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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048211
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】積層平海苔束結束装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 27/08 20060101AFI20240401BHJP
   A23L 17/60 20160101ALI20240401BHJP
【FI】
B65B27/08 Z
A23L17/60 103F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154124
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】593146268
【氏名又は名称】ニシハツ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉丸 泰治
(72)【発明者】
【氏名】吉丸 郁郎
【テーマコード(参考)】
3E052
4B019
【Fターム(参考)】
3E052AA33
3E052BA11
3E052CA20
3E052CB03
3E052CB05
3E052CB07
3E052JA02
3E052KA20
3E052LA14
4B019LT72
4B019LT73
4B019LT77
4B019LT79
(57)【要約】
【課題】 巻紙を施した積層平海苔束を吊り上げられるようにすること及び確実に動作する安価な積層平海苔束結束装置を提供すること、巻紙にしわが寄らないようにすること並びに巻紙帯掛け平海苔束を確実に載置板の上に載置できるようにすること。
【解決手段】 積層平海苔束を搬入する上流側搬送手段3の下流側に設置され搬送方向に対して直交方向へ移動可能な載置板、巻紙19を供給する巻紙供給手段4、積層平海苔束を圧縮する押圧板16、巻紙19を押圧板16の上面に被せて固定する巻紙固定手段17、載置板、積層平海苔束、押圧板16及び巻紙固定手段17を直交方向に移動させる直交方向移動手段及び元の位置に戻す復帰手段、載置板や押圧板16等の周囲に帯を掛ける帯掛け手段27並びに巻紙帯掛け平海苔束を載置板の上に置く押し戻し手段29及び載置板の上から下流側に搬送する下流側搬送手段6からなる積層平海苔束結束装置1。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層平海苔束を搬入する上流側搬送手段と、
前記上流側搬送手段の下流側に設置され、前記上流側搬送手段の搬送方向に対して直角に交わる直交方向へ移動可能な載置板と、
前記載置板の上面及び下流側に巻紙を供給する巻紙供給手段と、
前記巻紙供給手段から供給された巻紙及び前記上流側搬送手段から搬出された積層平海苔束を前記載置板との間で圧縮するとともに、圧縮状態で前記直交方向に移動できるようにするため、上下方向及び前記直交方向に移動可能な押圧板と、
前記圧縮状態において、前記巻紙を前記載置板の下流側から前記押圧板の上面に被せて前記載置板及び前記押圧板の周囲に帯掛けがされるまで固定する巻紙固定手段と、
前記圧縮状態、かつ、前記巻紙が前記巻紙固定手段で固定されている状態において、前記載置板、前記積層平海苔束、前記押圧板及び前記巻紙固定手段を前記直交方向に移動させる直交方向移動手段と、
前記載置板、前記積層平海苔束、前記押圧板及び前記巻紙固定手段が前記直交方向に移動した状態において、前記載置板及び前記押圧板の周囲に帯を掛ける帯掛け手段と、
前記載置板及び前記押圧板の周囲に前記帯が掛けられたら、前記巻紙固定手段を元の位置に戻し、前記載置板及び前記押圧板を引き抜いて元の位置に戻す復帰手段と、
前記積層平海苔束が前記巻紙で包まれ前記巻紙の周囲に前記帯が掛けられた巻紙帯掛け平海苔束を、前記載置板の上に載せる押し戻し手段と、
前記巻紙帯掛け平海苔束を、前記載置板の上から下流側に搬送する下流側搬送手段と、を備えている
ことを特徴とする積層平海苔束結束装置。
【請求項2】
前記巻紙を前記載置板の下流側から前記押圧板の上面に被せた後に、前記巻紙を前記押圧板上面において、下流側から上流側へ押し延ばす巻紙押し延ばし手段を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の積層平海苔束結束装置。
【請求項3】
前記復帰手段は、前記載置板及び前記押圧板の周囲に前記帯が掛けられたら、前記巻紙固定手段を元の位置に戻し、前記載置板を引き抜いて前記直交方向に移動した位置と元の位置との間の一時待機位置に戻し、前記押圧板を引き抜いて元の位置に戻した後、前記押し戻し手段で前記巻紙帯掛け平海苔束を前記載置板の上に載置させ、前記押圧板で前記巻紙帯掛け平海苔束を圧縮し、前記押し戻し手段を元の位置に戻し、前記押圧板及び前記載置板を元の位置に戻す
