(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048276
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】廃水処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 3/06 20230101AFI20240401BHJP
C02F 3/10 20230101ALI20240401BHJP
C02F 3/12 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
C02F3/06
C02F3/10 Z
C02F3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154231
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 啓司
(72)【発明者】
【氏名】奥野 健太
(72)【発明者】
【氏名】越知 葵生
【テーマコード(参考)】
4D003
4D028
【Fターム(参考)】
4D003AA01
4D003AB01
4D003DA19
4D003EA02
4D003EA15
4D003EA30
4D028BB02
4D028BC24
4D028BD07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】廃水中の微生物を活性化させて、微生物により廃水を浄化する廃水処理装置において、廃水と気体供給体との接触時間を確保し、廃水処理性能を高くする。
【解決手段】廃水処理装置100は、長方形状の四辺に配置された4つの側壁を有する廃水処理槽51であって、一の側壁に配置され、廃水処理槽の内部に廃水を流入させる流入口と、前記一の側壁に対向する側壁に配置され、廃水処理槽から廃水を流出させる流出口と、を有する、廃水処理槽と、廃水処理槽内に設置された供給体ユニット52であって、複数の気体供給体10を含み、各気体供給体は、気体透過膜を有し、平板状部材であり、複数の気体供給体は平面視長手方向に沿うように配列されている、供給体ユニットと、を備える。廃水処理槽の4つの側壁の内の一の側壁と、前記側壁と隣接する気体供給体との距離が5mm以上1000mm以下とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水処理槽の内部に貯留する廃水に、気体透過膜を透過した酸素を供給することで、廃水中の微生物を活性化させて、当該微生物の活動により廃水を浄化する廃水処理装置であって、
長方形状の四辺に配置された4つの側壁を有する廃水処理槽であって、一の側壁に配置され、廃水処理槽の内部に廃水を流入させる流入口と、前記一の側壁に対向する側壁に配置され、廃水処理槽から廃水を流出させる流出口と、を有する、廃水処理槽と、
前記廃水処理槽内に設置された供給体ユニットであって、複数の気体供給体を含み、各気体供給体は、気体透過膜を有し、かつ、平板状部材であり、複数の気体供給体は平面視長手方向に沿うように配列されている、供給体ユニットと、
を備え、
前記廃水処理槽の4つの側壁の内の一の側壁と、前記側壁と隣接する気体供給体との距離が5mm以上1000mm以下である、
廃水処理装置。
【請求項2】
一の廃水処理装置内に、供給体ユニットが2以上設置されており、隣接する供給体ユニットの間隔が0mm以上1000mm以下である、
請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
前記廃水処理槽において、前記流入口の少なくとも一つが側壁に設置される地面からの高さと、前記流出口の少なくとも一つが側壁に設置される地面からの高さが異なるように配置されている、
請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項4】
前記廃水処理槽において、隣接する気体供給体10の間隔が、5mm以上200mm以下である、
請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項5】
前記廃水処理槽内に、前記流入口から前記流出口への廃水の流れを阻害する、少なくとも1枚以上の邪魔板が配置され、前記邪魔板が水面に対し鉛直方向に配置されている、
請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項6】
一の廃水処理装置内に、前記供給体ユニットが2以上設置されており、2つの供給体ユニットの間に、前記邪魔板が設置されており、前記邪魔板は、前記廃水処理槽の4つの側壁の一側壁に接して配置されている、
請求項5に記載の廃水処理装置。
【請求項7】
前記廃水処理槽の内部において、前記流入口の設置された側壁の近傍には、廃水の流れを下方に導く潜り堰が設置され、前記廃水処理槽の内部において、前記流出口の設置された側壁の近傍には、廃水の流れを均等化する越流堰が設置されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の廃水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機性廃水を好気性生物処理するのに好適な好気性生物処理装置に係り、特に酸素透過膜を用いて反応槽内の被処理水に酸素を溶解させるようにしたMABR(メンブレンエアレーションバイオリアクター)方式を採用した好気性生物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃水に含まれる微生物の活動を利用して廃水を浄化する装置が提案されており、この種の廃水処理装置として、平膜を用いて、廃水中の有機物を処理する廃水処理装置がある。こうした廃水処理装置において、廃水を流入口から流出口まで円滑に流すことは重要である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような廃水処理装置では、廃水処理にあたって重要な供給体ユニット同士の位置関係や、廃水処理槽と供給体ユニットの位置関係、流入口と流出口の位置関係について具体的な検討が不十分である。従って従来技術の課題は、実際の廃水処理装置に適用した場合、例えば供給体ユニット同士の間隔が広い、供給体ユニットと廃水処理槽の距離が広いといった設計がなされると、短絡流が発生し、流入する廃水と気体供給体との接触時間が短くなり、廃水処理性能が低下するといった問題が生じる。本開示はかかる課題の少なくともいずれか一つを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、流入する廃水と気体供給体との接触効率を高めることで、処理効率の向上を目指したものである。
【0006】
第1観点の廃水処理システムは、廃水処理槽の内部に貯留する廃水に、気体透過膜を透過した酸素を供給することで、廃水中の微生物を活性化させて、当該微生物の活動により廃水を浄化する廃水処理装置であって、
長方形状の四辺に配置された4つの側壁を有する廃水処理槽であって、一の側壁に配置され、廃水処理槽の内部に廃水を流入させる流入口と、前記一の側壁に対向する側壁に配置され、廃水処理槽から廃水を流出させる流出口と、を有する、廃水処理槽と、
前記廃水処理槽内に設置された供給体ユニットであって、複数の気体供給体を含み、各気体供給体は、気体透過膜を有し、かつ、平板状部材であり、複数の気体供給体は平面視長手方向に沿うように配列されている、供給体ユニットと、
を備え、
