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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047923
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】舞台用安全支援システム
(51)【国際特許分類】
   A63J 5/12 20060101AFI20240401BHJP
   A63J 1/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A63J5/12
A63J1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153699
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】太田 慎二
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳宜
(57)【要約】
【課題】迫の上昇時及び下降時における挟み込みを抑制できる舞台用安全支援システムを提供する。
【解決手段】舞台床に設けられた開口部に配置される迫と、前記舞台床の下方の床下空間である奈落に設置され、前記迫を昇降させる昇降機構と、を有する舞台機構が設けられた舞台に用いられる舞台用安全支援システムであって、前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサ部と、前記センサ部の検出結果に応じた検出情報を出力する制御部と、を備えた舞台用安全支援システムが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舞台床に設けられた開口部に配置される迫と、前記舞台床の下方の床下空間である奈落に設置され、前記迫を昇降させる昇降機構と、を有する舞台機構が設けられた舞台に用いられる舞台用安全支援システムであって、
前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサ部と、
前記センサ部の検出結果に応じた検出情報を出力する制御部と、
を備えた舞台用安全支援システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出情報を前記昇降機構に出力することにより、前記迫に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、前記昇降機構に前記迫の昇降を停止させる請求項1記載の舞台用安全支援システム。
【請求項3】
警報の発報を行うための警報部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出情報を前記警報部に出力することにより、前記迫に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、前記警報部に警報の発報を行わせる請求項1記載の舞台用安全支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、表示装置と通信可能に構成され、前記検出情報を前記表示装置に出力することにより、前記センサ部の検出結果に応じた表示を前記表示装置に表示可能とする請求項1記載の舞台用安全支援システム。
【請求項5】
前記センサ部は、
前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う第1センサと、
前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う第2センサと、
を有し、
前記第1センサは、前記舞台床の裏面に設けられ、
前記第2センサは、前記迫の裏面に設けられる請求項1記載の舞台用安全支援システム。
【請求項6】
前記センサ部は、前記舞台床の裏面に設けられ、前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサを有する請求項1記載の舞台用安全支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、舞台用安全支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
劇場などの舞台において、舞台床に設けられた開口部に配置される迫と、迫を昇降させる昇降機構と、を備えた舞台機構を設けることが行われている。昇降機構は、舞台床の下方の奈落と呼ばれる床下空間に設置される。昇降機構は、開口部を塞いで舞台床の一部となる位置と、舞台床よりも下方に下降した位置と、の間で迫を昇降させる。これにより、舞台床と奈落との間で、人や大道具(美術セット)などを昇降させることができる。
【0003】
こうした舞台機構において、迫の上昇時に、迫に乗せた人や大道具が、舞台床と迫との間に挟まれてしまう可能性がある。また、迫の下降時に、迫の下方にいた人や大道具が、迫と奈落の床面との間に挟まれてしまう可能性がある。
【0004】
