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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048108
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】吸着式取付具
(51)【国際特許分類】
F16B 47/00 20060101AFI20240401BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240401BHJP
【ＦＩ】
F16B47/00 A
B60R11/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022153982
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】モハマド シャフィク ビン マット ナウィ
(72)【発明者】
【氏名】桜井 龍裕
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 剛太郎
【テーマコード（参考）】
3D020
3J038
【Ｆターム（参考）】
3D020BA07
3D020BC03
3D020BD11
3J038AA02
3J038CA20
(57)【要約】
【課題】吸盤を設置箇所に吸着して真空状態にする前にアームの向きを変えられる吸着式取付具を提供することにある。
【解決手段】本発明の吸着式取付具１０は、物品の取付箇所に接着するプレート２０と、
一方の主面が前記プレート２０に吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバー３４を支持するレバー支持部３２を有する吸盤３０と、
前記レバー３４及びレバー支持部３２が突出する貫通孔４２および前記物品に接続するアーム支持部４４を有して前記吸盤３０の他方の主面を覆う吸盤ベース４０を備えた吸着式取付具１０において、
前記吸盤ベース４０は前記レバー支持部３２を中心軸として軸回りに回転することを特徴としている。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明の吸着式取付具１０は、物品の取付箇所に接着するプレート２０と、
一方の主面が前記プレート２０に吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバー３４を支持するレバー支持部３２を有する吸盤３０と、
前記レバー３４及びレバー支持部３２が突出する貫通孔４２および前記物品に接続するアーム支持部４４を有して前記吸盤３０の他方の主面を覆う吸盤ベース４０を備えた吸着式取付具１０において、
前記吸盤ベース４０は前記レバー支持部３２を中心軸として軸回りに回転することを特徴としている。
【選択図】 図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の取付箇所に接着するプレートと、
一方の主面が前記プレートに吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバーを支持するレバー支持部を有する吸盤と、
前記レバー及びレバー支持部が突出する貫通孔および前記物品に接続するアーム支持部を有して前記吸盤の他方の主面を覆う吸盤ベースを備えた吸着式取付具において、
前記吸盤ベースは前記レバー支持部を中心軸として軸回りに回転することを特徴とする吸着式取付具。
一方の主面が前記プレートに吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバーを支持するレバー支持部を有する吸盤と、
前記レバー及びレバー支持部が突出する貫通孔および前記物品に接続するアーム支持部を有して前記吸盤の他方の主面を覆う吸盤ベースを備えた吸着式取付具において、
前記吸盤ベースは前記レバー支持部を中心軸として軸回りに回転することを特徴とする吸着式取付具。
【請求項2】
請求項１に記載された吸着式取付具において、