前記廃水処理槽の4つの側壁の内の一の側壁と、前記側壁と隣接する気体供給体との距離が5mm以上1000mm以下である。
【0007】
第2観点の廃水処理装置は、第1観点の廃水処理装置であって、一の廃水処理装置内に、供給体ユニットが2以上設置されており、隣接する供給体ユニットの間隔が0mm以上1000mm以下である。
【0008】
第3観点の廃水処理装置は、第1観点の廃水処理装置であって、前記廃水処理槽において、前記流入口の少なくとも一つが側壁に設置される地面からの高さと、前記流出口の少なくとも一つが側壁に設置される地面からの高さが異なるように配置されている。
【0009】
第4観点の廃水処理装置は、第1観点の廃水処理装置であって、前記廃水処理槽において、隣接する気体供給体10の間隔が、5mm以上200mm以下である。
【0010】
第5観点の廃水処理装置は、第1観点の廃水処理装置であって、前記廃水処理槽内に、前記流入口から前記流出口への廃水の流れを阻害する、少なくとも1枚以上の邪魔板が配置され、前記邪魔板が水面に対し鉛直方向に配置されている。
【0011】
第6観点の廃水処理装置は、第5観点の廃水処理装置であって、一の廃水処理装置内に、前記供給体ユニットが2以上設置されており、2つの供給体ユニットの間に、前記邪魔板が設置されており、前記邪魔板は、前記廃水処理槽の4つの側壁の一側壁に接して配置されている。
第7観点の廃水処理装置は、第1観点~第6観点のいずれかの廃水処理装置であって、前記廃水処理槽の内部において、前記流入口の設置された側壁の近傍には、廃水の流れを下方に導く潜り堰が設置され、前記廃水処理槽の内部において、前記流出口の設置された側壁の近傍には、廃水の流れを均等化する越流堰が設置されている。
【発明の効果】
【0012】
本開示の廃水処理システムによれば、廃水処理槽内に流入する廃水の短絡流を抑制し処理効率低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の廃水処理装置100の鉛直断面図である。
【
図2】第1実施形態の廃水処理装置100の鉛直断面図である。
図1と直交する断面を示す。
【
図3】第1実施形態の廃水処理装置100の水平断面図である。
【
図5】
図4の気体供給体10を構成する気体送出層12を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態の廃水処理装置100の概略側面図である。
図1の鉛直断面図と同方向から見た図である。
【
図7】気体供給体10を用いて微生物が廃水W中の有機物を分解する様子を模式的に示す図である。
【
図8A】気体供給体10a、10bの内部空間に水が溜まり、それを排出している状態を示す図である。
【
図8B】気体供給体10a、10bの
図8Aの後の状態を示す図である。
【
図9A】送液管41内のオリフィス部位47aを示す図である。
【
図9B】送液管41内の複数孔のオリフィス部位47bを示す図である。
【
図9C】送液管41内の狭窄部位47cを示す図である。
【
図9D】送液管41内の湾曲部位47dを示す図である。
【
図9E】送液管41内の連通多孔質部材47eが配置された部位を示す図である。
【
図10】第2実施形態の廃水処理装置100の平面図である。
【
図11】第3実施形態の廃水処理装置100の平面図である。
【
図12】第4実施形態の廃水処理装置100の平面図である。
【
図13】第5実施形態の廃水処理装置100の鉛直断面図である。
【
図14】第6実施形態の廃水処理装置100の鉛直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
(廃水処理装置100)
本実施形態の廃水処理装置100は、廃水に含まれる好気性微生物の働きを利用して、廃水中の少なくとも1つの有機物または窒素源を分解して廃水の浄化処理を行う。
図1~
図3に示すように、廃水処理装置100は、廃水処理槽51と、廃水処理システム50とを備えている。
【0015】
(廃水処理槽51)
図1~
図3に示すように、廃水処理槽51は、廃水Wが貯留される有底の容器である。廃水処理槽51は、
図3に示すように、上面視長方形状である。廃水処理槽51は、4つの側壁511~514と、底面515とを有している。側壁511には、廃水Wの流入口51aが配置されており、側壁511と対向する側壁512には、廃水Wの流出口51bが配置されている。
本実施形態においては、
図2に示すように、流入口51aと流出口51bは、地面からの高さ(水面からの深さ)が同一になるように配置されている。後で、実施形態5、6で説明するように、流入口51aと流出口51bは、地面からの高さが異なるように配置されていてもよい。その場合は、廃水Wの槽内の滞留時間が増えるため、廃水Wの短絡流が防止されるとともに、廃水Wと気体供給体10をより効率的に接触させることができる。
流入口51aと流出口51bが複数個設置されていてもよい。複数個設置されていることで、廃水Wと気体供給体10の接触効率が向上し、より好ましい。
【0016】
本実施形態では、流入口51aと流出口51bとが常時開放されている。廃水Wは、流入口51aから、流入口51aに対向する位置に配置された流出口51bに向かって、連続的、もしくは、断続的に供給される。
【0017】
廃水処理槽の容積については、特に限定されないが、例えば、1m3以上10,000m3以下の容積であればよい。
【0018】
(廃水処理システム50)
廃水処理システム50は、供給体ユニット52を備えている。さらに、送気部や、送液部40を備えていてもよい。
【0019】
(供給体ユニット52)
図6に示すように、供給体ユニット52は、気体供給体10がユニット化されたものであり、廃水処理槽51の内部に配置される。供給体ユニット52は、平行に配列された複数の気体供給体10と、気体供給体10を支持する躯体61とを含む。供給体ユニット52は、使用時において、各気体供給体10の上端部分を除いた部分が廃水W中に浸漬されるように配置される。上端部分を封止して、供給体ユニット全てを浸漬してもよい。
【0020】
(供給体ユニット52の固定方法)
また、気体供給体10を1枚ずつ廃水処理槽51に設置することは、施工時間が掛かり設置費用も高くなる。したがって、複数の気体供給体10を並列保持する供給体ユニット52を製作して、供給体ユニット52の単数または複数を、廃水処理槽51の内部に設置するようにしてもよい。このようにすれば、短時間で多くの気体供給体10を廃水処理槽51に設置できるので、施工時間、設置費用を大幅に短縮できる。以下、
図6に示す供給体ユニットの固定方法について詳細に説明する。
【0021】
供給体ユニット52が中空状の気体供給体10を複数有することで、供給体ユニット52を廃水処理槽51に設置した際には、供給体ユニット52に大きな浮力が働く。そこで供給体ユニット52の浮上を防止するために固定金具63や浮上防止部材62が使用される。
【0022】
固定金具63は、供給体ユニット52を廃水処理槽51の底面515に固定する。固定金具63はL型の鋼材である。固定金具63は、廃水処理槽51の底面515に固定され垂直に延びる構造である。固定金具63は、例えば供給体ユニット52の4隅の4カ所を廃水処理槽51の底面515に固定する。これによって、供給体ユニット52が左右に振れることなく固定される。固定金具63の個数は4個に限定されず、供給体ユニット52が固定されれば何個でも良い。
【0023】
浮上防止部材62は、供給体ユニット52を廃水処理槽51の側壁511~514に固定する。浮上防止部材62は、L型の構造であり、基板62aと基板62aから垂直に延びる垂直板62bとを有する。基板62aは廃水処理槽51の側壁511~514の上部に固定される(
