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特開2024-47940情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047940
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240401BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153719
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】平手 勇宇
(72)【発明者】
【氏名】アブロール サティアン
(72)【発明者】
【氏名】ロヨラ パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン エムディ モスタフィズ
(72)【発明者】
【氏名】蛭子 ▲たく▼磨
(72)【発明者】
【氏名】コンダパカ マノゥチ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】適切な配送スケジュールを効率的に決定する。
【解決手段】情報処理装置は、複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成し、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、該世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、該複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と記該複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測手段と、該予測の結果に基づいて、該複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する。
【選択図】図13B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得手段と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測手段と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ特徴に基づいて、前記関係性グラフを作成する作成手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ特徴は、ユーザについて事実特徴と、前記事実特徴に基づいて推定される推定ユーザ特徴を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記異なる宛先住所は、所定の距離的範囲内にある住所である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記世帯状況取得手段は、前記関係性グラフに基づいて、各世帯について、
配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有する事実ユーザと、
配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有すると予測される関連ユーザを特定し、
前記事実ユーザと前記関連ユーザの情報を含めた前記世帯内ユーザ情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記世帯状況取得手段は、さらに、前記ユーザ特徴から前記事実ユーザの年齢の情報を取得し、前記関連ユーザの年齢を予測する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザと、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザのうち、所定範囲の年齢のユーザそれぞれの在宅時間帯を予測する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザのユーザ特徴と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザそれぞれのユーザ特徴を入力として、所定の日における在宅時間帯を出力するように構成された機械学習モデルを用いて、前記在宅時間帯を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記異なる宛先住所に対応する複数の世帯の1以上のユーザに対して予測された在宅時間帯のうち、当該複数の世帯で共通の時間帯を配送時間帯として決定し、当該配送時間帯を前記配送スケジュールとして決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記異なる宛先住所に基づいて、最短な配送ルートを決定し、
前記配送時間帯と配送ルートとを、前記配送スケジュールとして決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得工程と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測工程と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得処理と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測処理と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関し、特に、荷物の配送に関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子商取引(Electronic Commerce)の普及に伴い、荷物の配送の需要が急速に増加している。受取ユーザが在宅でない場合、配送業者は荷物を再配達しなければならず、さらに、当該再発時であっても受取ユーザが在宅である保証はなく、配達業者への負担が高くなっている。このような課題に対処するための技術として、特許文献1には、荷受人が事前に同居人と連携して依頼し、同居人が連携を承認すると、配達員が荷受人または同居人の在宅を確認して荷受人の荷物の配達を行う仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-070910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の仕組みによれば、同居人との連携により、再配達を減らすことが可能となる。しかしながら、当該仕組みでは、同居人の情報を、あらかじめ登録された情報として必要とするため、適切な配送スケジュールを効率的に決定することができなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、適切な配送スケジュールを効率的に決定するための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理装置の一態様は、複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得手段と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測手段と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定手段と、を有する。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理方法の一態様は、複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得工程と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測工程と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定工程と、を含む。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理プログラムの一態様は、情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得処理と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測処理と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切な配送スケジュールを効率的に決定するための仕組みが提供される。
上記した本発明の目的、態様および効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様および効果は、当業者であれば添付図面および請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態から理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、情報処理システムの構成例を示す。
図2図2は、実施形態による情報処理装置10の機能構成例を示す。
図3図3は、関係性グラフの作成処理のフローチャートを示す。
図4A図4Aは、明示的リンクを説明するための図である。
図4B図4Bは、明示的リンクを説明するための図である。
図4C図4Cは、明示的リンクを説明するための図である。
図4D図4Dは、暗示的リンクを説明するための図である。
図5A図5Aは、リンク間の関係性の推論処理を説明するための図である。
図5B図5Bは、ペアをクラスタへグループ化する処理の一例のフローチャートを示す。
図6A図6Aは、ユーザペアに対する関係性の親密度に基づくスコア(親密度スコア)の概念図を示す。
図6B図6Bは、スコア予測モデル112の概略アーキテクチャを示す。
図7図7は、関係性グラフの概念図を示す。
図8図8は、世帯状況取得部103の内部構成例を示す。
図9図9は、世帯状況を取得し、世帯内関係グラフを生成する処理の一例のフローチャートを示す。
図10図10は、存否予測モデルの一例を示す。
図11図11は、世帯内関係グラフの例を示す。
図12図12は、各世帯についての世帯内データの例を示す。
図13A図13Aは、配送リクエストの取得処理と配送世帯リストの生成処理の概念図を示す。
