(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048212
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154129
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺西 貫
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BK04
3L058BK05
(57)【要約】
【課題】オイルトレー及び排気ファンに対する清掃の頻度を下げることが可能なレンジフードを提供する。
【解決手段】レンジフード100は、排気ファン21と、オイルトレー30と、フィルタ62を有するフィルタセット60とを備えている。フィルタ62は、オイルトレー30よりも排気ファン21の回転に伴って生じる空気の流れの上流側に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ファンと、
オイルトレーと、
フィルタを有するフィルタセットとを備え、
前記フィルタは、前記オイルトレーよりも前記排気ファンの回転に伴って生じる空気の流れの上流側に配置されている、レンジフード。
【請求項2】
前記フィルタセットは、前記オイルトレーの下方にあり、
前記フィルタセットは、前記オイルトレーに着脱可能に取り付けられている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記オイルトレーは、環状に延在している油溜まり部と、前記油溜まり部で画されている貫通穴とを有し、
前記フィルタセットは、前記フィルタが前記貫通穴の延在方向である第1方向に沿って下側から見た際に前記フィルタが前記貫通穴を覆うように配置されている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
固定具をさらに備え、
前記オイルトレーは、前記固定具に着脱可能に取り付けられている、請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記オイルトレーは、前記油溜まり部に接続されている第1フランジ部及び第2フランジ部をさらに有し、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延在しており、
前記第2フランジ部は、前記第1方向に沿って見た際に、前記貫通穴に関して前記第1フランジ部と対称な位置にあり、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部は、それぞれ、前記第1方向に沿って下側に突出している第1把持部及び第2把持部を含み、
前記フィルタセットは、前記第1把持部及び前記第2把持部に係止されている、請求項3に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記フィルタセットは、前記フィルタが取り付けられている枠体と、前記枠体に取り付けられている弾性部材とをさらに有し、
前記フィルタセットは、前記弾性部材から前記第1把持部及び前記第2把持部に対して弾性力が作用することにより、前記オイルトレーに着脱可能に取り付けられている、請求項5に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記オイルトレーは、前記第1方向に直交する面内で回転されることにより前記固定具に磁気的又は機械的に着脱可能に取り付けられている、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-188807号公報(特許文献1)には、レンジフードが記載されている。特許文献1に記載のレンジフードは、排気ファンと、ファンケースと、オイルトレーとを有している。排気ファンは、ファンケースの内部に配置されている。ファンケースの下壁には、吸い込み口が形成されている。オイルトレーは、環状の油溜まり部と、油溜まり部で画されている貫通穴とを有している。油溜まり部には、吸い込み口から排出されたファンケースの内部の油が貯留される。排気ファンが回転することにより生じた空気は、貫通穴(吸い込み口)を通ってファンケースの内部に吸い込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のレンジフードでは、油溜まり部に貯留された油を定期的に清掃する必要がある。また、特許文献1に記載のレンジフードでは、排気ファンに対する清掃も定期的に行う必要がある。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、オイルトレー及び排気ファンに対する清掃の頻度を下げることが可能なレンジフードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンジフードは、排気ファンと、オイルトレーと、フィルタを有するフィルタセットとを備えている。フィルタは、オイルトレーよりも排気ファンの回転に伴って生じる空気の流れの上流側に配置されている。