図6参照)。そして、垂直板62bにより上部から抑えることで、供給体ユニット52が浮上することが防止される。
【0024】
廃水処理槽51内側の側壁511~514と、供給体ユニット52の気体供給体10との距離L1(
図1、3、10等参照)は、5mm以上1000mm以内であることが好ましい、さらに好ましくは20mm以上500mm以内であることが好ましい。供給体ユニットの一側面との距離が5mm以下の場合は設置が困難であり、1000mm以上の場合には廃水と気体供給体10側面(又は、気体供給体に付着する微生物)との接触効率が低下し、廃水処理性能が低下する恐れがある。5mm以上1000mm以内であれば、短絡流の防止が可能であり、2つの供給体ユニット52の間に必要な配管部材を設置したり、散気管を設置したり、設置時の取り回しが容易である点から好ましい。
【0025】
本実施形態においては、
図1~3に示すように、1の廃水処理槽51の中に、1の供給体ユニット52が配置されている。1の廃水処理槽51の中に、複数の供給体ユニット52が配置されていてもよい。この場合については、後に、第2~第4実施形態において、詳述する。
【0026】
(気体供給体10)
各気体供給体10とは、廃水処理槽51の廃水W中に浸漬された状態で、開口21bから供給された気体を、廃水W中に供給する構造体である。気体供給体10は、
図4に示すように、気体送出層12と、気体透過膜21とを含む。気体供給体10の内部空間には、送気部30の送気管31の一部が開口21bを経由して挿入されている。送気部30より、気体(空気、酸素)が気体供給体10の内部空間に供給される。また、気体供給体10の内部空間には、送液部40の送液管41の一部が配置されていてもよい。気体送出層の中で生じた凝縮水は、気体供給体10の内部空間より、送液部40を介して外部に排出される。本実施形態においては、開口21bは、送気管31、送液管41の他にも空気、気体が気体供給体10の内部空間に出入りできる。開口21bは、送気管31、送液管41の他には空気、気体が出入りできないように封止されていてもよい。
【0027】
図2に示すように、各気体供給体10は、平板状の部材であって、上下方向(深さ方向)と横方向(水平方向)とに沿って面が展開されるように配置されている。これにより、廃水Wとの接触面積が効率的に確保される。また、流入口51aと流出口51bとを結ぶ直線に対して、各気体供給体10の側面が平行になるように各気体供給体10が配置されることで、流入口51aから廃水処理槽51内に供給される廃水Wは、流出口51bに向けて円滑に流れる。なお、供給体ユニット52を構成する気体供給体10の数は、必ずしも複数である必要はなく、単数であってもよい。また、気体供給体はスパイラル形状や中空糸形状でもよい。スパイラル形状の場合は平板状のように内部に気体供給体が配置され、気体供給体に送気部、送液部が挿入されている。中空糸形状の場合は、中空糸自体の強度で内部空間を保持することができる場合、気体供給体がなくてもよい。送気部、送液部は複数の中空糸を束ねるヘッダ内部に送気部、送液部が挿入される。
【0028】
気体供給体10の間隔を、「気体供給体10の厚みを含まない、隣り合う2つの気体供給体10の外面の間隔」と定義すると、気体供給体10の間隔は、5mm以上200mm以下であることが好ましい。気体供給体10の間隔が5mm未満である場合には、気体透過膜21上に増殖する微生物によって目詰まりを起こす虞がある。気体供給体10の間隔が200mmを超える場合には、廃水との接触効率が悪くなり、廃水処理性能が向上しにくくなる可能性がある。なお上記問題を確実に回避するために、気体供給体10の間隔を15mm以上50mm以下とすることがより好ましい。
【0029】
図4は、気体供給体10の鉛直断面図である。
図4に示すように、気体供給体10は、気体送出層12と、気体透過膜21とを備えており、気体透過膜21によって構成される袋の中に気体送出層12が配置される。前記袋は、2枚の気体透過膜21,21を重ね合わせて、これら気体透過膜21,21の3方の端部を接着したものであり、上端部(気体送出層12における気体供給側の端部)に開口21b(
図4参照)を有している。そして開口21bから気体送出層12が袋の内部に挿入されることで、気体送出層12の外周は気体透過膜21によって覆われている。なお開口21bの位置あるいは形状は限定されず、例えば各端部(袋の上辺、底辺、横辺(縦のライン)も含む)の一部が開口とされてもよい。
【0030】
(送気部30)
送気部30は、気体供給体10の内部空間に気体を供給する。送気部30は、ブロア36、マニホールド35、送気管31を含む。送気管31は、ブロア36より送り込まれた空気(酸素)を気体供給体10の内部に送り込む配管である。マニホールド35は、一方をブロア36に接続され、一方を複数の送気管31に接続されている。送気部30は、その一部が、水Wが貯留される処理槽51の水面下に設置されてもよい。水面下に設置される部分は、マニホールド35、送気管31、あるいは送気部30を構成する部材を接続する配管経路のいずれであっても良い。送気部30の水面下に設置される部分の材質と形状は限定されないが、熱伝導性の良いものが好ましい。送気部30の材質は、金属、樹脂であってもよい。金属としては、銅、アルミニウム、鉄、ステンレスであってもよい。
【0031】
気体供給体10を介して廃水W中に供給される気体としては、廃水W中の好気性微生物の活性化を促すために、酸素を含む気体である。具体的には、空気であってもよいし、純酸素であってもよい。図示の例では、ブロア36からの気体が開口21bに供給されるようになっている。なお製造コストを安価に抑える観点から、ブロア36を使用せずに、開口21bから大気中の空気をそのまま気体供給体10に取り入れてもよい。
【0032】
(マニホールド35)
マニホールド35は、
図1、6に示すように、水Wが貯留される処理槽51の水面上に設置されるものである。マニホールド35には、送気気体の流入口35aと流出口35bが設けられている。マニホールド35の材質と形状は限定されないが、送気空気の温度と廃水の温度とに顕著な差を生まないために、熱伝導性の低いものが好ましい。マニホールド35の材質は、樹脂、金属を用いても良く、樹脂としては、塩化ビニル、ポリエチレンを用いてもよい。また、断熱層を有する積層構造であってもよく、外層に断熱用途の被覆材を用いてもよい。
【0033】
本実施形態では、マニホールド35の流入口35aと流出口35bとが常時開放されている。送気気体は、流入口35aから流出口35bに向かって、連続的、もしくは、断続的に流れる。
【0034】
マニホールド35の形状は特に限定されず、端部がフランジやユニオンなど連結性を有する構造であっても良い。連結部分を介して複数の供給体ユニット52(浄化ユニット)を連結してもよく、一つの動力部から、複数の供給体ユニット52(浄化ユニット)へ同時に送気してもよい。
【0035】
マニホールド35の設置個所は特に限定されておらず、例えば、
図6に示すように気体供給体10を束ねる躯体61に設置されていても良い。本実施形態においては、マニホールド35は、固定治具によって、躯体61に固定されている。固定治具は、金具(Uボルト)であってもよい。固定治具は、クランプであってもよい。
【0036】
マニホールド35と送気管31との接続手段は特に限定されておらず、融着もしくは接着により取り外し不可能な状態で接続してもよく、ねじ込みにより簡便に取り外し可能な状態で接続してもよい。また、それら両方を含めた接続であってもよい。