図13B図13Bは、複数世帯の各ユーザについての在宅時間の予測処理の概念図を示す。
図13C図13Cは、予測した在宅時間帯に基づく配送スケジュールの決定処理の概念図を示す。
図14図14は、情報処理装置10により実行される全体の処理のフローチャートを示す。
図15図15は、情報処理装置10とユーザ装置11のハードウェア構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。以下に開示される構成要素のうち、同一機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下に開示される実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
[情報処理システムの構成例]
図1に、本実施形態による情報処理システムの構成例を示す。本情報処理システムは、その一例として、図1に示すように、情報処理装置10と、任意の複数のユーザ1~Nにより使用される複数のユーザ装置11-1~11-N(N>1)を含んで構成される。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、ユーザ装置11-1~11-Nをユーザ装置11と総称しうる。また、以下の説明において、ユーザ装置とユーザという語は同義に使用されうる。
【0013】
ユーザ装置11は、例えば、スマートフォンやタブレットといったデバイスであり、LTE(Long Term Evolution)等の公衆網や、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を介して、情報処理装置10と通信可能に構成されている。ユーザ装置11は、液晶ディスプレイ等の表示部(表示面)を有し、各ユーザは、当該液晶ディスプレイに装備されたGUI(Graphic User Interface)により各種操作を行うことができる。当該操作は、指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、画面に表示された画像等のコンテンツに対する各種の操作を含む。
なお、ユーザ装置11は、図1に示すような形態のデバイスに限らず、デスクトップ型のPC(Personal Computer)や、ノート型のPCといったデバイスであってもよい。その場合、各ユーザによる操作は、マウスやキーボードといった入力装置を用いて行われうる。また、ユーザ装置11は、表示面を別に備えてもよい。
【0014】
ユーザ装置11は、情報処理装置10から、または、不図示の他の装置から情報処理装置10を介して提供されるウェブサービス(インターネット関連サービス)にログインして、サービスを利用することができる。当該ウェブサービスは、インターネットを介して提供される、オンラインモールやネットスーパー、あるいは、通信、金融、不動産、スポーツ、旅行に関するサービスを含むことができる。ユーザ装置11は、このようなウェブサービスを利用することにより、ユーザ装置11のユーザに関する情報を情報処理装置10に伝達することができる。
【0015】
例えば、ユーザ装置11は、ユーザ装置11のIP(Internet Protocol)アドレスや、ユーザの住所やユーザの氏名(名字と名前)といった、ユーザ装置やユーザに関する特徴の情報を、情報処理装置10へ伝達することができる。
また、ユーザ装置11は、GPS(Global Positioning System)衛星(不図示)から受信される信号等に基づいて測位計算を行い、当該計算により得られた情報を、ユーザ装置11の位置情報として生成し、情報処理装置10へ伝達することができる。
【0016】
情報処理装置10は、ユーザ装置11から各種情報を取得し、当該情報に基づいて、ユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフネットワーク(以下、関係性グラフ)の作成、世帯状況(世帯内のユーザの家族関係)の取得、および、配送スケジュールの決定を行う。
【0017】
[情報処理装置10の機能構成]
本実施形態による情報処理装置10は、まず、ユーザ装置11-1~11-Nから各種情報を取得し、ユーザ1~N間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成する。そして、情報処理装置10は、関係性グラフを用いて、世帯状況を取得する。すなわち、情報処理装置10は、各ユーザが属する世帯を検出する。続いて、情報処理装置10は、検出した世帯状況に基づいて、複数のユーザ宛ての荷物を配送するための効率的な配送スケジュールを決定する。なお、荷物は、配達(配送)可能なものであれば、あらゆるアイテムを含むことができる。
【0018】
図2は、本実施形態による情報処理装置10の機能構成の一例を示す。
図2に示す情報処理装置10は、ユーザ特徴取得部101、グラフ作成部102、世帯状況取得部103、配送スケジュール決定部104、および出力部105、学習モデル記憶部110、およびユーザ特徴記憶部120を備える。学習モデル記憶部110は、在宅予測モデル111、スコア予測モデル112、配偶者存否予測モデル113、子存否予測モデル114、親存否予測モデル115、配偶者年齢予測モデル116、子年齢予測モデル117、親年齢予測モデル118、およびユーザ特徴予測モデル119を記憶している。当該各種学習モデルについては後述する。また、ユーザ特徴記憶部120はユーザ特徴121を記憶している。
【0019】
ユーザ特徴取得部101は、ユーザ装置11-1~11-Nのそれぞれから、当該ユーザ装置やユーザについての事実特徴(事実情報)を、ユーザ特徴として取得する。ユーザ特徴は、当該ユーザ装置やユーザから実際に、または、客観的に得られる、事実に基づく特徴(情報)である。ユーザ特徴取得部101は例えば、ユーザ装置11から直接ユーザ特徴を取得することができる。また、ユーザ特徴取得部101は、ユーザ装置11のユーザにより所定のウェブサービスに登録された情報として、ユーザ特徴を取得することができる。ユーザ特徴には、ユーザを識別するユーザIDが紐づけられている。
【0020】
ユーザ特徴は、ユーザ装置のIPアドレス、ユーザの住所やユーザの氏名、ユーザが保持するクレジットカードの番号、ユーザのデモグラフィック情報(性別、年齢、居住地域、職業、家族構成等の人口統計学的なユーザ属性)等を含む。また、ユーザ特徴は、ユーザ装置の時間帯(タイムスロット)ごとの位置情報(以下、ジオデータ(ジオグラフィックデータ)と称す)等を含む。
【0021】
また、ユーザ特徴は、所定のウェブサービス利用時における登録番号や登録名を含んでもよい。また、ユーザ特徴は、通話履歴、所定のウェブサービス利用時における商品のユーザの住所以外の配送先住所、所定のウェブサービス利用時の利用状況、利用履歴、検索履歴、サービスの利用により貯めることが可能なポイントに関する情報を含んでもよい。このように、ユーザ特徴は、ユーザ装置またはユーザ自身に関連する情報や、通信を介した所定のサービス利用に関する情報を含む、あらゆる情報を含むことができる。
【0022】
また、ユーザ特徴取得部101は、取得したユーザ特徴を、学習済みのユーザ特徴予測モデル119に適用して、当該ユーザ特徴に対して推定されたユーザ特徴(推定ユーザ特徴(属性))も取得するように構成される。ユーザ特徴予測モデル119は、対象のユーザのユーザ特徴(すなわち、事実特徴)を入力として、複数のユーザ特徴それぞれが当該対象のユーザに該当する(適合する)確率(該当確率)を出力するように構成される。ユーザ特徴取得部101は、該当確率から、最終的に、当該対象ユーザの推定ユーザ特徴を決定する。
【0023】
例えば、ユーザ特徴取得部101は、対象ユーザのユーザ特徴として、対象ユーザのデモグラフィック情報と過去のウェブサービスにおける購入履歴や趣向を示すデータをユーザ特徴予測モデル119に入力する。ユーザ特徴予測モデル119からは、該当確率として、当該対象ユーザが購入すると推定される複数のアイテムや当該対象ユーザが有しうる複数の趣向それぞれに対する確率が出力される。そして、ユーザ特徴取得部101は、所定値以上の確率を有するアイテムや趣向を、当該対象ユーザの推定ユーザ特徴として、取得することができる。
【0024】
ユーザ特徴取得部101は、取得および推定したユーザ特徴を、ユーザ特徴121としてユーザ特徴記憶部120に記憶させる。ユーザ特徴は、ユーザIDと紐づけて記憶される。
【0025】
グラフ作成部102は、ユーザ特徴取得部101により取得された各種ユーザ特徴を用いて、関係性グラフを作成する。関係性グラフの作成手順については後述する。
【0026】
世帯状況取得部103は、グラフ作成部102により作成された関係性グラフを用いて、世帯状況を取得する。世帯状況取得部103の内部構成および世帯状況の取得手順については後述する。
【0027】
配送スケジュール決定部104は、複数ユーザ宛ての荷物の配送リクエストに基づいて、当該複数のユーザへの効率的な配送スケジュールを決定する。当該配送リクエストは、操作者により入力部(図15の入力部1505)を介して入力されてもよいし、通信部(図15の通信I/F1507)を介して入力されてもよい。あるいは、当該配送リクエストは、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(図15のROM1502やRAM1503)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0028】
配送リクエストには、複数の荷物それぞれについて配送に必要な情報が含まれ、例えば、複数の異なる宛先住所の情報と、複数の宛先ユーザの情報が含まれる。配送スケジュール決定部104は、当該複数の宛先ユーザのそれぞれのユーザ特徴に基づいて、各ユーザの在宅可能性を予測し、予測の結果から、配送スケジュールを決定する。配送スケジュール決定手順については後述する。
【0029】
出力部105は、配送スケジュール決定部104により決定された配送スケジュールを出力する。出力部107は、当該スケジュールに関する情報を生成して出力してもよい。当該出力は、あらゆる出力処理であり得、通信I/F(図15の通信I/F1507)を介した外部装置への出力であってもよいし、表示部(図15の表示部1506)への表示であってもよい。
【0030】
[関係性グラフの作成手順]