【0007】
上記のレンジフードでは、フィルタセットが、オイルトレーの下方にあってもよい。フィルタセットは、オイルトレーに着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0008】
上記のレンジフードでは、オイルトレーが、環状に延在している油溜まり部と、油溜まり部で画されている貫通穴とを有していてもよい。フィルタセットは、フィルタが貫通穴の延在方向である第1方向に沿って下側から見た際にフィルタが貫通穴を覆うように配置されていてもよい。
【0009】
上記のレンジフードは、さらに、固定具を備えていてもよい。オイルトレーは、固定具に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0010】
上記のレンジフードでは、オイルトレーが、さらに、油溜まり部に接続されている第1フランジ部及び第2フランジ部を有していてもよい。第1フランジ部及び第2フランジ部は、第1方向に直交する第2方向に沿って延在していてもよい。第2フランジ部は、第1方向に沿って見た際に、貫通穴に関して第1フランジ部と対称な位置にあってもよい。第1フランジ部及び第2フランジ部は、それぞれ、第1方向に沿って下側に突出している第1把持部及び第2把持部を含んでいてもよい。フィルタセットは、第1把持部及び第2把持部に係止されていてもよい。
【0011】
上記のレンジフードでは、フィルタセットが、さらに、フィルタが取り付けられている枠体と、枠体に取り付けられている弾性部材とを有していてもよい。フィルタセットは、弾性部材から第1把持部及び第2把持部に対して弾性力が作用することにより、オイルトレーに着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0012】
上記のレンジフードでは、オイルトレーが、第1方向に直交する面内で回転されることにより固定具に磁気的又は機械的に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレンジフードによると、オイルトレー及び排気ファンに対する清掃の頻度を下げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】整流板70の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
【
図3】整流板70及びフィルタセット60の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
【
図4】整流板70、フィルタセット60及びオイルトレー30の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
【
図6】オイルトレー30及びフィルタセット60の平面図である。
【
図7】オイルトレー30及びフィルタセット60の底面図である。
【
図8】オイルトレー30及びフィルタセット60の第1斜視図である。
【
図9】オイルトレー30及びフィルタセット60の第2斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るレンジフードを、レンジフード100とする。
【0016】
(レンジフード100の構成)
以下に、レンジフード100の構成を説明する。
【0017】
図1は、レンジフード100の斜視図である。
図2は、整流板70の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
図3は、整流板70及びフィルタセット60の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
図4は、整流板70、フィルタセット60及びオイルトレー30の図示を省略したレンジフード100の斜視図である。
図5は、レンジフード100の断面図である。
図6は、オイルトレー30及びフィルタセット60の平面図である。
図7は、オイルトレー30及びフィルタセット60の底面図である。
図8は、オイルトレー30及びフィルタセット60の第1斜視図である。
図9は、オイルトレー30及びフィルタセット60の第2斜視図である。
図10は、フィルタセット60の斜視図である。
図1から
図10に示されるように、レンジフード100は、本体ケース10と、外側フード11と、ファンケース12と、モータ20と、排気ファン21と、オイルトレー30と、固定具40と、内側フード50と、フィルタセット60と、整流板70とを有している。
