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特開2024-48144フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法
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  • 特開-フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法 図1
  • 特開-フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法 図2
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  • 特開-フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048144
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240401BHJP
   A61M 16/16 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A61M16/16 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154028
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000191755
【氏名又は名称】森下仁丹株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】永江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 克昌
(57)【要約】
【課題】
扱いが簡単なフィルターを提供する。
【解決手段】
フィルター1は、カプセル5と、カプセル5の外側に配置された繊維材6とを備え、カプセル5は、内容物5aと、内容物5aを覆う皮膜5cとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルと、
前記カプセルの外側に配置された繊維材と
を備え、
前記カプセルは、
内容物と、
前記内容物を覆う皮膜と
を備える、フィルター。
【請求項2】
前記内容物は水溶液を含有する、請求項1に記載のフィルター。
【請求項3】
前記カプセルは、前記内容物と前記皮膜との間に介在する中間層を更に備える、請求項1に記載のフィルター。
【請求項4】
前記カプセルは、シームレスカプセルである、請求項1に記載のフィルター。
【請求項5】
口及び鼻孔を覆うマスクと、
請求項1~4のいずれか1項に記載されフィルターと
を備える、衛生用品。
【請求項6】
口及び鼻孔を覆うマスクと、
請求項1~4のいずれか1項に記載されフィルターと
を備える、医療機器。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載されフィルターに前記カプセルが内在した状態で前記カプセルを崩壊させ、
前記カプセルから漏れ出た前記内容物を前記繊維材で保持させ、
前記フィルターの内部を通過する気体中の汚染物質を前記繊維材に保持された前記内容物に吸着させる、気体の清浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルター、衛生用品、医療機器、及び気体の清浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、口及び鼻孔を覆うマスク本体と、保水液が含浸される吸収性コアとを備えるマスクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-205926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような吸収性コアは保水液を含侵させているが、保存期間中に保水液の蒸発を防ぐため、吸収性コアをマスク本体に取り付ける直前まで吸収性コアを袋内に密封収納しておく必要があり、扱いが不便であった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は扱いが簡単なフィルター、前記フィルター用いた衛生用品、前記フィルターを用いた医療機器、及び前記フィルターを用いた気体の清浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、カプセルと、前記カプセルの外側に配置された繊維材とを備え、前記カプセルは、内容物と、前記内容物を覆う皮膜とを備える、フィルターを提供する。
【0007】
このフィルターは、使用直前まで内容物は皮膜に覆われているため、簡単に扱うことができる。
【0008】
前記内容物は水溶液を含有してもよい。
【0009】
内容物が水溶液を含有することで、カプセルの崩壊後、皮膜から漏れ出た内容物に含まれる水溶液に、親水性の汚染物質(PM2.5等)が吸着されやすくなる。しかも、水溶液の溶媒である水が気化することで、フィルターを通過する気体の湿度を高め、喉に潤いを与えることができる。
【0010】
前記カプセルは、前記内容物と前記皮膜との間に介在する中間層を更に備えてもよい。
【0011】
中間層があることで、カプセルとしての安定性を向上させることができる。
【0012】
前記カプセルは、シームレスカプセルであってもよい。
【0013】
シームレスカプセルは皮膜に継ぎ目がないため、使用前に内容物が漏れ出ることを抑制できる。
【0014】
本発明の第2の態様は、口及び鼻孔を覆うマスクと、第1の態様のフィルターとを備える、衛生用品を提供する。
【0015】
