(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048192
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240401BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N1/387
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154096
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 龍也
【テーマコード(参考)】
2C187
5C076
【Fターム(参考)】
2C187AC06
2C187AD14
2C187AF03
2C187BF41
2C187GA06
5C076AA12
5C076BA06
5C076CA08
(57)【要約】
【課題】文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする情報処理装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置2のCPU20Aは、文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、
検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する
処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記描画指定情報が所定のパターンでの塗りつぶしであり、前記パターンが特色での塗りつぶしに変換するための予め設定されたパターンと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め設定されたパターンは、所定の色での塗りつぶしである、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予め設定されたパターンは、所定の模様での塗りつぶしである、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記描画指定情報がグラデーションでの描画であり、前記グラデーションのルールが特色での塗りつぶしに変換するためのルールと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ルールは、グラデーションの開始色、終了色及び変化量の情報を含む、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、
検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、原稿データに特色記録剤を用いて印刷を行う領域を特定する指示色で示される特定のオブジェクトが存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて存在すると判定された特定のオブジェクトを示す前記指示色を取得する取得手段と、前記判定手段にて存在すると判定された特定のオブジェクトを前記原稿データから除去する除去手段と、前記除去手段にて前記特定のオブジェクトが除去された前記原稿データの残りのオブジェクトのうち、前記取得した指示色と同一の色で示されるオブジェクトについて、前記特色記録剤を用いて印字させる描画コマンドを発行する発行手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特色で印刷させる文書を、特色に対応していないアプリケーションで作成する場合、プリンタドライバの設定画面を開いて特色の箇所を指定したり、実際に特色に置き換わっているかプレビュー画面で確認したりすることは文書の作成効率の低下を招き、作業ミスにも繋がる。また1つの文書中で扱う特色の数が増えるほど、特色指定の難度が上がる。
【0005】
本発明は、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する処理を実行する。
【0007】
本発明の第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記描画指定情報が所定のパターンでの塗りつぶしであり、前記パターンが特色での塗りつぶしに変換するための予め設定されたパターンと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する。
【0008】
本発明の第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置であって、前記予め設定されたパターンは、所定の色での塗りつぶしである。
【0009】
本発明の第4態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置であって、前記予め設定されたパターンは、所定の模様での塗りつぶしである。
【0010】
本発明の第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記描画指定情報がグラデーションでの描画であり、前記グラデーションのルールが特色での塗りつぶしに変換するためのルールと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する。
【0011】
本発明の第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置であって、前記ルールは、グラデーションの開始色、終了色及び変化量の情報を含む。
【0012】
本発明の第7態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様によれば、特色に変換する対象となる描画指定情報を設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
【0014】
本発明の第2態様によれば、特色で描画するためのパターンを設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
【0015】
本発明の第3態様によれば、所定の色での塗りつぶしが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
【0016】
本発明の第4態様によれば、所定の模様での塗りつぶしが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
【0017】
本発明の第5態様によれば、特色で描画するためのグラデーションのルールを設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
【0018】
本発明の第6態様によれば、開始色、終了色及び変化量に合致するグラデーションが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
【0019】
本発明の第7態様によれば、特色に変換する対象となる描画指定情報を設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図5】画像形成装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図6】画像形成装置による画像処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】塗りつぶし設定と特色用のパターンとの関係例を示す図である。
【
図8】塗りつぶし設定と特色用のパターンとの関係例を示す図である。
