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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048277
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】台間機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240401BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
A63F5/04 691B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154232
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】595112915
【氏名又は名称】株式会社ヤマダ
(71)【出願人】
【識別番号】504094822
【氏名又は名称】一般社団法人 電子認証システム協議会
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 将人
(72)【発明者】
【氏名】草野 健康
(72)【発明者】
【氏名】越野 友春
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088DA24
2C088EA34
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】 パネル表示器を備え遊技台の左右どちら側にでも取り付け可能としつつ強度に優れる遊技機用の台間機の提供。
【解決手段】 表示パネル部を備えた表示器モジュールを着脱自在に取り付けてなる遊技機用の台間機である。表示器モジュールは、本体シャーシ部の前面端部をその両側部から跨いで挟み込むコの字状の取付部と、取付部から挟み込んだ本体シャーシ部と反対側に向けて延び表示パネル部を固定されたパネル保持部と、を有する一体板金加工された金属製の表示パネルベースを含み、取付部を左右可逆に前面端部に着脱自在に取り付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネル部を備えた表示器モジュールを着脱自在に取り付けてなる遊技機用の台間機であって、
前記表示器モジュールは、本体シャーシ部の前面端部をその両側部から跨いで挟み込むコの字状の取付部と、前記取付部から挟み込んだ前記本体シャーシ部と反対側に向けて延び前記表示パネル部を固定されたパネル保持部と、を有する一体板金加工された金属製の表示パネルベースを含み、
前記表示パネルベースは、前記取付部を左右可逆に前記前面端部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする台間機。
【請求項2】
前記パネル保持部は前記表示パネル部の周囲に沿ってその外側にまで延在していることを特徴とする請求項1記載の台間機。
【請求項3】
前記パネル保持部は窓部を形成された板状体であって、前記表示パネル部の表示面を前記窓部を介して視認できるようになっていることを特徴とする請求項2記載の台間機。
【請求項4】
前記表示パネル部は前記取付部の幅よりも内側に位置するように傾斜配置されていることを特徴とする請求項3記載の台間機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル表示器を備える遊技機用の台間機に関し、特に、遊技台の左右どちら側にでも取り付け可能とした台間機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロット台において、パチンコ球やコインといった遊技媒体を貸し出す台間機(サンド装置)が遊技台の間に設置されている。近年、遊技媒体を遊技台の外部に取り出すことなく、内部に封入したまま遊技を行なう管理遊技機(スマートパチンコ)やメダルレス遊技機が導入されている。かかる遊技機の場合、台間機自体は内部で遊技媒体を取り扱わないため、パチンコ機としての管理遊技機と、スロット台としてのメダルレス遊技機との台間機をソフトウェアの入れ替え程度で共通化できることになる。一方、台間機をパチンコ機では台左側に、スロット台では逆に台右側に設置するので、台間機を遊技台の左右のどちら側にでも取り付け得るように設計される。
【0003】
例えば、特許文献1では、遊技台の左右どちら側にでも取り付け可能とした台間機として、遊技媒体の払い出し数や獲得した遊技媒体の獲得数などの情報を表示させるパネル表示器を鉛直方向に伸びる支承軸周りに回動自在にして台間機の左からでも右からでも視認できるようにした台間機を開示している。ここでは、従来の台間機に用いられていた傾動自在としたパネル表示器よりも回動角度をより大きくできるよう支承軸を筐体のより前方に配置させている。