前記プレートは吸着面に凸部を、前記吸盤は一方の主面に凹部を設け、前記吸盤を前記プレートの吸着面上に配置したときに前記凸部及び前記凹部が嵌り合うことを特徴とする吸着式取付具。
前記プレートは吸着面に凸部を、前記吸盤は一方の主面に凹部を設け、前記吸盤を前記プレートの吸着面上に配置したときに前記凸部及び前記凹部が嵌り合うことを特徴とする吸着式取付具。
【請求項3】
請求項１に記載された吸着式取付具において、
前記凹部は開口付近に絞り部を設け、前記凸部は先端と根本の間に前記先端よりも細いくびれ部を設け、前記くびれ部は前記絞り部よりも長く形成したことを特徴とする吸着式取付具。
前記凹部は開口付近に絞り部を設け、前記凸部は先端と根本の間に前記先端よりも細いくびれ部を設け、前記くびれ部は前記絞り部よりも長く形成したことを特徴とする吸着式取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸盤の負圧を利用して物品を設置箇所に取り付ける吸着式取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を設置箇所に固定する際、吸盤の負圧（吸着力ともいう）を利用する取付具を用いることがある。この吸盤は設置箇所の吸着面に僅かでも凹凸があると密着せず長時間使用すると隙間から空気が入り込み吸着力が著しく低下してしまう。このため、特許文献１に開示の技術は、設置箇所との間に吸着補助板（プレートともいう）を配置して固定している。これにより吸着面に僅かな凹凸がある場合でも補助板を介して吸盤を密着させることができ物品を固定することができる。
【0003】
物品の一例として携帯端末などは、吸盤付きホルダーを利用して車両のダッシュボードに取り付けることがある。
図１０は従来の吸盤付きホルダーの説明図である。図示のように従来の吸盤付きホルダー１は、物品の取付箇所に接着するプレート２と、プレート２に吸着する吸盤３と、吸盤３に取り付けて吸着面に真空を発生させるレバー４が突出する貫通孔５および物品に接続するアーム６を有して吸盤３の吸着面の反対面を覆う吸盤ベース７を備えている。吸盤３はレバー４を軸支するレバー支持部８を備えている。図１１は貫通孔とレバー支持部の平面図である。レバー支持部８は断面矩形に形成され、貫通孔５はレバー支持部８の断面矩形よりも僅かに大きい平面視で矩形の孔に形成されている。これにより吸盤３上に吸盤ベース７を取り付ける際の位置決め及び組み立てが容易となる。
しかしながら、吸盤付きホルダー１を取り付ける際に、プレート２に吸盤３を吸着させた後、レバー４で吸着面に真空を発生させる前に、アーム６が支持する携帯端末などの物品の位置合わせ（向きを変えるなど）を行うことがある。このときアーム６を有する吸盤ベース７を、レバー支持部８を中心として回転させようとすると、断面矩形のレバー支持部８が矩形の貫通孔内に当たって自由に回転させることができなかった。このため吸盤３をプレート２から剥がしてアーム６を回転させていたが、重量物の携帯端末に用いる吸盤３は吸着面に粘着力があり、一旦吸着させた吸盤３を剥がすのは容易ではなかった。
図１０は従来の吸盤付きホルダーの説明図である。図示のように従来の吸盤付きホルダー１は、物品の取付箇所に接着するプレート２と、プレート２に吸着する吸盤３と、吸盤３に取り付けて吸着面に真空を発生させるレバー４が突出する貫通孔５および物品に接続するアーム６を有して吸盤３の吸着面の反対面を覆う吸盤ベース７を備えている。吸盤３はレバー４を軸支するレバー支持部８を備えている。図１１は貫通孔とレバー支持部の平面図である。レバー支持部８は断面矩形に形成され、貫通孔５はレバー支持部８の断面矩形よりも僅かに大きい平面視で矩形の孔に形成されている。これにより吸盤３上に吸盤ベース７を取り付ける際の位置決め及び組み立てが容易となる。
