(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048142
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】端末制御システム、端末制御装置および端末制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20240401BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240401BHJP
H04B 10/03 20130101ALI20240401BHJP
H04B 10/112 20130101ALI20240401BHJP
H04W 40/02 20090101ALI20240401BHJP
【FI】
H04W48/16
H04W84/10 110
H04B10/03
H04B10/112
H04W40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154026
(22)【出願日】2022-09-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高田 紘也
(72)【発明者】
【氏名】鴨居 敦
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】相薗 正樹
【テーマコード(参考)】
5K067
5K102
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K102AA28
5K102AL23
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】気象変化の影響による無線端末の接続先の頻繁な切り替えを防止する。
【解決手段】端末制御システム(100)は、無線端末(10)が、無線基地局(18)および光空間通信装置(19)の両方と接続可能な位置にあることに応じて、無線端末(10)の接続先を切り替える切替処理をさせ、無線端末(10)のある地域の気象情報を取得し、気象情報に基づいて、無線端末(10)の接続先を無線基地局(18)から光空間通信装置(19)に切り替える前記切替処理を停止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御手段と、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得手段と、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止手段と、を備える、端末制御システム。
【請求項2】
前記切替停止手段は、前記気象情報が条件を満たしたことに基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させ、
前記無線端末の位置情報に応じて、前記条件を変更する条件変更手段を更に備える、請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項3】
前記無線端末は、近距離無線通信を介して前記光空間通信装置に接続する、請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項4】
前記切替処理では、前記無線端末は、前記接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、前記接続先を切り替える、請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項5】
前記接続制御手段は、前記無線端末と前記無線基地局との接続状況、および、前記無線端末と前記光空間通信装置との接続状況に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の端末制御システム。
【請求項6】
前記接続制御手段は、前記無線端末の位置情報に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の端末制御システム。
【請求項7】
前記接続制御手段は、前記無線端末が前記無線基地局の通信可能範囲の辺縁部に位置するか否かに基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、請求項6に記載の端末制御システム。
【請求項8】
前記気象情報取得手段は、前記無線端末の位置情報に基づいて前記気象情報を取得する、請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項9】
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御部と、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止部と、を備える、端末制御装置。
【請求項10】
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御ステップと、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止ステップと、を実行する、端末制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末制御システム、端末制御装置および端末制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RF部とレーザー部とを備えた通信リンクシステムが記載されている。特許文献1には、環境情報や送受信強度に基づいて、RF部とレーザー部とで送信されるデータを調節することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者らは、独自の発想に基づき、ローカル5G等の無線通信を、光空間通信技術を利用して補完することを検討している。例えばサービスエリアの辺縁部など、基地局からの接続状況が良くない場所に光空間通信装置を配置し、無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあるときに、通信速度や通信品質に応じて接続先を切り替えるようにすることで、好適な通信環境を実現することができる。
【0005】
しかしながら、光空間通信は、雨や雪、霧等の気象変化の影響により通信速度や通信品質等が大きく変化することがある。そのため、上述したように、無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあるときに通信速度や通信品質に応じて接続先を切り替えるようにした場合、気象変化の影響により無線端末の接続先の切り替えが頻繁に起き、ユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0006】