【0004】
また、特許文献2では、パネル表示器を取り付けられた基部取付部を筐体取付部の凹部に上下いずれの向きであっても挿脱可能とした台間機を開示している。パネル表示器は基部取付部に対して傾動するようになっていて、パネル表示器の表示面を左方向又は右方向に向けて基部取付部を筐体取付部の凹部に取り付け後、更に傾動させて調整可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-93221号公報
【特許文献2】特開2019-93300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パネル表示器を備える遊技機用の台間機では、その横幅よりも広い幅で表示面積を確保できるように、そして側方に居る遊技者にとって視認しやすくなるように、パネル表示器の表示パネルを斜めに向けた上で筐体前面部から前方に突出させて設置させていることが多い。また、上記したような、遊技媒体を内部で取り扱わず、遊技台の左右どちら側にでも取り付け可能とした台間機では、遊技媒体を内部に保持する必要もないためその横幅をより狭くでき得て、前記したパネル表示器の突出設置構造がより求められることになる。その一方で、パネル表示器の突出設置構造では、搬送時や、島設備に取り付け後の遊技者による乱暴な操作又は不意の衝突などによる衝撃力の付加による故障や破壊が生じ易くもなり得るため、その強度を高めることが必要となる。
【0007】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、パネル表示器を備え遊技台の左右どちら側にでも取り付け可能としつつ強度に優れる遊技機用の台間機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による台間機は、表示パネル部を備えた表示器モジュールを着脱自在に取り付けてなる遊技機用の台間機であって、前記表示器モジュールは、本体シャーシ部の前面端部をその両側部から跨いで挟み込むコの字状の取付部と、前記取付部から挟み込んだ前記本体シャーシ部と反対側に向けて延び前記表示パネル部を固定されたパネル保持部と、を有する一体板金加工された金属製の表示パネルベースを含み、前記表示パネルベースは、前記取付部を左右可逆に前記前面端部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、ベース部材を介して本体シャーシ部に取り付けられた表示器モジュールの強度、特に外側方への衝撃強度を高めることができるのである。
【0010】
上記した発明において、前記パネル保持部は前記表示パネル部の周囲に沿ってその外側にまで延在していることを特徴としてもよい。また、前記パネル保持部は窓部を形成された板状体であって、前記表示パネル部の表示面を前記窓部を介して視認できるようになっていることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、表示パネル部を保護することができるのである。
【0011】
上記した発明において、前記表示パネル部は前記取付部の幅よりも内側に位置するように傾斜配置されていることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、表示パネル部周囲の強度を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による1つの実施例における台間機の斜視図である。
図2】本発明による1つの実施例におけるパネル表示器モジュールの斜視図である。
図3】パネル表示器モジュールを取り付ける本体シャーシ部の斜視図である。
図4】表示パネルベースの斜視図である。
図5】表示パネルベースに表示パネル部及び取付フックを取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による1つの実施例としての台間機について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、台間機1は表示器モジュール10を備える遊技機用の台間機であり、島設備に固定されるホルダ部2とこれに取り付けられる本体部3とを含む。ホルダ部2は、最下部にある電源装置7を備える。一方、本体部3は、上部に紙幣識別装置4を備え、その下部に表示器モジュール10を手前側に突出させるようにして備える。本体部3は、さらに、その下側に制御装置5を内蔵し、さらに下側にカードリーダライタ6を備えて電源装置7の上に載置されるようにホルダ部2に取り付けられる。なお、島設備に設置された台間機1に正対したときの方向で上下左右を定め、島設備の奥側を後、手前側を前として方向を示すこととする。
