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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048091
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】配線シート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20240401BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G01N27/00 B
H05K3/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153952
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塚田 孝高
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大史
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AE12
2G060AF07
2G060AG06
2G060AG10
2G060KA05
(57)【要約】
【課題】ベース基材の一方の面に導電性配線が形成されてなる配線シートにおいて、導電性配線を物理的な外力から保護しながらも、導電性配線をコネクタに容易に接続する。
【解決手段】ベース基材10と、ベース基材10の一方の面に形成された検知用配線20a,20bと、ベース基材10の一方の面にて検知用配線20a,20bの一部を覆うように積層された保護層30とを有し、検知用配線20a,20bの一部がコネクタに電気的に接続されて検査が行われる配線シートであって、検知用配線20a,20bは、コネクタに接続されるコネクタ接続部21a,21bを有し、保護層30は、コネクタ接続部21a,21bの一部が表出するようにベース基材10に積層され、ベース基材10には、ベース基材10をコネクタ接続部21a,21bに沿って切断するための切断ガイドGが示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材と、前記ベース基材の一方の面に形成された導電性配線と、前記ベース基材の前記一方の面にて前記導電性配線の一部を覆うように積層された保護層とを有し、前記導電性配線の一部がコネクタに電気的に接続されて検査が行われる配線シートであって、
前記導電性配線は、前記コネクタに接続されるコネクタ接続部を有し、
前記保護層は、少なくとも前記コネクタ接続部の一部が表出するように前記ベース基材に積層され、
前記ベース基材には、当該ベース基材を前記コネクタ接続部に沿って切断するための切断ガイドが示されている、配線シート。
【請求項2】
請求項1に記載の配線シートにおいて、
前記ベース基材が、矩形形状であり、
前記切断ガイドは、前記ベース基材の互いに対向する端辺間の中心線を介して左右非対称である、配線シート。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配線シートの製造方法であって、
前記切断ガイドを、前記導電性配線の形成パターンと前記保護層の積層パターンとの少なくとも一方によって前記ベース基材上に形成する、配線シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース基材の一方の面に導電性配線が形成され、導電性配線の一部がコネクタに電気的に接続されて検査が行われる配線シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、漏水の発生を検出する様々な仕組みが考えられており、例えば、特許文献1にそのような仕組みを有する無線ICセンサーが開示されている。特許文献1に開示された無線ICセンサーは、接水時に電波の発信機能を停止したり、発信機能が障害を受けたりすることで漏水の発生を検出することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された無線ICセンサーにおいては、接水時に電波の発信機能を停止したり、発信機能が障害を受けたりすることで漏水の発生を検出するものであるため、漏水を判断するパソコン等において、無線ICセンサーからデータを受信できない場合、それが接水による通信不良なのかセンサーの故障による通信不良なのかを区別することができない。
【0004】
特許文献2には、ベース層上に導電ラインを形成し、油分が付着した場合に導電ラインの抵抗値を変化させることで、油分の漏れを検出する技術が開示されている。このような技術を用いて水分や油分の漏れを検出するものにおいては、導電性配線となる導電ラインが物理的な外力によって断線してしまうと、その後の水分や油分の検出を行うことができなくなってしまう。特に、油分が付着した場合に導電性配線を断線させることで油分の漏れを検出するものにおいては、油分が付着した場合に導電性配線を断線させるため、導電性配線が元々断線しやすい構成を有している場合が多く、物理的な外力によって断線してしまう可能性が高い。なお、特許文献2に開示されたものにおいては、導電ラインが形成されたベース層の全面に、微細な孔を有する保護層が貼り付けられている。このように導電性配線が形成されたベース基材の全面に保護層を貼り付けることで、導電性配線が物理的な外力によって断線してしまう可能性を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-218839号公報