このため、上記のような舞台機構を備えた舞台においては、迫の上昇時及び下降時における挟み込みを抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4-72158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、迫の上昇時及び下降時における挟み込みを抑制できる舞台用安全支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、舞台床に設けられた開口部に配置される迫と、前記舞台床の下方の床下空間である奈落に設置され、前記迫を昇降させる昇降機構と、を有する舞台機構が設けられた舞台に用いられる舞台用安全支援システムであって、前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサ部と、前記センサ部の検出結果に応じた検出情報を出力する制御部と、を備えた舞台用安全支援システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
迫の上昇時及び下降時における挟み込みを抑制できる舞台用安全支援システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る舞台用安全支援システムを模式的に表す説明図である。
図2】実施形態に係る舞台用安全支援システムを模式的に表すブロック図である。
図3】実施形態に係る舞台用安全支援システムの一部を模式的に表す説明図である。
図4】実施形態に係る舞台用安全支援システムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図5】実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図6】実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図7】実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る舞台用安全支援システムを模式的に表す説明図である。
図2は、実施形態に係る舞台用安全支援システムを模式的に表すブロック図である。
図1及び図2に表したように、舞台用安全支援システム10は、センサ部12と、制御部14と、を備える。
【0012】
舞台用安全支援システム10は、舞台機構2が設けられた舞台に用いられる。舞台機構2は、舞台床3に設けられた開口部3aに配置される迫4と、舞台床3の下方の床下空間である奈落5に設置され、迫4を昇降させる昇降機構6と、を有する。
【0013】
昇降機構6は、開口部3aを塞いで舞台床3の一部となる位置と、舞台床3よりも下方に下降した位置(奈落5内に移動した位置)と、の間で迫4を昇降させる。舞台機構2は、舞台床3と奈落5との間で、演者などの人や大道具などを昇降させる。
【0014】
昇降機構6は、例えば、迫4の昇降を行う昇降装置6aと、オペレータからの操作指示の入力を受け付けるための操作盤6bと、を有する。操作盤6bは、入力された操作指示に応じた操作信号を昇降装置6aに入力する。昇降装置6aは、操作盤6bから入力された操作信号に応じて迫4を昇降させる。より具体的には、昇降装置6aは、操作盤6bからの上昇を指示する操作信号の入力に応じて迫4を上昇させ、操作盤6bからの下降を指示する操作信号の入力に応じて迫4を下降させる。
【0015】
センサ部12は、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う。センサ部12は、例えば、第1センサ21と、第2センサ22と、を有する。
【0016】
第1センサ21は、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサである。例えば、迫4の上昇時に、迫4に乗った人の手や大道具などが迫4からはみ出していると、迫4と舞台床3(開口部3aの縁の部分)との間に挟み込まれてしまう可能性がある。第1センサ21は、こうした迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある人体や大道具などの物体の検出を行う。
【0017】
センサ部12は、例えば、2つの第1センサ21を有する。2つの第1センサ21は、例えば、舞台床3の裏面3bに設けられる。舞台床3の裏面3bは、換言すれば、舞台床3の奈落5側を向く面である。
【0018】
第2センサ22は、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサである。例えば、迫4の下降時に、迫4の下方にいる人や大道具などが、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれてしまう可能性がある。第2センサ22は、こうした迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある人体や大道具などの物体の検出を行う。
【0019】
センサ部12は、例えば、2つの第2センサ22を有する。2つの第2センサ22は、例えば、迫4の裏面4aに設けられる。迫4の裏面4aは、換言すれば、迫4の奈落5の床面5aと向き合う面である。
【0020】
第1センサ21及び第2センサ22は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)等の、レーザ、近赤外光、可視光、紫外線、等の光を測定対象物に照射し、その測定対象物からの反射光を光センサで捕らえ、反射時間から距離を測定するリモートセンシング装置である。第1センサ21及び第2センサ22は、測定対象物上の一点までの距離測定を行うものではなく、回転ミラーにより、或いは格子を通して、面状の距離測定を行うことができる。
【0021】
このように、第1センサ21及び第2センサ22は、3次元空間上での位置関係(距離)を測定することにより、迫4の上昇時及び下降時に、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う。
【0022】
