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特開2024-48069撮影システム、および、撮影装置のリモートコントロールユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048069
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】撮影システム、および、撮影装置のリモートコントロールユニット
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/66 20230101AFI20240401BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20240401BHJP
   H04N 23/62 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/222
H04N5/232 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153916
(22)【出願日】2022-09-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千 禄太
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA02
5C122DA38
5C122EA42
5C122EA63
5C122FH11
5C122FK23
5C122FK28
5C122FK40
5C122FL03
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】本発明では、複数のチャネルにおける色情報の設定を視覚的に把握することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】代表的な本発明のリモートコントロールユニットの一つは、タッチパネルを備えた撮影装置のリモートコントロールユニットであって、前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、前記タッチパネルには、前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、が表示される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた撮影装置のリモートコントロールユニットであって、
前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、
前記タッチパネルには、
前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、
前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、
が表示される、リモートコントロールユニット。
【請求項2】
前記チャネルオブジェクトは、前記映像に含まれる人物の数と同じ数だけ表示される、請求項1に記載のリモートコントロールユニット。
【請求項3】
前記チャネルオブジェクトが選択された場合、
前記映像において前記チャネルオブジェクトに関連付けられた人物を特定した選択枠が表示される、請求項1に記載のリモートコントロールユニット。
【請求項4】
前記色情報は色相である、請求項1から3のいずれか一項に記載のリモートコントロールユニット。
【請求項5】
撮影装置と、タッチパネルを備えたリモートコントロールユニットと、を含む撮影システムであって、
前記リモートコントロールユニットは、前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、
前記タッチパネルには、
前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、
前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、
が表示される、撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、および、撮影装置のリモートコントロールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ制作において、映像中に含まれる人物の肌(例えば、輪郭および色相を含む)を補正し、映像の色調を改善することが行われている。
【0003】