【
図9】特色用のグラデーションの特色への置き換えの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0022】
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。
【0023】
本実施形態に係る画像処理システムは、
図1に示すように、情報処理装置1と、画像形成装置2とを備えている。なお、本実施形態では、情報処理装置1及び画像形成装置2をそれぞれ1つのみ示すが、本発明ではそれぞれ複数備えてもよい。また、情報処理装置1としては、パーソナルコンピュータを適用してもよいし、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末を適用してもよい。
【0024】
情報処理装置1及び画像形成装置2は、LAN(Local Area Network)、イントラネット等の通信回線3に各々接続されている。情報処理装置1及び画像形成装置2は、通信回線3を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。
【0025】
画像形成装置2は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーを用いて画像形成を行うだけでなく、光輝性トナー、白トナー、及び透明トナー等の特色トナーを用いた特色で画像形成を可能とする装置である。
【0026】
本実施形態に係る画像形成装置2は、情報処理装置1での文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にするよう構成されている。以下、情報処理装置1及び画像形成装置2について詳細に説明する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、特色の描画として指定された箇所を特色描画するための画像処理プログラムが格納されている。
【0030】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0031】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0032】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0033】
通信インタフェース17は、画像形成装置2等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0034】
上記の情報処理プログラムを実行する際に、情報処理装置1は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置1が実現する機能構成について説明する。
【0035】
図3は、情報処理装置1の機能構成の例を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、情報処理装置1は、機能構成として、文書編集部101および出力部102を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された画像処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0037】
文書編集部101は、情報処理装置1上で文書データをユーザに編集させるためのユーザインタフェースを提供する。文書編集部101が提供するユーザインタフェースによって編集された文書データは、画像形成装置2での画像形成における描画対象となりうる。ユーザは、文書編集部101が提供するユーザインタフェースによって、特色での描画内容を指定する情報である描画指定情報を含むオブジェクトを作成することができる。描画指定情報の例は後述するが、本実施形態では、所定の色、又は所定のパターンのグラデーションでの塗りつぶしを指定する情報を描画指定情報とする。
【0038】
出力部103は、通信回線3を通じて、文書編集部101が提供するユーザインタフェースによって編集された文書データを印刷するための印刷コマンドを画像形成装置2へ出力する。画像形成装置2は、情報処理装置1から出力された文書データを印刷するための印刷コマンドに基づいて画像形成処理を行う。
【0039】
図4は、本実施形態に係る画像形成装置2の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態に係る画像形成装置2は、
図4に示すように、CPU20A、ROM20B、及びRAM20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置2の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置2は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0041】
一方、本実施形態に係る画像形成装置2は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD26を備えている。また、画像形成装置2は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置2は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置2では、HDD26、表示制御部28、及び操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施形態に係る画像形成装置2では、HDD26を備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を備えてもよい。本実施形態では、RAM20CまたはHDD26には、特色の描画として指定された箇所を特色描画するための画像処理プログラムが格納されている。
【0042】
また、本実施形態に係る画像形成装置2は、原稿読取部46による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。画像形成部24は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーを用いて画像形成を行うだけでなく、光輝性トナー、白トナー、及び透明トナー等の特色トナーを用いた特色で画像形成を行う。
【0043】
また、画像形成装置2は、通信回線3に接続され、当該通信回線3に接続された情報処理装置1等の他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線インタフェース(通信回線I/F)部36、及び各種画像処理を行う画像処理部44を備えている。また、画像形成装置2は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部38を備えている。
【0044】