第1センサ21は、例えば、舞台床3の裏面3bに設けられ、舞台床3の開口部3aの縁部に向けて斜め上方に光を照射する。これにより、第1センサ21は、迫4の上昇時に、舞台床3の開口部3aの縁部と、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、のそれぞれの位置関係を検出することができる。第1センサ21は、例えば、舞台床3の開口部3aの縁部と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、の間の距離、及び、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、の間の距離を検出することができる。第1センサ21は、例えば、一定未満(迫4の辺を監視するに足りる上下方向の画角に迫4が入ってくるまで)の上昇状態にある迫4の監視は行わず、迫4の高さが一定以上となった際に、迫4の上昇中に舞台床3と迫4との間に人や大道具などが挟まることを監視する。
【0023】
第2センサ22は、例えば、迫4の裏面4aに設けられ、奈落5の床面5aに向けて下方に光を照射する。これにより、第2センサ22は、迫4の下降時に、奈落5の床面5aと、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、のそれぞれの位置関係を検出することができる。第2センサ22は、例えば、迫4と、奈落5の床面5aと、の間の距離、及び、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、の間の距離を検出することができる。
【0024】
なお、第1センサ21及び第2センサ22は、上記に限ることなく、例えば、超音波やマイクロ波などを用いて3次元空間上での位置関係を測定することにより、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサなどでもよい。
【0025】
また、第1センサ21及び第2センサ22は、例えば、迫4に挟み込まれる可能性のある物体を画像処理によって検出するためのカメラなどでもよい。第1センサ21及び第2センサ22は、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出を適切に行うことが可能な任意のセンサでよい。
【0026】
但し、第1センサ21及び第2センサ22は、光、超音波、あるいは電磁波などによって、3次元空間上での位置関係を測定することにより、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサを用いることが好ましい。このように、迫4と物体との位置関係(迫4と物体との間の距離)を測定する構成では、例えば、画像処理によって検出を行う構成と比べて、迫4に挟み込まれる可能性のある物体をより適切に検出することができる。例えば、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出に必要な演算負荷を軽減させることができる。
【0027】
例えば、画像処理によって検出を行う構成では、奈落5の床面5aに衣装などが落ちている場合に、人と誤認してしまう可能性がある。これに対し、迫4と物体との位置関係を測定する構成では、迫4と物体との間の距離を直接的に測定することにより、こうした誤認を抑制し、より精度の高い検出を、より小さな演算負荷で行うことができる。例えば、センサ部12や制御部14の構成を簡素にし、舞台用安全支援システム10の製造コストの抑制を図ることもできる。
【0028】
制御部14は、センサ部12の検出結果に応じた検出情報の出力を行う。制御部14は、例えば、第1演算装置31と、第2演算装置32と、中央演算装置34と、を有する。第1演算装置31は、第1センサ21の検出結果に応じた検出情報の出力を行う。第2演算装置32は、第2センサ22の検出結果に応じた検出情報の出力を行う。第1演算装置31及び第2演算装置32は、例えば、検出情報を昇降機構6及び中央演算装置34に出力する。中央演算装置34は、例えば、第1演算装置31から出力された検出情報、及び第2演算装置32から出力された検出情報を集約し、1つの検出情報として出力する。
【0029】
なお、制御部14の構成は、上記に限定されるものではない。制御部14は、例えば、第1センサ21の検出結果に応じた検出情報の出力、及び第2センサ22の検出結果に応じた検出情報の出力を1つの演算装置で行う構成などでもよい。制御部14の構成は、センサ部12の検出結果に応じた検出情報の出力を行うことが可能な任意の構成でよい。
【0030】
第1演算装置31は、例えば、第1センサ21の検出結果を基に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体があるか否かを判断し、物体があると判断した場合に、挟み込まれる可能性のある物体が存在することを表す第1危険情報を含む検出情報を出力する。第1演算装置31は、例えば、2つの第1センサ21の検出結果を基に、2つの第1センサ21のいずれか一方において物体があると判断した場合に、第1危険情報を含む検出情報を出力する。
【0031】
例えば、第1センサ21が、3次元空間上での位置関係を測定するセンサである場合には、第1演算装置31は、物体が迫4に挟み込まれるまでの距離の情報や、物体が迫4に挟み込まれるまでの時間の情報などを、第1危険情報に含めてもよい。換言すれば、第1演算装置31は、物体が迫4に挟み込まれる危険度を表す情報を第1危険情報に含めてもよい。これにより、昇降機構6などの検出情報の出力先の機器において、危険度に応じた動作を行わせることが可能となる。