本発明の第3の態様は、口及び鼻孔を覆うマスクと、第1の態様のフィルターとを備える、医療機器を提供する。
【0016】
フィルターの内部を気体が通過する際、カプセルから漏れ出た内容物に気体中の汚染物質を吸着させることで、喉を含む呼吸器への負担を軽減できる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第1の態様のフィルターに前記カプセルが内在した状態で前記カプセルを崩壊させ、前記カプセルから漏れ出た前記内容物を前記繊維材で保持させ、前記フィルターの内部を通過する気体中の汚染物質を前記繊維材に保持された前記内容物に吸着させる、気体の清浄方法を提供する。
【0018】
汚染物質を吸着することで、喉を含む呼吸器への負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るフィルターは、簡単に扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るフィルターを使用したマスク(衛生用品)の正面図。
図2図1のマスクで使用されるフィルターの模式的な斜視図。
図3図2のIII-III線に沿った模式的な断面図。
図4】カプセルの断面図。
図5A】保湿状態のフィルターの模式図。
図5B】汚染物質が吸着した状態のフィルターの模式図。
図6】本発明の実施形態に係るフィルターを使用した空気吸入装置(医療機器)の模式図。
図7図6の空気吸入装置で使用されるフィルターの模式的な斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1は本発明の実施形態に係るフィルター1を用いたマスク2(衛生用品の一例)を示す。
【0022】
マスク2は、例えば不織布のような通気性を有する素材からなり、装着者の口及び鼻を覆うマスク本体2aと、マスク本体2aの両端に設けられ、装着者に耳に掛けるための耳紐2b(例えばゴム紐)とを備えている。また、マスク本体2aの内側にはポケット2cを設けるために、例えば不織布のような通気性を有する素材からなるシート材3が取り付けられている。具体的には、シート材3の左右の側縁部3a,3bと下縁部3cはマスク本体2aに例えば溶着されているが、上縁部3dは開放していている。ポケット2cにはフィルター1が出し入れ可能に収容されている。
【0023】
図2及び図3を併せて参照すると、本実施形態におけるフィルター1はシート状の外観を呈する。フィルター1は複数のカプセル5と、カプセル5の外側に配置され、シート状で通気性を有する繊維材6とを備える。言い換えれば、繊維材6の中にカプセル5が内在している。このようなカプセル5の大きさは、繊維材6の中にカプセル5を内在できれば特に限定されないが、カプセル5の形状が後述の略球形状の場合、例えば、粒径は1mm~20mmであってもよい。
【0024】
図4を参照すると、本実施形態におけるカプセル5は継ぎ目のないカプセル、つまりシームレスカプセルであって、例えば滴下法と呼ばれる製造方法で製造される。本実施形態におけるカプセル5は、3層構造であって、内容物5a、内容物5aの外側に形成された中間層5bと、中間層5bを被覆して最外層を構成する皮膜5cとを備える。カプセル5は内容物5aと皮膜5cの2層構造であってもよい。カプセル5が2層構造の場合、中間層5bは内容物5a内に分散していてもよい。
【0025】
皮膜5cは、その乾燥状態において皮膜5cの主要成分である皮膜素材を含有する。皮膜素材は、カプセル5の強度を高め、ひいてはその形状を保持することを補助する成分であり、そしてカプセル5の保存性を向上させる機能を有する成分である。このような皮膜素材として、例えば、ゼラチン、カラギーナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、グルコマンナン、アラビアゴム、ファーセレラン、ユーケマ藻類、ジェランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ローカストビーンガム、ペクチン、キサンタンガム、デンプン、加工デンプンが挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を皮膜5cは含有できる。
【0026】
内容物5aは水溶液を含有する。このような内容物5aとしては、水溶液中に難水溶性成分を分散させてなる懸濁液であってもよく、水溶液のみであってもよい。水溶液は、溶媒である水の他に、水溶性成分も含有する。水溶性成分は、フィルター1に求める機能に応じて適宜選択できるため、特に限定されないが、水溶性成分の一例として、多価アルコールが挙げられる。また、内容物5aは香料等の任意の成分を更に含有できる。
【0027】
水溶液が多価アルコールを含有する場合、フィルター1の使用中に水が蒸発しても、多価アルコールは揮発しにくいため、フィルター1内に残存する多価アルコールに後述の汚染物質7を吸着させることができる。このような多価アルコールは、室温で液体である。多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類が挙げられる。
【0028】
内容物5aが難水溶性成分を含有する場合、内容物5aは主に水溶液により構成され、難水溶性成分は内容物5aに濁度を付与する程度に水溶液と混合されている。このような難水溶性成分としては、特に限定されないが、例えば、セルロース等の難水溶性食物繊維が挙げられる。
【0029】