また、画像形成装置2は、ファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置2では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線インタフェース部36、ファクシミリインタフェース部38、及び画像処理部44がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0045】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置2は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置2は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置2は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部46及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置2は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線インタフェース部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置2は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置2は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。なお、以下では、用紙に画像を形成することを印刷と称する場合がある。
【0046】
上述した情報処理装置1による画像処理は、画像形成装置2において行われてもよい。次に、画像形成装置2の機能構成について説明する。
【0047】
図5は、画像形成装置2の機能構成の例を示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、画像形成装置2は、機能構成として、取得部201、変換部202および出力部203を有する。各機能構成は、CPU20AがROM20BまたはHDD26に記憶された画像処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0049】
取得部201は、通信回線3を通じて、情報処理装置1によって編集された文書データを取得する。
【0050】
変換部202は、取得部201が取得した文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出する。そして変換部202は、検出した描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、文書データの出力時に、描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する。
【0051】
変換部202は、検出した描画指定情報が所定のパターンでの塗りつぶしであり、当該パターンが特色での塗りつぶしに変換するためのパターンと一致していれば、取得部201が取得した文書データの描画指定情報を対応する特色塗りつぶし情報に変換する。予め設定されたパターンは、所定の色での塗りつぶしであってもよく、所定の模様での塗りつぶしであってもよい。
【0052】
変換部202は、検出した描画指定情報がグラデーションでの描画であり、グラデーションのルールが特色での塗りつぶしに変換するためのルールと一致していれば、取得部201が取得した文書データの描画指定情報を対応する特色塗りつぶし情報に変換する。当該ルールは、グラデーションの開始色、終了色及び変化量の情報を含んでもよい。
【0053】
出力部203は、変換部202によって変換された文書データを、画像形成制御部34を介して画像形成部24に出力し、文書データに基づいた画像形成を画像形成部24に実行させる。
【0054】
次に、画像形成装置2の作用について説明する。
【0055】
図6は、画像形成装置2による画像処理の流れを示すフローチャートである。CPU20AがROM20B又はHDD26から画像処理プログラムを読み出して、RAM20Cに展開して実行することにより、画像処理が行なわれる。
【0056】
CPU20Aは、ステップS101において、出力対象の文書データを読み込む。
【0057】
ステップS101に続いて、CPU20Aは、ステップS102において、文書データの残データがあるかどうか判断する。
【0058】
ステップS102の判断の結果、文書データの残データが無ければ(ステップS102;No)、CPU20Aは一連の処理を終了する。
【0059】
ステップS102の判断の結果、文書データの残データがあれば(ステップS102;Yes)、続いてCPU20Aは、ステップS103において、文書データの解釈を行う。
【0060】
ステップS103に続いて、CPU20Aは、ステップS104において、特色用のグラデーションを特色に置き換えるフラグであるFlagがtrueになっているかどうか判断する。
【0061】
ステップS104の判断の結果、Flagがtrueで無ければ(ステップS104;No)、続いてCPU20Aは、ステップS105において、解釈した文書データが塗りつぶしの設定がされているものであるかどうか判断する。
【0062】
ステップS105の判断の結果、解釈した文書データが塗りつぶし設定がされているもので無ければ(ステップS105;No)、続いてCPU20Aは、ステップS106において、解釈した文書データをそのまま処理した後、ステップS101に戻って文書データの読み込みを継続する。
【0063】
一方、ステップS105の判断の結果、解釈した文書データが塗りつぶし設定がされているものであれば(ステップS105;Yes)、続いてCPU20Aは、ステップS107において、塗りつぶし設定が特色用のパターンに一致しているかどうか判断する。
【0064】
図7は、塗りつぶし設定と特色用のパターンとの関係例を示す図である。
図7の例1では、「PAT-02」の塗りつぶしが特色のピンクへ置き換えるよう設定されている例が示されている。また、
図7の例1では、「PAT-02」の塗りつぶしが特色のピンクへ置き換えるよう設定され、「PAT-03」の塗りつぶしが特色の金へ置き換えるよう設定されている例が示されている。
【0065】
また
図7には、情報処理装置1から画像形成装置2へ送られる印刷コマンドが抜粋して示されている。印刷コマンドにおいて「塗りつぶし PAT-02 矩形描画」という内容が含まれていれば、CPU20Aは、この部分を特色のピンクへ置き換えるよう印刷コマンドを処理する。
【0066】
図8は、塗りつぶし設定と特色用のパターンとの関係例を示す図である。
図8では、「PAT-SPOT-1」として登録されている塗りつぶしが特色のピンクへ置き換えるよう設定されている例が示されている。また、
図8では、「PAT-SPOT-2」として登録されている塗りつぶしが特色の金へ置き換えるよう設定されている例が示されている。
【0067】
また
図8には、情報処理装置1から画像形成装置2へ送られる印刷コマンドが抜粋して示されている。印刷コマンドにおいて「パターン登録 PAT-SPOT-1 01011010 塗りつぶし PAT-SPOT-1 矩形描画」という内容が含まれていれば、CPU20Aは、この部分を特色のピンクへ置き換えるよう印刷コマンドを処理する。
【0068】
ステップS107の判断の結果、塗りつぶしが特色用のパターンに一致していなければ(ステップS107;No)、続いてCPU20Aは、ステップS108において、特色用のグラデーションの特色への置き換えを開始できるかどうか判断する。CPU20Aは、特色用のグラデーションの特色への置き換えを開始できるかどうかの判断を、グラデーションの開始点(例えば左上)が特色への置き換えルールに一致しているかどうかで行う。
【0069】
ステップS108の判断の結果、特色用のグラデーションの特色への置き換えを開始できなければ(ステップS108;No)、続いてCPU20Aは、ステップS106において、解釈した文書データをそのまま処理した後、ステップS101に戻って文書データの読み込みを継続する。
【0070】
一方、ステップS108の判断の結果、特色用のグラデーションの特色への置き換えを開始できれば(ステップS108;Yes)、続いてCPU20Aは、ステップS109において、特色用のグラデーションを特色に置き換えるフラグであるFlagをtrueに設定する。