【特許文献2】特許第5904386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような配線シートは、導電性配線がコネクタを介して制御器等に電気的に接続されることで、導電性配線が短絡あるいは断線したりその抵抗値が変化したりしていることが検出されることになる。しかしながら、上述したように導電性配線が形成されたベース基材の全面に保護層が貼り付けられていると、導電性配線をコネクタに電気的に接続することが困難となってしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ベース基材の一方の面に導電性配線が形成されてなる配線シートにおいて、導電性配線を物理的な外力から保護しながらも、導電性配線をコネクタに電気的に容易に接続することができる配線シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
ベース基材と、前記ベース基材の一方の面に形成された導電性配線と、前記ベース基材の前記一方の面にて前記導電性配線の一部を覆うように積層された保護層とを有し、前記導電性配線の一部がコネクタに電気的に接続されて検査が行われる配線シートであって、
前記導電性配線は、前記コネクタに接続されるコネクタ接続部を有し、
前記保護層は、少なくとも前記コネクタ接続部の一部が表出するように前記ベース基材に積層され、
前記ベース基材には、当該ベース基材を前記コネクタ接続部に沿って切断するための切断ガイドが示されている配線シートである。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、ベース基材には導電性配線の一部を覆うように保護層が積層されていることで、導電性配線が物理的な外力から保護される。また、導電性配線の一部がコネクタに電気的に接続されて検査が行われるが、導電性配線が、コネクタに接続されるコネクタ接続部を有し、保護層がコネクタ接続部の一部が表出するようにベース基材に積層されており、ベース基材には、ベース基材をコネクタ接続部に沿って切断するための切断ガイドが示されているので、この切断ガイドに従ってベース基材を切断すれば、コネクタ接続部がベース基材の切断された端部に位置することとなり、導電性配線をコネクタに電気的に容易に接続することができるようになる。
【0010】
また、ベース基材が矩形形状であり、切断ガイドが、ベース基材の互いに対向する端辺間の中心線を介して左右非対称であれば、コネクタをこれに応じた形状とすることで、ベース基材を表裏反対にしてコネクタに接続してしまう虞がなくなり、導電性配線が損傷してしまうことを回避できる。
【0011】
また、上記配線シートの製造方法であって、切断ガイドを、導電性配線の形成パターンと保護層の積層パターンとの少なくとも一方によってベース基材上に形成すれば、切断ガイドを示すために、導電性配線の形成工程または保護層の積層工程を利用することができ、切断ガイドを示すための工程を別途設ける必要がない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベース基材には導電性配線の一部を覆うように保護層が積層されていることで、導電性配線を物理的な外力から保護することができ、また、導電性配線が、コネクタに接続されるコネクタ接続部を有し、保護層がコネクタ接続部の一部が表出するようにベース基材に積層されており、ベース基材には、ベース基材をコネクタ接続部に沿って切断するための切断ガイドが示されていることで、この切断ガイドに従ってベース基材を切断すれば、コネクタ接続部がベース基材の切断された端部に位置することとなり、導電性配線をコネクタに電気的に容易に接続することができる。
【0013】
また、ベース基材が矩形形状であり、切断ガイドが、ベース基材の互いに対向する端辺間の中心線を介して左右非対称であるものにおいては、コネクタをこれに応じた形状とすることで、ベース基材を表裏反対にしてコネクタに接続してしまう虞がなくなり、導電性配線が損傷してしまうことを回避できる。
【0014】
また、上記配線シートの製造方法であって、切断ガイドを、導電性配線の形成パターンと保護層の積層パターンとの少なくとも一方によってベース基材上に形成するものにおいては、切断ガイドを示すために、導電性配線の形成工程または保護層の積層工程を利用することができ、新たな工程を別途設けることなく切断ガイドを示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の配線シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
図2図1に示した配線シートの製造方法を説明するための図である。
図3図1に示した配線シートの切断方法を説明するための図である。
図4図1に示した配線シートとコネクタとの接続方法及びその際の作用を説明するための図である。
図5図1に示した配線シートの使用方法の一例を説明するための図である。
図6】本発明の配線シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
図7図6に示した配線シートの製造方法を説明するための図である。
図8図6に示した配線シートの切断方法を説明するための図である。
図9図6に示した配線シートとコネクタとの接続方法及びその際の作用を説明するための図である。
図10図6に示した配線シートの使用方法の一例を説明するための図である。
図11図6に示した配線シートの変形例を示す図である。
図12】本発明の配線シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
〈配線シートの構成〉