しかしながら、吸盤付きホルダー１を取り付ける際に、プレート２に吸盤３を吸着させた後、レバー４で吸着面に真空を発生させる前に、アーム６が支持する携帯端末などの物品の位置合わせ（向きを変えるなど）を行うことがある。このときアーム６を有する吸盤ベース７を、レバー支持部８を中心として回転させようとすると、断面矩形のレバー支持部８が矩形の貫通孔内に当たって自由に回転させることができなかった。このため吸盤３をプレート２から剥がしてアーム６を回転させていたが、重量物の携帯端末に用いる吸盤３は吸着面に粘着力があり、一旦吸着させた吸盤３を剥がすのは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第３１３４８８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、吸盤を設置箇所に吸着して真空状態にする前にアームの向きを変えられる吸着式取付具を提供することにある。また物品の脱落を防止できる吸着式取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第１の手段として、物品の取付箇所に接着するプレートと、
一方の主面が前記プレートに吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバーを支持するレバー支持部を有する吸盤と、
前記レバー及びレバー支持部が突出する貫通孔および前記物品に接続するアーム支持部を有して前記吸盤の他方の主面を覆う吸盤ベースを備えた吸着式取付具において、
前記吸盤ベースは前記レバー支持部を中心軸として軸回りに回転することを特徴とする吸着式取付具を提供することにある。
上記第１の手段によれば、吸盤で吸着した後、吸着面に真空を発生させる前に、アーム及び吸盤ベースを任意の方向に回転させることができるため、吸盤を剥がさなくても物品の位置合わせを容易に行うことができる。
一方の主面が前記プレートに吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバーを支持するレバー支持部を有する吸盤と、
前記レバー及びレバー支持部が突出する貫通孔および前記物品に接続するアーム支持部を有して前記吸盤の他方の主面を覆う吸盤ベースを備えた吸着式取付具において、
前記吸盤ベースは前記レバー支持部を中心軸として軸回りに回転することを特徴とする吸着式取付具を提供することにある。
上記第１の手段によれば、吸盤で吸着した後、吸着面に真空を発生させる前に、アーム及び吸盤ベースを任意の方向に回転させることができるため、吸盤を剥がさなくても物品の位置合わせを容易に行うことができる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第２の手段として、第１の手段において、前記プレートは吸着面に凸部を、前記吸盤は吸着面に凹部を設け、前記吸盤を前記プレートの吸着面上に配置したときに前記凸部及び前記凹部が嵌り合うことを特徴とする吸着式取付具を提供することにある。
上記第２の手段によれば、吸盤の吸着力が低下して剥がれても、吸盤がプレート上に留まり、物品が脱落することがなく破損するおそれがない。物品の脱落のおそれがないため、従来よりもプレート及び吸盤の形状をコンパクト化することができ取付箇所の選択の幅を広げられる。
上記第２の手段によれば、吸盤の吸着力が低下して剥がれても、吸盤がプレート上に留まり、物品が脱落することがなく破損するおそれがない。物品の脱落のおそれがないため、従来よりもプレート及び吸盤の形状をコンパクト化することができ取付箇所の選択の幅を広げられる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第３の手段として、第２の手段において、前記凹部は開口付近に絞り部を設け、前記凸部は先端と根本の間に前記先端よりも細いくびれ部を設け、前記くびれ部は前記絞り部よりも長く形成したことを特徴とする吸着式取付具を提供することにある。
上記第３の手段によれば、吸盤の吸着力が低下して剥がれても、凸部先端が凹部の絞り部に引っ掛かって吸盤がプレート上に留まり、または吸盤とプレートが接続した状態を維持でき、物品が脱落することがなく破損するおそれがない。
上記第３の手段によれば、吸盤の吸着力が低下して剥がれても、凸部先端が凹部の絞り部に引っ掛かって吸盤がプレート上に留まり、または吸盤とプレートが接続した状態を維持でき、物品が脱落することがなく破損するおそれがない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、吸盤で吸着した後、吸着面に真空を発生させる前に吸盤ベースを任意の方向に回転できるため、吸盤を剥がさなくても物品の位置合わせを容易に行うことができる。