次に、本実施形態による関係性グラフの作成手順について説明する。なお、以下の説明においてユーザA~Eは、説明のために参照するユーザであり、ユーザ装置11のユーザでありうる。また、関係性グラフは、図4A図4Dにおいて丸で囲まれた各ユーザノードの接続で構成され、以下の説明では、当該ユーザノードを単にユーザと称する。図3に、本実施形態によるグラフ作成部102により実行される関係性グラフの作成処理のフローチャートを示す。以下、図3の処理の各工程について説明する。
【0031】
<S31:リンクの作成>
S31では、グラフ作成部102は、複数のユーザ間のリンクを予測して作成する。
リンクの作成処理について、図4A図4Dを参照して説明する。図4A図4Cは、明示的リンクを説明するための図であり、図4Dは、暗示的リンクを説明するための図である。明示的リンクとは、2ユーザ間(ユーザペア)の明示的な共通の特徴により作成されるリンクである。暗示的リンクとは、ユーザペアの明示的な共通の特徴の存在は不明確であるものの、すでに作成されている明示的リンクを利用して、間接的な関係として作成されるリンクである。このように、ユーザ間のリンクは、明示的リンクと暗示的リンクで識別される。
【0032】
図4Aに、ユーザのユーザ装置のIPアドレスを共通な特徴として用いて明示的リンクを作成する例を示す。図4Aは、ユーザA~Cが利用可能なウェブサービスとして、オンラインモール41(電子商取引システム)、ゴルフ場予約サービス42(ゴルフ場予約システム)、旅行関連予約サービス43(旅行関連予約システム)、およびカード管理システム44が存在する例を示す。図4A図4Cでは、これら4つのウェブサービスが示されているが、ウェブサービスの数は特定の数に限定されない。各ウェブサービスを利用するために、ユーザは、住所、名前、家族構成、およびデモグラフィック情報等を含む会員情報を登録しうる。
【0033】
オンラインモール41は、オンラインで(インターネットを使用して)利用可能なショッピングモールである。オンラインモール41は、例えば、ファッション、書籍、食品、コンサートチケット、不動産といった多種多様な商品やサービスを提供することができる。
ゴルフ場予約サービス42は、オンラインでゴルフ場に関するサービスを提供するウェブサイトで運営され、例えばゴルフ場の検索および予約やレッスン情報を提供することができる。
旅行関連予約サービス43は、オンラインで利用可能な各種旅行サービスを提供するウェブサイトで運営される。旅行関連予約サービス43は、例えば、ホテルやトラベルツアーの予約、航空券やレンタカーの予約、観光情報、ホテル、ホテル周辺の情報を提供することができる。
カード管理システム44は、所定のカード管理会社により発行および管理されるクレジットカードに関するサービスを提供するウェブサイトで運営される。カード管理システム44は、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、および旅行関連予約サービス43の少なくともいずれかと関連して、サービスを提供してもよい。
【0034】
図4Aの例では、ユーザA~Cはそれぞれ、同じIPアドレス(=198.45.66.xx)を用いて、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、旅行関連予約サービス43を利用している。IPアドレスの情報は、ユーザ特徴取得部101により取得されうる。
このような場合、グラフ作成部102は、ユーザA~Cは、リンク状態45に示すように、同じIPアドレスの特徴で、明示的リンク(例えば、ユーザAとユーザCのリンクL1)を相互に作成する。
【0035】
図4Bに、ユーザの住所の特徴を共通な特徴として用いて明示的リンクを作成する例を示す。図4Bは、図4Aと同様に、ユーザA~Cが利用可能なウェブサービスとして、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、旅行関連予約サービス43、およびカード管理システム44が存在する例を示す。ここで、ユーザA~ユーザCはそれぞれ、同じの住所(配送先住所)を登録して、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、旅行関連予約サービス43を利用している。住所の情報は、ユーザ特徴取得部101により取得されうる。
このような場合、グラフ作成部102は、ユーザA~Cは、リンク状態46に示すように、同じ住所の特徴で、明示的リンク(例えば、ユーザAとユーザCのリンクL1)を相互に作成する。
【0036】
図4Cに、ユーザが使用するクレジットカード番号の特徴を共通な特徴として用いて明示的リンクを作成する例を示す。図4Bは、図4Aと同様に、ユーザA~Cが利用可能なウェブサービスとして、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、旅行関連予約サービス43、およびカード管理システム44が存在する例を示す。ここで、ユーザA~ユーザCはそれぞれ、同じのクレジットカードを登録して、オンラインモール41、ゴルフ場予約サービス42、旅行関連予約サービス43を利用している。クレジットカードの番号を含む情報は、ユーザ特徴取得部101により取得されうる。
このような場合、グラフ作成部102は、ユーザA~Cは、リンク状態47に示すように、同じカードの特徴で、明示的リンク(例えば、ユーザAとユーザCのリンクL1)を相互に作成する。
【0037】
図4Dに、ユーザ間に暗示的リンクを作成する例を示す。図4Dの例では、ユーザAに対して、ユーザC、ユーザD、ユーザEが明示的リンクで接続され、ユーザBに対して、ユーザC、ユーザD、ユーザEが明示的リンクで接続されている。このようなリンク特徴(リンク間の関係を示す特徴)を、共通の特徴空間へ埋め込み、各ユーザ(各ノード)間で暗黙的に関係性が構築されるとして推論されたリンクが、暗示的リンクとして作成(確立)される。図4Dの例では、ユーザAとユーザBは、明示的リンクで接続されていないが、共通の特徴空間で関係性を有すると推論された結果、暗示的リンクL2が作成されている。なお、グラフ作成部102は、明示的リンクで接続されたノード(ユーザ)で構成されるユーザ間関係グラフの学習(表現学習、関係学習、埋込学習、知識グラフ埋め込み)を行うことで、ユーザ間の暗示的リンクを予測し作成する。このとき、グラフ作成部102は、既知の埋め込みモデルまたはその拡張に適宜、基づき、当該学習を行ってよい。
【0038】
<S32:リンク間の関係性の推論>
S32では、グラフ作成部102は、S31で予測および作成されたリンク間の関係性を推論する。リンク間の関係性の推論処理について、図5A図5Bを参照して説明する。図5Aは、リンク間の関係性の推論処理を説明するための図であり、明示的リンクで接続されたユーザAとユーザB間のリンクの関係性を推論する例を示す。
【0039】
グラフ作成部102は、S31で作成されたリンクで接続されたユーザのペアをデータポイントとして扱い、ユーザ特徴取得部101により取得された各種情報を用いて、当該ペア(データポイント)を、共通のタイプを表すクラスタにグループ化する。当該各種情報は、IPアドレス、住所、クレジットカード、年齢、性別、友人といった情報でありうる。また、各クラスタは、配偶者、親子、近所の人、同じ世帯、同僚、友達、同性別きょうだい、異性別きょうだい等の関係を持つクラスタでありうる。図5Aの例では、ユーザのペアをバツ印で示し、当該ペアがグループ化されうるクラスタとして、親子クラスタ51、配偶者クラスタ52、同性別きょうだいクラスタ53、友人クラスタ54、同僚クラスタを示す。なお、図5Aでは5つのクラスタを示すが、クラスタの数は特定の数に限定されない。
【0040】
例えば、グラフ作成部102は、ユーザAとユーザBが、同じ名字、年齢差が10歳未満、逆の性別、同じ住所、という特徴50を有する(共有する)場合、グラフ作成部102は、ユーザAとユーザBのペアを、夫と妻(配偶者)の関係を表すクラスタ(配偶者クラスタ52)にグループ化することができる。
【0041】
図5Bに、グラフ作成部102により実行される、ペアをクラスタへグループ化する処理の一例のフローチャートを示す。
S51の開始時点で、グループ化の対象のペアについて、同じ住所と同じ名字の特徴を有するものとする。S52では、グラフ作成部102は、当該対象のペアについて、同じ性別の特徴を有するか否かを判定する。当該対象のペアが同じ性別の特徴を有する場合(S52でYes)、S53においてグラフ作成部102は、当該対象のペアについて、年齢の差が所定の閾値(=X値)以下か否かを判定する。当該対象のペアの年齢の差がX値より大きい場合(S53でNo)、グラフ作成部102は、当該対象のペアを親子クラスタ51へグループ化する。年齢の差がX値以下の場合(S53でYes)、グラフ作成部102は、当該対象のペアを同性別きょうだいクラスタ53へグループ化する。また、当該対象のペアが同じ性別の特徴を有さない場合(S52でNo)、S54においてグラフ作成部102は、当該対象のペアの年齢の差が所定の閾値(=Y値)以下か否かを判定する。年齢の差がY値より大きい場合(S54でNo)、グラフ作成部102は、当該対象のペアを親子クラスタ51へグループ化する。年齢の差がY値以下の場合(S54でYes)、グラフ作成部102は、当該対象のペアを配偶者クラスタ52へグループ化する。
【0042】
<S33:関係性の親密度に基づくスコア割り当て>
S33では、グラフ作成部102は、S32で推論されたペアに対する関係性の親密度に基づくスコアを予測し、当該スコアを当該ペアに割り当てる。本実施形態において、スコアは、0~1の間の数値であるが、スコアが取りうる数値に特定の限定はない。図6Aに、ユーザペアに対する関係性の親密度に基づくスコア(以下、親密度スコア)の概念図を示す。
【0043】
図6Aの例では、明示的リンクで接続されたユーザAとユーザBが有する(共有する)特徴によって、当該ユーザペア間の関係性の親密度が変化する。図6Aの上部では、ユーザAとユーザBが、同性別きょうだい、同じ住所、1200回の通話履歴、50回のギフトのやり取り、という特徴60を有する場合、当該ユーザペア間の関係性の親密度(すなわち、親密度スコア)は高くなる。一方、図6Aの下部では、ユーザAとユーザBが、同性別きょうだい、異なる住所、30回の通話履歴、2回のギフトのやり取り、という特徴61を有する場合、当該ユーザペア間の関係性の親密度(すなわち、親密度スコア)は低くなる。このように、図6Aの例のように、同性別きょうだいであるユーザAとユーザBであっても、当該ユーザのペアで共有される他の特徴により、当該ペアの関係性の親密度は異なるものとなる。関係性の親密度の高いペアは、互いの社会的距離が近く、高い影響を有することが観察される。一方、関係性の親密度の低いペアは、互いの社会的距離が遠く、近しい関係にないことが観察される。