【0071】
上記ステップS104の判断の結果、Flagがtrueであれば(ステップS104;Yes)、続いてCPU20Aは、ステップS110において、特色用のグラデーションを特色へ置き換える変換処理が継続できるかどうかを判断する。CPU20Aは、特色用のグラデーションを特色へ置き換える変換処理が継続できるかどうかの判断を、グラデーションの変化量が特色への置き換えルールに一致しているかどうかで行う。
【0072】
図9は、特色用のグラデーションの特色への置き換えの例を示す図である。
図9では、「GRAD-SPOT-1」として登録されているグラデーションが特色の金へ置き換えるよう設定されている例が示されている。このグラデーションの設定は、開始座標、終了座標、グラデーションのステップを含んでいる。
【0073】
また
図9には、情報処理装置1から画像形成装置2へ送られる印刷コマンドが抜粋して示されている。印刷コマンドにおいて
図9に示した内容が含まれていれば、CPU20Aは、この部分が特色の金へ置き換える設定と一致しているかどうか逐次判断し、特色へ置き換える設定と一致していれば、グラデーションを特色の金へ置き換えるよう印刷コマンドを処理する。
【0074】
ステップS110の判断の結果、特色用のグラデーションを特色へ置き換える変換処理を継続できなければ(ステップS110;No)、CPU20Aは、ステップS111において、スプールしていた文書データを出力し、特色用のグラデーションを特色に置き換えるフラグであるFlagをfalseに設定する。
【0075】
一方、ステップS110の判断の結果、特色用のグラデーションを特色へ置き換える変換処理を継続できれば(ステップS110;Yes)、CPU20Aは、ステップS112において、文書データをスプールする。また、ステップS109に続いて、CPU20Aは、ステップS112において、文書データをスプールする。
【0076】
ステップS112に続いて、CPU20Aは、ステップS113において、特色用のグラデーションの変換パターンが終了したかどうかを判断する。
【0077】
ステップS113の判断の結果、特色用のグラデーションの変換パターンが終了していなければ(ステップS113;No)、CPU20Aは、ステップS101に戻って文書データの読み込みを継続する。
【0078】
一方、ステップS113の判断の結果、特色用のグラデーションの変換パターンが終了していれば(ステップS113;Yes)、CPU20Aは、ステップS114において、スプールしたデータを変換して出力し、Flagをfalseに変更する。
【0079】
ステップS114に続いて、CPU20Aは、ステップS115において、グラデーションを特色へ置き換えて出力した後、ステップS101に戻って文書データの読み込みを継続する。また、ステップS107の判断の結果、塗りつぶしが特色用のパターンに一致していれば(ステップS107;Yes)、CPU20Aは、ステップS115において、塗りつぶしを特色へ置き換えて出力した後、ステップS101に戻って文書データの読み込みを継続する。
【0080】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した画像処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、画像処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0081】
また、上記各実施形態では、画像処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0082】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0083】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0084】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、
検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する
処理を実行する、情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、前記描画指定情報が所定のパターンでの塗りつぶしであり、前記パターンが特色での塗りつぶしに変換するための予め設定されたパターンと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する、(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記予め設定されたパターンは、所定の色での塗りつぶしである、(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記予め設定されたパターンは、所定の模様での塗りつぶしである、(((2)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、前記描画指定情報がグラデーションでの描画であり、前記グラデーションのルールが特色での塗りつぶしに変換するためのルールと一致していれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対応する前記特色塗りつぶし情報に変換して出力する、(((1)))に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記ルールは、グラデーションの開始色、終了色及び変化量の情報を含む、(((5)))に記載の情報処理装置。
(((7)))
コンピュータに、
文書データ中の描画内容を指定する情報である描画指定情報を検出し、
検出した前記描画指定情報が特色での塗りつぶしへの変換対象であれば、前記文書データの出力時に、前記描画指定情報を対象の特色での塗りつぶしを行う情報である特色塗りつぶし情報に変換して出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【0085】
(((1)))に係る情報処理装置によれば、特色に変換する対象となる描画指定情報を設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
(((2)))に係る情報処理装置によれば、特色で描画するためのパターンを設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
(((3)))に係る情報処理装置によれば、所定の色での塗りつぶしが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
(((4)))に係る情報処理装置によれば、所定の模様での塗りつぶしが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
(((5)))に係る情報処理装置によれば、特色で描画するためのグラデーションのルールを設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
(((6)))に係る情報処理装置によれば、開始色、終了色及び変化量に合致するグラデーションが特色での塗りつぶしであることを明示させることができる。
(((7)))に係るコンピュータプログラムによれば、特色に変換する対象となる描画指定情報を設定させることにより、文書の編集中に画面又はウインドウの遷移を伴わずに特色箇所の指定及び確認を可能にする。
【符号の説明】
【0086】
1 情報処理装置
2 画像形成装置
3 通信回線