【0032】
物体が迫4に挟み込まれるまでの時間の情報は、例えば、物体が迫4に挟み込まれるまでの距離の変化に基づいて演算で求めることができる。物体が迫4に挟み込まれるまでの時間の情報は、例えば、迫4の位置及び迫4の移動速度の情報を昇降機構6から取得し、これらの情報に基づいて演算で求めてもよい。
【0033】
第2演算装置32は、第1演算装置31と同様に、例えば、第2センサ22の検出結果を基に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体があるか否かを判断し、物体があると判断した場合に、挟み込まれる可能性のある物体が存在することを表す第2危険情報を含む検出情報を出力する。第2演算装置32は、例えば、2つの第2センサ22の検出結果を基に、2つの第2センサ22のいずれか一方において物体があると判断した場合に、第2危険情報を含む検出情報を出力する。
【0034】
第2演算装置32は、第1演算装置31と同様に、物体が迫4に挟み込まれるまでの距離の情報や、物体が迫4に挟み込まれるまでの時間の情報などを、第2危険情報に含めてもよい。換言すれば、第2演算装置32は、物体が迫4に挟み込まれる危険度を表す情報を第2危険情報に含めてもよい。
【0035】
中央演算装置34は、例えば、第1演算装置31の検出情報及び第2演算装置32の検出情報を基に、第1危険情報及び第2危険情報を含む検出情報を生成し、生成した検出情報を出力する。
【0036】
なお、第1演算装置31及び第2演算装置32は、必ずしも挟み込まれる可能性のある物体があるか否かの判断を行わなくてもよい。挟み込まれる可能性のある物体があるか否かの判断は、例えば、昇降機構6などの検出情報の出力先の機器で行ってもよい。制御部14から出力する検出情報は、例えば、第1センサ21及び第2センサ22で行われた面状の距離測定の検出結果を表す複数点の距離情報などでもよい。制御部14から出力する検出情報は、昇降機構6などの出力先の機器において、挟み込まれる可能性のある物体があるか否かを適切に認識することが可能な任意の信号でよい。
【0037】
制御部14は、検出情報を昇降機構6に出力する。制御部14は、例えば、第1演算装置31及び第2演算装置32のそれぞれの検出情報を昇降機構6に出力する。第1演算装置31及び第2演算装置32は、例えば、操作盤6bに検出情報を出力する。
【0038】
操作盤6bは、例えば、迫4の上昇時に、第1演算装置31から第1危険情報を含む検出情報が入力された際に、上昇の停止を指示する操作信号を昇降装置6aに入力することにより、迫4の上昇を停止させる。そして、操作盤6bは、例えば、迫4の下降時に、第2演算装置32から第2危険情報を含む検出情報が入力された際に、下降の停止を指示する操作信号を昇降装置6aに入力することにより、迫4の下降を停止させる。
【0039】
このように、制御部14は、検出情報を昇降機構6に出力することにより、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、昇降機構6に迫4の昇降を停止させる。これにより、迫4の上昇時及び下降時に、人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することができる。
【0040】
なお、上記ように、操作盤6bは、入力された検出情報を基に、挟み込まれる可能性のある物体があるか否かを判断し、判断結果に基づいて迫4の昇降を停止させてもよい。また、迫4の昇降を停止させる場合には、操作盤6bに限ることなく、昇降装置6aに直接的に検出情報を入力することにより、迫4の昇降を停止させてもよい。この例では、第1演算装置31及び第2演算装置32の検出情報を昇降機構6に入力している。これに限ることなく、中央演算装置34の検出情報を昇降機構6に入力してもよい。
【0041】
図2に表したように、舞台用安全支援システム10は、警報の発報を行うための警報部16をさらに備える。制御部14は、検出情報を警報部16に出力することにより、迫4に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、警報部16に警報の発報を行わせる。
【0042】
舞台用安全支援システム10は、例えば、2つの警報部16を備える。2つの警報部16の一方は、第1演算装置31に設けられる。2つの警報部16の他方は、第2演算装置32に設けられる。制御部14は、第1演算装置31の検出情報を一方の警報部16に出力し、第2演算装置32の検出情報を他方の警報部16に出力する。
【0043】
第1演算装置31及び一方の警報部16は、例えば、第1センサ21と同様に、舞台床3の裏面3bに設けられる。一方の警報部16は、第1演算装置31から第1危険情報を含む検出情報が入力された際に、警報の発報を行う。これにより、例えば、迫4の上昇時に、迫4に乗った人に対し、迫4に挟み込まれる可能性があることを報知し、人や大道具などの迫4からはみ出た部分を引くように促すことができる。あるいは、操作盤6bのオペレータに対し、迫4の上昇の停止を促すことができる。従って、迫4の上昇時に、迫4に乗った人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することができる。
【0044】
