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特開2024-48181記録媒体搬送転写ベルト、ベルトユニット、及び画像形成装置
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  • 特開-記録媒体搬送転写ベルト、ベルトユニット、及び画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048181
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】記録媒体搬送転写ベルト、ベルトユニット、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240401BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G03G15/16
F16C13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154082
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 誠
(72)【発明者】
【氏名】六反 実
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 聡哉
(72)【発明者】
【氏名】林 聖悟
【テーマコード(参考)】
2H200
3J103
【Fターム(参考)】
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200HB03
2H200JA02
2H200JC04
2H200JC13
2H200JC15
2H200JC16
2H200MA03
2H200MA04
2H200MA14
2H200MA17
2H200MA20
2H200MB04
2H200MB05
3J103AA02
3J103AA23
3J103GA02
3J103GA38
3J103GA57
3J103GA58
3J103GA60
(57)【要約】
【課題】画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトの提供。
【解決手段】基材層と表面層とを少なくとも有し、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上であり、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である、記録媒体搬送転写ベルト。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と表面層とを少なくとも有し、
印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上であり、
印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である、記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項2】
印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が9.5logΩ/□以上である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項3】
前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が、前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さい、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項4】
前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項5】
前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項6】
前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項7】
前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であり、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項8】
前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、請求項1に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の記録媒体搬送転写ベルトと、
前記記録媒体搬送転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備え、
前記複数のロールのうち少なくとも1つのロールが前記記録媒体搬送転写ベルトを回転させる駆動ロールであり、
画像形成装置に着脱される、ベルトユニット。
【請求項10】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤を用いて前記像保持体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、
請求項9に記載のベルトユニットを有し、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える、
画像形成装置。
【請求項11】
前記転写手段が、
中間転写体と、トナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写手段と、を有し、
前記二次転写手段が前記ベルトユニットを有する、
請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体搬送転写ベルト、ベルトユニット、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、記録媒体の搬送と記録媒体への画像の転写とを担う記録媒体搬送転写ベルトが使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ゴム層の表裏面に、表面コート層及び裏面コート層が設けられた電子写真用転写ベルトであって、前記表面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv1(logΩcm)、前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値をRv2(logΩcm)、前記裏面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv3(logΩcm)としたとき、下記式(1)~(3)の関係を同時満たす電子写真用転写ベルトが開示されている。
式(1):Rv1>Rv2
式(2):Rv1>Rv3
式(3):Rv3>Rv2
【0004】
