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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048099
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】遊技場システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153969
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】598044464
【氏名又は名称】株式会社ピーエーネット技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀樹
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088FA01
(57)【要約】
【課題】人の操作による情報入力を行うことなく監視リソースを有効に活用する。
【解決手段】
固定して配置される固定撮像装置の動作を指示可能な監視管理手段を備える遊技場システムにおいて、前記固定撮像装置は、所定エリアに設置された複数の遊技装置のうちの一つ以上を撮像可能であり、前記監視管理手段は、各遊技装置から出力された遊技情報、又は、各遊技装置の状態変化を検知可能な状態変化検知手段の検知結果に基づいて、前記所定エリア内で撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技装置を認識し、当該監視対象遊技装置の設置位置を識別可能な遊技装置識別情報と、携帯可能な携帯撮像装置の位置に関する携帯撮像装置位置情報に基づいて、前記固定撮像装置の動作を指示可能である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定して配置される固定撮像装置の動作を指示可能な監視管理手段を備える遊技場システムにおいて、
前記固定撮像装置は、
所定エリアに設置された複数の遊技装置のうちの一つ以上を撮像可能であり、
前記監視管理手段は、
各遊技装置から出力された遊技情報、又は、各遊技装置の状態変化を検知可能な状態変化検知手段の検知結果に基づいて、前記所定エリア内で撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技装置を認識し、
当該監視対象遊技装置の設置位置を識別可能な遊技装置識別情報と、携帯可能な携帯撮像装置の位置に関する携帯撮像装置位置情報に基づいて、前記固定撮像装置の動作を指示可能であることを特徴とする遊技場システム。
【請求項2】
前記監視管理手段は、
前記監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と前記携帯撮像装置位置情報に基づいて、前記監視対象遊技装置が前記携帯撮像装置の周辺にあることを判定した場合に、
前記監視対象遊技装置を撮像可能な前記固定撮像装置に対して、前記監視対象遊技装置とは異なる遊技装置を撮像可能とする動作を指示することを特徴とする請求項1に記載の遊技場システム。
【請求項3】
前記監視管理手段は、
前記監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と前記携帯撮像装置位置情報に基づいて、前記監視対象遊技装置の周辺に前記携帯撮像装置が存在していないと判断した場合に、
前記監視対象遊技装置を撮像対象遊技装置とし、前記固定撮像装置に対して、前記撮像対象遊技装置を少なくとも撮像する第1動作を指示することを特徴とする請求項1に記載の遊技場システム。
【請求項4】
前記監視管理手段は、
前記固定撮像装置が前記撮像対象遊技装置を撮像しているときに、前記携帯撮像装置位置情報に基づき前記撮像対象遊技装置の周辺に前記携帯撮像装置が存在すると判断した場合に、
前記固定撮像装置に対して、前記第1動作と異なる第2動作を指示することを特徴とする請求項3に記載の遊技場システム。
【請求項5】
前記監視管理手段は、
前記携帯撮像装置が撮像した撮像画像に含まれた遊技装置周辺の画像を取得し、取得した画像において遊技装置識別情報を画像認識し、
当該遊技装置識別情報を前記携帯撮像装置位置情報として使用することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の遊技場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場において監視リソース(監視用資源)としての監視カメラを有効活用するために、遊技場システムは、遊技場の従業員等の店舗スタッフの立ち会いのない遊技機を常にメインカメラの撮像対象に指定しながら、店舗スタッフの立ち会いのある遊技機をサブカメラの撮像対象に指定する(例えば、特許文献1参照)。これによって、店舗スタッフの立ち合いのない遊技機をより近くの監視カメラで監視しつつ、店舗スタッフの立ち合いのある遊技機も見逃すことなく監視される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5816949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、メインカメラ、サブカメラともに固定された監視カメラ(固定撮像装置、監視リソース)である。このため、同時期に複数の重要度(不正行為の発生可能性)の高い撮像要求情報が入力されると、一方の撮像要求の対象となる遊技機は、メインカメラより離れた位置に設置されているサブカメラにより撮像されるため、監視カメラがその役割を十分に果たせない可能性があった。
【0005】
また、店舗スタッフは呼出ランプを含む呼出装置に向かってリモコン(遠隔操作機器)を操作することで、立ち合い情報(自分の立ち合い中の遊技機の遊技機番号)がホールコンピュータなどの上位コンピュータに入力される。しかし、リモコンの操作は店舗スタッフに任されているため、立ち合い情報が正しく入力されるとは限らず、メインカメラで撮像されるべき遊技機がサブカメラで撮像される可能性があった。
【0006】
本発明は、人の操作による情報入力を行うことなく監視リソース(固定撮像装置等)を有効に活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の代表的な一形態では、固定して配置される固定撮像装置の動作を指示可能な監視管理手段を備える遊技場システムにおいて、前記固定撮像装置は、所定エリアに設置された複数の遊技装置のうちの一つ以上を撮像可能であり、前記監視管理手段は、各遊技装置から出力された遊技情報、又は、各遊技装置の状態変化を検知可能な状態変化検知手段の検知結果に基づいて、前記所定エリア内で撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技装置を認識し、当該監視対象遊技装置の設置位置を識別可能な遊技装置識別情報と、携帯可能な携帯撮像装置の位置に関する携帯撮像装置位置情報に基づいて、前記固定撮像装置の動作を指示可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、人の操作による情報入力を行うことなく、監視リソース(固定撮像装置や携帯撮像装置)を有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技場システム(遊技場管理システム)の構成を示す図である。
図2】遊技場システムの構成要素間における信号送受信の様子を示すブロック図である。
図3】遊技場内での(A)監視カメラの配置と(B)巡回カメラの移動ルートを例示する図である。
図4】監視カメラの撮像態様(撮像方法)を説明する図である。
図5】巡回カメラが使用されていない場合における監視管理装置と監視カメラの動作例を説明するテーブルである。
図6A】巡回カメラが使用される場合における監視管理装置、巡回カメラ、及び、監視カメラの動作例(例1)を説明するテーブルである。
図6B】巡回カメラが使用される場合における監視管理装置、巡回カメラ、及び、監視カメラの動作例(例2-1、例2-2)を説明するテーブルである。
図7】遊技場システム内での情報や指示の流れを例示するシーケンス図である。
図8】監視管理装置が実行する撮像対象指定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、遊技機は、パチンコ機、パチスロ機(スロットマシン)等の各種の遊技機を意味するものとする。また、遊技機が設置されている場所を遊技場(または店舗、ホール)と称し、遊技場の従業員や関係者を店舗スタッフと称して説明する。また、遊技機が設置されている遊技場に入店する人物を入場者(または入店者)と称し、入店者のうち遊技機で遊技を行う(または行った)人物を遊技者と称して説明する。
【0011】
〔遊技場システムの構成〕
