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特開2024-47925天板付きキャビネット及び該天板付きキャビネットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047925
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】天板付きキャビネット及び該天板付きキャビネットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/08 20060101AFI20240401BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A47B77/08 Z
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153701
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591015511
【氏名又は名称】高千穂交易株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石瀬 優理子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 翔
(72)【発明者】
【氏名】山田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】太田 昌也
(72)【発明者】
【氏名】倪 靖洋
(72)【発明者】
【氏名】鹿谷 誠
(57)【要約】
【課題】部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる天板付きキャビネットを提供する。
【解決手段】キャビネットと、キャビネットの上部に載置される天板と、を備え、キャビネットは、上部から下方に延伸するように設けられ、キャビネットの側面を構成する側部と、接続端子を接続可能な接続部を有する接続本体部、及び、接続本体部を側部に固定するための固定部を備える接続装置と、を備え、側部は、第一方向に延びる第一板部24と、第二方向に延びる第二板部25と、を備え、かつ、第一板部と第二板部は、第二方向において、第一板部と第二板部の間に設置空間Sが形成されるように固定部によって連結され、固定部は、第一板部に固定される第一固定部と、第二板部に固定される第二固定部と、を備え、接続本体部は、第一固定部が第一板部に固定され、第二固定部が第二板部に固定された状態において、設置空間に配置される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットであって、
前記キャビネットは、
前記天板が載置される上部と、
該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側部と、
外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を有する接続本体部、及び、該接続本体部を前記側部に固定するための固定部を備える接続装置と、を備え、
前記側部は、
上下方向に直交する第一方向に延びる第一板部と、
上下方向及び前記第一方向に直交する第二方向に延びる第二板部と、を備え、かつ、
前記第一板部と前記第二板部は、前記第二方向において、前記第一板部と前記第二板部の間に設置空間が形成されるように前記固定部によって連結され、
前記固定部は、
前記第一板部に固定される第一固定部と、
前記第二板部に固定される第二固定部と、を備え、
前記接続本体部は、前記第一固定部が前記第一板部に固定され、前記第二固定部が前記第二板部に固定された状態において、前記設置空間に配置される天板付きキャビネット。
【請求項2】
前記固定部は前記接続本体部と別体として構成され、
前記固定部は、前記接続本体部を固定する本体固定部を備え、
前記本体固定部は、前記第二方向において前記設置空間に亘って延びるとともに、前記第一方向に貫通する装置挿入孔が形成された板状体であり、
前記接続本体部は、一部が前記装置挿入孔に嵌合した状態で前記本体固定部に対して固定される請求項1に記載の天板付きキャビネット。
【請求項3】
前記固定部は、前記第一板部に対して前記第二板部が上下方向に移動可能となる仮固定状態及び前記第一板部に対して前記第二板部が移動不能となる本固定状態のいずれかの状態で前記第一板部及び前記第二板部を連結可能であるよう構成される請求項1又は2に記載の天板付きキャビネット。
【請求項4】
キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットの製造方法であって、
前記キャビネットは、
前記天板が載置される上部と、
該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側部と、
外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を有する接続本体部、及び、該接続本体部と連結される固定部を備える接続装置と、を備え、
前記側部は、
上下方向に直交する第一方向に延びる第一板部と、
上下方向及び前記第一方向と直交する第二方向に延びる第二板部と、を備え、
前記第二方向において前記第一板部と前記第二板部の間に前記接続本体部を設置可能な設置空間を形成するように前記第一板部と前記第二板部とを前記固定部で連結する板部連結工程を含む、天板付きキャビネットの製造方法。
【請求項5】
前記接続本体部と前記固定部は別体として構成され、
前記板部連結工程の後に、前記第一板部と前記第二板部を連結する前記固定部に対して、前記第一方向において前記キャビネットの外方から内方に前記接続本体部を当接して連結する装置連結工程を含む、請求項4に記載の天板付きキャビネットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付きキャビネット及び該天板付きキャビネットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネットを有する装置として、特許文献1に記載のようなキャビネット装置が知られている。キャビネット装置は、天板と、天板の下側に設けられ、物品などが収納される収納部と、を備える。収納部は、右側に配置される第1収納側板部と、左側に配置される第2収納側板部と、第1収納側板部と第2収納側板部との間に架け渡すように設けられている鴨居と、鴨居の下方に配置された複数の引き出しと、を備える。また、鴨居は、前面が閉じた状態の引き出しの前面よりも後方に配置されているとともに、鴨居の前面には、左端部に設けられたコンセント装置と、コンセント装置から鴨居の右端部までに亘って延びる幕板と、が配置されている。さらに、第2収納側板部、鴨居、及びコンセント装置は、収納部の内方に配置された平面視L字型の固定部材及び固定部材に挿通される固定具(ねじ)で固定されている。
【0003】
このような構成によれば、左右方向でコンセント装置を第2収納側板部に寄せた位置に配置することができるので、コンセント装置と他の部材との干渉を少なくすることができるとされている。また、コンセント装置に並んで設けられる幕板が、その前側の露出面が化粧面となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-5869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のようなキャビネット装置では、露出する面を化粧面とするために鴨居の前方に幕板を重ねることで、コンセント装置を設けることによって美観を損ねることを抑制しようとしている。そのため、収納部を構成する部品点数が多くなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる天板付きキャビネット及び該天板付きキャビネットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の天板付きキャビネットは、キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットであって、前記キャビネットは、前記天板が載置される上部と、該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側部と、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を有する接続本体部、及び、該接続本体部を前記側部に固定するための固定部を備える接続装置と、を備え、前記側部は、上下方向に直交する第一方向に延びる第一板部と、上下方向及び前記第一方向に直交する第二方向に延びる第二板部と、を備え、かつ、前記第一板部と前記第二板部は、前記第二方向において、前記第一板部と前記第二板部の間に設置空間が形成されるように前記固定部によって連結され、前記固定部は、前記第一板部に固定される第一固定部と、前記第二板部に固定される第二固定部と、を備え、前記接続本体部は、前記第一固定部が前記第一板部に固定され、前記第二固定部が前記第二板部に固定された状態において、前記設置空間に配置されるように構成されている。
