IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図1
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図2
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図3
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図4
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図5
  • 特開-給紙支援装置及び給紙支援プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048191
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】給紙支援装置及び給紙支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/04 20060101AFI20240401BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
B65H43/04
B65H3/48 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154095
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東條 寛之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬之
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA13
3F048BA14
3F048BB02
3F048EB16
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC01
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA17
3F343JD09
3F343JD28
3F343KB03
3F343KB05
3F343LA02
3F343LD07
3F343MA55
3F343MC13
(57)【要約】
【課題】用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関するパラメータを個別に設定する場合と比較して、複数の送風部のパラメータを容易に設定することができる。
【解決手段】給紙支援装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させ、前記用紙収納部から給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを提示し、提示された前記補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、
提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させ、
前記用紙収納部から給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを提示し、
提示された前記補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させる
給紙支援装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
エラーが発生しなかった場合の前記パラメータを記憶部に記憶しておき、前記記憶部に記憶した前記パラメータを推奨値として提示する
請求項1記載の給紙支援装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
エラーの種類に応じて前記パラメータを補正する
請求項1記載の給紙支援装置。
【請求項4】
前記エラーの種類は、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方を含む
請求項3記載の給紙支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記用紙の属性に応じて前記パラメータを補正する
請求項1記載の給紙支援装置。
【請求項6】
前記用紙の属性は、前記用紙の坪量、前記用紙のサイズ、前記用紙の種類、前記用紙のコートの有無、及び前記用紙の厚さの少なくとも1つを含む
請求項5記載の給紙支援装置。
【請求項7】
コンピュータに、
給紙装置に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、
提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させ、
前記給紙装置に給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの各々を補正した複数の補正パラメータを提示し、
提示された複数の補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、複数の補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させる
