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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004799
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20240110BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240110BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240110BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240110BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q19/10
A61Q1/14
A61K8/41
A61K8/73
C11D1/10
C11D3/22
C11D17/08
C11D1/90
C11D17/04
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104640
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】冨山 昂大
(72)【発明者】
【氏名】加藤 佐和子
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC542
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD251
4C083AD252
4C083AD532
4C083BB01
4C083BB34
4C083CC23
4C083DD08
4C083EE06
4C083EE07
4H003AB10
4H003AD04
4H003BA12
4H003BA20
4H003BA21
4H003DA02
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB14
4H003EB28
4H003EB41
4H003EB42
4H003EB46
4H003ED02
4H003FA02
4H003FA17
4H003FA21
4H003FA23
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さと、優れた破泡性とを両立できる液体皮膚洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)アミノ酸系界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)カチオン化多糖類と、(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンと、を含有する液体皮膚洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アミノ酸系界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、
(C)カチオン化多糖類と、
(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンと、
を含有することを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(A)アミノ酸系界面活性剤の含有量に対する前記(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかデキストリンの含有量の質量比[(D)/(A)]が0.005~0.15である、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
(E)アミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤を更に含有する、請求項1又は2に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(A)成分の含有量が1質量%~10質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%~0.8質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1質量%~0.8質量%であり、前記(D)成分の含有量が0.05質量%~0.09質量%である、請求項1又は2に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記(E)成分の含有量が3質量%~15質量%である、請求項3に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項6】
フォーマー容器に充填されてなる、請求項1又は2に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドソープやボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡の濃密さ等の泡性能が良好であること求められており、近年は、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与すること、タオルドライ後の肌につっぱり感やべたつき感がないこと、皮膚刺激性がないことなどの使用感に対する需要が高まっている。
【0003】
例えば、アミノ酸系界面活性剤を洗浄主成分として皮膚刺激性を緩和したN-アシルアミノ酸塩、種々界面活性剤、カチオン性高分子、及び水溶性高分子を配合した洗浄用組成物(特許文献1参照)、N-アシルアミノ酸塩、固形状又は半固形状油、及びカチオン化多糖類を配合した皮膚洗浄剤組成物(特許文献2参照)、アミノ酸系界面活性剤、カチオン性ポリマー、及びアミドスルホベタイン型両性界面活性剤を配合した皮膚洗浄剤組成物(特許文献3参照)などが開示されている。しかしながら、これらの皮膚洗浄剤組成物は、泡の濃密さ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつき感のなさ、すすぎの速さ、及び破泡性が十分満足できるものではなかった。
【0004】
また、今後直面するグローバルな諸課題の解決を目指し、持続可能な未来を築くために、生活者レベルで環境負荷低減の意識が高まってきている。しかし、泡性能の良い液体皮膚洗浄剤組成物は破泡性が悪いため、泡を洗い流すためのすすぎ時間が長くなることから、多量の水を使用して泡を洗い流す必要があり、環境負荷低減の取組みという観点では適していないという問題がある。
【0005】
したがって、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さ等の泡性能と、優れた破泡性とを両立できる液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-1724号公報
【特許文献2】特開2013-163658号公報
【特許文献3】特開2020-117469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さと、優れた破泡性とを両立できる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)アミノ酸系界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)カチオン化多糖類と、(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンと、を含有する液体皮膚洗浄剤組成物が、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さと、優れた破泡性と、を両立できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)アミノ酸系界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、
