(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048245
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154174
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA06
5D208CA08
5D208CA09
5D208CA12
5D208CB06
5D208CE06
(57)【要約】
【課題】飲食店舗の利用者が、飲食と合わせて気軽にカラオケ歌唱を行うことを可能とするカラオケシステムを提供する。
【解決手段】飲食店舗のカラオケエリアにあるカラオケ用ブースに設置されているカラオケ装置と、当該カラオケエリアとは異なる飲食エリアの各テーブルに設置されているオーダー端末とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、カラオケ装置が、楽曲のカラオケ演奏を予約する予約処理部、待機情報を送信する待機情報送信部、演奏処理部を有し、オーダー端末が、予約情報をカラオケ装置に送信する予約情報送信部、利用者に対してカラオケエリアで待機するよう指示する待機指示部を有するカラオケシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店舗のカラオケエリアにあるカラオケ用ブースに設置されているカラオケ装置と、当該カラオケエリアとは異なる飲食エリアの各テーブルに設置されているオーダー端末とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
オーダー端末から受信した楽曲識別情報及び端末識別情報を含む予約情報を予約待ち行列に登録することにより、当該予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を予約する予約処理部と、
前記予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、所定のタイミングで待機情報を送信する待機情報送信部と、
前記予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段を制御する演奏処理部と、
を有し、
前記オーダー端末は、
利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者が当該楽曲の選曲に用いたオーダー端末の端末識別情報とを紐付けた予約情報を、前記カラオケ装置に送信する予約情報送信部と、
前記カラオケ装置から待機情報を受信した場合、前記利用者に対して前記カラオケエリアで待機するよう指示する待機指示部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記待機情報送信部は、ある楽曲のカラオケ演奏の終了まで所定時間となった時点を前記所定タイミングとして、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、前記待機情報を送信することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記カラオケ装置は、カラオケ演奏が終了したある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とが異なる場合、当該カラオケ装置の利用者が交代したかどうかを判定する判定部を有し、
前記演奏処理部は、前記カラオケ装置の利用者が交代していないと判定された場合、前記次の楽曲のカラオケ演奏を禁止し、前記カラオケ装置の利用者が交代したと判定された場合、前記次の楽曲のカラオケ演奏を解禁することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏音、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声、及び当該利用者を撮影して得られた利用者映像に基づく歌唱動画データを、当該楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対して送信するデータ送信部を有し、
前記オーダー端末は、受信した前記歌唱動画データに基づいて、楽曲のカラオケ演奏音及び歌唱音声を放音手段から放音させ、且つ利用者映像を表示手段に表示させるデータ処理部を有することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記オーダー端末は、前記利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の数に応じた金額を課金する課金処理部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
居酒屋等において、飲食物を注文したり、請求額の確認が可能な端末装置が利用されている(非特許文献1参照)。
【0003】
また、大型商業施設等に設置可能なカラオケ用ブースが販売されている(非特許文献2参照)。このようなカラオケ用ブースは、1~2名程度の少人数でカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】iPad(登録商標)セルフオーダー 株式会社イグレック、[令和4年9月23日検索]、インターネット<URL:https://self.ipad-solution.com/lp/lp008/?gclid>
【非特許文献2】COCOKARA 株式会社第一興商、[令和4年9月23日検索]、インターネット<URL:https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/cocokara/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カラオケ店舗でカラオケ歌唱を行う利用者が飲食を希望する場合、カラオケルームにおいて飲食物を注文することができる。すなわち、カラオケ店舗の利用者は、カラオケ歌唱と合わせて気軽に飲食を行うことができる。一方、居酒屋で飲食を行う利用者がカラオケ歌唱を希望する場合、一般的な居酒屋にはカラオケ装置が備えられていないため、カラオケ店舗に移動しなければならない。