第2演算装置32及び他方の警報部16は、例えば、第2センサ22と同様に、迫4の裏面4aに設けられる。他方の警報部16は、第2演算装置32から第2危険情報を含む検出情報が入力された際に、警報の発報を行う。これにより、例えば、迫4の下降時に、迫4の下方にいる人などに対し、迫4に挟み込まれる可能性があることを報知し、迫4の下方にいる人及び大道具などを迫4の下方から退避させるように促すことができる。あるいは、操作盤6bのオペレータに対し、迫4の下降の停止を促すことができる。従って、迫4の下降時に、迫4の下方にいる人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することができる。
【0045】
警報部16には、例えば、音声によって警報を行うスピーカや、光によって警報を行うランプなどが用いられる。但し、警報部16は、これらに限ることなく、迫4に挟み込まれる可能性があることを迫4の周囲の人などに対して適切に報知することが可能な任意の部材でよい。
【0046】
また、例えば、第1危険情報及び第2危険情報が、危険度を表す情報を含む場合には、警報部16は、危険度を表す情報に応じて警報の態様を変化させてもよい。警報部16は、例えば、危険度を表す情報の危険度が高くなるに従って、警報の度合いを強くする。例えば、人や大道具などの物体と迫4との距離が近付くに従って、警報の音を大きくしたり、警報の光の強さ(明るさ)を強くしたりする。あるいは、人や大道具などの物体が迫4に挟み込まれるまでの時間が短くになるに従って、警報の音を大きくしたり、警報の光の強さを強くしたりする。これにより、物体が迫4に挟み込まれる危険度に応じた、より適切な警報の発報を行うことができる。
【0047】
なお、警報部16を設ける位置は、第1演算装置31及び第2演算装置32に限定されるものではない。警報部16は、例えば、第1演算装置31及び第2演算装置32とは別に、舞台床3の裏面3bや迫4の裏面4aなどに設けてもよい。
【0048】
例えば、警報部16を昇降機構6の操作盤6bに設け、操作盤6bを操作するオペレータに対して、警報を発報してもよい。この場合には、例えば、迫4の昇降の停止をオペレータに対して促し、人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することができる。例えば、第1危険情報及び第2危険情報が、危険度を表す情報を含む場合には、操作盤6bは、危険度が低い時には警報部16による警報を行い、危険度が高くなった時に迫4の昇降を停止させてもよい。
【0049】
警報部16を設ける位置は、上記に限ることなく、警報の発報によって人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することが可能な任意の位置でよい。
【0050】
制御部14は、表示装置40と通信可能に構成されている。制御部14は、検出情報を表示装置40に出力する。制御部14は、例えば、中央演算装置34の検出情報を表示装置40に出力する。
【0051】
表示装置40は、入力された検出情報を基に、センサ部12の検出結果に応じた表示を行う。表示装置40は、例えば、センサ部12が迫4に挟み込まれる可能性のある物体を検出していない場合には、安全であることを表示し、センサ部12が迫4に挟み込まれる可能性のある物体を検出した場合には、危険であることを表示する。例えば、検出情報が、危険度を表す情報を含む場合には、表示装置40は、危険度の表示を行う。
【0052】
表示装置40は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末、あるいはAR(Augmented Reality)グラスなどのウェアラブル端末である。表示装置40は、例えば、操作盤6bのオペレータ、あるいは迫4に乗った人などが所持する端末である。
【0053】
このように、制御部14は、検出情報を表示装置40に出力することにより、センサ部12の検出結果に応じた表示を表示装置40に表示可能とする。これにより、例えば、表示装置40の所持者にセンサ部12の検出結果を報知することができる。例えば、操作盤6bのオペレータにセンサ部12の検出結果を報知し、センサ部12が迫4に挟み込まれる可能性のある物体を検出した場合に、迫4の昇降の停止を促すことができる。あるいは、迫4に乗った人にセンサ部12の検出結果を報知し、センサ部12が迫4に挟み込まれる可能性のある物体を検出した場合に、迫4の挟み込みに対する回避行動を促すことができる。
【0054】
但し、表示装置40は、上記に限ることなく、センサ部12の検出結果に応じた表示を行うことが可能な任意の装置でよい。表示装置40は、必ずしも携帯型の端末でなくてもよい。表示装置40は、例えば、操作盤6bに設けられたディスプレイなどでもよい。
【0055】
制御部14と表示装置40との間の通信は、例えば、無線通信である。但し、制御部14と表示装置40との間の通信は、有線通信などでもよい。制御部14と表示装置40との間の通信は、表示装置40の構成に応じた任意の通信でよい。制御部14は、例えば、複数の表示装置40に検出情報を出力してもよい。複数の表示装置40は、例えば、スマートフォンとARグラスなど、異なる種類の表示装置でもよい。
【0056】
図3は、実施形態に係る舞台用安全支援システムの一部を模式的に表す説明図である。
図3は、舞台床3を上方から見た状態を模式的に表している。図3に表したように、舞台床3の開口部3a、及び迫4を上方から見た形状は、例えば、矩形状である。この場合、2つの第1センサ21のうちの一方の第1センサ21は、開口部3aの1つの角部付近に配置され、2つの第1センサ21のうちの他方の第1センサ21は、一方の第1センサ21と対角側の開口部3aの別の角部付近に配置される。換言すれば、2つの第1センサ21は、矩形状の開口部3aの対角線上に配置される。これにより、第1センサ21の死角を減らし、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出をより適切に行うことができる。