【0037】
(気体透過膜21)
気体透過膜21は、最外側層が液体(廃水)に接触するように液体中(廃水中)に浸漬された状態で、内側(気体送出層12側)に供給される酸素を外側へ透過させることで、酸素を液体中(廃水中)に供給する。気体透過膜21は、防水透気膜とも呼ばれる。当該気体透過膜21は、気体供給体10が廃水処理槽51内に浸漬された状態において、内側(気体送出層12)から外側(廃水W)へ空気を透過させ、かつ外側(廃水W)から内側(気体送出層12)へ廃水を透過させない特性を有する。これにより、廃水W中の好気性微生物は、
図7に示すように、継続的に空気(酸素)が供給される気体透過膜21の表面21aに集まってくる。よって、気体透過膜21の表面21aに微生物が付着して、バイオフィルム214が形成される。そして、廃水Wに含まれるか、もしくは表面21aに保持されている微生物の働きによって、水中に溶解、もしくは分散している微小個体状の有機物、もしくは窒素化合物が分解されて、廃水が浄化される。
【0038】
具体的には
図4に示すように、気体透過膜21は、基材211と、気体透過性無孔層212と、微生物支持層213とを含む。図示の例では、気体透過膜21は、基材211、気体透過性無孔層212、微生物支持層213の順に積層されている。微生物支持層213は、廃水Wに接触する最外側層である。なお図示の例とは異なり、気体透過膜21は、気体透過性無孔層212、基材211、微生物支持層213の順に積層されたものであってもよい。
【0039】
(基材211)
基材211は、熱可塑性樹脂から形成される微多孔膜である。前記微多孔膜とは、微細な貫通孔を多数設けた膜である。基材211の素材として、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデンを含めたフッ素樹脂、ポリブタジエン、ポリ(ジメチルシロキサン)を含めたシリコーンベースのポリマー、およびこれらの材料のコポリマーから選ばれるポリマー材料を含む等を含んでもよい。
【0040】
微多孔膜である基材211の製造方法は、特に限定されないが、例えば、相分離法、延伸開孔法、溶解再結晶法、粉末焼結法、発泡法、溶剤抽出のいずれかによって、基材211を製造できる。また基材211は、自己組織化ハニカム微多孔膜であってもよい。
【0041】
基材211の厚みは、10μm~500μmであることが好ましく、50μm~200μmであることがより好ましい。基材211の厚さは、JIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
【0042】
基材211の細孔径は、気体透過性無孔層の欠陥を防止する観点から、0.01μm~50μmであることが好ましく、高い強度と気体透過性を保持する観点から、0.1μm~30μmであることがより好ましい。前記細孔径は、表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その観察像から以下に示す方法により求めた細孔径である。観察倍率は、観察する対象物の細孔径が適切に算出できる倍率であれば、任意の倍率で観察することができる。
(細孔径を求める方法)
SEM観察で得られた像について、2値化処理を行い、画像解析的に、細孔径を算出する。算出の際には、細孔径は楕円近似を行い、楕円の長軸の長さを細孔径として、その平均値を評価する。
【0043】
或いは、基材211の細孔径は、毛管凝縮法による細孔径分布測定(パームポロシメトリ)から求められる平均細孔径であると定義される。パームポロシメトリでは、試料にかける気体の測定圧力を徐々に増加させていく際に測定される気体の透過流量から、大気圧と測定圧力との差圧と、気体透過流量との関係を求める、細孔径を求めるには、試料を表面張力が既知の湿潤液に浸漬した後の湿潤サンプルにて測定されるウェットカーブと、乾燥した資料で測定されるドライカーブを求める。それぞれ、所定の圧力範囲で徐々に圧力を増加させていくことにより、試料内の貫通細孔径に関する情報を得ることができる。平均細孔径はウェットカーブと、ドライカーブの1/2の傾きの曲線(ハーフドライカーブ)が交わる点Xを求め、これを方程式、d=2860×γ/DPに代入して求める。前記方程式において、dは平均細孔径(mm)、γは湿潤液の表面張力(dynes/cm)、DPは点Xにおける大気圧と気体圧力との差圧(Pa)である。測定は、Porous Materials社製、パームポロメーター(CFP-1500-AEC)を用いることができる。試験条件としては例えば、試験温度は室温(20℃±5℃)、湿潤液はGalwick(表面張力15.7dynes/cm)、加圧気体は圧縮空気、用いる試料の直径は33mm、供給圧力最大値は250psi、差圧の上昇速度は4psi/分で測定することができる。湿潤サンプル作成の際には、サンプルが浸漬されている湿潤液をデシケータに入れ、脱気することでサンプルを十分に湿潤させることができる。
【0044】
(気体透過性無孔層212)
気体透過性無孔層212とは、前記基材の孔より径の小さい細孔径の孔を有するか、もしくは、孔の径を検出できず、かつ、気体を透過可能な層である。気体透過性無孔層212の細孔径は、基材211の細孔径と同様の方法で測定できる。
【0045】
気体透過性無孔層212を透過する前記気体としては、酸素、二酸化炭素、窒素、水素、メタノール、エタノール等のアルコール類や有機溶剤、もしくはそれらの混合ガスが挙げられる。微生物を効果的に育成、活動させる観点から、前記気体は、酸素か、酸素を含む混合ガスであることが好ましい。気体透過性はJIS K 7126に定めた方法で測定できる。
【0046】
気体透過性無孔層212は、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂でもよい。当該熱硬化性樹脂は、熱硬化する樹脂であってもよく、紫外線の照射で硬化する樹脂であってもよい。また、有機過酸化物架橋、付加反応架橋、縮合架橋により硬化する樹脂であってもよい。
【0047】
気体透過性無孔層212の素材としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂および、これらの材料のコポリマーから選ばれる熱硬化性ポリマーを含んでもよい。また、(Si-O-Si)n(n=整数)のシロキサン骨格を有するポリ(ジメチルシロキサン)などのシリコーンベースのシリコーン樹脂を用いることができる。これらの中でも、特に、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。
【0048】
上記のポリウレタン樹脂としては、「アサフレックス825」(旭化成社製)、「ペレセン 2363-80A」、「ペレセン2363-80AE」、「ペレセン2363-90A」、「ペレセン2363-90AE」、(以上、ダウ・ケミカル社製)、「ハイムレンY-237NS」(大日精化工業社製)を用いることができる。
【0049】