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層平海苔束結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層した平海苔束を文庫巻きし、結束するための積層平海苔束結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乾海苔は平海苔束(通常は10枚の束)を二つ折りして結束した形態で出荷されることが多いが、近年、二つ折りして結束した形態だけではなく、二つ折りせずに平海苔束の形態での出荷が求められることも増加しつつある。
そこで、本出願人は、特許文献1(特開2007-297063号公報)及び特許文献2(特開2019-6495号公報)に記載されているように、複数の平海苔束を積層した積層平海苔束を製造する積層平海苔束結束装置を開発している。
また、様々な対象物に対して細長いテープによる帯掛けを行うことができる装置として、特許文献3(特開2004-18059号公報)及び特許文献4(特開2007-91307号公報)に記載されるような帯掛け機や結束機が普及している。
【0003】
そして、特許文献1に記載されている積層平海苔束結束装置で用いる結束紙は、積層平海苔束の1/3~同程度の幅のものであって、結束後に積層平海苔束の形が崩れるのを防ぐことができ、特許文献2に記載されている積層平海苔束の製造装置で用いる紙Pは、積層平海苔束と同程度の幅があるため、紙Pを巻いた後で切断することができる(特許文献1の段落0030及び特許文献2の段落0033~0037、図6~10を参照)。
しかし、これらの装置においては、結束紙や紙Pの幅が広く海苔束を直接結束しているために、結束紙や紙Pを利用して積層平海苔束を吊り上げることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-297063号公報(特許第4965892号公報)
【特許文献2】特開2019-6495号公報(特許第6945222号公報)
【特許文献3】特開2004-18059号公報
【特許文献4】特開2007-91307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許文献1及び2に記載されている装置を改良し、巻紙を施した積層平海苔束に帯を掛け、積層平海苔束を吊り上げられるようにすること、及び積層平海苔束に帯を掛ける際に、普及している帯掛け機や結束機を利用することにより確実に動作し、かつ、費用対効果が高い積層平海苔束結束装置を提供することを第1の課題としている。
また、巻紙を施す際にしわが寄らないようにすることを第2の課題とし、帯を掛けた積層平海苔束を確実に載置板の上に載置できるようにすることを第3の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、積層平海苔束を搬入する上流側搬送手段と、
前記上流側搬送手段の下流側に設置され、前記上流側搬送手段の搬送方向に対して直角に交わる直交方向へ移動可能な載置板と、
前記載置板の上面及び下流側に巻紙を供給する巻紙供給手段と、
前記巻紙供給手段から供給された巻紙及び前記上流側搬送手段から搬出された積層平海苔束を前記載置板との間で圧縮するとともに、圧縮状態で前記直交方向に移動できるようにするため、上下方向及び前記直交方向に移動可能な押圧板と、
前記圧縮状態において、前記巻紙を前記載置板の下流側から前記押圧板の上面に被せて前記載置板及び前記押圧板の周囲に帯掛けがされるまで固定する巻紙固定手段と、
前記圧縮状態、かつ、前記巻紙が前記巻紙固定手段で固定されている状態において、前記載置板、前記積層平海苔束、前記押圧板及び前記巻紙固定手段を前記直交方向に移動させる直交方向移動手段と、
前記載置板、前記積層平海苔束、前記押圧板及び前記巻紙固定手段が前記直交方向に移動した状態において、前記載置板及び前記押圧板の周囲に帯を掛ける帯掛け手段と、
前記載置板及び前記押圧板の周囲に前記帯が掛けられたら、前記巻紙固定手段を元の位置に戻し、前記載置板及び前記押圧板を引き抜いて元の位置に戻す復帰手段と、
前記積層平海苔束が前記巻紙で包まれ前記巻紙の周囲に前記帯が掛けられた巻紙帯掛け平海苔束を、前記載置板の上に載せる押し戻し手段と、
前記巻紙帯掛け平海苔束を、前記載置板の上から下流側に搬送する下流側搬送手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の積層平海苔束結束装置において、
前記巻紙を前記載置板の下流側から前記押圧板の上面に被せた後に、前記巻紙を前記押圧板上面において、下流側から上流側へ押し延ばす巻紙押し延ばし手段を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の積層平海苔束結束装置において、