ことを含む処理を実行させる給紙支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給紙支援装置及び給紙支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙に対する送風及び吸着により用紙を給紙するエアー給紙手段を備え、前記エアー給紙手段における給紙パラメータを切り替え可能な複数のエアー給紙装置と、当該複数のエアー給紙装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備える給紙パラメータ管理システムであって、前記複数のエアー給紙装置のそれぞれは、給紙対象の用紙の紙種情報を取得する紙種情報取得手段と、前記エアー給紙手段における給紙パラメータを調整する調整手段と、前記紙種情報取得手段により取得された紙種情報、前記調整手段により調整された給紙パラメータ及び当該給紙パラメータを用いて前記給紙対象の用紙を給紙した搬送結果を前記管理装置に送信する送信手段と、を備え、前記管理装置は、前記複数のエアー給紙装置のそれぞれから送信された紙種情報、給紙パラメータ及び搬送結果を対応付けた調整結果を記憶手段に記憶させるパラメータ管理手段と、前記記憶手段に記憶されている調整結果を参照して、前記複数のエアー給紙装置のうち処理対象のエアー給紙装置に対して、当該処理対象のエアー給紙装置の紙種情報取得手段により取得された紙種情報に対応する給紙パラメータを、当該給紙パラメータに対応する搬送結果に基づいて設定する設定手段と、を備える給紙パラメータ管理システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、用紙を積載する用紙積載台と、前記用紙積載台に積載される用紙を最上部から1枚ずつ給紙する給紙手段と、前記用紙積載台から給紙される用紙の側方、前方、後方のいずれかの側面から空気を送風し、給紙をアシストするアシストエア送風手段と、アシストエアを受ける用紙の挙動を検出する検出手段と、非作像時の所定のタイミングにおいて、前記アシストエア送風手段を作動させて用紙の挙動を前記検出手段で検出し、検出結果から、作像時に使用するアシストエアの最適風量を設定する制御手段と、を有し、前記検出手段は、用紙が浮上する高さを検出する検出手段であり、前記制御手段は、アシストエア送風手段の風量を一定として一定時間内に用紙が到達する高さを前記検出手段で測定して、当該高さより最適風量を設定することを特徴とする給紙装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、シート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートを1枚ずつ給送するシート給送手段と、温風を発生させる発熱手段と、前記温風を前記シート給送手段に送風する送風手段と、前記シート給送手段で給送されるシートの給送状態を検知するシート給送状態検知手段と、送風状態のエアアシスト動作を制御する制御手段と、を有し前記シート給送は、通常給送の第1給送モードと、予備給送の第2給送モードとを設定し、前記第2給送モード実行の際の前記シート給送状態検知結果に基づいて、前記エアアシスト動作を制御することを特徴とするシート給送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-070166号公報
【特許文献2】特許第5434601号公報
【特許文献3】特開2010-241568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関するパラメータを個別に設定する場合と比較して、複数の送風部のパラメータを容易に設定することができる給紙支援装置及び給紙支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様は、給紙支援装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させ、前記用紙収納部から給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを提示し、提示された前記補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させる。
【0008】
本開示の第2態様は、第1態様の給紙支援装置において、プロセッサは、エラーが発生しなかった場合の前記パラメータを記憶部に記憶しておき、前記記憶部に記憶した前記パラメータを推奨値として提示する。
【0009】
本開示の第3態様は、第1態様の給紙支援装置において、前記プロセッサは、エラーの種類に応じて前記パラメータを補正する。
【0010】
本開示の第4態様は、第3態様の給紙支援装置において、前記エラーの種類は、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方を含む。
【0011】
本開示の第5態様は、第1態様の給紙支援装置において、前記プロセッサは、前記用紙の属性に応じて前記パラメータを補正する。
【0012】
本開示の第6態様は、第5態様の給紙支援装置において、前記用紙の属性は、前記用紙の坪量、前記用紙のサイズ、前記用紙の種類、前記用紙のコートの有無、及び前記用紙の厚さの少なくとも1つを含む。
【0013】
本開示の第7態様は、給紙支援プログラムであって、コンピュータに、給紙装置に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させ、前記給紙装置に給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの各々を補正した複数の補正パラメータを提示し、提示された複数の補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、複数の補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させることを含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様及び第7態様によれば、用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関するパラメータを個別に設定する場合と比較して、複数の送風部のパラメータを容易に設定することができる、という効果を有する。
【0015】