【0006】
本発明の目的は、飲食店舗の利用者が、飲食と合わせて気軽にカラオケ歌唱を行うことを可能とするカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、飲食店舗のカラオケエリアにあるカラオケ用ブースに設置されているカラオケ装置と、当該カラオケエリアとは異なる飲食エリアの各テーブルに設置されているオーダー端末とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、オーダー端末から受信した楽曲識別情報及び端末識別情報を含む予約情報を予約待ち行列に登録することにより、当該予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を予約する予約処理部と、前記予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、所定のタイミングで待機情報を送信する待機情報送信部と、前記予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段を制御する演奏処理部と、を有し、前記オーダー端末は、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者が当該楽曲の選曲に用いたオーダー端末の端末識別情報とを紐付けた予約情報を、前記カラオケ装置に送信する予約情報送信部と、前記カラオケ装置から待機情報を受信した場合、前記利用者に対して前記カラオケエリアで待機するよう指示する待機指示部と、を有するカラオケシステムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飲食店舗の利用者が、飲食と合わせて気軽にカラオケ歌唱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
【
図2】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図3】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図4】実施形態に係るオーダー端末を示す図である。
【
図5】実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【
図6】変形例1に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図7】変形例2に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図8】変形例2に係るオーダー端末を示す図である。
【
図9】変形例3に係るオーダー端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
図1~
図5を参照して、実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0011】
==カラオケシステム==
カラオケシステムは、飲食店舗に設置される。飲食店舗は、たとえば居酒屋やレストランのような、調理した飲食物を利用者に提供する店舗である。
【0012】
カラオケシステムは、カラオケ装置及びオーダー端末を含む。カラオケ装置とオーダー端末とは、飲食店舗内のLANやアクセスポイントを介して通信可能に接続されている。或いは、カラオケ装置とオーダー端末とは、飲食店舗内外に設置されているサーバ装置を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0013】
カラオケ装置は、利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置は、飲食店舗のカラオケエリアにあるカラオケ用ブースに設置されている。カラオケエリアは、飲食店舗の一部の領域であって、カラオケ歌唱を行うための専用の領域である。カラオケ用ブースは、たとえば非特許文献2に示すような少人数でカラオケ歌唱が可能な空間を提供する設備である。
【0014】
オーダー端末は、たとえば非特許文献1に示すような利用者が自席で飲食物を注文するための装置である。オーダー端末は、飲食店舗の飲食エリアの各テーブルに設置されている。飲食エリアは、カラオケエリアとは異なる領域であって、飲食を行うための専用の領域である。テーブルは、複数人で利用可能な大型のものであってもよいし、一人で利用可能な小型のものであってもよい。また、カウンターのようなテーブルを用いる場合、各席にオーダー端末を設置してもよい。
【0015】
なお、カラオケエリアや飲食エリアは飲食店舗の敷地内であれば建物内に限られない。たとえば、飲食店舗の庭にカラオケ用ブースやテーブル(所謂テラス席)を設けてもよい。この場合、飲食店舗の庭がカラオケエリアや飲食エリアとなる。
【0016】
ここで、
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、飲食店舗Sに設置されている。飲食店舗SのカラオケエリアKAには、カラオケ用ブースBが設置されている。カラオケ用ブースB内には、カラオケ装置Kが設置されている。
【0017】
飲食店舗Sの飲食エリアEAには、テーブルT1~T4が設けられている。テーブルT1にはオーダー端末OT1が設置され、テーブルT2にはオーダー端末OT2が設置され、テーブルT3にはオーダー端末OT3が設置され、テーブルT4にはオーダー端末OT4が設置されている。
【0018】
また、利用者U1及び利用者U2はテーブルT1で飲食を行い、利用者U3及び利用者U4はテーブルT2で飲食を行い、利用者U5及び利用者U6はテーブルT3で飲食を行い、利用者U7及び利用者U8はテーブルT4で飲食を行っている。
【0019】
なお、
図1の例において、カラオケ用ブースB(カラオケ装置K)は、厨房Cの横且つレジカウンターRの裏に設置されている。よって、飲食エリアEAの利用者からは、カラオケエリアKAの状況が確認し難くなっている。
【0020】