【0057】
また、2つの第2センサ22は、昇降装置6aを挟むように配置される。これにより、昇降装置6aによる第2センサ22の死角を減らし、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出をより適切に行うことができる。
【0058】
図4は、実施形態に係る舞台用安全支援システムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図4に表したように、昇降機構6が迫4の昇降を開始(図4のステップS301)すると、第1演算装置31が、第1センサ21にセンシングを要求するとともに、第2演算装置32が、第2センサ22にセンシングを要求する(図4のステップS101)。
【0059】
なお、迫4の上昇時には、少なくとも第1演算装置31が、第1センサ21にセンシングを要求すればよく、第2演算装置32は、必ずしも第2センサ22にセンシングを要求しなくてもよい。同様に、迫4の下降時には、少なくとも第2演算装置32が、第2センサ22にセンシングを要求すればよく、第1演算装置31は、必ずしも第1センサ21にセンシングを要求しなくてもよい。また、第2センサ22のセンシングのタイミングは、必ずしも第1センサ21のセンシングのタイミングと同時でなくてもよい。
【0060】
第1センサ21は、第1演算装置31からの要求に応じて、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行い、検出結果を第1演算装置31に出力する。同様に、第2センサ22は、第2演算装置32からの要求に応じて、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行い、検出結果を第2演算装置32に出力する(図4のステップS201)。
【0061】
第1演算装置31は、第1センサ21の検出結果を基に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体が検出されたか否かを判断する。第2演算装置32は、第2センサ22の検出結果を基に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体が検出されたか否かを判断する(図4のステップS102)。
【0062】
第1演算装置31は、物体が検出されていないと判断した場合には、物体が検出されていないことを表す検出情報を中央演算装置34に通知し、ステップS101の処理に戻る。同様に、第2演算装置32は、物体が検出されていないと判断した場合には、物体が検出されていないことを表す検出情報を中央演算装置34に通知し、ステップS101の処理に戻る(図4のステップS103)。
【0063】
第1演算装置31及び第2演算装置32は、例えば、物体が検出されていない場合などには、第1センサ21及び第2センサ22に対して定期的にセンシングの実行を要求する。これにより、物体の検出を適切に行うことができる。
【0064】
中央演算装置34は、第1演算装置31及び第2演算装置32から物体が検出されていないことを表す検出情報の通知を受けると、各検出情報を統合し、第1センサ21及び第2センサ22のそれぞれにおいて物体が検出されていないことを表す検出情報を表示装置40に出力する(図4のステップS401)。
【0065】
表示装置40は、中央演算装置34から検出情報の入力を受けると、第1センサ21及び第2センサ22のそれぞれにおいて物体が検出されていないことを画面などに表示する。これにより、表示装置40の所持者などに対して、物体が検出されていないことを通知することができる。換言すれば、迫4の昇降の際にも人や大道具などが迫4に挟み込まれる可能性がないことを通知することができる。
【0066】
第1演算装置31及び第2演算装置32は、物体が検出されていると判断した場合には、続けて、物体が迫4に挟み込まれる危険度を判断する(図4のステップS104)。
【0067】
第1演算装置31及び第2演算装置32は、危険度が低いと判断した場合には、危険度が低いことを表す検出情報を昇降機構6及び中央演算装置34に通知する(図4のステップS105)。
【0068】
また、第1演算装置31及び第2演算装置32は、危険度が低いと判断した場合には、警報部16に検出情報を出力することにより、警報部16に警報の発報を行わせる(図4のステップS106)。これにより、迫4に乗った人や迫4の下方にいる人などに対し、迫4に挟み込まれる可能性があることを報知し、退避などを促すことができる。あるいは、操作盤6bのオペレータに対し、迫4の昇降の停止を促すことができる。これにより、人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことを抑制することができる。
【0069】
昇降機構6は、第1演算装置31及び第2演算装置32の少なくとも一方から危険度が低いことを表す検出情報の通知を受けると、操作盤6bに警報の発報を行わせる(図4のステップS302)。これにより、例えば、操作盤6bのオペレータに対し、迫4の昇降の停止をより適切に促すことができる。人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことをより適切に抑制することができる。
【0070】
中央演算装置34は、第1演算装置31及び第2演算装置32の少なくとも一方から危険度が低いことを表す検出情報の通知を受けると、危険度が低いことを表す検出情報を表示装置40に出力する(図4のステップS402)。