前記復帰手段は、前記載置板及び前記押圧板の周囲に前記帯が掛けられたら、前記巻紙固定手段を元の位置に戻し、前記載置板を引き抜いて前記直交方向に移動した位置と元の位置との間の一時待機位置に戻し、前記押圧板を引き抜いて元の位置に戻した後、前記押し戻し手段で前記巻紙帯掛け平海苔束を前記載置板の上に載置させ、前記押圧板で前記巻紙帯掛け平海苔束を圧縮し、前記押し戻し手段を元の位置に戻し、前記押圧板及び前記載置板を元の位置に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明の積層平海苔束結束装置は、圧縮状態、かつ、巻紙が巻紙固定手段で固定されている状態において、載置板、積層平海苔束、押圧板及び巻紙固定手段を直交方向に移動させる直交方向移動手段と、載置板、積層平海苔束、押圧板及び巻紙固定手段が直交方向に移動した状態において、載置板及び押圧板の周囲に帯を掛ける帯掛け手段と、載置板及び押圧板の周囲に帯が掛けられたら、巻紙固定手段を元の位置に戻し、載置板及び押圧板を引き抜いて元の位置に戻す復帰手段と、積層平海苔束が巻紙で包まれ巻紙の周囲に帯が掛けられた巻紙帯掛け平海苔束を載置板の上に載せる押し戻し手段を備えているため、巻紙を施した積層平海苔束に帯を掛け、積層平海苔束を吊り上げられるようにすることができ、普及している帯掛け機や結束機を利用して積層平海苔束への帯掛けが行えるので、確実に動作し、かつ、費用対効果が高い積層平海苔束結束装置を提供することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の積層平海苔束結束装置による効果に加えて、巻紙を載置板の下流側から押圧板の上面に被せた後に、巻紙を押圧板上面において、下流側から上流側へ押し延ばす巻紙押し延ばし手段を有しているので、巻紙を施す際にしわが寄らないようにすることができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係る発明の積層平海苔束結束装置による効果に加えて、復帰手段は、載置板及び押圧板の周囲に帯が掛けられたら、巻紙固定手段を元の位置に戻し、載置板を引き抜いて直交方向に移動した位置と元の位置との間の一時待機位置に戻し、押圧板を引き抜いて元の位置に戻した後、押し戻し手段で巻紙帯掛け平海苔束を載置板の上に載置させ、押圧板で巻紙帯掛け平海苔束を圧縮し、押し戻し手段を元の位置に戻し、押圧板及び載置板を元の位置に戻すので、押し戻し手段が元の位置に戻るのに伴って巻紙帯掛け平海苔束がずれてしまうことがなくなり、帯を掛けた積層平海苔束を確実に載置板の上に載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の平面図。
図2】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の正面図。
図3】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の下流側からの側面図。
図4】実施例1に係る積層平海苔束結束装置における平海苔束積層部の斜視図。
図5】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の動作手順1を説明する図。
図6】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の動作手順2を説明する図。
図7】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の動作手順3を説明する図。
図8】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の動作手順4を説明する図。
図9】実施例1に係る積層平海苔束結束装置の動作手順5を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例0014】
図1は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の平面図であり、図2は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の正面図であり、図3は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の搬送方向下流側(以下「下流側」という。)からの側面図である。
図1~3に示すように、積層平海苔束結束装置1は、平海苔束を積層し整列状態とする平海苔束積層部2、積層平海苔束を搬入する上流側搬送手段3、積層平海苔束を圧縮し巻紙を巻き付ける巻紙手段4、巻紙を巻き付けた積層平海苔束を結束する結束手段5及び結束された積層平海苔束を下流側に搬送する下流側搬送手段6から構成される。
【0015】
図4は、積層平海苔束結束装置1における平海苔束積層部2の斜視図である。
