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特開2024-48214道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048214
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240401BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240401BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240401BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
H04N5/232 941
H04N5/232 290
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154132
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】冨永 慎
(72)【発明者】
【氏名】今井 悠介
(72)【発明者】
【氏名】鷺 和俊
(72)【発明者】
【氏名】仙田 裕三
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC13
5C054FE09
5C054FE14
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087DD03
5C087DD49
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C122DA11
5C122EA01
5C122EA42
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK28
5C122FK34
5C122FK35
5C122FK37
5C122FK38
5C122FK40
5C122FK41
5C122GC53
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】道路監視の効率を向上させる道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】道路監視システム100は、検知部122と処理部134と、を備える。検知部122は、道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する。処理部134は、道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う。第2基準は、道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する検知手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視システム。
【請求項2】
前記処理手段は、
前記第1基準が満たされる場合に、前記通知処理を実行する通知手段と、
前記第1基準が満たされ、かつ、前記第2基準が満たされる場合に、前記変更関連処理を行う設定手段と、を含む
請求項1に記載の道路監視システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記第1基準が満たされ、かつ、前記第2基準が満たされない場合に、前記通知処理を行う
請求項2に記載の道路監視システム。
【請求項4】
前記変更関連処理は、前記通知設定の変更に関する確認をユーザに行うための第1確認画面を表示手段に表示させる第1確認処理を含む
請求項1から3のいずれか1項に記載の道路監視システム。
【請求項5】
前記第1確認画面は、前記第1基準を満たすと判別された道路状態に対応する前記画像と、当該画像に含まれる物体の各々を識別するための指標とを含む
請求項4に記載の道路監視システム。
【請求項6】
前記物体は、車両を含み、
前記道路状態は、前記車両の属性を含み、
前記第1確認画面は、前記車両の属性をさらに含む
請求項5に記載の道路監視システム。
【請求項7】
前記変更関連処理は、前記画像の処理に関する設定である画像処理設定の変更に関する確認をユーザに行うための第2確認画面を表示手段に表示させる第2確認処理を含む
請求項1から3のいずれか1項に記載の道路監視システム。
【請求項8】
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得する道路状態取得手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視装置。
【請求項9】
1つ以上のコンピュータが、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行い、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視方法。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータに、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行うことを実行させるためのものであり、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路で生じている事象を判別して、ユーザに通知するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の道路異常判断システムは、プローブカーに備えられたプローブカー装置が道路状態情報Ircを検出し、その道路状態情報Ircがプローブカーから車両運行センタに備えられたデータ解析サーバに送信される。
【0004】
特許文献1に記載のデータ解析サーバは、道路状態情報Ircを解析し、道路に異常が生じているかどうかを判断し、道路に異常が生じていると判断した場合には、オペレータ端末に判断結果および道路状態情報Ircを表示する。オペレータは、オペレータ端末に表示された道路状態情報Ircを見て、道路が異常であるかどうか判断し、さらに、異常であると判断した場合には、通行不能かどうかを判断する。特許文献1には、道路異常の種別を例示すると、自然渋滞、落下物あり、交通事故による車線規制、道路工事による車線規制などがあるとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-009968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的に、特許文献1に記載の道路異常のような事象は、ある程度の時間にわたって継続することがある。そのため、特許文献1に記載の技術では、データ解析サーバが、道路における同じ事象について、異常であると繰り返して判断し、その判断結果がオペレータ端末に表示され続けるおそれがある。
【0007】
このような場合、データ解析サーバの判断結果が正しいとしても、オペレータは、その表示を見て、既知の道路異常を繰り返して確認することになり、道路監視の効率を低下させるおそれがある。
【0008】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、道路監視の効率を向上させることを解決する道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、
道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する検知手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視システムが提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得する道路状態取得手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視装置が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行い、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視方法が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータに、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行うことを実行させるためのものであり、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係る道路監視システムの概要を示す図である。
図2】実施形態1に係る道路監視装置の概要を示す図である。
図3】実施形態1に係る道路監視方法の概要を示すフローチャートである。
図4】実施形態1に係る道路監視システムの構成例を示す図である。
図5】実施形態1に係る画像情報の構成例を示す図である。
図6】実施形態1に係る画像処理装置の機能的な構成例を示す図である。
図7】実施形態1に係る状態情報の構成例を示す図である。
図8】実施形態1に係る道路監視装置の機能的な構成例を示す図である。
図9】実施形態1に係る処理部の機能的な構成例を示す図である。
図10】実施形態1に係る通知設定の一例を示す図である。
図11】実施形態1に係る撮影装置の物理的な構成例を示す図である。
図12】実施形態1に係る画像処理装置の物理的な構成例を示す図である。
図13】実施形態1に係る撮影処理の一例を示すフローチャートである。
図14】撮影される道路Rの一例を示す図である。
図15図14に例示する道路Rを撮影した画像IM1を含む画像情報IMDの一例を示す図である。
図16】実施形態1に係る画像処理の一例を示すフローチャートである。
図17】ステップS123にて生成される状態情報STDの一例を示す図である。
図18】実施形態1に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。
図19】実施形態1に係る通知画面の一例を示す図である。
図20】実施形態1に係る第1確認画面の一例を示す図である。
図21】実施形態2に係る処理部の機能的な構成例を示す図である。
図22】実施形態2に係る通知変更規則の一例を示す図である。
図23】実施形態2に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。
図24】実施形態2に係る、変更後の通知設定の一例を示す図である。
図25】実施形態3に係る処理部の機能的な構成例を示す図である。
図26】実施形態3に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。
図27】実施形態3に係る第2確認画面の一例を示す図である。
図28】実施形態4に係る道路監視システムの構成例を示す図である。
図29】実施形態5に係る処理部の機能的な構成例を示す図である。
図30】実施形態5に係る通知設定の一例を示す図である。
図31】実施形態5に係る通知設定処理の一例を示すフローチャートである。
図32】実施形態5に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
<実施形態1>
(概要)
図1は、実施形態1に係る道路監視システム100の概要を示す図である。道路監視システムは、検知部122と処理部134とを備える。
【0017】
検知部122は、道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する。処理部134は、道路状態が第1基準を満たす場合に、道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果に関する第2基準が満たされるか否かに基づいて、第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う。
【0018】
この道路監視システム100によれば、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0019】
図2は、実施形態1に係る道路監視装置103の概要を示す図である。道路監視装置103は、道路監視システム100を構成する装置の一例である。道路監視装置103は、道路状態取得部131と、上述の処理部134とを備える。
