(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048298
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240401BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154266
(22)【出願日】2022-09-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】三国 司
(72)【発明者】
【氏名】本間 拓也
(72)【発明者】
【氏名】元山 純一
(72)【発明者】
【氏名】早川 和裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】金田 拓也
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC33
2F129CC35
2F129DD24
2F129DD27
2F129DD34
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2F129DD45
2F129DD53
2F129EE43
2F129EE58
2F129EE59
2F129EE62
2F129EE95
2F129EE96
2F129FF11
2F129FF19
2F129GG17
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】、車両の乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行う車両を提供する。
【解決手段】車両1は、乗員の疲労度合いを検知する疲労状態検知部120と、乗員に対して走行に関する各種情報を提供する情報提供部130と、乗員の疲労度合いに応じて、情報提供部130による情報の提供頻度を変更する制御部140と、を備えている。疲労状態検知部120は、乗員の携帯端末10あるいは情報取得装置110からの情報に基づいて、乗り込む前または走行中の乗員の疲労度合いを検知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の疲労度合いを検知する疲労状態検知部と、
前記乗員に対して走行に関する各種情報を提供する情報提供部と、
前記乗員の疲労度合いに応じて、前記情報提供部による情報の提供頻度を変更する制御部と、
を備えたことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記疲労状態検知部は、前記乗員の携帯端末あるいは情報取得装置からの情報に基づいて、乗り込む前または走行中の前記乗員の疲労度合いを検知することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記乗員の携帯端末と通信を行い、前記乗員の情報を取得する情報取得部と、
該取得した情報に基づいて、前記乗員が関心を寄せる事柄を検出する検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記乗員の疲労度合いが高い場合に、前記検出部が検出した前記乗員が関心を寄せる事柄に関する情報を選択して、情報の提供頻度を変更することを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記制御部は、前記乗員の疲労度合いが高い場合であっても、走行の安全性に関わる情報の提供頻度を変えず、その他のカテゴリーに分類される情報の提供頻度を変更することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動を開始した運転者や同乗者に対して、有益と思われる各種情報を提供する、コンシェルジュ機能を有した車両が実用化されている。
例えば、この種のコンシェルジュ機能としては、乗員の会話から抽出したキーワード等に基づいて、お勧めの場所等の情報提供を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、運転者の疲労度合いに関係なく情報提供が行われるために、運転者の疲労度合いによっては、その情報提供を不快に感じてしまうという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、車両の乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行う車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、乗員の疲労度合いを検知する疲労状態検知部と、前記乗員に対して走行に関する各種情報を提供する情報提供部と、前記乗員の疲労度合いに応じて、前記情報提供部による情報の提供頻度を変更する制御部と、を備える車両を提案している。
【0007】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記疲労状態検知部は、前記乗員の携帯端末あるいは情報取得装置からの情報に基づいて、乗り込む前または走行中の前記乗員の疲労度合いを検知する車両を提案している。
【0008】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記乗員の携帯端末と通信を行い、前記乗員の情報を取得する情報取得部と、該取得した情報に基づいて、前記乗員が関心を寄せる事柄を検出する検出部と、を備え、前記制御部は、前記乗員の疲労度合いが高い場合に、前記検出部が検出した前記乗員が関心を寄せる事柄に関する情報を選択して、情報の提供頻度を変更する両を提案している。