【0044】
本実施形態では、ユーザペアに対する親密度スコアを、スコア予測モデル112を用いて予測する。図6Bに、スコア予測モデル112の概略アーキテクチャを示す。スコア予測モデル112は、ユーザペアの特徴63を入力として、当該特徴63に対する親密度スコア64を予測する学習モデルである。
【0045】
スコア予測モデル112は例えば、弱教師付き学習(Weak Supervised Learning)を行う学習モデルである。本実施形態では、スコア予測モデル112は、図6Aに示したような、ユーザペアに対する複数の特徴に対して付された親密度スコア(0~1)を教師データとして学習された学習モデルとする。例えば、学習段階では、教師データとしては、図6Aの特徴60に設定された1に近い親密度スコアと、特徴61に設定された0に近い親密度スコアといった組み合わせデータが使用される。当該学習処理は学習部108により実施される。なお、スコア予測モデル112は、ユーザペアの関係性の種別毎に異なってよく、一の関係性の種別に応じてトレーニングされた学習モデルであってよい。
【0046】
なお、本実施形態では、ユーザペアに対する親密度スコアを、スコア予測モデル112を用いて予測したが、グラフ作成部102は、他の手法により、当該スコアを予測するように構成されてもよい。
【0047】
以上の処理により、複数のユーザ間で明示的リンクまたは暗示的リンクが形成され、各リンク間では親密度スコアが割り当てられ、関係性グラフが作成される。関係性グラフの概念図を図7に示す。各ユーザ71~73それぞれは複数の特徴を有し、ユーザのペアに対しては上記のように予測された親密度スコアが割り当てられる。
【0048】
[世帯状況の取得手順]
次に、世帯状況取得部103による世帯状況の取得処理について説明する。まず、世帯状況取得部103の内部構成について説明し、次に、グラフ作成部102により作成された関係性グラフに基づく世帯状況の取得手順について説明する。以下、説明のために、ユーザ1~Nのうち、任意に選択するユーザを対象ユーザと称する。
【0049】
図8に、世帯状況取得部103の内部構成の一例を示す。
存否特定部81は、対象ユーザが配偶者を有するか、子どもを有するか、および、親を有するかを推定し、特定する。存否特定部81は、対象ユーザに関するユーザ特徴121に基づいて、当該特定を行いうる。また、存否特定部81は、対象ユーザが配偶者を有するか、子どもを有するか、および、親を有するかを示す情報を、存否情報(それぞれ、配偶者存否情報、子存否情報、および、親存否情報とも称する)として生成する。
【0050】
存否特定部81の処理について具体的に説明する。配偶者存否情報を生成する際、存否特定部81は、機械学習モデルである配偶者存否予測モデル113に、対象ユーザのユーザ特徴121を入力した際の出力に基づいて、対象ユーザの配偶者の存否を推定する。存否特定部81は、当該推定の結果を示す配偶者存否情報を生成する。
同様に、子存否情報を生成する際、存否特定部81は、機械学習モデルである子存否予測モデル114に、対象ユーザのユーザ特徴121を入力した際の出力に基づいて、対象ユーザの子どもの存否を推定する。存否特定部81は、当該推定の結果を示す子存否情報を生成する。
同様に、親存否情報を生成する際、存否特定部81は、機械学習モデルである親存否予測モデル115に、対象ユーザのユーザ特徴121を入力した際の出力に基づいて、対象ユーザの親の存否を推定する。存否特定部81は、当該推定の結果を示す親存否情報を生成する。
【0051】
配偶者存否予測モデル113、子存否予測モデル114、および親存否予測モデル115は、同様の構成を有する機械学習モデルであり、存否予測モデルと総称する。図10に、存否予測モデルの一例を示す。
存否予測モデルは、弱教師あり学習により学習されうる。存否予測モデルは、複数のラベル関数1001a~1001c(特に区別しない場合はラベル関数1001と総称する)および生成モデル1003を含む。ラベル関数1001a~1001cの出力1002a~1002c(特に区別しない場合は出力1002と総称する)は、生成モデル1003に入力され、生成モデル1003は、配偶者、子ども、または親の存否の推定結果を示すラベル1004を出力する。ここで、ラベル関数(ラベリング関数に相当)の数に特に制限はない。図10に示される機械学習モデルは、例えばSnorkelという名称で提供される公知のものであってよい。存否予測モデルにおいて決定されるラベル1004は、各ラベル関数1001の出力であってもよいし、その出力が所定の手法で統計処理された統計情報に基づいて推定された情報であってもよいし、各ラベル関数1001の出力に基づく統計情報に応じ多数決等のルールベースで決定された情報であってもよい。
【0052】
配偶者存否予測モデル113に含まれる複数のラベル関数1001のそれぞれは、対象ユーザのユーザ特徴121に基づいて、対象ユーザの配偶者が存在するか否かに関するスコアを出力する。
子存否予測モデル114に含まれる複数のラベル関数1001のそれぞれは、対象ユーザのユーザ特徴121に基づいて、対象ユーザの子どもが存在するか否かに関するスコアを出力する。
親存否予測モデル115に含まれる複数のラベル関数1001のそれぞれは、対象ユーザのユーザ特徴121に基づいて、対象ユーザの親が存在するか否かに関するスコアを出力する。
【0053】
生成モデル1003は、ラベル関数1001のそれぞれの重みに応じて、出力1002からラベル1004のスコアを算出する。生成モデル1003は、複数のラベル関数1001の出力および学習により決定される複数の関数の重みに基づいて、対象ユーザの配偶者、子ども、または親の存否を推定し、推定結果を示す存否情報を決定する。
【0054】
ラベル関数1001は、入力パラメータに対して仮のラベルとなる出力1002を生成する関数であり、操作者等により決定されてよい。出力1002の値は、例えば、negative(0)、positive(1)、skipの3つのうちいずれかであってよいし、何らかの値とskipであってもよい。生成モデル1003は、複数のラベル関数1001の複数の出力1002について算出されるラベルの確率に基づいて、損失が最小になるように学習される。学習においては、例えば、ラベル関数1001の出力1002ごとの重みが決定されてよい。また、この機械学習モデルは正解としてのラベルが存在しなくても学習することができる。
【0055】
配偶者存否予測モデル113において、例えば、以下に示すラベル関数1001が設けられてよい。ラベル関数1001の1つは、旅行関連予約サービス43に、ユーザによる大人2人の旅行予約の履歴が存在する(登録される)場合にpositiveを出力し、存在しない場合にnegativeを出力してよい。ラベル関数1001の他の1つは、オンラインモール41の会員情報に、ユーザの子どもに関する情報が登録されている場合にpositiveを出力し、登録されていない場合にnegativeを出力してよい。ラベル関数1001の他の1つは、カード管理システム44の登録情報に、既婚かつ子どもありまたは既婚と登録されている場合にpositiveを出力し、登録されていない場合にnegativeを出力してよい。
【0056】
子存否予測モデル114において、例えば以下に示すラベル関数1001が設けられてよい。ラベル関数1001の1つは、旅行関連予約サービス43に存在する(登録される)履歴において、最も予約の頻度の多い子どもの人数を出力してよい。ラベル関数1001の他の1つは、オンラインモール41の会員情報に登録される、ユーザの子どもの人数を出力してよい。ラベル関数1001の他の1つは、カード管理システム44の登録情報に格納される子どもの人数を出力してよい。なお、子どもの人数として、「0」、「1」、「2」、「3以上」のうちいずれかが出力されてよい。
【0057】
親存否予測モデル115において、例えば以下に示すラベル関数1001が設けられてよい。ラベル関数1001の1つは、オンラインモール41の会員情報に登録されるユーザの連絡先において、ユーザと同じ住所を有する者の人数を出力してよい。ラベル関数1001の他の1つは、カード管理システム44の登録情報に格納される親の人数を出力してよい。なお、親の人数として、「0」、「1」、「2」のうちいずれかが出力されてよい。
【0058】
図8の説明に戻り、世帯特定部82は、ユーザ1~Nのユーザ特徴121に基づいて、同居する1以上のユーザを含む世帯(同一世帯)を特定し、世帯情報を生成する。具体的には、世帯特定部82は、ユーザ1~Nから、ユーザ特徴121に含まれるユーザの住所および名字が同一の複数のユーザを選択し、当該選択した複数のユーザは、同居する同一世帯(以下、単に「世帯」と称しうる)であると特定し、当該選択した複数のユーザのユーザIDを含めた世帯情報を生成する。なお、住所については、完全同一ではなくとも、住所のうち建物名を覗く部分が一致し、類似性が高い場合に、同一とみなしてもよい。また、住所が同一であれば、名字が異なっていても、同居する同一世帯とみなしてもよい。また、世帯特定部82は、関係性グラフにも基づいて、世帯を特定してもよい。例えば、世帯特定部82は、同一住所の関係を有する1以上のユーザを含むグループを、同一世帯と特定しうる。
【0059】
家族特定部83は、ユーザ1~Nから対象ユーザを選択する。また、家族特定部83は、対象ユーザについて、存否情報と世帯情報とに基づいて、対象ユーザが配偶者(子ども、親)を有する場合に、配偶者(子ども、親)に対応するユーザが世帯情報に含まれるかを確認する。本実施形態では、家族特定部83により、対象ユーザは配偶者(または、子どもや親)を有するが、配偶者(または、子どもや親)に対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、当該配偶者(または、子どもや親)に対応するユーザを、「関連ユーザ」とも称する。ここで、関連ユーザとは、関係性グラフ内のユーザ1~Nとして明示されていない、家族特定部63により新たに推定されたユーザを指す。よって、関連ユーザは、前述した関係性グラフにおいて明示されない架空のユーザ(ユーザノード)に相当する。