(C)カチオン化多糖類と、
(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンと、
を含有することを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 前記(A)アミノ酸系界面活性剤の含有量に対する前記(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンの含有量の質量比[(D)/(A)]が0.005~0.15である、前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3> (E)アミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤を更に含有する、前記<1>又は<2>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<4> 前記(A)成分の含有量が1質量%~10質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.1質量%~0.8質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.1質量%~0.8質量%であり、前記(D)成分の含有量が0.05質量%~0.09質量%である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<5> 前記(E)成分の含有量が3質量%~15質量%である、前記<3>から<4>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<6> フォーマー容器に充填されてなる、前記<1>から<5>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さと、優れた破泡性とを両立できる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)アミノ酸系界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)カチオン化多糖類と、(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリンと、を含有し、更に(E)アミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0012】
<(A)アミノ酸系界面活性剤>
前記(A)成分としてのアミノ酸系界面活性剤は、主に、皮膚刺激性の抑制、並びに、泡の濃密さ及びタオルドライ後の肌のしっとり感の向上のために含有される。
なお、本明細書において、「泡の濃密さ」とは、泡を両手で押し合わせた際の跳ね返りの感触が硬く、手に付着させた泡は、手を逆さにしたときでも垂れにくいことを意味する。
【0013】
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水部にグリシン、グルタミン酸、メチルアラニン、アスパラギン酸、メチルタウリン等のアミノ酸構造を有し、疎水部にアルキル鎖長が8~18のアシル基を有するアミノ酸系界面活性剤が好ましく、N-アシルグリシン塩がより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
前記アシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基(ココイル基)、オクタノイル基、デカノイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、リノレオイル基などが挙げられる。
【0015】
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ココイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩、N-ココイルグルタミン酸塩、N-ココイルグリシン塩、N-ラウロイルグリシン塩、N-ミリストイルグリシン塩、N-ラウロイルアスパラギン酸塩、N-ココイルメチルタウリン塩などが挙げられる。これらの中でも、前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤としては、N-ココイルグリシン塩が好ましい。
【0016】
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。
【0017】
前記N-ココイルグリシン塩の具体例としては、N-ココイルグリシンカリウム、N-ココイルグリシンナトリウム、N-ココイルグリシントリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0018】
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤の市販品としは、例えば、商品名で、アラノン(登録商標)ALE(N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンナトリウム)、アラノン(登録商標)AME(N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニンナトリウム)、アラノン(登録商標)ACE(N-ココイル-N-メチル-β-アラニンナトリウム)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)ALMS-P1(N-ラウロイルグルタミン酸ナトリウム)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS-P1(N-ミリストイルグルタミン酸ナトリウム)(以上、旭化成ファインケム株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)ACDS-L(N-ココイルグルタミン酸ナトリウム)、アミノフォーマー(登録商標)FLDS-L(N-ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム)(以上、旭化成ファインケム株式会社製)、アミライト(登録商標)GCK-12K(N-ココイルグリシンカリウム、味の素株式会社製)、ダイヤポン(登録商標)K-SF(N-ココイルメチルタウリンナトリウム、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0019】
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡の濃密さ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び皮膚刺激性の抑制の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.5質量%~15質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、0.5質量%以上であると、泡の濃密さ及びタオルドライ後の肌のしっとり感が良好であり、15質量%以下であると、皮膚刺激性を好適に抑制できる。
【0020】
<(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子>
前記(B)成分としての塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子は、主に、タオルドライ後の肌のしっとり感の向上のために含有される。
【0021】
前記(B)成分のカチオン性高分子としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができ、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、下記一般式(B1)で表される化合物である。
【化1】
ただし、前記一般式(B1)中、n及びmは、各構造単位のモル比(モル%)を示し、n+m=100であり、前記mは40モル%以上である。