特許文献2には、像形性物質を担持した像担持体に対向する転写領域に転写材を搬送し、電界により該像形成物質を該像担持体から転写材へ移動させ、該転写材を静電的に吸着して搬送する画像形成用ベルトであって、ゴム弾性体からなり、かつ厚さ方向の体積固有抵抗が10Ω・cm以下である画像形成用ベルトが開示されている。
【0005】
特許文献3には、ドラム状の感光体に転写紙を搬送し、電界によりトナーを上記感光体から上記転写紙に転写し、該転写紙を静電的に吸着して搬送する転写搬送ベルトを有する画像形成装置において、上記転写搬送ベルトの体積抵抗Rvolが10~1011Ωの範囲にあり、該体積抵抗Rvolと内面層の表面抵抗ρsurfの関係が(ρsurf)<=7E+20(Rvol-1.1を満足する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-84707号公報
【特許文献2】特開平8-185068号公報
【特許文献3】特開2002-268408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、基材層と表面層とを少なくとも有し、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0未満であるか、又は、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 基材層と表面層とを少なくとも有し、
印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上であり、
印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である、記録媒体搬送転写ベルト。
【0009】
<2> 印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が9.5logΩ/□以上である、<1>に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
<3> 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が、前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さい、<1>又は<2>に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
<4> 前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
<5> 前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【0010】
<6> 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
<7> 前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であり、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
<8> 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
【0011】
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルトと、
前記記録媒体搬送転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備え、
前記複数のロールのうち少なくとも1つのロールが前記記録媒体搬送転写ベルトを回転させる駆動ロールであり、
画像形成装置に着脱される、ベルトユニット。
<10> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤を用いて前記像保持体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、
<9>に記載のベルトユニットを有し、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える、
画像形成装置。
<11> 前記転写手段が、
中間転写体と、トナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写手段と、を有し、
前記二次転写手段が前記ベルトユニットを有する、
<10>に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
<1>に係る発明によれば、基材層と表面層とを少なくとも有し、上記比(ρs500/ρv500)が1.0未満であるか、又は、上記差(ρs100-ρs500)が0.3超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
<2>に係る発明によれば、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が9.5logΩ/□未満又は12.0超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
<3>、<6>、又は<8>に係る発明によれば、基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500以上である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
<4>、<7>、又は<8>に係る発明によれば、上記差(ρv1100-ρv1500)が1.2超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
<5>、又は<7>に係る発明によれば、記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する表面層の厚みが0.6%未満又は3%超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
【0013】
<9>、<10>、又は<11>に係る発明によれば、基材層と表面層とを少なくとも有し、上記比(ρs500/ρv500)が1.0未満であるか、又は、上記差(ρs100-ρs500)が0.3超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトを備える、ベルトユニット又は画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】円形電極の一例を示す図であり、図1(A)が概略平面図であり、図1(B)が概略断面図である。
図2】本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトの一例を示す概略斜視図である。
図3】本開示に係るベルトユニットの一例を示す概略斜視図である。
図4】本開示に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
【0016】
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0017】