==カラオケ装置==
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、ヘッドホン20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、撮影装置60を備える。
【0021】
カラオケ本体10は、オーダー端末OT1~OT4(後述)により予約された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。ヘッドホン20はカラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する操作をおこなうための装置である。撮影装置60は、カメラのような利用者を撮影するための装置である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0023】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。楽曲データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、カラオケ演奏データ、リファレンスデータ等を含む。
【0024】
また、記憶手段10aは、楽曲毎に、カラオケ演奏時に表示される背景映像に対応する背景映像データ、楽曲の歌詞を表示するための歌詞テロップデータ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を記憶する。
【0025】
また、記憶手段10aは、飲食店舗Sにあるオーダー端末の端末識別情報、及びオーダー端末が設置されているテーブルのテーブル情報を記憶する。端末識別情報は、オーダー端末を識別するための端末ID等、各オーダー端末に固有の情報である。テーブル情報は、テーブル番号等、各テーブルに固有の情報である。オーダー端末の端末識別情報と、当該オーダー端末が設置されているテーブルのテーブル情報とは紐付けされている。
【0026】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、外部との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0027】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0028】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0029】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、予約処理部100、待機情報送信部200、及び演奏処理部300として機能する。
【0030】
(予約処理部)
予約処理部100は、オーダー端末から受信した予約情報を予約待ち行列に登録することにより、当該予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を予約する。
【0031】
予約情報は、楽曲識別情報及び端末識別情報を含む。予約情報に含まれる楽曲識別情報は、オーダー端末を操作して利用者が選曲した楽曲(すなわち、利用者がカラオケ歌唱を希望する楽曲)に対応する情報である。予約情報に含まれる端末識別情報は、予約情報を送信したオーダー端末に対応する情報である。
【0032】
予約処理部100は、オーダー端末から受信した予約情報に含まれる楽曲識別情報と端末識別情報を予約待ち行列に登録することにより、当該楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を予約する。
【0033】
予約処理部100は、オーダー端末から予約情報を受信する都度、順番にカラオケ演奏の予約を行う。一方、楽曲のカラオケ演奏が終了した場合、予約処理部100は、当該楽曲の楽曲識別情報が含まれる予約情報を、予約待ち行列から削除してもよい。
【0034】
(待機情報送信部)
待機情報送信部200は、予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、所定のタイミングで待機情報を送信する。また、本実施形態において、待機情報送信部200は、ある楽曲のカラオケ演奏の終了まで所定時間となった時点を所定タイミングとして、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、待機情報を送信する。
【0035】
待機情報は、オーダー端末の利用者に対してカラオケエリアへの移動を促すための情報である。所定のタイミングは、カラオケ装置Kの稼働状況により待機情報送信部200が決定する。
【0036】
たとえば、カラオケ装置Kである楽曲のカラオケ演奏が行われており、且つ次の楽曲のカラオケ演奏が予約されている場合、待機情報送信部200は、ある楽曲のカラオケ演奏の終了まで所定時間(たとえば、カラオケ演奏終了の60秒前)となった時点を所定のタイミングとして決定する。具体的に、待機情報送信部200は、ある楽曲の属性情報に含まれる演奏時間、及びある楽曲のカラオケ演奏開始からの経過時間を参照することにより、所定のタイミグを決定することができる。この場合、待機情報送信部200は、次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、待機情報を送信する。ここで送信される待機情報は、たとえばある楽曲の残りの演奏時間等、次の楽曲のカラオケ演奏を開始できるタイミングの情報を含む。
【0037】
一方、カラオケ装置Kでカラオケ演奏が行われていない場合、待機情報送信部200は、予約情報が予約待ち行列に登録された時点を所定のタイミングとして決定する。この場合、待機情報送信部200は、予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、待機情報を送信する。ここで送信される待機情報は、現時点で次の楽曲のカラオケ演奏を開始できる旨の情報を含む。
【0038】
(演奏処理部)
演奏処理部300は、予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0039】