【0023】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比は、40モル%であるが、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、65モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましい。前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における各構造単位のモル比は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM-LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0025】
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、10,000~1,000,000が好ましく、15,000~450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量は、例えば、SEC-MALLS-RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α-Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0026】
前記(B)成分のカチオン性高分子の固形分30質量%~44質量%の溶液の25℃での粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mPa・s~15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s~12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0027】
前記(B)成分のカチオン性高分子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記(B)成分のカチオン性高分子の市販品としては、例えば、商品名で、以下のものなどが挙げられる。
【0028】
マーコート(MERQUAT)100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s~12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
【0029】
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分30質量%~36質量%の25℃での粘度:20mPa・s~65mPa・s、重量平均分子量15,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0030】
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s~6,000mPa・s、重量平均分子量450,000、前記一般式(B1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比が65モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0031】
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分35質量%~40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s~9,000mPa・s、重量平均分子量190,000、前記一般式(B1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比が95モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
【0032】
これらの中でも、前記(B)成分のカチオン性高分子としては、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、マーコート100、マーコート295、マーコート280が好ましい。
【0033】
前記(B)成分のカチオン性高分子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌へのしっとり感の付与及びタオルドライ後の肌のつっぱり感の抑制の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましく、0.1質量%~0.8質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.1質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感が良好であり、1質量%以下であると、タオルドライ後の肌のつっぱり感を好適に抑制できる。
【0034】
<(C)カチオン化多糖類>
前記(C)成分としてのカチオン化多糖類は、主に、泡の濃密さの向上及びタオルドライ後の肌のつっぱり感の抑制のために含有される。
【0035】
前記(C)成分のカチオン化多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化グアガム、カチオン化キサンタンガム、カチオン化ローカストビーンガムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記(C)成分のカチオン化多糖類としては、泡の濃密さが良好であり、またタオルドライ後の肌のつっぱり感の抑制の点から、カチオン化セルロースが好ましい。
【0036】
前記(C)成分のカチオン化多糖類は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分のカチオン化多糖類の市販品としは、例えば、商品名で、カチナールHC-100(カチオン化セルロース、東邦化学工業株式会社製)、ラボールガム(登録商標)CG-M(カチオン化グアガム、住友ファーマフード&ケミカル株式会社製)、ラボールガム(登録商標)CX(カチオン化キサンタンガム住友ファーマフード&ケミカル株式会社製)、カチナールCLB-100(カチオン化ローカストビーンガム、東邦化学工業株式会社製)などが挙げられる。
【0037】
前記(C)成分のカチオン化多糖類の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡の濃密さ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のつっぱり感の抑制の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましく、0.1質量%~0.8質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、0.1質量%以上であると、泡の濃密さが良好であり、またタオルドライ後の肌のつっぱり感を好適に抑制でき、1質量%以下であると、タオルドライ後の肌のしっとり感が良好である。
【0038】
<(D)ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかのデキストリン>
前記(D)成分としてのヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかは、主に、破泡性を向上するために含有される。
なお、本明細書において、「破泡性」とは、形成された泡が消失する性質を意味する。特に、前記液体皮膚洗浄剤組成物の破泡性は、該液体皮膚洗浄剤組成物により形成された泡に水を付与した際に、泡が消失する性質を意味し、下記実施例に記載の方法で評価することができる。
【0039】
<<ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン>>
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、グルコースがα-1,4-グルコシド結合で環状に連なった化合物であり、かつシクロデキストリンの水酸基の一部にヒドロキシアルキル基が導入されたものであり、例えば、下記一般式(D1)で表される化合物などが挙げられる。