図1は、遊技場に設けられて遊技場を管理する遊技場システム100(遊技場管理システム)の構成を示す図である。図2は、遊技場システム100の構成要素間における信号の送受信の様子を示すブロック図である。
【0012】
遊技場システム100は、構成要素として、ホールコンピュータ10と、遊技情報収集装置20,21と、監視カメラ30(固定撮像装置)と、巡回カメラ40(ウェアラブルカメラ、携帯撮像装置)と、カメラコントローラ50と、録画再生装置60と、監視管理装置70と、監視モニタ80と、遊技装置200,201と、を備えている。これら構成要素は、図2に示すように種々の情報や信号を送受信可能に接続されている。これら構成要素は、ハードウェア自体に関しては従来のものでよい。
【0013】
例えば、ホールコンピュータ10、遊技情報収集装置20,21、監視カメラ30、巡回カメラ40、カメラコントローラ50、録画再生装置60、監視管理装置70は、演算部と、記憶部と、通信インターフェースと、を備えている。演算部は、MPU(マイクロプロセッサ)やCPU(中央処理ユニット)等である。記憶部は、プログラムや必要なデータ等を予め格納したROM(リードオンリメモリ)と、演算部の動作時にワークエリアとして使用されるRAM(ランダムアクセスメモリ)と、を含み、必要な場合には、撮像情報(撮像データ)等のデータを記憶可能なハードディスク(HDD)を含む。
【0014】
ホールコンピュータ10と監視管理装置70は、例えばパーソナルコンピュータであり、入力装置(キーボード等)と表示装置(ディスプレイ、表示手段)と、を有してよい。監視カメラ30と巡回カメラ40は、さらに、CCDイメージセンサ(電荷結合素子)等の撮像素子や、レンズを含む。
【0015】
遊技装置200,201は、パチンコ機又はパチスロ機(スロットマシン)に対応する遊技機であり、本実施形態では、遊技機の本体200a,201aとこれに付随する装置である台間ユニット200b,201b(遊技球貸機、メダル貸機、カードユニット)やアウトタンク装置を含む。台間ユニット200b,201bは、遊技機の本体と隣の遊技機の本体との間に設けられる台間機である。アウトタンク装置は、遊技機の下奥側の位置に設けられ、通常は視認できない。なお、遊技装置200,201は、遊技機の本体200a,201aのみ、又は、台間ユニット200b,201bのみでもよい。
【0016】
遊技情報収集装置20は、パチンコ機である遊技装置200の状態に係る状態情報や遊技装置200の遊技情報を収集し、好適には遊技装置200の近傍且つ直上(遊技機本体200aの直上)に設置される。m台のパチンコ機(遊技装置200-1,200-2,・・・,200-m)に対応して、遊技情報収集装置20-1,20-2,・・・,20-mが設けられる。m台のパチンコ機を総称して遊技装置200と呼び、m台の遊技情報収集装置を総称して遊技情報収集装置20と呼ぶ。各遊技情報収集装置20は、呼出ランプを含む呼出装置を備え、遊技者の操作に基づいて呼出ランプを点灯するとともに、店舗スタッフ等を呼び出す呼出信号をホールコンピュータ10に出力する。なお、遊技情報収集装置20は、呼出装置と一体のものに限らず、呼出装置と別に設けられてもよい。
【0017】
遊技情報収集装置21は、パチスロ機である遊技装置201の状態に係る状態情報や遊技装置201の遊技情報を収集し、好適には遊技装置201の近傍且つ直上(遊技機本体201aの直上)に設置される。n台のパチスロ機(遊技装置201-1,201-2,・・・,201-n)に対応して、遊技情報収集装置21-1,21-2,・・・,21-nが設けられる。n台のパチスロ機を総称して遊技装置201と呼び、n台の遊技情報収集装置を総称して遊技情報収集装置21と呼ぶ。各遊技情報収集装置21は、呼出ランプを含む呼出装置を備え、遊技者の操作に基づいて呼出ランプを点灯するとともに、店舗スタッフ等を呼び出す呼出信号をホールコンピュータ10に出力する。なお、遊技情報収集装置21は、呼出装置と一体のものに限らず、呼出装置と別に設けられてもよい。
【0018】
本実施形態において、遊技装置200,201(遊技機)の状態に係る状態情報は、状態変化検知センサ(状態変化検知手段、状態検知手段)の検知結果の情報であり、不正などに関する情報である。状態変化検知センサは、遊技装置200,201に設けられ振動を検知する振動検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、電波を検知する電波検知センサなどである。本実施形態において、状態変化検知センサは、遊技装置200,201のうち遊技機本体200a,201aに設けられ、振動検知センサ、磁気検知センサ、電波検知センサの少なくとも一つが設けられる。なお、振動検知センサは、遊技機本体200a,201a以外のもの、例えば、台間ユニット200b,201b(遊技球貸機、メダル貸機、カードユニット)などに設けられてもよい。
【0019】
ホールコンピュータ10は、遊技情報収集装置20から受信した遊技機の状態情報に基づいて、不正の発生やその可能性を認識可能であり、不正の発生やその可能性を認識した場合に不正イベント情報を出力可能である。状態情報から、所定の遊技機の状態変化検知センサの検知結果(検知状態)が正常状態から異常状態へ状態変化したと判定した場合に、ホールコンピュータ10は、不正の発生又はその可能性を示す不正イベント情報を出力可能である。ここでの不正イベント情報は、所定の遊技機での状態変化検知センサの異常検知を不正要因として示す不正要因情報となる。
【0020】
また、本実施形態において、遊技装置200,201(遊技機)の遊技情報(信号)は、パチンコ機の賞球信号やパチスロ機の賞メダル信号などの遊技価値(遊技球やメダル)に係る信号、特賞信号(大当り信号又はボーナス信号)、パチンコ機の確変/時短信号、パチンコ機の始動入賞信号やパチスロ機のレバー操作信号(ゲーム開始用レバーの操作に係る信号)、図柄確定信号、扉開放信号、セキュリティ信号を含む。また、遊技装置200,201の遊技情報(信号)は、台間ユニット200b,201b(遊技球貸機、メダル貸機、カードユニット)からの情報又は信号として、持球払出信号又は持メダル払出信号などの遊技価値の付与信号、カード情報、球貸信号又はメダル貸信号などの遊技価値の貸出信号、貯球払出信号又は貯メダル払出信号などの遊技価値の付与信号、入金信号、計数信号に対応する持球情報又は持メダル情報などの遊技価値情報、を含んでよい。また、遊技装置200,201の遊技情報(信号)は、アウトタンク装置に回収した遊技媒体(遊技球又はメダルなどの遊技価値)の回収信号を含んでよい。
【0021】
ホールコンピュータ10は、遊技情報収集装置20から受信した遊技情報に基づいて、貸玉金に相当する貸し玉数又は貸しメダル数(貸した遊技価値数)、払い出し数(払出持玉数、払出持メダル数、付与される遊技価値数)、セーフ(合計賞球数、合計賞メダル数、獲得した合計遊技価値数)、アウト(発射玉数、投入メダル数、使用した遊技価値数)、ベース(通常状態のセーフ÷通常状態のアウト×100)、特賞回数(大当り回数、ボーナス回数)、特賞中、確率変動中、時短中、スタート回数(図柄確定回数、全始動口入賞数、始動口1入賞数、始動口2入賞数)、景品玉数又は景品メダル数(計数玉数、計数メダル数、計数した遊技価値数)、入金金額、再プレイ玉数又は再プレイメダル数(再プレイに係る遊技価値数)、扉開放信号、セキュリティ信号など、を算出又は認識する。
【0022】
ホールコンピュータ10は、このように算出又は認識した数値や状態について、イレギュラーな状態(異常状態)やイレギュラーな数値(異常数値)が発生していないかを分析する。所定の遊技機(遊技装置200,201)に関してイレギュラーな状態やイレギュラーな数値を認識した場合に、ホールコンピュータ10は、不正の発生又はその可能性を示す不正イベント情報を出力可能である。ここでの不正イベント情報は、所定の遊技機でのイレギュラーな状態やイレギュラーな数値を不正要因として示す不正要因情報となる。ここで、イレギュラーな状態は、扉開放(又は枠開放)やその可能性を示す扉開放信号(枠開放信号)の受信やセキュリティ信号の受信に対応する。なお、不正によるものでない特賞(大当りやボーナス)の発生の場合にも、見かけ上セーフがイレギュラーな数値となるため、不正イベント情報を出力してよい。
【0023】
なお、貸し玉数又は貸しメダル数は、球貸信号又はメダル貸信号に基づいて算出される。払い出し数は、貯球払出信号又は貯メダル払出信号に基づいて算出される。セーフは、賞球信号又は賞メダル信号に基づいて算出される。アウトは、回収信号に基づいて算出される。特賞回数や特賞中の認識は、特賞信号に基づく。確率変動中と時短中の認識は、確変/時短信号に基づく。スタート回数は、図柄確定信号、又は、始動入賞信号やレバー操作信号に基づいて算出される。景品玉数又は景品メダル数は、計数信号に基づいて算出される。入金金額は、入金信号に基づいて算出される。再プレイ玉数又は再プレイメダル数は、持球払出信号又は持メダル払出信号に基づいて算出される。