演奏処理部300は、予約待ち行列に登録されている予約情報に含まれる楽曲識別情報を元に、楽曲のカラオケ演奏データを記憶手段10aから取得する。演奏処理部300は、取得したカラオケ演奏データを再生し、ヘッドホン20からカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。
【0040】
==オーダー端末==
本実施形態に係るオーダー端末は、飲食物の注文や請求金額の確認が可能な「飲食モード」と、カラオケ装置でカラオケ歌唱を行うための「カラオケモード」とを備えている。オーダー端末OT1~OT4の構成及び機能は同じであるため、以下ではオーダー端末ОT1について説明する。
図4に示すように、オーダー端末OT1は、記憶手段70、通信手段71、表示手段72、入力手段73、放音手段74、及び制御手段75を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0041】
[記憶手段、通信手段、表示手段、入力手段、放音手段]
記憶手段70は、各種のデータを記憶する記憶装置である。たとえば、記憶手段70は、端末識別情報を記憶する。通信手段71は、カラオケ装置Kとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段72は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段73は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。なお、タッチパネル形式で構成されている表示手段72が、入力手段73として機能してもよい。放音手段74は、スピーカのような、音声を放音するための構成である。
【0042】
[制御手段]
制御手段75は、オーダー端末OT1における各種の制御を行う。制御手段75は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0043】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段75は、予約情報送信部400及び待機指示部500として機能する。
【0044】
(予約情報送信部)
予約情報送信部400は、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者が当該楽曲の選曲に用いたオーダー端末の端末識別情報とを紐付けた予約情報を、カラオケ装置Kに送信する。
【0045】
飲食の途中でカラオケ歌唱を希望する利用者は、オーダー端末OT1の表示手段72に表示されている「カラオケモード」のアイコンを選択する。オーダー端末OT1は、表示手段72に選曲画面を表示させる。利用者は、入力手段73を介してカラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲する。なお、オーダー端末OT1における選曲の処理は、一般的なカラオケ装置に付属するリモコン装置における処理と同様である。
【0046】
予約情報送信部400は、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報と、オーダー端末OT1の端末識別情報とを紐付けた予約情報を生成し、カラオケ装置Kに送信する。
【0047】
(待機指示部)
待機指示部500は、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、利用者に対してカラオケエリアで待機するよう指示する。
【0048】
指示は様々な方法で行うことできる。たとえば、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、待機指示部500は、表示手段72にカラオケエリアでの待機を促すメッセージを表示させることができる。或いは、待機指示部500は、放音手段74からカラオケエリアでの待機を促すメッセージを放音させることができる。指示を確認した利用者は、飲食店舗SのカラオケエリアKAに移動し、カラオケ用ブースB内のカラオケ装置Kでカラオケ歌唱を行うことができる。
【0049】
==カラオケシステムの動作について==
次に、
図5を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図5は、カラオケシステム1における動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示した飲食店舗Sにおいて各利用者が飲食を行っているとする。また、利用者U1が、飲食の途中でオーダー端末OT1を操作し、楽曲Xを選曲したとする。
【0050】
オーダー端末OT1の予約情報送信部400は、利用者U1が選曲した楽曲X1の楽曲ID***X1と、利用者U1が楽曲X1の選曲に用いたオーダー端末OT1の端末ID***OT1とを紐付けた予約情報RSを、カラオケ装置Kに送信する(予約情報をカラオケ装置に送信。ステップ10)。
【0051】
オーダー端末OT1から予約情報RSを受信した場合、カラオケ装置Kの予約処理部100は、受信した予約情報RSを予約待ち行列に登録することにより、予約情報RSに含まれる楽曲ID***X1に対応する楽曲X1のカラオケ演奏を予約する(楽曲X1のカラオケ演奏を予約。ステップ11)。
【0052】
カラオケ装置Kの待機情報送信部200は、予約待ち行列に登録された予約情報RSに含まれる端末ID***OT1に対応するオーダー端末OT1に対し、所定のタイミングで待機情報を送信する(待機情報を送信。ステップ12)。
【0053】
オーダー端末OT1の待機指示部500は、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、利用者U1に対してカラオケエリアKAで待機するよう指示する(カラオケエリアでの待機を指示。ステップ13)。
【0054】
演奏処理部300は、予約待ち行列に登録された予約情報RSに含まれる楽曲ID***X1に対応する楽曲X1のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する(楽曲X1のカラオケ演奏。ステップ14)。
