(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047954
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240401BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240401BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240401BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/16 540
G06T19/00 300A
G06T19/00 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153740
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】518359432
【氏名又は名称】株式会社m-Lab
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】村上 進也
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA08
5B050BA09
5B050CA07
5B050DA04
5B050EA07
5B050EA12
5B050FA05
5B050FA10
5E555AA27
5E555AA64
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC17
5E555BE17
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB32
5E555CC03
5E555CC26
5E555DB32
5E555DB42
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC19
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザがコンテンツを効果的に視聴する。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、区画領域に訪問したユーザに対応するアバターの行動ログ50Dを記憶する記憶手段50、区画領域にユーザが訪問した場合に、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、当該区画領域に関するコンテンツとともに、行動ログ50Dに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる制御手段52、として機能させ、制御手段52は、行動を視聴させる第二アバターの数を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の区画領域を含む仮想空間において、ユーザが訪問した区画領域に関するコンテンツを視聴させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記区画領域に訪問したユーザに対応するアバターの行動ログを記憶する記憶手段、
前記区画領域にユーザが訪問した場合に、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、当該区画領域に関するコンテンツとともに、前記行動ログに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、前記行動を視聴させる第二アバターの数を制御する、
プログラム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第一アバターと前記第二アバターの合計数を所定数以下に制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記区画領域が広いほど、前記所定数を高くする、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第一アバターの数と前記第二アバターの数との割合が所定割合となるように制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記行動ログに基づいて前記行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記行動ログに基づいて前記行動した回数が少ない第二アバターと当該回数が多い第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第一アバターと前記第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記行動ログが記憶された時期に応じて、前記第二アバターの態様を変更させて視聴させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記区画領域にユーザが訪問した場合に、前記行動ログに基づいて第二アバターの行動を途中から視聴させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記行動は、ユーザによる音声通話を含み、
前記制御手段は、前記区画領域において前記音声通話が開始された場合に、当該音声通話の音声を強調させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
一又は複数の区画領域を含む仮想空間において、ユーザが訪問した区画領域に関するコンテンツを視聴させるための情報処理装置であって、
前記区画領域に訪問したユーザに対応するアバターの行動ログを記憶する記憶手段と、