【0018】
本体ケース10は、側壁10aと、上壁10bとを有している。側壁10aは、上下方向に沿って延在している。上壁10bは、側壁10aの上端に連なっている。本体ケース10は、側壁10aの下端において開口されている。
【0019】
外側フード11は、側壁11aと、上壁11bとを有している。側壁11aは、上下方向に沿って延在している。上壁11bは、側壁11aの上端に連なっている。上壁11bには、貫通穴11baが形成されている。外側フード11は、本体ケース10の開口と貫通穴11baとが重なるように、側壁10aの下端に取り付けられている。外側フード11は、上下方向に直交する面内において、側壁10aから張り出している。
【0020】
ファンケース12は、本体ケース10の内部に配置されている。ファンケース12は、側壁12aと、上壁12bと、底壁12cとを有している。側壁12aは、上下方向に沿って延在している。上壁12bは、側壁12aの上端に連なっている。上壁12bは、上壁10bと対向している。上壁12bには、凹部12baが形成されている。上壁12bは、凹部12baにおいて、底壁12c側に凹んでいる。凹部12baの底部には、貫通穴12bbが形成されている。貫通穴12bbは、上壁12bを厚さ方向に沿って貫通している。底壁12cは、側壁12aの下端に連なっている。底壁12cには、吸い込み口12caが形成されている。吸い込み口12caは、底壁12cを厚さ方向に沿って貫通している。
【0021】
モータ20は、例えばAC(Alternating Current)モータである。モータ20は、モータ本体20aと、軸20bとを有している。モータ本体20aは、軸20bがファンケース12の内部に位置するとともに軸20bが上下方向に沿うように貫通穴12bbに挿入されている。軸20bは、モータ本体20aにより、軸20bの中心軸回りに回転される。排気ファン21は、例えばシロッコファンである。排気ファン21は、例えば取り付けアダプタ22を用いて、軸20bに取り付けられている。これにより排気ファン21は軸20bとともに回転するため、モータ20の駆動により、排気ファン21も軸20bの中心軸回りに回転することになる。
【0022】
オイルトレー30は、油溜まり部31と、フランジ部33と、フランジ部34とを有している。油溜まり部31は、環状である。油溜まり部31は、好ましくは円環状である。油溜まり部31により、貫通穴32が画されている。貫通穴32は、好ましくは円形である。貫通穴32の延在方向を、第1方向DR1とする。第1方向DR1は、オイルトレー30が固定具40に取り付けられた状態で、上下方向に一致する。
【0023】
油溜まり部31は、内壁部31aと、外壁部31bと、底壁部31cとを有している。内壁部31a及び外壁部31bは、第1方向DR1に沿って見た際に、環状(円環状)である。内壁部31aは、外壁部31bよりも内側(貫通穴32側)にある。底壁部31cは、内壁部31aの下端及び外壁部31bの下端に連なっている。第1方向DR1における内壁部31aの上端と底壁部31cとの間の距離は、第1方向DR1における外壁部31bの上端と底壁部31cとの間の距離よりも大きい。つまり、内壁部31aの上端は、第1方向DR1において外壁部31bの上端よりも突出した位置にある。
【0024】
フランジ部33及びフランジ部34は、第1方向DR1に沿う方向から見た際に、第1方向DR1に直交している第2方向DR2に沿って延在している。フランジ部33及びフランジ部34は、第2方向DR2における一方端部において、油溜まり部31に接続されている。フランジ部34は、第1方向DR1に沿う方向から見た際に、貫通穴32に関してフランジ部33と対称な位置にある。フランジ部33は、第2方向DR2における他方端部に把持部33aを有している。フランジ部34は、第2方向DR2における他方端部に把持部34aを有している。把持部33aはフランジ部33から第1方向DR1に沿って下方に突出しており、把持部34aはフランジ部34から第1方向DR1に沿って下方に突出している。フランジ部33及びフランジ部34は、好ましくは、磁石に吸着される材料(例えば、鋼)で形成されている。
【0025】
固定具40は、板状である。固定具40には、貫通穴40aが形成されている。貫通穴40aは、固定具40を厚さ方向に沿って貫通している。固定具40は、上下方向に沿って下側から見た際に貫通穴40aが吸い込み口12caと重なるように上壁11bに取り付けられている。
【0026】