【0055】
具体的に、テーブルT1で飲食を行っている利用者U1が利用者U2との会話の中で話題となった楽曲X1のカラオケ歌唱を行いたいと考えたとする。この場合、利用者U1は、オーダー端末OT1の表示手段72に表示されている「カラオケモード」のアイコンを選択する。オーダー端末OT1は、表示手段72に選曲画面を表示させる。利用者U1は、入力手段73を介してカラオケ歌唱を希望する楽曲X1を選曲する。
【0056】
オーダー端末OT1の予約情報送信部400は、利用者U1が選曲した楽曲X1の楽曲ID***X1と、オーダー端末OT1の端末ID***OT1とを紐付けた予約情報RSを生成し、カラオケ装置Kに送信する。
【0057】
カラオケ装置Kの予約処理部100は、オーダー端末OT1から受信した予約情報RSに含まれる楽曲ID***X1と端末ID***OT1を予約待ち行列に登録することにより、楽曲X1のカラオケ演奏を予約する。
【0058】
ここで、楽曲X1のカラオケ演奏が予約された時点においてカラオケ装置Kでカラオケ演奏が行われていない場合、待機情報送信部200は、予約情報RSが予約待ち行列に登録された時点を所定のタイミングとして決定し、予約情報RSに含まれる端末ID***OT1に対応するオーダー端末OT1に対し、待機情報を送信する。
【0059】
オーダー端末OT1の待機指示部500は、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、たとえば「楽曲X1のカラオケ演奏が可能です。カラオケエリアKAに移動してください。」のようなメッセージを表示手段72に表示させる。
【0060】
メッセージを確認した利用者U1は、カラオケエリアKAに移動し、カラオケ用ブースBに入室する。利用者U1は、カラオケ装置Kのリモコン装置50を操作し、カラオケ演奏開始の指示入力を行う。
【0061】
カラオケ装置Kの演奏処理部300は、当該指示入力に基づいて、予約待ち行列に登録された予約情報RSに含まれる楽曲ID***X1に対応する楽曲X1のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。利用者U1は、ヘッドホン20から放音されるカラオケ演奏音に合わせて、マイク40を用いてカラオケ歌唱を行う。
【0062】
一方、楽曲X1のカラオケ演奏が予約された時点においてカラオケ装置Kで利用者U3がオーダー端末OT2で選曲した楽曲X0のカラオケ演奏が行われている場合、待機情報送信部200は、楽曲X0のカラオケ演奏の終了まで所定時間(たとえば1分)となった時点を所定のタイミングとして決定し、予約情報RSに含まれる端末ID***OT1に対応するオーダー端末OT1に対し、待機情報を送信する。なお、楽曲X1のカラオケ演奏が予約された時点において楽曲X0のカラオケ演奏の終了まで既に所定時間未満となっている場合、待機情報送信部200は、予約情報RSが予約待ち行列に登録された時点を所定のタイミングとして決定することができる。また、楽曲X1のカラオケ演奏が予約された時点において他にも予約された楽曲があった場合、待機情報送信部200は、直前の楽曲のカラオケ演奏の終了まで所定時間となった時点を所定のタイミングとして決定することができる。
【0063】
オーダー端末OT1の待機指示部500は、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、たとえば「楽曲X1のカラオケ演奏が可能となるまであと1分です。カラオケエリアKAに移動してください。」のようなメッセージを表示手段72に表示させる。
【0064】
メッセージを確認した利用者U1は、カラオケエリアKAに移動し、利用者U3が選曲した楽曲X0のカラオケ演奏の終了(すなわち、利用者U3のカラオケ歌唱の終了)を待つ。利用者U3がカラオケ用ブースBから退室した後、利用者U1はカラオケ用ブースBに入室する。利用者U1は、カラオケ装置Kのリモコン装置50を操作し、カラオケ演奏開始の指示入力を行う。
【0065】
カラオケ装置Kの演奏処理部300は、上記の例と同様、楽曲X1のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。利用者U1は、ヘッドホン20から放音されるカラオケ演奏音に合わせて、マイク40を用いてカラオケ歌唱を行う。
【0066】
なお、演奏処理部300は、ある楽曲のカラオケ演奏が終了した後、次の楽曲のカラオケ演奏が開始されるまでに、表示装置30やリモコン装置50の表示画面に次の楽曲の楽曲識別情報を含む予約情報を送信したオーダー端末が設置されているテーブルのテーブル情報を表示させることができる。たとえば、上記例において、演奏処理部300は、楽曲X0のカラオケ演奏が終了した後、予約情報RSを送信したオーダー端末OT1が設置されているテーブルT1のテーブル情報を記憶手段10aから読み出す。演奏処理部300は、読み出したテーブル情報に応じたテーブル番号を表示装置30に表示させる。カラオケ歌唱を終えた利用者U3は、表示装置30に表示されたテーブル番号を確認することにより、次の予約が入っていることを把握できる。一方、利用者U3の後にカラオケ用ブースBに入室した利用者U1は、表示装置30に表示されたテーブル番号を確認することにより、次にカラオケ演奏される楽曲が、自身が予約した楽曲であることを把握できる。
【0067】
また、演奏処理部300は、予め設定されている時間帯(たとえば飲食店舗Sが混む時間帯)において、カラオケ演奏の時間を短縮するよう演奏手段10dを制御してもよい。カラオケ演奏の時間の短縮は公知の技術を用いて行うことができる。
【0068】
また、同じオーダー端末から連続で予約情報が送信されることがありうる。この場合、ある楽曲と次の楽曲のカラオケ歌唱を行う利用者は同じオーダー端末を使用しているため、次の楽曲のカラオケ演奏時にカラオケエリアでの待機を促す必要はない。そこで、待機情報送信部200は、カラオケ演奏中の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とが異なる場合にのみ、次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対して待機情報を送信してもよい。