また吸盤の吸着力が低下して外れてもプレートから吸盤が脱落することを防止できる。
従来よりもプレートの形状を小さくして吸着力が低下しても吸盤の脱落を防止できる。
また吸盤の吸着力が低下して外れてもプレートから吸盤が脱落することを防止できる。
従来よりもプレートの形状を小さくして吸着力が低下しても吸盤の脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例１の吸着式取付具の分解斜視図である。
【図2】実施例１の吸着式取付具の取付方法の説明図である。
【図3】レバー支持部の軸回りを回転する吸盤ベースの説明図である。
【図4】レバー操作の説明図である。
【図5】実施例２の吸着式取付具の分解斜視図である。
【図6】実施例２の凹凸部の説明図である。
【図7】実施例２の吸着式取付具の取付方法の説明図である。
【図8】吸着式取付具の吸盤が剥がれたときの説明図である。
【図9】本発明の吸着式取付具の使用状態の説明図である。
【図10】従来の吸盤付きホルダーの説明図である。
【図11】貫通孔とレバー支持部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の吸着式取付具の実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0012】
（実施例１）凹凸部なし
［吸着式取付具１０］
図１は実施例１の吸着式取付具の分解斜視図である。図示のように本発明の吸着式取付具１０は、物品の取付箇所に接着するプレート２０と、一方の主面が前記プレート２０に吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバー３４を支持するレバー支持部３２を有する吸盤３０と、前記レバー３４及びレバー支持部３２が突出する貫通孔４２および前記物品に接続するアーム支持部４４を有して前記吸盤３０の他方の主面を覆う吸盤ベース４０を備えた吸着式取付具１０において、前記吸盤ベース４０は前記レバー支持部３２を中心軸として軸回りに回転する。
［吸着式取付具１０］
図１は実施例１の吸着式取付具の分解斜視図である。図示のように本発明の吸着式取付具１０は、物品の取付箇所に接着するプレート２０と、一方の主面が前記プレート２０に吸着し、他方の主面の中央から上方に突出し先端で前記一方の主面に真空を発生させるレバー３４を支持するレバー支持部３２を有する吸盤３０と、前記レバー３４及びレバー支持部３２が突出する貫通孔４２および前記物品に接続するアーム支持部４４を有して前記吸盤３０の他方の主面を覆う吸盤ベース４０を備えた吸着式取付具１０において、前記吸盤ベース４０は前記レバー支持部３２を中心軸として軸回りに回転する。
【0013】
プレート２０は、一方の主面が物品の取付箇所に接着する接着面となり、他方の主面が吸盤３０の吸着面となるポリカーボネート（ＰＣ）などのプラスチック樹脂を用いている。プレート２０の形状は、吸盤３０の吸着面とほぼ同じ円形の構成を採用している。プレート２０は接着面に両面テープ２１を張り付けて取付箇所に接着できる。
【0014】
吸盤３０は、一方の主面が吸着面となり、他方の主面にレバー支持部３２およびレバー３４を設けている。吸盤３０は材質にエラストマーを用い、レバー支持部３２及びレバー３４は材質にポリカーボネート（ＰＣ）などのプラスチック樹脂を用いている。レバー支持部３２は他方の主面の中心から垂直方向に突出する円柱の部材であり、先端にピン孔３３を設けている。ピン孔３３は軸心を吸着面と平行に配置している。レバー３４はピン孔３３を挟むように接続孔３４ａを設けてあり、ピン孔３３および接続孔３４ａにピン３５を水平方向から挿入して固定すると、ピン３５を起点として揺動する。吸盤３０には周縁に剥離用の舌片を設けている。これにより、吸着した吸盤３０をプレート２０から剥がす作業が容易となる。
【0015】