本発明の一つの目的は、気象変化の影響による無線端末の接続先の頻繁な切り替えを防止することができる端末制御システム、端末制御装置および端末制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の端末制御システムの一態様は、無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御手段と、前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得手段と、前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止手段と、を備える。
【0008】
本発明の端末制御装置の一態様は、無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御部と、前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止部と、を備える。
【0009】
本発明の端末制御方法の一態様は、無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御ステップと、前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一つの目的は、気象変化の影響による無線端末の接続先の頻繁な切り替えを防止することができる端末制御システム、端末制御装置および端末制御方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る端末制御システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る端末制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態に係る端末制御装置の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】第2の実施形態に係る端末制御システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図5】第3の実施形態に係る端末制御システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図6】第3の実施形態の変形例に係る端末制御システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図7】第4の実施形態に係る端末制御システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態に係るコンピュータのハードウェアの概要を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
(端末制御システム)
以下、本発明の第1の実施形態に係る端末制御システム100について、図面を参照して説明する。端末制御システム100は、無線通信および光空間通信を制御するシステムである。無線通信とは、空間を伝搬する電波を用いた通信である。光空間通信とは、空間を伝搬する光を用いた通信である。無線通信に用いられる電波には、マイクロ波、ミリ波等が含まれ得る。光空間通信に用いられる光には、ミリ波、サブミリ波、赤外光、可視光、紫外光等が含まれ得る。無線通信の方式は特に限定されないが、例えば、LTE、5G等のセルラー通信方式であってもよい。なお、本発明は、無線通信の方式として、カバレッジエリアが比較的狭い5G通信を用いる場合に、特に顕著な効果を有する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る端末制御システム100の構成の例を示す機能ブロック図である。
図1において、各ブロックは機能単位の構成を示している。したがって、
図1に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置に実装されてもよい。また、一部または全部のブロックは、クラウド等で機能として実装されてもよい。端末制御システム100は接続制御手段101、気象情報取得手段102および切替停止手段103を備える。
【0014】
端末制御システム100は、無線端末10を制御する。端末制御システム100は、一部または全部が無線端末10と通信する構成であってもよいし、一部または全部が無線端末10に備えられている構成であってもよい。すなわち、無線端末10は、接続制御手段101、気象情報取得手段102および切替停止手段103のうちの一部を備えていてもよいし、接続制御手段101、気象情報取得手段102および切替停止手段103の全部を備えていてもよいし、接続制御手段101、気象情報取得手段102および切替停止手段103の何れも備えていなくてもよい。
【0015】
無線端末10は、無線基地局18および光空間通信装置19と接続可能であり、無線基地局18または光空間通信装置19と接続して通信を行う。すなわち、本明細書において、無線端末が特定の対象と接続しているとは、無線端末が特定の端末を介してデータ通信を行う状態であることを指している。また、無線端末の接続先とは、無線端末がデータ通信をいずれの装置を介して行うのかを指している。
【0016】
例えば、無線端末10が無線基地局18を介してデータ通信を行う状態は、「無線端末10が無線基地局18に接続している」または「無線端末10の接続先は無線基地局18である」と称され得る。また、無線端末10が光空間通信装置19を介してデータ通信を行う状態は、「無線端末10が光空間通信装置19に接続している」または「無線端末10の接続先は光空間通信装置19である」と称され得る。
【0017】
換言すれば、無線端末10は無線通信または光空間通信を介してデータ通信を行うことが可能である。なお、無線端末10が無線通信を介してデータ通信を行う状態は、無線端末10が無線基地局18に接続している場合の他、無線端末10がその他の無線通信装置に接続している場合も含まれる。
【0018】
接続制御手段101は、無線端末10が、無線通信を介したデータ通信および光空間通信を介したデータ通信の両方が可能であること、例えば、無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、無線端末10に切替処理をさせる。切替処理は、無線通信を介したデータ通信と光空間通信を介したデータ通信とを切り替える処理であり、例えば、無線端末10の接続先を無線基地局18と光空間通信装置19との間で切り替える処理であってもよいし、無線端末10の接続先を光空間通信装置19と他の無線通信装置との間で切り替える処理であってもよい。
【0019】