【0069】
また、予約情報送信部400は、予め設定されている時間帯(たとえば飲食店舗Sが混む時間帯)において、一のオーダー端末からカラオケ装置Kに送信できる予約情報の数の上限(たとえば、2曲)を設けてもよい。或いは、予約情報送信部400は、一のオーダー端末が設置されているテーブルにおける請求金額に応じてカラオケ装置Kに送信できる予約情報の数の条件を設定してもよい。たとえば、予約情報送信部400は、「請求金額が1000円未満の場合:1曲、請求金額が1000円以上3000円未満の場合:2曲、請求金額3000円以上:制限なし」のような条件を設定することができる。
【0070】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、飲食店舗SのカラオケエリアKAにあるカラオケ用ブースBに設置されているカラオケ装置Kと、カラオケエリアKAとは異なる飲食エリアEAのテーブルT1~T4に設置されているオーダー端末OT1~OT4とが通信可能に接続されている。カラオケ装置Kは、オーダー端末から受信した楽曲識別情報及び端末識別情報を含む予約情報を予約待ち行列に登録することにより、当該予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を予約する予約処理部100と、予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、所定のタイミングで待機情報を送信する待機情報送信部200と、予約待ち行列に登録された予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する演奏処理部300と、を有する。各オーダー端末は、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者が当該楽曲の選曲に用いたオーダー端末の端末識別情報とを紐付けた予約情報を、カラオケ装置Kに送信する予約情報送信部400と、カラオケ装置Kから待機情報を受信した場合、利用者に対してカラオケエリアKAで待機するよう指示する待機指示部500と、を有する。
【0071】
このようなカラオケシステム1によれば、飲食店舗で飲食している利用者がカラオケ歌唱を行いたいと考えた場合、飲食エリアのテーブルに設置されたオーダー端末で楽曲を選曲することにより、カラオケエリアにあるカラオケ装置で当該楽曲のカラオケ演奏の予約がなされる。また、オーダー端末は、カラオケ装置Kから所定のタイミングで送信された待機情報に応じて、利用者に対してカラオケエリアで待機するよう指示を行う。利用者は、指示に応じてカラオケエリアに移動し、カラオケ装置Kを利用してカラオケ歌唱を行うことができる。また、利用者は、カラオケ終了後、テーブルに戻って引き続き飲食を楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、飲食店舗の利用者が飲食と合わせて気軽にカラオケ歌唱を行うことが可能となる。
【0072】
また、本実施形態に係るカラオケシステム1において、待機情報送信部200は、ある楽曲のカラオケ演奏の終了まで所定時間となった時点を所定タイミングとして、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対し、待機情報を送信する。このようなカラオケシステム1によれば、複数の楽曲のカラオケ演奏が予約されている場合であっても、カラオケ装置Kから各オーダー端末に対して適当なタイミングで待機情報を送信することができる。よって、各利用者は選曲した楽曲のカラオケ歌唱を順次行うことができる。
【0073】
<変形例1>
==カラオケ装置==
[制御手段]
本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、カラオケ装置Kの制御手段10eは、予約処理部100、待機情報送信部200、演奏処理部300、及び判定部600として機能する(
図6参照)。
【0074】
(判定部)
判定部600は、カラオケ演奏が終了したある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とが異なる場合、当該カラオケ装置の利用者が交代したかどうかを判定する。
【0075】
予約待ち行列に登録されているある予約情報に含まれる端末識別情報と、他の予約情報に含まれる端末識別情報とが異なる場合、ある予約情報を送信したオーダー端末と他の予約情報を送信したオーダー端末とは別の端末である。すなわち、予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ歌唱を行う利用者は異なる。
【0076】
そこで、判定部600は、ある楽曲のカラオケ演奏が終了した場合、当該ある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報との比較を行う。端末識別情報が異なる場合、判定部600は、カラオケ装置の利用者が交代したかどうかを判定する。
【0077】
カラオケ装置の利用者が交代したかどうかの判定は様々な方法により行うことができる。
【0078】
たとえば、判定部600は、カラオケ用ブースBに入室した利用者の画像に基づいて判定することができる。具体的に、カラオケ装置Kの撮影装置60は、所定時間毎(たとえば、5秒毎)にカラオケ用ブースB内の撮影を行う。この場合、ある楽曲のカラオケ演奏中に撮影された画像には、ある楽曲を選曲した利用者が映っている。判定部600は、ある楽曲のカラオケ演奏が終了した後に撮影された画像中に映っている利用者と、ある楽曲のカラオケ演奏中に撮影された画像中に映っている利用者との比較を行う。比較は、たとえば公知の画像認識技術によりそれぞれの画像中の利用者の顔を特定し、公知のパターンマッチング技術を用いて特定された顔の一致度を判断する。特定された顔が一致する場合、判定部600は、利用者が交代していないと判定する。一方、特定された顔が一致しない場合、判定部600は、利用者が交代したと判定する。判定部600は、判定結果を演奏処理部300に出力する。