【0024】
監視カメラ30-1,30-2,30-3,30-4,30-5,30-6(総称して監視カメラ30と呼ぶ)は、それぞれ、1から6までのカメラ番号が付与され、遊技場のエリア1、エリア2、エリア3、エリア4、エリア5、エリア6の内部を監視領域(図3の点線の領域)として監視する。各監視カメラ30は、遊技場の天井など遊技場を構成する部材に固定的に取り付けられ移動しない固定撮像装置である。巡回カメラ40は、遊技場内を巡回する店舗スタッフなどに携帯又は着用されて遊技場内を巡回可能(移動可能)なウェアラブルカメラ、即ち、携帯撮像装置である。
【0025】
各監視カメラ30と巡回カメラ40は、撮像情報に、撮像(撮影)した画像データである撮像画像データ(撮影画像データ)の他に、撮像状況として、カメラ番号等のカメラ情報や撮像日時(即ち録画日時)を含めることができる。また、各監視カメラ30は、撮像情報に、撮像条件も含めることができる。撮像条件は、監視カメラ30の向き(パン角,チルト角)、撮像倍率(ズーム度合い、拡大/縮小度合い)、画角等である。巡回カメラ40は、撮像情報に、撮像した撮像画像データの他に、巡回カメラ40の位置情報のデータを含めることができる。例えば、撮像状況や撮像条件や位置情報は、撮像画像データのヘッダに付加されることによって、撮像情報に含められてよい。
【0026】
カメラコントローラ50は、各監視カメラ30を制御する制御装置であって、各監視カメラ30に制御情報を送信して各監視カメラ30の動作を制御可能である。カメラコントローラ50は、監視管理装置70からの動作指示情報に対応した制御情報を、各監視カメラ30に送信する。本実施形態において、動作指示情報は、撮像させる監視カメラ30のカメラ番号(カメラ情報)と、動作態様(撮像方法)の指示情報と、を含む。
【0027】
録画再生装置60は、各監視カメラ30と巡回カメラ40で撮像され送信された撮像情報を録画可能(記憶可能)且つ再生可能なビデオレコーダであり、録画装置及び再生装置として動作する。録画再生装置60は、監視管理装置70から送信されるコントロール情報(録画再生指示)に従い、各監視カメラ30と巡回カメラ40で撮像した撮像情報の録画と再生を行う。例えば、録画再生装置60は、録画動作として、録画指示を受けた後に受信した全ての撮像情報を録画し、再生動作として、再生指示に対応する撮像情報を監視管理装置70に送信する。なお、録画再生装置60は、撮像情報を一定期間保存し、一定期間が経過すると撮像情報を破棄してよい。また、録画再生装置60は、各監視カメラ30と巡回カメラ40に代えて、撮像情報を受信したカメラのカメラ番号や録画日時などの撮像状況を撮像情報に含めることもできる。
【0028】
監視管理装置70は、再生動作をしている録画再生装置60から撮像情報を受信し、ホールコンピュータ10から不正の発生又は不正の発生した可能性を示す不正イベント情報を受信する。監視管理装置70は、撮像情報と不正イベント情報に基づいて、カメラコントローラ50に各監視カメラ30に関する動作指示情報を送信する。
【0029】
監視管理装置70は、一般的な画像データの解析手段や認識手段を用いて、撮像情報の画像データから文字や記号を識別する。特に、監視管理装置70は、文字や記号として、遊技機の遊技機番号を識別する。遊技機番号(台番号、遊技装置番号)は、遊技機及びその設置位置を識別する遊技機識別情報(遊技装置識別情報)であり、遊技機(即ち遊技装置200,201)又は当該遊技機の周囲の近傍に設けられる。また、監視管理装置70は、入場者等の人物の識別についても、同一人物か、監視対象者(事前登録者)であるか等、外観的な特徴だけでなく、歩き方や動作のくせなどでも、人物を特定できる。これによって、不正を行う可能性のある人物を登録(記憶)したり、監視したりできる。
【0030】
監視管理装置70は、不正イベント情報に基づいて、不正の発生又はその可能性がある遊技機、即ち、監視カメラ30による撮像要因(撮像原因)が発生した可能性がある遊技機を、監視対象遊技機(監視する対象の遊技機)に設定することができる。撮像要因(撮像原因)として、遊技機の扉開放、ベースの数値異常、特賞の発生(不正による特賞である可能性がある)、状態変化検知センサの検知状態の変化などが挙げられる。そして、監視管理装置70は、監視対象遊技機が設置された設置位置を識別できる遊技機番号(不正イベント情報に特定されたもの)と、巡回カメラ40の位置情報(巡回カメラ40の撮像情報において付加されたり含まれるもの)に基づいて、監視カメラ30の動作態様(撮像方法)を指示する情報として、動作指示情報を送信する。これにより、人の操作によって情報入力を行うことなく、監視リソースとして監視カメラ30を有効活用する動作指示を行う。動作指示情報は、動作態様として、例えば、パン角とチルト角であるカメラの向き、撮像倍率(即ちズーム度合い、拡大/縮小度合い)、及び、画角等の撮像条件を含む。動作指示情報は、撮像させる監視カメラ30のカメラ番号を含んでよい。また、動作指示情報は、動作態様として、監視カメラ30の撮像の対象となる撮像対象遊技機の情報として遊技機番号を含んでもよい。
【0031】
監視管理装置70は、監視カメラ30の撮像の対象となる撮像対象遊技機を指定することができる。監視管理装置70は、撮像対象遊技機を遊技機番号で指定してよい。監視カメラ30の撮像対象遊技機は、基本的には、撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技機(不正の発生又はその可能性がある遊技機)と一致してよい。しかし、監視カメラ30の撮像対象遊技機は、巡回カメラ40の位置情報などの状況に応じて、監視対象遊技機と異なることもある。これによって、監視リソースとして監視カメラ30と巡回カメラ40を有効活用できる。そして、監視管理装置70は、撮像態様(図4のズーム撮像や周辺撮像等)及び/又は撮像対象遊技機に基づいて、カメラの向き、撮像倍率、及び、画角等の撮像条件を決定する。監視カメラ30は、このように決定された撮像条件で撮像すると、撮像対象遊技機を撮像することができる。
【0032】
なお、変形例として、カメラコントローラ50は、撮像対象遊技機に応じた撮像条件(カメラの向き,撮像倍率,画角等)を記憶部に記憶してよい。ここで、ズーム撮像や周辺撮像等の複数の撮像態様(図4参照)に対応して、複数の撮像条件が記憶されてよい。そして、監視管理装置70は、撮像条件ではなく、撮像態様情報と撮像対象指定情報を含む動作指示情報をカメラコントローラ50に送信する。撮像態様情報は、撮像態様を指定する情報である。撮像対象指定情報は、撮像させる監視カメラ30のカメラ番号、及び、撮像対象遊技機の遊技機番号を含む。カメラコントローラ50は、動作指示情報を受信すると、カメラ番号に対応する監視カメラ30に、遊技機番号で指定された撮像対象遊技機を、その撮像対象遊技機と撮像態様に対応する撮像条件(カメラコントローラ50に記憶されたもの)で撮像させることができる。
【0033】
また、監視管理装置70は、録画再生装置60を制御するためのコントロール情報を送信する。そして、監視管理装置70は、録画再生装置60がコントロール情報に対応して送信(再生)した撮像情報(撮像画像)を監視モニタ80に表示する。監視管理装置70は、所定の再生プログラムに従った再生指示(コントロール情報)を録画再生装置60に送信でき、監視モニタ80は、録画再生装置60が再生した撮像情報を表示できる。なお、監視管理装置70は、単純に、各監視カメラ30と巡回カメラ40で直近に撮像された撮像情報を順に録画再生装置60に再生させて、監視モニタ80に表示させてもよい。また、複数の画面を有する監視モニタ80は、各監視カメラ30と巡回カメラ40ごとに割り当てられた画面に、各カメラの撮像情報を表示してよいし、複数の画面に再生された順に並べて撮像情報を表示してよい。
【0034】
なお、図2のように、ホールコンピュータ10と監視管理装置70をまとめて監視管理手段と称してよい。また、本実施形態において、ホールコンピュータ10と監視管理装置70を別々に設けたが、ホールコンピュータ10と監視管理装置70を一体化して一つの装置としてもよい。また、監視管理装置70の機能をホールコンピュータ10に含めて監視管理装置70を省略してよいし(ホールコンピュータ10が監視管理手段となる)、逆に、ホールコンピュータ10の機能を監視管理装置70に含めてホールコンピュータ10を省略してよい(監視管理装置70が監視管理手段となる)。また、監視管理手段に、カメラコントローラ50と録画再生装置60を含めてもよい。
【0035】
〔監視カメラの配置と巡回カメラの経路〕
図3は、遊技場内での(A)監視カメラの配置と(B)巡回カメラの移動経路(移動ルート)を例示する図である。
【0036】