【0020】
道路状態取得部131は、道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得する。処理部134は、上述の通り、道路状態が第1基準を満たす場合に、道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果に関する第2基準が満たされるか否かに基づいて、第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う。
【0021】
この道路監視装置103によれば、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0022】
図3は、実施形態1に係る道路監視方法の概要を示すフローチャートである。
【0023】
道路状態取得部131は、道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得する(ステップS131)。
【0024】
処理部134は、道路状態が第1基準を満たす場合に、道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果に関する第2基準が満たされるか否かに基づいて、第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う(ステップSA)。
【0025】
この道路監視方法によれば、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0026】
以下、実施形態1に係る道路監視システム100の詳細例について説明する。
【0027】
(詳細)
図4は、実施形態1に係る道路監視システム100の構成例を示す図である。道路監視システム100は、道路を撮影した画像を処理することにより道路上の物体を検知し、その検知した結果に基づいて、ユーザによる道路の監視を支援するためのシステムである。
【0028】
図4に示すように、道路監視システム100は、撮影装置101と、画像処理装置102と、道路監視装置103とを備える。
【0029】
撮影装置101と画像処理装置102と道路監視装置103とは、例えば、有線、無線又はこれらを組み合わせて構成されたネットワークNを介して互いに接続されており、ネットワークNを介して互いに情報を送受信することができる。
【0030】
(撮影装置101の機能的な構成例)
撮影装置101は、道路上の所定の場所を撮影して画像を生成する。撮影装置101は、例えば、当該生成された画像を含む画像情報を生成して画像処理装置102へ送信する。
【0031】
撮影装置101は、例えば、所定の頻度(フレームレート)で撮影を行う。この場合の画像は、例えば、所定のフレームレートで撮影されたフレーム画像である。なお、画像は、カラーとモノクロのいずれであってもよく、その画素数は適宜選定されるとよい。
【0032】
図5は、実施形態1に係る画像情報の構成例を示す図である。画像情報は、撮影装置101が生成した画像に、画像付随情報が関連付けられた情報でる。画像付随情報は、例えば、画像識別情報、撮影装置識別情報、撮影時期、撮影場所などである。
【0033】
画像識別情報は、画像情報を識別するための情報である。画像識別情報は、以下、「画像ID(Identification)」とも称する。
【0034】
撮影装置識別情報は、撮影装置101を識別するための情報である。撮影装置識別情報は、以下、「撮影ID」とも称する。
【0035】
撮影時期は、撮影した時期を示す情報である。撮影時期は、例えば、年月日及び時刻から構成される。時刻は、1/10秒、1/100秒などの所定の刻みで表されてよい。
【0036】
撮影場所は、撮影した場所を示す情報である。撮影場所は、例えば、撮影装置101が設置されている場所を示す情報であり、当該場所を示す緯度及び経度から構成される。撮影場所は、撮影装置101が位置検知機能を備えている場合には当該位置検知機能を用いて取得されてもよく、設置者などによって予め設定されてもよい。位置検知機能は、GPS(Global Positioning System)などを用いて、撮影装置101の位置を検知する機能である。
【0037】
なお、撮影場所は、撮影装置101の設置場所に限らず、例えば、撮影装置101が撮影する範囲を示す情報であってもよく、この場合、当該場所を示す緯度及び経度から構成されてもよい。また、画像情報は、道路を撮影した画像を少なくとも含めばよく、その他の情報の1つ以上を含まなくてもよい。
【0038】
(画像処理装置102の機能的な構成例)
図6は、実施形態1に係る画像処理装置102の機能的な構成例を示す図である。画像処理装置102は、道路を撮影した画像を処理することにより、道路状態を検知する装置である。画像処理装置102は、画像取得部121と、検知部122と、道路状態送信部123とを含む。
【0039】
画像取得部121は、撮影装置101から画像情報を取得する。これにより、画像取得部121は、少なくとも、撮影装置101が生成した画像、すなわち道路を撮影した画像を取得する。
【0040】
検知部122は、画像取得部121が取得した画像を処理することにより、道路状態を検知する。検知部122は、検知した道路状態を含む状態情報を生成する。
【0041】
道路状態は、道路上の物体の状態である。
【0042】
道路上の物体は、例えば、車両、落下物などの1つ又は複数である。車両は、例えば、乗用車、トラック、トレーラ、工事用車両、緊急車両、バイク、自転車などの1つ又は複数である。落下物は、車両などから道路に落ちた物、風などで道路上に飛来した物などである。
【0043】
道路状態は、道路上の物体の有無を含む。道路上に物体がある場合、道路状態は、各物体の物体識別情報及び物体状態を含む。なお、道路上の物体の有無は、当該有無を示すフラグ、道路上の物体の数などで表されてもよく、物体識別情報が道路状態に含まれるか否かによって表されてもよい。
【0044】
物体識別情報は、道路上の物体を識別するための情報である。物体識別情報は、以下、「物体ID」とも称する。
【0045】
物体状態は、各物体の状態である。物体状態に含まれる項目は、物体の種類ごとに、一部又は全部が異なっていてもよい。
【0046】
例えば、車両についての物体状態(車両状態)は、車両の位置、車両の走行方向、車両の速度、車両の動線(移動した軌跡)、車両の属性などの1つ又は複数である。車両の属性は、例えば、車両の種類、車両のサイズ、車両の色、ナンバプレートに記載された車両ナンバなどの1つ又は複数である。車両の種類は、例えば、上述した乗用車、トラック、トレーラ、工事用車両、緊急車両、バイク、自転車などの1つ又は複数である。
【0047】
例えば、落下物についての物体状態(落下物状態)は、落下物の位置、移動方向、移動速度、動線、落下物の属性などの1つ又は複数である。落下物の属性は、例えば、落下物の種類、落下物のサイズ、落下物の色などの1つ又は複数である。落下物の種類は、例えば、木材、梱包物などの1つ又は複数である。
【0048】
図7は、実施形態1に係る状態情報の構成例を示す図である。状態情報は、道路状態に、状態付随情報が関連付けられた情報である。状態付随情報は、関連付けられた道路状態を検知するために用いられた画像と、画像情報において当該画像に関連付けられた画像付随情報と、を含む。
【0049】
なお、状態情報は、検知された道路状態を少なくとも含めばよく、その他の情報の1つ以上を含まなくてもよい。
【0050】
道路状態送信部123は、生成された状態情報を画像処理装置102へ送信する。
【0051】
(道路監視装置103の機能的な構成例)
図8は、実施形態1に係る道路監視装置103の機能的な構成例を示す図である。道路監視装置103は、道路状態に基づいて、ユーザによる道路の監視を支援するための装置である。道路監視装置103は、例えば、道路を監視する監視センタなどに設置される。
【0052】
図8に示すように、道路監視装置103は、道路状態取得部131と、第1判別部132と、第2判別部133と、処理部134と、表示部135とを含む。
【0053】
道路状態取得部131は、画像処理装置102から状態情報を取得する。
【0054】
第1判別部132は、状態情報に含まれる道路状態が第1基準を満たすか否かを判別する。
【0055】
第1基準は、道路状態に関連して規定される基準である。第1判別部132は、第1基準が満たされるか否かを判別することで、道路における予め定められた事象を検知する。言い換えると、事象は、第1基準を満たす道路状態である。
【0056】
事象の種類は、例えば、(1)車両の渋滞、(2)車両の逆走、(3)車両の低速走行、(4)車両の停止、(5)落下物、(6)蛇行走行の1つ又は複数である。なお、ここで例示した事象は、一般的な道路における異常事象の例であるが、これらに限られない。
【0057】
事象の種類ごとの第1基準を以下に例示する。第1基準は、以下の例に限られず、適宜変更されてよい。
【0058】
(1)渋滞についての第1基準は、例えば、低速走行をする車両又は停止発進を繰り返す車両から構成される車列が、所定距離以上の長さであり、かつ、所定の時間長さ以上継続していることである。ここでの低速走行は、所定速度以下での走行である。
【0059】
(2)車両の逆走についての第1基準は、例えば、以下の(2-A)及び(2-B)から構成される。(2-A)は、対象となる道路又は当該道路を構成する各車線に走行方向が予め定められていることである。(2-B)は、車両の走行方向と、当該車両が走行している道路又は車線の走行方向と、が所定の角度(例えば、90度)を越えて異なることである。
【0060】
例えば、(2-A)及び(2-B)の両方が満たされる場合に、第1判別部132は、第1基準を満たす(すなわち、車両の逆走が生じている)と判別する。(2-A)及び(2-B)の少なくとも一方が満たされない場合に、第1判別部132は、第1基準を満たさないと判別する。
【0061】
(3)車両の低速走行についての第1基準は、例えば、車両が所定速度以下で所定の時間長さ以上継続して走行していることである。ここでの所定速度は、(1)渋滞での低速走行を定める所定速度と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0062】
(4)車両の停止についての第1基準は、例えば、車両が所定の時間長さ以上継続して停止している(車両位置が所定範囲内である)ことである。
【0063】
(5)落下物についての第1基準は、例えば、(5-A)道路上に車両以外の物があることである。また例えば、(5)落下物についての第1基準は、(5-B)所定台数以上の車両が、共通の範囲に対して一時的な車線変更を行うことである。
【0064】
一時的な車線変更とは、車線を変更した後に、所定の距離内又は所定の時間内に元の車線に戻ることである。一般的に、車両は落下物を避けて走行するため、複数の車両が共通して避ける範囲に落下物があると推定される。そのため、(5-B)を用いて落下物を検知することができる。
【0065】
落下物を検知するための第1基準は、(5-A)と(5-B)の一方のみであってもよく、(5-A)と(5-B)の両方が用いられてもよい。両方が用いられる場合、例えば、(5-A)及び(5-B)の両方又はいずれか一方が満たされる場合に、第1判別部132は、第1基準を満たす(すなわち、落下物が生じている)と判別する。第1判別部132は、(5-A)及び(5-B)の両方が満たされない場合に、第1判別部132は、第1基準を満たさない(すなわち、落下物が生じていない)と判別する。
【0066】
(6)蛇行走行についての第1基準は、例えば、車両が一時的な車線変更を所定の回数以上繰り返すことである。一時的な車線変更とは、上述したように、車線を変更した後に、所定の距離内又は所定の時間内に元の車線に戻ることである。
【0067】
図8を参照する。
第2判別部133は、第1判別部132の判別結果、すなわち道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果について、第2基準を満たすか否かを判別する。
【0068】
第2基準は、事象に関する報知を抑制するために、第1判別部132の判別結果(すなわち道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果)に関連して規定される基準である。第2基準は、例えば、道路状態が第1基準を満たすと判別された回数又は頻度に関連して定められる基準である。