無線端末10と無線基地局18とが接続するためには、無線端末10と無線基地局18との距離が所定の範囲内であることが必要である。同様に、無線端末10と光空間通信装置19とが接続するためには、無線端末10と光空間通信装置19との距離が所定の範囲内であることが必要である。このように、無線端末10の位置によって、無線基地局18および光空間通信装置19の各々との接続の可否が変化する。そのため、無線端末10が、無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、無線端末10に切替処理をさせることによって、適切なタイミングでの接続先の切替を行うことができる。
【0020】
なお、無線端末10は、当該無線端末10が特定の対象と接続可能な位置にあることを、無線端末10の位置に基づいて判定してもよく、無線端末と特定の対象とが実際に接続の準備に成功しているかに基づいて判定してもよい。例えば、端末制御システム100が、無線基地局18や光空間通信装置19の接続可能な所定の範囲(カバレッジエリア)を示す情報を保持している場合、無線端末10は、当該無線端末10が、当該所定の範囲内であることに基づいて、当該無線端末10が無線基地局18や光空間通信装置19と接続可能な位置にあると判定してもよい。また、例えば、端末制御システム100が、上述した所定の範囲を示す情報を保持していない場合には、無線端末10は、無線基地局18や光空間通信装置19と実際に接続の準備に成功していることに基づいて、当該無線端末10が無線基地局18や光空間通信装置19と接続可能な位置にあると判定してもよい。
【0021】
また、接続制御手段101が無線端末10に設けられている場合には、接続制御手段101が無線端末10を制御することにより、接続制御手段101が無線端末10とは異なる装置に設けられている場合には、例えば、接続制御手段101が無線端末10に指示を送信することにより、無線端末10に切替処理をさせてよい。制御信号の送信方法は特に限定されない。
【0022】
なお無線端末10は、種々の基準に基づいて切替処理を行うことができるが、例えば、無線端末10が接続中の接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、切替処理を行ってもよい。
【0023】
気象情報取得手段102は、無線端末10のある地域の気象情報を取得する。気象情報は、直近の気象の状態を示す情報であってもよいし、気象の状態の予測を示す情報であってもよい。気象情報の例としては、例えば、気象の種別を示す値や、降雨量を示す値、降雪量を示す値、視程を示す値、気象情報が取得されてから所定時間内の降水確率または降雪確率を示す値、気象情報が取得されてから所定時間内の降雨量、降雪量または視程の予測値、台風の予測進路などが挙げられる。また、気象情報取得手段102は、気象情報を継続的に取得(モニタリング)してもよいし、気象情報を断続的に取得してもよい。
【0024】
切替停止手段103は、気象情報取得手段102が取得した気象情報に基づいて、切替処理を制御してもよい。例えば、切替停止手段103は、気象情報に基づいて、無線端末10の接続先を無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。
【0025】
また、例えば、切替停止手段103が無線端末10に設けられている場合には、切替停止手段103が無線端末10を制御することにより、無線端末10に切替処理をさせてよい。また、切替停止手段103が無線端末10とは異なる装置に設けられている場合には、例えば、切替停止手段103が無線端末10に指示を送信することにより、無線端末10に切替処理をさせてよい。制御信号の送信方法は特に限定されない。
【0026】
光空間通信では、主に屋外の空間を伝搬する光を使用するため、気象の変化の影響を受け易い。例えば、無線端末10の接続先を光空間通信装置19に一度は切り替えたものの、気象が変化して光空間通信装置19を介した通信の通信品質や通信速度が劣化し、再度、無線端末10の接続先を無線基地局18に切り替えることになる等、気象によっては接続先の切替が頻繁に発生するおそれがある。そこで、光空間通信装置19を介した通信の通信品質や通信速度が大きく変化するような気象の場合、切替停止手段103は、無線端末10の接続先を無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させることによって、接続先の切替が頻繁に発生することを防止することができる。この効果は、特に、5G通信など、無線通信のカバレッジエリアが狭く、無線通信と光空間通信とから選択して通信するエリアが大きい場合に有用である。
【0027】
(端末制御方法)
第1の実施形態に係る端末制御システムの動作(端末制御方法)について、図面を用いて説明する。
図2は端末制御システム100の動作の例を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS201において、接続制御手段101は、無線端末10が、無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、切替処理をさせる。切替処理は、無線端末10の接続先を無線基地局18と光空間通信装置19との間で切り替える処理である。
【0029】
ステップS202において、気象情報取得手段102は、無線端末10のある地域の気象情報を取得する。なお、ステップS201とS202との順序は逆であってもよい。
【0030】
ステップS203において、切替停止手段103は、気象情報取得手段102が取得した気象情報に基づいて、無線端末10の接続先を無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。
【0031】
(端末制御装置)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る端末制御装置300の構成の例を示すブロック図である。接続制御部301は接続制御手段101と同等の機能を備え、無線端末10が、無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、無線端末10の接続先を無線基地局18と光空間通信装置19との間で切り替える切替処理をさせる。気象情報取得部302は気象情報取得手段102と同等の機能を備え、無線端末10のある地域の気象情報を取得する。また、切替停止部303は切替停止手段103と同等の機能を備え、気象情報に基づいて、無線端末10の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。
【0032】
接続制御部301、気象情報取得部302および切替停止部303はプロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるコンピュータ装置であってもよい。接続制御部301、気象情報取得部302および切替停止部303の一部または全部は、無線端末10に備えられていてもよく、無線端末10と通信するコンピュータ装置であってもよい。例えば、接続制御部301、気象情報取得部302および切替停止部303は、単一のコンピュータ装置であってもよく、複数のコンピュータ装置が連携して動作するコンピュータ装置群もしくは複数のサーバ装置が連携して動作するサーバ装置群であってもよい。端末制御装置300によれば、端末制御システム100と同等の効果を得ることができる。