本実施形態では、遊技場内に、1から60までの遊技機番号(台番号、遊技装置識別番号)に対応する複数の遊技機(遊技装置200,201)が設けられる。遊技機及びその設置位置を識別する遊技機番号は、番号を印刷した印刷物の貼付、部材への塗装や着色などによって表示され、遊技機本体200a,201aの他に当該遊技機の周囲の遊技情報収集装置20,21(呼出ランプを含む)や台間ユニット200b,201bに付与されてよい。好適には、遊技機番号は、遊技情報収集装置20,21に設けられた呼出ランプの周囲に表示される。遊技場内に、四つの遊技機島(遊技島)が並列に設けられる。各遊技機島には、片側10台又は両側20台の遊技機が設置され、遊技媒体(遊技球又はメダル)を遊技機に供給する島設備も設けられる。そして、隣接する遊技機島の間には、通路が存在する。なお、島設備は、賞球や賞メダルとして遊技者の獲得した遊技媒体を流してカウントするジェットカウンターを含んでよい。ジェットカウンターは、遊技機島の端に設置される。
【0037】
図3(A)のように、監視カメラ30-1(カメラ番号=1)と監視カメラ30-2(カメラ番号=2)は、遊技機番号1から10の遊技機と遊技機番号11から20の遊技機に挟まれる通路に臨むように、当該通路の両端に設けられる。監視カメラ30-3(カメラ番号=3)と監視カメラ30-4(カメラ番号=4)は、遊技機番号21から30の遊技機と遊技機番号31から40の遊技機に挟まれる通路に臨むように、当該通路の両端に設けられる。監視カメラ30-5(カメラ番号=5)と監視カメラ30-6(カメラ番号=6)は、遊技機番号41から50の遊技機と遊技機番号51から60の遊技機に挟まれる通路に臨むように、当該通路の両端に設けられる。
【0038】
監視カメラ30-1は、遊技機番号1から5及び11から15の遊技機が存在するエリア1内を監視する。監視カメラ30-2は、遊技機番号6から10及び16から20の遊技機が存在するエリア2内を監視する。監視カメラ30-3は、遊技機番号26から30及び36から40の遊技機が存在するエリア3内を監視する。監視カメラ30-4は、遊技機番号21から25及び31から35の遊技機が存在するエリア4内を監視する。監視カメラ30-5は、遊技機番号41から45及び51から55の遊技機が存在するエリア5内を監視する。監視カメラ30-6は、遊技機番号46から50及び56から60の遊技機が存在するエリア6内を監視する。
【0039】
図3(B)のように、巡回カメラ40は、店舗スタッフなどに携帯されて、遊技機島の間の通路を全て通るようにS字状(ジグザグ状)の経路(ルート)で遊技場内を移動して巡回する(矢印)。経路は、巡回カメラ40がジェットカウンターも撮像できるよう、遊技機島の端のジェットカウンターを通過するものでよい。巡回カメラ40の移動する経路は、全ての遊技機(遊技装置200,201)を撮像可能な経路であれば、他の経路も採用できる。例えば、一つの通路を往復してから他の通路に移動するなど他の経路で巡回する巡回態様(巡回方法)も採用できる。巡回カメラ40の移動する経路は、必要な一部の遊技機(不正の発生し易い機種など)を撮像可能な経路でもよい。
【0040】
巡回カメラ40は、位置情報取得手段(位置特定手段)によって自己の位置に関する位置情報を取得して、取得した位置情報を前述のとおり撮像情報に含めることが可能である。例えば、位置情報取得手段(位置特定手段)は、GPS測位、Wi-Fi測位、ビーコン測位、UWB測位などの測位システムによって、巡回カメラ40の位置を特定して当該位置に関する位置情報を取得可能である。巡回カメラ40は、これらの測位システムを用いて位置情報を取得できるデバイス(ICチップや回路モジュール等)を備えている。なお、これらの測位システムに関して、位置を数センチメートル程度の誤差で特定する技術も難しくなくなってきている。
【0041】
なお、監視管理装置70は、遊技場をモデル化したマップを記憶しており、マップ上で、遊技機の遊技機番号と位置が対応付けられたり、監視カメラ30のカメラ番号と位置が対応付けられたりしている。また、移動している巡回カメラ40の位置を、遊技場をモデル化したマップ上にトレースすることができる。
【0042】
GPS測位は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)信号を受信してそのGPS信号に基づいて位置を算出する測位である。Wi-Fi測位は、複数のWi-Fiアクセスポイントからの電波強度や電波到達時間の違いに基づいて、三点測位の演算をすることで位置を割り出す方法である。ビーコン測位は、Bluetooth(登録商標)の信号を発信する機器(ビーコン機器)を利用して、信号の強度判別による位置範囲の測定や、三点測位による位置の特定を行う。UWB測位は、インパルスのUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)を利用し、3つ以上の発信源からのUWB信号パルスの伝搬時間に基づいて発信源からの距離を求め、三点測位による位置の特定を行う。
【0043】
なお、位置情報取得手段(位置特定手段)は、巡回カメラ40が撮像した撮像情報(撮像画像)中の遊技機番号(文字、数字、記号)を画像認識して位置情報として取得可能な画像認識手段(文字認識手段)でもよい。特に、遊技機番号は白色や黒色で表示されることが多いため、白色や黒色の文字(数字)が画像認識されてよい。そして、巡回カメラ40は、録画再生装置60を介して、自己の位置に関する位置情報となる遊技機番号が写された撮像画像を、撮像情報に含めて監視管理装置70に送信することができる。そして、監視管理装置70は、受信した巡回カメラ40の撮像情報(撮像画像)に含まれる遊技機番号を位置情報として位置情報取得手段によって画像認識し、遊技機番号に対応する遊技機の位置を取得し当該位置を巡回カメラ40の位置(およその位置)と判定することができる。監視管理装置70は、遊技機番号に対応する遊技機のマップ上の位置を記憶している。
【0044】
なお、遊技機番号(遊技装置識別情報)は、遊技機(遊技装置200,201)又は遊技機の周辺(周囲)の遊技情報収集装置20,21等に表示されることが多い。このため、監視管理装置70は、撮像画像に含まれた遊技機及び遊技機周辺の画像を取得し、取得した画像において遊技機番号を画像認識し、当該遊技機番号を巡回カメラ40の位置情報として使用してよい。監視管理装置70は、撮像画像中に番号が複数存在する場合に、呼出ランプの最も近くに表示された番号を遊技機番号とし、巡回カメラ40の位置情報として使用してよい。
【0045】
また、位置情報取得手段(位置特定手段)は、巡回カメラ40が撮像した撮像情報(撮像画像)中の遊技機の機種名(ロゴ)を画像認識して位置情報として取得可能な画像認識手段(文字認識手段等)でもよい。遊技機の機種名も、遊技機(遊技装置200,201)を識別する遊技機識別情報(遊技装置識別情報)である。そして、監視管理装置70は、録画再生装置60から受信した巡回カメラ40の撮像情報(撮像画像)に含まれる遊技機の機種名を位置情報として位置情報取得手段によって画像認識し、この機種名に対応する遊技機の位置を取得し、当該位置を巡回カメラ40の位置(およその位置)と判定してもよい。なお、監視管理装置70は、機種名に対応する遊技機のマップ上の位置を記憶してよい。
【0046】
〔監視カメラの撮像態様〕
図4は、監視カメラ30の撮像態様(撮像方法)を説明する図である。ここでは、一例として、監視カメラ30-1の撮像態様について図示するが、他の監視カメラの撮像態様も同様である。
【0047】
複数の撮像態様として、例えば、(A)広域撮像、(B)ズーム撮像、(C)周辺撮像1、(D)周辺撮像2がある。撮像画像に写される空間範囲、或いは、撮像画像に写される遊技機の数は、ズーム撮像<周辺撮像1<周辺撮像2<広域撮像の順に大きくなり、広域撮像で最大になり、ズーム撮像で最小になる。
【0048】
(A)の広域撮像において、監視カメラ30は、監視するエリア全体を撮像し、監視するエリア内の10台の遊技機の画像が撮像画像に含まれるように撮像(撮影)する。広域撮像において、監視カメラ30のパン角は、監視カメラ30が通路に沿って通路の反対側を向くように略ゼロに調整されている。例えば、監視カメラ30-1は、エリア1内に配置された遊技機番号1から5及び11から15の遊技機を撮像する。
【0049】
(B)のズーム撮像において、監視カメラ30は、監視管理装置70で指定された一台の撮像対象遊技機を拡大して撮像し、撮像対象遊技機の画像が撮像画像の大部分を占めるように撮像(撮影)する。ズーム撮像において、監視カメラ30のカメラの向き(パン角,チルト角)は、撮像対象遊技機を向くように調整され、撮像画像の中央部に撮像対象遊技機の画像が位置する。例えば、監視カメラ30-1は、エリア1内に配置された遊技機のうち、撮像対象遊技機として、遊技機番号3の遊技機を拡大してズーム撮像を実行できる。
【0050】