【0009】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御部は、前記乗員の疲労度合いが高い場合であっても、走行の安全性に関わる情報の提供頻度を変えず、その他のカテゴリーに分類される情報の提供頻度を変更する車両を提案している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、車両の乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る車両の疲労状態検知部が取得する情報を例示した図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理のフローを示した図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る車両の処理のフローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図5を用いて説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1から
図3を用いて、本実施形態に係る車両1について説明する。
【0014】
<車両1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、情報取得装置110と、疲労状態検知部120と、情報提供部130と、制御部140と、音声出力部150と、表示部160と、を含んで構成されている。
【0015】
情報取得装置110は、乗員の疲労度合いに関する情報を取得する。
具体的には、情報取得装置110は、例えば、車両1の車室内に配設されたカメラであって、乗員の顔、体等を撮像した画像情報を後述する疲労状態検知部120に送信する。
ここで、情報取得装置110は、専用のカメラであってもよいが、例えば、車両1がDMS装置(Diver Monitoring System)を備えている場合には、DMS装置が撮像した乗員の画像情報を疲労状態検知部120に送信するようにしてもよい。
【0016】
疲労状態検知部120は、乗員の疲労度合いを検知する。
疲労状態検知部120は、乗員の携帯端末10あるいは情報取得装置110からの情報に基づいて、乗り込む前または走行中の乗員の疲労度合いを検知する。
具体的には、疲労状態検知部120は、車両に乗り込む前の乗員の疲労度合いを検知するために、例えば、乗員が所持する携帯端末10(ウェアラブル端末)から、乗員が車両に乗り込む前の活動情報および生体情報を取得し、その情報に基づいて、乗員の疲労度合いを検知する。
また、疲労状態検知部120は、走行中の乗員の疲労度合いを検知するために、例えば、情報取得装置110(カメラ)から取得した乗員の顔、体等を撮像した画像情報に基づいて、乗員の疲労度合いを検知する。
図2に示すように、携帯端末10(ウェアラブル端末)から得られる情報としては、心拍数、血中酸素飽和度、心拍変動、呼吸数、体温、血圧、発汗量、活動量、睡眠時間、休息時間等を例示することができる。
また、情報取得装置110(カメラ)から得られる情報としては、心拍数、心拍変動、瞬き回数、目の開度、顔の表情等を例示することができる。
疲労状態検知部120は、上述した情報に基づいて、乗員の疲労度合いが高いか否かを判定し、その判定結果を制御部140に送信する。
乗員の疲労度合いの検知方法としては、例えば、疲労状態検知部120は、取得した情報ごとに5段階評価を行い、その評価点の平均値と所定の閾値とを比較して、乗員の疲労度合いを検知する方法を例示することができる。
疲労状態検知部120は、例えば、評価点の平均値が3.5未満の場合には、乗員の疲労度合いが低いと検知し、平均値が3.5~5の場合には、乗員の疲労度合いが高いと検知する。
なお、疲労状態検知部120は、乗員の携帯端末10あるいは情報取得装置110からの情報に基づいて、乗員の疲労度合いが検知できればよいため、疲労度合いの検知方法は上述した方法に限定されるものではない。
ここで、疲労状態検知部120は、走行中の乗員の疲労度合いを検知するときには、携帯端末10からの情報と、情報取得装置110からの情報との双方の情報に基づいて、乗員の疲労度合いを検知するようにしてもよい。
【0017】
情報提供部130は、乗員に対して、走行に関する各種情報を提供する。
具体的には、情報提供部130は、図示しない情報生成部が生成した乗員に有益な情報を、乗員に提供する。
ここで、乗員に提供する走行に関する各種情報としては、車両1に備えられたナビゲーション装置に設定されている目的地情報に基づいた、目的地周辺、案内経路周辺のお勧めの観光地やお店等の情報、目的地周辺の気象情報、案内経路の渋滞情報、走行の安全性に関わる情報等を例示することができる。
情報提供部130が乗員に対して情報提供する頻度は、後述する制御部140からの指示により制御される。
つまり、乗員に対して提供する情報を図示しない情報生成部から受信したとき、その情報を乗員に対して提供するか否かは、制御部140の指示により決定される。
情報提供部130は、後述する音声出力部150および表示部160を介して、乗員に情報提供を行う。
【0018】
制御部140は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従って、車両1の全体の動作を制御する。
制御部140は、乗員の疲労度合いに応じて、情報提供部130による情報の提供頻度を変更する。
具体的には、制御部140は、疲労状態検知部120から受信した乗員の疲労度合いに基づいて、情報提供部130による情報の提供頻度を決定し、その提供頻度となるように情報提供部130を制御する。
より具体的には、疲労状態検知部120において、乗員の疲労度合いが高いと検知された場合には、制御部140は、乗員に対する情報提供の頻度を下げる制御を行い、乗員の疲労度合いが低いと検知された場合には、乗員に対する情報提供の頻度を下げない制御を行う。
つまり、乗員の疲労度合いが高い状態にあるときに、情報提供の頻度が高くなると、乗員が不快に感じてしまう虞があるため、制御部140は、情報提供部130からの乗員に対する情報の提供頻度を下げる制御を行う。
一方で、乗員の疲労度合いが高くない状態にあるときには、制御部140は、情報提供部130からの情報の提供頻度を下げずに、情報生成部において生成された情報を全て乗員に提供する制御を行う。