カプセル5が中間層5bを備える場合、中間層5bは、内容物5aと皮膜5cとの間に介在し、疎水性成分により構成される。このような中間層5bは、少なくとも1層であり、2層以上の複数層であってもよい。中間層5bが複数層の場合は、同じ配合で用いても、違う配合で用いてよいが、通常中間層5bは1層である。上記の疎水性成分として、例えば、オリーブ油、ホホバ油、コーン油、ナタネ油、豚脂、牛脂、鯨油、ビーズワックス、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、アボガド油、マカデミアナッツ油、スクワラン、ミンク油、タートル油、コーン油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)、炭素数が8~30の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン、流動パラフィン、ワセリン、炭素数が4~30の脂肪酸、炭素数が4~30の脂肪酸とショ糖とのエステル、炭素数が4~30の脂肪酸とグリセロールとのエステル、炭素数が4~30の脂肪族アルコール、炭素数が4~30の脂肪酸と炭素数が4~30の脂肪族アルコールとのエステル、及びシリコーンオイルが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を中間層5bは含有できる。
【0030】
本実施形態のカプセル5は、上記の通り、シームレスカプセルであり、特定の割れ性能、具体的には繊維材6を介して外圧を加えることにより、皮膜5cと中間層5bが破裂し、好ましくは破裂時に破裂音を立てる性能を有する。このようなカプセル5を得るにあたり、例えば、特開2018-115144号公報、又は特許第7122495号公報を参照できるが、これに限らず、公知の技術を利用することができる。
【0031】
また、本実施形態の繊維材6を構成する素材としては、マスク2に利用できれば特に限定されず、任意に選択できるが、例えば、紙、綿、麻、ウール等の天然繊維;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維が挙げられる。
【0032】
マスク2の使用方法について説明すると、使用時に繊維材6を介して外圧を加えてカプセル5を崩壊させて漏れ出た内容物5a(本実施形態では水溶液を含有する液体)を繊維材6に保持させる。つまり、繊維材6を保湿状態とする(図5A参照)。
【0033】
カプセル5を崩壊させた後、マスク2のポケット2cにフィルター1を収容する。フィルター収容後、マスク2を装着する。図5Bを参照すると、マスク2の装着者が呼吸すると、フィルター1の内部、具体的には繊維材6を通過する空気中の汚染物質7を繊維材6に保持された内容物5aに吸着させることができ、喉を含む呼吸器への負担を低減できる。
【0034】
内容物5aに吸着される汚染物質7として、例えば、PM2.5、花粉、胞子、砂塵が挙げられるが、これに限らず、呼吸器を介して生体(例えば人体)への健康に影響を与える物質であればよい。
【0035】
本実施形態におけるフィルター1では、使用直前、より具体的にはカプセル5を崩壊させるまで、内容物5aは皮膜5cに覆われているため、フィルター1を袋や容器に収納する場合であっても、内容物5aである水溶液の蒸発を防ぐことを目的とした密封収納の必要性を低減できる。このためフィルター1を簡単に取り扱うことができる。
【0036】
(第2実施形態)
以下、図6,7を参照して、本発明の実施形態に係るフィルター1を用いた空気吸入装置11(医療機器の一例)を説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様である点については説明を省略する。また、図6,7において第1実施形態と同一又は同様の要素には同一の符号を付している。
【0037】
空気吸入装置11は、口と鼻孔を覆うように装着される非再呼吸式マスク12、空気を吸い込んで非再呼吸式マスク12に送り込むための空気ポンプ13、空気ポンプ13と非再呼吸式マスク12を流体的に接続するチューブ14、及びチューブ14の途中に取り外し可能に介在された容器15を備える。容器15内にフィルター1が交換可能に収容されている。
【0038】
非再呼吸式マスク12は、吸気用の一方弁12aと、呼気用の一方弁12bとを備える。吸気用の一方弁12aにチューブ14が接続されている。
【0039】
図7に示すように、本実施形態におけるフィルター1の繊維材6は短円柱状の外観を呈する。このフィルター1において、繊維材6の外形状を構成する外面のうち、円周に沿う側面が巻紙8に覆われている。このような巻紙8を構成する素材としては、フィルター1の形状を維持し、カプセル5を繊維材6内で崩壊させる際、カプセル5から放出された内容物5aが必要以上にフィルター1の側面から染み出ることを抑制できる素材であれば特に限定されないが、例えば、麻及び/又は各種木材由来のセルロース繊維紙;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアニリン、パラアラミド、ポリ酢酸ビニル等の樹脂;及びこれらを混合又は二層以上に積層した樹脂を挙げることができる。
【0040】
巻紙8と繊維材6とは接着剤によって接着されている。このような接着剤としては、特に限定されないが、例えば、デンプン糊、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、シアノアクリレート樹脂が挙げられる。
【0041】
本実施形態の繊維材6を構成する素材としては、任意に選択できるため、特に限定されないが、例えば酢酸セルロースが挙げられる。
【0042】
また、本実施形態においてフィルター1の大きさは、特に限定されないが、例えば、長さは10mm~110mmであってもよく、直径が3mm~10mmであってもよい。
【0043】
空気吸入器11の使用方法について説明すると、使用時に繊維材6を介して外圧を加えてカプセル5を崩壊させて漏れ出た内容物5a(本実施形態では水溶液を含有する液体)を繊維材6に保持させる(図5A参照)。