【0040】
【化2】
前記一般式(D1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシブチル基を示し、nは6~8の整数を示し、7が好ましい。ただし、前記R、前記R、及び前記Rが同時に水素原子となることはない。
【0041】
前記R、前記R、及び前記Rの少なくともいずれかを置換反応することにより、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン等のヒドロキシアルキル化シクロデキストリンを得ることができる。
【0042】
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンのヒドロキシアルキル基の置換度としては、破泡性の点から、1シクロデキストリンあたり1~14が好ましい。前記置換度が、1シクロデキストリンあたり1~14であると、破泡性が良好である。
【0043】
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンのシクロデキストリン部分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコースが6個環状に結合したα-シクロデキストリン、グルコースが7個環状に結合したβ-シクロデキストリン、グルコースが8個環状に結合したγ-シクロデキストリンなどが挙げられる。これらの中でも、β-シクロデキストリンが好ましい。
【0044】
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシメチル-α-シクロデキストリン、ヒドロキシメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシメチル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-α-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシブチル-α-シクロデキストリン、ヒドロキシブチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシブチル-γ-シクロデキストリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、破泡性の点から、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが好ましい。
【0045】
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンの市販品としは、例えば、商品名で、セルデックス(登録商標)HP-β-CD(ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、日本食品化工株式会社製)などが挙げられる。
【0046】
<<高度分岐環状デキストリン>>
前記高度分岐環状デキストリンは、「クラスターデキストリン」(グリコ栄養食品株式会社の登録商標)とも呼ばれる。
【0047】
前記高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重量平均重合度が50~10,000の範囲にあるグルカンをいう。
ここで、前記内分岐環状構造部分とは、α-1,4-グルコシド結合とα-1,6-グルコシド結合とで形成される環状構造部分をいう。
前記外分岐構造部分とは、前記内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分であるグルカンをいう。
【0048】
前記高度分岐環状デキストリンとしては、重量平均分子量が30,000~1,000,000であることが好ましく、分子内に環状構造を1つ有し、更にその環状構造に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2,500程度のデキストリンを主に含むことがより好ましい。
前記高度分岐環状デキストリンの重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー-多角度光散乱(GPC-MALLS)分析を用いて下記条件で測定することができる。
[測定条件]
測定装置:Gel Permeation Chromatography System(株式会社島津製作所製)
測定試料溶液:前記(D)成分の純分濃度が約1,000ppm(移動相で希釈)
カラム:極性有機溶媒用カラム(TSK-GELαカラム、東ソー株式会社製)
移動相:0.5mol/Lの過塩素酸ナトリウム溶液
測定波長:約633nm
検出器:多角度光散乱検出器(MALLS)
標準品:分子量既知のポリエチレングリコール
【0049】
前記高度分岐環状デキストリンとしては、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造される。原料であるデンプンは、グルコースがα-1,4-グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α-1,6-グルコシド結合によって複雑に分岐した構造を持つアミロペクチンからなり、前記アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
より詳細には、前記高度分岐環状デキストリンとしては、例えば、特開平8-134104号公報に記載の内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重量平均重合度が50~10,000の範囲にあるグルカンなどが挙げられる。本明細書において、前記高度分岐環状デキストリンは、特開平8-134104号公報の記載を参酌して理解され得る。
【0050】
前記高度分岐環状デキストリンとしては、上記の通り特定の構造を有し、かつ重量平均重合度(分子量)が大きいものであり、α-シクロデキストリン(グルコースの数が6個)、β-シクロデキストリン(グルコースの数が7個)、γ-シクロデキストリン(グルコースの数が8個)などのグルコースが6個~8個結合した一般的なシクロデキストリンとは異なる。
また、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンは、シクロデキストリンの水酸基の一部にヒドロキシアルキル基を導入したものであり、前記高度分岐環状デキストリンとは異なる。
【0051】
前記高度分岐環状デキストリンは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高度分岐環状デキストリンの市販品としは、例えば、商品名で、クラスターデキストリン(グリコ栄養食品株式会社の登録商標、グリコ栄養食品株式会社製)などが挙げられる。
【0052】
これらの中でも、前記(D)成分としては、破泡性の点から、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンが好ましく、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンがより好ましい。
【0053】
前記(D)成分としてのヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡の濃密さ及び破泡性が良好である点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%~0.09質量%が好ましく、0.05質量%~0.09質量%がより好ましい。前記(D)成分の含有量が、0.01質量%以上であると、破泡性が良好であり、0.09質量%以下であると、泡の濃密さが良好である。
【0054】
<<質量比[(D)/(A)]>>
前記(A)成分のアミノ酸系界面活性剤の含有量(質量%)に対する前記(D)成分のヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれかの含有量(質量%)の質量比[(D)/(A)]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎの速さ及びタオルドライ後のべたつき感の抑制の点から、0.005~0.15が好ましく、0.01~0.09がより好ましい。前記質量比[(D)/(A)]が、0.005以上であると、すすぎが速く、0.15以下であると、タオルドライ後のべたつき感を好適に抑制することができる。