テレビ制作に用いられる撮像装置としては、例えば特許文献1に示されるものが挙げられる。ここでは撮像装置は、モニター画面を有するビューファインダと、映像処理部と、送信部と、有している。さらに、映像処理部は、人物判定部と、人物情報取得部と、人物情報送信部と、を有する。前記人物判定部は前記モニター画面に映し出された映像の内の人物を判定する機能を有する。前記人物情報取得部は、前記人物判定部によって判定された人物の人物情報を取得する。前記人物情報送信部は、前記人物情報を、前記送信部を介して送信する。このような装置を用いることによって、スタジオにおいては、カメラマンは人物を撮影しながらビューファインダを通じて補正を行う。また、スタジオの外部においては、送信された人物情報を取得し、リモートコントロールユニットを通じて映像ビデオエンジニアが人物情報を取得して補正を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-150529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スタジオ内でリハーサルの時、アナウンサー等の出演者の肌および輪郭等を調整している。このような調整は、出演者ごとにチャネルを割り当ててチャネルごとに表示が切り替えられた画面上で行わる。このため、出演者が複数である場合、チャネルを切り替えながら色相を設定する必要がある。その結果、チャネル間の色相の設定の差異を視覚的に把握することが難しいという課題があるが、特許文献1では、このような課題については検討されていない。
そこで、本発明では、複数のチャネルにおける色情報の設定を視覚的に把握することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のリモートコントロールユニットの一つは、タッチパネルを備えた撮影装置のリモートコントロールユニットであって、前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、前記タッチパネルには、前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、が表示される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のチャネルにおける色情報の設定を視覚的に把握することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来のリモートコントロールユニットの操作ボタンおよび表示画面を示す図である。
図2】実施形態における撮影装置のリモートコントロールユニットが用いられる撮影態様の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る撮影装置の構成を示す図である。
図4】カメラコントロールユニットの構成を示す図である。
図5】リモートコントロールユニットの構成を示す図である。
図6】波形モニターの表示画面の表示例を示す図である。
図7】リモートコントロールユニットにおいて、人物の色情報を補正する場合の表示画面を示す図である。
図8】色情報画面を用いた色情報の設定方法を示す図である。
図9】色情報画面の機能を説明する図である。
図10】実施形態に係る色情報の補正方法を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0010】
また、「映像の色情報」とは、映像に含まれる色を規定するための情報を意味し、例えば、色相、色彩、明度が含まれる。
【0011】
[従来例]
図1を参照して、従来のリモートコントロールユニットを用いた映像信号の調整の例を説明する。図1は、従来のリモートコントロールユニットの操作ボタンおよび表示画面を示す図である。図1(a)は操作ボタンおよび表示画面を抜粋して示す図であり、図1(b)はその表示画面を拡大して示す図である。
【0012】
図1(a)に示されるように、リモートコントロールユニット1は、操作ボタン2、液晶パネル3、ロータリーエンコーダー4を備えている。操作ボタン2は、リモートコントロールユニット1が有する機能を選択または実行するためのボタンである。ロータリーエンコーダー4は、パラメータの値を調整するために用いられる入力手段である。
【0013】
図1(b)は、操作ボタン2のうち「ADJUST1」ボタン21を押した場合の、液晶パネル3を示す図である。「ADJUST1」ボタン21は、リモートコントロールユニットが有する調整機能のうち、一部のメニューを表示させるためのボタンである。
【0014】
液晶パネル3には、メニュータブ31と、チャネル表示32、機能表示33、パラメータの調整項目34が表示される。メニュータブ31は、ボタン21に割り当てられた調整メニューが含まれている。ここでは、調整メニューのうち、タブ「SKIN DETAIL]が開かれている。メニュータブ31の下部には、チャネル(以下、「チャネル」を「CH]ともいう。)表示32に含まれる「CH1」と「CH2」と「CH3」のうち「CH1」のみ背景にハッチングがされており、「CH1」が選択されていることが示されている。同様に、機能表示33のうち、調整メニュー「SKIN DTL1 ON」のみ背景にハッチングがされており、これが選択されていることが示されている。
【0015】
メニュータブ31、チャネル表示32、および機能表示33の切り替えは、例えば、操作ボタン2のうち、左から5番目のConfigボタンと左から1番目のFunctionボタンの操作を組み合わせることによって、行うことが可能である。Configボタンを押すたびにメニュータブ31が切り替わり、所望のメニューが選択された時点でFunctionボタンを押す。そうすると、液晶パネル3に選択されたメニューのチャネル表示32、機能表示33が表示される。これら表示についても、ConfigボタンおよびFunctionボタンを操作することによって、段階的に選択することが可能である。なお、液晶パネル3がタッチパネルである場合、メニュータブ31、チャネル表示32、および機能表示33を、ユーザのタッチ操作またはスタイラスペン等の入力デバイスの操作によって選択可能としてもよい。