図4に示すように、平海苔束積層部2は、10枚の平海苔を重ねた平海苔束を昇降板7の上まで搬送するひもコンベヤ8と、昇降板7で押し上げられた平海苔束の両側部を保持する一対の平海苔束積層板9からなっている。
そして、ひもコンベヤ8は、駆動ローラ10と従動ローラ11に巻き掛けられており、搬送方向上流側(以下「上流側」という。)から送られてくる平海苔束を下流側へ搬送する。
なお、図4には示していないが、昇降板7の下流側には平海苔束積層板9の底面より低い位置に平海苔束突き当て板を設けている。
平海苔束突き当て板に平海苔束が突き当たり整列したら、昇降板7が上昇するとともに、後続の平海苔束がひもコンベヤ8で搬送されてこないように、図示しないストッパーが上昇する。そして、平海苔束を一対の平海苔束積層板9に保持させたらストッパーとともに下降して、次の平海苔束が搬送されてくるまで待機する。
また、一対の平海苔束積層板9は、平海苔束の搬送方向に対して直交する方向に移動でき、通常は側壁同士の間隔を平海苔束の幅よりやや広い程度として、一対の水平板上に平海苔束を保持するが、昇降板7が上昇する際には水平板の内側辺同士の間隔を広げて平海苔束の幅よりやや大きくし、一時的に昇降板7で全ての平海苔束が保持される。
一時的に全ての平海苔束を保持している昇降板7は、水平板の高さよりやや高い位置まで上昇すると一旦停止するが、その後一対の平海苔束積層板9が接近する方向に移動して水平板の内側辺同士の間隔が平海苔束の幅より小さくなったら下降を開始し、水平板の内側辺同士の間隔が昇降板7の幅と等しくなる直前に水平板の高さより低くなり、さらに下降してひもコンベヤ8の上面の高さより低い位置になったところで停止する。
これら一連の動作を繰り返して10枚の平海苔を重ねた平海苔束を複数回(通常は10回)積層させ、積層させる度に一対の平海苔束積層板9の側壁同士の間隔を平海苔束の幅程度まで狭めることによって、整列状態の積層平海苔束を形成することができる。
平海苔束を複数回積層させたら、押し出し手段12を下流側へ移動させ、整列状態の積層平海苔束を平板13の上面で滑らせて巻紙手段4へ送り込む。すなわち、実施例1では押し出し手段12と3枚の平板13とで上流側搬送手段3を構成している。
【0016】
図5は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の動作手順1を説明する図である。
図1~3及び図5に示すように、巻紙手段4は、上流側搬送手段3で送り込まれた積層平海苔束を上面に載置可能な載置板14、載置板14の上面及び下流側に巻紙を供給する巻紙供給手段15、載置板14及び巻紙の上に載置されている積層平海苔束を上方から押さえて圧縮する押圧板16並びに積層平海苔束を圧縮した状態において載置板14の下流側から押圧板16の上面に被せた巻紙を固定する巻紙固定手段17等からなっている。
巻紙供給手段15は、平海苔束積層部2で積層平海苔束18が形成される少し前から直後までの間に、載置板14の上面及び下流側に巻紙19を供給するが、巻紙19を供給する際には、4つの移動吸引孔20によって巻紙19の一辺付近を吸い付け、移動アーム21で4つの移動吸引孔20を上昇させた後に下流側搬送手段6側へ移動させる。
そして、載置板14の上面及び下流側を覆った状態とした後に吸引力を解除し、移動アーム21を元の位置に戻すと図5の状態となる。
【0017】
図6は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の動作手順2を説明する図である。
巻紙19が供給され図5の状態になったら、載置板14の四隅付近に設けられている4つの固定吸引孔22(図1参照)によって巻紙19を吸い付ける。
その後、載置板14の下流側にある巻紙跳上げ手段24(図2参照)を垂直に上昇させることによって巻紙19を跳上げる。
そして、平海苔束積層部2で形成された積層平海苔束18を、押し出し手段12によって下流側へ移動させ、載置板14を覆う巻紙19の上へ送り込んだ後、押し出し手段12を元の位置に戻すと図6の状態となる。
【0018】
図7は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の動作手順3を説明する図である。
積層平海苔束18が載置板14を覆う巻紙19の上へ送り込まれて図6の状態になったら、載置板14の上に設けられている押圧板16(図3参照)を下降させ、積層平海苔束18を圧縮する。その後、固定吸引孔22の下流側にある空気噴出孔(図示せず)から空気を噴射して巻紙19を立たせ、押圧板16の下流側上方に位置している3つの巻紙押し延ばし手段25を、押圧板16の上面で下流側(図7の位置)から上流側に移動させることによって、巻紙19を押圧板16の上面に載せ密着させることができる。
そして、巻紙跳上げ手段24を元の位置に戻した後、押圧板16の上面に密着している巻紙19の上流側を、巻紙固定手段17(図8参照)によって押圧し、巻紙押し延ばし手段25を元の位置に戻す。