【0008】
かかる構成によれば、固定部は、第一板部と第二板部の間に設置空間が形成されるように第一板部と第二板部を固定するとともに、接続本体部は設置空間に配置されるので、第一板部と第二板部の間に形成される設置空間としての隙間に接続本体部を配置することができる。よって、隙間に接続本体部を配置できるので、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる。
【0009】
また、前記固定部は前記接続本体部と別体として構成され、前記固定部は、前記接続本体部を固定する本体固定部を備え、前記本体固定部は、前記第二方向において前記設置空間に亘って延びるとともに、前記第一方向に貫通する装置挿入孔が形成された板状体であり、前記接続本体部は、一部が前記装置挿入孔に嵌合した状態で前記本体固定部に対して固定されるように構成することもできる。
【0010】
かかる構成によれば、接続本体部は装置挿入孔に対して嵌合した状態で本体固定部に対して固定されるので、接続本体部を本体固定部に対して確実に固定することができる。
【0011】
また、前記固定部は、前記第一板部に対して前記第二板部が上下方向に移動可能となる仮固定状態及び前記第一板部に対して前記第二板部が移動不能となる本固定状態のいずれかの状態で前記第一板部及び前記第二板部を連結可能であるよう構成することもできる。
【0012】
かかる構成によれば、第一板部と第二板部を仮固定状態とした後に、第二板部の第一板部に対する位置を調整してから本固定状態とすることができる。よって、第二板部の第一板部に対する位置調整をしやすい。
【0013】
また、本発明の天板付きキャビネットの製造方法は、キャビネットと、該キャビネットの上に設けられ、水平方向に広がる天板と、を備える天板付きキャビネットの製造方法であって、前記キャビネットは、前記天板が載置される上部と、該上部から下方に延伸するように設けられ、前記キャビネットの側面を構成する側部と、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な接続部を有する接続本体部、及び、該接続本体部と連結される固定部を備える接続装置と、を備え、前記側部は、上下方向に直交する第一方向に延びる第一板部と、上下方向及び前記第一方向と直交する第二方向に延びる第二板部と、を備え、前記第二方向において前記第一板部と前記第二板部の間に前記接続本体部を設置可能な設置空間を形成するように前記第一板部と前記第二板部とを前記固定部で連結する板部連結工程を含む。
【0014】
かかる構成によれば、第一板部と第二板部の間に設置空間が形成されるように第一板部と第二板部を固定するので、第一板部と第二板部の間に形成される隙間に接続本体部を配置することができる。よって、隙間に接続本体部を配置できるので、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる。
【0015】
また、前記接続本体部と前記固定部は別体として構成され、前記板部連結工程の後に、前記第一板部と前記第二板部を連結する前記固定部に対して、前記第一方向において前記キャビネットの外方から内方に前記接続本体部を当接して連結する装置連結工程を含むこともできる。
【0016】
かかる構成によれば、固定部に対して、キャビネットの外方から内方に向かって接続本体部を連結することができるので、キャビネットの内部から行う作業を抑制できる。よって、固定部に接続本体部を連結しやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる天板付きキャビネット及び該天板付きキャビネットの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る天板付きキャビネットを備えるキャビネットユニットの斜視図である。
図2】同キャビネットユニットの前方から見た正面図である。
図3】同天板付きキャビネットの固定部を示す正面図である。
図4】同固定部を示す後方から見た斜視図である。
図5図3に示すV-V断面図である。
図6】同天板付きキャビネットの接続装置を示す正面図である。
図7】同接続装置の化粧枠を示す前方から見た斜視図である。
図8】同化粧枠の後方から見た斜視図である。
図9】同接続装置の接続本体部を示す正面図である。
図10】同接続本体部の平面図である。
図11図9に示すXI-XI断面図である。
図12】板部連結工程の前半段階を示す斜視図である。
図13】板部連結工程の後半段階を示す斜視図である。
図14】装置連結工程を示す図である。
図15】退避状態の接続装置を示す正面図である。
図16】突出状態の接続装置を示す正面図である。
図17図15に示すXVII-XVII断面図である。
図18図15に示すXVIII-XVIII断面図である。
図19図16に示すXIX-XIX断面図である。
図20図16に示すXX-XX断面図である。
図21】本発明の他の実施形態に係る、天板付きキャビネットを備えるキャビネットユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る天板付きキャビネット1を複数備えるキャビネットユニットUについて図1乃至図20を参照して説明する。説明の便宜上、上下、左右、及び前後の方向は、いずれも設置状態における方向を示すものとし、具体的には図1に記載の方向を基準として説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、キャビネットユニットUは、複数の天板付きキャビネット1をひとまとめにしたユニットであり、屋外又は建築物の水回り(例えばキッチン)に配置される。本実施形態のキャビネットユニットUは、建築物の屋内(キッチン)に配置される調理台である。具体的に、キャビネットユニットUは、上面1aに水道設備A1及び該水道設備A1から供給された水を受けるシンクAを備える天板付きキャビネット1としてのシンク部11と、上面1aに加熱調理器Bが設けられる天板付きキャビネット1としての加熱部12と、上面1aが一定の面積を有する略平坦な面である作業面として構成される天板付きキャビネット1としての作業台部13と、を備える。このようなキャビネットユニットUは、シンク部11、加熱部12、及び作業台部13が左右方向に直線状に並んで配置され、全体として略直方体状である。本実施形態のキャビネットユニットUは、1枚の天板3が複数のキャビネット2の上部23に亘って延びるように配置されるように構成されている。以下説明においては、天板付きキャビネット1としてシンク部11を例に説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、天板付きキャビネット1は、箱型のキャビネット2と、キャビネット2の上に設けられる天板3と、を備える。本実施形態の天板付きキャビネット1は、略水平方向に延びる略平坦な面である上面1aと、上面1aに対して略直交する方向に延びる略平坦な面である側面1bと、を備え、全体として直方体状に形成されている。
【0022】
キャビネット2は、上部23に天板3を載置可能な上部23が開口した箱型の部位である。また、キャビネット2は側面1bとして、上下方向に沿って延びる側面視略長方形状の左面及び右面と、上下方向に延び、左面及び右面を連結する正面視略長方形状の前面及び後面と、を備える。以下説明において、キャビネット2の前面は、設備A1を使用する使用者に対して主に対向する面として説明し、本実施形態では、前後方向に離間した2面のうち、水道設備A1から遠い側の面である。本実施形態のキャビネット2の左面、右面、前面、及び後面は、いずれも上下方向に沿って延びる平坦な面である。
【0023】
キャビネット2は、キャビネット2の底面を構成する底部21と、底部21から上方に延び、キャビネット2の側面1bを構成する側部22と、側部22の上方に位置し、天板3が載置される上部23と、を備える。側部22は、複数の板状体を組み合わせて構成されている。側部22を構成する板状体は、板状体の厚み方向に沿って水平方向に延びる上面及び下面と、上下方向に延び、キャビネット2の側面1bとなる外面と、外面と厚み方向で反対側に位置する内面と、を含む板状体である。側部22を構成する板状体の厚み方向に延びる面のうち、上方に位置する面が上部23を構成し、下方に位置する面が底部21を構成する。また、キャビネット2の側面1bは、側部22を構成する板状体の外面によって構成される。また、キャビネット2は、側部22に固定される接続装置4を備える。
【0024】