シリコーン系樹脂やシリコーンポリマー、またはそれらを得るためのシリコーン系樹脂組成物の配合、組成は特に限定されない。シリコーン系樹脂組成物に用いられるモノマーは1官能基、2官能基、3官能基、4官能基のいずれでもよく、単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。モノマーとしてハロゲン化アルキルシラン、不飽和基含有シラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン等を用いてもよい。用いられるモノマーとしては、例えば次の化学式で表されるモノマーが挙げられる。HSiCl3、SiCl4、MeSiHCl2、Me3SiCl、MeSiCl3、Me2SiCl2、Me2HSiCl、PhSiCl3、Ph2SiCl2、MePhSiCl2、Ph2MeSiCl、CH2=CHSiCl3、Me(CH2=CH)SiCl2、Me2(CH2=CH)SiCl、(CF3CH2CH2)MeSiCl2、(CF3CH2CH2)SiCl3、CH18H37SiCl3(化学式中で「=」は二重結合を、「Me」はメチル基を、「Ph」はフェニル基を表す)。前記モノマーは単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。他の有機基としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基等のアラルキル基等を用いてもよい。これらの中でも、メチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせが好ましい。メチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせである成分は、合成が容易であり、化学的安定性が良好であるからである。また、特に耐溶剤性が良好なポリオルガノシロキサンを用いようとする場合には、更にメチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせと3,3,3-トリフルオロプロピル基との組み合わせであることが好ましい。また、前記シリコーン系樹脂組成物には、オルガノアルコキシシランが含まれていてもよい。オルガノアルコキシシランとしては、例えば次の化学式で表される化合物が挙げられ、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。Me3SiOCH3、Me2Si(OCH3)2、MeSi(OCH3)3、Si(OCH3)4、Me(C2H5)Si(OCH3)2、C2H5Si(OCH3)3、C10H21Si(OCH3)3、PhSi(OCH3)3、Ph2Si(OCH3)2、MeSiOC2H5、Me2Si(OC2H5)2、Si(OC2H5)4、C2H5Si(OC2H5)3、PhSi(OC2H5)3、Ph2Si(OC2H5)2。
【0050】
さらに、前記シリコーン系樹脂組成物には、オルガノシラノールが含まれていてもよい。オルガノシラノールとしては、例えば次の化学式で表される化合物が挙げられ、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。Me3SiOH、Me2Si(OH)2、MePhSi(OH)2、(C2H5)3SiOH、Ph2Si(OH)2、Ph3SiOH。
【0051】
シリコーン系樹脂に用いられるシリコーンポリマーを得るための反応方法としては例えば、クロロシランの加水分解、環状ジメチルシロキサンオリゴマーの開環重合等の過程を経てもよい。用いるポリマーとしては例えば、ジメチル系ポリマー、メチルビニル系ポリマー、メチルフェニルビニル系ポリマー、メチルフロロアルキル系ポリマー当が挙げられる。
【0052】
シリコーンポリマーを硬化させる方法、すなわち反応(加硫)させてシリコーン系樹脂を得る方法は特に限定されない。加熱加硫、室温加硫でもよい。反応前の状態として、ミラブル型シリコーン系樹脂組成物、液状ゴム型シリコーン系樹脂組成物のどちらを用いてもよい。ミラブル型シリコーン系樹脂組成物に使用されるポリマーは重合度が4000~10000程度のポリマーが好適に使用される。また、1液型でも2液型でもよい。反応方法としては例えば、シラノール基(Si-OH)間の脱水縮合反応、シラノール基と加水分解性基間の縮合反応、メチルシリル基(Si-CH3)、ビニルシリル基(Si-CH=CH2)の有機過酸化物による反応、ビニルシリル基とヒドロシリル基(Si-H)との付加反応、紫外線による反応、電子線による反応等を用いてもよい。
【0053】
(微生物支持層213)
微生物支持層213は、その表面もしくは内部に微生物を保持する層であり、内部に微生物が生育可能な空間を有し、水中の有機物が通過可能である。微生物支持層213の素材としては、例えば、メッシュ、織布、不織布、発泡体、又は微多孔膜等の多孔性シートが挙げられる。多孔性シートの素材は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、パラ系およびメタ系アラミド、ポリアリレート、炭素繊維、ガラス繊維、アルミニウム繊維、スチール繊維、セラミック等が挙げられる。微生物付着性と加工性を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、炭素繊維が好ましい。
【0054】
微生物支持層213の目付量は2g/m2以上、500g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以上200g/m2以下であることがより好ましい。微生物支持層213の目付量はJIS1913:2010一般不織布試験方法6.2単位面積当たりの質量で測定される値である。微生物支持層213の目付量が2g/m2以上であることにより、表面に凹凸が生じるため微生物支持層213に微生物が保持しやすくなるという効果を得ることができる。また、微生物支持層213の目付量が500g/m2以下であることにより、微生物支持層213の内部に微生物が育成可能な空間が生じるため微生物が保持しやすくなり、前記空間により酸素を微生物に供給しやすくなるという効果を得ることができる。
【0055】
微生物支持層213の厚みは、5μm以上、2000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。微生物支持層213の厚さはJIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
なお、基材211の表面処理によって微生物支持層213が形成されてもよい。このようにすれば、上記の表面処理で基材211表面の粗さと膜電位を上げられるので、微生物付着性が向上する。例えば上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合し、さらに、ジエチルアミン、もしくは、亜硫酸ナトリウムを反応させることが行われ得る。或いは上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合した後に、アンモニア、もしくは、エチルアミンを反応させることが行われてもよい。
【0056】
(気体送出層12)
図5は、気体送出層12を示す斜視図である。気体送出層12は、中空板状部材であり、紙、樹脂、金属のいずれかから形成される。気体送出層12とは、第1端側から供給された気体を第1方向に沿って送出する気体流路Sを有する構造体である。送気部30(送気管31、
図1参照)からの気体は、送気部31aを経由して気体送出層12の下端部に供給される。気体送出層12は、供給された気体を第1方向(
図5中の一点鎖線参照)に送出する気体流路Sを有しており、側面の気体通過孔13から気体を放出する。
【0057】
より具体的には
図5に示すように、気体送出層12は、複数の芯材12aと、表ライナ12bと、裏ライナ12cと、を有している。気体送出層12の表裏面は、板状の部材である表ライナ12bや裏ライナ12cによって構成される。
【0058】