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
【0018】
<記録媒体搬送転写ベルト>
本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトは、基材層と表面層とを少なくとも有し、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上であり、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である。
以下、本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトを、単に、「本開示に係るベルト」ともいう。
【0019】
本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトは、紙などの記録媒体の搬送と、トナー像の記録媒体への転写と、の両方に関与するベルトである。
本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトは、具体的には、像保持体(電子写真感光体、感光体ともいう)の表面に形成したトナー像を中間転写ベルトに一次転写した後、中間転写ベルトから記録媒体にトナー像を二次転写させる画像形成装置において、中間転写ベルトに対向して配置され、二次転写部へと記録媒体を搬送するベルトに適用される。また、本開示に係るベルトは、像保持体の表面に形成したトナー像を記録媒体に直接転写させる画像形成装置において、像保持体に対向して配置され、転写部へと記録媒体を搬送するベルトに適用される。
【0020】
電子写真方式の画像形成装置に用いられる記録媒体搬送転写ベルトは、上述したように、転写部において、その表面に静電吸着により記録媒体を吸着しつつ搬送を行い、さらに、搬送する記録媒体へのトナー像の転写にも寄与する。
このことから、記録媒体搬送転写ベルトには、画像の転写性能と記録媒体の搬送性能との両立が望まれる。ここで、記録媒体の搬送性とは、転写部にて中間転写ベルトや像保持体側へと吸着せずに、記録媒体が記録媒体搬送転写ベルトに吸着した状態で搬送されることを意味する。
画像の転写性能及び記録媒体の搬送性能は、例えば、転写部(例えば、中間転写ベルトと像保持体との転写部)内で異常放電が生じた場合や、記録媒体の種類、環境等によって転写条件を変えた場合に影響を受けることが多い。
そこで、本発明者が検討を行ったところ、基材層と表面層とを少なくとも有する層構成とし、さらに、体積抵抗率及び表面抵抗率をそれぞれ制御することで、画像の転写性能と記録媒体の搬送性能との両方を向上させうることを見出し、上述の本開示に係るベルトの構成に至った。
【0021】
本開示に係るベルトでは、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上とし、且つ、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)を0.3以下とする。上記比(ρs500/ρv500)が1.0以上とすることで、ベルトの表面抵抗を高くすることができ、転写性能の向上が図られる。また、上記差(ρs100-ρs500)を0.3以下とすることで、ベルトの表面抵抗の電圧依存性を低く抑えることができる。これにより、転写性能を低下させることなく、転写部でのベルトの表面への通電(放電も含む)による表面性状の変化が抑えられ、記録媒体の搬送性能の低下をも抑制しうる。
これにより、本開示に係るベルトは、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れるものと推測される。
【0022】
[表面抵抗率及び体積抵抗率]
本開示に係るベルトは、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上である。
比(ρs500/ρv500)は、画像の転写性能、及び、記録媒体の搬送性能の更なる向上の観点から、1.15以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。
【0023】
本開示に係るベルトは、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である。
差(ρs100-ρs500)は、画像の転写性能、及び、記録媒体の搬送性能の更なる向上の観点から、0.25以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。
【0024】
本開示に係るベルトは、画像の転写性能、及び、記録媒体の搬送性能の更なる向上の観点から、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が、9.5logΩ/□以上であることが好ましく、9.5logΩ/□以上12.7logΩ/□以下であることがより好ましく、9.5logΩ/□以上12.0logΩ/□以下であることがさらに好ましく、9.7logΩ/□以上11.5logΩ/□以下であることが特に好ましい。
また、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100は、上記の印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500との間で差(ρs100-ρs500)を0.3以下とする値であればよく、例えば、9.5logΩ/□以上12.0logΩ/□以下であることが好ましい。
【0025】
本開示に係るベルトにおける印加電圧500Vの体積抵抗率ρv500は、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500との間で比(ρs500/ρv500)が1.0以上とする値であればよく、例えば、9.5logΩ・cm以上であることが好ましく、9.5logΩ・cm以上12.0logΩ・cm以下であることがより好ましく、9.7logΩ・cm以上11.5logΩ・cm以下であることがさらに好ましい。
また、印加電圧500Vの体積抵抗率ρv500は、例えば、7.0logΩ・cm以上12.0logΩ・cm以下であることが好ましい。
【0026】
本開示に係るベルトにおいて、画像の転写性能、及び、記録媒体の搬送性能の更なる向上の観点から、基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が、表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さいことが好ましい。
基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500は、例えば、6.5logΩ・cm以上11.0logΩ・cm以下であることが好ましい。
表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500は、例えば、8.0logΩ・cm以上12.0logΩ・cm以下であることが好ましい。
【0027】