【0033】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る端末制御システム400は、無線端末40に備えられている。以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る端末制御システム400の構成の例を示すブロック図である。
図4に示すように、無線端末40は、無線通信部41、近距離通信部42、位置情報取得部43および主制御部44を備えている。主制御部44は、切替処理部45、ならびに、端末制御システム400を構成する、接続制御手段401、気象情報取得手段402、切替停止手段403および条件変更手段404を備えている。
【0035】
また、無線端末40は、無線基地局18および光空間通信装置19と接続可能である。無線基地局18および光空間通信装置19は、ネットワークNを介して気象情報提供サーバ46と通信可能である。
【0036】
気象情報提供サーバ46は、各地域の気象情報を提供するサーバであり、例えば、位置情報を含むクエリを気象情報提供サーバ46に送信すると、気象情報提供サーバ46から当該位置情報が示す地域の気象情報が提供される。このようなサービスは、Weather APIとも称され、複数の会社から提供されている。
【0037】
無線通信部41は、無線基地局18と接続し、無線通信を行う。無線通信の方式は特に限定されないが、例えば、LTE、5G等のセルラー通信方式であってもよい。無線通信部41はまた、無線基地局18との接続状況および通信状況を取得することができる。無線基地局18は、ネットワークNに接続されており、無線端末40は、無線基地局18を介して、種々のサーバ等と通信することができる。換言すれば、無線端末40は、無線通信を介してデータ通信を行うことができる。なお無線端末40は、無線基地局18以外の他の無線通信装置を介してネットワークNに接続してもよい。
【0038】
近距離通信部42は、光空間通信装置19と接続し、近距離通信を行う。近距離通信の方式は特に限定されないが、例えば、WiFi、Bluetooth等の近距離無線通信方式であってよく、一例において、無線端末40は、近距離無線通信を介して光空間通信装置19に接続する。近距離通信部42はまた、光空間通信装置19との接続状況および通信状況を取得することができる。光空間通信装置19は、ネットワークNに接続されており、無線端末40は、光空間通信装置19を介して、種々のサーバ等と通信することができる。換言すれば、無線端末40は、光空間通信を介してデータ通信を行うことができる。
【0039】
位置情報取得部43は、無線端末40の位置情報を取得する。位置情報取得部43は、例えば、GPS機能を備えており、無線端末40の位置を示す位置情報を取得することができる。
【0040】
切替処理部45は、無線端末40の接続先を無線基地局18と光空間通信装置19との間で切り替える切替処理を実施する。一例において、切替処理部45は、接続中の接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、無線端末40の接続先を切り替えてもよい。
【0041】
例えば、切替処理部45は、切替処理として、まず、無線通信部41または近距離通信部42から接続中の接続先を介した通信の通信品質または通信速度に関する情報を取得し、当該通信の通信品質または通信速度が所定の閾値以上である場合は、接続先を維持し、当該通信の通信品質または通信速度が所定の閾値未満である場合は、接続先を変更してもよい。
【0042】
切替処理部34は、切替処理を周期的に実行してもよいし、非周期的に実行してもよい。また、常に接続中の接続先を介した通信の通信品質または通信速度をモニタリングし、通信品質または通信速度の低下が検出されたことに応じて切替処理を行ってもよい。
【0043】
なお、無線端末40が、無線基地局18以外の他の無線通信装置を介してネットワークNに接続可能である場合には、切替処理は、無線端末40の接続先を光空間通信装置19と他の無線通信装置との間で切り替えるものであってもよい。
【0044】
接続制御手段401は、切替処理部34による切替処理を制御する。一態様において、接続制御手段401は、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、切替処理部34に切替処理をさせる。
【0045】
ここで、一例として、接続制御手段401は、無線端末40と無線基地局18との接続状況、および、無線端末40と光空間通信装置19との接続状況に基づいて、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定してもよい。
【0046】
すなわち、接続制御手段401は、無線通信部41から、無線端末40と無線基地局18との接続状況を取得し、近距離通信部42から、無線端末40と光空間通信装置19との接続状況を取得し、いずれとも接続可能な状態である場合に、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあると判定してよい。
【0047】
また、他の一例として、接続制御手段401は、無線端末40の位置情報に基づいて、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定してもよい。
【0048】
接続制御手段401が、各無線基地局18の設置位置や、各無線基地局18の通信可能範囲、各光空間通信装置19の設置位置や、各光空間通信装置19の通信可能範囲を示すマップ情報を取得可能であり、当該マップ情報を参照して、無線端末40の位置情報に基づいて、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあるか否かを判定してもよい。
【0049】
そして、接続制御手段401は、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあると判定したことに応じて、切替処理部34に切替処理をさせてよい。また、接続制御手段401は、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあると判定しなかった場合は、切替処理部34に切替処理を終了させてよい。
【0050】
気象情報取得手段402は、無線端末40のある地域の気象情報を取得する。一例として、気象情報取得手段402は、無線端末40の位置情報に基づいて気象情報を取得してよい。例えば、気象情報取得手段402は、位置情報取得部43が取得した無線端末40の位置情報を、無線通信部41または近距離通信部42を介して、気象情報提供サーバ46に送信し、気象情報提供サーバ46から無線端末40のある地域の気象情報を取得してよい。なお、気象情報取得手段402は、気象情報を継続的に取得(モニタリング)してもよいし、気象情報を断続的に取得してもよい。