本実施形態の側部22は、上下方向に直交する第一方向(前後方向)に延びる第一板部24と、上下方向及び第一方向に直交する第二方向(左右方向)に延びる第二板部25と、を備える。第一板部24は、キャビネット2の内面及び外面を構成する面が第一方向(前後方向)に沿って延びるように設けられた板状体であり、第二板部25は、キャビネット2の内面及び外面を構成する面が第二方向(左右方向)に沿って延びるように設けられた板状体である。本実施形態では、第一板部24及び第二板部25がそれぞれ一対設けられ、一対の第一板部24が第二方向(左右方向)に離間して配置され、該一対の第一板部24の間に、一対の第二板部25が第一方向(前後方向)に離間して設けられる。第一板部24は、キャビネット2の左面を構成する板状体である左面部24Lと、キャビネット2の右面を構成する右面部24Rと、を備える。第二板部25は、キャビネット2の前面を構成する板状体である前面部25Fと、キャビネット2の後面を構成する板状体である後面部25Rと、を備える。なお、本実施形態において、キャビネットユニットUの左右方向における両端部を構成する第一板部24(シンク部11における右面部24R)は、2枚の板材を組み合わせて構成された板状体であり、具体的には、キャビネットユニットUの側面となる外面を有する板材(いわゆるサイドパネル)と、キャビネット2の剛性を高めることを目的として、第二方向においてキャビネット2基準の内方に設けられる板材と、を組み合わせて構成されている。
【0025】
さらに、図2に示すように、側部22は、内部に物を収容可能な引き出し部26を備える。引き出し部26は、一対の第一板部24の間に設けられるとともに、前後方向に引き出し可能に構成されている。また、引き出し部26は、第二板部25(前面部25F)の下方に複数配置されている。このような引き出し部26は、引き出し部26の前面を構成する板状体である前板261を備え、前板261は引き出し部26の前後方向での移動に伴って前後に移動するように構成されている。
【0026】
前面部25Fは、左右方向に延び、外面が側面1bのうち前面を構成する帯状の板状体である。また、前面部25Fは、キャビネット2の前面の上端部において左右方向に延びるとともに、前面が化粧面として構成された、いわゆる幕板である。前面部25Fは、天板3に設けられる水道設備A1を使用する使用者に対向する部位である。本実施形態で、前面部25Fは前後方向で移動不能に固定されており、前面部25F及び前板261は、引き出し部26が閉じた状態で前面が略面一となるように配置されている。さらに、前面部25Fは、左右方向長さが一対の第一板部24の左右方向における離間距離よりも短い。よって、前面部25Fが一対の第一板部24の間に配置された状態で、第一板部24と前面部25Fの間に左右方向で空間(設置空間S)が形成される。本実施形態の前面部25Fは、右側端部が右面部24Rに対して左右方向において略隙間なく配置され、左側端部と左面部24Lの間に空間(設置空間S)が形成されるように配置されている。また、本実施形態の前面部25Fは、前後方向において、第一板部24の前側端部が前面部25Fの厚みの範囲内に位置するように配置されており、具体的には、第一板部24の前側端部と前面部25Fの前面が略面一となるように配置されている。
【0027】
図1に示すように、天板3は、平坦な上面1aを有し、左右方向長さ及び前後方向長さが一定の、平面視略長方形状の板状体である。また、天板3には、厚み方向に貫通する孔が複数形成されている。具体的に、天板3は、シンク部11としての天板付きキャビネット1の上面1aを構成するシンク天板部31と、加熱部12としての天板付きキャビネット1の上面1aを構成する加熱天板部32と、作業台部13としての天板付きキャビネット1の上面1aを構成する作業天板部33と、を備える。本実施形態の天板3は、1枚の板状体で構成されており、右端部がシンク天板部31として、左端部が加熱天板部32として、左右方向でシンク天板部31及び加熱天板部32の間が作業天板部33として構成され、シンク天板部31がシンク部11を構成するキャビネット2の上部23に、加熱天板部32が加熱部12を構成するキャビネット2の上部23に、作業天板部33が作業台部13を構成するキャビネット2の上部23に、位置するように配置されている。
【0028】
シンク天板部31は、平坦な上面1aを有し、前後方向及び左右方向の中途部分に、上下方向(厚み方向)で貫通するシンク嵌合孔31aが形成された板状の部位である。本実施形態のシンク天板部31は上面1aの略中央部分にシンク嵌合孔31aが形成された環状の板体である。シンク嵌合孔31aは、シンクAを格納可能な程度に上面1aに対して開口した貫通孔である。このようなシンク天板部31は、シンク嵌合孔31aに格納されたシンクAの水平方向における外周を囲う部位である。また、シンク天板部31の前後方向長さは、シンク部11のキャビネット2の前後方向長さよりも長く、左右方向長さはシンク部11のキャビネット2の左右方向長さと略等しい。
【0029】
加熱天板部32は、平坦な上面1aを有し、前後方向及び左右方向の中途部分に、上下方向(厚み方向)で貫通する調理器嵌合孔32aが形成された板状の部位である。加熱天板部32は、左端部(天板3の延伸方向で加熱天板部32が位置する側の端部)に位置する平坦な板状の左離間部321を備える。調理器嵌合孔32aは、左離間部321よりも右側に形成された、加熱調理器Bを格納可能な程度に上面1aに対して開口した貫通孔である。このような加熱天板部32は、調理器嵌合孔32aに格納された加熱調理器Bの水平方向における外周を囲う部位である。また、加熱天板部32の前後方向長さは、加熱部12のキャビネット2の前後方向長さよりも長く、左右方向長さは加熱部12のキャビネット2の左右方向長さと略等しい。
【0030】
作業天板部33は、平坦な上面1aを有し、シンク天板部31と加熱天板部32を連結する板状の部位である。また、作業天板部33は、前後方向長さが一定の板状体である。作業天板部33は、上面1aで調理に関する作業をしたり、調理のための機器を載置したりできる程度の面積を有する平板体である。また、作業天板部33の前後方向長さは、作業台部13のキャビネット2の前後方向長さよりも長く、左右方向長さは作業台部13のキャビネット2の左右方向長さと略等しい。
【0031】
本実施形態の天板3は、前後方向長さが各キャビネット2の前後方向長さよりも長く、左右方向長さが各キャビネット2の左右方向長さの合計と略等しい、上面1aが水平方向に広がる板体である。このような天板3は、キャビネット2の上部23に設けられた状態で、水平方向において各キャビネット2の側面1bよりも外方に位置する外方端部を有する。本実施形態で天板3は、前後方向で、後端部が各キャビネット2の後端部と略同じ位置に位置し、外方端部の先端面としての前端3aが各キャビネット2の前端部よりも前方に位置するようにキャビネット2の上に載置される(図5参照)。即ち、天板3は、キャビネット2の上に載置された状態で、外方端部の先端面としての前端3aがキャビネット2の側面1bのうち、前面よりも前方に位置する。
【0032】
図3乃至図11に示すように、接続装置4は、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子(例えばプラグ)を接続可能な接続部4Aを有する接続本体部41と、接続本体部41に嵌合可能な化粧枠42と、接続本体部41の前面を覆う化粧板43と、接続本体部41を側部22に固定する固定部5と、を備える。
【0033】
図3乃至図5に示すように、固定部5は、側部22に接続本体部41を固定する部品(例えば金具)であり、具体的には、上下方向に延びる平板状の部品である。本実施形態で固定部5は、平面視L字形状で、厚み方向に貫通する孔が複数形成された板状体である。固定部5は、接続本体部41を固定可能な平板状の本体固定部51と、本体固定部51の左右方向の他方側(本実施形態では左側)に連結され、本体固定部51に対して略直交する方向に延びる平板状の第一固定部52と、本体固定部51の左右方向の一方側(本実施形態では右側)に連結され、本体固定部51と略平行に延びる平板状の第二固定部53と、を備える。即ち、第一固定部52と第二固定部53は、本体固定部51を介して連結されている。
【0034】
第一固定部52及び第二固定部53には、それぞれ厚み方向に貫通し、固着具Cを挿通可能な孔が複数形成されている。具体的に、第一固定部52及び第二固定部53の一方(本実施形態では第一固定部52)には、挿通される固着具Cが第一固定部52及び第二固定部53の一方に対して上下方向で相対移動することを許容するように形成された仮固定孔54と、挿通される固着具Cが第一固定部52及び第二固定部53の一方に対して上下方向で移動することを規制するように形成された本固定孔55と、が形成され、第一固定部52及び第二固定部53の他方(本実施形態では第二固定部53)には、挿通される固着具Cが第一固定部52及び第二固定部53の他方に対して上下方向で相対移動することを規制するように形成された挿通孔56が形成される。仮固定孔54は、挿通される固着具Cの軸部の外径に対して上下方向長さが長い長孔であり、本固定孔55及び挿通孔56は、挿通される固着具Cの軸部の外径と上下方向長さが略等しい孔である。
【0035】
本体固定部51は、接続本体部41を固定可能な枠状の部位であり、具体的には、厚み方向に貫通し、接続本体部41の一部を挿入可能な孔である装置挿入孔51aと、厚み方向に貫通し、接続本体部41を固定するための固着具Cを挿通可能な固定孔51bと、が形成された板状体である。本実施形態で固定孔51bは複数形成され、装置挿入孔51aを挟むように上下に離間して配置される。また、本体固定部51は、第一固定部52及び第二固定部53と連結されており、第一固定部52が第一板部24に固定され、第二固定部53が第二板部25に固定された状態において、左右方向における第一板部24と第二板部25の間の空間(設置空間S)に配置される。