第2態様によれば、エラーが発生しなかった場合のパラメータを記憶部に記憶しない場合と比較して、オペレータにパラメータの推奨値を速やかに提示することができる、という効果を有する。
【0016】
第3態様によれば、エラーの種類に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、エラーの種類に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0017】
第4態様によれば、エラーの種類に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0018】
第5態様によれば、用紙の属性に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、用紙の属性に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0019】
第6態様によれば、用紙の属性に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、用紙の坪量、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙のコートの有無、及び用紙の厚さの少なくとも1つに応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図3】実施形態に係るエアアシスト部の構成の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る設定画面の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る給紙支援処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0022】
本開示において「エアアシスト」とは、送風(例えば、正圧の気体の供給)及び吸着(例えば、負圧による気体の供給)の少なくとも一方により用紙の搬送に関連して用紙の給紙を補助する用紙調整を行う給紙補助機能の概念である。また、「アライメント」とは、搬送された用紙上の予め定められた位置に画像を形成する用紙の搬送に関連して用紙の位置を調整する位置調整機能の概念である。
【0023】
図1は、本開示の技術を実施するための画像形成システム10の概略構成を示す図である。
【0024】
画像形成システム10は、画像が形成される画像形成部を備えた画像形成装置12と、連結装置13と、給紙装置14A、14Bと、フィニッシャーである後処理装置16A、16B、16C、16D、16Eと、を備えて構成されている。
【0025】
給紙装置14A、14Bは、それぞれ、画像形成装置12に用紙を供給するための用紙給紙装置である。後処理装置16A、16B、16C、16D、16Eは、画像形成装置12で画像が形成された用紙に後処理を行った後、用紙を排出するためのものであり、例えば、ステープル、パンチ、紙折り(2つ折り、3つ折り)、のり付け、及びトリミング等を行うための装置である。
【0026】
画像形成装置12は、画像データに基づいて中間転写体上に画像を形成し、中間転写体上に形成された画像を用紙に転写することにより、用紙上に画像を形成する(印刷する)ためのものである。
【0027】
図2は、本実施形態の画像形成装置12の一例を示す概略構成図である。本実施形態の画像形成装置12は、用紙上に画像を形成する画像形成部20及び収納した用紙を画像形成部20に供給するための用紙収納部22を備えて構成されている。
【0028】
用紙収納部22は、内部に収納する用紙Pを画像形成部20に供給するためのものである。本実施形態では、画像形成装置12の内部に4つの用紙収納部22、22、22、22を備えている。なお、個々を区別せずに説明する場合は、用紙収納部22と総称し、区別する場合は1~4の符号を付して称する。
【0029】
用紙収納部22は、内部の仕切り部材等(図示省略)の位置を調整することにより収納する用紙Pのサイズを変更することができるようになっており、積層された用紙Pを収納する。本実施形態では、用紙トレイ(図示省略)上に用紙Pが積層されて収納されている。用紙収納部22は、モータ等(図示省略)により用紙Pが積層されている用紙トレイを駆動してリフトアップする。
【0030】
用紙収納部22には、エアアシスト部24が設けられている。エアアシスト部24は、静電気や湿気等による用紙Pの重送を防止し、用紙Pを取り出す補助を行うために用紙収納部22に空気等の気体を供給するものである。エアアシスト部24は、用紙トレイから用紙搬送路へ用紙を引き出す際に、最上面の用紙Pを下の用紙Pから引き離すために用紙トレイに積層されている用紙束の予め定められた位置(例えば、側面)から温風や冷風等の気体を吹き付けて用紙間に隙間を作ったり、収納されている用紙Pの湿度を一定に保ったりする。すなわち、エアアシスト部24では、用紙搬送に関係する補助処理であるエアアシストとして、用紙トレイから搬送路へ用紙を引き出す際に、例えば最上面の用紙を直下の用紙から引き離すために用紙束の側面等から気体を吹き付けて用紙間に隙間を作る処理が行われる。
【0031】
図3に示すように、エアアシスト部24は、n個(n≧1)の送風機BL-1~BL-n、N個(N≧1)のエアナイフAR-1~AR-N、シャッターSTを備える。送風機BL-1~BL-nは、図示は省略するが、用紙トレイの周囲に配置され、用紙トレイに収容された用紙に様々な方向から空気等の気体を送風し、用紙を浮かせる等の機能を有する。エアナイフAR-1~AR-Nは、図示は省略するが、用紙トレイの周囲に配置され、用紙トレイに収容された用紙に様々な方向から空気等の気体を送風し、用紙が1枚ずつ給紙されるように、重なった用紙を1枚ずつにする機能を有する。このように、送風機BL-1~BL-n及びエアナイフAR-1~AR-Nは、用紙収納部22に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部として機能する。