【0016】
SKIN DTL1 ONが選択された場合、映像に含まれる人物の肌の色を補正することができる。調整項目34に示されるように、項目「LEVEL」は色の濃さを変更する。128から-128までの段階がある。項目「PHASE」は色相を示す。項目「WIDTH」は色相の範囲を示す。
【0017】
調整項目34の位置、ロータリーエンコーダー4の位置と対応しており、図1(a)に示されるように、ロータリーエンコーダー4の各々の直上に調整項目が配置されるように表示される。ロータリーエンコーダー4を回転させることによって、直上の調整項目が変更される。
【0018】
ここで、色の補正は、映像に含まれる人物ごとに行われる。例えば、チャネル表示32の「CH1」に第1人物に関する補正情報を設定し、「CH2」に第2人物に関する補正情報を設定し、「CH3」に第3人物に関する補正情報を設定する。「CH2」「CH3」についても「CH1」と同様に、調整項目34を表示し、ロータリーエンコーダー4を用いて各調整項目の設定値を変更し、個別に調整が行われる。
【0019】
色情報に関する補正は、画面に登場する人物間の色の違いを考慮したうえで調整することが望ましい。しかしながら、従来の技術においては、ある人物の色情報を補正している間には他の人物の色情報を確認することができない。また、リモートコントロールユニット1による調整の結果は、別個の装置である液晶モニターによって確認せねばならず、利便性に欠ける。
【0020】
[実施形態]
(撮影スタジオ)
以下、図2を参照して、本発明の実施形態について説明する。図2は、実施形態における撮影装置のリモートコントロールユニットが用いられる撮影態様の一例を示す図である。
【0021】
撮影現場は、撮影スタジオ100側と調整室200側に分かれる。まず撮影スタジオ100側において、撮影装置101が配置され、撮影装置によってステージ120が撮影される。撮影装置101は、レンズ部102と、カメラ本体部103と、ビューファインダ104を有している。ビューファインダ104は、撮影装置101を操作するユーザが撮影した映像を確認するためのモニターである。ユーザは、撮影装置101を操作しながら、ビューファインダ104を通じて撮影した映像を確認する。
【0022】
撮影装置101によって取得された映像および音声等を含む映像信号Svは、光ケーブル105を介して、調整室200にあるカメラコントロールユニット201に送信される。また、光ケーブル105は、双方向に通信が可能であるため、後述するように、リモートコントロールユニット205から送信された変更情報Ivmを撮影装置101へ伝送する。
【0023】
なお、撮影装置101-1および101-2についても、撮影装置101と同様の構成を有している。撮影装置それぞれがレンズ部とカメラボディ部とビューファインダ部を有している。撮影装置101-1によって取得された映像信号は光ケーブル105-1を介して、また、撮影装置101-2によって取得された映像信号は光ケーブル105-2を介して、それぞれ調整室200へ送信される。
【0024】
なお、図2においては、3台の撮影装置が設置された場合が示されているところ、台数はこれに限定されない。撮影装置の台数は適宜選択しうる。また、光ケーブルは情報を伝送する手段の一例として挙げたものであり、光ケーブルに限定されない。光ケーブルの代わりに、例えばHDMIケーブル等を用いることも可能である。なお、光ケーブルは撮影スタジオ100と調整室200が分かれているために必要になったものであり、撮影スタジオ100と調整室200が共通の場合には光ケーブルを省略することも可能である。
【0025】
(調整室)
調整室200において、カメラコントロールユニット201、映像モニター202、波形モニター203、LAN(ローカルネットワーク)204、リモートコントロールユニット205、が設けられている。
【0026】
カメラコントロールユニット201は、映像信号Svを受信する。後述するように、映像信号Svには映像情報Ivが関連付けられている。カメラコントロールユニット201は、映像情報Ivを波形モニター203に送信する。また、映像情報Ivは、LAN204を通じて、リモートコントロールユニット205にも送信される。
【0027】
また、カメラコントロールユニット201は、映像モニター202へ信号を送信し映像を表示させる。映像モニター202は、映像信号Svに基づく映像を表示し、調整室200内のユーザに示す。
【0028】
波形モニター203は、映像情報Ivに含まれる情報のうち、特に映像の色を規定する情報(以下、「色情報」ともいう。)を表示する。詳細は後述する。
【0029】
リモートコントロールユニット205は、映像情報Ivに含まれる情報のうち、色情報を表示する。また、リモートコントロールユニット205は、ユーザによる操作を受け付けて、映像情報Ivを変更するための変更情報Ivmをカメラコントロールユニット201に送信する。なお、変更情報Ivmには、色情報の設定を変更するための情報も含む。詳細については後述する。