【0069】
詳細には例えば、第2基準は、所定値以上の頻度(すなわち、所定の時間内に所定値以上の回数)で又は所定値以上の回数、道路状態が第1基準を満たすと判別されることである。この第2基準は、言い換えると、事象が所定値以上の頻度で又は所定値以上の回数、繰り返して検知されることである。
【0070】
例えば、第1基準が本実施形態のように事象の種類ごとに定められる場合、第2基準に含まれる頻度又は回数は、第1基準が規定する事象の種類ごとに計数されてもよい。この第2基準は、言い換えると、同一種類の事象が所定値以上の頻度で又は所定値以上の回数、繰り返して検知されることである。
【0071】
例えば、第2基準に含まれる頻度又は回数は、第1基準を満たす具体的な事象ごとに計数されてもよい。
【0072】
具体的な事象は例えば、事象の種類に応じて特定方法が異なっていてもよい。(1)渋滞の場合、具体的な事象は例えば、渋滞が生じている領域及び時間帯で特定されるとよい。(2)逆走、(3)低速走行、(4)停止、(6)蛇行走行の場合、具体的な事象は例えば、該当する車両の物体IDで特定されるとよい。(5)落下物の場合、具体的な事象は例えば、落下物の物体ID、車両が避ける範囲及び時間帯の少なくとも1つで特定されるとよい。
【0073】
なお、蛇行走行が集団(複数の車両)で行われる場合、具体的な事象は例えば、蛇行走行が生じている領域及び時間帯で特定されてもよい。時間帯は、始期のみを含んでもよく、終期を含んでもよい。始期は、具体的な事象が最初に検知された時期である。終期は、画像処理装置102又は道路監視装置103が履歴に基づいて自動的に設定してもよく、ユーザが設定してもよい。
【0074】
図8を参照する。
処理部134は、第1判別部132及び第2判別部133の判別結果に基づいて処理を行う。例えば、処理部134は、道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、通知処理と変更関連処理とのいずれかの処理を行う。
【0075】
通知処理は、事象(すなわち、第1基準を満たす道路状態)の通知を行う処理である。例えば、通知処理は、事象をユーザに通知するための処理である。通知処理は、通知設定に従って行われる。通知設定は、事象の通知に関する設定である。通知設定については、詳細後述する。
【0076】
変更関連処理は、通知設定の変更に関する処理である。変更関連処理は、例えば、通知設定の変更に関する確認をユーザに行うための第1確認処理、通知設定を変更する変更処理などを含む。
【0077】
図9は、実施形態1に係る処理部134の機能的な構成例を示す図である。処理部134は、通知部141と、設定部142とを含む。
【0078】
通知部141は、通知設定を予め保持し、当該通知設定に従って通知処理を行う。例えば、通知部141は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされない場合に、通知処理を行う。なお、通知部141は、第1基準が満たされる場合に、第2基準が満たされるか否かに関わらず、通知処理を行ってもよい。
【0079】
図10は、実施形態1に係る通知設定の一例を示す図である。なお、通知設定は、図10に例示するものに限られず、項目が削除又は追加されるなど適宜変更されてよい。
【0080】
通知設定は、例えば、事象の通知を行うか否かに関する設定を含む。通知設定は、具体的な事象について設定されてもよく、事象の種類について設定されてもよく、特定の物体について設定されもよい。通知設定は、設定内容の解除条件を含んでもよい。解除条件は、場所的な範囲、始期及び終期の少なくとも一方を含む時間帯を含んでもよい。
【0081】
図10に例示する通知設定は、物体IDが「物体5」である車両について、第1基準を満たす道路状態である事象「逆走」の通知を「行わない」旨の設定を含む。この通知設定は、具体的な事象についての設定例である。
【0082】
図10に例示する通知設定は、「2022年8月22日5時00分まで」という解除条件を含む。すなわち、物体IDが「物体5」である車両について「逆走」の「通知を行わない」という通知設定は、「2022年8月22日5時00分まで」の通知処理に適用され、2022年8月22日5時を過ぎると通知処理に適用されない。
【0083】
なお、事象の種類について設定をする場合、例えば、図10に例示する通知設定のうち、物体IDが設定されなければよい。このような通知設定は、設定された種類の事象について、当該事象に関連する物体に関らず適用されるとよい。具体的には、「渋滞」について設定をする場合に、物体IDを含まず、かつ、事象の種類として「渋滞」を含む通知設定の例を挙げることができる。この場合、渋滞を特定するために、通知設定は、その領域及び時間帯を含んでもよい。
【0084】
また例えば、特定の物体について設定をする場合、図10に例示する通知設定のうち、事象の種類が設定されなければよい。このような通知設定は、物体IDで特定される物体に関するすべての種類の事象について適用されるとよい。具体的には、落下物について設定をする場合に、当該落下物の物体IDを含み、かつ、事象の種類を含まない通知設定の例を挙げることができる。
【0085】
図9を参照する。
設定部142は、変更関連処理を行う。例えば、設定部142は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされる場合に、変更関連処理を行う。
【0086】
設定部142は、図9に示すように、第1確認部151と、指示受付部152と、変更部153とを含む。
【0087】
第1確認部151は、第1確認処理を行う。例えば第1確認部151は、第1確認処理として、第1確認画面を表示部135に表示させる。第1確認画面は、通知設定の変更に関する確認をユーザに行うための画面である。
【0088】
指示受付部152は、ユーザの指示(すなわち、ユーザ指示)を受け付ける。例えば、指示受付部152は、確認処理(例えば、表示部135に表示された第1確認画面)に対する応答として、ユーザ指示を受け付ける。
【0089】
ユーザ指示は、例えば、通知設定を変更する旨の指示を含む。通知設定を変更する旨の指示は、変更後の通知設定の内容を含むとよい。ユーザ指示は、通知設定を変更しない旨の指示を含んでもよい。
【0090】
変更部153は、変更処理を行う。変更処理は、確認処理に対するユーザ指示に従って通知設定を変更する処理である。
【0091】
詳細には、変更部153は、指示受付部152が確認処理に対して、通知設定を変更する旨の指示を受け付けた場合に、当該ユーザ指示に従って通知設定を変更する。この場合のユーザ指示は、上述の通り、変更後の通知設定の内容を含むので、変更部153は、ユーザ指示に含まれる通知設定の内容を通知部141に保持させるとよい。
【0092】
変更部153は、指示受付部152が確認処理に対して、通知設定を変更しない旨の指示を受け付けた場合に、当該ユーザ指示に従って通知設定を変更しない。その結果、通知部141は、保持している通知設定をそのまま保持する。
【0093】
図8を参照する。
表示部135は、各種情報を表示する。これにより、ユーザは、各種情報を見ることができる。
【0094】
これまで、実施形態1に係る道路監視システム100の機能的な構成例について主に説明した。ここから、実施形態1に係る道路監視システム100の物理的な構成例について説明する。
【0095】
(道路監視システム100の物理的な構成例)
道路監視システム100は、物理的に例えば、撮影装置101と、画像処理装置102と、道路監視装置103とを備える。
【0096】
なお、物理的に、画像処理装置102が撮影装置101を含んでもよく、道路監視装置103が撮影装置101と画像処理装置102との一方又は両方を含んでもよい。各装置101~103の間でネットワークNを介して情報を送信又は受信する機能が、物理的に共通の装置に組み込まれた場合、ネットワークNの代わりに、内部バスなどを介して情報を送信又は受信するとよい。
【0097】
(撮影装置101の物理的な構成例)
図11は、実施形態1に係る撮影装置101の物理的な構成例を示す図である。撮影装置101は物理的に、例えば、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、ユーザインタフェース1060及びカメラ1070を有する。
【0098】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、ユーザインタフェース1060及びカメラ1070が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0099】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0100】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0101】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、撮影装置101の各機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0102】
ネットワークインタフェース1050は、撮影装置101をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0103】
ユーザインタフェース1060は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースとしてのタッチパネル、キーボード、マウスなど、及び、ユーザに情報を提示するためのインタフェースとしての液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどである。
【0104】
カメラ1070は、道路などの被写体を撮影して、当該被写体の画像を生成する。撮影装置101は、例えば、カメラ1070が道路上の所定の場所を撮影できるように、道路脇、道路上方などに固定される。
【0105】
なお、撮影装置101は、ネットワークNに接続された外部の装置(例えば、画像処理装置102、道路監視装置103など)を介して、ユーザからの入力を受け付けてもよく、ユーザに情報を提示してもよい。この場合、撮影装置101は、ユーザインタフェース1060を備えなくてもよい。
【0106】
(画像処理装置102,道路監視装置103の物理的な構成例)
図12は、実施形態1に係る画像処理装置102の物理的な構成例を示す図である。画像処理装置102は物理的に、例えば、撮影装置101と同様のバス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040及びネットワークインタフェース1050を有する。画像処理装置102は物理的に、例えば、入力インタフェース2060及び出力インタフェース2070をさらに有する。
【0107】
ただし、画像処理装置102のストレージデバイス1040は、画像処理装置102の各機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。また、画像処理装置102のネットワークインタフェース1050は、画像処理装置102をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0108】
入力インタフェース2060は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースであり、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどを含む。出力インタフェース2070は、ユーザに情報を提示するためのインタフェースであり、例えばとしての液晶パネル、有機ELパネルなどを含む。
【0109】
実施形態1に係る道路監視装置103は物理的に、例えば、画像処理装置102と同様に構成されるとよい。ただし、道路監視装置103のストレージデバイス1040は、道路監視装置103の各機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。また、道路監視装置103のネットワークインタフェース1050は、道路監視装置103をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0110】