【0032】
なお、エアアシスト部24で供給する気体は、空気に限定されるものではなく、気体であればよいが、以下の説明を簡単にするため、空気を供給する場合を説明する。
【0033】
用紙トレイに積層されている用紙Pの最上面から取り出された用紙Pは、複数のローラ対39により用紙搬送路40を介して、画像形成部20へ搬送される。
【0034】
また、画像形成装置12には手差しで用紙Pを搬入するための手差トレイ42が設けられている。手差トレイ42上に置かれた用紙Pは、画像形成装置12内部の手差ローラ41及びローラ対39により用紙搬送路40上に案内され、用紙搬送路40を介して画像形成部20へ搬送される。
【0035】
また、本実施形態の画像形成装置12では、手差トレイ42の下部側に給紙装置14から供給される用紙Pを受け入れる用紙受入口50が設けられている。用紙受入口50から受入れた用紙Pは用紙搬送路40を介して画像形成部20へ搬送される。
【0036】
本実施形態の画像形成装置12には、用紙搬送路40を介して画像形成部20へ搬送される用紙Pの位置を調整するアライメント部23が設けられている。アライメント部23は、搬送中における用紙の滑り及び斜行等、用紙が不安定に搬送されることにより生じる用紙に対する画像の位置ずれを低減するため、用紙の供給後に、搬送される用紙の位置を調整するものである。アライメント部23は、用紙Pの位置を調整するアライメントとして、例えば、オフセット調整及びスキュー調整の少なくとも一方の調整が適用される。オフセット調整では、搬送中の用紙を、搬送中の用紙の基準位置に対して搬送方向、搬送逆方向、搬送方向と交差する方向(例えば左右方向)の少なくとも1方向に予め定められた距離だけ用紙の位置をずらす調整が適用される。また、スキュー調整では、調整前の用紙における搬送方向と用紙の長手方向との成す角度から予め定められた角度だけ用紙を回転する調整が適用される。
【0037】
画像形成部20は、感光体26、帯電器28、光ビーム走査装置30、現像器32、中間転写体34、転写器36、除電・清掃器38、転写器44、及び定着器46を含んで構成されている。
【0038】
感光体26は、予め定められた速度で矢印A方向と逆方向に回転する。感光体26の周囲には周面を帯電させるための帯電器28が設けられている。光ビーム走査装置30は、帯電器28により帯電された感光体26の周面上に画像データに基づいて光ビームを照射し、静電潜像を形成する。現像器32は、ローラ32Aを含み、感光体26の周面上に形成された静電潜像にローラ32Aにより内部に貯留しているトナーを付着させて現像する。
【0039】
中間転写体34は、感光体26の下部に設けられた無端状のベルトであり、複数のローラにより感光体26の回転速度と同じ回転速度で矢印B方向に回転する。感光体26と中間転写体34とが接触する位置には転写器36が配設されている。感光体26の周面上のトナー像は中間転写体34に転写される。除電・清掃器38は、感光体26の周面を除電する機能及び周面上に残留している残留トナーを除去する機能を備えたものである。
【0040】
一方、用紙搬送路40を介して搬送されてきた用紙Pは、中間転写体34と転写器44との間に送り込まれ、転写器44により中間転写体34上のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着器46によりトナーを溶融定着された後に、排出ローラ対49により画像形成装置12の外部へ排出される。
【0041】
画像形成装置12には画像を形成された用紙Pが排出されるための排出トレイ56が設けられている。画像が形成された用紙Pは、画像形成装置12内部の排出ローラ対49及び排出ローラ55により用紙搬送路58を介して排出トレイ56に排出される。また、本実施形態の画像形成装置12では、排出トレイ56の下部側に後処理装置16へ用紙Pを排出する用紙排出口62が設けられている。画像が形成された用紙Pを後処理装置16へ排出する場合は、用紙搬送路60を介して、用紙排出口62から後処理装置16Aへ搬送される。
【0042】
また、画像形成装置12は、両面印刷用の反転経路48を備えており、片面に画像が形成された用紙Pは、反転経路48で反転されて再び中間転写体34に搬送され、画像が転写される。
【0043】
さらに、画像形成装置12には、連結装置13を介して給紙装置14A(図示省略)、14Bが接続されている。連結装置13には、用紙供給口(画像形成装置12の用紙受入口50)が設けられている。
【0044】
本実施形態の給紙装置14Bは2つの用紙収納部22(用紙収納部22、22)を備えて構成されている。給紙装置14Bの用紙収納部22は、画像形成装置12内部の用紙収納部22と略同様の構成となっており、取り出された用紙Pは、用紙搬送路52を介して用紙供給口(用紙受入口50と共通)から画像形成装置12の内部に受入れられ、画像形成部20に供給される。
【0045】
なお、図示を省略した給紙装置14Aは、給紙装置14Bと略同様の構成をしており、給紙装置14Aから搬送されてきた用紙Pは、用紙搬送路54を介して用紙供給口(用紙受入口50)から画像形成装置12の内部に受入れられ、画像形成部20に供給される。
【0046】
さらに、画像形成装置12には、フィニッシャーである後処理装置16A、16B、16C、16D、16E(16C~D、図示省略)が接続されている。後処理装置16Aには、画像形成装置12の用紙排出口62に対応する用紙受入口50が設けられている。
【0047】
本実施形態の後処理装置16Aは2つの用紙排出部64(用紙排出部64、64)を備えて構成されている。画像が形成された用紙Pは、用紙受入口(用紙排出口)62から後処理装置16Aの内部に受入れられ、用紙搬送路66を介して用紙排出部64に排出される。また、用紙搬送路67を介して用紙排出部64に排出される。さらに、用紙搬送路68を介して、後処理装置16Bに搬送される。
【0048】