オイルトレー30は、固定具40に取り付けられている。オイルトレー30は、着脱可能に固定具40に取り付けられていることが好ましい。オイルトレー30が固定具40に取り付けられた状態で、吸い込み口12caの開口縁は、底壁部31c上にある。すなわち、オイルトレー30が固定具40に取り付けられた状態で、吸い込み口12caの開口縁は、内壁部31aよりも外側にあり、かつ外壁部31bよりも内側にある。オイルトレー30が固定具40に取り付けられた状態で、オイルトレー30は、排気ファン21の下方にある。
【0027】
固定具40には、貫通穴40aの周囲に複数の磁石41が取り付けられている。フランジ部33及びフランジ部34と磁石41との間で固定具40を介在させて引力が作用することにより、オイルトレー30は、固定具40に取り付けられている。把持部33a及び把持部34aを把持してオイルトレー30を第1方向DR1に直交する面内で回転させることにより、フランジ部33及びフランジ部34と磁石41とが対向しなくなり、上記の引力が作用しなくなる。これにより、オイルトレー30を固定具40から取り外すことが可能である。
【0028】
この例では、固定具40に磁石41が取り付けられる例を示したが、磁石41は、固定具40に代えてフランジ部33及びフランジ部34の各々に取り付けられてもよい。この場合も同様に、オイルトレー30を第1方向DR1に直交する面内で回転させることにより、オイルトレー30を固定具40から取り外すことが可能である。この場合、固定具40が磁石に吸着される材料で形成される。
【0029】
この例では、磁力を利用して(磁気的に)第1方向DR1に直交する面内でオイルトレー30を回転させることによりオイルトレー30を固定具40に着脱可能に取り付ける場合が示されているが、オイルトレー30は、第1方向DR1に直交する面内で回転させることにより機械的に着脱可能に固定具40に取り付けられてもよい。
【0030】
内側フード50は、側壁50aと、上壁50bとを有している。側壁50aは、上下方向に沿って延在している。上壁50bは、側壁50aの上端に連なっている。上壁50bには、貫通穴50baが形成されている。貫通穴50baは、上壁50bを厚さ方向に沿って貫通している。内側フード50は、側壁50aの下端において、貫通穴50baから固定具40が露出するように、外側フード11(側壁11aの下端)に取り付けられている。
【0031】
フィルタセット60は、枠体61と、フィルタ62と、弾性部材63とを有している。枠体61は、例えば矩形環状である。枠体61により、貫通穴61aが画されている。枠体61は、第1部分61bと、第2部分61cとを有している。第1部分61b及び第2部分61cは、貫通穴61aを介在させて互いに対向している2つの部分である。
【0032】
第1部分61bには、貫通穴61baが形成されている。貫通穴61baは、第1部分61bの内壁面から第1部分61bの外壁面に向かって第1部分61bを貫通している。第2部分61cには、貫通穴61caが形成されている。貫通穴61caは、第2部分61cの内壁面から第2部分61cの外壁面に向かって第2部分61cを貫通している。
【0033】
フィルタ62は、例えば不燃性の繊維を用いた不織布である。フィルタ62は、貫通穴61aを覆うように枠体61に取り付けられている。フィルタ62は、枠体61から取り外し可能であることが好ましい。フィルタ62が枠体61から取り外し可能である場合、使用済みのフィルタ62を枠体61から取り外すとともに新しいフィルタ62を枠体61に取り付けることで、枠体61及び弾性部材63を再利用することが可能となる。
【0034】
弾性部材63は、弾性材料で形成されている環状の部材である。弾性部材63は、突出部63aと、突出部63bとを有している。突出部63aは、第1部分61bの内壁面側から貫通穴61baに挿入されており、第1部分61bの外壁面から突出している。突出部63bは、第2部分61cの内壁面側から貫通穴61caに挿入されており、第2部分61cの外壁面から突出している。これにより、弾性部材63は、枠体61に取り付けられている。突出部63a及び突出部63b以外の弾性部材63の部分は、枠体61の内壁面に沿って延在している。
【0035】
フィルタ62は、例えば、フィルタ62の縁部を枠体61の内壁面と弾性部材63との間に挟み込むことにより、枠体61に取り付けられていてもよい。この場合、フィルタ62は、弾性部材63を枠体61から取り外すことにより、使用済みのフィルタ62を枠体61から取り外して新しいフィルタ62に交換することが可能である。
【0036】
フィルタセット60は、把持部33a及び把持部34aに係止されることにより、オイルトレー30に着脱可能に取り付けられている。より具体的には、弾性部材63は、突出部63a及び突出部63bが押し込まれた状態で、把持部33aと把持部34aとの間に配置される。そのため、弾性部材63が元の形状に戻ろうとする弾性力が把持部33a及び把持部34aに対して作用し、フィルタセット60がオイルトレー30に着脱可能に取り付けられる。