これまで、実施形態1に係る道路監視システム100の構成例について説明した。ここから、実施形態1に係る道路監視システム100の動作例について説明する。
【0111】
(道路監視システム100の動作例)
道路監視システム100は、道路を監視するための道路監視処理を実行する。道路監視処理は、例えば、撮影装置101が実行する撮影処理と、画像処理装置102が実行する画像処理と、道路監視装置103が実行する監視処理と、を含む。これらの処理について、図を参照して説明する。
【0112】
(実施形態1に係る撮影処理の例)
図13は、実施形態1に係る撮影処理の一例を示すフローチャートである。撮影処理は、道路を撮影するための処理である。撮影装置101は、例えば、道路監視装置103を介してユーザの開始指示を受け付けると、ユーザの終了指示を受け付けるまで、撮影処理を繰り返し実行する。なお、撮影処理を開始又は終了する方法は、これらに限られない。
【0113】
撮影装置101は、道路を撮影し、画像情報を生成する(ステップS101)。
【0114】
詳細には例えば、撮影装置101は、カメラ1070が道路上の所定の場所を撮影すると、この撮影によって得られる画像を含む画像情報を生成する。
【0115】
図14は、撮影される道路Rの一例を示す図である。
【0116】
道路Rは、道路Rの両脇に沿って設けられた路側帯RS1及びRS2と、概ね中央に道路に沿って設けられた分離帯SZとを含む。道路Rは、さらに、路側帯RS1と分離帯SZとの間に設けられた車線L1及びL2と、路側帯RS2と分離帯SZとの間に設けられた車線L3及びL4と、を含む。
【0117】
図14において点線で表された矢印は、各車線について定められた走行方向を示す。すなわち、車線L1及びL2の走行方向は、図14において右下方向である。車線L3及びL4の走行方向は、図14において左上方向である。
【0118】
道路Rでは、車両C1,C2,C3,C4及びC5が走行している。車両C1,C2,C3及びC4は乗用車であり、車両C5は工事用車両である。
【0119】
図14において実線の矢印は、車両の走行方向を示す。すなわち、車両C1及びC2は、それぞれが走行中の車線L3及びL4の走行方向に従って走行している。車両C3及びC4は、それぞれが走行中の車線L2の走行方向に従って走行している。車両C5は、それが走行中の車線L1の走行方向と逆の方向に走行(すなわち、逆走)している。
【0120】
図15は、図14に例示する道路Rを撮影した画像IM1を含む画像情報IMDの一例を示す図である。図15に例示する画像情報IMDは、画像IM1に画像付随情報を関連付ける。図15に例示する画像付随情報は、画像ID「P1」、撮影ID「CM1」、撮影時期「T1」、撮影場所「L1」を関連付ける。
【0121】
「P1」は、画像IM1に付与された画像IDである。撮影装置101は、例えば、予め定められた規則に従って画像IM1の画像IDを付与し、当該画像IDを画像情報IMDに設定するとよい。
【0122】
「CM1」は、撮影装置101の撮影IDである。撮影装置101は、例えば、道路監視装置103を介してユーザが予め設定する撮影IDを保持し、当該撮影IDを画像情報IMDに設定するとよい。
【0123】
「T1」は、画像IM1の撮影時期を撮影した時期を示す。撮影装置101は、例えば、計時機能を備え、撮影時の時刻を撮影時期として画像情報IMDに設定するとよい。
【0124】
「L1」は、撮影装置101が撮影する場所を示す情報である。撮影装置101は、例えば、道路監視装置103を介してユーザが予め設定する撮影場所(例えば、撮影装置101の設置場所)を予め保持し、当該撮影場所を画像情報IMDに設定するとよい。
【0125】
再び図13を参照する。
撮影装置101は、ステップS101で生成した画像情報を画像処理装置102へ送信し(ステップS102)、ステップS101へ戻る。
【0126】
撮影装置101がこのような撮影処理を実行することで、所定のフレームレートで撮影されるフレーム画像の各々を概ねリアルタイムで画像処理装置102へ送信することができる。なお、撮影されたフレーム画像の一部について画像情報を送信するように予め設定された時間間隔で実行されてもよい。
【0127】
(実施形態1に係る画像処理の例)
図16は、実施形態1に係る画像処理の一例を示すフローチャートである。画像処理は、道路を撮影した画像を処理することにより、道路状態を検知するための処理である。画像処理装置102は、例えば撮影装置101と同様に、道路監視装置103を介してユーザの開始指示を受け付けると、ユーザの終了指示を受け付けるまで、画像処理を繰り返し実行する。なお、画像処理を開始又は終了する方法は、これらに限られない。
【0128】
画像取得部121は、ステップS102にて送信された画像情報を取得する(ステップS121)。
【0129】
検知部122は、ステップS121にて取得された画像を処理することにより、道路状態を検知する(ステップS122)。
【0130】
詳細には例えば、検知部122は、予め設定される画像処理設定に従って、画像を処理する。画像処理設定は、例えば、画像における道路又は車線の位置を示す設定、画像中の基準点間の実距離を示す設定、道路又は道路中の各車線について定められる走行方向を示す設定などの少なくとも1つを含む。道路又は車線の位置は、例えば、道路又は車線の両端(例えば、白線)の位置を用いて設定されてもよい。
【0131】
検知部122は、例えば、画像を処理することによって道路及び道路上の物体を検知し、検知した物体の各々に物体識別情報を付与する。物体識別情報は、予め定められた規則に従って付与されるとよい。
【0132】
検知部122は、検知した物体について、道路状態を検知する。
【0133】
道路状態を検知するための技術には、パターンマッチング、機械学習を行った学習済みの学習モデルなどの一般的な技術が用いられてよい。
【0134】
学習モデルが用いられる場合、検知部122は、例えば、道路状態を検知するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、画像取得部121が取得した画像を入力することで、道路状態を検知する。機械学習では、例えば、道路を撮影した画像にラベルを付した教師データをインプットデータとした教師あり学習が行われるとよい。
【0135】
道路状態のうち、例えば、車両又は落下物の位置、属性は、直近のステップS121にて取得された画像(最新画像)から検知されるとよい。また例えば、車両の走行方向、速度及び動線は、当該最新の画像と、撮影装置101から過去に取得した画像(過去画像)とを用いて検知されるとよい。詳細には例えば、車両の走行方向、速度及び動線は、最新画像から検知される車両の位置と、同一車両について過去画像から検知される位置とを用いて検知されるとよい。落下物の移動方向、移動速度及び動線についても同様に、最新画像と過去画像とを用いて検知されるとよい。
【0136】
また、物体の位置は、画像における位置でよい。画像における位置は、例えば、画像において物体が占める領域の画素の位置を用いて表されるが、画像における位置を表す方法は、これに限られない。なお、物体の位置は、画像における位置に限られず、例えば実空間における位置などであってもよい。実空間における位置は、例えば、緯度及び経度を用いて表されるが、実空間における位置を表す方法は、これに限られない。
【0137】
検知部122は、ステップS122にて検知した道路状態を含む状態情報を生成する(ステップS123)。
【0138】
図17は、ステップS123にて生成される状態情報STDの一例を示す図である。状態情報STDは、図15に例示する画像情報IMDに基づいて生成される状態情報の例である。
【0139】
状態情報STDは、画像IM1に基づいて検知された道路状態を含む。
【0140】
詳細には、状態情報STDに含まれる道路状態は、5台の車両と落下物がないこと道路Rにあることを示す。この道路状態は、さらに、道路上の物体の各々について、物体IDと物体状態とを関連付ける。
【0141】
図17に例示する「物体1」、「物体5」は、それぞれ、車両C1、車両C5の物体IDである。
【0142】
「物体1」に関連付けられた物体状態は、「位置CP1、正しい走行方向、速度V1、乗用車、CN1」を含む。「物体5」に関連付けられた物体状態は、「位置CP5、逆方向、速度V5、工事用車両、CN5」を含む。
【0143】
「位置P1」、「位置CP5」は、関連付けられた車両C1,C5それぞれの位置を示す情報の例である。
【0144】
「正しい走行方向」、「逆方向」は、関連付けられた車両C1,C5それぞれの走行方向を示す情報の例である。この例での車両の走行方向は、道路又は車線の走行方向に従った正しい走行方向であるか否かを示す。
【0145】
「速度V1」、「速度V5」は、関連付けられた車両C1,C5それぞれの速度を示す情報の例である。
【0146】
「乗用車」、「工事用車両」は、関連付けられた車両C1,C5それぞれの種類を示す情報の例である。「CN1」、「CN5」は、関連付けられた車両C1,C5それぞれの車両ナンバを示す情報の例である。すなわち、状態情報STDは、車両の種類及び車両ナンバを車両の属性に含む例である。
【0147】
また、状態情報STDは、ステップS122にて検知した道路状態に、ステップS121にて取得された画像情報IMDが関連付ける。画像情報IMDは、上述の通り画像IM1を含む。このような画像IM1は、最新画像の例である。
【0148】
再び図16を参照する。
道路状態送信部123は、ステップS123にて生成された状態情報を道路監視装置103へ送信する(ステップS124)。
【0149】
本実施形態では上述の通り、撮影装置101は、撮影した画像を含む画像情報を概ねリアルタイムで送信する。そして、画像処理装置102は、その画像情報を取得すると(ステップS121)、ステップS122~S124を実行する。従って、画像処理装置102は、概ねリアルタイムで、道路状態を検知し、当該道路状態を含む状態情報を道路監視装置103へ送信することができる。
【0150】
(実施形態1に係る監視処理の例)
図18は、実施形態1に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。監視処理は、道路状態に基づいて、ユーザによる道路の監視を支援するための処理である。
【0151】
道路監視装置103は、例えば、ユーザの開始指示を受け付けると、撮影装置101及び画像処理装置102へ開始指示を送信するとともに、監視処理を開始する。そして、道路監視装置103は、例えば、ユーザの終了指示を受け付けると、撮影装置101及び画像処理装置102へ終了指示を送信するとともに、監視処理を終了する。すなわち、道路監視装置103は、例えば、ユーザの開始指示を受け付けると、ユーザの終了指示を受け付けるまで、監視処理を繰り返し実行する。なお、監視処理を開始又は終了する方法は、これらに限られない。
【0152】
道路状態取得部131は、ステップS124にて送信された状態情報を取得する(ステップS131)。
【0153】
処理部134に加えて、第1判別部132及び第2判別部133が、処理(ステップSA)を行う。
【0154】
処理SA(ステップSA)において、第1判別部132は、ステップS131にて取得された状態情報に含まれる道路状態が第1基準を満たすか否かを判別する(ステップS132)。これにより、第1判別部132は、道路状態で予め定められた事象の発生を検知する。
【0155】
詳細には例えば、状態情報STD(図17参照)に含まれる道路状態では、「物体5」である車両Cが逆走している。そのため、ステップS131にて状態情報STDが取得された場合、第1判別部132は、「物体5」である車両C5の状態が第1条件を満たすと判別する。これにより、第1判別部132は、「物体5」である車両C5について「逆走」という具体的な事象の発生を検知する。以下では、この具体的な事象(すなわち、「物体5」である車両C5の「逆走」)を「事象1」とも称する。
【0156】
第1基準を満たさないと判別した場合(ステップS132;No)、第1判別部132は、監視処理を終了する。
【0157】