後処理装置16Bは1つの用紙排出部64(用紙排出部64)を備えて構成されている。画像が形成された用紙Pは、用紙搬送路69を介して用紙排出部64に排出される。また、用紙搬送路68を介して、後処理装置16C~16Eに搬送される。
【0049】
なお、図示を省略した後処理装置16C~16Eは、後処理装置16A、16Bと略同様に、それぞれ用紙排出部64及び各々に対応する用紙搬送路を備えている。用紙搬送路68を介して搬送されてきた用紙Pは、用紙搬送路を介して対応する用紙排出部64に排出される。
【0050】
画像形成装置12は、用紙の搬送に関連して用紙の給紙を支援(エアアシスト)する給紙支援処理、及び搬送された用紙上の予め定められた位置に画像を形成するための用紙を位置調整(アライメント)する位置調整処理が実行可能であるが、本実施形態では、給紙支援処理について説明し、位置調整処理については説明を省略する。
【0051】
次に、図4を参照して、画像形成装置12の電気的な構成の一例を説明する。なお、画像形成装置12は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置を備えた構成によって実現可能である。
【0052】
画像形成装置12は、全体を制御する制御部70を備えており、制御部70はコンピュータ本体70Xを含む。コンピュータ本体70Xは、CPU(Central Processing Unit)71、RAM(Random Access Memory)72、ROM(Read-Only memory)73、および入出力ポート(I/O)74を備え、これらはバス76を介して互いに接続されている。バス76には、HDD(Hard Disk Drive)及び不揮発性のフラッシュメモリ等によって実現可能な補助記憶装置として記憶部75が接続されている。また、I/O74には、通信部77、およびタッチパネル等の表示装置を含む操作部としてのユーザインタフェース(UI)部78も接続されている。記憶部75には、画像形成装置12で利用される各種のデータ75Dが記憶される。なお、本実施形態では、データ75Dが、後述する推奨値データ75Dである場合について説明する。
【0053】
なお、制御部70は、本開示の給紙支援装置の一例である。
【0054】
通信部77は、画像形成装置12を構成する上述した画像形成に関する各部と接続され、画像形成装置12における各部に対して制御可能に、データ及びコマンドを授受可能である。また、通信部77は、外部装置と通信が可能に構成される。また、記憶部75には、画像形成装置12における画像形成に関する各部の各種機能を実現するための固有プログラム75Mも記憶される。CPU71は、固有プログラム75Mを記憶部75から読み出してRAM72に展開して処理を実行する。これにより、固有プログラム75Mを実行した画像形成装置12は、上述した画像形成に関する各種機能を実行可能に動作する。
【0055】
記憶部75には、後述する給紙の支援に関する給紙支援処理を行う制御プログラム75Pが記憶される。制御プログラム75Pは、給紙支援プログラムの一例である。CPU71は、制御プログラム75Pを記憶部75から読み出してRAM72に展開して処理を実行する。これにより、制御プログラム75Pを実行したコンピュータ本体70Xは、制御部70として動作する。なお、制御プログラム75Pは、CD-ROM等の記録媒体により提供されるようにしても良い。
【0056】
画像形成装置12では、給紙に関する各種パラメータの設定を行うことが可能である。具体的には、制御部70は、図5に示すような設定画面80をUI部78に表示させ、オペレータによるエアアシストに関する各種パラメータの設定を受け付ける。
【0057】
図5に示すように、設定画面80には、エアアシスト部24の各送風部における送風条件に関する複数のパラメータを設定するための設定欄S1~S15が設けられている。
【0058】
設定欄S1は、用紙トレイ手前側右の送風機BL-1の送風強度を設定するための欄であり、送風強度の表示欄S1a、-ボタンS1b、+ボタンS1cで構成されている。図5の例では、送風強度は一例として0~13の範囲で設定可能であり、送風強度は「6」に設定されている。そして、+ボタンS1cを押下すると送風強度が大きくなり、-ボタンS1bを押下すると送風強度が小さくなる。
【0059】
また、設定欄S2は、用紙トレイ手前側右の副送風機BL-2の送風強度を設定するための欄であり、送風強度の設定方法は設定欄S1と同様である。以下同様に、設定欄S3は、用紙トレイ手前側中央の送風機BL-3の送風強度を設定するための欄である。設定欄S4は、用紙トレイ手前側左の送風機BL-4の送風強度を設定するための欄である。設定欄S5は、用紙トレイ奥側右の送風機BL-5の送風強度を設定するための欄である。設定欄S6は、用紙トレイ奥側右の副送風機BL-6の送風強度を設定するための欄である。設定欄S7は、用紙トレイ奥側中央の送風機BL-7の送風強度を設定するための欄である。設定欄S8は、用紙トレイ奥側左の送風機BL-8の送風強度を設定するための欄である。
【0060】
設定欄S9は、バキューム送風機BL-9の送風強度を設定するための欄であり、送風強度を表示する表示欄S9a、プルダウンボタンS9bで構成されている。図5の例では、送風強度は一例として大、中、小、極小の4段階で設定可能であり、送風強度は「中」に設定されている。プルダウンボタンS9bを押下すると、4段階の送風強度が表示され、その中から所望の送風強度を設定することが可能となる。
【0061】
設定欄S10は、用紙トレイ右側下向きの送風機BL-10の送風強度を設定するための欄であり、設定欄S1~S8と同様であるが、送風強度が0~6の範囲で設定可能である点が異なる。
【0062】
設定欄S11は、用紙トレイ手前側のエアナイフAR-1の送風強度を設定するための欄であり、バキューム送風機11と同様に、4段階の送風強度が設定可能である。以下同様に、設定欄S12は、用紙トレイ中央のエアナイフAR-2の送風強度を設定するための欄である。設定欄S13は、用紙トレイ奥側のエアナイフAR-3の送風強度を設定するための欄である。