図1は、本発明の配線シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材10上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層30を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
【0018】
本形態は図1に示すように、ベース基材10上に2本の検知用配線20a,20bが形成されるとともに保護層30が積層されて構成された配線シート1である。
【0019】
ベース基材10は、フィルム等の絶縁性材料から構成され、長尺状の矩形形状を有している。
【0020】
検知用配線20a,20bは、本願発明にて導電性配線となるものである。検知用配線20a,20bは、ベース基材10の一方の面において、導電性インクを用いて形成され、ベース基材10の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで一定の幅を具備して互いに並行して延びている。検知用配線20a,20bのそれぞれには、検知用配線20a,20bが延びる方向に一定間隔にコネクタ接続部21a,21bが設けられている。
【0021】
ベース基材10には、ベース基材10を切断するための切断ガイドGが示されている。切断ガイドGは、コネクタ接続部21a,21bと、後述するガイド構成部31とによって、ベース基材10の長尺方向に一定間隔で示されている。切断ガイドGは、ベース基材10の短尺方向に対して斜めの方向に延びている。これにより、切断ガイドGは、ベース基材10の長尺方向に延びる互いに対向する2つの端辺間の中心線Xを介して左右非対称となっている。また、切断ガイドGがベース基材10の短尺方向に対して斜めの方向に延びていることで、コネクタ接続部21a,21bは、検知用配線20a,20bから、検知用配線20a,20bが延びる方向に対して斜めの方向に向かって枝状に突出した形状を有している。
【0022】
保護層30は、ベース基材10の検知用配線20a,20bが形成された面に積層されている。保護層30は、検知用配線20a,20bと同一の幅を具備し、コネクタ接続部21a,21bの検知用配線20a,20bから突出した部分が表出するように検知用配線20a,20bを覆って積層されている。それにより、保護層30は、ベース基材10上において検知用配線20a,20bの一部を覆うように積層されている。保護層30は、樹脂等の絶縁性材料を印刷によって検知用配線20a,20bの一部を覆うようにパターン塗工することで積層することが考えられる。このようにベース基材10上において検知用配線20a,20bの一部を覆うように保護層30が積層されていることにより、検知用配線20a,20bが物理的な外力から保護される。
【0023】
ガイド構成部31は、ベース基材10の検知用配線20a,20bが形成された面において、切断ガイドG上にてコネクタ接続部21a,21b間の領域と、コネクタ接続部21a,21bとベース基材10の長尺方向に延びる端辺との間とのそれぞれにおいて島状に積層されている。ガイド構成部31は、樹脂等の絶縁性材料を印刷によって切断ガイドG上にパターン塗工することで積層することが考えられる。
【0024】
このように構成された配線シート1は、ベース基材10の長尺方向に巻き芯40を中心としてロール状に巻き取られている。なお、本形態においては、検知用配線20a,20bが、ベース基材10の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで延びるように形成されているが、ベース基材10の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで延びていなくてもよい。すなわち、ベース基材10の各端部と検知用配線20a,20bの各端部とが必ずしも一致していなくてもよい。
【0025】
〈配線シートの製造方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート1の製造方法について説明する。
【0026】
図2は、図1に示した配線シート1の製造方法を説明するための図である。
【0027】
図1に示した配線シート1を製造する場合はまず、図2(a)に示すように、長尺状のベース基材10の一方の面上に、検知用配線20a,20bを形成する。その際、コネクタ接続部21a,21bを、検知用配線20a,20bの形成パターンによって検知用配線20a,20bとともにベース基材10上に形成する。すなわち、ベース基材10の一方の面上に、導電性インクを用いてコネクタ接続部21a,21bを有する検知用配線20a,20bの形成パターンに従った印刷を施すことで、コネクタ接続部21a,21bを有する検知用配線20a,20bを形成する。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、ベース基材10の検知用配線20a,20bが形成された面上に、保護層30及びガイド構成部31を積層する。保護層30は、上述したように、コネクタ接続部21a,21bの検知用配線20a,20bから突出した部分が表出するように検知用配線20a,20bを覆って積層する。その際、ガイド構成部31を、保護層30の積層パターンによって保護層30とともにベース基材10上に積層する。例えば、ベース基材10の検知用配線20a,20bが形成された面上に、保護層30及びガイド構成部31の形状に樹脂等の絶縁性材料を印刷によってパターン塗工することで積層することが考えられる。なお、パターン塗工は、印刷、印字、コーディング等の様々な手法を用いることができる。
【0029】