前記区画領域にユーザが訪問した場合に、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、当該区画領域に関するコンテンツとともに、前記行動ログに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記行動を視聴させる第二アバターの数を制御する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザそれぞれに対応する各アバターをコンテンツ内に配置し、各アバターを表示させるコンテンツ提供システムが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、過去にコンテンツを視聴したユーザに対応するアバターが、コンテンツとともに再生される技術が開示されている。この技術によれば、各ユーザがコンテンツを再生する度に、アバターがコンテンツに追加されるため、コンテンツの内容を賑やかにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、コンテンツを視聴したユーザが増えるほど、コンテンツに追加されるアバターの数が増えてしまうため、コンテンツが視聴しにくくなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがコンテンツを効果的に視聴することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、一又は複数の区画領域を含む仮想空間において、ユーザが訪問した区画領域に関するコンテンツを視聴させるためのプログラムであって、コンピュータを、前記区画領域に訪問したユーザに対応するアバターの行動ログを記憶する記憶手段、前記区画領域にユーザが訪問した場合に、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、当該区画領域に関するコンテンツとともに、前記行動ログに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる制御手段、として機能させ、前記制御手段は、前記行動を視聴させる第二アバターの数を制御する。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記制御手段は、前記第一アバターと前記第二アバターの合計数を所定数以下に制御する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記制御手段は、前記区画領域が広いほど、前記所定数を高くする。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記制御手段は、前記第一アバターの数と前記第二アバターの数との割合が所定割合となるように制御する。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記制御手段は、前記行動ログに基づいて前記行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させる。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記制御手段は、前記行動ログに基づいて前記行動した回数が少ない第二アバターと当該回数が多い第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記制御手段は、前記第一アバターと前記第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記制御手段は、前記行動ログが記憶された時期に応じて、前記第二アバターの態様を変更させて視聴させる。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記制御手段は、前記区画領域にユーザが訪問した場合に、前記行動ログに基づいて第二アバターの行動を途中から視聴させる。
【0016】
また、本発明の第十態様では、前記行動は、ユーザによる音声通話を含み、前記制御手段は、前記区画領域において前記音声通話が開始された場合に、当該音声通話の音声を強調させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザがコンテンツを効果的に視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の本実施形態に係るコンテンツ提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す端末装置としてのスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るコンテンツ提供システムにおいて、
図4に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る仮想空間画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、本発明の本実施形態に係るコンテンツ提供システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、コンテンツ提供システム1は、サーバ装置10と、複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0022】
サーバ装置10は、各種制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。このサーバ装置10は、例えば、オンラインイベントの開催者(サービス提供者)によって管理されている。
【0023】
端末装置12は、ユーザや出展者が操作する情報処理装置である。端末装置12は、例えば、第一端末装置12Aと、第二端末装置12Bと、を含む。端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0024】
第一端末装置12Aは、例えば、各ユーザが操作する装置である。ユーザは、第一端末装置12Aを用いて、オンラインイベントが開催されている仮想空間に含まれる一又は複数の区画領域を訪問し、当該区画領域に関するコンテンツを視聴することができる。この区画領域やコンテンツの詳細については後述する。
また、ユーザは、第一端末装置12Aを用いて、他の第一端末装置12Aを操作するユーザ(ユーザに対応するアバター)や、第二端末装置12Bを操作する出展者(出展者に対応するアバター)とコミュニケーションを行うことができる。このコミュニケーションとしては、音声通話や、ビデオ通話、チャット等が挙げられる。
【0025】
第二端末装置12Bは、例えば、各出展者が操作する装置である。出展者としては、例えば、個人や企業、学校、団体(グループ)、自治体等が挙げられるが、これに限られない。この出展者は、単に登壇者や発表者であってもよい。また、この出展者は、第二端末装置12Bを用いて、第一端末装置12Aを操作するユーザとコミュニケーション(例えば、音声による対話やビデオ通話、チャット等)を行うことができる。本実施形態では、出展者は、このコミュニケーションによって、例えば、ユーザからの質問に回答することや、ユーザの名刺情報を取得すること等ができる。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0028】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0029】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0031】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0032】