吸盤ベース４０は吸盤３０の他方の主面（吸着面と反対面）を覆う、ポリカーボネート（ＰＣ）などのプラスチック樹脂を用いた部材である。吸盤ベース４０は、吸盤３０と同じく円形であり、レバー支持部３２およびレバー３４が突出する円形の貫通孔４２を中心に設けている。また吸盤ベース４０は表面にアーム４６に接続するアーム支持部４４を設けている。アーム支持部４４は吸盤ベース４０の上面の貫通孔４２の周縁から斜め上方に突出し先端にピン孔４４ａを設けている。ピン孔４４ａは吸着面と平行に配置している。アーム４６はピン孔４４ａを挟むように接続孔４６ａを設けてあり、ピン孔４４ａおよび接続孔４６ａにピン４８を水平方向から挿入して固定すると、ピン４８を起点として任意の角度に揺動する。アーム４６は先端にボールジョイント５０を設けている。ボールジョイント５０には物品を把持する把持部を取り付けることができる。
【0016】
［吸着式取付具１０の取り付け方法］
上記構成による本発明の吸着式取付具の取付方法について、以下説明する。図２は本発明の吸着式取付具の取付方法の説明図である。図４はレバー操作の説明図である。
（ステップ１）
物品の取付箇所にプレート２０を接着する。あらかじめ吸盤３０と吸盤ベース４０は結合させておく。すなわち、吸盤ベース４０の貫通孔４２にレバー支持部３２を挿入して、レバー支持部３２の先端を吸盤ベース４０の上面に突出させる。レバー支持部３２のピン孔およびレバー３４の接続孔３４ａにピン３５を挿入して固定する。これにより吸盤ベース４０と吸盤３０の間に所定間隔を開けて固定することができる。
上記構成による本発明の吸着式取付具の取付方法について、以下説明する。図２は本発明の吸着式取付具の取付方法の説明図である。図４はレバー操作の説明図である。
（ステップ１）
物品の取付箇所にプレート２０を接着する。あらかじめ吸盤３０と吸盤ベース４０は結合させておく。すなわち、吸盤ベース４０の貫通孔４２にレバー支持部３２を挿入して、レバー支持部３２の先端を吸盤ベース４０の上面に突出させる。レバー支持部３２のピン孔およびレバー３４の接続孔３４ａにピン３５を挿入して固定する。これにより吸盤ベース４０と吸盤３０の間に所定間隔を開けて固定することができる。
【0017】
（ステップ２）
プレート２０上に吸盤３０及び吸盤ベース４０を配置する。レバー３４と吸盤ベース４０の間に隙間が形成されているため（図４参照）、真空状態にする前の状態で吸盤ベース４０を、すなわちアーム４６に支持された物品を回転させることができ、任意の向きに容易に変更することができる。図３はレバー支持部の軸回りを回転する吸盤ベースの説明図である。吸盤ベース４０は、レバー３４の根本とアーム支持部４４の根本が接触する部分を除く、レバー支持部の軸回りを０度～１５０度の範囲で回転できる。
プレート２０上に吸盤３０及び吸盤ベース４０を配置する。レバー３４と吸盤ベース４０の間に隙間が形成されているため（図４参照）、真空状態にする前の状態で吸盤ベース４０を、すなわちアーム４６に支持された物品を回転させることができ、任意の向きに容易に変更することができる。図３はレバー支持部の軸回りを回転する吸盤ベースの説明図である。吸盤ベース４０は、レバー３４の根本とアーム支持部４４の根本が接触する部分を除く、レバー支持部の軸回りを０度～１５０度の範囲で回転できる。
【0018】
（ステップ３）
次に吸盤ベース４０の上で上方に起き上がっているレバー３４を水平方向に倒すと、吸盤３０の周縁部分は上方の吸盤ベース４０の貫通孔４２の周縁部分でプレート２０に向けて押え付けられる。吸盤３０の中心、換言するとレバー支持部３２の周囲は、レバー３４のカム機構によりレバー３４の下端が吸盤ベース４０の貫通孔４２の周縁に接触して吸盤３０と吸盤ベース４０の間の隙間がなくなり、吸盤３０が上方の吸盤ベース４０側に押し上げられて吸着面の空気を抜いて真空状態にすることができる。
次に吸盤ベース４０の上で上方に起き上がっているレバー３４を水平方向に倒すと、吸盤３０の周縁部分は上方の吸盤ベース４０の貫通孔４２の周縁部分でプレート２０に向けて押え付けられる。吸盤３０の中心、換言するとレバー支持部３２の周囲は、レバー３４のカム機構によりレバー３４の下端が吸盤ベース４０の貫通孔４２の周縁に接触して吸盤３０と吸盤ベース４０の間の隙間がなくなり、吸盤３０が上方の吸盤ベース４０側に押し上げられて吸着面の空気を抜いて真空状態にすることができる。