【0030】
なお、カメラコントロールユニット201―1および201-2についても、カメラコントロールユニット201と同様の構成および機能を有している。また、図2においては、3台の撮影装置に対応して3台のカメラコントロールユニットが設置された場合が示されているところ、台数はこれに限定されない。1台のカメラコントロールユニットによって、複数の撮影装置を制御可能な構成とすることも可能である。
【0031】
また、図2においては、3台のリモートコントロールユニット205が設置される場合が示されているところ、台数はこれに限定されない。カメラコントロールユニットごとにリモートコントロールユニットを設ける構成としてもよいし、1台のリモートコントロールユニットによって複数のカメラコントロールユニットを制御する構成としてもよい。
【0032】
また、カメラコントロールユニットとリモートコントロールユニットを別個に設ける構成を示すところ、カメラコントロールユニットの機能とリモートコントロールユニットの機能の両方を有するコントロールユニットとしてもよい。この場合にはLAN204を省略する。なお、LAN204は、情報を伝送する手段の一例として挙げたものである。有線または無線の接続の方法や通信規格は、適宜設定しうる。
【0033】
撮影が行われる撮影システムは、上記に説明したような撮影装置を少なくとも含む。上記に説明した構成は、適宜選択され、撮影システムに含めることが可能である。また、撮影システムは、上記に説明した構成以外の構成も含むことが可能である。
【0034】
(撮影装置の構成)
図3は、実施形態に係る撮影装置の構成を示す図である。なお、撮影装置101の構成を説明するが、撮影装置101-1および101-2についても、撮影装置101と同様の構成を有する。
【0035】
図3(a)は、撮影装置101の構成を示す図である。撮影装置101は、レンズ部102と、カメラ本体部103と、ビューファインダ104と、により構成される。カメラ本体部103は、撮像部130と、映像処理部131と、送信部132と、受信部133と、入力部134と、を有する。
【0036】
撮像部130は、レンズ部102を介して撮影された映像を映像データDvへ変換し、変換された映像データDvを映像処理部131へ送信する。
【0037】
映像処理部131は、映像データDvに基づいて映像信号Svを生成する。生成された映像信号Svは、送信部132を介して、調整室200に設置されたカメラコントロールユニット201へも送信される。また、映像処理部131は、ビューファインダ104に映像を表示させる。
【0038】
受信部133は、カメラコントロールユニット201から送信された変更情報Ivmを受信する。変更情報Ivmは、映像処理部131へ送信される。
【0039】
入力部134は、撮影装置101を操作するユーザの指示を受け付ける。ユーザの指示のうち、映像の拡大縮小等の撮影条件の変更に関するものは、撮像部130へ送信される。また、映像情報の変更に関するものは、映像処理部131へ送信される。
【0040】
図3(b)は、映像処理部131の構成を示す図である。映像処理部131は、映像解析部311と、映像信号生成部312と、情報変更部313と、表示変更部314、を有する。
【0041】
映像解析部311は、映像データDvを解析し、映像データDvに含まれる被写体の情報等を含む映像情報Ivを抽出する。例えば、映像情報には、人物の色情報が含まれる。
【0042】
ここで、人物の色情報に関し、映像解析部311は、映像データDvにおいて人物の顔の領域を特定し、特定した領域の色情報を取得する。ここで、色情報は、肌の輪郭レベル(SKIN DTL LEVEL)、色相(PHASE)、色相範囲(WIDTH)等である。映像解析部311は、複数の記憶領域を有しており、顔の領域ごとに記憶領域に接続するためのチャネルを設定し、チャネルに色に関する情報を割り当てる。
【0043】
映像信号生成部312は、映像解析部311によって抽出された映像情報Ivを映像データDvに関連付けて映像信号Svを生成する。映像信号Svは、送信部132からカメラコントロールユニット201へ送信される。
【0044】
情報変更部313は、受信部133から送信された変更情報Ivmを受信する。また、情報変更部313は、入力部134を介してユーザの操作を受け付け、変更情報Ivmを取得する。情報変更部313は、映像信号Svの映像情報Ivを変更情報Ivmに基づいて補正する。
【0045】
表示変更部314は、変更された映像情報にIvに基づいて映像信号Svから映像を作成し、映像をビューファインダ104に表示する。
【0046】
(カメラコントロールユニットの構成)
図4は、カメラコントロールユニット201の構成を示す図である。なお、カメラコントロールユニット201の構成を説明するが、カメラコントロールユニット201-1および201-2についても、カメラコントロールユニット201と同様の構成を有する。
【0047】
カメラコントロールユニット201は、受信部221、情報変更部222、表示変更部223、映像情報抽出部224、入力部225、ネットワーク受信部226、ネットワーク送信部227、送信部228、を有する。