図3は、
図1に示す端末装置12としてのスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、端末装置12は、主制御部30と、タッチパネル(タッチスクリーン)32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、記憶部40と、スピーカ42と、を備える。
【0034】
主制御部30は、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)、メモリ等を含んで構成される。この主制御部30には、表示入力装置としてのタッチパネル32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、記憶部40と、スピーカ42と、に接続されている。そして、主制御部30は、これら接続先を制御する機能を有する。
【0035】
主制御部30では、GPUがメモリ或いは記憶部40等に格納されるオブジェクトデータに基づき、仮想空間(仮想三次元空間)に配置された各種オブジェクトを表す二次元画像を生成する。このオブジェクトデータとしては、仮想空間に配置される各種オブジェクトのポリゴンデータ(例えば、頂点座標や、テクスチャ座標、色値、α値、法線ベクトル)等が挙げられる。例えば、GPUは、仮想空間に設定された仮想カメラ(仮想視点)の視野範囲である視錐台に含まれるオブジェクトを二次元平面に投影し、メモリに含まれるフレームバッファに記憶する。具体的には、GPUは、頂点処理として、ワールド変換、光源計算、ビュー変換、クリッピング、射影変換、ビューポート変換等を行う。続いて、GPUは、ピクセル処理として、頂点処理によって組み立てられた多角形や線、点のデータからラスタライズ及び補間を行う。続いて、GPUは、このラスタライズ及び補間されたピクセルデータに対して、テクスチャマッピング、アルファテスト、深度情報に基づく深度テスト(陰面消去)やブレンディング等を行って、ピクセルデータ(二次元画像データ)をフレームバッファに記憶する。
【0036】
タッチパネル32は、表示機能及び入力機能の両方の機能を有し、表示機能を担うディスプレイ32Aと、入力機能を担うタッチセンサ32Bとで構成される。本実施形態では、ディスプレイ32Aは、フレームバッファに記憶されたピクセルデータや、ボタン画像、十字キー画像、ジョイスティック画像などの操作入力画像を表示可能である。タッチセンサ32Bは、表示画像に対するユーザの入力位置を検出可能である。
【0037】
カメラ34は、静止画又は/及び動画を撮影し、記憶部40に保存する機能を有する。
【0038】
移動体通信部36は、アンテナ36Aを介して、移動体通信網と接続し、当該移動体通信網に接続されている他の通信装置と通信する機能を有する。
【0039】
無線LAN通信部38は、アンテナ38Aを介して、通信ネットワークNTと接続し、当該通信ネットワークNTに接続されているサーバ装置10等の他の装置と通信する機能を有する。
【0040】
記憶部40には、仮想空間を表す画像や、コンテンツ等を提供するための各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0041】
スピーカ42は、音声やBGM等を出力する機能を有する。
【0042】
<オンラインイベント概要>
本実施形態に係るオンラインイベントは、例えば、一又は複数の区画領域(例えば、展示ブースや展示スペース)を含む仮想空間において、各区画領域に対応する出展者がユーザに対してコンテンツの展示を行う展示イベントや、著名人やアバターが会話を行うトークイベントである。このオンラインイベントに参加(出席)したユーザは、例えば、タッチパネル32上でユーザに対応するアバターを移動操作して、仮想空間における各区間領域の間にある通路を移動し、任意の区画領域を訪問することができる。例えば、ユーザに対応する仮想視点や視方向は、ユーザに対応するアバターの視点や当該視点の向きと同じであって、ユーザは、一人称視点によって仮想空間を視聴することができる。すなわち、仮想視点や視方向は、アバターの移動や向きに応じて変更される。例えば、仮想視点は、アバターの顔の部分に配置される。なお、本実施形態では、ユーザは、オンラインイベントの出展者一覧から、任意の出展者を選択して、当該出展者に対応する区画領域を訪問することもできる。
また、ユーザは、訪問した区画領域に関するコンテンツを第一端末装置12Aにおいて視聴することができる。このコンテンツは、例えば、出展者を表すアバターや、出展者に関する広告映像、紹介映像、告知メッセージ、ゲーム等である。この紹介映像としては、例えば、動画や静止画像、プレゼンテーション資料等が挙げられる。紹介映像は、例えば、出展者自身や出展者の製品(作品)又はサービスを紹介する映像である。告知メッセージは、メッセージとともに、光や音による演出を含む。このコンテンツは、例えば、区画領域上において仮想的に配置されたステージや、二次元スクリーン(仮想ディスプレイ)等に出力される。なお、コンテンツは、時間(投影時間)の経過に伴って、異なるコンテンツが出力されることとしてもよい。
【0043】
<アバター概要>
また、本実施形態にかかるオンラインイベントでは、ユーザは、タッチパネル上でユーザに対応するアバターを操作して、仮想空間上(例えば、訪問した区画領域等)で行動(動作)させることができる。この行動としては、例えば、移動動作(例えば、歩く動作や走る動作)や、手を振る動作、ダンスをする動作、コンテンツに触れる動作、名刺を渡す動作、コンテンツ等に対する質問動作(例えば、アバターの頭上に「?」マークを表示させること)、会話動作等のアクションが挙げられる。このコンテンツに触れる動作としては、コンテンツとしてのアンケートに回答することや、コンテンツとしてのゲームをプレイすること等が挙げられる。名刺を渡す動作としては、ユーザの名刺情報を出展者に送信することが挙げられる。また、例えば、アバターが質問動作を行った場合、効果音が出力される。また、アバターが質問動作を行った場合、出展者は、当該アバターに対応するユーザとの会話を開始して、当該ユーザからの質問に回答することができる。この会話としては、音声通話や、ビデオ通話、チャット等が挙げられる。この会話を開始した場合、アバターは、会話動作を開始する。この会話動作としては、アバターの頭上に、会話中(通話中)であることを示す情報が表される。例えば、ユーザがビデオ通話である場合、アバターの頭上には、ウェブカメラ情報領域として、第一端末装置12Aのカメラ34(WEBカメラ)によって撮影されたユーザの映像や音声が出力される。