【0044】
カプセル5を崩壊させた後、フィルター1を容器15に収容し、容器15をチューブ14に介在させる。その後、空気ポンプ13を起動して、使用者が装着した非再呼吸式マスク12の一方弁12aに空気を送りこむ。空気ポンプ13から吐出された空気に含まれる汚染物質7は、繊維材6に保持された内容物5aに吸着され(図5B)、汚染物質7が除去された空気が非再呼吸式マスク12に供給される。
【0045】
この空気吸入装置11では、フィルター1を通過させることで汚染物質7が除去されるので、バブリングによる汚染物質の除去は必要がない。バブリングの場合、水槽中の液体に空気に供給し、泡の状態で液体を通過した空気を補足する必要があり、装置構成が複雑で操作も煩雑である。これに対し、フィルター1によって汚染物質7を除去する空気吸入装置1は、装置構成が簡易で操作も容易であるので、家庭用としても使用できる。
【0046】
(変形例)
以下、第1及び/又は第2実施形態の変形例を列挙する。下記の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0047】
第1及第2実施形態のカプセル5は、シームレスカプセルであるが、ロータリー式で製作されたソフトカプセルであってもよい。ソフトカプセルは皮膜に継ぎ目があるため、使用前に衝撃等が加わると、継ぎ目から内容物が漏れ出る可能性がある。このため、カプセル5としてソフトカプセルを利用する場合には、内容物が継ぎ目から漏れ出ることを抑制できていることが好ましい。
【0048】
第1及第2実施形態のカプセル5は、シームレスカプセルであるが、ハードカプセルであってもよい。ハードカプセルは皮膜に継ぎ目があるため、使用前に衝撃等が加わると、継ぎ目から内容物が漏れ出る可能性がある。このため、カプセル5としてハードカプセルを利用する場合には、内容物が継ぎ目から漏れ出ることを抑制できていることが好ましい。
【0049】
第1実施形態において、使用前のフィルター1に内在するカプセル5は、5粒であるが、1粒以上4粒以下であってもよく、6粒以上であってもよい。
【0050】
第2実施形態において、使用前のフィルター1に内在するカプセル5は、1粒であるが、2粒以上であってもよい。
【0051】
第1実施形態において、カプセル5は、フィルター1の厚みにおける略中央に配置されているが、当該厚みの両端のうちの一方の端に近い部分に配置されていてもよい。
【0052】
第2実施形態において、カプセル5は、フィルター1の長さにおける略中央に配置されているが、当該長さの両端のうちの一方の端に近い部分に配置されていてもよい。
【0053】
第1実施形態において、フィルター1の平面視形状は、矩形状であるが、正方形であってもよく、四角形以外の多角形であってもよく、円形であってもよく、あるいは楕円形であってもよい。
【0054】
第1実施形態において、シート材3の平面視形状は、矩形状であるが、使用直前にポケット2c内にフィルター1を収納できればよいため、正方形であってもよく、四角形以外の多角形であってもよく、円形であってもよく、あるいは楕円形であってもよい。
【0055】
第1実施形態において、フィルター1の数は、1枚のマスク本体2aに対して、1つであるが、2つ以上であってもよい。この場合、2つ以上のフィルター1は、重ねられてもよく、マスク本体2aの内側面に沿って並べられてもよい。
【0056】
第1実施形態において、ポケット2cの数は、1枚のマスク本体2aに対して、1つであるが、2つ以上であってもよい。
【0057】
第2実施形態のフィルター1において、その長さと直交する断面の形状は、円形状であるが、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形状であってもよい。
【0058】
第2実施形態において、1個の容器15に収容されているフィルター1の数は、1つであるが、2つ以上であってもよい。
【0059】
第2実施形態において、マスク12は、2つの一方弁12a、2bを備えているが、一方弁12a、2bのうち少なくとも一方を備えなくてもよい。マスク12が一方弁12a、2bの両方を備えない場合、マスク12は、非再呼吸式でなくてもよい。
【0060】
第1実施形態において、フィルター1は、衛生用品であるマスク2に用いられているが、これに限らず、フィルター1は繊維材6を通る気体を清浄するフィルターであればよく、工業用、医療用、衛生用、生活用などの各種物品に用いることができる。
【0061】
第2実施形態において、フィルター1は、医療機器である空気吸入装置11の一部品として用いられているが、これに限らず、フィルター1は繊維材6を通る気体を清浄するフィルターであればよく、工業用、医療用、衛生用、生活用などの各種物品に用いることができる。
【0062】
第1及第2実施形態において、内容物5aは、水溶液を含有する液体であるが、疎水性の液体であってもよい。
【0063】
第2実施形態において、フィルター1の内部を通過する気体は、空気であるが、空気以外の気体であってもよい。すなわち、気体中の汚染物質7をフィルター1で除去できればよく、フィルター1の利用目的に応じて、フィルター1の内部を通過させる気体を任意に選択できる。
【符号の説明】
【0064】
1 フィルター
2 マスク(衛生用品)
2a マスク本体
2b 耳紐
2c ポケット
3 シート材
3a,3b 側縁部
3c 下縁部
3d 上縁部
5 カプセル
5a 内容物
5b 中間層
5c 皮膜
6 繊維材
7 汚染物質
8 巻紙
11 空気吸入装置(医療機器)
12 非再呼吸式マスク
12a,12b 一方弁
13 空気ポンプ
14 チューブ
15 容器
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7