【0051】
切替停止手段403は、気象情報に基づいて、切替処理部45を制御する。詳細には、切替停止手段403は、気象情報に基づき、無線端末40の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。
【0052】
例えば、切替停止手段403は、気象情報が所定の条件を満たしている場合に、切替処理部45を制御して、無線端末40の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させてもよい。これにより、無線端末40の接続先を、光空間通信装置19から無線基地局18に切り替える切替処理は実行されるが、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理は実行されないことになる。これにより、接続先の切替が頻繁に発生することを防止し、ユーザに不快感を与えないようにすることができる。
【0053】
気象情報取得手段402が取得し、切替停止手段403が参照する気象情報は、直近の気象の状態を示す情報であってもよいし、気象の状態の予測を示す情報であってもよい。気象情報の例としては、例えば、気象の種別を示す値や、降雨量を示す値、降雪量を示す値、視程を示す値、気象情報が取得されてから所定時間内の降水確率または降雪確率を示す値、気象情報が取得されてから所定時間内の降雨量、降雪量または視程の予測値、台風の予測進路などが挙げられる。これらの気象情報は、雨、雪、霧といった光空間通信に影響の大きい気象に関連しており、切替停止手段403が、これらの気象情報に基づいて判断することにより、気象に起因して接続先の切替が頻繁に発生することを防止することができる。
【0054】
一実施形態において、切替停止手段403は、気象情報が所定の条件を満たしたことに基づいて、無線端末40の接続先を無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させると判定してもよい。例えば、切替停止手段403は、気象情報を示す値(例えば、降雨量、降雪量および視程の少なくとも1つの値)を、所定の閾値と比較することにより、無線端末40の接続先を無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させるか否かを判定してもよい。
【0055】
切替停止手段403が判定のために用いる所定の条件または所定の閾値は変更可能であってもよい。一実施形態において、条件変更手段404は、無線端末40の位置情報に応じて、切替停止手段403が判定のために用いる所定の条件または所定の閾値を変更する。無線端末40が無線基地局18に近いほど、無線端末40と無線基地局18との通信の通信品質または通信速度は向上する傾向にあるため、光空間通信装置19を介した通信の必要性が低下する。一方で、無線端末40が、無線基地局18のカバレッジエリアの辺縁部に在る場合には、無線通信はあまりつながらず、光空間通信を優先することが好ましい。条件変更手段404が、無線端末40の位置情報に基づいて、上記の所定の条件または所定の閾値を変更することにより、端末制御システム400は、無線端末40の無線通信環境を考慮して、無線端末40の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させるか否かを判定することができる。これにより、無線端末40の位置情報と、気象情報に応じて、より通信品質のよい可能性のある通信を選択することができる。
【0056】
一例において、条件変更手段404は、無線端末40の位置情報に基づいて無線端末40と無線基地局18との距離を算出し、無線端末40が無線基地局18から近いほど、上記切替処理を停止させる条件が緩くなるように所定の条件または所定の閾値を設定してもよい。また他の例において、条件変更手段404は、無線端末40の位置情報に基づいて、無線端末40が、無線端末40が無線基地局18のカバレッジエリアの辺縁部にある場合には、上記切替処理を停止させる条件が厳しくなるように所定の条件または所定の閾値を設定してもよい。そして、切替停止手段403は、気象情報が、条件変更手段404が設定した条件を満たした場合に、無線端末40の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させてもよい。
【0057】
なお、切替停止手段403が判定のために用いる所定の条件または所定の閾値は、上述したように変更可能であってもよいが、変更不可であってもよい。切替停止手段403が判定のために用いる所定の条件または所定の閾値が変更不可である場合、条件変更手段404は省略してよい。
【0058】
以上、第2の実施形態を端末制御システム400として説明したが、第2の実施形態に係る端末制御システム400を1つの装置に搭載した端末制御装置としてもよい。また、第2の実施形態に係る端末制御方法は、第1の実施形態に係る端末制御方法において、第1の実施形態に係る端末制御システム100の動作を、第2の実施形態に係る端末制御システム400の動作に替えたものとしてよい。
【0059】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る端末制御システム500は、無線端末50およびサーバ57にまたがって備えられている。以下、第1または第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る端末制御システム500の構成の例を示すブロック図である。
図5に示すように、無線端末50は、無線通信部41、近距離通信部42、位置情報取得部43および主制御部54を備えている。主制御部54は、切替処理部45および接続制御手段401を備えている。サーバ57は、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504を備えている。端末制御システム500は、接続制御手段401、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504を含む。
【0061】
また、無線端末50は、無線基地局18および光空間通信装置19と接続可能である。無線基地局18および光空間通信装置19は、ネットワークNを介して気象情報提供サーバ46およびサーバ57と通信可能である。したがって、無線端末50は、無線基地局18または光空間通信装置19を介して、サーバ57と通信可能である。
【0062】
気象情報取得手段502は、無線端末50のある地域の気象情報を取得する。一例として、気象情報取得手段502は、無線端末50の位置情報に基づいて気象情報を取得してよい。例えば、気象情報取得手段502は、無線端末50から、無線基地局18、光空間通信装置19またはその他の通信経路を介して、無線端末50の位置情報を受信してよい。そして、気象情報取得手段502は、ネットワークNを介して、無線端末50の位置情報を気象情報提供サーバ46に送信し、気象情報提供サーバ46から無線端末50のある地域の気象情報を取得してよい。気象情報取得手段502が取得する気象情報は、実施形態2と同様である。なお、気象情報取得手段502は、気象情報を継続的に取得(モニタリング)してもよいし、気象情報を断続的に取得してもよい。