【0044】
また、本実施形態に係るオンラインイベントでは、複数のユーザが同時に区間領域に訪問することができる。例えば、区間領域を訪問したユーザは、区画領域に関するコンテンツとともに、現在において同じ区画領域に訪問している他のユーザに対応するアバター(第一アバター)の存在や行動、コミュニケーション(例えば、音声通話やビデオ通話等)を行う様子等を視聴することができる。また、区間領域を訪問したユーザは、現在において同じ区画領域に訪問している他のユーザに対応するアバター(第一アバター)とコミュニケーションを行うことができる。
【0045】
また、本実施形態に係るオンラインイベントでは、ユーザの操作によって行動したアバターの行動ログ(行動履歴)が記憶される。例えば、区画領域を訪問したユーザは、第一アバターや当該区画領域に関するコンテンツとともに、行動ログに基づいて過去に区画領域に訪問した他のユーザに対応するアバター(第二アバター)の存在や行動、出展者等とコミュニケーションを行う様子等を視聴することができる。
【0046】
<機能的構成>
図4は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図4に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、制御手段52と、を備える。
【0048】
記憶手段50は、例えば、ユーザ情報50Aと、出展者情報50Bと、オブジェクト情報50Cと、行動ログ50Dと、を記憶する機能手段である。
【0049】
ユーザ情報50Aは、ユーザ毎のユーザIDに対応付けて、ユーザそれぞれのログインIDや、パスワード、名刺情報、決済情報、アバター情報等を含む。名刺情報としては、名前や所属、電話番号、メールアドレス等が挙げられる。決済情報は、例えば、ユーザが区画領域(例えば展示スペース)において、物品やサービスを購入する際に、決済するための情報を含む。この決済情報は、例えば、ユーザのクレジットカード情報や銀行口座情報等を含む。アバター情報は、例えば、ユーザによって予めカスタマイズされた自己のアバターの種類や外観(例えば、服や服の模様等)を含む。
【0050】
出展者情報50Bは、出展者毎の出展者IDに対応付けて、出展者それぞれのログインIDや、パスワード、区画領域情報、コンテンツ情報、アバター情報等を含む。区画領域情報は、区画領域IDに対応付けて、出展者が出展を行う区画領域に関する情報を含む。区画領域情報は、例えば、仮想空間内における区画領域の位置情報(例えば、仮想空間内の範囲を示す位置座標)や、区画領域の広さ(例えば面積)等を含む。例えば、出展者は、出展する区間領域が広いほど、多くの出展料をオンラインイベントの開催者に支払う必要がある。コンテンツ情報は、コンテンツIDに対応付けて、出展者自身や出展者の製品又はサービスを紹介するコンテンツ(例えば、広告映像や紹介映像等)を含む。アバター情報は、例えば、出展者によって予めカスタマイズされた自己のアバターの種類や外観を含む。
【0051】
オブジェクト情報50Cは、仮想空間に配置されている全てのオブジェクト毎のオブジェクトIDに対応付けて、オブジェクトそれぞれのオブジェクトデータや、区画領域ID、コンテンツID等を含む。オブジェクトデータは、オブジェクトのポリゴンデータや、位置座標、向き等を含む。このオブジェクトとしては、例えば、仮想空間において仮想的に配置されている複数の第一アバターや、ステージ、二次元スクリーン等が挙げられる。例えば、第一アバターに関するオブジェクトデータは、各ユーザによるコンテンツ提供システム1へのログイン(第一アバターの配置時)や、第一アバターに対する行動操作によって、位置座標や向きが逐次更新(例えば、フレーム毎に更新)される。例えば、第一アバターに関するオブジェクトデータは、更新される毎(例えば、フレーム毎)に、ログインしている端末装置12のメモリや記憶部40に送信される。すなわち、このオブジェクトデータは、更新される毎に、ログインしている端末装置12Aのメモリや記憶部40に格納されるオブジェクトデータと同期が行われる。一方、ステージや二次元スクリーン等に関するオブジェクトデータは、位置情報や向き等が逐次更新されることがないため、ユーザによるログイン時にのみ、端末装置12のメモリや記憶部40に送信される。区画領域IDは、例えば、オブジェクトが配置される区画領域を識別する情報である。コンテンツIDは、例えば、オブジェクトであるステージや二次元スクリーンに投影されるコンテンツ(例えば、広告画像や紹介映像)を識別する情報である。この投影は、例えば、広告画像や紹介映像等のコンテンツをテクスチャとしてマッピングすることによって実現される。
【0052】
行動ログ50Dは、区画領域毎の区画領域IDに対応付けて、区画領域に訪問したユーザに対応するアバターのアバター情報や、行動履歴を含む。この行動履歴は、例えば、アバターが区間領域を訪問したタイミングから当該区画領域を離れるまでの間の行動履歴と、当該区画領域を訪問したタイミングから当該区画領域を離れるまでの日時(時期)を含む。具体的には、行動履歴は、時系列順(例えば、1秒毎やフレーム毎)におけるユーザのアバターに対する操作履歴(例えば、タッチパネルへの操作履歴)を含む。
【0053】
制御手段52は、コンテンツ提供システム1の全体を制御する機能手段である。本実施形態では、制御手段52は、仮想空間における区画領域にユーザが訪問した場合に、当該区画領域に関するコンテンツを当該ユーザの第一端末装置12Aのタッチパネル32やスピーカ42等に出力させ、ユーザに当該コンテンツを視聴させる。ここで、制御手段52は、区画領域にユーザが訪問した場合に、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、当該区画領域に関するコンテンツとともに、行動ログ50Dに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる。
【0054】
例えば、制御手段52は、記憶手段50に記憶されている各種情報をユーザが操作する第一端末装置12Aに送信する。具体的には、制御手段52は、出展者情報50Bを参照して、オブジェクトに投影されるコンテンツ情報等を第一端末装置12Aのメモリや記憶部40に格納させる。また、例えば、制御手段52は、オブジェクト情報50Cを参照して、ユーザが訪問した区画領域に配置されているオブジェクトデータを第一端末装置12Aのメモリや記憶部40に格納させ、当該オブジェクトデータの同期を行う。また、例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、区画領域における他のユーザに対応するアバター(第二アバター)の行動履歴を第一端末装置12Aのメモリや記憶部40に格納させる。