【0019】
（実施例２）凹凸部あり
［吸着式取付具１０］
図５は実施例２の吸着式取付具の分解斜視図である。図６は実施例２の吸着式取付具の凹凸部の説明図である。図示のように実施例２の吸着式取付具１０Ａは、物品の取付箇所に接着するプレート２０Ａと、前記プレート２０Ａに吸着すると共に前記物品を支持する吸盤３０Ａを備えた吸着式取付具１０Ａにおいて、前記プレート２０Ａは吸着面に凸部２２を、前記吸盤３０Ａは吸着面に凹部３６を設け、前記吸盤３０Ａを前記プレート２０Ａの吸着面上に配置したときに前記凸部２２及び前記凹部３６が嵌り合う構成となる。
［吸着式取付具１０］
図５は実施例２の吸着式取付具の分解斜視図である。図６は実施例２の吸着式取付具の凹凸部の説明図である。図示のように実施例２の吸着式取付具１０Ａは、物品の取付箇所に接着するプレート２０Ａと、前記プレート２０Ａに吸着すると共に前記物品を支持する吸盤３０Ａを備えた吸着式取付具１０Ａにおいて、前記プレート２０Ａは吸着面に凸部２２を、前記吸盤３０Ａは吸着面に凹部３６を設け、前記吸盤３０Ａを前記プレート２０Ａの吸着面上に配置したときに前記凸部２２及び前記凹部３６が嵌り合う構成となる。
【0020】
プレート２０Ａは、実施例１とほぼ同様の構成であるが、さらに吸着面の中心には凸部２２を設けている。凸部２２はプレート２０Ａの主面から垂直方向に突出してプレート２０Ａと一体形成した構成である。また凸部２２は先端の形状を球状に形成し、先端と根本の間に先端よりも細いくびれ部２４を形成している。くびれ部２４は先端の球状よりも厚みを薄く形成している。
【0021】
吸盤３０Ａは、実施例１とほぼ同様の構成であるが、さらに吸着面の中心に凹部３６を設けている（図６参照）。凹部３６は、吸着面に開口を有し、レバー支持部３２の内部に亘って形成されており、凸部２２と嵌め合う構成である。凹部３６の開口付近は絞り部３８を形成し、内部よりも孔の大きさを絞っている。絞り部３８はプレート２０の凸部２２のくびれ部２４よりも短く形成している。従って、凹部３６に凸部２２を嵌め合わせたとき、凸部２２のくびれ部２４は絞り部３８に接した箇所より上方に凹部３６の内壁との間で隙間（遊び）３９が形成される（図７のステップ２０参照）。
吸盤ベース４０は実施例１の形態と同様である。
吸盤ベース４０は実施例１の形態と同様である。
【0022】
［吸着式取付具１０の取り付け方法］
上記構成による本発明の吸着式取付具の取付方法について、以下説明する。図７は実施例２の吸着式取付具の取付方法の説明図である。
（ステップ１０）
ステップ１と同様の操作を行う。
（ステップ２０）
プレート２０Ａ上に吸盤３０Ａ及び吸盤ベース４０を配置する。そしてプレート２０Ａの凸部２２に吸盤３０Ａの凹部３６を嵌め合わせる。凸部２２の先端は凹部３６の絞り部３８よりも大きいが、凸部２２の先端を挿入し続けるとエラストマーの絞り部３８が伸びて凹部３６の内部に収まる。このときプレート２０Ａの吸着面中心に凸部２２と、吸盤３０Ａの吸着面中心に凹部３６を配置しているため、嵌め合わせるとプレート２０Ａの中心位置に吸盤３０Ａを取り付けることができ、位置合わせが容易に行える。このため、位置ズレによる吸着力の低下を防止できる。凸部２２のくびれ部２４は、凹部３６Ａの絞り部３８よりも長く形成している。このため凸部２２のくびれ部２４の根本で接触している絞り部３８より上方に凹部３６の内壁との間で隙間（遊び）３９が形成されている。
上記構成による本発明の吸着式取付具の取付方法について、以下説明する。図７は実施例２の吸着式取付具の取付方法の説明図である。
（ステップ１０）
ステップ１と同様の操作を行う。
（ステップ２０）
プレート２０Ａ上に吸盤３０Ａ及び吸盤ベース４０を配置する。そしてプレート２０Ａの凸部２２に吸盤３０Ａの凹部３６を嵌め合わせる。凸部２２の先端は凹部３６の絞り部３８よりも大きいが、凸部２２の先端を挿入し続けるとエラストマーの絞り部３８が伸びて凹部３６の内部に収まる。このときプレート２０Ａの吸着面中心に凸部２２と、吸盤３０Ａの吸着面中心に凹部３６を配置しているため、嵌め合わせるとプレート２０Ａの中心位置に吸盤３０Ａを取り付けることができ、位置合わせが容易に行える。このため、位置ズレによる吸着力の低下を防止できる。凸部２２のくびれ部２４は、凹部３６Ａの絞り部３８よりも長く形成している。このため凸部２２のくびれ部２４の根本で接触している絞り部３８より上方に凹部３６の内壁との間で隙間（遊び）３９が形成されている。