【0071】
表示装置40は、中央演算装置34から検出情報の入力を受けると、物体が検出されたことを画面などに表示する。これにより、表示装置40の所持者などに対して、迫4に挟み込まれる可能性のある物体が検出されたことを通知することができる。これにより、表示装置40の所持者などに対して、危険情報を提供し、人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことをより適切に抑制することができる。
【0072】
第1演算装置31及び第2演算装置32は、危険度が高いと判断した場合には、危険度が高いことを表す検出情報を昇降機構6及び中央演算装置34に通知する(図4のステップS107)。
【0073】
昇降機構6は、第1演算装置31及び第2演算装置32の少なくとも一方から危険度が高いことを表す検出情報の通知を受けると、迫4の昇降を停止させる(図4のステップS303)。これにより、人や大道具などが迫4に挟み込まれてしまうことをより適切に抑制することができる。
【0074】
中央演算装置34は、第1演算装置31及び第2演算装置32の少なくとも一方から危険度が高いことを表す検出情報の通知を受けると、危険度が高いことを表す検出情報を表示装置40に出力する(図4のステップS403)。
【0075】
表示装置40は、中央演算装置34から検出情報の入力を受けると、例えば、第1センサ21及び第2センサ22のいずれか一方の検出に基づいて迫4の昇降が停止したことを画面などに表示する。これにより、例えば、表示装置40の所持者などに対して、迫4の昇降が停止した理由を通知することができる。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態に係る舞台用安全支援システム10では、制御部14が、センサ部12の検出結果に応じた検出情報を出力する。これにより、出力された検出情報に基づいて、警報の発報や迫4の昇降の停止などを行うことが可能となり、迫4の上昇時及び下降時における人や大道具などの挟み込みを抑制することができる。
【0077】
図5は、実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図5は、図3と同様に、舞台床3を上方から見た状態を模式的に表している。図5に表したように、この例では、センサ部12が、矩形状の開口部3a及び迫4の各辺に対応した4つの第1センサ21を有する。これにより、第1センサ21の死角をより減らし、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出をより適切に行うことができる。
【0078】
このように、第1センサ21の数は、2つに限ることなく、4つでもよい。第1センサ21の数は、死角の発生を抑制し、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を適切に行うことが可能な任意の数でよい。第1センサ21の数は、1つでもよい。
【0079】
同様に、第2センサ22の数は、2つに限定されるものではない。第2センサ22の数は、死角の発生を抑制し、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を適切に行うことが可能な任意の数でよい。第2センサ22の数は、1つでもよい。
【0080】
図6は、実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図6に表したように、舞台用安全支援システム10aでは、第1センサ21が、奈落5の床面5aに設けられている。第1センサ21は、例えば、奈落5の床面5aに設けられ、舞台床3の開口部3aの縁部に向けて上方に光を照射する。これにより、第1センサ21は、迫4の上昇時に、舞台床3の開口部3aの縁部と、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、のそれぞれの位置関係を検出する。
【0081】
また、舞台用安全支援システム10aでは、第2センサ22が、舞台床3の裏面3bに設けられている。第2センサ22は、例えば、舞台床3の裏面3bに設けられ、奈落5の床面5aに向けて下方に光を照射する。これにより、第2センサ22は、迫4の下降時に、迫4の下方にいる人や大道具などの物体の検出を行うとともに、迫4の下降時に、迫4の下方に入り込む人などの検出を行う。
【0082】
このように、第1センサ21は、奈落5の床面5aに設けてもよい。第2センサ22は、舞台床3の裏面3bに設けてもよい。第1センサ21の位置は、上記に限ることなく、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体を適切に検出することができる任意の位置でよい。第2センサ22の位置は、上記に限ることなく、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体を適切に検出することができる任意の位置でよい。
【0083】
但し、第1センサ21を奈落5の床面5aに配置すると、舞台床3の開口部3aの縁部までの距離が長くなり、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出が難しくなってしまう可能性がある。また、第1センサ21を奈落5の床面5aに配置すると、奈落5内を移動する人や奈落5内に置かれた大道具などにより、検出が妨げられてしまう可能性もある。従って、第1センサ21は、図1に表したように、舞台床3の裏面3bに設けることが好適である。
【0084】