【0055】
<(E)アミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤>
前記(E)成分としてのアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤は、泡の濃密さを更に向上するために含有されることが好ましい。
【0056】
<<アミノプロピオン酸系両性界面活性剤>>
前記アミノプロピオン酸系両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0057】
前記アミノプロピオン酸系両性界面活性剤の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。これらの中でも、前記アミノプロピオン酸系両性界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウムイオンが好ましい。
【0058】
<<ベタイン系両性界面活性剤>>
前記ベタイン系両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イミダゾリン型両性界面活性剤、カルボベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0059】
-イミダゾリン型両性界面活性剤-
前記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミドアミン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0060】
前記アミドアミン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
【0061】
-カルボベタイン型両性界面活性剤-
前記カルボベタイン型両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アルキルアミドベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0062】
前記アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
【0063】
前記アルキルアミドベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
【0064】
-スルホベタイン型両性界面活性剤-
前記スルホベタイン型両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルスルホベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0065】
前記アルキルスルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインなどが挙げられる。
【0066】
前記アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
【0067】
これらの中でも、前記(E)成分のアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤としては、泡の濃密さの点から、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
【0068】
前記(E)成分のアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(E)成分のアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤の市販品としは、例えば、商品名で、レボンAPL(β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、三洋化成工業株式会社製)、タイポールソフトLDP-30(ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、泰光油脂化学工業株式会社製)、ソフタゾリン(登録商標)NS(N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、川研ファインケミカル株式会社製)、ソフタゾリン(登録商標)CH(2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、川研ファインケミカル株式会社製)、アンヒトール24B(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、花王株式会社製)、アンヒトール86B(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、花王株式会社製)、ソフタゾリン(登録商標)CPB-R(ラウリン酸アミドプロピルベタイン、川研ファインケミカル株式会社製)、アンヒトール20AB(ラウリン酸アミドプロピルベタイン、花王株式会社製)、エナジコールL-30B(ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフタゾリン(登録商標)LSB(ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、川研ファインケミカル株式会社製)、アンヒトール20HD(ラウリルヒドロキシスルホベタイン、花王株式会社製)などが挙げられる。
【0069】
前記(E)成分のアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡の濃密さ及びタオルドライ後の肌のしっとり感が良好である点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~15質量%がより好ましい。前記(E)成分の含有量が、1質量%以上であると、泡の濃密さが良好であり、20質量%以下であると、タオルドライ後の肌のしっとり感が良好である。
【0070】
<その他の成分>
前記液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、及び前記(E)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を配合することができる。
【0071】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分及び前記(E)成分以外の界面活性剤、前記(B)成分及び前記(C)成分以外の水溶性高分子化合物、油分、シリコーン類、アルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、薬剤(例えば、ビタミン類、抗炎症剤など)、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収又は散乱剤、動植物抽出物又はその誘導体、キレート剤、アミノ酸類、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、水不溶性高分子化合物粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0072】
-(A)成分及び(E)成分以外の界面活性剤-
前記(A)成分及び前記(E)成分以外の界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分以外のアニオン性界面活性剤、前記(E)成分以外の両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】