【0055】
また、制御手段52は、第一端末装置12Aの主制御部30において、区画領域に含まれるオブジェクトや、当該オブジェクトに投影されるコンテンツを表す二次元画像を生成させ、当該生成された二次元画像をタッチパネル32に出力させる。ここで、制御手段52は、この区画領域に含まれるオブジェクトである第一アバターや当該コンテンツとともに、行動ログ50Dに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターを含む二次元画像を第一端末装置12Aに生成させる。
また、制御手段52は、コンテンツに含まれる映像(広告映像や紹介映像)や、区画領域に訪問した各ユーザ(第一アバター又は第二アバター)の音声等を第一端末装置12Aのスピーカ42に出力させる。すなわち、制御手段52は、現在において当該区画領域に訪問している第一アバターの行動と、当該コンテンツとともに、行動ログ50Dに基づいて過去に当該区画領域に訪問した第二アバターの行動をユーザに視聴させることができる。
【0056】
また、制御手段52は、行動を視聴させる第二アバターの数を制御する。すなわち、制御手段52は、ユーザが訪問した区画領域に配置する第二アバターの数を制限したり、増加したりする。
【0057】
本実施形態では、制御手段52は、例えば、第一アバターと第二アバターの合計数を所定数以下に制御する。この所定数としては、例えば、3人や30人等が挙げられる。具体的には、制御手段52は、例えば所定数が3人である場合に、現在において区画領域に訪問している第一アバターの数が1人であるとき、行動ログを参照して過去に当該区画領域に訪問した2人の第二アバターの行動(アニメーション)を当該区画領域で再現させる。
また、本実施形態では、制御手段52は、区画領域が広いほど、所定数を高くすることが好ましい。例えば、制御手段52は、出展者情報50Bを参照して、ユーザが訪問した区画領域の広さが5平方メートルずつ増えるたびに、所定数を1人ずつ加算する。
【0058】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターの数と第二アバターの数との割合が所定割合となるように制御することが好ましい。この所定割合としては、例えば、1:1や2:1、1:2等が挙げられる。
【0059】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログ50Dに基づいて行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させることが好ましい。例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、区画領域で移動した距離が長い(歩き回っている)第二アバターを優先的に視聴させる。また、例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、1分間あたりに行動した回数が多い第二アバターを優先的に視聴させる。また、制御手段52は、区画領域に訪問したタイミングから当該区間領域を離れるまでの間において行動回数が多い第二アバターを優先的に視聴させる。例えば、制御手段52は、行動スコアの合計値が高い第二アバターを優先して視聴させてもよい。この行動スコアは、例えば、移動動作や、コンテンツに触れる動作、名刺を渡す動作、コンテンツ等に対する質問動作、会話動作等の積極的な動作に対して、高いスコアが設定されている。
【0060】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログ50Dに基づいて行動した回数が少ない第二アバターと当該回数が多い第二アバターとを区別可能な態様で視聴させることが好ましい。例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、1分あたりに行動した回数が3回以上である第二アバターの周囲にマークを付して、それ以外の第二アバターの周囲には当該マークを付さずに区画領域に配置する。
【0061】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターと第二アバターとを区別可能な態様で視聴させることが好ましい。例えば、制御手段52は、第一アバターの外観の透過度よりも第二アバターの外観の透過度を高くして、区画領域に配置する。
【0062】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログが記憶された時期に応じて、第二アバターの態様を変更させて視聴させることが好ましい。例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、24時間以内に訪問したユーザに対応する第二アバターの周囲にマークを付して、それ以外の第二アバターの周囲には当該マークを付さずに区画領域に配置する。
【0063】
また、本実施形態では、制御手段52は、区画領域にユーザが訪問した場合に、行動ログ50Dに基づいて第二アバターの行動を途中から視聴させることが好ましい。例えば、制御手段52は、区画領域にユーザが訪問したタイミングにおいて、或る第二アバターについては、当該或る第二アバターが当該区画領域に訪問したタイミングから30秒後の行動履歴から再現(再生)するように再現条件を設定して、第一端末装置12Aに送信する。また、制御手段52は、区画領域にユーザが訪問したタイミングにおいて、他の第二アバターについては、当該他の第二アバターが当該区画領域に訪問したタイミングから60秒後の行動履歴から再現するように再現条件を設定して、第一端末装置12Aに送信する。
【0064】
また、本実施形態では、制御手段52は、区画領域においてユーザと出展者(又は他のユーザ)による音声通話が開始された場合に、当該音声通話の音声を強調させる。例えば、制御手段52は、アバターの行動としての会話動作(例えば、ユーザによる音声通話やビデオ通話)が開始された場合、当該会話の音声ボリュームを高くしたり、当該会話以外(例えば、他の区画領域での音声や、BGM)の音声ボリュームを低くしたりする。なお、制御手段52は、会話動作が開始された場合、当該会話以外の音声ボリュームをゼロにしてもよい。
【0065】
<処理の流れ>
図5は、本実施形態に係るコンテンツ提供システム1において、