第1基準を満たすと判別した場合(ステップS132;Yes)、第2判別部133は、ステップS132での判別結果に基づいて第2基準を満たすか否かを判別する(ステップS133)。
【0158】
詳細には例えば、第2判別部133は、判別結果の履歴に基づいて第2基準を満たすか否かを判別する。ここで、第2基準は、具体的な事象が所定頻度(例えば、所定時間内に所定回数)以上で発生することであるとする。この場合、第2判別部133は、過去のステップS132での判別結果を参照して、事象1が発生していると所定頻度以上で判別されているか否かを判別する。
【0159】
第2基準を満たさないと判別した場合(ステップS133;No)、通知部141は、通知設定に従って通知処理を行う(ステップS134)。
【0160】
詳細には例えば、ステップS132にて検知された事象1の通知を禁止するような通知設定である場合、通知部141は、ステップS134で事象1の通知を行わない。事象1の通知が通知設定で禁止されていない場合、通知部141は、事象1の通知を行う。通知部141は、例えば、事象1に関する情報を含む通知画面を表示部135に表示させることで通知を行う。なお、事象を通知する方法は、画面の表示に限らず、適宜変更されてもよい。
【0161】
図19は、実施形態1に係る通知画面の一例を示す図である。図19に例示する通知画面は、事象1を通知するための画面の例である。なお、通知画面は、これに限られず、例えば通知画面に含まれる情報などは適宜変更されてよい。
【0162】
図19に例示する通知画面は、事象1が検知された道路状態を示す画像IM1と、画像IM1の撮影時期及び撮影場所とを含む。通知画面に含まれる撮影時期及び撮影場所は、それぞれ、事象1が検知された時期及び場所を示す情報の例である。
【0163】
また、図19に例示する通知画面は、画像に含まれる物体の各々を識別するための指標である枠Fを含む。枠Fは、画像IM1に含まれる物体である車両C1~C5の各々を囲むように、画像IM1に重ねて示されている。
【0164】
事象1に関連する物体である車両C5を囲む枠Fは、他の車両C1~C4を囲む枠Fとは異なる態様で示される。図19では、車両C5を囲む枠Fが、他の車両C1~C4を囲む枠Fよりも太い線である例を示すが、枠Fについての異なる態様はこれに限られない。車両C5を囲む枠Fには、検知された事象を識別するための情報「事象1」を示すラベルが関連づけられている。
【0165】
さらに、図19に例示する通知画面は、画像IM1の下に、事象1に関する情報を含む。事象1に関する情報は、事象1に関連する物体の物体ID、当該物体の物体状態、事象の種類を含む。図19では、通知画面に含まれる物体状態が、車両の属性の1つである車両の種類である例を示す。
【0166】
なお、通知画面は、これに限らず、道路状態の適宜の1つ又は複数を含んでもよい。例えば通知画面に含まれる物体状態は、車両の種類に限らず、複数であってもよいその他の物体状態の1つであってもよく、物体情報の1つ又は複数であってもよい。
【0167】
また、通知画面は、例えば「車両の種類が工事用車両であること」など、表示項目に関して予め定められた表示条件を満たす場合に、当該表示項目を含んでもよい。
【0168】
再び図18を参照する。
通知部141は、通知画面の表示終了指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS135)。表示終了指示を受け付けていないと判別した場合(ステップS135;No)、通知部141は、表示終了指示を受け付けるまで待機する。表示終了指示を受け付けたと判別した場合(ステップS135;Yes)、通知部141は、通知画面を閉じて、監視処理を終了する。
【0169】
これにより、通知部141は、表示終了指示を受け付けるまで、通知画面を表示部135に表示させ続けることができる。図19の通知画面の例では、「閉じる」ボタンが押下されることで、表示終了指示を受け付けるとよい。この場合、「閉じる」ボタンが押下されるまで、通知部141は、通知画面を表示部135に表示させ続けることができる。
【0170】
再び図18を参照する。
第2基準を満たすと判別された場合(ステップS133;Yes)、第1確認部151は、表示部135に第1確認画面を表示させる(ステップS136)。
【0171】
図20は、実施形態1に係る第1確認画面の一例を示す図である。図20に例示する第1確認画面は、事象1に関連する通知設定の変更をユーザに確認するための画面の例である。
【0172】
第1確認画面は、図19に例示した通知画面と同様の情報を含む。すなわち、第1確認画面は、事象1(すなわち、第1基準を満たすと判別された道路状態)に対応する画像IM1と、当該画像IM1に含まれる物体の各々を識別するための指標である枠Fとを含む。また、第1確認画面は、事象1に関連する車両C5の属性(図20の例では、「工事用車両」)をさらに含む。
【0173】
第1確認画面は、さらに、通知設定の変更を確認するための情報を含む。当該情報は、図20に示す例では、「通知設定を変更しますか?」というメッセージを含む。また、当該情報は、図20に示す例では、事象1に関連する通知設定の項目として、物体ID、事象の種類、通知態様、解除条件を含む。図20の例では通知態様は、通知を行うか否かを設定するための項目である。
【0174】
なお、第1確認画面は、これに限られず、適宜変更されてよい。例えば通知態様は、通知するか否かに限らず、指定した時間間隔で通知を行うなどの通知頻度が設定されてもよい。
【0175】
再び図18を参照する。
変更部153は、指示受付部152が変更する旨の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS137)。
【0176】
図20に示す第1確認画面の例では、変更部153は、通知設定の項目に情報が入力(指示)された後に、「変更する」ボタンが押下されると、通知設定を変更する旨の指示を受け付けたと判別する。この指示は、通知設定の項目に入力された情報を含む。なお、変更部153は、予め定められた必須項目(例えば物体IDと事象の種類との少なくとも一方と、通知するか否か)が少なくとも入力されることを条件に、変更する旨の指示を受け付けてもよい。
【0177】
また、図20に示す第1確認画面の例では、変更部153は、「閉じる」ボタンが押下されると、通知設定を変更する旨の指示を受け付けていないと判別する。
【0178】
再び図18を参照する。
変更する旨の指示を受け付けていないと判別した場合(ステップS137;No)、変更部153は、第1確認画面を閉じて、監視処理を終了する。
【0179】
変更する旨の指示を受け付けたと判別した場合(ステップS137;Yes)、変更部153は、当該指示に含まれる変更後の通知設定の内容に従って通知設定を変更し(ステップS138)、監視処理を終了する。
【0180】
図20に示す第1確認画面の例で、物体IDに「物体5」、事象の種類に「逆走」、通知をするか否かに「行わない」、解除条件に「2022年8月22日5時00分まで」が入力されて、「変更する」ボタンが押下されたとする。この場合、変更部153は、図10に例示する通知設定を通知部141に保持させる。これにより、通知設定は、図10に例示する内容に変更される。
【0181】
上述の通り、通知部141は、ステップS134において、通知設定に従って通知を行う。そのため、図10に例示する通知設定を保持すると、通知部141は、事象1に関する通知を、「2022年8月22日5時00分まで」行わないことになる。
【0182】
このような監視処理によれば、所定の回数又は頻度以上で検知される事象がある場合に、ユーザの指示に応じて、当該事象に関連する通知を抑制することができる。これにより、既知の事象を繰り返して確認する手間を軽減することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0183】
(作用・効果)
以上、実施形態1によれば、道路監視システムは、検知部122と、処理部134とを備える。
【0184】
検知部122は、道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する。処理部134は、道路状態が第1基準を満たす場合に、道路状態が第1基準を満たすか否かの判別結果に関する第2基準が満たされるか否かに基づいて、第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う。
【0185】
これにより、第2基準に基づいて通知設定の変更をユーザに確認できる。そのため、ユーザは適切なタイミングで通知設定を変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0186】
実施形態1によれば、処理部134は、通知部141と、設定部142とを含む。通知部141は、第1基準が満たされる場合に、通知処理を実行する。設定部142は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされる場合に、変更関連処理を行う。
【0187】
これにより、第2基準に基づいて通知設定の変更をユーザに確認できる。そのため、ユーザは適切なタイミングで通知設定を変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0188】
実施形態1によれば、通知部141は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされない場合に、通知処理を行う。
【0189】
これにより、道路を監視するために必要な通知を確実に行うことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0190】
実施形態1によれば、変更関連処理は、通知設定の変更に関する確認をユーザに行うための第1確認画面を表示部135に表示させる第1確認処理を含む。
【0191】
これにより、ユーザは、第1確認画面を見て、通知設定の変更に関する確認を行うと良いことを容易に知ることができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0192】
実施形態1によれば、第1確認画面は、第1基準を満たすと判別された道路状態に対応する画像と、当該画像に含まれる物体の各々を識別するための指標とを含む。
【0193】
これにより、ユーザは、第1基準を満たすと判別された道路状態に対応する画像中の物体を容易に認識することができるので、通知設定の変更に関する確認を容易に行うことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0194】
実施形態1によれば、物体は、車両を含む。道路状態は、車両の属性を含む。第1確認画面は、車両の属性をさらに含む。
【0195】
これにより、ユーザは、第1基準を満たすと判別された道路状態に対応する画像中の車両をその属性とともに識別することができるので、車両の属性に応じた通知設定を行う場合に、当該通知設定の変更に関する確認を容易に行うことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0196】
実施形態1によれば、第1基準は、道路状態に関連して規定される基準である。通知設定は、第1基準を満たす道路状態の通知を行うか否かに関する設定を含む。変更関連処理は、確認処理に対するユーザ指示に従って通知設定を変更する変更処理を含む。
【0197】
これにより、ユーザは、第1基準に応じた道路上の事象に関する通知設定を適切なタイミングで変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0198】
実施形態1によれば、通知設定は、設定内容の解除条件を含む。
【0199】
これにより、通知設定に条件を設けることができ、道路を監視するために必要な通知を確実に行うことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0200】
実施形態1によれば、第2基準は、道路状態が第1基準を満たすと判別された回数又は頻度に関連して定められる基準を含む。
【0201】
これにより、道路状態が第1基準を満たすと判別された回数又は頻度に応じて、通知設定の変更をユーザに確認できる。そのため、ユーザは適切なタイミングで通知設定を変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0202】