【0015】
ここで、表示器モジュール10は本体部3に着脱自在に取り付けられており、左右を(上下を)可逆に取付け可能とされている。つまり、同図(a)のように表示パネル部11を左に向けて取り付ける場合と、同図(b)のように表示パネル部11を右に向けて取り付ける場合とのいずれかを選択可能とされている。表示パネル部11は、表示面から伸びる法線を左右どちらか一方向から手前に傾けたような角度とするように設置され、台間機1の左右どちらかに着席した遊技者に正面を向けるようにされている。例えば、台間機を遊技機(遊技者)の右側に設置した場合、一旦、表示面から伸びる法線を左側に向けて、その法線を手前に傾けた向きとなるように配置されている。なお、表示パネル部11は、例えば、液晶表示装置からなり、背面に表示パネル制御基板11a(図5参照)を備えて一体化されている。表示パネル制御基板11aは、例えば、制御装置5からの信号に基づいて動作し、表示パネル部11に表示させる画像等を制御することができる。
【0016】
図2に示すように、表示器モジュール10は、外側の意匠を与えるケース体12と、ケース体12の内部から窓部12aを介して外側に臨むように配置された表示パネル部11と、ケース体12の内部で表示パネル部11を固定して保持する表示パネルベース13とを備える。表示パネルベース13は、一体板金加工された金属製の部材であり、表示パネル部11を固定されるパネル保持部13aと、本体シャーシ部30(図3参照)に取り付けられる取付部13bと、ケース体12を取り付けるケース体固定部13cとを含む。表示パネルベース13は、上下2箇所のケース体固定部13cにそれぞれ設けられた貫通穴を介してねじ15によってケース体12を固定している。また、表示器モジュール10は、後方に向けて延びる取付フック14を上下2箇所のねじ15の近傍にそれぞれ備えている。取付フック14は、左右方向から見て先端を細くしたくさび形の形状とその根元側に段差を有する先端部14aを備え、上下方向への曲げ弾性を有する。
【0017】
また、取付部13bは、表示パネルベース13の後端の上下方向の中央において左右2箇所から後方に延びる舌状を呈している。取付部13bの主面の法線は左右方向に向いている。取付部13bの先端(後方端)は外側を覆うケース体12の後方端と揃うように配置され、その上下方向の中央には、ねじを挿通させるためのケース体12及び取付部13bを共に貫通するねじ挿通孔16を備える。
【0018】
一方、図3を併せて参照すると、本体シャーシ部30は、その前面端部31において、表示器モジュール10を取り付ける位置の上下方向の略中央に正面に向けて開口するケーブル挿通孔32を備える。また、同位置の上下端近傍には、取付フック14を挿入させる締結穴34を備える。つまり、表示器モジュール10を本体部3に取り付ける際において、取付フック14の先端部14aを締結穴34に挿入させることで、取付フック14の弾性によって先端部14aの段差を係止させて抜け防止とできるとともに、表示器モジュール10の仮止め及び位置合わせをすることができる。
【0019】
本体シャーシ部30の前面端部31において、ケーブル挿通孔32の左右は、左右方向を法線とする平面を主面とする平板状体となっており、その前方端近傍を表示器固定部33としている。左右の表示器固定部33はそれぞれ左右方向に貫通する雌ねじによる締結穴34を備える。上記したように本体シャーシ部30に表示器モジュール10を仮止めした上で、表示器モジュール10のねじ挿通孔16にねじを挿通して締結穴34に螺合させ表示器固定部33に締結させることで表示器モジュール10を本体シャーシ部30に固定することができる。このとき、表示パネルベース13の2つの取付部13bは、本体シャーシ部30の外側に位置し、本体シャーシ部30を両側から挟むように固定される。
【0020】
図4に示すように、表示パネルベース13において、パネル保持部13aは取付部13bから本体シャーシ部30と反対側、すなわち前方へ向けて傾斜した方向へ延びている。そして取付部13bは、一方をパネル保持部13aに接続する位置から後方に延ばし、他方を同位置から左又は右方向のうちパネル保持部13aの傾斜した側に延ばす接続部13dを介して後方に延ばしている。つまり、2つの取付部13b及び接続部13dによって上面視で略コの字状の配置となっており、かかるコの字を前方へ投影したときにパネル保持部13aと重なるように接続部13dが配置されている。そして、上記したように、2つの取付部13bは本体シャーシ部30を両側から挟んでいる。つまり、2つの取付部13bは、接続部13dを介して、本体シャーシ部30の前面端部31をその両側部から跨いで挟み込むように固定される。なお、接続部13dは、一体の板金から一方の取付部13bを切り抜いた穴13fを内側に備え、ケーブル(ハーネス)を挿通させることができる。そのため、接続部13dは、一方の取付部13bよりも上下方向外側から他方の取付部13bに向けて延びている。