このようにして、ベース基材10の一方の面上に、コネクタ接続部21a,21bを有する検知用配線20a,20bが形成されるとともに、保護層30が積層されることになるが、切断ガイドGを構成するコネクタ接続部21a,21bを検知用配線20a,20bの形成パターンによってベース基材10に形成し、切断ガイドGを構成するガイド構成部31を保護層30の積層パターンによってベース基材10上に積層することにより、切断ガイドGを示すために、検知用配線20a,20bの形成工程及び保護層30の積層工程を利用することができ、新たな工程を別途設けることなく切断ガイドGを示すことができる。
【0030】
〈配線シートの使用方法〉
以下に、上述した配線シート1の使用方法について説明する。
【0031】
まず、上述した配線シート1の切断方法について説明する。
【0032】
図3は、図1に示した配線シート1の切断方法を説明するための図である。
【0033】
図1に示した配線シート1を使用する場合はまず、ロール状から引き出し、ベース基材10を用途に応じた長さに切断することになる。その際、配線シート1は、使用時に長尺方向の一方の端部にコネクタが接続されることになるため、長尺方向の一方は、図3(a)に示すようにはさみ2等によって切断ガイドGに沿って切断することになる。
【0034】
切断ガイドGは上述したように、コネクタ接続部21a,21bとガイド構成部31とによって示されており、コネクタ接続部21a,21bにおいては、検知用配線20a,20bから突出した部分が、保護層30が積層されておらずに表出しているため、切断ガイドGに沿って切断すると、図3(b)に示すように、切断した端部にてコネクタ接続部21a,21bが表出した状態となる。そして、配線シート1の切断された端部のおける切断辺は、配線シート1の短尺方向に対して斜めに傾いたものとなる。
【0035】
次に、上記のようにして切断された配線シート1のコネクタとの接続方法及びその際の作用について説明する。
【0036】
図4は、図1に示した配線シート1とコネクタとの接続方法及びその際の作用を説明するための図である。
【0037】
図4に示すように、配線シート1と接続されるコネクタ3は、配線シート1の検知用配線20a,20bと電気的に接続される端子(不図示)が設けられたコネクタ基盤3aが内蔵されている。そして、配線シート1がコネクタ3に差し込まれ、配線シート1の切断ガイドGに沿って切断された端部がコネクタ基盤3aに突き当てられた場合に、配線シート1の切断ガイドGに沿って切断された端部にて表出したコネクタ接続部21a,21bが、コネクタ基盤3aに設けられた端子と当接する構成を有している。
【0038】
ところで、特に配線シート1のベース基材10が透明な材料から構成されている場合においては、配線シート1の表裏を判断することが困難であるため、配線シート1を表裏逆にしてコネクタ3に接続してしまう虞が生じる。その場合、検知用配線20a,20bがコネクタ3に電気的に接続されないことになってしまう。また、コネクタ3が、検知用配線20a,20bと接続された状態にて配線シート1をコネクタ3にて挟み込んで物理的に固定する構成である場合、検知用配線20a,20bに大きな圧力が加わって検知用配線20a,20bが物理的に損傷してしまう虞がある。
【0039】
ここで、図1に示した配線シート1においては、配線シート1を切断するための切断ガイドGが、ベース基材10の長尺方向に延びる2つの端辺間の中心線Xを介して左右非対称となっている。それにより、切断ガイドGに沿って配線シート1を切断すると、配線シート1の切断された端部における切断辺は、配線シート1の短尺方向に対して斜めに傾いたものとなる。
【0040】
一方、コネクタ3に内蔵されたコネクタ基盤3aにおいても、図4に示すように、配線シート1の端部が突き当てられる面が、コネクタ3の外形に対して斜めに傾いている。
【0041】
そのため、配線シート1をその表裏を正しい向きとすれば、図4(b)に示すように、配線シート1をコネクタ3に差し込むことができる。そして、配線シート1の切断された端部における切断辺が、コネクタ基盤3aの配線シート1の端部が突き当てられる面とその全体において当接し、コネクタ接続部21a,21bとコネクタ基盤3aに設けられた端子とが当接することで、配線シート1の検知用配線20a,20bとコネクタ3とが電気的に接続されることになる。
【0042】
一方、配線シート1をその表裏を逆向きでコネクタ3と差し込んでいこうとすると、図4(c)に示すように、配線シート1の切断された端部における切断辺が、コネクタ基盤3aの配線シート1の端部が突き当てられる面とその全体において当接するようにはならないために、配線シート1をコネクタ3に差し込むことができない。
【0043】
それにより、配線シート1を表裏逆にしてコネクタ3に接続してしまうことがなくなり、検知用配線20a,20bがコネクタ3に電気的に接続されないことになってしまったり、検知用配線20a,20bが物理的に損傷してしまったりすることを回避できる。
【0044】
このように本形態においては、ベース基材10には検知用配線20a,20bの一部を覆うように保護層30が積層されていることで、検知用配線20a,20bを物理的な外力から保護することができ、また、検知用配線20a,20bが、コネクタ3に接続されるコネクタ接続部21a,21bを有し、保護層30がコネクタ接続部21a,21bの一部が表出するようにベース基材10に積層されており、ベース基材10には、ベース基材10をコネクタ接続部21a,21bに沿って切断するための切断ガイドGが示されているので、この切断ガイドGに従ってベース基材10を切断すれば、コネクタ接続部21a,21bがベース基材10の切断された端部に位置することとなり、検知用配線20a,20bをコネクタ3に電気的に容易に接続することができる。