前記(A)成分以外のアニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンヒドロキシエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩等のエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0074】
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
【0075】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
【0076】
前記(A)成分及び前記(E)成分以外の界面活性剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0077】
-(C)成分以外の水溶性高分子化合物-
前記(C)成分以外の水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0078】
前記(C)成分以外の水溶性高分子化合物の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0079】
-油分-
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0080】
前記油分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましい。
【0081】
-アルコール類-
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低級アルコールであってもよく、高級アルコールであってもよい。
前記アルコール類の具体例としては、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0082】
前記アルコール類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましい。
【0083】
-ラノリン誘導体-
前記ラノリン誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラノリンアルコール、ラノリンアルコール脂肪酸エステル、ラノリンアルコールポリエチレングリコールエーテル、ラノリンアルコールポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0084】
前記ラノリン誘導体の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0085】
-ビタミン類-
前記ビタミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0086】
前記ビタミン類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%~0.5質量%が好ましい。
【0087】
-抗炎症剤-
前記抗炎症剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、アラントイン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0088】
前記抗炎症成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%~0.5質量%が好ましい。
【0089】
-保湿剤-
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0090】
前記保湿剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~10質量%が好ましい。
【0091】
-防腐剤-
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0092】
前記防腐剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0093】
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、塩酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、リン酸、グリコール酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0094】
前記pH調整剤の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を所望のpHに調整することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0095】
-酸化防止剤-
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0096】
前記酸化防止剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0097】
-紫外線吸収又は散乱剤-
前記紫外線吸収又は散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0098】
前記紫外線吸収又は散乱剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0099】
-キレート剤-
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0100】
前記キレート剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0101】
-アミノ酸類-
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0102】
前記アミノ酸類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%~0.5質量%が好ましい。
【0103】
-水不溶性高分子化合物粉体-
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイロン粉体、ポリエチレン粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0104】
前記水不溶性高分子化合物粉体の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0105】
--pH--
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、8.0~10.0が好ましく、8.8~9.8がより好ましい。
前記pHは、例えば、ガラス電極色水素イオン濃度指示計 HM-30R(東亜ディーケーケー社製 電極タイプGST-5721)を使用して測定することができる。
【0106】
--粘度--
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、使用する容器などに応じて適宜選択することができるが、4mPa・s~40mPa・sが好ましく、8mPa・s~30mPa・sがより好ましい。前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度が4mPa・s~40mPa・sであると、フォーマー容器にも好適に使用できる。
例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と、305メッシュ及び200メッシュの多孔質膜体を各1枚使用する際において、使用する温度条件下で、前記液体皮膚洗浄剤組成物の粘度は、30mPa・s以下が好ましく、25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0107】
--容器--
前記液体皮膚洗浄剤組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フォーマー容器などが挙げられる。前記液体皮膚洗浄剤組成物が前記フォーマー容器に充填してなることにより、該液体皮膚洗浄剤組成物を泡状に吐出することができる。
【0108】