【0021】
上記したように取付部13bはそのねじ挿通孔16を上下方向の中央に備えるので、取付部13bを左右可逆に前面端部31に着脱自在に取り付けることができる。また、一体板金加工された金属製の表示パネルベース13によって、本体シャーシ部30の前面端部31をその両側部から跨いで挟み込むことで、表示パネルベース13を介して本体シャーシ部30に取り付けられた表示器モジュール10の強度を高めることができる。特に、表示器モジュール10を外側方へ衝撃力を与えるような場合であっても、左右可逆でありながら、いずれも高い衝撃強度を有するのである。
【0022】
図5を併せて参照すると、表示パネルベース13は、板状のパネル保持部13aの略中央を貫通する窓部13eを形成され、窓部13eの周囲の部分に表示パネル部11の背面側を当接させ固定している。表示パネル部11は、枠状のカバー体21によってその表示面側の外周部分を覆われて背面側のパネル保持部13aに押し付けられるように固定される。カバー体21は、表示パネル部11の外周よりも上下方向の外側に延びた固定部21aを備え、固定部21aに設けられた貫通穴を介してねじによってパネル保持部13aに固定される。これによって表示パネル部11の外周近傍をカバー体21とパネル保持部13aとで挟み、表示パネル部11を表示パネルベース13に固定している。
【0023】
つまり、パネル保持部13aは、固定部21aをねじ止めできるよう少なくとも上下方向においては、表示パネル部11の周囲に沿ってその外側にまで延在している。また、パネル保持部13aは、その後方についても取付部13bまで延びる必要があるため、表示パネル部11の外側にまで延在している。このように、一体板金加工された金属製の表示パネルベース13の一部であるパネル保持部13aを表示パネル部11の周囲に沿ってその外側にまで延在させることでパネル保持部13aの剛性を高め、表示パネル部11の周囲の強度を高めることができる。
【0024】
また、表示パネル部11は、表示パネルベース13の2箇所の取付部13bの間隔による幅よりも内側に位置するように傾斜配置されている。これによって、不要な出っ張りを減じて結果として表示パネル部11の周囲の強度を高めることができる。
【0025】
なお、上記した例では、表示パネル部11は、パネル保持部13aの表面側に配置して表側からカバー体21で固定している。そしてその背面側の表示パネル制御基板11aの全体を窓部13eから裏面側に臨ませており、窓部13eを表示パネル制御基板11aの待避穴として用いている。つまり、表示パネル部11のパネル保持部13aへの固定については表示パネル制御基板11aに挟み込むような荷重をかけないようにできる。これに対して、表示パネル部11をパネル保持部13aの背面側に配置して、背面側からカバー体で固定してもよい。この場合、表示パネル制御基板11aの表示面を窓部13eを介して表示器モジュール10の外側から視認できるようにされる。いずれの場合においても、カバー体21又はパネル保持部13aが表示パネル部11の全面側に配置され、表示パネル部11を保護することができる。
【0026】
以上のような構成とすることで、表示器モジュール10は左右を可逆に本体部3に着脱自在に取り付けることができる。特に、上記したように一体板金加工された表示パネルベース13によって本体シャーシ部30を跨いで挟み込むように固定することで表示器モジュール10の強度を高めることができる。特に、遊技者が外側方へ表示器モジュール10へ不意に衝撃を与えるような場合であっても、その強度を高く維持できるのである。
【0027】
なお、表示器モジュール10とり外す際は、まず、台間機1の本体部3をホルダ部2から取り外し、ねじ挿通孔16のねじを取り外す。その上で、背面側から取付フック14の先端部14aを締結穴34から離間させる方向に押圧して段差による係止を外すと表示器モジュール10を本体部3から引き抜くことができる。また、表示器モジュール10の左右を入れ換えて取り付ける場合、貸球の価格等の異なるパチンコ機用とスロット機用とで制御装置5内のプログラムを書き換えて用いると良い。
【0028】
ここまで本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0029】
1 台間機
2 ホルダ部
3 本体部
10 表示器モジュール
11 表示パネル部
12 ケース体
13 表示パネルベース
13b 取付部
30 本体シャーシ部
31 前面端部


図1
図2
図3
図4
図5