【0045】
次に、上記のようにしてコネクタ3に接続された配線シート1にて水分の漏れを検出する方法について説明する。
【0046】
図5は、図1に示した配線シート1の使用方法の一例を説明するための図である。
【0047】
図1に示した配線シート1は、例えば、配管に取り付けられ、配管からの水分の漏れを検出する検査のために使用される。
【0048】
その場合はまず、上述したように、配線シート1をコネクタ3に接続する。図5に示すように、コネクタ3には、ケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8が接続されている。コネクタ3のコネクタ接続部21a,21bと電気的に接続される端子はケーブル6a,6bと電気的に接続されているため、コネクタ接続部21a,21bをコネクタ3に電気的に接続することで、検知用配線20a,20bがコネクタ3及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続されることになる。
【0049】
このように検知用配線20a,20bがコネクタ3及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続された配線シート1を配管に取り付け、2本の検知用配線20a,20b間の導通状態を検査する。具体的には、RFIDタグ8と非接触通信が可能な検査装置5からRFIDタグ8に電力を供給することで、RFIDタグ8からケーブル6a,6b及びコネクタ3を介して検知用配線20a,20bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて水分の漏れが発生していない場合は、2本の検知用配線20a,20b間は導通しておらず、そのため、検査装置5からRFIDタグ8を介して検知用配線20a,20bに電流が供給されても検知用配線20a,20bには電流が流れず、それにより、検査装置5にてRFIDタグ8を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0050】
一方、配管にて水分の漏れが発生している場合は、2本の検知用配線20a,20b間が水分によって導通し、それにより、検査装置5からRFIDタグ8を介して検知用配線20a,20bに電流が供給されると検知用配線20a,20bに電流が流れ、検査装置5にてRFIDタグ8を介して一定の抵抗値が検出されることになる。
【0051】
検査装置5においては、このようにしてRFIDタグ8を介して検出した抵抗値に基づいて配管に水分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。
【0052】
なお、上述したように、水分が発生した際に2本の検知用配線20a,20b間を導通させるためには、保護層30の幅が検知用配線20a,20bの幅以上である場合は、ベース基材10や保護層30を吸水性を具備する材料から構成したり、水分を検知用配線20a,20b間に導くための貫通孔や溝を保護層30に形成したりしておく必要がある。
【0053】
また、本形態においては、保護層30が検知用配線20a,20bと同一の幅を具備する構成を例に挙げて説明したが、保護層30は、コネクタ接続部21a,21bの少なくとも一部が表出する構成であれば、その幅は検知用配線20a,20bと同一でなくてもよく、例えば、検知用配線20a,20bの幅よりも広くてもよい。
【0054】
(第2の実施の形態)
〈配線シートの構成〉
図6は、本発明の配線シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材110上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層130を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
【0055】
本形態は図6に示すように、ベース基材110上に2本の検知用配線120a,120bが形成されるとともに保護層130が積層されて構成された配線シート101である。
【0056】
ベース基材110は、フィルム等の絶縁性材料から構成され、長尺状の矩形形状を有している。
【0057】
検知用配線120a,120bは、本願発明にて導電性配線となるものである。検知用配線120a,120bは、ベース基材110の一方の面において、導電性インクを用いて形成され、ベース基材110の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで一定の幅を具備して互いに並行して延びている。
【0058】
ベース基材110には、ベース基材110を切断するための切断ガイドGが示されている。切断ガイドGは、ガイド構成部122によって、ベース基材110の長尺方向に一定間隔で示されている。ガイド構成部122は、検知用配線120a,120b間の領域と、検知用配線120a,120bとベース基材110の長尺方向に延びる端辺との間とのそれぞれにおいて、ベース基材110の短尺方向に対して斜めの方向に一列に並んで島状に形成されている。ガイド構成部122は、導電性インクを用いて検知用配線120a,120bの形成パターンによってベース基材110上に形成されている。これにより、切断ガイドGは、ベース基材110の短尺方向に対して斜めの方向に延びており、ベース基材110の長尺方向に延びる2つの端辺間の中心線Xを介して左右非対称となっている。
【0059】