(C)の周辺撮像1において、監視カメラ30は、監視管理装置70で指定された一台の撮像対象遊技機とその隣(周辺)の遊技機を撮像(撮影)する。監視管理装置70は、一台の撮像対象遊技機の画像とその隣の遊技機の画像が撮像画像に含まれるように、撮像条件(カメラの向き、撮像倍率等)を調整する。例えば、監視カメラ30-1は、エリア1内に配置された遊技機のうち、遊技機番号3の遊技機及びその隣(周辺)の遊技機(遊技機番号2,4の遊技機)を撮像する。また、例えば、監視カメラ30-1は、エリア1内に端に配置された遊技機番号1,2の遊技機を撮像する。なお、周辺撮像1において、監視管理装置70は複数の撮像対象遊技機を指定し、複数の撮像対象遊技機の画像が撮像画像に含まれるように撮像条件を調整してよい。そして、監視カメラ30は、この撮像条件に基づいて、複数の撮像対象遊技機を撮像してよい。
【0051】
(D)の周辺撮像2において、監視カメラ30は、監視するエリア内の一部の遊技機であって通路の幅方向の両側に位置する遊技機を撮像(撮影)する。監視カメラ30は、監視するエリア内の所定台数(ここでは6台)の遊技機の画像が撮像画像に含まれるように撮像する。周辺撮像2において、監視カメラ30のパン角は、監視カメラ30が通路に沿って通路を挟んで反対側を向くように略ゼロに調整されている。例えば、監視カメラ30-1は、エリア1内に配置された遊技機番号2から4及び12から14の遊技機を撮像する。なお、遊技機番号5,15の遊技機がほとんど撮像されないように、監視カメラ30-1のチルト角が調整されてもよいし、遊技機番号5,15の遊技機も撮像されるようにしてよい。
【0052】
なお、周辺撮像2と広域撮像において、監視管理装置70は、通路の両側に跨った複数の遊技機を撮像対象遊技機に指定してよい。そして、指定した複数の撮像対象遊技機を含む所定範囲内(周辺撮像2の範囲内、広域撮像の範囲内)に対して周辺撮像2或いは広域撮像を実行してもよい。なお、周辺撮像2と広域撮像において、エリアの大部分又は全体を撮像するので撮像対象遊技機は指定されなくてもよく、監視管理装置70は監視カメラ30のパン角を略ゼロにするとともに、チルト角や撮像倍率や画角を周辺撮像2と広域撮像に応じて切り替えてもよい。
【0053】
監視管理装置70は、巡回カメラ40の位置情報などの状況に応じて、撮像態様を選択可能である。なお、監視カメラ30の通常動作(通常の撮像動作、基本動作、デフォルトの動作)において、監視管理装置70は、広域撮像や周辺撮像2の特定の一つの撮像態様を選択してもよいし、所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って順番に監視カメラ30の撮像態様を切り換えて選択してもよい。また、監視カメラ30の通常動作において、監視管理装置70は、監視カメラ30のズーム撮像又は周辺撮像1を選択するとともに、監視カメラ30の撮像対象遊技機(撮像画像に含まれるもの)を所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って順番に切り換えてもよい。なお、監視管理装置70は、所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って、撮像対象遊技機だけでなく、遊技機島の端に設置されるジェットカウンターを、監視カメラ30の撮像対象に指定してもよい。
【0054】
〔監視カメラの動作例(巡回カメラの使用なし)〕
図5は、巡回カメラ40が使用されていない場合における監視管理装置70と監視カメラ30の動作例を説明するテーブルである。この場合には、巡回カメラ40(ウェアラブルカメラ)を携帯(着用)した人(店舗スタッフ)は遊技場内に存在せず、携帯遊技場内の通路を移動可能な巡回カメラ40が存在しない。
【0055】
巡回カメラ40が使用されていない場合に、監視管理装置70が、不正イベント情報によって、所定の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識(判断、判定)すると、所定の遊技機が存在するエリアを監視する監視カメラ30は、当該所定の遊技機を監視対象遊技機に設定し、監視対象遊技機をそのまま撮像対象遊技機としてズーム撮像によって撮像する。なお、監視カメラ30は、ズーム撮像ではなく、監視対象遊技機とその隣の遊技機を撮像する周辺撮像1を実行してもよい。
【0056】
例えば、監視管理装置70が、不正イベント情報によって、遊技機番号4の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識すると、遊技機番号4の遊技機が存在するエリア1を監視する監視カメラ30-1は、遊技機番号4の遊技機(監視対象遊技機且つ撮像対象遊技機)をズーム撮像によって撮像する。同様に、監視管理装置70が、遊技機番号19の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識すると、遊技機番号19の遊技機が存在するエリア2を監視する監視カメラ30-2は、遊技機番号19の遊技機をズーム撮像によって撮像する。同様に、監視管理装置70が、遊技機番号14とkの遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識すると、遊技機番号14とkの遊技機がそれぞれ存在するエリア1とエリアiを監視する監視カメラ30-1と監視カメラ30-iは、各々、遊技機番号14とkの遊技機をズーム撮像によって撮像する。一方、不正の発生又はその可能性が認識された遊技機が存在しないエリアを監視する監視カメラ30は、広域撮像によってエリア全体を撮像する。
【0057】
〔監視カメラの動作例(巡回カメラの使用あり)〕
図6A図6Bは、巡回カメラ40が使用される場合における監視管理装置70、巡回カメラ40、及び、監視カメラ30の動作例(例1、例2-1、例2-2)を説明するテーブルである。この場合には、巡回カメラ40(ウェアラブルカメラ)を携帯した人(店舗スタッフ)は遊技場内に存在して、巡回カメラ40が携帯遊技場内の通路を移動可能である。なお、図6A図6Bでは、複数の監視カメラ30のうち、エリア1を監視する監視カメラ30-1の動作例を示すが、監視カメラ30-2から監視カメラ30-6の動作例についても同様である。
【0058】
図6Aに示す例1において、監視管理装置70が、不正イベント情報によって遊技機番号4の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識(判断)し、遊技機番号4を撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技機と認識(判断)している。この場合において、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の周辺に入って当該周辺を撮像すると、監視カメラ30-1は、通常動作としてエリア1の広域撮像(図4(A))を実行し、遊技機番号4の遊技機(監視対象遊技機)とは異なる遊技機を撮像可能である。このように、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機又はその周辺の撮像を担当して、監視カメラ30-1は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機を撮像できるため、監視カメラ30-1(監視リソース)を有効に活用できる。例えば、周辺は、監視カメラ30-1が監視するエリア1や、遊技機番号4の遊技機(監視対象遊技機)の隣の遊技機を含む領域でよい。なお、監視管理装置70は、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の周辺に入ったことを、巡回カメラ40が撮像している撮像画像から取得した位置情報(遊技機番号)や測位システムから取得した位置情報に基づいて判断できる。
【0059】
監視カメラ30-1は、不正の発生又はその可能性を認識した遊技機番号4の遊技機の周辺に巡回カメラ40が入っていない場合に、遊技機番号4の遊技機(=監視対象遊技機)を撮像対象遊技機とするズーム撮像を実行している。しかし、遊技機番号4の遊技機の周辺に巡回カメラ40が到着した後では、監視カメラ30-1は、通常動作としてエリア1の広域撮像を実行する。また、不正イベント情報がなく、監視管理装置70が不正の発生又はその可能性を認識しない場合(異常なしの場合)も、通常動作としてエリア1の広域撮像を実行する。なお、不正イベント情報がない場合(異常なしの場合)に、後述の図8のフローチャートように、巡回カメラ40が特定の遊技機を撮像対象としているか移動中であるかなどの巡回カメラ40の状態に応じて、監視カメラ30-1の撮像態様(撮像方法)が選択されてもよい。
【0060】