前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、公知のフォーマー容器の中から適宜選択することができ、例えば、ノンガス型の泡吐出容器、噴射剤と耐圧容器を使用したエアゾール容器などが挙げられる。これらの中でも、ノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
【0109】
前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器は、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製等のものを使用することができる。より具体的には、フォーマー容器としては、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報などに記載されたフォーマー容器などを使用することができる。
【0110】
前記ノンガス型の泡吐出容器は、泡形成部材を有し、具体的には、泡を形成するための多孔質膜体を有し、前記液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
【0111】
前記多孔質膜体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい。
【0112】
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ~400メッシュがより好ましく、200メッシュ~305メッシュが特に好ましい。
【0113】
また、前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2枚~4枚が好ましい。
【0114】
前記ノンガス型の泡吐出容器において、前記液体皮膚洗浄剤組成物を空気との混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物:空気(体積比)が、1:8~1:15が好ましく、1:10~1:13が特に好ましい。
【0115】
--製造方法--
前記液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分、好ましくは更に前記(E)成分、更に必要に応じて前記その他の成分及び精製水(前記液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量として配合)を混合して得ることができる。
【0116】
具体的には、精製水に、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分と精製水とを別途加温溶解したもの、好ましくは更に前記(E)成分、更に必要に応じて前記その他の成分を添加して混合することにより製造することができる。
【0117】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0118】
--用途--
前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手などに使用することができる。
【0119】
前記液体皮膚洗浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、皮膚刺激性がなく、タオルドライ後の肌にしっとり感を付与でき、タオルドライ後の肌のつっぱり感及びべたつき感がなく、かつ、泡の濃密さと、優れた破泡性とを両立でき、更にすすぎの速さに優れるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特に、ナイロンタオルや綿タオル等の洗浄用具を用いて泡立てて用いるボディソープや、フォーマー容器に充填されてなり、泡状に吐出して用いるボディソープに好適に用いることができる。
【実施例0120】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、「%」の記載はいずれも「質量%」を表し、全量は100質量%であり、各成分は全て純分換算した値である。また、(A)成分の含有量に対する前記(D)成分の含有量の質量比[(D)/(A)]は、小数点以下第4位を四捨五入し、小数点以下第3位まで求め記載した。
【0121】
(実施例1~24及び比較例1~10)
下記表1~表4、表6、及び表7に示す組成及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を以下の方法に準じて調製した。
【0122】
(D)成分のヒドロキシアルキル化シクロデキストリン及び高度分岐環状デキストリンの少なくともいずれか、又は(D)成分の比較成分としてのシクロデキストリンと精製水とを、予め加温溶解した溶解液Iを作製した。
【0123】
精製水に、(A)成分のアミノ酸系界面活性剤又は(A)成分の比較成分としてのアニオン性界面活性剤を溶解した溶解液IIを作製した。
【0124】
次に、前記溶解液IIに、(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子又は(B)成分の比較成分としての塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%未満含有するカチオン性高分子、(C)成分のカチオン化多糖類又は(C)成分の比較成分としてのメタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体、及び前記(D)成分又は前記(D)成分の比較成分を含む溶解液Iを添加して溶解した溶解液IIIを作製した。
【0125】
なお、前記溶解液I及び前記溶解液IIに使用した精製水の合計量は、前記溶解液IIIの質量が、最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物で必要となる質量の95質量%になる量を使用した。
【0126】
その後、共通成分であるプロピレングリコール、フェノキシエタノール、モノエタノールアミン、及び香料を加え、所定のpH(pH9.4)に満たない場合は、共通成分であるクエン酸を添加し、pHを9.4に調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、実施例1~24及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0127】
なお、前記各液体皮膚洗浄剤組成物を調製する際、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。また、pHは、pHメーター(HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
【0128】
(実施例25~28)
下記表5に示す組成及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を以下の方法に準じて調製した。
実施例1~24及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法において、溶解液IIIを作製する際に、更に(E)成分のアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される1種以上の両性界面活性剤を添加したこと以外は、実施例1~24及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法と同様の方法で、実施例25~28の各液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0129】
<評価>
得られた実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、株式会社吉野工業所製]に充填し、以下の評価に用いた。
【0130】
実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「皮膚刺激性」、「泡の濃密さ」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「タオルドライ後の肌のべたつき感」、「タオルドライ後の肌のつっぱり感」、「破泡性」、及び「すすぎの速さ」を評価及び判定した。結果を下記表1~表7に示した。