【0048】
受信部221は、撮影装置101から送信された映像信号Svを光ケーブルを介して受信する。ここで、映像信号Svには映像に含まれる人物の色情報が含まれているため、受信部221は撮影装置101によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する、ともいうことができる。
【0049】
入力部225は、ユーザ操作を受け付ける。カメラコントロールユニット201において、映像信号Svに含まれる映像情報Ivの変更を受け付ける。
【0050】
ネットワーク受信部226は、リモートコントロールユニット205から送信される変更情報Ivmを受信する。変更情報Ivmは情報変更部222へ送信される。情報変更部222は、映像信号Svの映像情報Ivを変更情報Ivmに基づいて補正する。
【0051】
表示変更部223は、変更された映像情報Ivに基づいて映像信号Svから映像を作成し、映像を映像モニター202に表示する。
【0052】
映像情報抽出部224は、映像信号Svから映像情報Ivを抽出する。映像情報Ivは、ネットワーク送信部227によってLAN204に送信される。また、人物の色情報の場合、波形モニター203へ送信される。
【0053】
(リモートコントロールユニットの構成)
図5は、リモートコントロールユニット205の構成を示す図である。なお、リモートコントロールユニット205の構成を説明するが、他のリモートコントロールユニットについても、リモートコントロールユニット205と同様の構成を有する。
【0054】
リモートコントロールユニット205は、受信部251、記憶部252、機能選択部253、タッチパネル254、タッチパネル入力部255、入力部256、送信部257を有する。
【0055】
受信部251は、撮影装置101から送信された映像信号Svをカメラコントロールユニット201を介して受信する。
【0056】
記憶部252は、映像信号Svを記憶する。また、リモートコントロールユニット205において生成された変更された映像情報Ivを記憶する。
【0057】
機能選択部253は、ユーザが入力部256にした操作に従って、リモートコントロールユニット205が有する機能を選択し、タッチパネルに表示する。例えば、ユーザによって色情報の補正に関する機能が選択された場合、機能選択部253は、映像情報Ivに含まれる人物の色情報をタッチパネル254に表示する。
【0058】
タッチパネル入力部255は、タッチパネル254においてされたユーザの操作を受け付ける。
【0059】
以上、撮影装置の構成、カメラコントロールユニットの構成、リモートコントロールユニットの構成について説明した。ここで、映像解析部311が撮影装置にのみ設けられる場合を説明したところ、本発明はこれに限定されない。映像解析部311はカメラコントロールユニットおよびリモートコントロールユニットのすくなくとも1つに設けられる構成とすることも可能である。また、カメラコントロールユニットの機能およびリモートコントロールユニットの機能を1つのコントロールユニットによって実現する構成とすることも可能である。
【0060】
(波形モニターの画像)
図6は、波形モニター203の表示画面の表示例を示す図である。図6に示されるように、波形モニター203には、ベクトルスコープが表示される。
【0061】
ベクトルスコープは、映像に含まれる特定の箇所の色相と彩度を表示するものである。表示された円形状のうち、色相が周方向に示されており、彩度が円の中心からの距離によって示される。色相は、R(レッド)、Mg(マゼンダ)、B(ブルー)、Cy(シアン)、G(グリーン)、Y(イエロー)と、それぞれの中間の色相を示す目盛りが付されている。また、彩度は、中心から離れるにつれて大きくなることを意味する。マーカ2031は、例えば、人物Aの肌の色相および彩度を示す。
【0062】
仮に、波形モニター203を用いて人物の色情報の補正を行う場合、人物ごとにベクトルスコープの表示を切り替えて、マーカの位置を設定する。
【0063】
(リモートコントロールユニットの表示)
次に、図7を参照して、リモートコントロールユニット205の表示を説明する説明する。
【0064】
図7は、リモートコントロールユニット205において、人物の色情報を補正する場合の表示画面を示す図である。図7(a)はリモートコントロールユニット205の操作パネルおよびタッチパネルを示す図であり、図7(b)はタッチパネル254を拡大して示す図である。リモートコントロールユニット205の操作パネルおいて、入力部256のうち機能選択ボタン256-1が押下されると、タッチパネル254に図7(b)に示される色情報画面500が表示される。色情報画面500には、色情報設定オブジェクト501とチャネルオブジェクト502から504と、設定テーブル505が含まれる。
【0065】