図6B(I)に示す例2-1において、監視管理装置70が、不正イベント情報によって遊技機番号4の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識(判断)した場合において、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機を監視していると判断すると、監視カメラ30-1は、遊技機番号4の遊技機及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2(図4(C)(D))を実行する。このように、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の撮像を担当して、監視カメラ30-1は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機(即ち遊技機番号4以外の遊技機、例えば遊技機番号3,5の遊技機)も撮像できるため、監視カメラ30-1を有効に活用できる。なお、監視管理装置70は、巡回カメラ40が巡回を停止して遊技機番号4が巡回カメラ40の撮像画像中に画像認識された場合に、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機を監視していると判断できる。
【0061】
監視カメラ30-1は、巡回カメラ40がエリア1内のいずれの遊技機も監視していない場合(異状なしの場合)、不正の発生又はその可能性を認識された遊技機番号4の遊技機(=監視対象遊技機)を撮像対象遊技機とするズーム撮像を実行している。しかし、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の監視を開始した後では、遊技機番号4の遊技機及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2を実行する。
【0062】
不正イベント情報がなく監視管理装置70が不正の発生又はその可能性を認識しない場合(異常なしの場合)において、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機を監視していると判断すると、監視カメラ30-1は、遊技機番号4の遊技機及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2を実行する。このように、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の撮像を担当して、監視カメラ30-1は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機(即ち遊技機番号4以外の遊技機、例えば遊技機番号3,5の遊技機)も撮像できるため、監視カメラ30-1を有効に活用できる。同様に、不正イベント情報がない異常なしの場合において、巡回カメラ40がエリア1内のいずれの遊技機も監視していないと判断すると(異常なしと判断すると)、監視カメラ30-1は、通常動作としてエリア1の広域撮像を実行する。
【0063】
図6B(II)に示す例2-2において、監視管理装置70が、不正イベント情報によって遊技機番号4の遊技機に係る不正の発生又はその可能性を認識(判断)した場合において、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の周辺に入って遊技機番号14の遊技機を監視していると判断すると、監視カメラ30-1は、遊技機番号14の遊技機及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2(図4(C)(D))を実行する。このように、巡回カメラ40が遊技機番号14の遊技機の撮像を担当して、監視カメラ30-1は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機(即ち遊技機番号14以外の遊技機、例えば遊技機番号13,15の遊技機)も撮像できるため、監視カメラ30-1を有効に活用できる。なお、監視管理装置70は、巡回カメラ40が巡回を停止して遊技機番号14が巡回カメラ40の撮像画像中に画像認識された場合に、巡回カメラ40が遊技機番号14の遊技機を監視対象にしていると判断できる。
【0064】
監視カメラ30-1は、巡回カメラ40がエリア1内のいずれの遊技機も監視していない場合(異状なしの場合)、不正の発生又はその可能性を認識した遊技機番号4の遊技機(=監視対象遊技機)を撮像対象遊技機とするズーム撮像を実行している。しかし、巡回カメラ40が遊技機番号4の遊技機の周辺に入って遊技機番号14の遊技機の監視を開始した後では、遊技機番号14の遊技機(新たな撮像対象遊技機に設定)及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2を実行する。
【0065】
不正イベント情報がなく監視管理装置70が不正の発生又はその可能性を認識しない場合(異常なしの場合)において、巡回カメラ40が遊技機番号14の遊技機を監視していると判断すると、監視カメラ30-1は、遊技機番号14の遊技機(撮像対象遊技機に設定)及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2を実行する。このように、巡回カメラ40が遊技機番号14の遊技機の撮像を担当して、監視カメラ30-1は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機(即ち遊技機番号14以外の遊技機、例えば遊技機番号13,15の遊技機)も撮像できるため、監視カメラ30-1を有効に活用できる。同様に、不正イベント情報がなく異常なしの場合において、巡回カメラ40がエリア1内のいずれの遊技機も監視していないと判断すると(異常なしと判断すると)、監視カメラ30-1は、通常動作としてエリア1の広域撮像を実行する。
【0066】
〔遊技場システム内での情報や指示の流れの例〕
図7は、遊技場システム100内での情報や指示の流れを例示するシーケンス図である。監視カメラ30は、エリア1を監視する監視カメラ30-1を例として説明する。
【0067】
図7(A)の例において、ホールコンピュータ10は、エリア1内の遊技機に関して状態変化検知センサの異常検知又はイレギュラーな状態やイレギュラーな数値を認識して、不正要因情報として不正イベント情報を監視管理装置70に送信する。監視管理装置70は、カメラコントローラ50を介して、不正の発生又はその可能性を認識したエリア1内の遊技機を撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)としてズーム撮像を監視カメラ30-1に指示する。なお、ここで、巡回カメラ40は、不正の発生又はその可能性を認識した遊技機の周辺に無いか、エリア1内のいずれの遊技機も監視していない(異状がない)か、又は、使用されていない。
【0068】
図7(B)の例において、ホールコンピュータ10は、同様に、不正要因情報として不正イベント情報を監視管理装置70に送信する。また、巡回カメラ40は、エリア1内の特定遊技機を監視しており(図6B参照)、特定遊技機の監視情報として当該特定遊技機の遊技機番号が写された撮像画像(即ち、遊技機番号を含む撮像情報)を、録画再生装置60を経由して監視管理装置70に送信する。監視管理装置70は、不正イベント情報(不正要因情報)を受信していても、カメラコントローラ50を介して、エリア1内の特定遊技機及びその周辺を撮像する周辺撮像1又は周辺撮像2を監視カメラ30-1に指示する(図6B参照)。ここで、エリア1の広域撮像を監視カメラ30-1に指示してもよい。
【0069】
図7(C)の例において、ホールコンピュータ10は、同様に、不正要因情報として不正イベント情報を監視管理装置70に送信する。そして、監視管理装置70は、不正イベント情報(不正要因情報)において特定される遊技機(不正に係る遊技機)を監視対象遊技機に設定し、これを撮像対象遊技機とするズーム撮像をカメラコントローラ50を介して監視カメラ30-1に指示する。その後、巡回カメラ40が、監視対象遊技機の周辺であるエリア1に入って、エリア1内における位置情報を録画再生装置60を経由して監視管理装置70に送信する。そして、監視管理装置70は、カメラコントローラ50を介して、エリア1の広域撮像を監視カメラ30-1に指示する(図6A参照)。
【0070】
〔監視管理装置の撮像対象指定〕
図8は、監視管理装置70が実行する撮像対象指定処理の一例を示すフローチャートである。撮像対象指定処理は、各監視カメラ30について実行され、各監視カメラ30の撮像する対象である撮像対象遊技機を指定することができる。撮像対象指定処理は、タイマ割込みなどによって、所定時間間隔(例えば数百ミリ秒や数秒など)で繰り返し実行されてよい。
【0071】
監視管理装置70は、まず、撮像対象遊技機を指定する対象の監視カメラ30の監視するエリア内の遊技機に関して、不正イベント情報があるか否かを判定する(S100)。不正イベント情報がない場合に(S100の結果が「NO」)、ステップA107以降の処理を実行する。不正イベント情報がある場合に(S100の結果が「YES」)、不正イベント情報で特定される監視対象遊技機(前述)を、監視カメラ30の撮像対象遊技機に設定しておく(S101)。なお、撮像対象遊技機は、後述のステップS103の判定結果等によって変更され得る。