<実施形態2>
本実施形態では、道路監視装置が、ユーザの指示によらず、自動的に通知設定を変更する例を説明する。
【0203】
本実施形態では説明を簡潔にするため、実施形態1と同様の構成についての説明は適宜省略する。
【0204】
実施形態2に係る道路監視システムは、実施形態1に係る処理部134に代わる処理部234を含む道路監視装置を備える。
【0205】
図21は、実施形態2に係る処理部234の機能的な構成例を示す図である。処理部234は、実施形態1と同様に、第1判別部132及び第2判別部133の判別結果に基づいて処理を行う。例えば、処理部234は、道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、通知処理と変更関連処理とのいずれかの処理を行う。
【0206】
本実施形態に係る変更関連処理は、例えば、自動生成処理と、変更処理とを含む。自動生成処理は、事象の通知(すなわち、第1基準を満たす道路状態の通知)を抑制するように通知設定を変更するための変更値を生成する処理である。変更処理は、自動生成処理で生成した変更値を用いて通知設定を変更する。
【0207】
本実施形態に係る変更関連処理は、例えば、変更通知処理をさらに含んでもよい。変更通知処理は、変更値に基づいて通知設定を変更したことをユーザに通知する処理である。なお、通知処理は、実施形態1と同様でよい。
【0208】
処理部234は、図21に示すように、実施形態1と同様の通知部141と、実施形態1に係る設定部142の代わる設定部242とを含む。
【0209】
設定部242は、本実施形態に係る変更関連処理を行う。例えば、設定部242は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされる場合に、本実施形態に係る変更関連処理を行う。
【0210】
設定部242は、図21に示すように、自動生成部252と、変更部253と、変更通知部254とを含む。
【0211】
自動生成部252は、自動生成処理を行う。自動生成部252は、ユーザなどによって予め設定される通知変更規則を保持し、当該通知変更規則に従って、変更値を生成する。
【0212】
図22は、実施形態2に係る通知変更規則の一例を示す図である。通知変更規則は、変更対象条件と変更値とを含む。
【0213】
変更対象条件は、通知設定の変更の対象となる事象を特定するための条件を含む。図22に例示する通知変更規則は、「工事用車両」の「逆走」を、変更の対象となる事象として定める変更対象条件を含む。
【0214】
変更値は、変更対象条件を満たす事象に対する変更値を定める。図22に例示する通知変更規則は、通知対象の変更値を含む例であり、通知を「行わない」という変更値を含む。
【0215】
すなわち、図22に例示する通知変更規則は、「工事用車両」の「逆走」という事象が検視された場合に、当該事象の通知を「行わない」ように通知設定を変更するように設定された通知変更規則の例である。
【0216】
変更部253は、変更処理を行う。変更部253は、例えば、自動生成部252が変更値を生成した場合に、当該変更値を用いて通知設定を変更する。
【0217】
変更通知部254は、変更通知処理を行う。変更通知部254は、例えば、変更部253が通知設定を変更すると、当該変更が行われたことをユーザに通知する。
【0218】
これらを除いて、実施形態2に係る道路監視システムは、機能的にも物理的にも、実施形態1に係る道路監視システム100と同様に構成されるとよい。
【0219】
(本実施形態に係る道路監視システムの動作例)
本実施形態に係る道路監視システムは、実施形態1に係る道路監視システムと同様に、道路監視処理を実行する。本実施形態に係る道路監視処理は、実施形態1と同様の撮影処理及び画像処理と、実施形態1とは異なる監視処理と、を含む。
【0220】
図23は、実施形態2に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る監視処理は、実施形態1に係るステップS136~S138の代わりに、ステップS237~S239を含む。これらを除いて、本実施形態に係る監視処理は、実施形態1に係る監視処理と同様でよい。
【0221】
第2基準を満たすと判別された場合(ステップS133;Yes)、第1確認部151は、自動生成部252は、例えば予め設定された通知変更規則に従って、変更値を生成する(ステップS237)。
【0222】
変更部253は、ステップS237にて生成された変更値を用いて通知設定を変更する(ステップS238)。
【0223】
詳細には例えば、図22に例示する通知変更規則が設定されており、実施形態1で例示した事象1が検知されたとする。この場合、ステップS237~S238を実行することで、通知設定は、図24に例示する内容に自動的に変更される。ここで、図24は、実施形態2に係る、変更後の通知設定の一例を示す図である。
【0224】
変更通知部254は、ステップS238にて通知設定が変更されたことをユーザに通知する(ステップS239)。
【0225】
ステップS239での通知は、例えば、通知設定が変更された旨のメッセージを表示部135に所定の時間表示することで行われる。なお、ステップS239での通知は、これに限られず、適宜変更されてよい。
【0226】
(作用・効果)
以上、実施形態2によれば、第1基準は、道路状態に関連して規定される基準である。通知設定は、第1基準を満たす道路状態の通知を行うか否かに関する設定を含む。変更関連処理は、通知を抑制するように通知設定を変更するための変更値を生成する自動生成処理と、当該変更値を用いて通知設定を変更する変更処理とを含む。
【0227】
これにより、通知を抑制するように通知設定を自動的に変更することができるので、適切なタイミングで通知設定を適切に変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0228】
実施形態2によれば、変更関連処理は、さらに、変更値に基づいて通知設定を変更したことをユーザに通知する変更通知処理を含む。
【0229】
これにより、ユーザは、通知設定が自動的に変更された場合に、当該変更が行われたことを知ることができる。そのため、ユーザは、必要に応じて、変更された通知設定を確認し設定し直すことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0230】
<実施形態3>
実施形態1では、第1基準及び第2基準が満たされる場合に、第1確認処理が行われる例を説明した。第1基準及び第2基準が満たされる場合に、第1確認処理に加えて、或いは、第1確認処理の代わりに、第1確認処理とは異なる第2確認処理が行われてもよい。
【0231】
本実施形態では、第1基準及び第2基準が満たされる場合に、第1確認処理に加えて、第2確認処理が行われる例を説明する。
【0232】
本実施形態では説明を簡潔にするため、実施形態1と同様の構成についての説明は適宜省略する。
【0233】
実施形態3に係る道路監視システムは、実施形態1に係る処理部134に代わる処理部334を含む道路監視装置を備える。
【0234】
図25は、実施形態3に係る処理部334の機能的な構成例を示す図である。処理部334は、実施形態1と同様に、第1判別部132及び第2判別部133の判別結果に基づいて処理を行う。例えば、処理部334は、道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、通知処理と変更関連処理とのいずれかの処理を行う。
【0235】
本実施形態に係る変更関連処理は、例えば、実施形態1と同様の第1確認処理を含む。これに加えて、本実施形態に係る変更関連処理は、例えば、第2確認処理と、実施形態1とは異なる変更処理と、を含む。
【0236】
第2確認処理は、画像処理設定の変更に関する確認をユーザに行うための処理である。画像処理設定は、上述の通り、例えば、画像における道路又は車線の位置を示す設定、画像中の基準点間の実距離を示す設定、道路又は道路中の各車線について定められる走行方向を示す設定などの少なくとも1つを含む。
【0237】
本実施形態に係る変更処理は、通知設定を変更する処理に加えて、画像処理設定を変更する処理を含む。
【0238】
なお、通知処理は、実施形態1と同様でよい。
【0239】
処理部334は、図25に示すように、実施形態1と同様の通知部141と、実施形態1に係る設定部142の代わる設定部342とを含む。
【0240】
設定部342は、本実施形態に係る変更関連処理を行う。例えば、設定部342は、第1基準が満たされ、かつ、第2基準が満たされる場合に、本実施形態に係る変更関連処理を行う。
【0241】
設定部342は、図25に示すように、実施形態1と同様の第1確認部151と、実施形態1に係る指示受付部152及び変更部153に代わる、指示受付部352及び変更部353を含む。設定部342は、さらに、第2確認部355を含む。
【0242】
第2確認部355は、第2確認処理を行う。第2確認部355は、例えば、第2確認処理として、第2確認画面を表示部135に表示させる。第2確認画面は、画像処理設定の変更に関する確認をユーザに行うための画面である。
【0243】
指示受付部352は、実施形態1に係る指示受付部152と同様に、ユーザの指示(すなわち、ユーザ指示)を受け付ける。本実施形態に係る指示受付部352は、例えば、確認処理(例えば、表示部135に表示された第1確認画面又は第2確認画面)に対する応答として、ユーザ指示を受け付ける。
【0244】
ユーザ指示は、例えば、画像処理設定を変更する旨の指示を含む。画像処理設定を変更する旨の指示は、変更後の画像処理設定の内容を含むとよい。ユーザ指示は、画像処理設定を変更しない旨の指示を含んでもよい。
【0245】
変更部353は、変更処理を行う。変更処理は、確認処理に対するユーザ指示に従って通知設定又は画像処理設定を変更する処理である。
【0246】
詳細には、変更部353は、指示受付部152が第2確認処理に対して、画像処理設定を変更する旨の指示を受け付けた場合に、当該ユーザ指示に従って画像処理設定を変更する。この場合のユーザ指示は、上述の通り、変更後の画像処理設定の内容を含むので、変更部353は、ユーザ指示に含まれる画像処理設定の内容を画像処理装置102へ送信して保持させるとよい。
【0247】
変更部153は、指示受付部152が第2確認処理に対して、画像処理設定を変更しない旨の指示を受け付けた場合に、当該ユーザ指示に従って画像処理設定を変更しない。その結果、画像処理装置102は、保持している画像処理設定をそのまま保持する。
【0248】
なお、第1確認処理に対して変更部353が行う処理は、実施形態1に係る変更部153と同様でよい。
【0249】
これらを除いて、実施形態3に係る道路監視システムは、機能的にも物理的にも、実施形態1に係る道路監視システム100と同様に構成されるとよい。
【0250】
(本実施形態に係る道路監視システムの動作例)
本実施形態に係る道路監視システムは、実施形態1に係る道路監視システムと同様に、道路監視処理を実行する。本実施形態に係る道路監視処理は、実施形態1と同様の撮影処理及び画像処理と、実施形態1とは異なる監視処理と、を含む。
【0251】
図26は、実施形態3に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る監視処理は、実施形態1に係るステップS136~S138の代わりに、ステップS336~S338を含む。これらを除いて、本実施形態に係る監視処理は、実施形態1に係る監視処理と同様でよい。
【0252】
第2基準を満たすと判別された場合(ステップS133;Yes)、第1確認部151及び第2確認部355のそれぞれは、表示部135に、第1確認画面及び第2確認画面を表示させる(ステップS336)。
【0253】
図27は、実施形態3に係る第2確認画面の一例を示す図である。図27に例示する第2確認画面は、画像中の基準点間の実距離を示す設定をユーザに確認するための画面の例である。なお、第2確認画面は、これに限られず、適宜変更されてよい。
【0254】