色情報設定オブジェクト501は、色情報を設定するために用いられるオブジェクトである。色情報設定オブジェクト501は、リング状の形状を有している。周方向には色が設定されており、それぞれ、R(レッド)、Mg(マゼンダ)、B(ブルー)、Cy(シアン)、G(グリーン)、Y(イエロー)と、それぞれの中間の色相を示す目盛りが付されている。色相の設定値は、たとえば0から359までの360段階に分かれている。チャネルオブジェクト502から504は、人物に関連付けられた色情報を指定し、ゆーざによってタッチ操作可能なオブジェクトである。チャネルオブジェクト502から504は、人物の色情報を設定するチャネルにそれぞれ対応している。設定テーブル505は、チャネルごとの設定値を示す。このように、リモートコントロールユニット205は、各チャネルの色相を色情報画面500に表示する。
【0066】
図8は、色情報画面500を用いた色情報の設定方法を示す図である。図8(a)に示されるように、ユーザがチャネルオブジェクト502をタッチする操作(以下、「タッチ操作」ともいう。)506によってタッチパネル254を押下し選択する。チャネルオブジェクト502を選択した状態のまま、色情報設定オブジェクト501に沿ってドラッグ操作をする。図8(b)に示される場合においては、チャネルオブジェクト502はR付近からY-R付近へ移動している。また、設定テーブル505に示されるように、チャネルオブジェクト502によって変更された設定値は、設定値部505bに138と表示されている。なお、設定テーブル505におけるチャネル表示部505aの背景は、設定値138に該当する色相と同じ色に変更される。
【0067】
このようにして設定された色情報は、送信部257を介して、変更情報Ivmとしてカメラコントロールユニット201および撮影装置101に送信される。カメラコントロールユニット201は、変更情報Ivmに基づいて映像信号Svに含まれる映像情報Ivを補正し、映像モニター202に映像を表示する。撮影装置101においては、変更情報Ivmに基づく表示がビューファインダ104に表示される。色情報に基づいて人物の顔および色情報に該当する人物の肌を補正することによって、映像における人物の肌の質感を改善することができる。なお、人物の顔の補正のみを行うこととしてもよいし、顔と顔以外の体の部分とを紐づけて人物の肌の補正を行うこととしてもよい。
【0068】
上述の説明は操作態様の一例を示すものであり、操作態様はこれに限定されるものではない。例えば、チャネルオブジェクトは通常は操作を受け付けないロック状態としておき、ロングタップをすることによって操作可能となるようにしてもよい。また、タッチ操作506は、スタイラスペン等の入力デバイスの操作であってもよい。
【0069】
また、設定値の調整は、タッチパネルによる入力に限定されない。ロータリーエンコーダー258によって設定値を変更することも可能である。また、ロータリーエンコーダー258の操作に応じて、チャネルオブジェクトの表示位置を変更することも可能である。
【0070】
また、実施形態における色情報設定オブジェクト501は色相の指標であるところ、色相のみに限定されない。リングの径方向に彩度の指標を設け、ベクトルスコープとして、色情報を表示する構成とすることも可能である。また、色相および彩度以外の色情報(例えば、明度)についても、同様に指標をバーやスライダ等のオブジェクトに割り当て、チャネルごとにチャネルオブジェクトを設ける構成としてもよい。
【0071】
図9は、色情報画面の機能を説明する図である。図9(a)は、タッチ操作506によってチャネルオブジェクト502が選択された場合を示す図である。図9(b)は、チャネルオブジェクト502が選択された場合、映像モニター202の表示を示す図である。図9(b)に示されるように、映像信号Svには、撮影スタジオ100において、人物Aから人物Cを撮影した映像が含まれている。チャネルオブジェクト502を選択することによって、人物Aの顔部分に選択枠507が表示される。選択枠507は、チャネルオブジェクトに関連付けられた人物を特定する表示である。チャネルオブジェクト502はチャネル1に対応するところ、チャネル1の設定は、人物Aに関する映像情報が割り当てられている。
【0072】
一方、図9(c)は、タッチ操作506によってチャネルオブジェクト503が選択された場合した場合を示す図である。図9(d)は、チャネルオブジェクト503を選択した場合、映像モニター202の表示を示す図である。チャネルオブジェクト503を選択することによって、人物Bの顔部分に選択枠507が表示される。チャネルオブジェクト503はチャネル2に対応するところ、チャネル2の設定は、人物Bに関する映像情報が割り当てられている。
【0073】
同様に、チャネルオブジェクト504を選択した場合、人物Cの顔部分に選択枠507が表示される。このように、チャネルオブジェクトを選択したときに人物に選択枠を表示させることによって、チャネルオブジェクトに対応するチャネルと人物の映像情報との対応関係を視覚的に表すことができる。
【0074】
なお、チャネルオブジェクトが3つの場合を示しているが、これに限定されない。チャネルオブジェクトは、映像に含まれる人物の数と同じ数だけ表示する構成とすることが可能である。
【0075】
(色情報の補正のフローチャート)
図10は、実施形態に係る色情報の補正方法を示すフローチャートを示す図である。
【0076】