【0072】
次に、監視管理装置70は、監視カメラ30の撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)の位置情報と巡回カメラ40の位置情報を解析する位置情報解析処理を実行し(S102)、巡回カメラ40の周辺に監視カメラ30の撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)があるか否かを判定する(S103)。なお、当然ながら、ステップS103では、逆に、監視カメラ30の撮像対象遊技機(ここでは監視対象遊技機)の周辺に巡回カメラ40があるか否かを判定してもよい。
【0073】
具体的には、監視管理装置70は、まず不正イベント情報において遊技機番号で特定されている監視対象遊技機、即ち、撮像要因が発生した可能性がある監視対象遊技機を監視カメラ30の撮像対象遊技機とし、撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)のマップ上での位置に関する位置情報を取得する。また、監視管理装置70は、巡回カメラ40からの撮像情報に含まれる測位に基づく位置情報、又は、当該撮像情報のうちの撮像画像から認識した遊技機番号に対応する位置情報から、巡回カメラ40のマップ上での位置に関する位置情報を取得する。そして、監視管理装置70は、同じ通路に位置する撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)と巡回カメラ40のマップ上での距離が所定値以下であれば、巡回カメラ40の周辺に監視カメラ30の撮像対象遊技機があると判定してよい。例えば、所定値は、隣り合う遊技機間の距離又はその数倍の距離である。或いは、単純に、監視カメラ30の撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)と巡回カメラ40が同じエリア内にあれば、巡回カメラ40の周辺に監視カメラ30の撮像対象遊技機があると判定してよい。また、監視管理装置70は、巡回カメラ40の撮像画像から認識した遊技機番号と撮像対象遊技機(=監視対象遊技機)の遊技機番号を比較して、両遊技機番号が同じエリア内の遊技機のものだったり、隣同士の遊技機の番号であったりすれば、巡回カメラ40の周辺に監視カメラ30の撮像対象遊技機があると判定してよい。
【0074】
監視管理装置70は、巡回カメラ40の周辺に監視カメラ30の撮像対象遊技機がない場合(S103の結果が「NO」)、監視カメラ30の撮像対象遊技機をステップS101で設定したものから変更せず、不正イベント情報で特定される監視対象遊技機を、監視カメラ30の撮像対象遊技機に指定する(S104)。そして、監視管理装置70は、カメラコントローラ50を介して、撮像対象遊技装置(=監視対象遊技機)を少なくとも撮像するズーム撮像又は周辺撮像1での撮像動作(第1動作)を監視カメラ30に指示する。その後、撮像対象指定処理を終了する。
【0075】
監視管理装置70は、巡回カメラ40の周辺に撮像対象遊技機がある場合(S103の結果が「YES」)、即ち、撮像対象遊技機の周辺に巡回カメラ40が到着したと判断した場合に、監視カメラ30は通常動作中であるか否かを判定する(S105)。監視カメラ30は通常動作中である場合(S105の結果が「YES」)、そのまま撮像対象指定処理を終了し、監視カメラ30は通常動作中でない場合(S105の結果が「NO」)、監視カメラ30に通常動作(第1動作と異なる第2動作)を指示して(S106)、撮像対象指定処理を終了する。
【0076】
前述のとおり、監視カメラ30は、通常動作において、広域撮像や周辺撮像2の特定の一つの撮像態様で撮像したり、監視するエリア内で撮像対象遊技機を所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って順番に切り換えてズーム撮像又は周辺撮像1を実行したりする。従って、ここでの通常動作は、監視対象遊技及び/又はその周辺に対するズーム撮像又は周辺撮像1を行う動作(第1動作)とは異なる。
【0077】
このように、監視カメラ30は、監視カメラ30の撮像対象遊技機が巡回カメラ40の周辺にある(又は巡回カメラ40が監視カメラ30の撮像対象遊技機の周辺にある)ことを判定した場合に、撮像対象遊技機を通常動作のものに変更でき、監視対象遊技機とは異なる遊技機を監視カメラ30の撮像対象遊技機に指定可能である。そして、監視管理装置70は、監視対象遊技機を撮像可能な監視カメラ30に対して、通常動作として、少なくとも撮像対象遊技機を含む所定範囲内(ズーム撮像、周辺撮像1,2、広域撮像の範囲内)を撮像するよう動作指示できる。従って、巡回カメラ40が監視対象遊技機又はその周辺の撮像を担当する一方、監視カメラ30は巡回カメラ40が撮像を担当しない遊技機も撮像できるため、監視リソースとして監視カメラ30と巡回カメラ40を有効に活用できる。
【0078】
撮像対象指定処理は、繰り返して実行されるため、監視カメラ30の通常動作中に巡回カメラ40が監視対象遊技機の周辺から他の場所に移動した場合に(S103の結果が「NO」)、巡回カメラ40の監視から外れた監視対象遊技機を監視カメラ30が撮像して(S104)、巡回カメラ40の監視から外れた直後で不正が行われ易い監視対象遊技機を監視カメラ30が引き継いで監視できる。
【0079】
なお、監視カメラ30の通常動作が広域撮像であれば、ステップS100からS106の処理は、図6Aの不正判断がある状況と図7(C)の状況に対応する。
【0080】
監視管理装置70は、対象の監視カメラ30の監視するエリア内の遊技機に関して、不正イベント情報がない場合に(S100の結果が「NO」)、巡回カメラ40の撮像情報を解析する撮像情報解析処理を実行する(S107)。そして、撮像対象とする情報、即ち、いずれかの遊技機の遊技機番号(遊技機識別情報)が、巡回カメラ40の撮像画像内に存在するか否かを判定する(S108)。撮像対象とする情報としての遊技機番号が撮像画像内に存在しない場合(S108の結果が「NO」)、撮像対象指定処理を終了し、監視カメラ30の撮像対象遊技機に変更はない。
【0081】
監視管理装置70は、撮像対象とする情報としての遊技機番号が撮像画像内に存在する場合(S108の結果が「YES」)、巡回カメラ40の位置情報が移動中を示しているか否か、即ち、巡回カメラ40が移動中であるか否かを判定する(S109)。巡回カメラ40が移動中である場合に(S109の結果が「YES」)、撮像対象指定処理を終了し、監視カメラ30の撮像対象遊技機に変更はない。
【0082】
監視管理装置70は、遊技機番号が撮像画像内に存在する場合(S108の結果が「YES」)であって、巡回カメラ40が停止中である場合に(S109の結果が「NO」)巡回カメラ40の撮像画像内に存在する遊技機番号に対応する遊技機(対象となる遊技機)を監視カメラ30の撮像対象遊技機から除外するか、又は、通常動作を指示する(S110)。これによって、監視カメラ30の撮像対象である撮像対象遊技機を、巡回カメラ40の撮像画像内に遊技機番号が写った遊技機以外に変更することができ、巡回カメラ40が撮像して監視する遊技機と異なる遊技機が監視カメラ30の撮像対象遊技機となり得る。従って、監視カメラ30と巡回カメラ40の両方で同じ遊技機を撮像することが少なくなるか無くなり、監視カメラ30と巡回カメラ40を有効に活用できる。例えば、監視カメラ30は、巡回カメラ40の撮像画像内に存在する遊技機番号に対応する遊技機を除いて、エリア内の遊技機を順番に切り換えてズーム撮像することができる。
【0083】
次に、監視管理装置70は、再度、巡回カメラ40の位置情報が移動中を示しているか否か、即ち、巡回カメラ40が移動中であるか否かを判定する(S111)。巡回カメラ40が移動中でない場合(S111の結果が「NO」)、ステップS111の処理を繰り返して待機する。巡回カメラ40が移動中となった場合(S111の結果が「YES」)、ステップS110で除外した遊技機を、監視カメラ30の撮像対象遊技機に再指定する(撮像指定する)(S112)。これによって、巡回カメラ40が他の場所に移動した場合に、巡回カメラ40の監視から外れた遊技機を監視カメラ30が再び撮像して、巡回カメラ40の監視から外れた直後で不正が行われ易い遊技機を監視カメラ30が引き継いで監視できる。その後、撮像対象指定処理を終了する。
【0084】
以上の撮像対象指定処理によって、人の操作による情報入力を行うことなく、巡回カメラ40の位置情報に基づいて監視カメラ30の撮像対象遊技機を指定でき、監視カメラ30(監視リソース)を有効に活用できる。例えば、監視対象遊技機の近くに巡回カメラ40(携帯撮像装置)を携帯する店舗スタッフがいる(到着した)ことを認識すると不正があったと推測し、直ぐに、撮像要因が発生したエリアの監視カメラ30(固定撮像装置)に対し、監視対象遊技機とは異なる遊技機を撮像対象遊技機とする。そして、撮像要因が発生したエリアの監視カメラ30に対し、当該撮像対象遊技機及び/又はその周辺を撮像するよう指示するので、監視カメラ30(監視リソ-ス)を有効活用することができる。