画像の転写性能、及び、記録媒体の搬送性能の更なる向上の観点から、基材層においては、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であることが好ましく、1.0以上1.2以下であることがより好ましい。
【0028】
[好ましい態様]
本開示に係るベルトは、ベルトの総厚みに対する表面層の厚みが、0.6%以上3.0%以下であることが好ましく、0.6%以上2.5%以下であることがより好ましくは、0.6%以上2.0%以下であることがさらに好ましい。
【0029】
本開示に係るベルトにおいて、基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が、表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、ベルトの総厚みに対する表面層の厚みが、0.6%以上3.0%以下であることが好ましい。
【0030】
本開示に係るベルトにおいて、基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であり、且つ、ベルトの総厚みに対する表面層の厚みが、0.6%以上3.0%以下であることが好ましい。
【0031】
本開示に係るベルトにおいて、基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であることが好ましい。
【0032】
[測定方法]
以下、表面抵抗率及び体積抵抗率の測定方法について説明する。
なお、本開示に係るベルト、基材層、及び表面層のそれぞれにおいて、測定点は、ベルト又は層の周方向に等間隔で6点、ベルト又は層の幅方向に中央部及び両端部の3点、合計18点である。この18点の測定値の算術平均値を採用する。
【0033】
本開示に係るベルトの表面抵抗率の測定は、次の通り行う。
円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K 6911:1995年に従って測定する。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図1は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトの搬送転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D-d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧100V又は500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
【0034】
一方、本開示に係るベルト、基材層、及び表面層の体積抵抗率の測定は、次の通り行う。
円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K 6911:1995年に従って測定する。体積抵抗率の測定方法を、図1を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図1に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’とを備える。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、測定試料(すなわち、ベルト、基材層、又は表面層)の厚みを示す。
式:ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧100V又は500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
【0035】
上記式に示される19.6は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、測定試料の厚みt(cm)より、πd/4tとして算出される。
また、測定試料である、ベルト、基材層、及び表面層の厚みは、いずれも、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR-1500Eを使用し、測定する。このとき、厚みの測定位置は、任意の1ヶ所とする。
既述のように、測定点(すなわち、測定試料の数)は18点であることから、18点の測定試料の厚みの算術平均値を、ベルトの総厚み、基材層の厚み、又は表面層の厚みとすることもできる。
なお、ベルトから基材層及び表面層の厚みを求める場合には、断面観察によって計測した断面部の各層の厚みを参考に、表面層又は基材層のいずれかを、極細目以上のやすり等の研磨手段により研磨、削除し、測定サンプルを得る。そして、得られた測定サンプル(基材層又は表面層の測定サンプル)について、上述の方法で、厚み、体積抵抗率等の測定を行えばよい。
【0036】
なお、本開示に係るベルト、これを構成する基材層及び表面層における表面抵抗率及び体積抵抗率は、いずれも、導電性粒子の種類、導電剤の種類、及びそれらの添加量等により制御される。
【0037】
以下、本開示に係るベルトについて、図2を参照しつつ説明する。ここで、図2は、本開示に係るベルトの一例を示す概略斜視図である。
図2に示されるよう、ベルト50は、基材層52と、表面層54と、裏面層56と、を有する。表面層54は、基材層52の外周面上に設けられ、ベルト50の外周面を構成する層である。裏面層56は、基材層52の内周面上に設けられ、ベルト50の内周面を構成する層である。
ベルト50の外周面は、ベルトの表面ともいい、記録媒体の搬送面に該当する。ベルトの表面抵抗率といった場合、このベルト50の外周面、すなわち、表面層54にて構成された表面における表面抵抗率をいう。
【0038】
なお、図2においては、裏面層56が設けられた層構成を示しているが、裏面層は、省略することもできる。
【0039】
<基材層>
基材層は、高分子材料に導電性粒子を含有させたベルト状部材であることが好ましい。なお、基材層は、高分子材料、及び導電性粒子の他、必要に応じて、添加剤を含有させてもよい。
【0040】
高分子材料としては、ゴム及び樹脂が挙げられる。
高分子材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
ゴムとしては、例えば、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、これらの混合ゴムが挙げられる。
【0042】
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、これらの混合樹脂が挙げられる。
【0043】
導電性粒子としては、例えば、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;アルミニウム、ニッケル等の金属粒子;酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子;などが挙げられる。中でも、導電性粒子としては、カーボンブラックが好ましい。
導電性粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