ステップS1において、映像解析部311は、映像データDvを解析し、映像データDvに含まれる人物の顔の領域を特定する。ステップS2において、映像解析部311は、特定した領域の色情報を取得する。ステップS3において、映像解析部311は、複数の記憶領域を有しており、顔の領域ごとに記憶領域に接続するためのチャネルを設定し、チャネルに色に関する情報を割り当てる。なお、実施の形態において、映像解析部311は撮影装置101に設けられる構成を示しているが、カメラコントロールユニット201およびリモートコントロールユニット205に設ける構成としてもよい。
【0077】
ステップS4において、リモートコントロールユニット205は、各チャネルの色相を色情報画面500に表示する。ステップS5において、色情報画面500においてユーザによる色相の変更がされる場合、リモートコントロールユニット205は、変更情報Ivmが生成される。ステップS6において、リモートコントロールユニット205は、変更情報Ivmを、カメラコントロールユニット201および撮影装置101に送信する。
【0078】
ステップS7において、カメラコントロールユニット201および撮影装置101において、映像信号Svに含まれる映像情報Ivが変更情報Ivmに基づいて補正され、補正後の画像が表示される。
【0079】
(作用・効果)
実施形態によれば、色情報画面にチャネルごとの色情報が表示される。色情報設定オブジェクト501に色相の設定値が表示され、また、チャネル表示部505aにも設定値に該当する色相と同じ色の背景が表示される。このように、実施形態によれば、複数のチャネルにおける色情報の設定を視覚的に把握することができる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、色情報画面は、リモートコントロールユニットにおける表示に限定されない。撮影装置やカメラコントロールユニットにおける表示にも適用可能であるし、また、スマートフォンやタブレット端末等の一般的な携帯端末に表示させることも可能である。
【0081】
[他の実施態様]
本開示は次の態様も含む。
(態様1)
タッチパネルを備えた撮影装置のリモートコントロールユニットであって、
前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、
前記タッチパネルには、
前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、
前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、
が表示される、リモートコントロールユニット。
(態様2)
前記チャネルオブジェクトは、前記映像に含まれる人物の数と同じ数だけ表示される、態様1に記載のリモートコントロールユニット。
(態様3)
前記チャネルオブジェクトが選択された場合、
前記映像において前記チャネルオブジェクトに関連付けられた人物を特定した選択枠が表示される、態様1または2に記載のリモートコントロールユニット。
(態様4)
前記色情報は色相である、態様1から3のいずれか一つに記載のリモートコントロールユニット。
(態様5)
撮影装置と、タッチパネルを備えたリモートコントロールユニットと、を含む撮影システムであって、
前記リモートコントロールユニットは、前記撮影装置によって取得された映像に含まれる人物の色情報を受信する受信部を備え、
前記タッチパネルには、
前記色情報を設定するための色情報設定オブジェクトと、
前記人物に関連付けられた前記色情報を指定し、ユーザによってタッチ操作可能なチャネルオブジェクトと、
が表示される、撮影システム。
【符号の説明】
【0082】
1:リモートコントロールユニット
2:操作ボタン
3:液晶パネル
4:ロータリーエンコーダー
21:ADJUST1ボタン
31:メニュータブ
32:チャネル表示
33:機能表示
34:調整項目
100:撮影スタジオ
101、100-1、100-2:撮影装置
102:レンズ部
103:カメラ本体部
104:ビューファインダ
105、105-1、105-2:光ケーブル
120:ステージ
130:撮像部
131:映像処理部
132:送信部
133:受信部
134:入力部
138:設定値
200:調整室
201、201-1、201-2:カメラコントロールユニット
202:映像モニター
203:波形モニター
204:LAN(ローカルネットワーク)
205:リモートコントロールユニット
221:受信部
222:情報変更部
223:表示変更部
224:映像情報抽出部
225:入力部
226:ネットワーク受信部
227:ネットワーク送信部
228:送信部
251:受信部
252:記憶部
253:機能選択部
254:タッチパネル
255:タッチパネル入力部
256:入力部
256-1:機能選択ボタン
257:送信部
258:ロータリーエンコーダー
311:映像解析部
312:映像信号生成部
313:情報変更部
314:表示変更部
500:色情報画面
501:色情報設定オブジェクト
502、503、504:チャネルオブジェクト
505:設定テーブル
505a:チャネル表示部
505b:設定値部
506:タッチ操作
507:選択枠
2031:マーカ
Dv:映像データ
Iv:映像情報
Ivm:変更情報
Sv:映像信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10