【0085】
なお、図8の撮像対象指定処理において、監視管理装置70は、不正イベント情報で特定される遊技機である監視対象遊技機(S101)が存在する場合には、インカム機器(インターコミュニケーション機器)等の連絡手段(無線通信手段)を介して、音声などで店舗スタッフに監視対象遊技機を通知できる。これによって、店舗スタッフと携帯される巡回カメラ40が監視対象遊技機の周辺にすぐに到達でき、不正イベント情報の発生から監視カメラ30の通常動作の指示(S106)までのタイムラグが短縮される。また、不正イベント情報で特定される監視対象遊技機(S101)が存在するのに、巡回カメラ40が監視対象遊技機の周辺に滞在する時間が短い場合(即ち、S103の判定結果が連続して「YES」となる時間が短い場合)、監視管理装置70は、インカム機器等の連絡手段(無線通信手段)を介して、音声などで店舗スタッフに対するアラート(警報)を発報し、さらにアラートの発報を記録してよい。
【0086】
[実施形態の作用・効果]
以上の実施形態に係る遊技場システム100は、固定して配置される固定撮像装置(例えば、監視カメラ30)の動作を指示可能な監視管理手段を備える。固定撮像装置は、所定エリア(例えば、エリア1等)に設置された複数の遊技装置(例えば、エリア1の遊技機番号1から5、11から15に対応する遊技機)のうちの一つ以上を撮像可能である。監視管理手段(例えば、監視管理装置70とホールコンピュータ10を含む監視管理手段150)は、各遊技装置から出力された遊技情報(例えば、扉開放信号、賞球信号、特賞信号)、又は、各遊技装置の状態変化を検知可能な状態変化検知手段(例えば、状態変化検知センサ)の検知結果に基づいて、所定エリア内で撮像要因(撮像させる原因)が発生した可能性がある監視対象遊技装置を認識する。そして、監視管理手段は、当該監視対象遊技装置の設置位置を識別可能な遊技装置識別情報(例えば、遊技機番号)と、携帯可能な携帯撮像装置(例えば、巡回カメラ40、ウェアラブルカメラ)の位置に関する携帯撮像装置位置情報(例えば、測位による位置情報、撮像画像中の遊技機番号)に基づいて、固定撮像装置の動作を指示可能である。例えば、監視管理手段は、固定撮像装置の向きや撮像倍率などの撮像条件、及び/又は、固定撮像装置の撮像する対象である撮像対象遊技装置の遊技装置番号を指示可能である。
【0087】
このような遊技場システム100によれば、人の操作による情報入力を行うことなく、監視対象遊技装置の遊技装置識別情報(例えば遊技機番号)と、携帯可能な携帯撮像装置(例えば巡回カメラ40)の位置に関する携帯撮像装置位置情報とに基づいて、監視リソース(監視用資源:固定撮像装置や携帯撮像装置)を有効に活用できる。
【0088】
なお、携帯撮像装置は、店舗スタッフによって携帯されて任意に移動可能であるから遊技場内を巡回して監視する監視リソ-スとして活用できる。例えば、携帯撮像装置が巡回中に取得した撮像画像や測位した位置を利用して携帯撮像装置位置情報を取得でき、各遊技装置から出力され監視管理手段に集められた遊技情報(遊技データ)を利用して監視対象遊技装置の遊技装置識別情報が取得できる。監視管理手段は、監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と、携帯撮像装置位置情報とを解析処理することで、監視リソ-スとしての固定撮像装置(例えば監視カメラ30)をより監視を強化すべき場所に向ける制御を実行できる。このようにして、監視リソ-スを有効に活用させることができる。
【0089】
また、実施形態において、監視管理手段は、監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と携帯撮像装置位置情報に基づいて、監視対象遊技装置が携帯撮像装置(例えば巡回カメラ40)の周辺(周囲)にあることを判定した場合に(又は、携帯撮像装置が監視対象遊技装置の周辺にあることを判定した場合に)、監視対象遊技装置を撮像可能な固定撮像装置(例えば監視カメラ30)に対して、監視対象遊技装置とは異なる遊技装置を撮像可能とする動作を指示する。
【0090】
従って、監視対象遊技装置が携帯撮像装置の周辺にある場合に、携帯撮像装置が監視対象遊技装置を撮像できる一方、固定撮像装置は監視対象遊技装置以外の遊技装置を撮像でき、監視リソ-スである携帯撮像装置と固定撮像装置を有効に活用できる。また、監視対象遊技装置が携帯撮像装置の周辺にない場合には、固定撮像装置(例えば監視カメラ30)が監視対象遊技装置を撮像できる。
【0091】
また、実施形態において、監視管理手段は、監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と携帯撮像装置位置情報に基づいて、監視対象遊技装置が携帯撮像装置(例えば巡回カメラ40)の周辺(周囲)にあることを判定した場合に(又は、携帯撮像装置が監視対象遊技装置の周辺にあることを判定した場合に)、監視対象遊技装置とは異なる遊技装置を撮像の対象である撮像対象遊技装置に指定可能である。そして、監視管理手段は、監視対象遊技装置を撮像可能な固定撮像装置(例えば監視カメラ30)に対して、少なくとも撮像対象遊技装置を含む所定範囲内を撮像するよう指示する(例えば、ズーム撮像又は周辺撮像1を指示する)。例えば、監視管理手段は、所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って、監視対象遊技装置とは異なる遊技装置を撮像対象遊技装置に指定して、撮像対象遊技装置を少なくとも撮像するズーム撮像又は周辺撮像1を指示可能である。
【0092】
このように、監視対象遊技装置が携帯撮像装置(例えば巡回カメラ40)の周辺(周囲)にあることを判定した場合に、監視管理手段は、監視対象遊技装置とは異なる遊技装置を、固定撮像装置(例えば監視カメラ30)の撮像対象遊技装置に指定できる。従って、監視対象遊技装置が携帯撮像装置の周辺にある場合に、携帯撮像装置が監視対象遊技装置を撮像できる一方、固定撮像装置は監視対象遊技装置以外の遊技装置を撮像でき、監視リソ-スである携帯撮像装置と固定撮像装置を有効に活用できる。また、監視対象遊技装置が携帯撮像装置の周辺にない場合には、固定撮像装置が監視対象遊技装置を撮像できる。
【0093】
また、実施形態において、監視管理手段は、監視対象遊技装置の遊技装置識別情報と携帯撮像装置位置情報に基づいて、監視対象遊技装置の周辺に携帯撮像装置が存在していないと判断した場合に、監視対象遊技装置を撮像対象遊技装置とし、固定撮像装置に対して、撮像対象遊技装置を少なくとも撮像する第1動作を指示する。例えば、第1動作は、監視対象遊技装置をズーム撮像する動作である。
【0094】
従って、監視対象遊技装置の周辺に携帯撮像装置が存在していない場合に、監視リソ-スとして固定撮像装置が活用され、監視対象遊技装置が撮像できる。
【0095】
また、実施形態において、監視管理手段は、固定撮像装置が撮像対象遊技装置を撮像しているときに、携帯撮像装置位置情報に基づき撮像対象遊技装置の周辺に携帯撮像装置が存在すると判断した場合に、固定撮像装置に対して、第1動作と異なる第2動作を指示する。例えば、第2動作は、所定エリア内の広域撮像や、所定のタイムスケジュールや所定のプログラムに従って所定エリア内の遊技機を順にズーム撮像する動作である。
【0096】
従って、撮像対象遊技装置の周辺に携帯撮像装置が存在する場合に、固定撮像装置に代わって携帯撮像装置が撮像対象遊技装置を撮像できるため、固定撮像装置は、当該撮像対象遊技装置を撮像する第1動作と異なる第2動作を実行でき、監視リソ-スである固定撮像装置を有効に活用できる。
【0097】
また、実施形態において、監視管理手段は、携帯撮像装置が撮像した撮像画像に含まれた遊技装置周辺の画像を取得し、取得した画像において遊技装置識別情報を画像認識し、当該遊技装置識別情報を携帯撮像装置位置情報として使用する。
【0098】
従って、測位システムを使用することなく、携帯撮像装置が撮像した撮像画像から携帯撮像装置の位置情報を得ることができ、コストの削減につながる。
【0099】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態や複数の変形例を組合せることも可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
10 ホールコンピュータ
20 遊技情報収集装置
21 遊技情報収集装置
30 監視カメラ(固定撮像装置)
40 巡回カメラ(携帯撮像装置)
50 カメラコントローラ
60 録画再生装置
70 監視管理装置
80 監視モニタ
100 遊技場システム
200 遊技装置(遊技機)
201 遊技装置(遊技機)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8