保護層130は、長方形の形状を具備し、ベース基材110の検知用配線120a,120bが形成された面に積層されている。保護層130は、長方形の長辺の長さが検知用配線120a,120bの幅よりも長く、長方形の短辺が検知用配線120a,120bと並行するように、検知用配線120a,120b上にてベース基材110の長尺方向に一定の間隔で島状に積層されている。それにより、保護層130は、ベース基材110上において検知用配線120a,120bの一部を覆うように積層されている。保護層130は、樹脂等の絶縁性材料を印刷によって検知用配線120a,120bの一部を覆うようにパターン塗工することで積層することが考えられる。このようにベース基材110上において検知用配線120a,120bの一部を覆うように保護層130が積層されていることにより、検知用配線120a,120bが物理的な外力から保護される。
【0060】
ここで、切断ガイドGが示される領域には保護層130が積層されていない。これにより、切断ガイドGが示される領域においては、検知用配線120a,120bが広い面積にて表出しており、この領域が、後述するコネクタに接続されるコネクタ接続部121a,121bとなっている。
【0061】
このように構成された配線シート101は、ベース基材110の長尺方向に巻き芯40を中心としてロール状に巻き取られている。なお、本形態においても、検知用配線120a,120bが、ベース基材110の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで延びるように形成されているが、ベース基材110の長尺方向の一方の端部から他方の端部まで延びていなくてもよい。すなわち、ベース基材110の各端部と検知用配線120a,120bの各端部とが必ずしも一致していなくてもよい。
【0062】
〈配線シートの製造方法〉
以下に、上記のように構成された配線シート101の製造方法について説明する。
【0063】
図7は、図6に示した配線シート101の製造方法を説明するための図である。
【0064】
図6に示した配線シート101を製造する場合はまず、図7(a)に示すように、長尺状のベース基材110の一方の面上に、検知用配線120a,120bを形成する。その際、ガイド構成部122を、検知用配線120a,120bの形成パターンによって検知用配線120a,120bとともにベース基材110上に形成する。すなわち、ベース基材110の一方の面上に、導電性インクを用いて検知用配線120a,120b及びガイド構成部122の形成パターンに従った印刷を施すことで、検知用配線120a,120b及びガイド構成部122を形成する。
【0065】
次に、図7(b)に示すように、ベース基材110の検知用配線120a,120b及びガイド構成部122が形成された面上に、保護層130を積層する。保護層130は、切断ガイドGが示される領域以外の領域にて検知用配線120a,120bを覆うように島状に積層する。保護層130は、上述したように、例えば、ベース基材110の検知用配線120a,120bが形成された面上に、保護層130の形状に樹脂等の絶縁性材料を印刷によってパターン塗工することで積層することが考えられる。
【0066】
このようにして、ベース基材110の一方の面上に、検知用配線120a,120b及びガイド構成部122が形成されるとともに、保護層30が積層されることになるが、切断ガイドGを構成するガイド構成部122を検知用配線120a,120bの形成パターンによってベース基材110に形成することにより、切断ガイドGを示すために、検知用配線120a,120bの形成工程を利用することができ、新たな工程を別途設けることなく切断ガイドGを示すことができる。
【0067】
〈配線シートの使用方法〉
以下に、上述した配線シート101の使用方法について説明する。
【0068】
まず、上述した配線シート101の切断方法について説明する。
【0069】
図8は、図6に示した配線シート101の切断方法を説明するための図である。
【0070】
図6に示した配線シート101を使用する場合はまず、ロール状から引き出し、ベース基材110を用途に応じた長さに切断することになる。その際、配線シート101は、使用時に長尺方向の一方の端部にコネクタが接続されることになるため、長尺方向の一方は、図8(a)に示すようにはさみ2等によって切断ガイドGに沿って切断することになる。
【0071】
切断ガイドGは上述したように、ガイド構成部122によって示されており、また、切断ガイドGが示された領域は、保護層130が積層されていないことで検知用配線120a,120bが広い面積にて表出したコネクタ接続部121a,121bとなっているため、切断ガイドGに沿って切断すると、図8(b)に示すように、切断した端部にてコネクタ接続部121a,121bが表出した状態となる。そして、配線シート101の切断された端部における切断辺は、配線シート101の短尺方向に対して斜めに傾いたものとなる。
【0072】
次に、上記のようにして切断された配線シート101のコネクタとの接続方法及びその際の作用について説明する。
【0073】
図9は、図6に示した配線シート101とコネクタとの接続方法及びその際の作用を説明するための図である。
【0074】
図9に示すように、配線シート101と接続されるコネクタ3は、配線シート101の検知用配線120a,120bと電気的に接続される端子(不図示)が設けられたコネクタ基盤3aが内蔵されている。そして、配線シート101がコネクタ3に差し込まれ、配線シート101の切断ガイドGに沿って切断された端部がコネクタ基盤3aに突き当てられた場合に、配線シート101の切断ガイドGに沿って切断された端部にて表出したコネクタ接続部121a,121bが、コネクタ基盤3aに設けられた端子と当接する構成を有している。