複数の芯材12aは、それぞれ第1方向に延びるものであって、第1方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配列される。これら複数の芯材12aが表ライナ12bと裏ライナ12cとの間に挟み込まれることで、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間に、芯材12aによって区画された複数の気体流路Sが形成される。
【0059】
また各芯材12aは、表ライナ12bおよび裏ライナ12c側から押圧された際に、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間が縮小しないように支持する支持部として機能する。
図1~
図3に示すように気体供給体10が廃水W中に浸漬された状態では、芯材12aは、気体流路Sの断面積が水圧によって縮小しないように、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間を保持する。これにより、気体送出層12(気体流路S)における気体送出量を十分に確保できる。
【0060】
表ライナ12bおよび裏ライナ12cには、それぞれ複数の気体通過孔13が形成されている。気体通過孔13は、表ライナ12bおよび裏ライナ12cに形成された貫通孔であり、当該気体通過孔13が気体流路Sと気体透過膜21とを連通させることで、気体流路Sを流れる気体は、気体透過膜21を介して液体中に供給される。
【0061】
なお例えば、気体通過孔13は、気体送出層12の成形時に形成される。或いは気体送出層12の成形後に表ライナ12bや裏ライナ12cの加工が行われることで、気体通過孔13が形成されてもよい。表ライナや裏ライナには多孔性シートが用いられてもよい。また、十分な気体供給性能が得られれば、気体送出層に多孔性シートを用いてもよい。
【0062】
気体送出層12を構成する各部材の素材としては、紙、セラミック、アルミニウム、鉄、プラスチック(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂)等が挙げられる。
【0063】
なお強度面が優れることから、気体送出層12の素材は、紙、アルミニウム、鉄、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩ビ樹脂、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
【0064】
また材料コストを安価に抑える観点では、気体送出層12の素材として、例えば、紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、塩ビ、ポリエステル等の樹脂、アルミニウム等の金属等を使用することが好ましい。また、気体流路Sが第1方向(
図5中の一点鎖線参照)に延びるように形成された段ボールを気体送出層12として使用することでも、気体送出層12の材料コストを安価に抑えることができる。
【0065】
当該気体送出層12の気体透過孔を形成する孔形状は、円形状、多角形状(ハニカム構造を含む)など様々な形状の孔形状とすることができる。孔形状は特に限定は無いが、多角形状が好ましく、具体的には長方形もしくは正方形が好ましい。
【0066】
(送液部40)
送液部40は、水などの液体、および/または、空気などの気体である流体を、気体供給体10の内部空間から外部へ排出する機能を有する。送液部40は、送液管41と、マニホールド45と、吸引ポンプ46とを有する。複数の送液管41は、複数の気体供給体の内部空間にそれぞれ接続されている。マニホールド45は、1本の管から複数本の管が分岐する構造を持った管である。マニホールド45には、複数の送液管41と吸引ポンプ46とが接続されている。吸引ポンプ46は、マニホールド45に接続されている。吸引ポンプ46は、液体、気体のいずれか、もしくは気液混合流体を吸引することが可能である。送液部40のマニホールド45についても、送気部30のマニホールド35と同様に、躯体61に、固定治具で固定してもよい。固定治具は金具である。金具は、Uボルトでもクランプでもよい。
【0067】
送液管41の断面形状は特に限定されず、例えば、円形、四角形等の任意の多角形、D形状断面のように円の一部と多角形の一部を組み合わせたものであってもよい。内径の断面積は0.1mm2以上100mm2以下が好ましく、吸引ポンプの自由度を高める観点から、0.5mm2以上、10mm2以下がより好ましく、必要な圧損を少ない空気流量で生じさせ、且つ十分な排液流量を得る観点から、1mm2以上4mm2以下がさらに好ましい。
【0068】
(圧力損失の発生、圧力損失発生部47)
送液管41は、圧力損失を発生させる機能を有している。送液管41全体が狭い流路を有することで圧力損失を発生させてもよいし、送液管41の中に一部特に高い圧力損失が発生する部位として、圧力損失発生部47を有していてもよい。
【0069】
圧力損失発生部47は、気体の流動により、流動圧力損失が発生する部位である。圧力損失発生部47は、種々の形態であり得る。圧力損失発生部47は、送液管内のオリフィス部位47a、47b(
図9A、9B)であっても、送液管41内の狭窄部位47c(
図9C)であっても、送液管41の湾曲部位47d(
図9D)であっても、もしくは、送液管41内の連通多孔質部材47e(
図9E)が配置された部位であってもよい。オリフィス部位47a、47bとは、送液管内部に穴を開けた薄い壁を有する形状である。穴を開けた板が送液管41内部に設置されていてもよい。オリフィス部位の穴の数は1つ(
図9A)であっても、多数(
図9B)であってもよい。
【0070】
(送液部の動作)
本実施形態の廃水処理システム50においては、気体供給体10の内部空間に凝縮水が生成し、これを取り除かないと、送気ガス流路の一部が閉塞し送気効率が低下するおそれがある。
【0071】
図8A、
図8Bは、本開示の廃水処理システム50の一部を開示している。すなわち、気体供給体10a、10bと、送液部40が開示されている。
図8Aは、気体供給体10a、10bの内部空間に液体(水)が溜まっている状態を示している。気体供給体10a、10bの内部空間に溜まっている水の量は、
図8Aに示すように異なっている。本実施形態の廃水処理システム50は、このような場合に、送液部40により、気体供給体10a、10bの内部空間の排水を行う。つまり、吸引ポンプ46作動により、マニホールド45内が負圧となり、気体供給体10a、10bから排液される。
【0072】
このように、送液部40により廃液を継続すると、
図8Bに示すように、当初蓄積されていた水量が少なかった気体供給体10bは、液(水)が全て排出される。このような状態では、気体供給体10aからは内部空間の気体が排出され、その気体の流れ(液体の排出より高速)により、流動圧力損失が発生する。その圧力損失により、マニホールド45内の負圧が維持され、液が残っている気体供給体10bからの液の排出が継続される。なお、予め設計段階において、液の水頭圧差以上の負圧が発生するように、吸引ポンプ46の能力の調整、および送液部40の構造の調整(発生する圧力損失の調整)が行われている。
【0073】
なお、本実施形態において、送気管31により気体供給体10の内部空間に供給される気体の量は、送液管41により排気される気体の量よりも多いことが好ましい。その場合、吸引ポンプ46が作動しているときであっても、気体供給体10の内部空間の圧力は、大気圧程度である。また、廃水処理システム50は、気体供給体10の内部空間の圧力が大気圧から大きく変動しないようにする機構を有している。本実施形態においては、廃水処理システム50は、送液管41の他にも気体供給体10の内部空間を排気する機構(開口21bからの排気を含む)を有していることが好ましい。