【0060】
年齢推定部84は、家族特定部83により、対象ユーザは配偶者を有するが、配偶者に対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、当該配偶者に対応するユーザを特定し、その年齢を推定する。
同様に、年齢推定部84は、家族特定部83により、対象ユーザは子どもを有するが、子どもに対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、当該子どもに対応するユーザ特定し、その年齢を推定する。
同様に、家族特定部83により、対象ユーザは親を有するが、親に対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、当該親に対応するユーザ特定し、その年齢を推定する。
【0061】
本実施形態では、年齢推定部84による、配偶者、子、および親に対応するユーザの年齢推定は、それぞれ配偶者年齢予測モデル116、子年齢予測モデル117、および親年齢予測モデル118を用いて行われる。これらの年齢予測モデルは、存否予測モデルと同様の構成、例えばSnorkelという名称で提供される公知のものであってよい。年齢予測モデルは、各入力パラメータが与えられたラベル関数(ラベリング関数に相当)出力を利用し年齢予測を行うモデルであってよい。
【0062】
配偶者の年齢推定は、配偶者年齢予測モデル116を用いて行われる。配偶者年齢予測モデル116は、図10に示されるような弱教師ありの機械学習モデルであってよい。配偶者年齢予測モデル116には、例として、対象ユーザの年齢および性別、オンラインモール41の購入および閲覧履歴などの各種利用履歴を含む入力データが入力され、配偶者の予測年齢を出力してよい。なお、配偶者年齢予測モデル116は、関係性グラフにより互いに配偶者であると推定されたユーザのうち一方の年齢および性別、オンラインモール41の購入および閲覧履歴などの各種利用履歴を含む入力データと、他方の年齢の階層を正解データとする学習データにより学習されてよい。年齢の階層は、例えば各階層が5歳の範囲を含むように設定されてよい。
【0063】
子の年齢推定は、子年齢予測モデル117を用いて行われる。子年齢予測モデル117は、図10に示されるような弱教師ありの機械学習モデルであってよい。子年齢予測モデル117には、例として、対象ユーザの年齢および性別、オンラインモール41の購入および閲覧履歴、旅行関連予約サービス43に存在する宿泊予約などの各種利用履歴を含む入力データが入力され、子の予測年齢を出力してよい。なお、子年齢予測モデル117は、関係性グラフにより親子と推定されたユーザのうち親の年齢および性別、オンラインモール41の購入および閲覧履歴などの各種利用履歴を含む入力データと、子どもの年齢の階層を正解データとする学習データにより学習されてよい。年齢の階層は、例えば各階層が5歳の範囲を含むように設定されてよい。
【0064】
親の年齢推定は、親年齢予測モデル118を用いて行われる。親年齢予測モデル118は、図10に示されるような弱教師ありの機械学習モデルであってよい。親年齢予測モデル118は、例として、対象ユーザの年齢および性別、オンラインモール41で購入した商品の種類などの各種利用履歴を含む入力データが入力され、親の予測年齢を出力してよい。なお、親年齢予測モデル118は、関係性グラフにより親子と推定されたユーザのうち子の年齢および性別、オンラインモール41の購入および閲覧履歴などの各種利用履歴を含む入力データと、親の年齢の階層を正解データとする学習データにより学習されてよい。年齢の階層は、例えば各階層が5歳の範囲を含むように設定されてよい。
【0065】
世帯内関係登録部85は、世帯内関係グラフを生成し、同居する世帯内のユーザの関係を、当該世帯内関係グラフに登録(記録)する。世帯内関係グラフ(世帯内ユーザ情報)は、同居する世帯における複数ユーザの関係を示す関係グラフである。本実施形態では、世帯内関係登録部85は、世帯内関係グラフにおいて、複数ユーザの関係(配偶者、親、または子)の関係を示し、各ユーザについて、少なくとも、ユーザIDとユーザの年齢を登録する。
【0066】
次に、世帯状況を取得するための処理についてより詳細に説明する。図9は、世帯状況を取得し、世帯内関係グラフを生成する処理の一例のフローチャートである。
まず、世帯特定部82は、ユーザ1~Nのユーザ特徴121に基づいて、世帯毎に同居する1以上のユーザを特定し、世帯情報を取得する(S91)。世帯情報には、世帯毎に1以上のユーザのユーザIDが含まれる。
世帯情報が取得されると、家族特定部83は、ユーザ1~Nから対象ユーザを選択する(S92)。この処理において、家族特定部83は、世帯特定部82により特定された、同居する世帯の1以上のユーザを順に対象ユーザを選択してもよいし、任意の順で対象ユーザを選択してもよい。
【0067】
存否特定部32は、対象ユーザの配偶者存否情報を取得し、世帯内関係登録部85は、当該情報に基づいて、対象ユーザと配偶者のユーザとの関係を、世帯内関係グラフに登録する(S93)。例えば、世帯内関係登録部85は、配偶者存否情報が、対象ユーザが配偶者を有することを示す場合、世帯IDを生成し、当該世帯IDの世帯内関係グラフにおいて、対象ユーザのIDと配偶者のユーザのIDをリンク付けて登録する。ここで、世帯内関係登録部85は、対象ユーザと配偶者のユーザの年齢も登録する。
【0068】
次に、家族特定部83は、配偶者存否情報と世帯情報に基づいて、対象ユーザが配偶者を有する場合に、配偶者に対応するユーザが世帯情報に含まれるかを確認する。そして、家族特定部83により、対象ユーザは配偶者を有するが、配偶者に対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、年齢推定部84は、配偶者年齢予測モデル116を用いて、当該配偶者に対応するユーザ(関連ユーザ)の年齢を推定する(S94)。推定後、世帯内関係登録部85は、関連ユーザのユーザIDを生成し、当該ユーザIDと推定した年齢を、世帯内関係グラフに登録する。
【0069】
続いて、S93とS94における配偶者に関連する処理と同様の処理が、S95とS96における子に関連する処理で行われる。なお、世帯内関係グラフへの登録処理は、重複する場合は行われなくてもよい。
存否特定部32は、対象ユーザの子存否情報を取得し、世帯内関係登録部85は、当該情報に基づいて、対象ユーザと子どものユーザとの関係を、世帯内関係グラフに登録する(S95)。例えば、世帯内関係登録部85は、子存否情報が、対象ユーザが子どもを有することを示す場合、世帯IDを生成し、当該世帯IDの世帯内関係グラフにおいて、対象ユーザのIDと子どものユーザのIDをリンク付けて登録する。ここで、世帯内関係登録部85は、対象ユーザと子どものユーザの年齢も登録する。
【0070】
次に、家族特定部83は、子存否情報と世帯情報に基づいて、対象ユーザが子どもを有する場合に、子どもに対応するユーザが世帯情報に含まれるかを確認する。そして、家族特定部83により、対象ユーザは子どもを有するが、子どもに対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、年齢推定部84は、当該子どもに対応するユーザ(関連ユーザ)の年齢を推定する(S96)。推定後、世帯内関係登録部85は、関連ユーザのユーザIDを生成し、当該ユーザIDと推定した年齢を、世帯内関係グラフに登録する。
【0071】
続いて、S93とS94における配偶者に関連する処理と同様の処理が、S97とS98における親に関連する処理で行われる。なお、世帯内関係グラフへの登録処理は、重複する場合は行われなくてもよい。
存否特定部32は、対象ユーザの親存否情報を取得し、世帯内関係登録部85は、当該情報に基づいて、対象ユーザと親のユーザとの関係を、世帯内関係グラフに登録する(S97)。例えば、世帯内関係登録部85は、子存否情報が、対象ユーザが親を有することを示す場合、世帯IDを生成し、当該世帯IDの世帯内関係グラフにおいて、対象ユーザのIDと親のユーザのIDをリンク付けて登録する。ここで、世帯内関係登録部85は、対象ユーザと親のユーザの年齢も登録する。
【0072】
次に、家族特定部83は、親存否情報と世帯情報に基づいて、対象ユーザが親を有する場合に、親に対応するユーザが世帯情報に含まれるかを確認する。そして、家族特定部83により、対象ユーザは親を有するが、親に対応するユーザが世帯情報に含まれないと確認された場合に、年齢推定部84は、当該親に対応するユーザ(関連ユーザ)の年齢を推定する(S98)。推定後、世帯内関係登録部85は、関連ユーザのユーザIDを生成し、当該ユーザIDと推定した年齢を、世帯内関係グラフに登録する。
【0073】
そして、家族特定部34は、ユーザ1~Nのうち、まだ選択されていないユーザが存在するか判定する(S99)。選択されていないユーザが存在する場合は(S99でYes)、処理はS92へ戻り、それ以外の場合は(S99でNo)、図9の処理を終了する。また、世帯内関係登録部85は、世帯ごとの世帯内関係グラフの生成を完了する。
【0074】
図9に示す処理により、世帯内関係グラフにおいて、同一世帯に含まれる複数のユーザ間の関係が明確になるだけでなく、世帯内に存在する人物であるがユーザ登録されていない人物(すなわち、関連ユーザ)を検出することが可能になる。
【0075】
図11に、世帯内関係グラフの例を示す。図11に示す世帯内関係グラフ1100は、同居する世帯の関係グラフの例である。世帯内関係グラフ1100は、世帯IDが「Household_1300」であり、ユーザ1101、1102、および関連ユーザ1103を含む。ユーザ1101、1102のような、存否情報にも世帯情報にも含まれるユーザを「事実ユーザ」とも称する。ユーザ1101とユーザ1102の楕円中に記載された文字列(「1301」、「1302」)は、ユーザIDを示し、関連ユーザ1103の楕円中に記載された文字列(「associated_1303」)は、世帯内関係登録部85が関連ユーザを記録する際に生成(付与)したユーザIDを示す。また、横線のみで接続されるユーザ(または関連ユーザ)は互いに配偶者であることを示し、その横線から下に延びる縦線に接続されるユーザ(または関連ユーザ)は子どもを示す。
【0076】