【0036】
固定部5は、側部22に対して内方から固定されている。具体的に、固定部5は、第二固定部53が第二板部25(前面部25F)の内側の面に対向し、第一固定部52が第一板部24(左面部24L)の内面と対向するように、仮固定孔54、本固定孔55及び挿通孔56に固着具C(例えばねじ)を挿通して取り付けられる。本実施形態の固定部5は、第一固定部52が第一板部24(左面部24L)に内面と対向するように配置されて第一板部24の内面に固定され、第二固定部53が第二板部25(前面部25F)の内面と対向するように配置されて第一板部24の内方に固定されるとともに、本体固定部51及び第二固定部53が左右方向で第二板部25と並んで配置される。具体的な固定方法については後述する。
【0037】
図6乃至図8に示すように、化粧枠42は、上下方向に延びる棒状の縦枠部421と、縦枠部421の上端部及び下端部から左右方向の一方側(本実施形態では右側)に向かって延出する一対の横枠部422と、を備える。化粧枠42は、左右方向長さが設置空間Sの左右方向の幅に略等しく、上下方向長さが設置空間Sの上下方向長さに略等しい。また、化粧枠42は、前方が開放された枠基部42Aと、枠基部42Aの前方を閉塞する閉塞板部42Bと、の2部材で構成されており、閉塞板部42Bは枠基部42Aに対して装着可能に構成されている。さらに、化粧枠42は、水平方向に延びる化粧枠42の上面である枠上面423と、水平方向に延びる化粧枠42の下面である枠下面424と、左右方向に直交する面であって、化粧枠42の側面である枠側面425と、を備える。
【0038】
縦枠部421は、前後方向の厚みが設置空間Sの前後方向の幅(前後方向における前面部25Fの前面から固定部5の前面までの距離)と略等しい、上下方向に延びる棒状体である。本実施形態の縦枠部421は、上端から下端に亘って左右方向長さが一定の直方体状である。
【0039】
横枠部422は、前後方向の厚みが設置空間Sの前後方向の幅と略等しい、左右方向に延びる棒状体である。また、横枠部422は、上下方向に離間して1対設けられている。具体的に、横枠部422は、接続本体部41の一部の前方を覆う正面視長方形状の横枠本体部426と、後述する位置決め突起457に対して係合可能な位置決め凹部427と、後述する回動軸49を収容可能な軸収容部428と、前後方向に貫通し、固着具Cを挿通可能な孔を有する固着具挿通部429と、を備える。位置決め凹部427は横枠本体部426の後端部に形成された前方に凹となる窪みである。軸収容部428は、回動軸49のうち上方又は下方に突出した部分を収容する部分であり、具体的には、横枠本体部426の後端部形成された前方に凹となる窪みである。本実施形態で位置決め凹部427と軸収容部428は、左右方向で離間して配置される。固着具挿通部429は、枠基部42Aの内部に設けられた、前後方向に貫通する孔を有する部位である。
【0040】
枠基部42Aは、化粧枠42の後端部分を構成する部位である。また、枠基部42Aは、前方が開放された形状であり、具体的には、前後方向において、後端部を塞ぐ板状体を有するが、該板状体よりも前方を塞ぐ部材を有さない構成である。
【0041】
閉塞板部42Bは、枠基部42Aに対して装着可能であり、装着された状態で枠基部42Aの前方を閉塞する板状の部位であり、前面が平坦な化粧面となる部位である。具体的に、閉塞板部42Bは、枠基部42Aの前方の形状に即した形状の板状体である。また、閉塞板部42Bは、後方に延出する閉塞爪42B1を複数備え、枠基部42Aに対して装着された状態において該閉塞爪42B1が枠基部42Aに対して係止するように構成されている。
【0042】
図6に示すように、化粧板43は、接続本体部41の前面を覆う化粧面としての平坦な前面を有する平板体である。具体的に、化粧板43は、上下方向長さが横枠部422同士の離間距離と略等しく、左右方向長さが横枠部422の左右方向長さと略等しい板体である。即ち、化粧板43は、化粧枠42の内部に収まる程度の大きさの板状体である。また、化粧板43は、後述する本体部44の板取付部441に嵌合可能な被取付部を後面側に有する(図示しない)。本実施形態の被取付部は、後方に突出する複数の突起である。
【0043】
図9乃至図11に示すように、接続本体部41は、接続部4Aを有する本体部44と、上下方向に延びる回動軸49(図11参照)と、回動軸49を介して本体部44を保持する保持部45と、本体部44の後方に設けられる回路部46と、開閉可能であるとともに、閉じた状態において接続部4Aの前方を覆う蓋部47と、本体部44の上方を覆う庇部48と、を備える。本実施形態の接続本体部41は、左右方向の幅が略一定で、上下方向に長い柱状である。
【0044】
図9に示すように、本体部44は、接続部4Aと、上下方向に延びる略平坦な面を有する化粧板取付面44aと、化粧板取付面44aと接続され、上下方向に延びる接続面44bと、を備える。また、本体部44は、上下方向に長い柱状の部位である。化粧板取付面44aは、化粧板43の被取付部が嵌合可能な板取付部441を有する。本実施形態の板取付部441は、後方に凹となる複数の窪みである。さらに、本実施形態では、化粧板取付面44aと接続面44bは、上下方向において平行に延び、かつ、水平方向において直交する方向に延びる面である。本実施形態の化粧板取付面44aと接続面44bの接続箇所(境界部分)には、角部44cが形成されている。また、本体部44は、後述する突出位置で横保持枠部454の回動規制部455に当接可能な当接面442を備える(図11参照)。
【0045】
接続面44bは、上下方向に沿って延び、上下方向の中途部分に接続部4Aが設けられる面である。具体的に、接続面44bは、上端から下端までに亘って幅が略一定の、上下方向に延びる細長い面である。また、接続面44bには、後側に凹となる窪み部分44dが形成されており、本実施形態では、窪み部分44dが上下方向に離間して複数(2つ)配置されている。本実施形態の接続面44bには、複数の接続部4Aが上下方向に並んで配置されている。具体的に、接続面44bには、外部機器の接続端子を挿し込み可能な開口Pの開口方向(接続部4Aに接続端子を接続する方向)が接続面44bと略直交する方向になるように接続部4Aが設けられている。即ち、接続部4Aは、開口Pの開口方向が水平方向に沿った方向となるように設けられている。本実施形態の接続部4Aは、後述する突出位置において、開口Pの開口方向が水平方向に沿った方向、且つ、キャビネット2の前面に対して斜め向きに延びる方向となるように設けられている。
【0046】
接続部4Aは、外部機器の送受電及び情報通信の少なくとも一方のための接続端子を接続可能な部位である。本実施形態の接続部4Aは、外部機器の送受電のための接続端子であるプラグを差し込み可能なプラグ受けとして構成される。即ち、本実施形態の接続部4Aは、外部機器の接続端子を挿し込み可能な開口Pを有する。また、接続部4Aは、上方が庇部48に覆われるように配置されている。さらに、接続部4Aは、接続面44bに形成された窪み部分44dに設けられており、具体的には、表面が接続面44bの窪み部分44dと略面一となるように配置されている。本実施形態の接続部4Aは上下方向に離間して複数配置されている。
【0047】
蓋部47は、開閉可能なように本体部44に設けられた蓋であり、閉じた状態で接続部4Aの前方を覆うことができるように構成されている。また、蓋部47は、自然な状態(外力を受けない状態)において閉じるように構成されている。具体的に、蓋部47は、接続部4Aが設けられた接続面44bの窪み部分44dに嵌合可能な板状体であり、各接続部4Aに対応して配置されている。また、蓋部47は、窪み部分44dの上端部に配置された、上下方向及び窪み部分44dの窪み方向(接続部4Aに接続端子を接続する方向)に直交する方向に延びる軸によって本体部44に対して固定され、自然な状態では、重力によって軸周りで下方に回動して閉じた状態(接続部4Aの前方を覆う状態)となる。また、重力に反して蓋部47を上方に回動させることで、接続部4Aの前方が露出した状態となる。上方に回動した蓋部47は、たとえば接続部4Aに接続された接続端子に支持されて、上方に位置した状態を維持する。
【0048】
図6及び図14に示すように、庇部48は、本体部44の上方に配置された板状の部位であり、本体部44の上方を覆うように構成されている。具体的に、庇部48は、上下方向及び左右方向に交差する方向に延びる板状の庇本体部481と、庇部48を側部22及び本体部44に対して固定するための庇固定部482と、を備える。庇本体部481は、側部22及び本体部44に対して固定された状態で、前端部分が接続面44bよりも前方に位置するように構成されている。また、庇本体部481は、幅(上下方向に直交する方向における長さ)が接続面44bの幅(上下方向に直交する方向における長さ)と略等しい又は接続面44bの幅よりも長く、前後方向に延びるとともに、前方が下方に位置するように傾斜する板状体である。庇固定部482は、固着具Cを挿通可能な庇固定孔48aが形成された板状体である。また、庇固定部482は、庇本体部481の後端部に連結された上下方向に延びる板状体であり、本実施形態では、庇本体部481の後端部から下方に延びるように配置されている。庇固定孔48aは、庇固定部482の厚み方向に貫通するように形成された孔であり、左右方向に離間して複数(具体的には2つ)配置されている。