【0074】
気体供給体10が3本以上の場合も同様にして、当初蓄積されていた水量が少なかった気体供給体10から順次、液の排出が行われて、全体の水の排出が完了する。
本実施形態の廃水処理システム50は、圧力損失発生部47があるからこそ、マニホールド45内の圧力が低下する。圧力損失発生部47がなかった場合、
図8Bの状態において、排液が終了した気体供給体10bから優先的に空気が吸われ、マニホールド45内の負圧が保たれなくなり、液が残っている気体供給体10aからは排液ができなくなる。本開示は、圧力損失を生じさせることで、気体供給体10bの排液が終了しても、引き続き他の気体供給体10aの排液が可能となる。
【0075】
(邪魔板65)
本廃水処理システムにおいては、廃水の流れを遮る邪魔板65が設けられてもよい。廃水処理槽51において、少なくとも1枚以上の邪魔板65が配置され、邪魔板が水面に対し鉛直方向に配置されていることにより、廃水流路を遮ることで、気体供給体10と廃水の接触時間が長くなる。さらに邪魔板65が、前記廃水処理槽51の一側壁に接するように配置されることで、一側壁と供給体ユニット52との間の廃水流路が遮られることから、その効果はより高いものとなる。また、邪魔板65は、廃水流入口51aの設置された側壁511と供給体ユニット52との間に配置されていてもよく、廃水流出口51bの設置された側壁512と供給体ユニット52との間に配置されていてもよい。邪魔板65は、2つの供給体ユニット52間に設置されていてもよい。この場合は、後の第3及び第4実施形態で詳細に説明する。
【0076】
(潜り堰80)
また、廃水流入口51aから流入した廃水の流れを遮る遮蔽部が設けられてもよい。本実施形態においては、
図2、
図3に示すように、上記の遮蔽部として、潜り堰80が廃水流入口51aの近傍に設けられてもよい。潜り堰80(遮蔽部)は、その両側縁が側壁513、514で支持される板材である。廃水流入口51aから流入した廃水は、潜り堰80(遮蔽部)と側壁511との間の空間を下向きに流れて、潜り堰80の下端と底面515との間を通過する。この後、廃水は、側壁512側(廃水流出口51b側)に向けて、徐々に上昇しながら流れる。なお潜り堰80(遮蔽部)の構造は、上記の構造に限定されない。例えば、潜り堰80は、天面から下方に延びる部材に支持されるものであってよく、或いは、底面515から上方に延びる部材に支持されるものであってよい。或いは、潜り堰は、側壁511パネルから水平方向に延びる部材に支持されるものであってもよい。
【0077】
(越流堰81)
また、本実施形態の廃水処理装置100は、
図2、
図3に示すように、廃水流出口51bの近傍には、越流堰81が設けられてもよい。越流堰81は、側面視でL字形を呈するものであって、L字の一端が側壁512に支持される。当該越流堰81が設けられていることで、側壁512側(廃水流出口51b側)に流れる廃水のうち、越流堰81のL字の他端を越流した廃水が、廃水流出口51bから廃水処理槽51の外部に流出する。なお、越流堰81の構造は、上記の構造に限定されず、廃水を均等に越流させ、且つ、越流した廃水を廃水流出口51bから流出させることの可能な様々な構造とされ得る。
【0078】
上記の供給体ユニット52が使用される際には、廃水処理槽51の有効容積に応じて、気体供給体10のBOD除去性能・有効寸法・間隔や供給体ユニット52の有効寸法・設置台数が適宜設定されることで、気体透過膜21のBOD除去性能AgBOD/m2/dayと、気体透過膜21の設置面積Bm2/m3とを乗じた値が、0.5kgBOD/m3/day以上とされる。
【0079】
例えば、廃水処理槽51の有効容積が24m3(幅2m×長さ4m×水深3m)である場合には、有効寸法が1.6m×高さ2.6m×長さ1.8mであり、BOD除去性能が20gBOD/m2/dayである気体透過膜21を表・裏両面に設置した気体供給体10を準備する。そして、有効寸法が幅1.7m×高さ2.7m×長さ1.8mであり、気体供給体10を30mm間隔で保持する供給体ユニット52を製作し、当該供給体ユニット52の2台を廃水処理槽51に設置する。以上のようにすれば、気体透過膜21の表面積は998m2(1.6m×2.6m×1.8m/0.03m×2×2)となり、廃水処理槽有効容積あたりの気体透過膜21の設置面積Bm2/m3は、41m2/m3(998m2/24m3)になる。したがって、BOD除去性能20gBOD/m2/dayと気体透過膜21の設置面積41m2/m3とを乗じた値A×BgBODm3/dayは820gBOD/m3/dayとなって、となって0.5kgBOD/m3/day以上になる。なお、供給体ユニット52の幅1.7mは、ユニットフレーム(躯体61)の幅に相当し、供給体ユニット52の高さ2.7mはユニットフレーム(躯体61)の高さに相当し、供給体ユニット52の長さ1.8mはユニットフレーム(躯体61)の対向する角同士を結ぶ直線の長さに相当する。
【0080】
なお、N個の気体供給体10を有する供給体ユニット52を廃水処理槽51に設置する場合は、N個の気体供給体10をそのまま廃水処理槽51に設置する場合に比較して。90%程度に気体透過膜21の設置面積が減少する。したがって、供給体ユニット52を使用する場合には、活性汚泥法と同等の処理性能を得るために、廃水処理槽有効容積あたりの単位容積当たりの気体透過膜21の設置面積を28m2/m3以上とすることが好ましい。28m2/m3は、25m2/m3/0.9の計算で得られる数値である。
【0081】
<第2実施形態>
第1実施形態では、1の廃水処理槽51内に、1の供給体ユニット52が配置されている。第2実施形態においては、
図10に示すように、1の廃水処理槽51内に、4つの供給体ユニット52が配置されている。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
図10においては、4つの供給体ユニット52のうち、2つの供給体ユニット52a、52cが、流入口51aの配置された側壁511に隣接して配置され、2つの供給体ユニット52b、52dが、流出口51bの配置された側壁512に隣接して配置されている。各供給体ユニット52a~52d内の気体供給体10は、平面視で長手方向が側壁513、514に沿うように配置されている。つまり、気体供給体10の側面は、概略廃液の流れの方向に沿って配置されている。
【0082】
隣接する2つの供給体ユニット52の間隔L2は、0mm以上1000mm以内であることが好ましい。さらに好ましくは5mm以上500mm以内であることが好ましい。隣接する2つの供給体ユニット52の間隔が小さいほど短絡流は発生しにくく、1000mm以内であれば、供給体ユニット52同士の設置時の取り回しが容易になることから、施工性の面で好ましい。また、例えば2つの供給体ユニット52の間に曝気のための散気管を設置してもよい。1000mm以上の場合には、廃水と気体供給体10側面(又は、気体供給体に付着する微生物)との接触効率が低下し、短絡流が生じることで、廃水処理性能が低下する恐れがある。
【0083】