導電性粒子(好ましくはカーボンブラック)の平均一次粒径は、1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下がさらに好ましい。
【0045】
基材層は、導電性粒子以外の導電剤を含有していてもよい。
導電剤としては、例えば、チタン酸カリウム、塩化カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のイオン導電性物質;ポリアニリン、ポリエーテル、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等のイオン導電性高分子;などが挙げられる。
導電性粒子以外の導電剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
基材層は、ゴム及び導電性粒子を含有する導電性弾性層であることが好ましく、クロロプレンゴム及びエピクロロヒドリンゴムの少なくとも一方とカーボンブラックとを含有する導電性弾性層であることがより好ましい。
【0047】
基材層に含まれる導電性粒子及び導電剤の総含有量は、既述のベルトの体積抵抗率を目安に設定することが好ましい。
基材層がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、高分子材料100質量部に対して5質量部以上40質量部以下が好ましい。
【0048】
基材層は、さらに、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、架橋剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
なお、添加剤として、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の、絶縁性又は半導電性のフィラーを用いることで、抵抗率を調整することができる。
【0049】
基材層の平均厚は、ベルトの耐久性の観点から、50μm以上が好ましく、75μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましく、ベルトの柔軟性及び耐屈曲性の観点から、1000μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、500μm以下が更に好ましい。
【0050】
<表面層及び裏面層>
表面層は、基材層の外周面上に設けられ、ベルトの外周面を構成する層である。裏面層は、基材層の内周面上に設けられ、ベルトの内周面を構成する層である。
以下、表面層及び裏面層について説明する。
【0051】
表面層及び裏面層は、いずれも、高分子材料を含有する層であることが好ましい。
高分子材料としては、基材層について既述した先述のゴム及び樹脂が挙げられる。
【0052】
表面層及び裏面層は、それぞれ、ウレタン樹脂とフッ素含有樹脂粒子とを含有することが好ましい。
ウレタン樹脂(ポリウレタン又はウレタンゴムとも呼ばれる。)は一般的に、ポリイソシアネートとポリオールとを重合して合成される。ウレタン樹脂はハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが好ましい。
【0053】
フッ素含有樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体のいずれかからなる粒子の1種又は2種以上が好ましい。これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂粒子が好ましい。
【0054】
フッ素含有樹脂粒子の平均一次粒径は、10nm以上500nm以下が好ましく、50nm以上300nm以下がより好ましく、80nm以上200nm以下が更に好ましい。
【0055】
表面層及び裏面層は、それぞれ、さらに、酸化防止剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
【0056】
表面層及び裏面層の平均厚は、それぞれ、ベルトの耐久性の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、ベルトの柔軟性及び耐屈曲性の観点から、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。
【0057】
表面層及び裏面層の組成は、それぞれ、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
表面層及び裏面層の厚みは、それぞれ、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0058】
[ベルトの製造方法]
本開示に係るベルトの製造方法としては、例えば、基材層となる管状部材を用意し、管状部材の外周面に表面層を形成する製造方法が挙げられる。さらに、環状部材の内周面に裏面層を形成してもよい。
【0059】
管状部材の製造方法は、例えば、高分子材料及び導電性粒子を含有する組成物を溶融し、ダイスからベルト状に押し出して固化させる押出成形;高分子材料及び導電性粒子を含有する組成物を溶融し、ベルト状の金型に入れて固化させる射出成形;高分子材料の前駆体又は単量体と導電性粒子とを含有する組成物を芯体に塗布し固化させる塗布成形;などである。成形工程の適切な時期に、ゴムの加硫を目的とした加熱を行ってもよい。
【0060】
表面層及び裏面層の形成方法は、例えば、高分子材料及びフッ素含有樹脂粒子を含有する液状組成物を管状部材の外周面又は内周面に塗布し固化させる;高分子材料の前駆体又は単量体とフッ素含有樹脂粒子とを含有する液状組成物を管状部材の外周面又は内周面に塗布し固化させる;などである。液状組成物を固化させるために、成分の種類に応じて、乾燥、加熱、電子線照射又は紫外線照射を行ってもよい。
【0061】
<ベルトユニット>
本開示に係るベルトユニットは、記録媒体搬送転写ベルトと、記録媒体搬送転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備え、複数のロールのうち少なくとも1つのロールが記録媒体搬送転写ベルトを回転させる駆動ロールであり、画像形成装置に着脱される。ここで、記録媒体搬送転写ベルトとして、上述の、本開示に係るベルトが適用される。
【0062】
図3は、本開示に係るベルトユニットの一例を示す概略斜視図である。ここで、図3は、記録媒体搬送転写ベルトが複数本のロール部材に掛け渡された状態を示す概略斜視図である。
図3に示すように、ベルトユニット60は、記録媒体搬送転写ベルト50と駆動ロール62と支持ロール64とを備え、記録媒体搬送転写ベルト50が、駆動ロール62及び支持ロール64に張力がかかった状態で掛け渡された形態(本開示において「張架」ともいう。)を有する。
駆動ロール62は、駆動ロール62に接続された駆動部(図示せず)の動力によって回転する。記録媒体搬送転写ベルト50及び支持ロール64は、駆動ロール62の回転に従動して回転する。
【0063】