【0049】
図9に示すように、保持部45は、本体部44を保持する枠状の部位である。また、保持部45は、側部22に固定された固定部5に固定可能である。具体的に、保持部45は、本体部44を内部に格納可能な枠状の保持枠部451と、保持枠部451に連結される板状の固定板452と、を備える。本実施形態の保持部45には固定板452が上下に離間して1対設けられる。このような保持部45は前方に開口し、本体部44を嵌入可能な嵌入空間を形成する。
【0050】
保持枠部451は、上下方向に延びる板状の縦保持枠部453と、縦保持枠部453の上端部及び下端部から左右方向の一方(本実施形態では左方)に向かって延びる一対の横保持枠部454と、を備える。縦保持枠部453は、上下方向長さが本体部44の上下方向長さよりも長い板状体であり、横保持枠部454は、左右方向長さが化粧板取付面44aの左右方向長さと略同じ板状体である。
【0051】
横保持枠部454は、前端部分に、他方の横保持枠部454に向かって突出し、突出位置の接続本体部41の当接面442が当接可能な回動規制部455を有する(図11参照)。本実施形態の回動規制部455は、上方の横保持枠部454の前端部分に設けられる下方に延伸する板状体、又は、下方の横保持枠部454の前端部分から上方に延伸する板状体である。さらに、横保持枠部454は、後述する回動軸49を回動可能な状態で保持可能に構成されている。
【0052】
固定板452は、横保持枠部454に連結される板状の部位である。本実施形態の固定板452は上下方向に離間して一対設けられる。一方の固定板452は、上方の横保持枠部454から上方に向かって延伸するように設けられ、他方の固定板452は、下方の横保持枠部454から下方に向かって延伸するように設けられる。具体的に固定板452は、上下方向に沿って延びる平板状で、厚み方向に貫通し固着具Cを挿通可能な挿通孔45aが形成された固定基部456と、固定基部456から前側に突出する位置決め突起457と、を備える。固定基部456には挿通孔45aが左右方向で離間して2つ配置されている。位置決め突起457は、横枠部422の位置決め凹部427が嵌合した状態で、本体部44が保持枠部451に嵌合する位置に設けられている。本実施形態で、一対の固定板452は、接続本体部41の上下方向中心を基準として上下対称に構成されている。
【0053】
図9乃至図11に示すように、回動軸49は、上下方向に沿って延びる軸体であり、本体部44が水平方向で回動するときの上下方向の軸心となる部位である。具体的に、回動軸49は、上下方向に延び、接続本体部41と保持部45を連結する柱状の軸本体491と、軸本体491を一方側に回動するように付勢する付勢手段492(図11参照)と、軸本体491の回動を規制及び該規制を解除可能なロック機構(図示しない)と、軸本体491の回動速度を規制するロータリーダンパー(図示しない)と、を備える。本実施形態でロータリーダンパーは軸本体491に内蔵されている。また、ロック機構は、後述する退避位置で軸本体491の回動を規制するように構成されている。
【0054】
軸本体491は、一端部が本体部44に対して相対回動不能に連結され、他端部が保持部45に対して相対回動可能に連結されている円柱状の部位である。また、軸本体491は、本体部44の幅方向(左右方向)の中途部分に連結されている。具体的に、軸本体491は、本体部44の幅方向の中央に対して、接続面44bと反対側寄り(本実施形態では左寄り)の位置に連結されている。本実施形態で、軸本体491の上下方向における端部は、横保持枠部454から上下方向で突出して設けられている。
【0055】
付勢手段492は、軸本体491を一方向に回動するように付勢する部位である。具体的に、付勢手段492は、一端部が回路本体部461に固定され、他端部が本体部44に連結されたコイルバネであり、弾発力によって他端部が一端部に対して離れる方向に移動しようとするように構成されている。即ち、本実施形態の付勢手段492は、本体部44を介して軸本体491を付勢するように構成されている。また、本実施形態の付勢手段492は、後述する本体部44の突出位置から退避位置への移動に伴って圧縮され、退避位置から突出位置への移動に伴って復元するように構成されている。
【0056】
ロータリーダンパーは、軸本体491の回動に対して抵抗を与える部位である。例えば、ロータリーダンパーは、粘性の高い液体を内部に備え、該液体の粘性抵抗によって、回動軸49の回動に対して抵抗を与えるように構成されている。本実施形態のロータリーダンパーは、回動軸49の上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられている。
【0057】
回路部46は、外部電源(例えば商用電源)と接続部4Aとを電気的に接続する回路を有する部位である。回路部46は、保持部45の後方に連結され、保持部45から後方に延出する、上下方向に延びた柱状の部位である。具体的に回路部46は、保持部45の後方に連結され、内部に接続部4Aと外部電源を電気的に接続する回路を有する回路本体部461と、回路本体部461から後方に延出し、外部電源と回路を電気的に接続する回路端子部462と、を備える。回路端子部462は、後端部に外部電源に電気的に接続された導線(リード線)と回路を電気的に接続する端子(図示しない)を内蔵している。このような回路部46は、装置挿入孔51aに嵌合可能に構成される。また、本実施形態の回路部46は、回路端子部462を除いて、接続本体部41の上下方向の中心を基準として上下対称に構成されている。
【0058】
以上のような構成の天板付きキャビネット1の製造方法について、図12乃至図14を参照して説明する。本実施形態の天板付きキャビネット1の製造方法は、板部連結工程と装置連結工程とを含む。なお、本実施形態で、天板付きキャビネット1の製造は、一部の工程が工場にて行われ、他の工程が天板付きキャビネット1を設置する場所(例えばキッチン)にて行われる。具体的には、製造の前半の工程(本実施形態では板部連結工程)が工場で行われ、製造の後半の工程(本実施形態では装置連結工程や後述する天板3を載置する工程)が設置場所で行われる。このような場合に限定されず、例えば、工場で製造された天板付きキャビネット1を設置場所に運び、設置場所に取り付ける場合であってもよいし、全ての工程を天板付きキャビネット1の設置場所で行う場合であってもよい。
【0059】
板部連結工程は、第一板部24と第二板部25を固定部5で連結する工程である。本実施形態の板部連結工程では、第一板部24としての左面部24Lと第二板部25としての前面部25Fを固定部5で連結する。板部連結工程では、図12に示すように、左面部24L(第一板部24)と前面部25F(第二板部25)を左右方向で間隔(設置空間S)をあけて配置する。次に、図13に示すように、内方から固定部5を左面部24L及び前面部25Fにあてがう。具体的には、左面部24Lの内方に第一固定部52をあてがい、前面部25Fの内方に第二固定部53をあてがう。このとき、本体固定部51は、左右方向において左面部24Lと前面部25Fの間に配置される。そして、第一固定部52及び第二固定部53に形成された孔に固着具Cを挿通して、固定部5と左面部24L及び前面部25Fを固定する。このような工程によって、左面部24Lと前面部25Fが連結されるとともに、左面部24Lと前面部25Fの間に本体固定部51を底とした後方に凹となる空間が形成される。
【0060】
本実施形態の板部連結工程では、第一固定部52の仮固定孔54と第二固定部53の挿通孔56に固着具Cを挿通した仮固定状態(図13に示す状態)とする。仮固定状態では、仮固定孔54に挿通された固着具Cが左面部24Lに対して上下方向に移動可能であるので、固定部5及び固定部5に固定された前面部25Fが左面部24Lに対して上下に相対移動可能となる。即ち、板部連結工程が完了した時点では、前面部25Fは左面部24Lに対して上下方向で相対移動可能である。
【0061】
その後、左面部24Lに対する前面部25Fの位置を調整してから本固定孔55に固着具Cを挿通して、本固定状態とする。本固定状態では、本固定孔55に挿通された固着具Cが左面部24Lに対して相対移動不能となるので、固定部5及び固定部5に固定された前面部25Fが左面部24Lに対して相対移動不能となる。この本固定状態とする作業は、天板付きキャビネット1の製造における任意の時点でおこなうことができ、例えば、後述する装置連結工程に前後して行うことや、天板3をキャビネット2の上部23に載置した後に行うことができる。
【0062】
