別の形状に凹んだ形状としてもよく、別の形状とした場合には、出力口9の形状も、溝部19の形状に対応させて略U字状や略I字状などの別形状としてもよい。
【0041】
本体部4は、図6(a1)に示すように、溝部19の底部分(稜線21)が外周側隙間部17(外周縁部11を構成する外側部材4aの内面付近)に到達し、溝部19が形成されなくなった位置よりも僅かに後側に、通風口3に通じる内部通路13の前端部分が位置するように構成されている。これにより、通風口3へ向けて、溝部19により形成される空気の通過可能な部分を直線に近い形で連続し易くし、通風口3を利用した空気の通過を効率良く実施することができる。
【0042】
ここで、溝部19は、図5(a)に示すように、複数の出力口9の各々に対して複数箇所に形成され、通風口3が設けられる水平方向側に拡がるようにして設けられる溝部19aだけでなく、通風口3が設けられない斜め上方側に拡がる溝部19bや下方側に拡がる溝部19cも形成されている。これらの通風口3が設けられない方向側に拡がる溝部19b,19cを経由する空気は、外周側隙間部17の奥側に位置する奥側壁部22を利用して通風口3の側へと誘導される。
【0043】
奥側壁部22は、図3(a)に示すように、吹出口2の内周部分の後端側(図3(a)の右側)の端面を形成し、図4(a)に示すように、外側部材4aの内面と、内側部材4bの外面と、奥側壁部22とにより通風口3へ通じるように囲われた通路が形成される。これにより、通風口3が設けられる側に拡がる溝部19だけでなく、他の溝部19についても、通風口3を利用した空気の通過を実現することができる。なお、外周側隙間部17には、付属部品の差込部33(図7(b)参照)が嵌まることとなるが、差込部33の長さや厚みの設定により、通風口3の機能を利用するかしないかや通過する空気の量を設定できる。
【0044】
例えば、付属部品の差込部33(図7参照)と奥側壁部22との間に、全周において一定以上(例えば、1mm以上)の隙間が形成されるように、差込部33の長さを設定すれば、通風口3の機能を十分に発揮させることができる。差込部33と奥側壁部22との隙間を無くせば、通風口3の機能を発揮しないようにすることができる。ディフューザーDF(図7参照)など、吹出口2よりも広範囲に空気の出力部分が設定される付属部品の場合、差込部33と奥側壁部22との間に空気が通過可能な隙間を設定し、通風口3を利用した空気の出力の変化を利用可能とすることが、ヘアドライヤー1の内部の空気抵抗が増大して故障を発生する可能性を低減することができて好ましい。
【0045】
複数の出力口9を形成する内周側壁部16の間には、図5(a)及び図5(b)に示すように、溝部19よりも吹出口2の中央側に向けて深く凹んだ深溝Mが複数箇所に設けられている。これら深溝Mは、溝部19と同様、後方側へ次第に浅くなる形状とされ、奥側壁部22を利用することで通風口3へと連続する通路を形成する。なお、深溝Mを必ずしも設ける必要はなく、深溝Mが設けられる部分も溝部19と略同一深さの凹みを設けてもよく、または深溝Mを省略して複数の出力口9の間部分に相当する壁部を共通の1枚の壁部により構成してもよい。
【0046】
次に、図6を主に参照して、障害物の有無による通風口3の空気の出力の変化について説明する。図6(a1)及び図6(b1)に示すように、吹出口2の前側に障害物が無い通常の状況においては、吹出口2の内側に位置する出力口9を通じて、送風装置8(図4参照)からの高速の空気が多量に出力される。吹出口2の外周部分(外周側隙間部17)は、出力口9から前側に進行する空気の流れに引っ張られるようにして、出力口9より低速で少量の空気が前側に進行する。また、図6(a1)に示すように、溝部19を通じて
も、通風口3からの空気が前側に進行する。
【0047】
吹出口2の前側に障害物が位置すると、通風口3からの空気の出力が通常の状況とは異なり、出力が困難な状態(出力困難状態)となる。図6(a2)及び図6(b2)は、吹出口2の前側に障害物Hが位置した状況を例示している。障害物Hとしては、人の頭部や衣服などが例示される。吹出口2の前側に障害物Hがあると、出力口9から出力された空気は前方に進行できず、その分、吹出口2の外側へと進行しようとする。このとき、外周側隙間部17や溝部19を通じて通風口3の側へと空気を進行させることができ、通風口3からヘアドライヤー1の後方側へと空気を出力することができる。
【0048】
ここで、出力口9(内周側壁部16)は、吹出口2(外周縁部11)より後方側に前端部分が位置するように構成されている。このため、吹出口2に障害物Hが極めて近接したり、接触したりした状況であっても、吹出口2の外側へ進行するより外周側隙間部17を通じて通風口3の側へ空気を進行し易くすることができる。よって、出力口9よりも送風装置8に近い内部空間の空気抵抗が過度に増大するといった異常事態を軽減し、送風装置8を正常に近い状態で動作させ易くすることができる。
【0049】