【0131】
<<皮膚刺激性>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄し、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、下記評価基準に基づいて「皮膚刺激性」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「皮膚刺激性」の評価基準-
4点:皮膚刺激性を感じない
3点:皮膚刺激性をやや感じる
2点:皮膚刺激性を感じる
1点:皮膚刺激性を強く感じる
-「皮膚刺激性」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
【0132】
<<泡の濃密さ>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄後、洗浄後の泡を手のひらに取り、両手で押し合わせた際の跳ね返りの感触及び手を逆さにしたときの垂れにくさを観察し、下記評価基準に基づいて「泡の濃密さ」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「泡の濃密さ」の評価基準-
4点:泡が硬く、手を逆さにしても垂れない
3点:泡がやや硬く、手を逆さにしても垂れない
2点:泡がやや柔らかく、手を逆さにするとやや垂れやすい
1点:泡が柔らかく、手を逆さにすると垂れる
-「泡の濃密さ」の判定基準-
◎◎:3.5点以上4.0点以下
◎:3.0点以上3.5点未満
○:2.5点以上3.0点未満
△:2.0点以上2.5点未満
×:2.0点未満
【0133】
<<タオルドライ後の肌のしっとり感>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄し、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、下記評価基準に基づいて「タオルドライ後の肌のしっとり感」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のしっとり感」の評価基準-
4点:しっとり感を強く感じる
3点:しっとり感を感じる
2点:しっとり感をやや感じる
1点:しっとり感を感じない
-「タオルドライ後の肌のしっとり感」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0134】
<<タオルドライ後の肌のべたつき感>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄し、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、下記評価基準に基づいて「タオルドライ後の肌のべたつき感」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のべたつき感」の評価基準-
4点:べたつき感を感じない
3点:べたつき感をやや感じる
2点:べたつき感を感じる
1点:べたつき感を強く感じる
-「タオルドライ後の肌のべたつき感」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0135】
<<タオルドライ後の肌のつっぱり感>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄し、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、下記評価基準に基づいて「タオルドライ後の肌のつっぱり感」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感」の評価基準-
4点:つっぱり感を感じない
3点:つっぱり感をやや感じる
2点:つっぱり感を感じる
1点:つっぱり感を強く感じる
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0136】
<<破泡性>>
専門評価者が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)とり、黒い板(40cm×30cm)の全面に塗り広げた。その後、液体皮膚洗浄剤組成物の塗布領域から20cm離れた位置から、霧吹き(Z-305 コンパクトトリガー ポンプ、株式会社三谷バルブ製)を用いて、位置を変えながら複数回の噴射で前記塗布領域の全体に水約1.8mLがかかるようにして噴霧した。噴霧から15秒間経過後、黒い板をデジタルカメラ(撮影倍率1倍)で撮影し、撮影した画像を黒い板全面が映る範囲に加工した後に、画像解析ソフトウェア(WinRoof、三谷商事株式会社製)を用いて二値化し、黒い板の全領域に対する黒い板が見えない領域の割合を求め、下記評価基準に基づいて「破泡性」を評価した。この評価を10回同様にして行った。結果は、10回の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「破泡性」の評価基準-
4点:黒い板の全領域に対する黒い板が見えない領域の割合が60%未満
3点:黒い板の全領域に対する黒い板が見えない領域の割合が60%以上70%未満
2点:黒い板の全領域に対する黒い板が見えない領域の割合が70%以上80%未満
1点:黒い板の全領域に対する黒い板が見えない領域の割合が80%以上
-「破泡性」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0137】
<<すすぎの速さ>>
専門評価者10名が、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに2プッシュ(約6g)取り、全身を洗浄し、40℃の温水ですすぎ流した際、すすぎ始めからすすぎ終わりまでの時間をストップウォッチで計測し、下記評価基準に基づいて「すすぎの速さ」を評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「すすぎの速さ」の評価基準-
4点:すすぎが10秒間以内で終わる
3点:すすぎが10秒間超12秒間以内で終わる
2点:すすぎが12秒間超15秒間以内で終わる
1点:すすぎが15秒間超かかる
-「すすぎの速さ」の判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0138】
【表1】
【0139】
【表2】
【0140】
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】
【表5】
【0143】
【表6】
【0144】
【表7】
【0145】
(処方例1~6)
実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法において、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、及び共通成分の組成及び含有量を下記表8に示す組成及び含有量に変更したこと以外は、実施例1~28及び比較例1~10の各液体皮膚洗浄剤組成物の調製方法と同様の方法で、処方例1~6の各液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0146】
【表8】
【0147】
実施例1~28及び比較例1~10、並びに処方例1~6で使用した各成分の詳細について、下記表9に示す。
【0148】
【表9】
【0149】
※1:(A)成分の比較成分のラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:(B)成分の比較成分のアクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート3330PR、日本ルーブリゾール株式会社製)は、下記一般式(1)で表される構造を有する高分子化合物であり、下記一般式(1)中のnが34であり、mが31であり、zが35である。
【化3】
ただし、前記一般式(1)中、n、m、及びzは、各構造単位のモル比(モル%)を示し、n+m+z=100である。