ベルトユニット60は、電子写真方式の画像形成装置に転写手段の一部として組み込まれて使用される。ベルトユニット60は、二次転写ベルトユニットに好適である。ベルトユニットにおいて、記録媒体搬送転写ベルトを張架するロール部材は2本に限定されず、3本以上でもよい。
【0064】
<画像形成装置>
本開示に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤を収容し、現像剤を用いて像保持体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、本開示に係るベルトユニットを有し、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える。転写手段は、例えば、中間転写体と、トナー像を中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写手段とを有し、二次転写手段が本開示に係るベルトユニットを有する。
【0065】
本開示に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段;トナー像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングする像保持体クリーニング手段;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段;等をさらに備えていてもよい。本開示に係る画像形成装置は、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
【0066】
以下、本開示に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0067】
図4は、本開示に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
【0068】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。
支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写ベルトクリーニング装置30が備えられている。
【0069】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
【0070】
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
【0071】
第1のユニット10Yは、感光体(像保持体の一例)1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yが順に配置されている。
【0072】
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0073】
ベルトユニット60は、記録媒体搬送転写ベルト50(本開示に係る記録媒体搬送転写ベルトの一例)を備えたベルトユニットである。ベルトユニット60は、記録媒体搬送転写ベルト50と、駆動ロール62と、支持ロール64とを備える。ベルトユニット60は、中間転写ベルト20の外側に配置され、支持ロール24に対向した位置に設けられている。ベルトユニット60には、二次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)が接続されている。
【0074】
以下、第1のユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0075】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー像として現像され可視化される。
【0076】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0077】
感光体1Y上のイエローのトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用し、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、第1のユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
【0078】
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0079】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、支持ロール24と、ベルトユニット60とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介してベルトユニット60と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0080】
トナー像が転写された記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0081】
トナー像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
【実施例0082】
以下、実施例を例示することで本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。合成、処理、製造などは、特に断りのない限り、室温(24℃±3℃)で行った。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は全て質量基準である。
【0083】
<実施例1>
[基材層の作製]
以下のゴム組成物1を調製した。
【0084】
-ゴム組成物1-
・クロロプレンゴム(CR)(東ソー(株)、TSR-61) 80部
・エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)(住友化学(株)、エスプレン505) 20部
・カーボンブラック(三菱ケミカル(株)、♯3030B) 25部
・硫黄(バイエル社、レノグランS-80) 1部
・酸化亜鉛(バイエル社、レノグランZnO-80) 6部
・酸化マグネシウム(協和化学工業(株)、キョーワマグ150) 4部
・加硫促進剤(大内新興化学工業(株)、ノクセラーM) 1部
・ステアリン酸 0.5部
【0085】
より具体的には、クロロプレンゴムとカーボンブラックとを含有する混合物と、エチレン-プロピレン-ジエンゴムと、を混合し、さらに他の材料を添加した。これを、混練押出し機に入れ、押出成形し、熱風乾燥し、さらに加硫のための加熱を行い、直径(外径)40mm且つ平均厚450μmの管状部材を得た。管状部材を長さ355mmに切断し、基材層Aとした。
【0086】
[表面層及び裏面層の作製]
PTFE(polytetrafluoroethylene)含有ウレタン樹脂(ボンデライトT862A、ヘンケルジャパン社)に硬化剤(ロックタイトWH-1、ヘンケルジャパン社)を1質量%添加し、水で希釈してPTFE量を10質量%に調製し、これを塗布液とした。