また、第2センサ22を舞台床3の裏面3bに配置すると、迫4が下降した際に、迫4によって、迫4の下方の空間が死角になってしまう。従って、第2センサ22は、図1に表したように、迫4の裏面4aに設けることが好適である。
【0085】
センサ部12は、例えば、舞台床3の裏面3bに設けられた第1センサ(図1の第1センサ21)と、迫4の裏面4aに設けられた第2センサ(図1の第2センサ22)と、奈落5の床面5aに設けられた第3センサ(図6の第1センサ21)と、舞台床3の裏面3bに設けられた第4センサ(図6の第2センサ22)と、を有してもよい。これにより、例えば、検出の死角の発生をより抑制し、迫4に挟み込まれる可能性のある物体をより適切に検出することができる。
【0086】
図7は、実施形態に係る舞台用安全支援システムの変形例を模式的に表す説明図である。
図7に表したように、舞台用安全支援システム10bでは、センサ部12が、上記各実施形態の第1センサ21及び第2センサ22に代えて、一種類のセンサ23を有している。
【0087】
センサ23は、舞台床3の裏面3bに設けられ、迫4の上昇時に、迫4と舞台床3との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、迫4の下降時に、迫4と奈落5の床面5aとの間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う。
【0088】
センサ23は、例えば、舞台床3の裏面3bに設けられ、奈落5の床面5aに向けるとともに、迫4の中央側に向けて斜め下方に光を照射する。これにより、センサ23は、迫4の上昇時に、舞台床3の開口部3aの縁部と、迫4と、迫4に挟み込まれる可能性のある物体と、のそれぞれの位置関係を検出するとともに、迫4の下降時に、迫4の下方にいる人や大道具などの物体の検出、及び迫4の下方に入り込む人などの検出を行う。
【0089】
このように、センサ部12は、上昇時用の第1センサ21及び下降時用の第2センサ22の二種類のセンサを用いる構成に限ることなく、一種類のセンサ23で上昇時及び下降時の挟み込みの検出を行う構成としてもよい。
【0090】
また、センサ部12は、例えば、図1などに関して説明した第1センサ21及び第2センサ22を有するとともに、この例で説明したセンサ23を第3センサとしてさらに有してもよい。これにより、例えば、検出の死角の発生をより抑制し、迫4に挟み込まれる可能性のある物体をより適切に検出することができる。
【0091】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
舞台床に設けられた開口部に配置される迫と、前記舞台床の下方の床下空間である奈落に設置され、前記迫を昇降させる昇降機構と、を有する舞台機構が設けられた舞台に用いられる舞台用安全支援システムであって、
前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサ部と、
前記センサ部の検出結果に応じた検出情報を出力する制御部と、
を備えた舞台用安全支援システム。
【0092】
(付記2)
前記制御部は、前記検出情報を前記昇降機構に出力することにより、前記迫に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、前記昇降機構に前記迫の昇降を停止させる付記1記載の舞台用安全支援システム。
【0093】
(付記3)
警報の発報を行うための警報部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出情報を前記警報部に出力することにより、前記迫に挟み込まれる可能性のある物体の検出時に、前記警報部に警報の発報を行わせる付記1又は2に記載の舞台用安全支援システム。
【0094】
(付記4)
前記制御部は、表示装置と通信可能に構成され、前記検出情報を前記表示装置に出力することにより、前記センサ部の検出結果に応じた表示を前記表示装置に表示可能とする付記1~3のいずれか1つに記載の舞台用安全支援システム。
【0095】
(付記5)
前記センサ部は、
前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う第1センサと、
前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行う第2センサと、
を有し、
前記第1センサは、前記舞台床の裏面に設けられ、
前記第2センサは、前記迫の裏面に設けられる付記1~4のいずれか1つに記載の舞台用安全支援システム。
【0096】
(付記6)
前記センサ部は、前記舞台床の裏面に設けられ、前記迫の上昇時に、前記迫と前記舞台床との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うとともに、前記迫の下降時に、前記迫と前記奈落の床面との間に挟み込まれる可能性のある物体の検出を行うセンサを有する付記1~5のいずれか1つに記載の舞台用安全支援システム。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
2…舞台機構、 3…舞台床、 3a…開口部、 3b…裏面、 4…迫、 4a…裏面、 5…奈落、 5a…床面、 6…昇降機構、 6a…昇降装置、 6b…操作盤、 10、10a、10b…舞台用安全支援システム、 12…センサ部、 14…制御部、 16…警報部、 21…第1センサ、 22…第2センサ、 23…センサ、 31…第1演算装置、 32…第2演算装置、 34…中央演算装置、 40…表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7