図4に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、一のユーザが操作する第一端末装置12A(以下、「ユーザ端末」という。)がコンテンツ提供システム1に接続したタイミングで開始される。ここで、以下のステップの処理は、一のユーザが操作する第一端末装置12Aがコンテンツ提供システム1への接続を終了した場合、
図5に示す一連の処理を終了する。ユーザ端末は、以下の各ステップにおいて、フレーム毎に仮想空間画面を生成して、タッチパネル32に表示させる。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0066】
(ステップSP10)
制御手段52は、ユーザ情報50Aのアバター情報を参照して、一のユーザに対応するアバター(以下、「ユーザアバター」という。)を仮想空間内の初期位置に第一アバターとして配置する。この初期位置としては、例えば、オンラインイベント会場の入口や、案内所等が挙げられる。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP12)
制御手段52は、ユーザ端末のタッチパネル32において、一のユーザによる移動操作を受け付ける。例えば、制御手段52は、当該移動操作に応じて、ユーザアバターや仮想カメラの位置座標や向きを変更させて、オブジェクト情報50Cを更新する。ここで、例えば、ユーザ端末は、ユーザアバターが仮想空間内を移動する際、当該ユーザアバターが歩く動作や走る動作のアニメーションをタッチパネル32に出力させる。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP14)
制御手段52は、ユーザアバターが任意の区間領域を訪問したか否かを判定する。例えば、制御手段52は、ユーザアバターが区間領域に接近した場合に当該判定を肯定する。具体的には、制御手段52は、オブジェクト情報50Cを参照して、ユーザアバターの位置座標と、或る区間領域の範囲を示す位置座標との距離が所定値(例えば、3メートル)未満である場合に、当該判定を肯定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP16の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP16)
制御手段52は、或る区間領域を訪問している第一アバター(現在において当該或る区画領域に訪問しているユーザに対応するアバター)の数を取得する。例えば、制御手段52は、オブジェクト情報50Cを参照して、或る区間領域に近接している第一アバターの数を取得する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP18)
制御手段52は、ステップSP16において取得した第一アバターの数が所定数未満であるか否かを判定する。例えば、制御手段52は、この第一アバターの数が3人未満である場合に、第二アバターを追加で表示させるべく、当該判定を肯定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合、すなわち第二アバターを追加で表示させない場合には、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP20)
制御手段52は、所定数(例えば3人)からステップSP16において取得した第一アバターの数を減算した数の第二アバターを選定する。例えば、制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、或る区間領域において行動した回数が多い第二アバターを優先して選定する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP22)
制御手段52は、行動ログ50Dを参照して、ステップSP20において選定した第二アバターの行動履歴をユーザ端末に送信する。続いて、ユーザ端末は、或る区画領域に配置された第一アバターや二次元スクリーンに投影されるコンテンツとともに、送信された第二アバターを追加した仮想空間画面100を生成し、タッチパネル32に出力させる。
【0073】
図6は、本実施形態に係る仮想空間画面100の一例を示す図である。
【0074】
図6に示すように、仮想空間画面100には、第一アバターA1や、第二アバターA2、ウェブカメラ情報領域102、テキスト情報領域104、コンテンツ情報領域106等が表されている。第一アバターA1は、或る区間領域Rに現在訪問しているアバターである。この第一アバターA1の頭上には、「?」マークが表示されており、コンテンツ等に対する質問動作が行われている様子が表されている。第二アバターA2は、或る区間領域Rに過去に訪問したアバターである。この第二アバターA2の外観は、例えば、第一アバターの外観の透過度よりも高い透過度で表されている。この第二アバターA2は、行動ログ50Dの行動履歴に基づいて各種行動(例えば、アニメーション)が再現される。ウェブカメラ情報領域102は、第二アバターA2の頭上に表されている。ウェブカメラ情報領域102では、第二アバターA2の会話動作として、第一端末装置12Aのカメラ34(WEBカメラ)で撮影された他のユーザの映像と音声が再現される。テキスト情報領域104は、ウェブカメラ情報領域102の上部に表されている。テキスト情報領域104には、他のユーザと出展者によるチャットやQ&Aのテキスト情報が再現される。コンテンツ情報領域106には、或る区間領域Rに設けられたスクリーン(仮想ディスプレイ)においてコンテンツ(例えば、プレゼンテーション資料)が投影されている。なお、このスクリーンは、ユーザが視聴しやすいように、投影面がアバターの視点(仮想視点)の向き(視方向)と略垂直になるように可動してもよい。
【0075】
図5に戻って、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP24)
制御手段52は、ユーザアバターに対する行動履歴を行動ログ50Dに記憶する処理を開始する。例えば、制御手段52は、ユーザアバターが或る区間領域における初期位置(例えば、エントランス)から行動した履歴(移動動作や、コンテンツに対する質問動作等)の記憶を開始する。具体的には、制御手段52は、ユーザアバターが行動する毎(1アクション毎)に、行動履歴を行動ログ50Dに記憶する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP26)
制御手段52は、ユーザ端末のタッチパネル32において、一のユーザによる行動操作を受け付ける。例えば、制御手段52は、当該行動操作に応じて、ユーザアバターを行動させて、オブジェクト情報50Cを更新する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP28)