【0063】
設定欄S14は、プリント開始前の送風回数を設定するための欄である。
【0064】
設定欄S15は、用紙トレイ手前側のシャッター(図示省略)の動作を設定するための欄であり、「デフォルト」、「重送補正High」、「重送補正Mid」、「重送補正Low」、「ミスフィード補正High」、「ミスフィード補正Mid」、「ミスフィード補正Low」を設定可能である。デフォルトは、画像形成装置12内部で保持する初期値である。
【0065】
また、設定画面80には、用紙の属性に関する複数のパラメータを設定するための設定欄S16~S20が設けられている。用紙の属性は、用紙の坪量、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙のコートの有無、及び用紙の厚さの少なくとも1つを含むが、本実施形態では、これら全てを含む場合について説明する。
【0066】
設定欄S16は、用紙の坪量(g/m)を設定するための欄であり、送風強度を表示する表示欄S16a、-ボタンS16b、+ボタンS16cで構成されている。図5の例では、坪量は一例として52~450(g/m)の範囲で設定可能であり、坪量は「90」に設定されている。そして、+ボタンS16cを押下すると坪量が大きくなり、-ボタンS16bを押下すると坪量が小さくなる。
【0067】
設定欄S17は、用紙のサイズを設定するための欄であり、設定欄S17を押下することにより、予め定めた複数種類の用紙のサイズから所望の用紙のサイズを設定可能である。
【0068】
設定欄S18は、用紙の種類を設定するための欄であり、用紙の種類を表示する表示欄S18a、プルダウンボタンS18bで構成されている。プルダウンボタンS18bを押下することにより、普通紙、光沢紙等、複数種類の用紙の中から所望の用紙の種類を設定可能である。
【0069】
設定欄S19は、用紙のコートの有無を設定するための欄であり、用紙のコートの種類を表示する表示欄S19a、プルダウンボタンS19bで構成されている。プルダウンボタンS19bを押下することにより、コート紙か非コート紙かを設定可能である。
【0070】
設定欄S20は、用紙の厚さを設定するための欄であり、送風強度を表示する表示欄S20a、-ボタンS20b、+ボタンS20cで構成されている。+ボタンS20cを押下することで厚さを厚くすることができ、-ボタンS20bを押下することで厚さを薄くすることができる。なお、ラジオボタンR1を押下することで厚さのサイズの単位をインチに設定することができ、ラジオボタンR2を押下することで厚さのサイズの単位をミリメートルに設定することができる。
【0071】
設定欄S21は、抑制するジャム、すなわち給紙時に抑制したいエラーの種類を設定するための欄であり、抑制するジャムの種類を表示する表示欄S21a、プルダウンボタンS21bで構成されている。エラーの種類は、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方を含むが、本実施形態では、エラーの種類がミスフィードジャム及び重送の両方を含む場合について説明する。本実施形態では、プルダウンボタンS21bを押下することにより、一例として「デフォルト」、「ミスフィードジャム」、「重送」の3種類から設定可能である。ここでは、「デフォルト」は、エラー無し、すなわち給紙時にミスフィードジャム等のエラーが発生しなかったことを表す。「ミスフィードジャム」は、用紙トレイから給紙されなかったエラーを表す。「重送」は、複数の用紙が重なって給紙されたエラーを表す。
【0072】
オペレータは、印刷の事前設定として、設定欄S1~S20に各種パラメータを設定し、テスト給紙ボタンB1を押下してテスト給紙を実行する。そして、ミスフィードジャム等のエラーが発生した場合には、エアアシストに関する各種パラメータを設定するための設定欄S1~S15に設定されているパラメータのうち少なくとも1つのパラメータを変更し、再度テスト給紙を行うことが可能である。そして、エラーが発生しなくなった場合に、本番の印刷を行う。本番の印刷を行ったときの各種パラメータは、推奨値データ75Dとして記憶部75に記憶される。そして、オペレータが推奨値適用ボタンB2を押下すると、制御部70は、記憶部75から推奨値データ75Dを読み込んで設定欄S1~S15に各種パラメータを表示し、オペレータに提示する。
【0073】
ここで、エラーが発生した場合に、オペレータがエアアシストに関する各種パラメータを設定するのは煩雑である。このため、本実施形態では、テスト給紙を行った際にエラーが発生した場合、エアアシストに関する各種パラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを設定欄S1~S15に提示する。
【0074】
なお、補正パラメータは予め定めた計算式によって計算される。例えば、計算式は、過去にエラーが発生したときのエアアシストに関する各種パラメータに基づいて、過去にエラーが発生したときのエアアシストに関する各種パラメータと異なるパラメータを補正パラメータとして算出する計算式である。
【0075】
そして、補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、補正パラメータで送風機BL1~BL10、エアナイフAR1~AR3から送風させて用紙収納部22から給紙させる。そして、エラーが発生しなかった場合は、エアアシストに関する各種パラメータを推奨値データ75Dとして記憶部75に記憶する。なお、推奨値データ75Dは、用紙の種類に関するパラメータ毎に記憶される。すなわち、設定欄S16~S20に設定されたパラメータ毎に推奨値データ75Dが記憶部75に記憶される。
【0076】