さらに、世帯内関係登録部85は、生成した世帯内関係グラフに基づいて、各世帯についての世帯内データを出力する。図12に、各世帯についての世帯内データの例を示す。図11の世帯内関係グラフ1100の場合、世帯ID=「Household_1300」の世帯内データは、複数ユーザそれぞれの、ユーザIDと年齢を含むように構成される。なお、図12の例では、世帯内データは、各ユーザの年齢を含むように構成されているが、各ユーザの性別や、複数ユーザ間の関係(配偶者、子、または親)の関係、世帯の住所といった他の情報を含むように構成されてもよい。世帯内データが世帯の住所を含む場合、世帯内関係登録部85は、住所が近い(例えば、同じ市や町、宅配便の一配送人による配送エリア等)複数の世帯をグループ化して管理してもよい。
【0077】
[配送スケジュールの決定手順]
世帯状況が取得され、世帯内関係グラフが生成されると、配送スケジュール決定部104は、配送スケジュール決定処理を開始する。本実施形態では、情報処理装置10は、(1)配送リクエストを取得して配送世帯リストを生成し、(2)学習済みの在宅予測モデル111を用いて、複数世帯の各ユーザについての在宅時間帯を予測し、(3)予測した在宅時間帯に基づいて配送スケジュールを決定する。以下、(1)から(3)の処理について、順に説明する。
【0078】
(1)配送リクエストの取得と配送世帯リストの生成
情報処理装置10の配送スケジュール決定部104は、複数ユーザ宛ての荷物の配送リクエストを取得し、当該配送リクエストから配送世帯リストを生成する。配送リクエストは、操作者により入力部(図15の入力部1505)を介して入力されてもよいし、通信部(図15の通信I/F1507)を介して入力されてもよい。あるいは、当該配送リクエストは、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(図15のROM1502やRAM1503)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0079】
配送リクエストには、複数の荷物それぞれについて配送に必要な情報が含まれ、少なくとも、複数の宛先ユーザの情報が含まれる。また、配送リクエストは、当該複数の宛先ユーザそれぞれの宛先住所(異なる宛先住所)の情報が含まれうる。図13Aに、配送リクエストの取得処理と配送世帯リストの生成処理の概念図を示す。具体的には、図13Aは、配送スケジュール決定部104が、配送リクエスト130を取得し、配送リクエスト130から配送世帯リスト131を生成することを示している。配送リクエスト130は、複数の宛先ユーザの情報として、3つのユーザIDを含む(ユーザID=1302、1311、1323)。配送リクエスト130は、あらかじめユーザIDの情報を含んでいてもよいし、情報処理装置10や他の装置が、宛先ユーザに関する任意の情報から、ユーザIDの情報を生成して、配送リクエスト130に含めてもよい。
また、配送リクエスト130に含まれる複数の宛先ユーザは、それぞれの住所が近い(例えば、同じ市や町、宅配便の一配送人による配送エリア等)ユーザとなるように構成されている。すなわち、配送リクエスト130に含まれる宛先住所(複数の宛先住所)の情報は、近隣に位置する(すなわち、所定の距離的範囲内にある)住所の情報を含みうる。配送リクエスト130は、あらかじめ住所が近い宛先ユーザを含むように構成されていてもよいし、情報処理装置10や他の装置が、住所が近い宛先ユーザを含むように配送リクエスト130を生成してもよい。
【0080】
配送スケジュール決定部104は、配送リクエスト130から、世帯状況取得部103により生成された世帯内関係グラフおよび/または世帯データ(図11図12を参照)に基づいて、配送世帯リスト131を生成する。配送世帯リスト131は、ユーザID=1302、1311、1323のそれぞれのユーザと同居する世帯と識別された他のユーザを、世帯ごとに含むリストである。配送世帯リスト131は、世帯ユーザリスト1300、1310、1320を含む。各世帯ユーザリストは、宛先ユーザと、世帯内関係グラフおよび/または世帯データから、同居する同一世帯と識別された1以上のユーザとを含む。
【0081】
世帯ユーザリスト1300は、配送リクエスト130に含まれるユーザID=1302のユーザと同居する世帯と識別された他のユーザであるユーザID=1301のユーザと、ユーザID=1303のユーザを含む。同様に、世帯ユーザリスト1310は、配送リクエスト130に含まれるユーザID=1311のユーザと同居する世帯と識別された他のユーザであるユーザID=1312のユーザと、ユーザID=1313のユーザを含む。同様に、世帯ユーザリスト1320は、配送リクエスト130に含まれるユーザID=1323のユーザと同居する世帯と識別された他のユーザであるユーザID=1321のユーザと、ユーザID=1322のユーザを含む。
【0082】
(2)複数世帯の各ユーザについての在宅時間の予測
配送世帯リスト131の生成後、配送スケジュール決定部104は、在宅予測モデル111を用いて、配送世帯リスト131に含まれる全ユーザのそれぞれの在宅時間帯を予測する。図13Bに、複数世帯の各ユーザについての在宅時間の予測処理の概念図を示す。
【0083】
在宅予測モデル111は、例えば、ランダムフォレストモデルや勾配ブースティング決定木モデルなどの決定木モデルによる学習モデルである。在宅予測モデル111は、ユーザ特徴取得部101により取得されたユーザ特徴と、当該ユーザ特徴の少なくともいずれかに紐づけられた過去の配達履歴(正解データ(ラベル))との組み合わせを教師データとして用いて、学習済みの学習モデルである。当該過去の配達履歴は、任意のユーザがウェブサービスを利用して過去に購入した商品の配達完了(配達成功)の際の配達日時情報を含む。当該配達日時情報は、例えば、配達された日の種別(例えば、日にち、曜日、祝日、年末年始期間、夏休み期間等)と配達された時間帯(タイムスロット)(例えば、午前中、18時~20時等)を含む。また、配達日時は、配送サービスが配送可能な時間を含み、本実施形態では、午前9時から午後11時とする。
【0084】
学習済みの在宅予測モデル111は、一世帯の任意の対象ユーザのユーザ特徴と、当該対象ユーザと同居する同一世帯と識別された1以上の他のユーザのユーザ特徴とを入力として、対象ユーザの所定の日における所定の時間帯の在宅可能性を予測(出力)するように構成される。
配送スケジュール決定部104は、対象ユーザのユーザ特徴と、当該対象ユーザと同一世帯と識別された1以上の他のユーザのユーザ特徴と、日の種別(例えば、日にち、曜日、祝日等)とを、在宅予測モデル111に入力し、当該日の種別で示される日における当該対象ユーザの在宅時間帯を予測する。具体的には、在宅予測モデル111は、当該入力に対して、対象ユーザが、当該日の種別で示される日における所定の時間帯(例えば1時間毎の時間帯)に在宅可能性を0から1の数値で出力する。そして、配送スケジュール決定部104は、当該数値が所定の閾値(例えば、0.7)以上である全時間帯を、在宅時間帯として予測(導出)する。なお、配送スケジュール決定部104は、当該数値が各ユーザおよび/または各時間帯の当該数値における平均値などの統計値以上である時間帯を、在宅時間帯として予測(導出)してよい。なお、配送スケジュール決定部104は、当該数値が各ユーザおよび/または各時間帯の当該数値における上位M(M>0)の時間帯を、在宅時間帯として予測(導出)してよい。
【0085】
対象ユーザがユーザID=1301の場合、ユーザID=1301のユーザのユーザ特徴121と、ユーザID=1302のユーザおよび/またはユーザID=1303のユーザ特徴121、および日の種別(例えば、日にち、曜日、祝日等)132が在宅予測モデル111に入力され、日の種別132で示される日において、ユーザID=1301のユーザの在宅時間帯が予測される。配送スケジュール決定部104は、世帯ユーザリスト1300、1310、1320の全ユーザについて、在宅時間帯の予測を行い、予測された在宅時間帯を含む予測在宅時間帯リスト133を生成する。荷物の依頼ユーザが配送日時を指定した場合は、日の種別132および予測可能な在宅時間帯は、当該指定された日時に限定されうる。
【0086】
予測在宅時間帯リスト133は、各ユーザIDついて、日の種別132で示される日における予測在宅時間帯を示す。例えば、世帯ユーザリスト1300では、ユーザID=1301のユーザは、午後3時から6時まで在宅、ユーザID=1302のユーザは、午後5時から11時まで在宅、ユーザID=1303のユーザは、午前9時から午後10時まで在宅、と予測される。なお、前述したように、本実施形態では、配送サービスが配送可能な時間を午前9時から午後11時として、在宅予測モデル111が学習されている。そのため、在宅予測モデル111は、午後11時から午前9時まで(配送不可能時間帯)の在宅可能性は予測しないように構成されている。別の実施形態として、当該配送不可能時間帯における在宅可能性が予測されてもよい。
【0087】
在宅予測モデル111に入力されるユーザ特徴121は、例えば、デモグラフィック情報(性別、年齢、居住地域、職業、家族構成等の人口統計学的なユーザ属性)、ジオデータ(ユーザ装置の時間帯(タイムスロット)ごとの位置情報)、ユーザ装置のIPアドレス(送信元アドレス)でありうる。さらに、ユーザのウェブサービスの利用に関する情報等、各ユーザが有しうる全ての特徴のデータが在宅予測モデル111に入力されてもよい。
【0088】
また、対象ユーザと同一世帯と識別された1以上の他のユーザのユーザ特徴については、重みづけして用いてもよい。例えば、親密度スコアが高いユーザのユーザ特徴については高い重みづけを付与し、親密度スコアが低いユーザのユーザ特徴については低い重みづけを付与して、在宅予測モデル111に入力してもよい。
【0089】
(3)予測した在宅時間帯に基づく配送スケジュールの決定
予測在宅時間帯リスト133の生成後、配送スケジュール決定部104は、当該リストに基づいて配送スケジュールを決定する。図13Cに、予測した在宅時間帯に基づく配送スケジュールの決定処理の概念図を示す。配送スケジュール決定部104は、予測在宅時間帯リスト133において、複数の世帯で共通する予測在宅時間帯を抽出する。例えば、配送スケジュール決定部104は、宛先ユーザに関係なく、世帯ごとの予測在宅時間帯を作成し、複数の世帯で共通する予測在宅時間帯を抽出し、当該時間帯を配送時間帯として決定する。
【0090】