制御手段52は、ユーザアバターが或る区間領域を離れたか否かを判定する。例えば、制御手段52は、ユーザアバターが区間領域(範囲)から離れた場合に当該判定を肯定する。具体的には、制御手段52は、オブジェクト情報50Cを参照して、ユーザアバターの位置座標と、或る区間領域の範囲を示す位置座標との距離が所定値(例えば、3メートル)以上である場合に、当該判定を肯定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP30の処理に以降する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP30)
制御手段52は、ユーザアバターに対する行動履歴を行動ログ50Dに記憶する処理を終了する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0080】
(ステップSP32)
制御手段52は、一のユーザがコンテンツ提供システム1への接続を終了したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、
図5に示す一連の処理を終了する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0081】
<効果>
以上、本実施形態では、一又は複数の区画領域を含む仮想空間において、ユーザが訪問した区画領域に関するコンテンツを視聴させるためのプログラムであって、コンピュータを、区画領域に訪問したユーザに対応するアバターの行動ログ50Dを記憶する記憶手段50、区画領域にユーザが訪問した場合に、当該区画領域に関するコンテンツとともに、現在において当該区画領域に訪問しているユーザに対応する第一アバターの行動と、行動ログ50Dに基づいて過去に当該区画領域に訪問したユーザに対応する第二アバターの行動を視聴させる制御手段52、として機能させ、制御手段52は、行動を視聴させる第二アバターの数を制御する。
【0082】
この構成によれば、行動を視聴させる第二アバターの数を制御することができるため、ユーザがコンテンツを効果的に視聴することができる。
【0083】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターと第二アバターの合計数を所定数以下に制御する。
【0084】
この構成によれば、第一アバターと第二アバターの合計数が所定数以下に制御されるため、コンテンツを視聴しやすくなる。
【0085】
また、本実施形態では、制御手段52は、区画領域が広いほど、所定数を高くする。
【0086】
この構成によれば、区間領域が広いほどアバターを多く視聴させるため、コンテンツを視聴しやすくしつつ、区間領域やコンテンツに興味があるユーザが多いことをアピールすることができる。
【0087】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターの数と第二アバターの数との割合が所定割合となるように制御する。
【0088】
この構成によれば、第一アバターの数と第二アバターの数との割合が所定割合となるため、第一アバターの存在によってリアリティ感を持たせつつ、第二アバターによって区間領域を賑わせることができる。
【0089】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログに基づいて行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させる。
【0090】
この構成によれば、行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させるため、区間領域やコンテンツに興味があるユーザが多いことをアピールすることができる。
【0091】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログに基づいて行動した回数が少ない第二アバターと当該回数が多い第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる。
【0092】
この構成によれば、行動した回数が多い第二アバターを区別することができるため、ユーザに対して注目すべき第二アバター(行動した回数が多い第二アバター)を示すことができる。
【0093】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターと第二アバターとを区別可能な態様で視聴させる。
【0094】
この構成によれば、第一アバターと第二アバターとを区別することができるため、ユーザに対して、現在における第一アバターの行動と、過去に行われている第二アバターの行動を把握しやすくすることができる。
【0095】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログ50Dが記憶された時期に応じて、第二アバターの態様を変更させて視聴させる。
【0096】
この構成によれば、第二アバターが行動した時期を区別することができるため、近時における第二アバターの行動と、往時における第二アバターの行動を把握しやすくすることができる。
【0097】
また、本実施形態では、制御手段52は、区画領域にユーザが訪問した場合に、行動ログ50Dに基づいて第二アバターの行動を途中から視聴させる。
【0098】
この構成によれば、第二アバターの行動を途中から再現させるため、第二アバターそれぞれが一斉に行動し始めることを避けることができ、もって第二アバターそれぞれの行動にリアリティ性を持たせることができる。
【0099】
また、本実施形態では、行動は、ユーザによる音声通話を含み、制御手段52は、区画領域において音声通話が開始された場合に、当該音声通話の音声を強調させる。
【0100】
この構成によれば、ユーザによる音声通話の音声を作為的に強調するため、ユーザ間の親近感を高めることができる。
【0101】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0102】