基材層Aの中心軸を水平方向にして基材層Aを回転させながら、基材層Aの外周面に塗布液を散布した。次いで、温度150℃且つ35分間の熱風乾燥を行って、表面層を形成した。表面層の平均厚は6μmとした。次いで、基材層Aの内周面にも同じ塗布液を散布し、同様に熱風乾燥を行って、裏面層を形成した。裏面層の平均厚は6μmとした。
こうして、無端ベルトを得た。
【0087】
<実施例2>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製においてカーボンブラックを18部に変更して、無端ベルトを得た。
【0088】
<実施例3>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製においてカーボンブラックを15部に変更し、クロロプレンゴムを85部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを15部に変更して、無端ベルトを得た。
【0089】
<実施例4~5>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、加硫後に得られた管状部材の表面を研磨機により表面より全周にわたって研磨を行うことにより基材層の厚さを変更して、無端ベルトを得た。
【0090】
<実施例6~7>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、加硫後の管状体表面を研磨機により表面より全周にわたって研磨を行うことにより基材厚を変更し、表面層の作製において、基材層Aの外周面に塗布液を散布する量を調整することにより表面層の厚さを変更して、無端ベルトを得た。
【0091】
<比較例1>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを75部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを25部に変更して、無端ベルトを得た。
【0092】
<比較例2>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを75部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを25部に変更し、カーボンブラックを15部に変更して、無端ベルトを得た。
【0093】
<比較例3>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを70部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを30部に変更して、無端ベルトを得た。
【0094】
<比較例4>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを70部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを30部に変更し、カーボンブラックを15部に変更して、無端ベルトを得た。
【0095】
<比較例5>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを75部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを25部に変更し、カーボンブラックを23部に変更して、無端ベルトを得た。
【0096】
<比較例6>
実施例1と同様にして、ただし、基材層Aの作製において、クロロプレンゴムを85部に変更し、エチレン-プロピレン-ジエンゴムを15部に変更して、カーボンブラックを23部に変更して、無端ベルトを得た。
【0097】
<各種測定>
既述の方法に従い、ベルトについて、表面抵抗率ρs500、ρs100、体積抵抗率ρv500を測定した。
また、既述の方法に従い、基材層の体積抵抗率ρv1500、及び、表面層の体積抵抗率ρv2500を測定し、さらに、基材層の体積抵抗率ρv1100も測定した。
これらの測定結果に基づき、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)、印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)、基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)を求めた。
結果を表1に示す。
【0098】
<ベルトの性能評価>
各例で得られた無端ベルトを記録媒体搬送転写ベルトに用いて二次転写ユニットを作製した。この二次転写ユニットを画像形成装置DocuColor-7171P(富士フイルムビジネスイノベーション(株)社)の改造機に搭載し、画像形成装置を得た。二次転写ベルトの端部に記録媒体搬送用のガイドを取り付け、記録媒体の搬送速度が一定となるよう調整した。
【0099】
[搬送性能]
記録媒体搬送転写ベルトの搬送性能には、ベルトの局所的な張力差及び回転に伴う速度変動が影響する。そこで、以下の方法により、各例で得られた無端ベルトの搬送性能について評価した。
張架ロールによって無端ベルトに4%の伸張率を与えて張架した状態で、連続的に無端ベルトを回転駆動した。回転駆動の回転速度は540mm/s、駆動時間は120時間とした。回転駆動後に回転を停止して、無端ベルト端部の傷及び無端ベルト外周面の傷などの損傷状態と、無端ベルト端部の位置と、を確認し、以下の指標に沿って搬送性能を評価した。
-評価指標-
G1(〇):ベルトウォークが制御狙いの範囲内にある。
G2(△):ベルトウォークが制御狙いの範囲外であるものの動作限界の範囲内である。
G3(×):ベルトウォークが動作限界の範囲外であり、ベルトの損傷も発生している。
【0100】
[転写性能]
上述の画像形成装置を用い、記録媒体(紙、A3サイズ、坪量82g/m、厚さ97μm)に、画像濃度20%のハーフトーン画像を連続して100枚形成した。最後の10枚目の画像を目視で観察し、以下の指標に沿って転写性能を評価した。
-評価指標-
G1(〇):色ムラ及び色抜けが認められない。
G2(△):軽微な色ムラが認められるが、実使用上問題ないレベルである。
G3(×):部分的に色ムラ及び色抜けが認められる。
【0101】
[維持性]
安定した画像品質を確保するために、記録媒体搬送転写ベルトには、回転動作に伴う伸長の変化や外部負荷の変動及び環境影響を受けても、外周面のクリーニング性及び表面性を維持することが求められる。以下の方法により、画像の目視での観察と、無端ベルトの外周面の表面状態と、を確認し、以下の指標に沿って維持性を評価した。
上述の画像形成装置を用い、記録媒体(紙、A3サイズ、坪量82g/m、厚さ97μm)への画像濃度5%のハーフトーン画像の画像形成及び記録媒体の搬送動作を10000回連続して行った後、記録媒体に画像濃度20%のハーフトーン画像を10枚形成して、10枚目の画像を目視で観察した。また、画像形成後の無端ベルトを画像形成装置から取り外し、無端ベルトの外周面を、目視で又はCCDカメラを使用して100倍に拡大して観察し、表面の状態(異物の有無)を確認した。これらをもとに、以下の指標に沿って維持性を評価した。
-評価指標-