【0075】
ところで、本形態においても、特に配線シート101のベース基材110が透明な材料から構成されている場合においては、配線シート101の表裏を判断することが困難であるため、配線シート101を表裏逆にしてコネクタ3に接続してしまう虞が生じる。その場合、検知用配線120a,120bがコネクタ3に電気的に接続されないことになってしまう。また、コネクタ3が、検知用配線120a,120bと電気的に接続された状態にて配線シート101をコネクタ3にて挟み込んで物理的に固定する構成である場合、検知用配線120a,120bに大きな圧力が加わって検知用配線120a,120bが物理的に損傷してしまう虞がある。
【0076】
ここで、図6に示した配線シート101においては、配線シート101を切断するための切断ガイドGが、ベース基材110の長尺方向に延びる2つの端辺間の中心線Xを介して左右非対称となっている。それにより、切断ガイドGに沿って配線シート101を切断すると、配線シート101の切断された切断辺は、配線シート101の短尺方向に対して斜めに傾いたものとなる。
【0077】
一方、コネクタ3に内蔵されたコネクタ基盤3aにおいても、図9に示すように、配線シート101の端部が突き当てられる面が、コネクタ3の外形に対して斜めに傾いている。
【0078】
そのため、配線シート101をその表裏を正しい向きとすれば、図9(b)に示すように、配線シート101をコネクタ3に差し込むことができる。そして、配線シート101の切断された端部における切断辺が、コネクタ基盤3aの配線シート101の端部が突き当てられる面とその全体において当接し、コネクタ接続部121a,121bとコネクタ基盤3aに設けられた端子とが当接することで、配線シート101の検知用配線120a,120bとコネクタ3とが電気的に接続されることになる。
【0079】
一方、配線シート101をその表裏を逆向きでコネクタ3と差し込んでいこうとすると、図9(c)に示すように、配線シート101の切断された端部における切断辺が、コネクタ基盤3aの配線シート101の端部が突き当てられる面とその全体において当接するようにはならないために、配線シート101をコネクタ3に差し込むことができない。
【0080】
それにより、配線シート101を表裏逆にしてコネクタ3に接続してしまうことがなくなり、検知用配線120a,120bがコネクタ3に電気的に接続されないことになってしまったり、検知用配線120a,120bが物理的に損傷してしまったりすることを回避できる。
【0081】
このように本形態においては、ベース基材110には検知用配線120a,120bの一部を覆うように保護層130が積層されていることで、検知用配線120a,120bを物理的な外力から保護することができ、また、検知用配線120a,120bが、保護層130が積層されていないことで広い面積にて表出したコネクタ接続部121a,121bを有し、コネクタ接続部121a,121bは、ガイド構成部122によって切断ガイドGが示される領域に設けられているので、この切断ガイドGに従ってベース基材110を切断すれば、コネクタ接続部121a,121bがベース基材110の切断された端部に位置することとなり、ベース基材110の端部にて、検知用配線120a,120bがコネクタ接続部121a,121bによって広い面積で表出し、コネクタ3に電気的に容易に接続することができる。
【0082】
次に、上記のようにしてコネクタ3に接続された配線シート101にて水分の漏れを検出する方法について説明する。
【0083】
図10は、図6に示した配線シート101の使用方法の一例を説明するための図である。
【0084】
図6に示した配線シート101は、図1に示したものと同様に、例えば、配管に取り付けられ、配管からの水分の漏れを検出する検査のために使用される。
【0085】
その場合はまず、上述したように、配線シート101をコネクタ3に接続する。図10に示すように、コネクタ3には、ケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8が接続されている。コネクタ3のコネクタ接続部121a,121bと電気的に接続される端子はケーブル6a,6bと電気的に接続されているため、コネクタ接続部121a,121bをコネクタ3に電気的に接続することで、検知用配線120a,120bがコネクタ3及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続されることになる。
【0086】
このように検知用配線120a,120bがコネクタ3及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8と電気的に接続された配線シート101を配管に取り付け、2本の検知用配線120a,120b間の導通状態を検査する。具体的には、RFIDタグ8と非接触通信が可能な検査装置5からRFIDタグ8に電力を供給することで、RFIDタグ8からケーブル6a,6b及びコネクタ3を介して検知用配線120a,120bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて水分の漏れが発生していない場合は、2本の検知用配線120a,120b間は導通しておらず、そのため、検査装置5からRFIDタグ8を介して検知用配線120a,120bに電流が供給されても検知用配線120a,120bには電流が流れず、それにより、検査装置5にてRFIDタグ8を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0087】