【0079】
或いは、判定部600は、利用者が所有する携帯端末を用いて判定することもできる。具体的に、オーダー端末の待機指示部500は、カラオケエリアで待機するよう指示する際に、表示手段72に専用コード(たとえば、QRコード(登録商標)のような二次元コード)を表示させる。専用コードは、少なくとも専用コードを表示させたオーダー端末の端末識別情報を含む。オーダー端末の利用者は、自己が所有する携帯端末(たとえばスマートフォン)を用いて専用コードの読み取りを行う。
【0080】
カラオケエリアに移動し、カラオケ用ブースに入室した利用者は、携帯端末で読み取った専用コードを、カラオケ装置Kのコード読み取り部(図示なし)にかざす。カラオケ装置Kは、読み取った専用コードに含まれる端末識別情報を判定部600に出力する。
【0081】
判定部600は、専用コードに含まれる端末識別情報と、次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とを比較する。端末識別情報が一致する場合、判定部600は、利用者が交代したと判定する。端末識別情報が一致しない場合、判定部600は、利用者が交代していないと判定する。判定部600は、判定結果を演奏処理部300に出力する。
【0082】
(演奏処理部)
本変形例に係る演奏処理部300は、カラオケ装置Kの利用者が交代していないと判定された場合、次の楽曲のカラオケ演奏を禁止し、カラオケ装置Kの利用者が交代したと判定された場合、次の楽曲のカラオケ演奏を解禁する。
【0083】
実施形態で述べたように、利用者は、カラオケ装置Kでカラオケ歌唱を行う際、カラオケ装置Kのリモコン装置50を操作し、カラオケ演奏開始の指示入力を行う。利用者から当該指示入力があった場合、演奏処理部300は、カラオケ演奏を行うかどうかを判断する。その前にカラオケ演奏を終了した楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、カラオケ演奏開始の指示入力を行った楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とが異なるにもかかわらず、判定部600からカラオケ装置Kの利用者が交代していないという判定結果が出力された場合、演奏処理部300は、次の楽曲のカラオケ演奏を禁止する。一方、判定部600からカラオケ装置Kの利用者が交代したという判定結果が出力された場合、演奏処理部300は、次の楽曲のカラオケ演奏を解禁する。よって、演奏処理部300は、次の楽曲のカラオケ演奏を行うことができる。
【0084】
このように、本変形例に係るカラオケシステム1において、カラオケ装置Kは、カラオケ演奏が終了したある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報と、当該ある楽曲の次にカラオケ演奏が予約されている次の楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報とが異なる場合、当該カラオケ装置の利用者が交代したかどうかを判定する判定部600を有する。また、本変形例に係る演奏処理部300は、カラオケ装置Kの利用者が交代していないと判定された場合、次の楽曲のカラオケ演奏を禁止し、カラオケ装置Kの利用者が交代したと判定された場合、次の楽曲のカラオケ演奏を解禁する。
【0085】
複数の楽曲のカラオケ演奏が予約されている場合、様々な利用者が順番にカラオケ装置Kを利用することになる。よって、誤って他人が選曲した楽曲のカラオケ演奏を開始してしまう恐れもある。一方、本変形例に係るカラオケシステム1によれば、利用者が交代した場合にのみカラオケ演奏を開始することができる。このため、他人が選曲した楽曲のカラオケ演奏が開始されることを防止できる。
【0086】
<変形例2>
==カラオケ装置==
[制御手段]
本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、カラオケ装置Kの制御手段10eは、予約処理部100、待機情報送信部200、演奏処理部300、及びデータ送信部700として機能する(
図7参照)。
【0087】
(データ送信部)
データ送信部700は、楽曲のカラオケ演奏音、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声、及び当該利用者を撮影して得られた利用者映像に基づく歌唱動画データを、当該楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対して送信する。
【0088】
ある楽曲のカラオケ演奏が開始された場合、利用者はカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。また、撮影装置60は、カラオケ歌唱を行う利用者を撮影し利用者映像を取得する。データ送信部700は、ある楽曲のカラオケ演奏音、利用者の歌唱音声、及び利用者映像を合成し、歌唱動画データを生成する。各音声と映像の合成は、公知の手法を用いることができる。データ送信部700は、通信手段10bを介し、生成する歌唱動画データを順次、ある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末にストリーミング送信する。
【0089】
なお、データ送信部700は、楽曲の歌詞テロップデータを用いて、歌唱動画に歌詞テロップを重畳させた歌唱動画データを生成してもよい。
【0090】
==オーダー端末==
[制御手段]
本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、オーダー端末OT1の制御手段75は、予約情報送信部400、待機指示部500、及びデータ処理部800として機能する(
図8参照)。
【0091】
(データ処理部)
データ処理部800は、受信した歌唱動画データに基づいて、楽曲のカラオケ演奏音及び歌唱音声を放音手段74から放音させ、且つ利用者映像を表示手段72に表示させる。
【0092】