G1(〇):画像に色ムラ及び色抜けが認められず、目視及び拡大観察であっても無単ベルトの表面に異物の付着が認められない。
G2(△):画像に軽微な色ムラが認められる。無単ベルトの表面に異物の付着は見られない。
G3(×):無単ベルトの表面に拡大観察で認められる異物がある、もしくは、画像に部分的に色ムラ及び色抜けが認められる。
【0102】
【表1】
【0103】
表1に示す結果から、実施例は比較例に比べて、搬送性能に優れ、且つ、転写性能にも優れることが分かる。
【0104】
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(((1))) 基材層と表面層とを少なくとも有し、
印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500と体積抵抗率ρv500との比(ρs500/ρv500)が1.0以上であり、
印加電圧100Vの表面抵抗率ρs100と印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500の差(ρs100-ρs500)が0.3以下である、記録媒体搬送転写ベルト。
(((2))) 印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が9.5logΩ/□以上である、(((1)))に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((3))) 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が、前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さい、(((1)))又は(((2)))に記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((4))) 前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((5))) 前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、(((1)))~(((4)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((6))) 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((7))) 前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下であり、且つ、前記記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する前記表面層の厚みが0.6%以上3%以下である、(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((8))) 前記基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が前記表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500よりも小さく、且つ、前記基材層における、印加電圧100Vの体積抵抗率ρv1100と印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500の差(ρv1100-ρv1500)が1.2以下である、(((1)))(((1)))~(((7)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルト。
(((9))) (((1)))~(((8)))のいずれか1つに記載の記録媒体搬送転写ベルトと、
前記記録媒体搬送転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備え、
前記複数のロールのうち少なくとも1つのロールが前記記録媒体搬送転写ベルトを回転させる駆動ロールであり、
画像形成装置に着脱される、ベルトユニット。
(((10))) 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤を用いて前記像保持体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、
(((9)))に記載のベルトユニットを有し、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える、
画像形成装置。
(((11))) 前記転写手段が、
中間転写体と、トナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写手段と、を有し、
前記二次転写手段が(((9)))に記載のベルトユニットを有する、
(((10)))に記載の画像形成装置。
【0105】
(((1)))に係る発明によれば、基材層と表面層とを少なくとも有し、上記比(ρs500/ρv500)が1.0未満であるか、又は、上記差(ρs100-ρs500)が0.3超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
(((2)))に係る発明によれば、印加電圧500Vの表面抵抗率ρs500が9.5logΩ/□未満である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
(((3)))、(((6)))、又は(((8)))に係る発明によれば、基材層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv1500が表面層の印加電圧500Vの体積抵抗率ρv2500以上である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
(((4)))、(((7)))、又は(((8)))に係る発明によれば、上記差(ρv1100-ρv1500)が1.2超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
(((5)))、又は(((7)))に係る発明によれば、記録媒体搬送転写ベルトの総厚みに対する表面層の厚みが0.6%未満又は3%超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトが提供される。
(((9)))、(((10)))、又は(((11)))に係る発明によれば、基材層と表面層とを少なくとも有し、上記比(ρs500/ρv500)が1.0未満であるか、又は、上記差(ρs100-ρs500)が0.3超である場合に比べ、画像の転写性能に優れ、記録媒体の搬送性能にも優れる記録媒体搬送転写ベルトを備える、ベルトユニット又は画像形成装置が提供される。
【符号の説明】
【0106】
50 記録媒体搬送転写ベルト
52 基材層
54 表面層
56 裏面層
60 ベルトユニット
62 駆動ロール
64 支持ロール
【0107】
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
図1
図2
図3
図4