図13Cの例では、配送スケジュール決定部104は、ユーザID=1303、ユーザID=1311、ユーザID=1322のユーザの予測在宅時間帯が、午前9時から11時の時間帯で共通するため、当該時間帯を抽出することができる。配送スケジュール決定部104は、抽出した予測在宅時間帯(配送時間帯)を含めた、配送スケジュール134を生成する。
【0091】
また、配送スケジュール決定部104は、各世帯の住所に基づいて、配送順序を決定し、当該配送順序を、配送スケジュール134に含めてもよい。例えば、配送スケジュール134は、各世帯の住所に基づいて、営業所(配送開始ポイント)から全ての世帯を回って営業所に戻る効率的(例えば最短)な配送ルートを導出し、当該配送ルートもしくは、当該配送ルートに従う配送順序を、配送スケジュール134に含めてもよい。
【0092】
このように、事実ユーザを含み、当該事実ユーザに関連する関連ユーザを含みうる世帯における全ユーザの在宅時間帯を予測することにより、世帯毎の在宅可能性を高い精度で予測することが可能となる。また、このような在宅時間帯の予測を、近隣の複数の世帯に対して行うことにより、当該近隣の複数の世帯における在宅可能性を高い精度で予測することができ、当該複数の世帯に含まれる複数の宛先ユーザ宛ての荷物の配送成功可能性が向上する。
【0093】
なお、本実施形態では、各世帯に関連ユーザが含まれる場合に、当該関連ユーザの在宅可能性も予測したが、当該関連ユーザの年齢が所定範囲にあるか否かにより、予測の対象とするかを決定してもよい。例えば、関連ユーザの年齢が10歳未満の場合、一般的に安全面等の観点から荷物の受取が困難と考えられるため、所定年齢(例えば、10歳)以上や、中学生以上といった、より高い年齢の関連ユーザを、在宅可能性予測の対象としてもよい。また、例えば、関連ユーザが高齢である場合でも、一般的に安全面等の観点から荷物の受取が困難である可能性が考えられるため、所定年齢(例えば、80歳)以下といった、より低い年齢の関連ユーザを、在宅可能性予測の対象としてもよい。すなわち、所定範囲の年齢の関連ユーザを、在宅可能性予測の対象としてもよい。
【0094】
[全体の処理の流れ]
図14に、本実施形態による情報処理装置10により実行される全体の処理のフローチャートを示す。図14の説明のために、図1に示した情報処理システムを参照する。
【0095】
S1401において、ユーザ特徴取得部101は、ユーザ装置11-1~11-Nから、各ユーザのユーザ特徴を取得し、ユーザ特徴121としてユーザ特徴記憶部120に格納する。S1401の処理は、過去の一定の期間におけるユーザ特徴および推定したユーザ特徴の取得(収集)処理でありうる。
【0096】
S1402において、グラフ作成部102は、ユーザ特徴取得部101により取得されたユーザ特徴121を用いて、ユーザ1~Nについての関係性グラフを作成する。関係性グラフの作成手順は、上述の通りである。
S1403において、世帯状況取得部103は、世帯状況を取得し、世帯内関係グラフを生成する。世帯状況を取得と世帯内関係グラフを生成手順は、上述の通りである。
【0097】
S1404において、配送スケジュール決定部104は、配送リクエストを取得し、配送世帯リストを生成する。配送リクエストには、複数の荷物それぞれについて配送に必要な情報が含まれ、少なくとも、複数の宛先ユーザの情報が含まれる。配送リクエストと配送世帯リストの例は、図13Aの配送リクエスト130と配送世帯リスト131である。
【0098】
S1405において、配送スケジュール決定部104は、S1404で生成した配送世帯リストにおける全ユーザに対して、特定の日(日の種別(例えば、日にち、曜日、祝日等)で示される日)における在宅時間帯を予測する。上述したように、本実施形態では、配送スケジュール決定部104は、在宅予測モデル111を用いて、全ユーザに対して在宅時間帯を予測する。
【0099】
S1406において、配送スケジュール決定部104は、S1405において予測された在宅時間帯に基づいて、複数の世帯で共通する予測在宅時間帯を抽出する。続いて、配送スケジュール決定部104は、抽出した予測在宅時間帯を含めた、配送スケジュールを生成する。また、配送スケジュール決定部104は、各世帯の住所に基づいて、配送順序を決定し、当該配送順序を、配送スケジュールに含めてもよい。
【0100】
S1407において、出力部105は、S1406で生成された配送スケジュールを出力する。出力部107は、配送スケジュールに関する情報を生成して、外部装置(不図示)へ出力してもよい。配送スケジュールに関する情報は、例えば、地図上の各世帯の位置情報や、道路の混雑状況に基づく各世帯への到着予測時刻といった情報である。
【0101】
なお、本実施形態では、配送リクエストは、あらかじめ住所が近い(例えば、同じ市や町、宅配便の一配送人による配送エリア等)宛先ユーザを含むように構成されていることを想定したが、配送リクエストに含まれる宛先ユーザの住所の範囲をより広げてもよい。この場合、例えば、情報処理装置10は、上述の手順に従って、特定の日について宛先ユーザを含む複数の世帯について在宅時間帯を予測し、予測の結果に従って、一配送人による配送エリアにおける配送スケジュールを決定してもよい。
【0102】
[情報処理装置10のハードウェア構成]
図15は、本実施形態による情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態による情報処理装置10は、単一または複数の、あらゆるコンピュータ、モバイルデバイス、または他のいかなる処理プラットフォーム上にも実装することができる。
図15を参照して、情報処理装置10は、単一のコンピュータに実装される例が示されているが、本実施形態による情報処理装置10は、複数のコンピュータを含むコンピュータシステムに実装されてよい。複数のコンピュータは、有線または無線のネットワークにより相互通信可能に接続されてよい。
【0103】
図15に示すように、情報処理装置10は、CPU1501と、ROM1502と、RAM1503と、HDD1504と、入力部1505と、表示部1506と、通信I/F1507と、システムバス1508とを備えてよい。情報処理装置10はまた、外部メモリを備えてよい。
CPU(Central Processing Unit)1501は、情報処理装置10における動作を統括的に制御するものであり、データ伝送路であるシステムバス1508を介して、各構成部(1502~1507)を制御する。
【0104】
ROM(Read Only Memory)1502は、CPU1501が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する不揮発性メモリである。なお、当該プログラムは、HDD(Hard Disk Drive)1504、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリや着脱可能な記憶媒体(不図示)等の外部メモリに記憶されていてもよい。
RAM(Random Access Memory)1503は、揮発性メモリであり、CPU1501の主メモリ、ワークエリア等として機能する。すなわち、CPU1501は、処理の実行に際してROM1502から必要なプログラム等をRAM1503にロードし、当該プログラム等を実行することで各種の機能動作を実現する。図2に示す学習モデル記憶部110とユーザ特徴記憶部120は、RAM1503で構成されうる。
【0105】
HDD1504は、例えば、CPU1501がプログラムを用いた処理を行う際に必要な各種データや各種情報等を記憶している。また、HDD1504には、例えば、CPU1501がプログラム等を用いた処理を行うことにより得られた各種データや各種情報等が記憶される。
入力部1505は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスにより構成される。
表示部1506は、液晶ディスプレイ(LCD)等のモニターにより構成される。表示部1506は、入力部1505と組み合わせて構成されることにより、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。
【0106】
通信I/F1507は、情報処理装置10と外部装置との通信を制御するインタフェースである。
通信I/F1507は、ネットワークとのインタフェースを提供し、ネットワークを介して、外部装置との通信を実行する。通信I/F1507を介して、外部装置との間で各種データや各種パラメータ等が送受信される。本実施形態では、通信I/F1507は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に準拠する有線LAN(Local Area Network)や専用線を介した通信を実行してよい。ただし、本実施形態で利用可能なネットワークはこれに限定されず、無線ネットワークで構成されてもよい。この無線ネットワークは、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等の無線PAN(Personal Area Network)を含む。また、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)や、WiMAX(登録商標)等の無線MAN(Metropolitan Area Network)を含む。さらに、LTE/3G、4G、5G等の無線WAN(Wide Area Network)を含む。なお、ネットワークは、各機器を相互に通信可能に接続し、通信が可能であればよく、通信の規格、規模、構成は上記に限定されない。
【0107】
図2に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能は、CPU1501がプログラムを実行することで実現することができる。ただし、図2に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU1501の制御に基づいて動作する。
【0108】
[ユーザ装置11のハードウェア構成]
図1に示すユーザ装置11のハードウェア構成は、図15と同様でありうる。すなわち、ユーザ装置11は、CPU1501と、ROM1502と、RAM1503と、HDD1504と、入力部1505と、表示部1506と、通信I/F1507と、システムバス1508とを備えうる。ユーザ装置11は、情報処理装置10により提供された各種情報を、表示部1506に表示し、GUI(入力部1505と表示部1506による構成)を介してユーザから受け付ける入力操作に対応する処理を行うことができる。