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、廃水流入口51aから流入した廃水の流れを遮る遮蔽部が設けられる。上記の遮蔽部として、潜り堰80が廃水流入口51aの設けられた側壁511の近傍に設けられている。潜り堰80(遮蔽部)は、その両側縁が側壁513、514で支持される板材である。廃水流入口51aから流入した廃水は、潜り堰80(遮蔽部)と側壁511との間の空間を下向きに流れて、潜り堰80の下端と底面515との間を通過する。この後、廃水は、側壁512側(廃水流出口51b側)に向けて、徐々に上昇しながら流れる。なお潜り堰80(遮蔽部)の構造は、上記の構造に限定されない。例えば、潜り堰80は、天面から下方に延びる部材に支持されるものであってよく、或いは、底面515から上方に延びる部材に支持されるものであってよい。或いは、潜り堰は、側壁511パネルから水平方向に延びる部材に支持されるものであってもよい。
【0084】
また、第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、廃水流出口51bの設けられた側壁512の近傍には、越流堰81が設けられる。越流堰81は、側面視でL字形を呈するものであって、L字の一端が側壁512に支持される。当該越流堰81が設けられていることで、側壁512側(廃水流出口51b側)に流れる廃水のうち、越流堰81のL字の他端を越流した廃水が、廃水流出口51bから廃水処理槽51の外部に流出する。なお、越流堰81の構造は、上記の構造に限定されず、廃水を均等に越流させ、且つ、越流した廃水を廃水流出口51bから流出させることの可能な様々な構造とされ得る。
【0085】
<第3実施形態>
第3実施形態の廃水処理装置100を
図11に示す。本実施形態の廃水処理装置100は、上流側の供給体ユニット52a、52cと下流側の供給体ユニット52b、52dとの間に邪魔板65が配置されている。邪魔板65は、水面に対し鉛直方向に配置されている。邪魔板65は、一方の端部が側壁514に接して、他方が側壁513の方向に向かって伸びている。本実施形態の廃水処理装置100のその他の構成は、第2実施形態の廃水処理装置100とまったく同じである。
【0086】
本実施形態の廃水処理装置100は、廃水処理槽51において、邪魔板65が水面に対し鉛直方向に配置されている。これにより、廃水流路が遮られることで、気体供給体10と廃水の接触時間が長くなる。さらに、本実施形態においては、邪魔板65が、廃水処理槽51の側壁514に接して配置されている。これによって、側壁514と供給体ユニット52との間の廃水流路が遮られることから、その効果はより高いものとなる。
【0087】
<第4実施形態>
第4実施形態の廃水処理装置100を
図12に示す。第3実施気体の廃水処理装置100は、上流側の供給体ユニット52a、52cと下流側の供給体ユニット52b、52dとの間に1枚の邪魔板65が配置されている。これに対して、第4実施気体の廃水処理装置100は、上流側の供給体ユニット52a、52cと下流側の供給体ユニット52b、52dとの間に2枚の邪魔板65が配置されている。1枚の邪魔板65は、一方の端部が側壁514に接して、他方が側壁513の方向に向かって伸びている。もう1枚の邪魔板65は、一方の端部が側壁513に接して、他方が側壁514の方向に向かって伸びている。その他の構成は、第3実施形態の廃水処理装置100とまったく同じである。
【0088】
本実施形態の廃水処理装置100は、廃水処理槽51において、2枚の邪魔板65により、廃水流路が遮られることで、気体供給体10と廃水の接触時間が長くなる。さらに邪魔板65が、廃水処理槽51の側壁514に接して配置されていることによって、側壁514と供給体ユニット52との間の廃水流路が遮られることから、その効果はより高いものとなる。
【0089】
<第5実施形態>
第5実施形態の廃水処理装置100を
図13に示す。本実施形態においては、
図13に示すように、流入口51aの地面からの高さ(水面からの深さ)は、流出口51bの地面からの高さ(水面からの深さ)よりも高い。その他の廃水処理装置100の構成は、第1実施形態とまったく同様である。
本実施形態の廃水処理装置100は、流入口51aと流出口51bの地面からの高さが異なるので、廃水Wの槽内の滞留時間が増える。また、廃水Wの短絡流が防止される。廃水Wと気体供給体10をより効率的に接触させることができ、廃水処理性能が向上する。
【0090】
流入口51aと流出口51bが複数個設置されていてもよい。複数個設置されていることで、廃水Wと気体供給体10の接触効率が向上し、より好ましい。また、複数の流入口51aは、同一の地面からの高さに配置されていてもよい。複数の流出口51bは、同一の地面からの高さに配置されていてもよい。
【0091】
また、
図13においては、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を記入していない。本実施形態においては、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を用いない場合であっても、廃水Wの槽内の滞留時間を増やす効果は有している。本実施形態においても、さらに、廃水Wの槽内の滞留時間を増やす効果を大きくするために、適宜、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を用いてもよい。
【0092】
<第6実施形態>
第6実施形態の廃水処理装置100を
図14に示す。本実施形態においては、
図14に示すように、流入口51aの地面からの高さ(水面からの深さ)は、流出口51bの地面からの高さ(水面からの深さ)よりも低い。その他の廃水処理装置100の構成は、第1実施形態とまったく同様である。
本実施形態の廃水処理装置100は、流入口51aと流出口51bの地面からの高さが異なるので、廃水Wの槽内の滞留時間が増える。また、廃水Wの短絡流が防止される。廃水Wと気体供給体10をより効率的に接触することができ、廃水処理性能が向上する。
【0093】
流入口51aと流出口51bが複数個設置されていてもよい。複数個設置されていることで、廃水Wと気体供給体10の接触効率が向上し、より好ましい。また、複数の流入口51aは、同一の地面からの高さに配置されていてもよい。複数の流出口51bは、同一の地面からの高さに配置されていてもよい。
【0094】
また、
図14においては、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を記入していない。本実施形態においては、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を用いない場合であっても、廃水Wの槽内の滞留時間を増やす効果は有している。本実施形態においても、さらに、廃水Wの槽内の滞留時間を増やす効果を大きくするために、適宜、潜り堰80(遮蔽部)及び越流堰81を用いてもよい。
【0095】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0096】
10 気体供給体
12 気体送気層
21 気体透過膜
30 送気部
31 送気管
35 (送気部の)マニホールド
36 送気ポンプ
40 送液部
41 送液管
45 (送液部の)マニホールド
46 吸引ポンプ
47、47a~47e 圧力損失発生部
50 廃水処理システム
51 廃水処理槽
51a (廃水)流入口
51b (廃水)流出口
511~514 (廃水処理槽の)側壁
515 (廃水処理槽の)底面
52 供給体ユニット
61 躯体
62 浮上防止部材
62a 基板
62b 垂直版
54 固定治具
65 邪魔板
80 潜り堰(遮蔽部)
81 越流堰
100 廃水処理装置