【0037】
フィルタセット60は、オイルトレー30に取り付けられた状態で、オイルトレー30の下方に位置している。フィルタセット60がオイルトレー30に取り付けられた状態で第1方向DR1に沿って下側から見た際に、フィルタ62は、貫通穴32を覆っている。
【0038】
整流板70は、内側フード50に取り付けられている。整流板70は、上下方向において、固定具40又は上壁50bと間隔を空けて対向している。整流板70は、上下方向に直交する面内において、側壁50aから離間している。モータ20が排気ファン21を回転させると、空気が、整流板70と固定具40又は上壁50bとの間の流路を通って吸い込まれる。この流路を通る空気は、フィルタ62をさらに通る。
【0039】
フィルタ62を通った空気は、貫通穴32(吸い込み口12ca)を通り、ファンケース12の内部に吸い込まれる。ファンケース12の内部に吸い込まれた空気は、図示しないダクトを通って外部に排出されることになる。すなわち、フィルタ62は、オイルトレー30(貫通穴32)よりも、排気ファン21の回転により生じる空気の流れの上流側にある。
【0040】
(レンジフード100の効果)
以下に、レンジフード100の効果を説明する。
【0041】
モータ20が排気ファン21を回転させることにより、油を含んだ空気が、整流板70と固定具40又は上壁50bとの間の流路を通って吸い込まれる。上記のとおり、レンジフード100では、フィルタ62がオイルトレー30よりも排気ファン21の回転により生じる空気の流れの上流側にある。
【0042】
そのため、整流板70と固定具40又は上壁50bとの間の流路を通って吸い込まれた空気中の油の一部は、ファンケース12の内部に入る前にフィルタ62で捕集されることになる。その結果、フィルタセット60がない場合と比較してファンケース12の内部に吸い込まれる空気中の油の量が減少し、油溜まり部31に貯留される油の量や排気ファン21に付着する油の量が減少する。このように、レンジフード100によると、オイルトレー30及び排気ファン21に対する清掃の頻度を下げることが可能となる。
【0043】
レンジフード100では、フィルタセット60がオイルトレー30の下方にあるとともにオイルトレー30に着脱可能であるため、オイルトレー30を取り外すことなくフィルタ62の交換が可能となる。レンジフード100では、オイルトレー30が固定具40に着脱可能に取り付けられているため、オイルトレー30をフィルタセット60とともに取り外すことが可能であり、オイルトレー30及びフィルタセット60に対する手入れが容易となる。
【0044】
レンジフード100では、フィルタセット60が把持部33a及び把持部34aを利用してオイルトレー30に着脱可能に取り付けられるため、別部材を用いてフィルタセット60をオイルトレー30に取り付ける場合と比較して、部材コストを削減可能である。レンジフード100では、フィルタセット60が弾性部材63を用いてオイルトレー30に取り付けられているため、フィルタセット60のオイルトレー30への取り付け及びオイルトレー30からの取り外しを容易に行うことが可能である。
【0045】
レンジフード100では、オイルトレー30を第1方向DR1に直交する面内で回転させることによりオイルトレー30を固定具40から取り外すことができるため、オイルトレー30の固定具40からの取り外しに伴って油溜まり部31に貯留されている油が零れてしまい、二次汚染(周囲の汚れ)の原因になることを抑制可能である。
【0046】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上記の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0047】
100 レンジフード、10 本体ケース、10a 側壁、10b 上壁、11 外側フード、11a 側壁、11b 上壁、11ba 貫通穴、12 ファンケース、12a 側壁、12b 上壁、12ba 凹部、12bb 貫通穴、12c 底壁、12ca 吸い込み口、20 モータ、20a モータ本体、20b 軸、21 排気ファン、22 取り付けアダプタ、30 オイルトレー、31 油溜まり部、31a 内壁部、31b 外壁部、31c 底壁部、32 貫通穴、33 フランジ部、33a 把持部、34 フランジ部、34a 把持部、40 固定具、40a 貫通穴、41 磁石、50 内側フード、50a 側壁、50b 貫通穴、50ba 貫通穴、60 フィルタセット、61 枠体、61a 貫通穴、61b 第1部分、61ba 貫通穴、61c 第2部分、61ca 貫通穴、62 フィルタ、63 弾性部材、63a,63b 突出部、70 整流板、DR1 第1方向、DR2 第2方向。