一方、配管にて水分の漏れが発生している場合は、2本の検知用配線120a,120b間が水分によって導通し、それにより、検査装置5からRFIDタグ8を介して検知用配線120a,120bに電流が供給されると検知用配線120a,120bに電流が流れ、検査装置5にてRFIDタグ8を介して一定の抵抗値が検出されることになる。
【0088】
検査装置5においては、このようにしてRFIDタグ8を介して検出した抵抗値に基づいて配管に水分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。
【0089】
図11は、図6に示した配線シート101の変形例を示す図であり、ベース基材110上の構成を示す。
【0090】
図6に示した配線シート101においては、長方形の形状を具備する保護層130が、長方形の短辺が検知用配線120a,120bと並行するように、検知用配線120a,120b上にてベース基材110の長尺方向に一定の間隔で島状に積層されているが、図11に示すように、長方形の形状を具備する保護層230が、長方形の短辺が検知用配線120a,120bが延びる方向に対して斜めになるように、検知用配線120a,120b上にてベース基材110の長尺方向に一定の間隔で島状に積層された配線シート201とすることも考えられる。
【0091】
なお、本形態においては、検知用配線120a,120bの形成パターンによって形成されるガイド構成部122から切断ガイドGを構成したが、樹脂等の絶縁性材料を印刷によって保護層130の積層パターンによりガイド構成部を積層し、このガイド構成部によって切断ガイドを構成してもよい。
【0092】
(第3の実施の形態)
図12は、本発明の配線シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)はベース基材10上の構成を示す図、(c)は(b)に示した構成から保護層330を取り除いた構成を示す図、(d)は(b)に示したA-A断面図である。
【0093】
本形態は図12に示すように、図1に示した配線シート1と図6に示した配線シート101とを組み合わせたような構成を有する配線シート301である。
【0094】
具体的には、ベース基材10上に、図1に示したようなコネクタ接続部21a,21bを有する検知用配線20a,20bが形成されるとともに、図6に示したように、検知用配線20a,20b間の領域と、検知用配線20a,20bとベース基材10の長尺方向に延びる端辺との間とのそれぞれにおいて、検知用配線20a,20bの形成パターンによって、ガイド構成部122がベース基材10の短尺方向に対して斜めの方向に一列に並んで島状に形成されている。また、ベース基材10上には、V字型の形状を具備する保護層330が、検知用配線20a,20b上にてV字型の開口部がベース基材10の長尺方向を向いた状態でベース基材10の長尺方向に一定の間隔で島状に積層されている。なお、保護層330のV字型によるベース基材10の短尺方向の幅は、コネクタ接続部21a,21bのベース基材10の短尺方向の幅よりも狭くなっている。
【0095】
上記のように構成された配線シート301においても、検知用配線20a,20b上に保護層330が積層されているものの、コネクタ接続部21a,21bの一部が表出している。そのため、図1及び図6に示したものと同様に、コネクタ接続部21a,21bとガイド構成部122とから構成される切断ガイドGに沿って切断されると、切断した端部にてコネクタ接続部21a,21bが表出し、表出したコネクタ接続部21a,21bにコネクタが接続されて使用されることになる。また、本形態の配線シート301においては、保護層330がV字型の形状を有している。そのため、図6図11に示したもののように保護層が長方形の形状を有するものに対して、線傷が入った場合でも、線傷が保護層のV字型の辺にぶつかることによって留まり、検知用配線20a,20bが断線してしまうリスクを低減することができる。
【0096】
なお、上述した実施の形態においては、検知用配線20a,20b,120a,120bをコネクタ3及びケーブル6a,6bを介してRFIDタグ8に接続し、検査装置5にてRFIDタグ8を介して抵抗値を検出することで水分の漏れが発生しているかどうかを判断するものを例に挙げて説明したが、検知用配線20a,20b,120a,120bをコネクタ3及びケーブル6a,6bを介して検査装置5に直接接続し、検査装置5にて抵抗値を検出することで水分の漏れが発生しているかどうかを判断する構成としてもよい。
【0097】
また、上述した実施の形態においては、配線シート1,101,201,301を用いて水分の漏れを検出するものを例に挙げて説明したが、配線シート1,101,201,301を用いて油分を検出する構成とすることもできる。その場合、油分の漏れが発生すると、検知用配線20a,20b,120a,120bが断線したり、検知用配線20a,20b,120a,120bの抵抗値が大きくなったりすることを検出したりするため、検知用配線20a,20b,120a,120bのコネクタ3と接続される端部とは反対側の端部を、接続部材を用いて電気的に接続しておくことになる。
【符号の説明】
【0098】
1,101,201,301 配線シート
2 はさみ
3 コネクタ
3a コネクタ基盤
5 検査装置
6a,6b ケーブル
8 RFIDタグ
10,110 ベース基材
20a,20b,120a,120b 検知用配線
21a,21b,121a,121b コネクタ接続部
30,130,230,330 保護層
31,122 ガイド構成部
40 巻き芯
G 切断ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12