図6(a3)には、ヘアドライヤ-1の前側に、磁石30を利用して付属部品Dが取り付けられた状況を示している。また、付属部品Dとして、吹出口2の中央部よりも周縁に近い部分において多量の空気が出力されるように空気の出力部分が設置された場合を例示している。この場合、空気の出力部分を小さく形成することでヘアドライヤー1の内部の空気抵抗を高めることができ、これにより、付属部品Dによって空気の出力範囲を広範囲に広めながら、吹出口2の中央から離れた出力部分から多量の空気を高速に進行させることができる。この場合に、付属部品Dの前側に障害物が接触したり近接したりすると、ヘアドライヤー1の内部の空気抵抗が過度に高められ、ヘアドライヤー1の異常な温度上昇が生じて使用の継続が困難となる可能性がある。これに対して、吹出口2の中央から離れた出力部分に対して後方側に通風口3が設けられることで、異常な温度上昇を抑制でき、付属部品Dを取り付けてもヘアドライヤー1を安全に使用することができる。
【0050】
このように、ヘアドライヤー1には、吹出口2の前側に障害物が接触するか近接することで吹出口2からの空気の出力が困難な出力困難状態において、出力困難状態となる前の通常の状況と比較して、空気が通過する量を変化させることができる通風口3が設けられ、通風口3から出力される空気の進行方向は、障害物の有無や位置、付属部品の有無等によって、前方から後方へと異ならせることができる。よって、ヘアドライヤー1の異常な温度上昇を抑制でき、ヘアドライヤー1を安全に使用することができる。
【0051】
また、通風口3は、吹出口2における水平方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして設けられている(図3(b)参照)。このため、前方側視において吹出口2の中央から離れた位置に形成される通風口3から後方側へ空気を出力することができる。よって、小型の通風口3であっても、付属部品Dの有無や空気の出力状況に応じて、通風口3から出力される空気の量や、空気の進行方向を変化させ易くすることができる。従って、見栄えの良い外観のヘアドライヤー1を設計し易く且つ、毛髪や頭部に向けて出力される空気の量も過不足のない好適な量に設定し易くすることができる。
【0052】
次に、図7及び図8を参照して、ディフューザーDFを取り付けたヘアドライヤー1について説明する。図7は、ディフューザーDFを示した図であり、図7(a)は、ディフューザーDFの斜視図、図7(b)は、ヘアドライヤー1の前側にディフューザーDFが取り付けられた使用状態である。また、図8(a)は、ディフューザーDFの背面図、図8(b)は図8(a)のSF―SF線における部分断面図、図8(c)は、ヘアドライヤー1とディフューザーDFの嵌合部分を示す説明図である。なお、図8(b)及び図8
c)には、ディフューザーDFの取付部分に関連するヘアドライヤー1の形状を二点鎖線で示している。
【0053】
ディフューザーDFは、ヘアドライヤー1の吹出口2から空気が出力される前側部分において、吹出口2とは異なる広さ範囲に空気を出力することを可能とする付属部品である。ディフューザーDFは、図7(a)に示すように、空気を出力する多数の孔が設けられた出力面部31及び突起部32と、後方側に環状に突出する差込部33とを備えている。
【0054】
差込部33は、ヘアドライヤー1の外周縁部11(図1参照)より一回り小さく形成され、図8(b)に示すように、外側部分が外周縁部11の内側に嵌まる大きさに形成される。差込部33の内面の大きさは、図8(c)に示すように、内周側壁部16の外側に嵌まる大きさに形成される。ヘアドライヤー1の吹出口2から出力される空気は、差込部33を通じてディフューザーDFの前側へと進行し、出力面部31及び突起部32の孔からヘアドライヤー1の前方側へ出力される。
【0055】
差込部33における水平方向に沿った両側部分には、図8(b)及び図8(c)に示すように、筒状の空間内に向けて突出し、前後方向に連続する内側突起部34が設けられている。内側突起部34は、図8(c)に示すように、内周側壁部16の外面に向かって、水平方向の上下両側の4箇所から突出する。この内側突起部34は、ヘアドライヤー1とディフューザーDFとの位置決めと、抜け止めとを可能とし、また、内側突起部34と差込部33との間に一定以上の隙間が確保され易く構成される。これにより、外周側隙間部17の後側に位置する内部通路13を経由して通風口3へ連続する経路を確保することができる。よって、ディフューザーDFが取り付けられた状況でも、通風口3からの空気の出力の変化を利用してディフューザーDFから安全に空気を出力することができる。
【0056】
ここで、内側突起部34として、図8(c)に示すように、第1の内側突起部34aと、第2の内側突起部34bとが設けられている。前方側から見た断面視において、第1の内側突起部34aに対して通風口3が位置する下方側に、第2の内側突起部34bが位置している。また、前方側から見た断面視において、第1の内側突起部34aと、第2の内側突起部34bとの間部分における吹出口2の中央側に、溝部19が位置するように構成されている。これにより、内側突起部34により形成される隙間から通風口3へ連続する通路に対して、溝部19を経由する空気も通過し易くすることができ、溝部19と通風口3とを利用して吹出口2の前側の状況変化に応じて空気の出力を変化させる機能を確実に奏させることができる。