装置連結工程は、固定部5に対して接続本体部41を固定する工程であり、本実施形態では、側部22に固定された固定部5に接続本体部41を固定する。また、装置連結工程では、配置された接続装置4で設置空間Sの前方を覆うように接続装置4を配置して固定する。装置連結工程では、化粧板43及び保持枠部451のうち枠基部42Aを本体部44に装着した状態で、接続本体部41を固定部5に固定する。枠基部42Aを本体部44に装着する際には、位置決め突起457を位置決め凹部427に嵌めるともに回動軸49を軸収容部428に嵌める。ここで、保持枠部451の固着具挿通部429と固定板452の挿通孔45aが前後方向において連通した状態となる。また、本実施形態では、接続本体部41を固定部5に対して固定する際に、庇部48を本体部44の上方に配置して、本体部44及び固定部5に対して同時に固定する。具体的に、装置連結工程では、本体固定部51の固定孔51bに対して、庇固定部482の庇固定孔48aと固定板452の挿通孔45a及び固着具挿通部429が前後方向で重なるように庇部48及び本体部44を配置し、重なった孔に固着具Cを挿通することで、本体部44及び庇部48が固定部5に対して固定される。即ち、本実施形態で本体部44と庇部48は、固定部5に対して共締めされて固定される。また、本実施形態では、庇固定部482は、本体部44よりも後方に配置された状態で固定部5に固定される。なお、本体部44の下方に配置される固定板452は、装置挿入孔51aの下方に配置される固定孔51bに対して挿通孔45aが重ねられて、固着具Cによって固定部5に対して固定される。本実施形態の本体部44は、回路部46が上下対称に構成されており、かつ、一対の固定板452が上下対称に設けられているので、上下を入れ替えても固定部5に対して装着可能である。なお、本体部44の上下を入れ替えて固定部5に装着した場合には、後述する本体部44の回動方向が逆向きになる。
【0063】
また、本実施形態の装置連結工程では、接続本体部41を本体固定部51の外方(前方)から内方(後方)に向かって当接させてから接続本体部41を固定部5に連結する。また、接続本体部41を本体固定部51に当接させる際に、接続本体部41の後端部分(固定板452よりも後方の部分)を、本体固定部51の装置挿入孔51aに嵌め、接続本体部41の一部が装置挿入孔51aに嵌った状態で接続本体部41を固定部5に対して固定する。即ち、本実施形態では、枠状の本体固定部51に対して接続本体部41を嵌めるともに、固着具Cで接続本体部41を固定部5に固定する。接続本体部41が固定部5に固定された状態で、接続本体部41の後端部分(具体的には、回路部46)は、キャビネット2内部に対して露出した状態となる。
【0064】
ここで、装置連結工程では、後述する退避状態における接続本体部41の前面が第二板部25(前面部25F)の前面と略面一となるように接続本体部41の装置挿入孔51aに対する嵌入度合いを調整する。具体的に、接続本体部41の厚み(第一方向における長さ)が第二板部の厚みに対して大きい場合には、接続本体部41の装置挿入孔51aに対する嵌入量を大きくし、接続本体部41の第一方向厚みが第二板部の厚みに対して小さい場合には、接続本体部41と本体固定部51の間にスペーサを介在させることで、接続本体部41の装置挿入孔51aに対する嵌入度合いを調整する。
【0065】
そして、接続本体部41に固着具Cを挿通して、接続本体部41を固定部5に固定してから、枠基部42Aに対して閉塞板部42Bを嵌め、枠基部42Aの前方を閉塞する。閉塞板部42Bが嵌められると、枠基部42Aの固着具挿通部429が閉塞板部42Bで隠されるため、挿通された固着具Cを閉塞板部42Bで隠すことができる。また、接続本体部41の固定後に導線(リード線)を回路部46の回路端子部462に連結される。
【0066】
また、本天板付きキャビネット1の製造方法は、上記工程の他に、キャビネット2の上部23に天板3を載置する工程と、引き出し部26を設置する工程と、を含む。キャビネット2の上部23に天板3を載置する工程は、板部連結工程の後かつ仮固定状態の際に行うことが好ましい。このような時点で天板3を載置すると、連結された板部で天板3を確実に受けることができ、かつ、天板3又は天板3に設けられた設備(例えばシンクA)が側部22に干渉する場合に、前面部25Fの高さを調整し、干渉を抑制できるので、天板3の設置作業をしやすくなる。
【0067】
以上のような構成の天板付きキャビネット1の使用方法について図15乃至図20を参照して説明する。
【0068】
接続本体部41は、水平方向において、接続部4Aの少なくとも一部が外方端部の先端面と側面1bとの間に位置する突出位置と、突出位置よりも側面1b側に位置する退避位置とを切り替え可能である。本実施形態の突出位置は、接続部4Aの少なくとも一部が天板3の前端3aよりも後方かつキャビネット2の前面よりも前方に位置する位置であり、退避位置は、接続部4Aが突出位置よりも後方に位置する位置である。
【0069】
図15図17、及び図18に示すように、本実施形態の接続本体部41は、退避位置の状態で、接続部4Aの全部が側部22(前面部25F)の前面よりも後方に位置し、接続部4Aの全部がキャビネット2内に格納された状態となる。即ち、本実施形態の接続本体部41は、退避位置の状態で、接続面44bの全部が前面から隠れた状態となる。さらに、接続装置4が退避位置の時に、接続本体部41の外面(前面)と側部22の外面(前面)は略面一となる。具体的には、接続本体部41が退避位置の時に、化粧板取付面44aは、前面と平行に延び、また、化粧板43の前面と化粧枠42の前面(閉塞板部42Bの前面)と側部22の外面(前面部25Fの前面)とは略面一になる。さらに、本実施形態では、接続本体部41が退避位置の時に、化粧枠42の上面である枠上面423が前面部25Fの上面と略面一になり、化粧枠42の下面である枠下面424が前面部25Fの下面と略面一になり、化粧枠42の側面である枠側面425が前板261の左側面と略面一になる。
【0070】
図16図19、及び図20に示すように、本実施形態の接続本体部41は、突出位置の状態で、接続部4Aの全部が側部22(前面部25F)の前面よりも前方、かつ、天板3の前端3aよりも後方に位置し、接続部4Aの全部がキャビネット2の内部から露出した状態となる。即ち、本実施形態の接続本体部41は、突出位置の状態で、接続面44bの全部が前面から露出した状態となる。本実施形態の接続本体部41は、突出位置の時に、本体部44の一部が天板3の前端3aよりも前側に位置し、かつ、接続部4Aの全部が天板3の前端3aよりも後方に位置した状態となる。さらに、退避位置の接続部4Aは、開口方向(接続部4Aに対して外部機器の接続端子を接続する方向)が水平方向を向き、具体的には、水平方向における化粧板43の向きと略同じ向きとなる。また、本実施形態の接続本体部41は、退避位置で角部44cが前後方向で前端3aと略同じ位置に位置する。
【0071】
ここで、庇部48は、固定部5に直接固定されているので、接続本体部41が突出位置及び退避位置のどちらの状態であっても、本体部44の上方を覆うことができる。よって、接続部4Aに水分が付着することを確実に抑制できる。また、接続部4Aの前方は蓋部47で覆われているので、接続本体部41が突出位置の場合であっても、接続部4Aに水分が付着することを抑制できる。
【0072】
本実施形態の接続本体部41は、本体部44の回動軸49を軸心とした回動により突出位置と退避位置とを切り替え可能であり、具体的には、主にロック機構と付勢手段492によって、突出位置と退避位置の切り替えがされる。本実施形態の本体部44は、突出位置から退避位置への回動により、右方が前側に左方が後側に移動する。本実施形態で、ロック機構は、接続部4Aが退避位置からさらに後方に移動するように軸本体491が回動すると、軸本体491の突出位置への回動を規制する規制状態となり、ロック機構が規制状態のときに接続部4Aが後方に移動する方向に軸本体491を回動させると前記規制を解除した回動許容状態となる。即ち、本体部44を後方に回動させ、突出位置の接続部4Aを退避位置まで移動させると、ロック機構が回動軸49の回動を規制し、接続装置4は退避位置を維持する。また、退避位置を維持する接続装置4の本体部44を後方に押し込むと、ロック機構が回動許容状態となり、軸本体491が回動可能となり、付勢手段492によって前方に回動するように付勢され、突出位置まで移動する。突出位置まで移動すると、本体部44に設けられた当接面442が横保持枠部454の回動規制部455に当接し、さらなる回動が規制され、突出位置を維持する。本実施形態の本体部44は、突出位置から退避位置への移動又は退避位置から突出位置への移動の際に、90度未満の角度分回動する。
【0073】
以上のような構成の天板付きキャビネット1によれば、固定部5は、第一板部24と第二板部25の間に設置空間Sが形成されるように第一板部24と第二板部25を固定するとともに、接続本体部41は設置空間Sに配置されるので、第一板部24と第二板部25の間に形成される設置空間Sとしての隙間に接続本体部41を配置することができる。よって、隙間に接続本体部41を配置できるので、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる。