図27に例示する第2確認画面は、撮影装置101の撮影で得られる画像(例えば、画像IM1)について現在設定されている第1基準点及び第2基準点を示す画像と、第1基準点と第2基準点との間の、現在設定されている実距離とを含む。また、図27に例示する第2確認画面は、現在設定されている第1基準点及び第2基準点それぞれの、現在設定されている画像中の位置(例えば、画素位置)を含む。
【0255】
第1基準点及び第2基準点の各々については、例えば、ユーザが画像を用いて位置を第2確認画面に入力することができる。実距離については、例えば、ユーザが値を第2確認画面に入力することができる。
【0256】
図26を再び参照する。
変更部353は、指示受付部152が通知設定又は画像処理設定を変更する旨の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS337)。
【0257】
通知設定を変更する旨の指示を受け付ける場合は、変更部353は、実施形態1に係る変更部153と同様の処理を行うとよい。そのため、本実施形態では、画像処理設定を変更する旨の指示を受け付ける場合の処理について説明する。
【0258】
図27に示す第2確認画面の例では、変更部353は、第1基準点、第2基準点、これらの実距離を示す情報が入力(指示)された後に、「変更する」ボタンが押下されると、画像処理設定を変更する旨の指示を受け付けたと判別する。この指示は、第2確認画面に入力された情報を含む。また、図27に示す第2確認画面の例では、変更部353は、「閉じる」ボタンが押下されると、画像処理設定を変更する旨の指示を受け付けていないと判別する。
【0259】
なお、変更部353は、第1確認画面と第2確認画面との一方の「変更する」ボタンが押下されると、他方の画面を閉じてもよい。これにより、変更部353は、通知設定と画像処理設定とのうち、「変更する」ボタンが押下された画面に対応する変更の指示のみを受け付けることになる。そのため、通知設定を変更する旨の指示と画像処理設定を変更する旨の指示との競合を防ぐことができる。
【0260】
再び図26を参照する。
通知設定及び画像処理設定について変更する旨の指示を受け付けていないと判別した場合(ステップS337;No)、変更部353は、第1確認画面及び第2確認画面を閉じて、監視処理を終了する。
【0261】
通知設定又は画像処理設定について変更する旨の指示を受け付けたと判別した場合(ステップS337;Yes)、変更部353は、当該指示に含まれる変更後の通知設定又は画像処理設定の内容に従って通知設定又は画像処理設定を変更する(ステップS338)。そして、変更部353は、監視処理を終了する。
【0262】
このような監視処理によれば、所定の回数又は頻度以上で検知される事象がある場合に、画像処理設定の確認をユーザに促すことができる。そして、ユーザは、必要に応じて、画像処理設定を変更することができる。
【0263】
一般的に、撮影装置101のメンテナンスでカメラの向き(画角)が変わったり、ソフトウェアの更新で画像処理設定が変更(例えば、初期化)されたりすることなどがある。
【0264】
例えば、道路又は車線の位置がズレて認識されると、車両の逆走を誤って検知する可能性がある。例えば、走行方向が互いに逆方向である2車線の道路において、一方の車線が他方の車線であると認識されると、車両は、当該一方の車線を走行している場合に、当該他方の車線を走行していると認識される。その結果、当該車両は、当該一方の車線を正しい方向に走行している場合であっても、逆走している判断される可能性がある。
【0265】
また例えば、実距離が誤って設定されていると、誤った車速を求める可能性がある。
【0266】
このような場合、誤った通知が繰り返されるおそれがある。
【0267】
所定の回数又は頻度以上で検知される事象がある場合に、画像処理設定の確認をユーザに促すことで、ユーザは、設定の誤りに早く気付き、正しい内容に変更することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0268】
(作用・効果)
以上、実施形態3によれば、変更関連処理は、画像の処理に関する設定である画像処理設定の変更に関する確認をユーザに行うための第2確認画面を表示部135に表示させる第2確認処理を含む。
【0269】
これにより、ユーザは、第2確認画面を見て、画像処理設定の変更に関する確認を行うと良いことを容易に知ることができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0270】
実施形態1によれば、画像処理設定は、画像中の道路又は車線の位置、画像中の基準点間の実距離の少なくとも1つに関する設定値を含む。
【0271】
これにより、画像処理設定の不備による誤検知の可能性を減らすことができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0272】
<実施形態4>
実施形態1では、道路監視システムが、撮影装置101と画像処理装置102と道路監視装置103とを1つずつ備える例を説明した。しかし、道路監視システムは、道路上の異なる場所を撮影するように設置される複数の撮影装置101を備えてもよい。この場合の道路は、X高速道路のような特定道路であってもよく、X高速道路、Y高速道路などの複数の特定道路を含んでもよい。なお、道路は、人の通路を含んでもよい。
【0273】
また、道路監視システムは、複数の画像処理装置102を備えてもよい。この場合、画像処理装置102の各々は、1つ又は複数の撮影装置101に互いに情報を送受信できるようにネットワークNを介して接続されるとよい。これにより、画像処理装置102の各々は、1つ又は複数の撮影装置101が道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知することができる。
【0274】
なお、このような変更は、実施形態2~3にも適用することができる。
【0275】
図28は、実施形態4に係る道路監視システム400の構成例を示す図である。道路監視システム400は、複数の撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2と、1つ又は複数の画像処理装置102_1~102_Xと、道路監視装置103とを備える。M1,M2,Xのそれぞれは、1以上の整数である。
【0276】
複数の撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2は、道路上の異なる場所を撮影するように設置される。複数の撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2の各々が、例えば、実施形態1に係る撮影装置101に相当する。そのため、複数の撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2は、道路上の異なる場所を撮影した複数の画像を生成する。
【0277】
Xが2以上である場合、画像処理装置102_1~102_Xの各々が、実施形態1に係る画像処理装置102に相当する。例えば、本実施形態に係る画像処理装置102_1~102_Xの各々では、画像取得部121は、1つ又は複数の撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2から、1つ又は複数の画像を取得する。画像処理装置102_1~102_Xの各々の検知部122は、画像取得部121が取得した1つ又は複数の画像を処理することにより、道路状態を検知し、状態情報を生成する。
【0278】
本実施形態に係る道路状態取得部131は、1つ又は複数の画像処理装置102から状態情報を取得する。第1判別部132は、例えば、1つ又は複数の状態情報に含まれる道路状態の各々が第1基準を満たすか否かを判別するとよい。
【0279】
撮影装置101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2は、複数であるので、第1判別部132は、例えば、複数の画像のそれぞれを基に検知された複数の道路状態の各々について判別するとよい。
【0280】
(作用・効果)
以上、実施形態4によれば、画像は、道路上の異なる場所を撮影した複数の画像である。検知部122は、1つ又は複数である。検知部122の各々は、複数の前記画像を処理することにより、道路状態を検知する。
【0281】
これにより、道路監視システム400は、道路上の異なる場所を撮影した複数の画像を基に、道路状態を検知することができる。そのため、実施形態1と同様に、道路監視の効率を向上させることなどが可能になる。
【0282】
<実施形態5>
実施形態1では、ユーザが指示した内容で通知設定を変更する例を説明した。
【0283】
一般的に、事象の中には、車両の渋滞のように、特定の時期や領域(場所)で頻繁に発生するものがある。特定の時期や領域で頻繁に発生する渋滞の場合、道路監視を行うユーザは、経験に基づいて予測できる可能性が高い。これを通知することは、予測可能な事象を繰り返して確認することになり、道路監視の効率を低下させるおそれがある。
【0284】
実施形態1によれば、例えばユーザが時期、領域の少なくとも一方を指定することで、特定の時期や領域で頻繁に発生する渋滞の通知を抑制することができる。例えば、図10に例示する通知設定のうち物体IDが設定されない場合のように、ユーザは、第1確認画面のような通知設定を行うための画面で、時期及び領域の少なくとも1つ、事象の種類、通知態様などを指定し、それの内容を通知設定として設定させればよい。これにより、特定の時期や領域で頻繁に発生する事象についての通知を抑制することができるので、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0285】
ここで、時期は、例えば、日付属性、時間(時間帯又は時刻)などである。日付属性とは、その日の曜日、平日と休日(例えば、土曜日、日曜日及び祝日)とのいずれかなど、日付に関する属性である。
【0286】
また、特定の時期や領域で頻繁に発生する事象についての通知を抑制するように、通知設定が自動的に変更されてもよい。本実施形態では、通知設定は、事象の履歴に基づいて自動的に変更される例を説明する。
【0287】
本実施形態では説明を簡潔にするため、実施形態1と同様の構成についての説明は適宜省略する。
【0288】
実施形態5に係る道路監視システムは、処理部134に代わる処理部534を含む道路監視装置を備える。
【0289】
図29は、実施形態5に係る処理部534の機能的な構成例を示す図である。処理部534は、実施形態1と同様に、第1判別部132及び第2判別部133の判別結果に基づいて処理を行う。例えば、処理部534は、道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、通知処理と変更関連処理とのいずれかの処理を行う。
【0290】
本実施形態に係る変更関連処理は、通知設定処理を含む。また、本実施形態に係る変更関連処理は、設定通知処理をさらに含んでもよい。
【0291】
通知設定処理は、事象の履歴に基づいて、通知設定を自動的に設定するための処理である。設定通知処理は、通知設定が自動的に設定されたことを通知するための処理である。
【0292】
処理部534は、図29に示すように、実施形態1と同様の通知部141と、実施形態1に係る設定部142の代わる設定部542とを含む。
【0293】
設定部542は、例えば、事象の履歴が第2基準を満たす場合に、本実施形態に係る変更関連処理を行う。
【0294】
ここで、本実施形態に係る第2基準は、例えば、頻度又は回数に加えて、領域に関する条件を含んでもよい。詳細には例えば、本実施形態に係る第2基準は、同一種類の事象が、所定の時期又は領域で、所定値以上の頻度で又は所定値以上の回数、繰り返して検知されることであってもよい。
【0295】
ここでの頻度は、例えば、日付属性、時間帯、時刻の1つ又は複数の組み合わせ別の、所定期間における回数でよい。また、回数は、例えば、日付属性、時間帯、時刻の1つ又は複数の組み合わせ別の回数でよい。第2基準の具体的な内容は、例えば、ユーザが設定するとよい。
【0296】
設定部542は、図29に示すように、履歴記憶部556と、通知設定部557と、設定通知部558と、を含む。
【0297】
履歴記憶部556は、事象(すなわち、第1基準を満たす道路状態)の履歴を示す履歴情報を記憶する。履歴情報は、事象の種類、当該事象が発生した領域及び時期を含む。
【0298】