【0057】
また、差込部33の内周側には、図8(b)において太い実線で囲った範囲(第1の内側突起部34aと第2の内側突起部34bとの間部分)において、他の部分と比べて、薄い厚さ設定とされた薄肉部35が設けられている。薄肉部35は、他の部分より略0.5mm薄い厚さ設定とされ、第1の内側突起部34aと第2の内側突起部34bとの間において通風口3へ連続する空間を拡大している。これによっても、通風口3に通じる通路を形成し易くして通風口3の効果を奏させ易いヘアドライヤー1とすることができる。
【0058】
なお、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されず、上記した各効果と同様の効果を奏する別の実施の形態に変更できることは勿論である。
【0059】
上記実施形態においては、通風口3は、前方側視において、吹出口2の内側に視認可能となる位置に設置する場合について例示したが、これに限らず、通風口3が、前方側視において、吹出口2の内側には視認不能となるように構成してもよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、吹出口2の外周縁部11は、第1の仮想平面P1と第
2の仮想平面P2とに沿った部分を有する形状とする場合について例示したが、上記した形状に限らず、単一の平面に沿った部分を有する形状としてもよいし、曲面に沿った部分により構成される形状としてもよく、又は、3以上の平面に沿った部分を含む形状とするなど、他の形状としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のヘアドライヤーは、人間の髪を乾燥させたり、髪型を整える際に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 :ヘアドライヤー
2 :吹出口
3 :通風口
4 :本体部
5 :ハンドル部
8 :送風装置
9 :出力口
11 :外周縁部
11a :両端側縁部
11b :上側縁部
11c :下側縁部
13 :内部通路
14 :出力通路
16 :内周側壁部
17 :外周側隙間部
19,19a,19b,19c :溝部
33 :差込部
34 :内側突起部
34a :第1の内側突起部
34b :第2の内側突起部
D :付属部品
DF :ディフューザー(付属部品)
P1 :第1の仮想平面
P2 :第2の仮想平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1に記載のヘアドライヤーは、空気が出力される吹出口を有する本体部と、該本体部に下方に突出するハンドル部とを備え、前記本体部に対しては、前記吹出口から空気が出力される前側部分に、前記吹出口とは異なる広さ範囲に空気を出力することを可能とする付属部品を着脱可能に構成されたヘアドライヤーであって、
前記本体部には、前記吹出口の外周部分を構成する外周縁部が設けられ、前方側視において、該外周縁部の内側であって前記所定の方向に沿った両端部分に前記通風口が視認可能に設置され、
前記外周縁部は、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分を構成する両端側縁部と、該両端側縁部よりも前記吹出口の上側の部分を構成し、前方斜め上方側を向く第1の仮想平面に沿った形状の上側縁部と、前記両端側縁部よりも前記吹出口の下側の部分を構成し、前方斜め下方側を向く第2の仮想平面に沿った形状の下側縁部とを有し、
前記通風口は、前記両端側縁部の後方側に相当する高さ位置に設けられ、
前記吹出口は、前記本体部に対して前記ハンドル部が設けられる方向側を下方側とした前方側視において上下方向側に交差する所定の方向側を長手方向とする形状とされ、
前記本体部には、前記吹出口の前側に障害物が接触するか近接することで前記吹出口からの空気の出力が困難となった出力困難状態において、当該出力困難状態となる前と比較して、空気が通過する量を変化させるか、進行方向を異ならせて空気の通過を可能とする通風口が、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして、設けられ、
更に、吹出口の前側に障害物が接触しても、吹出口の上方側か下方側のいずれかに前後方向の隙間を形成し易くすることができるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項2に記載のヘアドライヤーは、請求項に記載のヘアドライヤーであって、前記本体部の内部に設けられて前記吹出口から空気を出力するための送風装置を備え、前記外周縁部の内側には、前方側視において、前記外周縁部の内側における全周にわたって形成される外周側隙間部が設けられ、前記外周縁部に対して前記外周側隙間部を隔てた内側に、前記送風装置から空気が出力される出力通路の出口部分を形成する内周側壁部が設けられ、前記通風口は、前記外周側隙間部の後方側に連続する位置に設けられることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