【0063】
切替停止手段503は、気象情報に基づき、無線端末50の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。例えば、切替停止手段503は、気象情報が所定の条件を満たしている場合に、無線基地局18、光空間通信装置19またはその他の通信経路を介して、無線端末50に、無線端末50の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させることの指示を送信する。当該指示を受信した無線端末50の主制御部54は、切替処理部45に、無線端末50の接続先を、無線基地局18から光空間通信装置19に切り替える切替処理を停止させる。これにより、第2の実施形態と同様に、接続先の切替が頻繁に発生することを防止し、ユーザに不快感を与えないようにすることができる。
【0064】
また、条件変更手段504は、第2の実施形態における条件変更手段404と同様に、無線端末40の位置情報に応じて、切替停止手段503が判定のために用いる所定の条件または所定の閾値を変更してよい。
【0065】
(変形例)
気象情報は、気象情報提供サーバ46からではなく、気象センサ66から取得してもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態の変形例に係る端末制御システム600の構成の例を示すブロック図である。
図6に示すように、サーバ67は、気象情報取得手段602および切替停止手段503を備えている。また、サーバ67には、気象センサ66が接続されている。接続制御手段401、気象情報取得手段602および切替停止手段503によって、端末制御システム600が構成される。
【0066】
気象センサ66は、気象情報を測定するセンサであり、これらに限定するものではないが、例えば、降雨量、降雪量および視程の少なくとも1つを測定するセンサであってよい。
【0067】
一例として、気象センサ66は、無線基地局18の通信可能範囲(サービスエリア)に配置されてよい。これにより、気象センサ66によって、無線基地局18の通信可能範囲に対応する地域の気象情報を取得することができる。ここで、無線基地局18の通信可能範囲に対応する地域の気象情報は、無線基地局18に接続可能な位置にある無線端末50のある地域の気象情報として使用することができる。
【0068】
したがって、気象情報取得手段602は、気象センサ66から気象情報を取得することにより、無線端末50のある地域の気象情報を取得することができる。なお、気象センサ66は、無線基地局18毎に設けてもよく、気象情報取得手段602は、無線端末50から、無線基地局18、光空間通信装置19またはその他の通信経路を介して、無線端末50が接続可能な無線基地局18の識別情報を受信してよい。そして、気象情報取得手段602は、受信した識別情報に対応する無線基地局18の通信可能範囲に配置された気象センサ66から気象情報を取得することにより、無線端末50のある地域の気象情報を取得することができる。
【0069】
なお、気象情報取得手段602は、無線端末50の位置情報に基づいて、当該位置情報に対応する気象センサ66から気象情報を取得することにより、無線端末50のある地域の気象情報を取得してもよい。
【0070】
なお、本変形例では、第3の実施形態において、気象情報取得手段602が、気象センサ66から気象情報を取得する構成について説明したが、気象情報取得手段が、気象センサから気象情報を取得する構成は、他の実施形態に対して適用してもよい。
【0071】
また、以上では、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504がサーバ57に備えている構成について説明したが、これらの一部は、第2の実施形態のように、無線端末50が備えている構成であってもよい。その場合は、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504の一部は、第2の実施形態において説明した気象情報取得手段402、切替停止手段403および条件変更手段404と同様に動作してよい。
【0072】
以上、第3の実施形態を端末制御システム500および端末制御システム600として説明したが、第3の実施形態を端末制御システム500または端末制御システム600を1つの装置に搭載した端末制御装置としてもよい。また、第3の実施形態に係る端末制御方法は、第1の実施形態に係る端末制御方法において、第1の実施形態に係る端末制御システム100の動作を、第3の実施形態を端末制御システム500または端末制御システム600の動作に替えたものとしてよい。
【0073】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る端末制御システム700は、サーバ77に備えられている。以下、第1~3の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図7は、本発明の第4の実施形態に係る端末制御システム700の構成の例を示すブロック図である。
図7に示すように、無線端末70は、無線通信部41、近距離通信部42、位置情報取得部43および主制御部74を備えている。主制御部74は、切替処理部45を備えている。サーバ77は、接続制御手段701、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504を備えている。端末制御システム700は、接続制御手段701、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504を備えている。
【0075】
また、無線端末70は、無線基地局18および光空間通信装置19と接続可能である。無線基地局18および光空間通信装置19は、ネットワークNを介して気象情報提供サーバ46およびサーバ77と通信可能である。したがって、無線端末50は、無線基地局18または光空間通信装置19を介して、サーバ77と通信可能である。
【0076】
接続制御手段701は、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることに応じて、切替処理部45に切替処理をさせる。例えば、接続制御手段701は、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあると判定した場合に、無線基地局18、光空間通信装置19またはその他の通信経路を介して、無線端末70に、切替処理をさせることの指示を送信する。当該指示を受信した無線端末70の主制御部74は、切替処理部45に切替処理をさせる。
【0077】