【0074】
また、接続本体部41は装置挿入孔51aに対して嵌合した状態で本体固定部51に対して固定されるので、接続本体部41を本体固定部51に対して確実に固定することができる。
【0075】
さらに、第一板部24と第二板部25を仮固定状態とした後に、第二板部25の第一板部24に対する位置を調整してから本固定状態とすることができる。よって、第二板部25の第一板部24に対する位置調整をしやすい。
【0076】
また、本体部44は、接続部4Aと外部電源を接続する回路部46を備え、回路部46は、外部電源に電気的に接続された導線が接続される回路端子部462を備え、回路端子部462はキャビネット2内部に対して露出している。よって、回路端子部462がキャビネット2内部に対して露出しているので、導線を回路端子部462に接続しやすい。
【0077】
さらに、本体固定部51は第二板部25の内面よりも内方に位置し、接続本体部41は、本体固定部51に対して直接固定される。よって、第二板部25よりも内方にて接続本体部41を固定できるので、接続本体部41が第二板部25よりも外方に突出することを抑制できる。よって、接続本体部41によって美観を損ねることを抑制できる。
【0078】
また、接続本体部41は、退避位置において前面が第二板部25の前面と略面一となるように設けられる。よって、退避状態において接続本体部41が美観を損ねることを抑制できる。
【0079】
さらに、接続本体部41は、退避位置において、接続部4Aがキャビネット2の外面(前面)から隠れた状態となるため、接続部4Aが露出することを抑制できる。よって、接続部4Aによって、天板付きキャビネット1の美観を損ねることを抑制できる。
【0080】
さらに、第一固定部52及び第二固定部53の一方には、挿通される固着具Cの固定部5に対する上下方向の相対移動を許容する仮固定孔54と、挿通される固着具Cの固定部5に対する上下方向の相対移動を規制する本固定孔55と、が形成される。よって、第一板部24及び第二板部25に固定部5を連結した状態において、第一板部24の第二板部25に対する位置を調整した後に、第一板部24の第二板部25に対する上下方向の位置を固定できるので、位置調整と固定をしやすい。
【0081】
また、本体部44の上部には、接続部4Aからよりも外方までに延出する庇部48が設けられる。よって、天板3から水等が飛散するおそれがある場合に、飛散した水が接続部4Aに付着することを抑制できる。
【0082】
さらに、庇部48は、本体部44と別体であるとともに、本体固定部51に対して固定可能である。よって、必要に応じて庇部48を設けることができるので、接続部4Aに水が付着することを抑制しつつも、必要のない場合には庇部48を設けない構成とすることができる。
【0083】
また、庇部48は、本体固定部51に対して、接続本体部41と共締めされて固定される。よって、接続本体部41を装置挿入孔51aに嵌めてから庇部48と接続本体部41を本体固定部51に対して共締めできるため、装置挿入孔51aと接続本体部41の嵌合によって本体固定部51に対する接続本体部41の位置を安定させた位置決めをした状態で共締めできるので、庇部48を取付ける場合であっても本体固定部51に対する固定作業をしやすい。
【0084】
さらに、接続本体部41は突出位置と退避位置を切り替え可能であり、突出位置においては、接続部4Aの少なくとも一部が外方端部の先端面と側面1bとの間に位置するので、突出位置においては接続部4Aが接続端子を接続するのに程よい位置に位置するため、接続部4Aに外部機器の接続端子を接続しやすい。よって、外部機器の接続端子を接続部4Aに接続しやすくできる。
【0085】
また、本体部44が上下方向に延びる回動軸49を軸心に回動して突出位置と退避位置を切り替え可能であるので、突出位置と退避位置とを切り替えやすい。
【0086】
さらに、接続部4Aの上部に、接続部4Aへの接続方向で外方に延伸する庇部48が設けられるので、庇部48によって天板3から落下した水が接続部4Aにかかることを抑制できる。
【0087】
また、回動軸49は本体部44の幅方向の中途部分に設けられるので、回動軸49の分だけ接続装置4が幅方向において大型化することを抑制できる。
【0088】
さらに、接続部4A及び庇部48は、退避位置で、キャビネット2の内部に格納されるので、退避位置のときに接続部4A及び庇部48に水がかかることを抑制できる。よって、退避位置の接続部4Aに庇部48から伝って水がかかることを抑制できる。
【0089】
また、本体部44は、上下方向に延びる軸中心に回動可能に構成され、接続本体部41は、突出位置において、接続部4Aがキャビネット2の前後方向及び上下方向に直交する左右方向において一方側に向く状態、及び、接続部4Aが左右方向において他方側に向く状態、のうちいずれかを選択してキャビネット2に取り付け可能である。よって、天板付きキャビネット1が設置される環境に合わせて接続部4Aの向きを選択できるので、利便性が向上する。
【0090】
さらに、接続本体部41は、固定部5に固定され、回動軸49を介して本体部44を保持する保持部45と、退避位置の本体部44が突出位置へ回動することを規制する規制状態及び退避位置の本体部44が突出位置へ回動することを許容する許容状態を切り替え可能なロック機構と、突出位置で固定板452に係止し、本体部44が突出位置を超えて前方に回動することを規制する前方規制手段(回動規制部455及び当接面442)と、を備え、回動軸49は、本体部44を退避位置から突出位置へと回動するように付勢する付勢手段492と、本体部44が退避位置から突出位置へと移動する場合における回動速度を規制するロータリーダンパーとを備える。よって、ロック機構の規制を解除すると本体部44は付勢手段492の付勢とロータリーダンパーの速度規制によってゆっくりと退避位置から突出位置へ移動し、前方規制手段に当接して係止するため、本体部44が勢いよく前方規制手段に当接することを抑制できる。しかも、回動軸49が本体部44の幅方向の中途部分に設けられるので、ロータリーダンパーの分だけ接続本体部41が幅方向において大型化することを抑制できる。
【0091】
また、接続本体部41は、側部22に固定され、回動軸49を介して本体部44を保持する固定板452を備え、固定板452は、前方に開口し、本体部44が嵌入される嵌入空間を形成し、嵌入空間は、少なくとも突出位置において、前方が本体部44に覆われるように構成される。よって接続本体部41が突出位置の場合にも接続装置4を通してキャビネット2の内部を視認可能となることを抑制できるので、意匠性が高まる。
【0092】
さらに、設置空間Sの前面は接続本体部41によって覆われるので、設置空間Sを介してキャビネット2の内部を視認可能となることを抑制できるため、意匠性が高まる。
【0093】
さらに、接続装置4は、ロック機構によって、退避位置から退避方向に押すことで、突出方向への移動が許容されるように構成され、かつ、固定部5を介して左右方向に延びる面(前面部25Fの後面)及び前後方向に延びる面(左面部24Lの右面)に固定されるので、接続装置4を側部22にしっかり固定できて、且つ押し操作ができるので、操作感が良くなる。
【0094】
また、本実施形態の天板付きキャビネット1の製造方法によれば、第一板部24と第二板部25の間に設置空間Sが形成されるように第一板部24と第二板部25を固定するので、第一板部24と第二板部25の間に形成される隙間に接続本体部41を配置することができる。よって、隙間に接続本体部41を配置できるので、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる。
【0095】
さらに、固定部5に対して、キャビネット2の外方から内方に向かって接続本体部41を連結することができるので、キャビネット2の内部から行う作業を抑制できる。よって、固定部5に接続本体部41を連結しやすくなる。
【0096】
また、固定部5に対する接続本体部41の位置を調整して、固定部5に対して接続本体部41を連結するので、製造誤差によって生じる誤差等によって、第二板部25の前面と接続本体部41の前面に段が生じることを前記調整によって抑制できる。よって、部品点数を抑えつつ美観を損ねることを抑制できる。
【0097】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0098】
例えば、天板付きキャビネット1として、キッチンに設置される調理台を例に挙げて説明したが、このような構成に限らず、洗面所に配置される洗面台や、キッチンに配置される食器棚などに本発明を適用することもできる。天板付きキャビネット1を洗面台として構成する場合には、キャビネット2の上部23に、平坦な上面1aを有する天板3としてのフランジと、フランジから下方に窪むように設けられるボウル部と、を備える洗面ボウルを設けることができる。また、天板付きキャビネット1を調理台として構成する場合であっても、本実施形態のように、シンクA、作業面(作業台部13の上面1a)、及び加熱調理器Bを備える場合に限らず、例えば、シンクAのみを備えるように構成することもできる。