項に記載のヘアドライヤーは、請求項に記載のヘアドライヤーであって、前記内周側壁部には、前方側視において、前記所定の方向側の両端側から中央側に向けて正面側からみて前記吹出口の中央側に凹んだ溝部が設けられ、当該溝部は、後方側に向けて次第に凹みが浅くなって前記溝部が形成されなくなる位置まで連続する形状とされ、前記本体部には、前記溝部が形成されなくなった位置と略同一か、当該位置よりも後側に、前記通風口に通じる内部通路の前端部分が位置するように構成されていることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項に記載のヘアドライヤーは、請求項に記載のヘアドライヤーであって、前記付属部品は、前記外周縁部より一回り小さく形成されて前記外周側隙間部に差し込み可能な差込部と、該差込部における前記所定の方向に沿った両側の内周部分に設けられて前記内周側壁部の外面側に突出し、前後方向に連続する内側突起部とを有し、前記内側突起部として、第1の内側突起部と、前方側から見た所定の断面視において前記第1の内側突起部に対して前記通風口の少なくとも一部が位置する一方側に設置される第2の内側突起部とが設けられ、前記所定の断面視において、前記第1の内側突起部と前記第2の内側突起部との間部分における前記吹出口の中央側に、前記溝部が設けられることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が出力される吹出口を有する本体部と、該本体部に下方に突出するハンドル部とを備え、前記本体部に対しては、前記吹出口から空気が出力される前側部分に、前記吹出口とは異なる広さ範囲に空気を出力することを可能とする付属部品を着脱可能に構成されたヘアドライヤーであって、
前記本体部には、前記吹出口の外周部分を構成する外周縁部が設けられ、前方側視において、該外周縁部の内側であって前記所定の方向に沿った両端部分に前記通風口が視認可能に設置され、
前記外周縁部は、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分を構成する両端側縁部と、該両端側縁部よりも前記吹出口の上側の部分を構成し、前方斜め上方側を向く第1の仮想平面に沿った形状の上側縁部と、前記両端側縁部よりも前記吹出口の下側の部分を構成し、前方斜め下方側を向く第2の仮想平面に沿った形状の下側縁部とを有し、
前記通風口は、前記両端側縁部の後方側に相当する高さ位置に設けられ、
前記吹出口は、前記本体部に対して前記ハンドル部が設けられる方向側を下方側とした前方側視において上下方向側に交差する所定の方向側を長手方向とする形状とされ、
前記本体部には、前記吹出口の前側に障害物が接触するか近接することで前記吹出口からの空気の出力が困難となった出力困難状態において、当該出力困難状態となる前と比較して、空気が通過する量を変化させるか、進行方向を異ならせて空気の通過を可能とする通風口が、前記吹出口における前記所定の方向側の両端部分に対して後方側に位置するようにして、設けられ、
更に、吹出口の前側に障害物が接触しても、吹出口の上方側か下方側のいずれかに前後方向の隙間を形成し易くすることができるように構成されていることを特徴とするヘアドライヤー。
【請求項2】
前記本体部の内部に設けられて前記吹出口から空気を出力するための送風装置を備え、
前記外周縁部の内側には、前方側視において、前記外周縁部の内側における全周にわたって形成される外周側隙間部が設けられ、前記外周縁部に対して前記外周側隙間部を隔てた内側に、前記送風装置から空気が出力される出力通路の出口部分を形成する内周側壁部が設けられ、
前記通風口は、前記外周側隙間部の後方側に連続する位置に設けられることを特徴とする請求項に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記内周側壁部には、前方側視において、前記所定の方向側の両端側から中央側に向けて正面側からみて前記吹出口の中央側に凹んだ溝部が設けられ、
当該溝部は、後方側に向けて次第に凹みが浅くなって前記溝部が形成されなくなる位置まで連続する形状とされ、
前記本体部は、前記溝部が形成されなくなった位置と略同一か、当該位置よりも後側に、前記通風口に通じる内部通路の前端部分が位置するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のヘアドライヤー。
【請求項4】
前記付属部品は、前記外周縁部より一回り小さく形成されて前記外周側隙間部に差し込み可能な差込部と、
該差込部における前記所定の方向に沿った両側の内周部分に設けられて前記内周側壁部の外面側に突出し、前後方向に連続する内側突起部とを有し、
前記内側突起部として、第1の内側突起部と、前方側から見た所定の断面視において前記第1の内側突起部に対して前記通風口の少なくとも一部が位置する一方側に設置される第2の内側突起部とが設けられ、
前記所定の断面視において、前記第1の内側突起部と前記第2の内側突起部との間部分における前記吹出口の中央側に、前記溝部が設けられることを特徴とする請求項に記載のヘアドライヤー。