【0023】
（ステップ３０）
ステップ３と同様の操作を行う。凹部３６の絞り部３８は、凸部２２のくびれ部２４と先端の球状の境目付近まで上昇する。
ステップ３と同様の操作を行う。凹部３６の絞り部３８は、凸部２２のくびれ部２４と先端の球状の境目付近まで上昇する。
【0024】
図８は吸着式取付具の吸盤が剥がれたときの説明図である。図示のように、吸盤３０Ａの吸着力が弱まってプレート２０Ａから剥がれて、ボールジョイント５０に取り付けた物品の重量によりアーム支持部４４の根本から先端側に倒れようとしても、凸部２２及び凹部３６が嵌まり合った状態となり物品が脱落することがない。特に凸部２２のくびれ部２４の根本で接触している絞り部３８より上方に凹部３６の内壁との間で隙間（遊び）が形成されているため、凸部２２の先端球状部分が凹部３６の絞り部３８に引っ掛かり、プレート２０Ａからの吸盤３０Ａの脱落を阻止できる。
【0025】
図９は本発明の吸着式取付具の使用状態の説明図である。同図に示す物品１２は携帯端末であり、物品は把持部５２により把持固定されている。把持部５２はアーム４６のボールジョイントにフレキシブルに接続している。
このような本発明によれば、吸盤で吸着した後、吸着面に真空を発生させる前に吸盤ベースを任意の方向に回転できるため、吸盤を剥がさなくても物品の位置合わせを容易に行うことができる。
また吸盤の吸着力が低下して外れてもプレートから吸盤が脱落することを防止できる。従来よりもプレートの形状を小さくして吸着力が低下しても吸盤の脱落を防止できる。
なお本実施形態のレバー支持部３２は円柱の部材で説明したが、レバー支持部の軸回りを吸盤ベースが回転できる構成であれば、この他にも断面が正四角形など角柱であっても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
このような本発明によれば、吸盤で吸着した後、吸着面に真空を発生させる前に吸盤ベースを任意の方向に回転できるため、吸盤を剥がさなくても物品の位置合わせを容易に行うことができる。
また吸盤の吸着力が低下して外れてもプレートから吸盤が脱落することを防止できる。従来よりもプレートの形状を小さくして吸着力が低下しても吸盤の脱落を防止できる。
なお本実施形態のレバー支持部３２は円柱の部材で説明したが、レバー支持部の軸回りを吸盤ベースが回転できる構成であれば、この他にも断面が正四角形など角柱であっても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0026】
１ 吸盤付きホルダー
２ プレート
３ 吸盤
４ レバー
５ 貫通孔
６ アーム
７ 吸盤ベース
８ レバー支持部
１０，１０Ａ 吸着式取付具
１２ 物品
２０，２０Ａ プレート
２１ 両面テープ
２２，２２Ａ 凸部
２４ くびれ部
３０，３０Ａ 吸盤
３２ レバー支持部
３３ ピン孔
３４ レバー
３４ａ 接続孔
３５ ピン
３６ 凹部
３８ 絞り部
３９ 隙間
４０ 吸盤ベース
４２ 貫通孔
４４ アーム支持部
４４ａ ピン孔
４６ アーム
４６ａ 接続孔
４８ ピン
５０ ボールジョイント
５２ 把持部
２ プレート
３ 吸盤
４ レバー
５ 貫通孔
６ アーム
７ 吸盤ベース
８ レバー支持部
１０，１０Ａ 吸着式取付具
１２ 物品
２０，２０Ａ プレート
２１ 両面テープ
２２，２２Ａ 凸部
２４ くびれ部
３０，３０Ａ 吸盤
３２ レバー支持部
３３ ピン孔
３４ レバー
３４ａ 接続孔
３５ ピン
３６ 凹部
３８ 絞り部
３９ 隙間
４０ 吸盤ベース
４２ 貫通孔
４４ アーム支持部
４４ａ ピン孔
４６ アーム
４６ａ 接続孔
４８ ピン
５０ ボールジョイント
５２ 把持部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】