例えば、第1判別部132は、道路状態が第1基準を満たすと判別した場合に、当該第1基準を満たす道路状態に関する履歴情報を生成して、履歴記憶部556に記憶させるとよい。
【0299】
なお、履歴情報は、事象の種類、当該事象が発生した領域、当該事象が発生した時期の少なくとも1つを含めばよく、時期は、日付属性、時間帯、時刻の少なくとも1つを含めばよい。
【0300】
通知設定部557は、事象の履歴に基づいて、通知変更規則を自動的に設定する。
【0301】
詳細には例えば、通知設定部557は、履歴記憶部556に記憶された事象の履歴に基づいて、通知設定を作成する。このとき、通知設定部557は、第2基準をさらに参照してもよい。この場合、通知設定部557は、例えば、事象の履歴のうち、第2基準を満たす事象に基づいて通知設定を作成し、当該作成した通知設定を設定する。
【0302】
図30は、実施形態5に係る通知設定の一例を示す図である。
【0303】
図30に示す通知設定は、事象の種類「渋滞」についての通知設定の例である。図30には、「渋滞」について、「平日」の「17:00~19:00」という時期に、「Xジャンクションからの下り車線でYkm(キロメートル)」の領域で発生している場合に、通知を「行わない」という内容の通知設定の例である。
【0304】
なお、通知設定は、図30に例示するものに限られず、項目が削除又は追加されるなど適宜変更されてよい。例えば、通知を「行わない」という設定は、通知態様の設定の一例であり、当該設定には通知頻度が設定されてもよい。
【0305】
設定通知部558は、設定通知処理を行う。設定通知部558は、例えば、通知設定部557が通知設定を設定すると、当該設定が行われたことをユーザに通知する。
【0306】
これらを除いて、実施形態5に係る道路監視システムは、機能的にも物理的にも、実施形態1に係る道路監視システム100と同様に構成されるとよい。
【0307】
(本実施形態に係る道路監視システムの動作例)
本実施形態に係る道路監視システムは、実施形態1に係る道路監視システムと同様に、道路監視処理を実行する。本実施形態に係る道路監視処理は、実施形態1と同様の撮影処理及び画像処理と、通知設定処理と、実施形態1とは異なる監視処理と、を含む。
【0308】
図31は、実施形態5に係る通知設定処理の一例を示すフローチャートである。通知設定処理は、通知設定を自動的に設定するための処理である。通知設定処理は、例えば、毎日の所定時刻、一週間に一度の所定時刻、月に一度の所定日時など、予め定められた時期に実行される。
【0309】
第2判別部133は、事象の履歴について、第2基準を満たすか否かを判別する(ステップS133)。
【0310】
詳細には例えば、第2判別部133は、履歴記憶部556を参照し、履歴情報の中に、第2基準を満たす事象があるか否かを判別する。
【0311】
第2基準を満たさないと判別した場合(ステップS133;No)、第2判別部133は、通知設定処理を終了する。
【0312】
第2基準を満たすと判別された場合(ステップS133;Yes)、通知設定部557は、履歴情報に含まれる事象のうちの第2基準を満たす事象に基づいて、通知設定を作成して、当該作成した通知設定を通知部141に保持させる。これにより、通知設定部557は、通知設定を設定する(ステップS538)。
【0313】
詳細には例えば、履歴情報が、Xジャンクションからの下り車線でYkm以内において、平日の17:00~19:00に発生した渋滞の履歴を、所定の頻度以上で含むとする。この場合、通知設定部557は、この渋滞の履歴に基づいて、図30に示す通知設定を設定するとよい。
【0314】
なお、通知設定において、通知を「行わない」と設定するか、通知頻度を設定するかなど、通知態様の具体的な設定内容は、予め定められてもよく、ユーザが指定するように構成されてもよい。
【0315】
設定通知部558は、ステップS538にて通知設定が設定されたことをユーザに通知し(ステップS539)、通知設定処理を終了する。
【0316】
このような通知設定処理を実行することで、特定の時期や領域で頻繁に発生する事象についての通知を抑制するように、通知設定が自動的に設定することができる。
【0317】
図32は、実施形態5に係る監視処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る監視処理は、実施形態1と同様のステップS131~S132を含む。そして、ステップS132において第1基準を満たすと判別された場合に(ステップS132;Yes)、実施形態1と同様のステップS134~S135が実行される。
【0318】
このような監視処理を実行することで、自動的に設定された通知設定に従って、事象の通知を行うことができる。
【0319】
なお、本実施形態に係る監視処理では、例えば、ステップS538~S539が、実施形態1に係るステップS136~S138(図18参照)の代わりに実行されてもよい。この場合、通知設定処理は実行されてなくてもよい。
【0320】
(作用・効果)
以上、実施形態5によれば、道路監視装置は、事象の履歴に基づいて、通知変更規則を自動的に設定する通知設定部557を備える。
【0321】
このような監視処理を実行することで、特定の時期や領域で頻繁に発生する事象についての通知を抑制することができる。従って、道路監視の効率を向上させることが可能になる。
【0322】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0323】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の実施形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0324】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0325】
1.
道路を撮影した画像を処理することにより、道路上の物体の状態である道路状態を検知する検知手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視システム。
2.
前記処理手段は、
前記第1基準が満たされる場合に、前記通知処理を実行する通知手段と、
前記第1基準が満たされ、かつ、前記第2基準が満たされる場合に、前記変更関連処理を行う設定手段と、を含む
1.に記載の道路監視システム。
3.
前記通知手段は、前記第1基準が満たされ、かつ、前記第2基準が満たされない場合に、前記通知処理を行う
2.に記載の道路監視システム。
4.
前記変更関連処理は、前記通知設定の変更に関する確認をユーザに行うための第1確認画面を表示手段に表示させる第1確認処理を含む
1.から3.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
5.
前記第1確認画面は、前記第1基準を満たすと判別された道路状態に対応する前記画像と、当該画像に含まれる物体の各々を識別するための指標とを含む
4.に記載の道路監視システム。
6.
前記物体は、車両を含み、
前記道路状態は、前記車両の属性を含み、
前記第1確認画面は、前記車両の属性をさらに含む
5.に記載の道路監視システム。
7.
前記第1基準は、前記道路状態に関連して規定される基準であり、
前記通知設定は、前記第1基準を満たす道路状態の通知を行うか否かに関する設定を含み、
前記変更関連処理は、前記確認処理に対するユーザ指示に従って前記通知設定を変更する変更処理を含む
4.から6.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
8.
前記第1基準は、前記道路状態に関連して規定される基準であり、
前記通知設定は、前記第1基準を満たす道路状態の通知を行うか否かに関する設定を含み、
前記変更関連処理は、前記通知を抑制するように前記通知設定を変更するための変更値を生成する自動生成処理と、当該変更値を用いて前記通知設定を変更する変更処理とを含む
付記1.から3.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
9.
前記変更関連処理は、さらに、前記変更値に基づいて前記通知設定を変更したことをユーザに通知する変更通知処理を含む
付記8.に記載の道路監視システム。
10.
前記通知設定は、設定内容の解除条件を含む
付記7.から9.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
11.
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすと判別された回数又は頻度に関連して定められる基準を含む
付記1.から10.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
12.
前記変更関連処理は、前記画像の処理に関する設定である画像処理設定の変更に関する確認をユーザに行うための第2確認画面を表示手段に表示させる第2確認処理を含む
付記1.から11.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
13.
前記画像処理設定は、画像中の道路又は車線の位置、画像中の基準点間の実距離の少なくとも1つに関する設定値を含む
付記1.から12のいずれか1つに記載の道路監視システム。
14.
前記画像は、道路上の異なる場所を撮影した複数の画像であり、
前記検知手段は、1つ又は複数であり、
前記検知手段の各々は、複数の前記画像を処理することにより、前記道路状態を検知する
付記1.から13.のいずれか1つに記載の道路監視システム。
15.
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得する道路状態取得手段と、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行う処理手段と、を備え、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視装置。
16.
1つ以上のコンピュータが、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行い、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である
道路監視方法。
17.
1つ以上のコンピュータに、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知の通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行うことを実行させるためのものであり、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である、プログラム。
18.
1つ以上のコンピュータに、
道路上の物体の状態である道路状態を含む状態情報を取得し、
前記道路状態が第1基準を満たす場合に、第2基準が満たされるか否かに基づいて、前記第1基準を満たす道路状態の通知に関する通知設定に従って当該通知を行う通知処理と、前記通知設定の変更に関する変更関連処理と、のいずれかの処理を行うこと
を実行させるためのものであり、
前記第2基準は、前記道路状態が前記第1基準を満たすか否かの判別結果に関する基準である、プログラムが記録された記録媒体。
【符号の説明】
【0326】
100,400 道路監視システム
101,101_1_1~101_1_M1,101_X_1~101_X_M2 撮影装置
102,102_1~102_X 画像処理装置
103 道路監視装置
121 画像取得部
122 検知部
123 道路状態送信部
131 道路状態取得部
132 第1判別部
133 第2判別部
134,234,534 処理部
135 表示部
141 通知部
142,242,342,542 設定部
151 第1確認部
152,352 指示受付部
153,253,353 変更部
252 自動生成部
254 変更通知部
334 処理部
355 第2確認部
556 履歴記憶部
557 通知設定部
558 設定通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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