たとえば、実施形態の例において、カラオケ装置Kは、楽曲X1のカラオケ演奏を開始する。利用者U1は、楽曲X1のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。撮影装置60は、カラオケ歌唱を行う利用者U1を撮影し利用者映像を取得する。
【0093】
データ送信部700は、楽曲X1のカラオケ演奏音及び利用者U1のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声と、利用者U1の利用者映像とを合成し、歌唱動画データを生成する。データ送信部700は、オーダー端末OT1に対し、歌唱動画データを送信する。
【0094】
オーダー端末OT1のデータ処理部800は、受信した歌唱動画データに基づいて、楽曲X1のカラオケ演奏音及び利用者U1の歌唱音声を放音手段74から放音させ、且つ利用者U1の利用者映像を表示手段72に表示させる。
【0095】
実施形態の例において、利用者U1がカラオケ装置Kでカラオケ歌唱を行っている場合、テーブルT1には利用者U2が在席している。よって、利用者U2は、オーダー端末OT1を介して利用者U1のカラオケ歌唱を視聴することができる。
【0096】
なお、データ処理部800は、テーブル(オーダー端末)の置かれている場所や他のテーブルとの配置によって、放音手段74から放音される音量を調整してもよい。たとえば、テーブルが個室にある場合やテーブル間の距離が離れている場合、データ処理部800は、音量には特に制限を設けずにカラオケ演奏音及びカラオケ歌唱音を放音させる。一方、壁等の遮蔽物がないフロアに複数のテーブルが置かれている場合やテーブル間の距離が近い場合、データ処理部800は、比較的小さな音量でカラオケ演奏音及びカラオケ歌唱音を放音させる。
【0097】
また、データ処理部800は、利用者の所有する携帯端末に対して歌唱動画データを転送してもよい。この場合、携帯端末には、予め専用のアプリケーションソフトウエア(専用アプリ)がインストールされている。専用アプリを起動した携帯端末は、オーダー端末と通信可能に接続される。また、携帯端末は、専用アプリを用いてデータ処理部800から転送された歌唱動画データを再生することができる。よって、たとえば上記例における利用者U2は、自己の所有する携帯端末に専用アプリをインストールしておくことにより、周囲の状況を気にすることなく利用者U1のカラオケ歌唱を視聴することができる。
【0098】
このように、本変形例に係るカラオケシステム1において、カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏音、利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声、及び当該利用者を撮影して得られた利用者映像に基づく歌唱動画データを、当該楽曲の楽曲識別情報に紐付けられている端末識別情報に対応するオーダー端末に対して送信するデータ送信部700を有し、オーダー端末は、受信した歌唱動画データに基づいて、楽曲のカラオケ演奏音及び歌唱音声を放音手段74から放音させ、且つ利用者映像を表示手段72に表示させるデータ処理部800を有する。このようなカラオケシステム1によれば、カラオケ歌唱を行う利用者と共に飲食店舗を訪れた他の利用者は、当該利用者のカラオケ歌唱を視聴することができる。
【0099】
<変形例3>
==オーダー端末==
[制御手段]
本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、オーダー端末OT1の制御手段75は、予約情報送信部400、待機指示部500、及び課金処理部900として機能する(
図9参照)。
【0100】
(課金処理部)
課金処理部900は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の数に応じた金額を課金する。
【0101】
課金する金額は、たとえば「1曲あたり150円」のように予め所定の金額が設定されていてもよいし、「1~2曲目:200円、3曲目以降:150円」、「1曲あたり200円。ただし飲食の金額が5000円以上の場合、1曲あたり100円」のように曲数や飲食の金額に応じて複数の金額が設定されていてもよい。なお、「飲食の金額が1万円以上の場合、課金しない」のような条件を追加で設定してもよい。
【0102】
課金処理部900は、カラオケ装置に対してオーダー端末から予約情報を送信した回数をカウントする。課金処理部900は、利用者が退店する際に、飲食の金額に対してカウントの回数に応じた金額を課金することで請求金額を求める。
【0103】
たとえば、課金する金額が「1曲あたり150円」、カラオケ歌唱を行った楽曲の数(すなわち、予約情報を送信した回数)が3曲、飲食の金額が7000円であったとする。この場合、課金処理部900は、飲食の金額7000円に対して、450円(3曲分)を課金する。よって、請求金額は7450円となる。
【0104】
このように、本変形例に係るカラオケシステム1において、オーダー端末は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲の数に応じた金額を課金する課金処理部900を有する。このようなカラオケシステム1によれば、カラオケ歌唱に応じた課金を行うことができる。
【0105】
<その他>
本発明に係るカラオケシステムは、上記実施形態及び変形例の構成を適宜組み合わせたものも含む。たとえば、カラオケシステム1は、予約処理部100、待機情報送信部200、演奏処理部300、判定部600及びデータ送信部700の構成を備えるカラオケ装置と、予約情報送信部400、待機指示部500及びデータ処理部800の構成を備えるオーダー端末とを含んでいてもよい。
【0106】
上記実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 カラオケシステム
100 予約処理部
200 待機情報送信部
300 演奏処理部
400 予約情報送信部
500 待機指示部
600 判定部
700 データ送信部
800 データ処理部
900 課金処理部
EA 飲食エリア
B カラオケ用ブース
K カラオケ装置
KA カラオケエリア
OT1~OT4 オーダー端末
S 飲食店舗
T1~T4 テーブル