ここで、一例として、接続制御手段701は、無線端末70の位置情報に基づいて、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定してもよい。
【0078】
各無線基地局18の設置位置や、各無線基地局18の通信可能範囲、各光空間通信装置19の設置位置や、各光空間通信装置19の通信可能範囲を示すマップ情報が、サーバ77に予め入力されているか、サーバ77がアクセス可能であり、接続制御手段701は、当該マップ情報を参照して、無線端末70の位置情報に基づいて、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあるか否かを判定してもよい。
【0079】
なお、上述したように、本発明者らは、独自の発想に基づき、ローカル5G等の無線通信を、光空間通信技術を利用して補完することを検討している。すなわち、各無線基地局18の通信可能範囲の辺縁部に、光空間通信装置19を配置することで、好適な通信環境を実現することができる。そこで、このような配置を前提として、接続制御手段701は、無線端末70が無線基地局18の通信可能範囲の辺縁部に位置するか否かに基づいて、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定してもよい。
【0080】
また、他の一例として、接続制御手段701は、無線端末70と無線基地局18との接続状況、および、無線端末70と光空間通信装置19との接続状況を無線端末70から取得し、取得した接続状況に基づいて、第2の実施形態と同様に、無線端末40が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定してもよい。
【0081】
また、以上では、接続制御手段701、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504がサーバ77に備えている構成について説明したが、これらの一部は、第2の実施形態のように、無線端末50が備えている構成であってもよい。その場合は、接続制御手段701、気象情報取得手段502、切替停止手段503および条件変更手段504の一部は、第2の実施形態において説明した接続制御手段401、気象情報取得手段402、切替停止手段403および条件変更手段404と同様に動作してよい。
【0082】
以上、第4の実施形態を端末制御システム700として説明したが、第4の実施形態を端末制御システム700を1つの装置に搭載した端末制御装置としてもよい。また、第4の実施形態に係る端末制御方法は、第1の実施形態に係る端末制御方法において、第1の実施形態に係る端末制御システム100の動作を、第4の実施形態を端末制御システム700の動作に替えたものとしてよい。
【0083】
なお、第4の実施形態では、サーバ77に設けられた接続制御手段701が、無線端末70の位置情報に基づいて、無線端末70が無線基地局18および光空間通信装置19の両方と接続可能な位置にあることを判定する構成について説明したが、接続制御手段が、無線端末の位置情報に基づいて、当該無線端末が無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する構成は、他の実施形態に対して適用してもよい。
【0084】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された構成、動作、処理を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0085】
第1の実施形態から第4の実施形態に係る各構成は、1つのハードウェアによって構成されてもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態に係る各構成は、1つのソフトウェアから構成されてもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態に係る各構成は、複数のハードウェアによって構成されてもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態に係る各構成は、複数のソフトウェアから構成されてもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態とは、ハードウェアとソフトウェアとの組合せによって実現されてもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態に係る各機能は、クラウド上で実装されてもよい。各装置、各機能及び各処理を、
図8に示すようなプロセッサ801及びメモリ802を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリ802に第1の実施形態から第4の実施形態に記載の端末制御方法を実施するためのプログラムを格納し、メモリ802に格納されたプログラムをプロセッサ801が読み取って実行することにより、第1の実施形態から第4の実施形態に記載の各機能を実現してもよい。
【0086】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、第1の実施形態から第4の実施形態に記載の1またはそれ以上の機能をコンピュータに実行させるさめの命令群を含む。プログラムは、メモリ802に格納される。プロセッサ801はとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を用いることができる。メモリ1302としては、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)、フラッシュメモリ、Solid State Drive(SSD)等を用いることができる。
【0087】
本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。なお、上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0088】
[付記1]
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御手段と、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得手段と、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止手段と、を備える、端末制御システム。
【0089】
[付記2]
前記切替停止手段は、前記気象情報が条件を満たしたことに基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させ、
前記無線端末の位置情報に応じて、前記条件を変更する条件変更手段を更に備える、付記1に記載の端末制御システム。
【0090】
[付記3]
前記無線端末は、近距離無線通信を介して前記光空間通信装置に接続する、付記1に記載の端末制御システム。
【0091】