例えば、本実施形態では、区画領域は、展示ブースや展示スペースである場合を説明したが、商品展示スペースやイベントスペースであってもよい。この商品展示スペースでは、例えば、商品に関する映像がコンテンツとして視聴可能である。また、イベントスペースでは、例えば、イベント映像(例えば、公演映像や講演映像)がコンテンツとして視聴可能である。この商品に関する映像やイベント映像は、時間の経過に伴って、異なる映像が出力されることとしてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、コンテンツは、二次元スクリーン(仮想ディスプレイ)に出力される広告映像等である場合を説明したが、三次元映像(立体映像)であってもよい。例えば、コンテンツは、区画領域上において仮想的に配置されたステージ上で演出(パフォーマンス)を行うアバター(キャラクタ)等の三次元映像であってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、ユーザに対応する仮想視点や視方向は、ユーザに対応するアバターの視点や当該視点の向きと同じである場合を説明したが、当該ユーザに対応するアバターを俯瞰する仮想視点(三人称視点)によって、仮想空間を視聴することとしてもよい。例えば、ユーザに対応する仮想視点は、ユーザに対応するアバターの頭上に配置される。この場合、仮想視点は、視野範囲(視錐台)の略中央部にユーザに対応するアバターが含まれるように仮想空間内を移動したり、視方向を変更したりする。また、制御手段52は、ユーザからの操作に応じて、仮想視点の位置を変更してもよい。例えば、制御手段52は、ユーザからの操作に応じて、一人称視点と三人称視点を切り替えてもよい。
【0105】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動を視聴させる第二アバターの数を制御する場合を説明したが、第一アバターの数を制御してもよい。例えば、制御手段52は、区画領域に訪問している他のユーザに対応する第一アバターの表示を除外させる指示を第一端末装置12Aに送信し、当該第一端末装置12Aのタッチパネル32に出力される第一アバターの数を減らしてもよい。この除外としては、第一アバターが区画領域や視野範囲(視錐台)を離れるアニメーションを再生して画面から消去することや、第一アバターを徐々に透過させること等が挙げられる。また、制御手段52は、第一アバターの数を減らす代わりに、行動ログ50Dの行動履歴を第一端末装置12Aに送信し、行動回数が多い第二アバターをタッチパネル32に出力させてもよい。
【0106】
また、制御手段52は、区画領域に訪問している第一アバターのうち、行動回数が少ない第一アバターの表示を除外又は透過させてもよい。例えば、制御手段52は、区画領域に訪問してから、1分間における行動回数が少ない第一アバターの表示を除外させる指示を第一端末装置12Aに送信し、第一端末装置12Aのタッチパネル32に出力される第一アバターの数を減らしてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動した回数が多い第二アバターの行動を優先して視聴させる場合を説明したが、当該第二アバターの行動(行動履歴)の再現が終了した場合、次に行動した回数が多い第二アバターの行動を視聴させてもよい。
【0108】
また、制御手段52は、ユーザが或る第二アバターの行動(行動履歴)を全て視聴した場合、当該ユーザに対しては、当該或る第二アバターが表示されないように制御してもよい。
【0109】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一アバターと第二アバターの合計数を所定数以下に制御する場合を説明したが、この所定数は、ユーザが任意に設定できることとしてもよい。また、制御手段52は、ユーザからの要求によって、第一アバター又は第二アバターを表示させないように設定してもよい。
【0110】
また、本実施形態では、制御手段52は、ユーザに対応するアバターが区画領域を訪問した場合に、第二アバターを選定して行動履歴を第一端末装置12Aに送信する場合を説明したが、当該アバターが区画領域を訪問する前のタイミングで、各区画領域にて再現させる第二アバターの行動履歴を送信し、各区画領域で第二アバターを追加してもよい。この区画領域を訪問する前のタイミングとしては、例えば、ユーザがコンテンツ提供システム1にログインした直後のタイミングや、アバターが区画領域に近づいたタイミング等が挙げられる。この区画領域に近づいたタイミングとしては、当該区画領域には訪問していないものの、当該区画領域の範囲を示す位置座標との距離が一定値(例えば、10m)未満となった場合が挙げられる。これにより、第二アバターが突然表示されることが抑制されるため、ユーザに不自然さを感じさせないようにすることができる。
【0111】
また、本実施形態では、制御手段52は、第一端末装置12Aに第二アバターの行動履歴を送信して追加する場合を説明したが、第一アバターと同様に、第二アバターを仮想空間内(各区画領域)に配置することとしてもよい。すなわち、制御手段52は、行動履歴に応じて、第二アバターをオブジェクト情報50Cにおけるオブジェクトデータに追加してもよい。この仮想空間内に配置するタイミングとしては、例えば、所定時間(例えば、30分や1時間)毎のタイミング等が挙げられる。これにより、仮想空間に配置された全てのアバターに対応するユーザが、同じ第二アバターを視聴することができる。
【0112】
また、本実施形態では、制御手段52及び第一端末装置12Aは、第二アバターを表す仮想空間画面をタッチパネル32に出力させる場合を説明したが、第二アバターが突然表示されないように、仮想視点の視野範囲(視錐台)の外において第二アバターの表示を開始させてから、当該第二アバターが行動履歴の開始地点まで移動するアニメーションを再生して、当該行動履歴を再現させてもよい。また、制御手段52及び第一端末装置12Aは、第二アバターが突然消えないように、第二アバターが区画領域を離れるアニメーションを再生して、仮想空間から消去してもよい。また、制御手段52及び第一端末装置12Aは、第二アバターが突然消えないように、第二アバターが仮想視点の視野範囲(視錐台)の外まで移動するアニメーションを再生して、仮想空間から消去してもよい。これらにより、第二アバターが突然表示されたり、突然消去されたりすることが抑制されるため、ユーザに不自然さを感じさせないようにすることができる。
【0113】
また、本実施形態では、制御手段52は、行動ログ50Dに基づいて第二アバターの行動を途中から視聴させる場合を説明したが、第二アバターの行動とともに、コンテンツ(例えば、告知メッセージやプレゼンテーション資料)を途中から視聴させてもよい。これにより、ユーザは、途中から再現された第二アバターが質問動作や会話動作等を行っているコンテンツを視聴できるため、質問や会話等の内容を容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0114】
10…サーバ装置(コンピュータ)
12…端末装置
50…記憶手段
52…制御手段