このように、テスト給紙においてエラーが発生した場合に、補正パラメータを提示するので、その都度オペレータがパラメータを設定し直す必要がない。このため、エアアシストに関する各種パラメータを個別に設定する場合と比較して、エアアシストに関する各種パラメータを容易に設定することができる。
【0077】
次に、本実施形態の画像形成装置12で実行される給紙支援処理について詳細に説明する。
【0078】
画像形成装置12では、制御部70により画像形成装置12全体が制御される。本実施形態では、画像形成装置12において画像形成処理を実行する際に、エアアシストに関する各種パラメータの設定に要する作業量の低減を図るため、各種パラメータを補正した補正パラメータを提示することによりテスト給紙における各種パラメータの設定を支援する。
【0079】
図6は、画像形成装置12においてエアアシストに関する各種パラメータの設定の支援を行う給紙支援処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す給紙支援処理は、画像形成以前に実行される。なお、図6に示す制御処理は、UI部78を介してオペレータからテスト給紙の指示を受け付けた場合に、CPU71が記憶部75から制御プログラム75Pを読み込むことにより実行される。
【0080】
ステップS100では、CPU71が、図5に示す設定画面80をUI部78に表示し、オペレータに、テスト給紙を行う用紙の属性に関する複数のパラメータを設定させる。すなわち、オペレータに、用紙の属性に関する複数のパラメータを設定するための設定欄S16~S20にパラメータを各々設定させる。オペレータは、設定欄S16~S20にパラメータを各々設定し、推奨値適用ボタンB2を押下する。
【0081】
ステップS101では、CPU71が、推奨値適用ボタンB2が押下されたか否かを判定する。そして、推奨値適用ボタンB2が押下された場合はステップS102へ移行し、推奨値適用ボタンB2が押下されていない場合は、推奨値適用ボタンB2が押下されるまで待機する。
【0082】
ステップS102では、CPU71が、設定欄S16~S20に設定された用紙の属性に関するパラメータに対応する推奨値データ75Dを記憶部75から読み出して設定欄S1~S15に表示する。なお、記憶部75に推奨値データ75Dがまだ記憶されていない場合は、予め定めたパラメータを推奨値データ75Dとして設定欄S1~S15に表示する。
【0083】
ステップS103では、CPU71が、テスト給紙が指示されたか否か、すなわちテスト給紙ボタンB1が押下されたか否かを判定する。そして、テスト給紙ボタンB1が押下された場合はステップS106へ移行し、テスト給紙ボタンB1が押下されていない場合はステップS104へ移行する。
【0084】
ステップS104では、CPU71が、設定欄S1~S15に表示されたパラメータの少なくとも1つが変更されたか否かを判定する。そして、設定欄S1~S15に表示されたパラメータの少なくとも1つが変更された場合はステップS105へ移行し、設定欄S1~S15に表示されたパラメータの何れも変更されていない場合は、ステップS103へ移行する。
【0085】
ステップS105では、CPU71が、変更したパラメータを記憶部75に記憶する。
【0086】
ステップS106では、CPU71が、設定欄S16~S20に設定された用紙の属性に対応する用紙が収容された用紙収納部22から給紙されるように制御する。このとき、エアアシスト部24の送風機BL-1~BL-10、エアナイフAR-1~AR-3、シャッターSTは、設定欄S1~S15に設定されたパラメータに従って制御される。
【0087】
ステップS107では、CPU71が、ステップS106で実行したテスト給紙においてエラーが発生したか否かを判定する。すなわち、ミスフィードジャム又は重送が発生したか否かを判定する。そして、ミスフィードジャム及び重送の何れも発生していない場合はステップS108へ移行し、ミスフィードジャム又は重送が発生した場合はステップS109へ移行する。
【0088】
ステップS108では、CPU71が、設定欄S1~S15に設定されているパラメータの各々を推奨値データ75Dとして記憶部75に記憶する。
【0089】
ステップS109では、CPU71が、発生したエラーの種類に対応して設定欄S1~S15に設定されているパラメータを補正した補正パラメータを予め定めた計算式を用いて算出し、算出した補正パラメータを設定欄S1~S15に表示する。
【0090】
このように、本実施形態では、用紙収納部22に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援するエアアシスト部24の複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、複数のパラメータで複数の送風部から送風させて用紙収納部22から給紙させ、用紙収納部22から給紙させた際にエラーが発生した場合、複数のパラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを提示し、提示された補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、補正パラメータで複数の送風部から送風させて用紙収納部22から給紙させる。そして、このような処理を、エラーが発生しなくなるまで繰り返す。これにより、用紙収納部22に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関するパラメータを個別に設定する場合と比較して、複数の送風部のパラメータを容易に設定することができる。
【0091】
なお、本実施形態では、中間転写体を備えた画像形成装置12について詳細に説明したがこれに限らず、例えば、タンデム方式等の中間転写体を備えない画像形成装置であってもよい。また、本実施形態では、光ビームにより静電潜像(画像)を形成する画像形成装置12について詳細に説明したがこれに限らず、例えば、インクジェット方式等の光ビームを用いない画像形成装置であってもよい。
【0092】
[その他の形態]