[付記4]
前記切替処理では、前記無線端末は、前記接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、前記接続先を切り替える、付記1に記載の端末制御システム。
【0092】
[付記5]
前記接続制御手段は、前記無線端末と前記無線基地局との接続状況、および、前記無線端末と前記光空間通信装置との接続状況に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記1~4のいずれか1つに記載の端末制御システム。
【0093】
[付記6]
前記接続制御手段は、前記無線端末の位置情報に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記1~4のいずれか1つに記載の端末制御システム。
【0094】
[付記7]
前記接続制御手段は、前記無線端末が前記無線基地局の通信可能範囲の辺縁部に位置するか否かに基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記6に記載の端末制御システム。
【0095】
[付記8]
前記気象情報取得手段は、前記無線端末の位置情報に基づいて前記気象情報を取得する、付記1に記載の端末制御システム。
【0096】
[付記9]
前記気象情報は、降雨量、降雪量および視程の少なくとも1つである、付記1に記載の端末制御システム。
【0097】
[付記10]
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御部と、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止部と、を備える、端末制御装置。
【0098】
[付記11]
前記切替停止部は、前記気象情報が条件を満たしたことに基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させ、
前記無線端末の位置情報に応じて、前記条件を変更する条件変更部を更に備える、付記10に記載の端末制御装置。
【0099】
[付記12]
前記無線端末は、近距離無線通信を介して前記光空間通信装置に接続する、付記10に記載の端末制御装置。
【0100】
[付記13]
前記切替処理では、前記無線端末は、前記接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、前記接続先を切り替える、付記10に記載の端末制御装置。
【0101】
[付記14]
前記接続制御部は、前記無線端末と前記無線基地局との接続状況、および、前記無線端末と前記光空間通信装置との接続状況に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記10~13のいずれか1つに記載の端末制御装置。
【0102】
[付記15]
前記接続制御部は、前記無線端末の位置情報に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記10~13のいずれか1つに記載の端末制御装置。
【0103】
[付記16]
前記接続制御部は、前記無線端末が前記無線基地局の通信可能範囲の辺縁部に位置するか否かに基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記15に記載の端末制御装置。
【0104】
[付記17]
前記気象情報取得部は、前記無線端末の位置情報に基づいて前記気象情報を取得する、付記10に記載の端末制御装置。
【0105】
[付記18]
前記気象情報は、降雨量、降雪量および視程の少なくとも1つである、付記10に記載の端末制御装置。
【0106】
[付記19]
無線端末が、無線基地局および光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることに応じて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局と前記光空間通信装置との間で切り替える切替処理をさせる接続制御ステップと、
前記無線端末のある地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、
前記気象情報に基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させる切替停止ステップと、を実行する、端末制御方法。
【0107】
[付記20]
前記切替停止ステップでは、前記気象情報が条件を満たしたことに基づいて、前記無線端末の接続先を前記無線基地局から前記光空間通信装置に切り替える前記切替処理を停止させ、
前記無線端末の位置情報に応じて、前記条件を変更する条件変更ステップを更に実行する、付記19に記載の端末制御方法。
【0108】
[付記21]
前記無線端末は、近距離無線通信を介して前記光空間通信装置に接続する、付記19に記載の端末制御方法。
【0109】
[付記22]
前記切替処理では、前記無線端末は、前記接続先を介した通信の通信品質または通信速度に基づいて、前記接続先を切り替える、付記19に記載の端末制御方法。
【0110】
[付記23]
前記接続制御ステップでは、前記無線端末と前記無線基地局との接続状況、および、前記無線端末と前記光空間通信装置との接続状況に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記19~22のいずれか1つに記載の端末制御方法。
【0111】
[付記24]
前記接続制御ステップでは、前記無線端末の位置情報に基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記19~22のいずれか1つに記載の端末制御方法。
【0112】
[付記25]
前記接続制御ステップでは、前記無線端末が前記無線基地局の通信可能範囲の辺縁部に位置するか否かに基づいて、前記無線端末が前記無線基地局および前記光空間通信装置の両方と接続可能な位置にあることを判定する、付記24に記載の端末制御方法。
【0113】
[付記26]
前記気象情報取得ステップでは、前記無線端末の位置情報に基づいて前記気象情報を取得する、付記19に記載の端末制御方法。
【0114】
[付記27]
前記気象情報は、降雨量、降雪量および視程の少なくとも1つである、付記19に記載の端末制御方法。
【符号の説明】
【0115】
10、40、50、70 無線端末
18 無線基地局
19 光空間通信装置
41 無線通信部
42 近距離通信部
43 位置情報取得部
44、54、74 主制御部
45 切替処理部
46 気象情報提供サーバ
57 サーバ
66 気象センサ
100、400、500、600、700 端末制御システム
101、401、701 接続制御手段
102、402、502、602 気象情報取得手段
103、403、503 切替停止手段
404、504 条件変更手段
300 端末制御装置
301 接続制御部
302 気象情報取得部
303 切替停止部