【0019】
図8は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の動作手順4を説明する図である。
巻紙固定手段17で巻紙19の上流側を押圧し、巻紙押し延ばし手段25が元の位置に戻ったら、直交方向移動手段26で載置板14、積層平海苔束18、押圧板16及び巻紙固定手段17を上流側搬送手段3の搬送方向に対して直交する方向(以下「直交方向」という。)へ移動させ、結束手段5の中央部に達したら一旦停止させる。
そして、載置板14等が停止したことを示す信号を結束手段5に送ると帯掛け手段27が作動し、載置板14、積層平海苔束18及び押圧板16の周囲に帯28を掛ける。
なお、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1においては、既存の熱圧着帯掛け機を結束手段5として採用した。
また、図8は帯掛け終了時の状態を示しているが、帯28を掛けると巻紙19を固定する必要がなくなるので、巻紙固定手段17は帯掛け終了直後に元の位置に戻される。
【0020】
図9は、実施例1に係る積層平海苔束結束装置1の動作手順5を説明する図である。
載置板14等の周囲に帯28を掛けて図8の状態になった後、巻紙固定手段17が元の位置に戻ったら、まず載置板14だけを引き抜いて元の位置に戻す。
ここで、図7、8では省略しているが、押圧板16の結束手段5から遠い側には、押圧板16を移動させるために複数の支持部が設けられている(図3を参照)。そのため、載置板14を引き抜いても巻紙19の端部が複数の支持部にぶつかって移動できず、積層平海苔束18及び帯28も移動することはない。
次に、押圧板16を引き抜いて元の位置に戻す。この引き抜きに際しては、先に載置板14が引き抜かれて帯28による締め付けが緩んでいるため、押圧板16の引き抜きに伴って積層平海苔束18、巻紙19及び帯28が一緒に移動することはない。
押圧板16を引き抜いて元の位置に戻したら押し戻し手段29を直交方向に移動させ、積層平海苔束18、巻紙19及び帯28からなる巻紙帯掛け平海苔束30が載置板14の上に載るまで押す。そして、押し戻し手段29を元の位置に戻すと図9の状態となる。
その後、巻紙帯掛け平海苔束30は、コンベアローラ23等を有する下流側搬送手段6によって集積装置等に搬送される。
【実施例0021】
実施例2に係る積層平海苔束結束装置は、図8の状態から図9の状態にする際の手順のみが異なっており、装置構成自体は実施例1と同じ構成となっているので、その手順のみについて説明し、他の説明は省略する。
【0022】
実施例2においては、載置板14、積層平海苔束18及び押圧板16の周囲に帯28を掛けた図8の状態から巻紙固定手段17が元の位置に戻ったら、まず載置板14だけを引き抜いて途中の位置(載置板14が帯にかかる直前の位置)まで戻す。
次に、押圧板16を引き抜いて元の位置に戻した後、押し戻し手段29を移動させ、巻紙帯掛け平海苔束30が載置板14の上に載るまで押す。
そして、押圧板16を再び下降させ巻紙帯掛け平海苔束30を圧縮して停止させたら、押し戻し手段29を元の位置に戻す。そのため、押し戻し手段29を元の位置に戻す際に平海苔束30の一部が引きずられてしまうことがなくなる。
その後、押圧板16を上昇させて元の位置に戻し、巻紙帯掛け平海苔束30が載っている載置板14を元の位置に戻すと図9の状態となる。
【0023】
実施例1及び2に係る積層平海苔束結束装置の変形例を列記する。
(1)実施例1及び2に係る積層平海苔束結束装置は、10枚の平海苔を重ねた平海苔束を複数回積層させ、整列状態の積層平海苔束を形成する平海苔束積層部2を有していたが、整列状態の積層平海苔束を搬送する機能を有していれば良く、整列状態の積層平海苔束を形成又は供給する手段は適宜選択することができる。
(2)実施例1及び2においては、押し出し手段12と3枚の平板13とで上流側搬送手段3を構成したが、整列状態の積層平海苔束を下流側に搬送する機能を有する手段であれば、搬送ベルトや搬送板等どのようなものを用いても良い。
【符号の説明】
【0024】
1:積層平海苔束結束装置 2:平海苔束積層部 3:上流側搬送手段
4:巻紙手段 5:結束手段 6:下流側搬送手段 7:昇降板
8:ひもコンベヤ 9:平海苔束積層板 10:駆動ローラ
11:従動ローラ 12:押し出し手段 13:平板 14:載置板
15:巻紙供給手段 16:押圧板 17:巻紙固定手段
18:積層平海苔束 19:巻紙 20:移動吸引孔 21:移動アーム
22:固定吸引孔 23:コンベアローラ 24:巻紙跳上げ手段
25:巻紙押し延ばし手段 26:直交方向移動手段 27:帯掛け手段
28:帯 29:押し戻し手段 30:巻紙帯掛け平海苔束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9