【0099】
また、接続部4Aとしてプラグ受けを例に挙げて説明したが、このような構成に限らず、種々の構成の接続部4Aを構成することができる。例えば、接続部4Aを送受電及び電気信号の送受信が可能なUSBポートとして構成することもできるし、電気信号の送受信のみ可能なLANポートや映像信号の送受信をするためのポートとして構成することもできる。また、1つの接続装置4に複数種類の接続部4Aを設けることもできる。しかも、接続部4Aをオスの端子として構成し、メスの接続端子を有する外部機器を接続可能に構成することもできる。
【0100】
さらに、接続部4Aとしてのプラグ受けが上下に並んで配置される場合について説明したが、このような構成に限らず、左右方向に並ぶ構成とすることもできる。
【0101】
さらに、接続装置4はシンク部11に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、キャビネット2の任意の位置に設けることができる。例えば、接続装置4を加熱調理器Bと左離間部321(天板3のうち加熱調理器Bが位置する側の端部と加熱調理器Bの間)の下方に設けることもできる。このような構成によれば、加熱調理器Bから建築物の壁に延焼することを抑制するべく設けられる加熱調理器Bと天板3の端部との間の空間を有効活用できる。また、接続装置4を作業台部13に設けることもできる。このような構成によれば、作業台部13に載置した外部機器の接続端子を接続部4Aに接続しやすい。さらに、接続装置4がキャビネットユニットUを構成する天板付きキャビネット1のうち複数に設けられる構成とすることもできる。
【0102】
また、接続装置4は退避位置の時に接続部4Aの全部がキャビネット2の内部に格納される場合について説明したが、このような構成に限らず、退避位置においても接続部4Aの一部又は全部がキャビネット2から露出するように構成することもできる。さらに、接続装置4が突出位置と退避位置を切り替え可能な場合に限らず、接続装置4が突出位置と退避位置を切替可能でない構成とし、接続部4Aが常時露出した構成とすることもできる。また、札族部に接続端子を接続可能な状態において、接続部4Aがキャビネット2の側面1bよりも前方に位置する場合に限らず、キャビネット2の前面と面一であったり、キャビネット2の前面よりも後方に位置したりしていてもよい。
【0103】
また、第一固定部52は第一板部24の内面に固定され、第二固定部53は第二板部25の内面に固定される場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、第一固定部52及び第二固定部53が第一固定部52の上面(厚み方向に延びる面)及び第二固定部53の上面に固定される構成とすることもできる。
【0104】
さらに、板部連結工程の後に装置連結工程を行う場合について説明したが、このような構成に限らず、装置連結工程の後に板部連結工程を実行することもできる。例えば、固定部5に予め接続本体部41を連結し、接続本体部41が連結された固定部5で第一板部24及び第二板部25を連結することもできるし、第一板部24に固定部5を連結してから接続本体部41を固定部5に連結し、その後に第二板部25を固定部5に連結することもできる。また、板部連結工程の後に天板3を載置する工程を行ってから装置連結工程を行うこともできる。
【0105】
また、固定部5と接続本体部41は別体である場合について説明したが、このような構成に限らず、接続本体部41と固定部5を一体として構成することもできる。このような構成によれば、接続本体部41と固定部5を連結する手間を抑制できるため、組み立て作業が簡便になる。
【0106】
さらに、本固定状態において前面部25Fは移動不能に固定される場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、前面部25Fが開閉可能なように構成し、前面部25Fの内方に包丁などを格納可能に構成することもできる。このような場合、前面部25Fの前面とは、前面部25Fが閉じた状態を基準とする。
【0107】
また、キャビネットユニットUでは、シンクA、作業面、及び加熱調理器Bが一直線状に並んで配置される場合について説明したが、このような場合に限らず、例えば、シンクA、作業面、及び加熱調理器BがL字状に並んで配置されるように構成することもできる。このような構成の場合における前面は、水道設備A1を使用する使用者が主に対向する面であり、シンクA、作業面、及び加熱調理器Bが並ぶ方向に沿って延びる、平面視L字状に連続した面である。さらに、複数の天板付きキャビネット1がキャビネットユニットUを構成する場合について説明したが、このような構成に限らず、天板付きキャビネット1が単独で設置されることもできる。
【0108】
さらに、図21に示すように、キャビネットユニットUは、キャビネット2が左右方向及び前後方向に複数配置され、ひとまとめにされた構成とすることもできる。このような構成の場合に、接続装置4をキャビネットユニットUにおける後面を構成する天板付きキャビネット1及びキャビネットユニットUにおける前面を構成する天板付きキャビネット1の両方に設けることもできる。具体的に、キャビネットユニットUは、キッチン側(前側)に配置されたシンク部11、加熱部12、及び、作業台部13と、ダイニング側(後側)に配置された複数(具体的には3つ)のカウンター部14と、を備える構成とすることができる。各カウンター部14は、上面が平坦な面である天板3を備える天板付きキャビネット1である。このような構成において、キッチン側に配置された天板付きキャビネット1のうち少なくとも1つ及びダイニング側に配置された天板付きキャビネット1のうち少なくとも1つに接続装置4が設けられる構成とすることで、キッチン側からもダイニング側からも接続部4Aを利用することができるようになるため、利便性が高まる。
【0109】
また、キャビネットユニットUは、複数のキャビネット2に1枚の天板3を載置して構成される場合について説明したが、このような構成に限らず、1つのキャビネット2に1つの天板3が設けられる構成とすることもできる。
【0110】
さらに、回動軸49は接続本体部41の幅方向の中途部分に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、幅方向の端部に設けられるように構成することもできる。
【0111】
また、接続部4Aへの接続方向は、接続面44bと直交する方向に延びる場合について説明したが、このような場合に限らず、接続面44bに対して斜め上向きまたは斜め下向きに設けることもできる。
【0112】
さらに、接続装置4は、キャビネット2の前面に設けられる場合について説明したが、このような場合に限らず、左面、後面、右面のいずれかに設けることもできる。また、接続装置4を後面に設ける場合には、主に水道設備A1を使用する使用者に対向する面と反対側の面(例えば、カウンターキッチンにおけるダイニング側)から接続部4Aを利用可能となるので、後面側からの使い勝手が良くなる。さらに、接続装置4をキャビネット2の側面1bのうち、複数の面に配置することもできる。このように構成する場合には、天板3も外方端部を複数有するように構成することができる。
【0113】
また、天板付きキャビネット1は、屋内に設置される場合について説明したが、このような構成に限らず、屋外に設置されるよう構成することもできる。
【符号の説明】
【0114】
1…天板付きキャビネット、1a…上面、1b…側面、11…シンク部、12…加熱部、13…作業台部、14…カウンター部、2…キャビネット、21…底部、22…側部、23…上部、24…第一板部、24L…左面部、24R…右面部、25…第二板部、25F…前面部、25R…後面部、26…引き出し部、261…前板、3…天板、31…シンク天板部、32…加熱天板部、321…左離間部、33…作業天板部、4…接続装置、4A…接続部、41…接続本体部、42…化粧枠、42A…枠基部、42B…閉塞板部、421…縦枠部、422…横枠部、423…枠上面、424…枠下面、425…枠側面、426…横枠本体部、427…位置決め凹部、428…軸収容部、429…固着具挿通部、43…化粧板、44…本体部、44a…化粧板取付面、44b…接続面、44c…角部、44d…窪み部分、441…板取付部、442…当接面、45…保持部、45a…挿通孔、451…保持枠部、452…固定板、453…縦保持枠部、454…横保持枠部、455…回動規制部、456…固定基部、457…位置決め突起、46…回路部、461…回路本体部、462…回路端子部、47…蓋部、48…庇部、48a…庇固定孔、481…庇本体部、482…庇固定部、49…回動軸、491…軸本体、492…付勢手段、5…固定部、51…本体固定部、51a…装置挿入孔、51b…固定孔、52…第一固定部、53…第二固定部、54…仮固定孔、55…本固定孔、56…挿通孔、A…シンク、A1…水道設備、B…加熱調理器、C…固着具、P…開口、S…設置空間、U…キャビネットユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図21