【0093】
上記では、本開示の技術を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である。
【0094】
また、上記実施の形態では、記憶部に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、プログラムの処理をハードウェアで実現してもよい。
【0095】
さらに、上記実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
【0096】
本開示において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0097】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0098】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0099】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、
提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させ、
前記用紙収納部から給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの少なくとも1つを補正した補正パラメータを提示し、
提示された前記補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記用紙収納部から給紙させる
給紙支援装置。
【0100】
(((2)))
前記プロセッサは、
エラーが発生しなかった場合の前記パラメータを記憶部に記憶しておき、前記記憶部に記憶した前記パラメータを推奨値として提示する
(((1)))記載の給紙支援装置。
【0101】
(((3)))
前記プロセッサは、
エラーの種類に応じて前記パラメータを補正する
(((1)))又は (((2)))記載の給紙支援装置。
【0102】
(((4)))
前記エラーの種類は、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方を含む
(((3)))記載の給紙支援装置。
【0103】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記用紙の属性に応じて前記パラメータを補正する
(((1)))~ (((4)))の何れか1項に記載の給紙支援装置。
【0104】
(((6)))
前記用紙の属性は、前記用紙の坪量、前記用紙のサイズ、前記用紙の種類、前記用紙のコートの有無、及び前記用紙の厚さの少なくとも1つを含む
(((5)))記載の給紙支援装置。
【0105】
(((7)))
給紙装置に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関する複数のパラメータを提示し、
提示された複数のパラメータによるテスト給紙が指示された場合に、前記複数のパラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させ、
前記給紙装置に給紙させた際にエラーが発生した場合、前記複数のパラメータの各々を補正した複数の補正パラメータを提示し、
提示された複数の補正パラメータによるテスト給紙が指示された場合に、複数の補正パラメータで前記複数の送風部から送風させて前記給紙装置から給紙させる
ことを含む処理を実行させる給紙支援プログラム。
【0106】
(((1)))及び(((7)))によれば、用紙収納部に収容された用紙に対して送風することにより給紙を支援する複数の送風部の送風条件に関するパラメータを個別に設定する場合と比較して、複数の送風部のパラメータを容易に設定することができる、という効果を有する。
【0107】
(((2)))によれば、エラーが発生しなかった場合のパラメータを記憶部に記憶しない場合と比較して、オペレータにパラメータの推奨値を速やかに提示することができる、という効果を有する。
【0108】
(((3)))によれば、エラーの種類に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、エラーの種類に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0109】
(((4)))によれば、エラーの種類に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、ミスフィードジャム及び重送の少なくとも一方に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0110】
(((5)))によれば、用紙の属性に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、用紙の属性に応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【0111】
(((6)))によれば、用紙の属性に関係なくパラメータを補正する場合と比較して、用紙の坪量、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙のコートの有無、及び用紙の厚さの少なくとも1つに応じて適切な補正パラメータを提示することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0112】
10 画像形成システム
11 バキューム送風機
12 画像形成装置
20 画像形成部
22 用紙収納部
24 エアアシスト部
70 制御部
75D 推奨値データ
75P 制御プログラム
AR-1~AR-3 エアナイフ
BL-1~BL-10 送風機
S1~S20 設定欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6