【0109】
このように、情報処理装置10は、複数のユーザのユーザ特徴から、ユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフネットワーク(関係性グラフ)を作成し、当該関係性グラフを用いて、世帯状況を取得する。そして、情報処理装置10は、世帯における全ユーザの在宅時間帯を予測し、世帯毎の在宅可能性を予測する。また、情報処理装置10は、このような在宅時間帯の予測を、複数の世帯に対して行い、配送スケジュールを決定する。結果として、当該複数の世帯における在宅可能性を高い精度で予測した適切な配送スケジュールを、効率的、かつ、自動的に決定することができ、配送業者による再配達リスクが減少しうる。
【0110】
なお、上記において特定の実施形態が説明されているが、当該実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に記載された装置および方法は上記した以外の形態において具現化することができる。また、本発明の範囲から離れることなく、上記した実施形態に対して適宜、省略、置換および変更をなすこともできる。かかる省略、置換および変更をなした形態は、請求の範囲に記載されたものおよびこれらの均等物の範疇に含まれ、本発明の技術的範囲に属する。
【0111】
本実施形態の開示は以下の構成を含む。
[1]複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得手段と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測手段と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定手段と、を有する情報処理装置。
【0112】
[2]前記ユーザ特徴に基づいて、前記関係性グラフを作成する作成手段を更に有する、[1]に記載の情報処理装置。
【0113】
[3]前記ユーザ特徴は、ユーザについて事実特徴と、前記事実特徴に基づいて推定される推定ユーザ特徴を含む、[1]または[2]に記載の情報処理装置。
【0114】
[4]前記異なる宛先住所は、所定の距離的範囲内にある住所である、[1]から[3]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0115】
[5]前記世帯状況取得手段は、前記関係性グラフに基づいて、各世帯について、配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有する事実ユーザと、配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有すると予測される関連ユーザを特定し、前記事実ユーザと前記関連ユーザの情報を含めた前記世帯内ユーザ情報を生成する、[1]から[4]に記載の情報処理装置。
【0116】
[6]前記世帯状況取得手段は、さらに、前記ユーザ特徴から前記事実ユーザの年齢の情報を取得し、前記関連ユーザの年齢を予測する、[5]に記載の情報処理装置。
【0117】
[7]前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザと、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザのうち、所定範囲の年齢のユーザそれぞれの在宅時間帯を予測する、[5]に記載の情報処理装置。
【0118】
[8]前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザのユーザ特徴と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザそれぞれのユーザ特徴を入力として、所定の日における在宅時間帯を出力するように構成された機械学習モデルを用いて、前記在宅時間帯を予測する、[1]から[7]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0119】
[9]前記決定手段は、前記異なる宛先住所に対応する複数の世帯の1以上のユーザに対して予測された在宅時間帯のうち、当該複数の世帯で共通の時間帯を配送時間帯として決定し、当該配送時間帯を前記配送スケジュールとして決定する、[1]から[8]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0120】
[10]前記決定手段は、前記異なる宛先住所に基づいて、最短な配送ルートを決定し、前記配送時間帯と配送ルートとを、前記配送スケジュールとして決定する、[9]に記載の情報処理装置。
【0121】
[11]複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得工程と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測工程と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定工程と、を含む情報処理方法。
【0122】
[12]情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得処理と、ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測処理と、前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
【符号の説明】
【0123】
1~N:ユーザ、10:情報処理装置、11-1~11-N:ユーザ装置、101:ユーザ特徴取得部、102:グラフ作成部、103:世帯状況取得部、104:配送スケジュール決定部、105:出力部、110:学習モデル記憶部、111:在宅予測モデル、112:スコア予測モデル、113:配偶者存否予測モデル、114:子存否予測モデル、115:親存否予測モデル、116:配偶者年齢予測モデル、117:子年齢予測モデル、118:親年齢予測モデル、119:ユーザ特徴予測モデル、120:ユーザ特徴記憶部、121:ユーザ特徴
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得手段と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測手段と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ特徴に基づいて、前記関係性グラフを作成する作成手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ特徴は、ユーザについて事実特徴と、前記事実特徴に基づいて推定される推定ユーザ特徴を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記異なる宛先住所は、所定の距離的範囲内にある住所である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記世帯状況取得手段は、前記関係性グラフに基づいて、各世帯について、
配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有する事実ユーザと、
配偶者、子ども、および親の少なくともいずれかの関係を有すると予測される関連ユーザを特定し、
前記事実ユーザと前記関連ユーザの情報を含めた前記世帯内ユーザ情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記世帯状況取得手段は、さらに、前記ユーザ特徴から前記事実ユーザの年齢の情報を取得し、前記関連ユーザの年齢を予測する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザと、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザのうち、所定範囲の年齢のユーザそれぞれの在宅時間帯を予測する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予測手段は、前記複数の宛先ユーザのユーザ特徴と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上のユーザそれぞれのユーザ特徴を入力として、所定の日における在宅時間帯を出力するように構成された機械学習モデルを用いて、前記在宅時間帯を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記異なる宛先住所に対応する複数の世帯の1以上のユーザに対して予測された在宅時間帯のうち、当該複数の世帯で共通の時間帯を配送時間帯として決定し、当該配送時間帯を前記配送スケジュールとして決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記異なる宛先住所に基づいて、最短な配送ルートを決定し、
前記配送時間帯と配送ルートとを、前記配送スケジュールとして決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得工程と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測工程と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該情報処理プログラムは、前記コンピュータに、
複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフに基づいて、各世帯について、同居する1以上のユーザで構成される世帯内ユーザ情報を生成する世帯状況取得処理と、
ユーザの特徴を表すユーザ特徴、前記世帯内ユーザ情報、および、複数の荷物に対する異なる宛先住所の複数の宛先ユーザの情報に基づいて、前記複数の宛先ユーザそれぞれの在宅時間帯と、前記複数の宛先ユーザそれぞれと同居する世帯の1以上の他のユーザの在宅時間帯を予測する予測処理と、
前記予測の結果に基づいて、前記複数の荷物に対する配送スケジュールを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。