ここで、情報提供の頻度を変更する(下げる)制御方法としては、単位時間当たりの情報提供数を制限する方法を例示することができる。
具体的には、制御部140は、例えば、情報の提供頻度が10分間に1回以上の頻度とならないように、情報提供部130からの情報提供の実行を制限する。
なお、情報提供の頻度を下げる制御方法は、上述した方法に限定されるわけではなく、例えば、提供情報の間引き(例えば、50%削減して情報提供する)や、類似情報の削除等の方法であってもよい。
【0019】
音声出力部150は、例えば、スピーカであって、情報提供部130から受信した音声情報を出力し、乗員に情報を提供する。
【0020】
表示部160は、例えば、液晶パネルであって、情報提供部130から受信した画像情報を表示し、乗員に情報を提供する。
【0021】
<車両1の処理>
【0022】
図3を用いて、乗員に情報を提供するときの車両1の処理について説明する。
【0023】
疲労状態検知部120は、携帯端末10または情報取得装置110から乗員の疲労度合いを検知するための情報を取得する(ステップS110)。
【0024】
疲労状態検知部120は、ステップS110において取得した情報に基づいて、乗員の疲労度合いが高いか否かを判定する(ステップS120)。
疲労状態検知部120は、乗員の疲労度合いが高いと判定した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行させる。
一方で、疲労状態検知部120は、乗員の疲労度合いが高くないと判定した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS140に移行させる。
【0025】
疲労状態検知部120において、乗員の疲労度合いが高いと判定された場合(ステップS120の「YES」)には、制御部140は、情報提供部130が乗員に対して情報提供する頻度を下げる制御を行い(ステップS130)、処理をステップS150に移行させる。
一方で、疲労状態検知部120において、乗員の疲労度合いが高くないと判定された場合(ステップS120の「NO」)には、制御部140は、情報提供部130が乗員に対して情報提供する頻度を下げない制御を行い(ステップS140)、処理をステップS150に移行させる。
【0026】
情報提供部130は、制御部140からの提供頻度の制御に従って、乗員に情報を提供し(ステップS150)、処理を終了させる。
【0027】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1の制御部140は、疲労状態検知部120において検知された乗員の疲労度合いに応じて、情報提供部130からの情報提供の頻度を変更する。
つまり、乗員の疲労度合いが高い状態において、情報提供の頻度が高くなると、乗員がその情報提供を不快に感じてしまう虞があるため、制御部140は、乗員に対する情報提供の頻度を下げる制御を行う。
これにより、車両1が乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行うため、乗員は不快な気分になることなく運転を行うことができる。
【0028】
また、疲労状態検知部120は、乗員の携帯端末10あるいは情報取得装置110からの情報に基づいて、乗り込む前または走行中の乗員の疲労度合いを検知する。
つまり、疲労状態検知部120は、乗員が車両に乗り込んだときに、車両に乗り込む直前までの乗員の活動情報や生体情報等を取得し、その情報に基づいて、乗員の疲労度合いを検知する。
これにより、車両1は、乗員が運転を開始する前に、現在の乗員の疲労度合いを検知するため、運転開始直後から乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行うことができる。
また、車両1が車両の乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行うため、乗員は不快な気分になることなく運転を行うことができる。
また、疲労状態検知部120は、情報取得装置110(例えば、カメラ)からの画像に基づいて、走行中の乗員の疲労度合いを検知する。
つまり、車両1は、走行中の乗員の疲労度合いを検知するため、例えば、長時間運転等により乗員の疲労度合いが高くなったことを検知することができる。
これにより、車両1が常に乗員の疲労度合いを考慮した頻度で情報提供を行うため、乗員は、不快な気分になることなく運転を行うことができる。
【0029】
<第2の実施形態>
図4および
図5用いて、本実施形態に係る車両1Aについて説明する。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0030】
<車両1Aの構成>
図4に示すように、本実施形態に係る車両1Aは、情報取得装置110と、疲労状態検知部120と、情報提供部130と、制御部140Aと、音声出力部150と、表示部160と、情報取得部170と、検出部180と、を含んで構成されている。
【0031】
情報取得部170は、携帯端末10と通信を行い、乗員の情報を取得する。
情報取得部170は、乗員が所持するスマートフォン(携帯端末10)と、例えば、Bluetooth通信を行い、乗員が関心を寄せる事柄を検出するための情報を取得し、その情報を後述する検出部180に送信する。
情報取得部170がスマートフォンから取得する情報としては、例えば、検索キーワード情報、閲覧履歴情報、閲覧したURLごとの閲覧時間、SNSのフォローチャンネル情報、SNS投稿情報、乗員が撮影した写真等を例示することができる。
【0032】
検出部180は、情報取得部170が取得した情報に基づいて、乗員が関心を寄せる事柄を検出する。
具体的には、検出部180は、例えば、乗員がフォローするSNSのフォローチャンネル情報から、乗員が関心を寄せる事柄として、好きなブランド、タレント、スポーツ等を検出する。
また、検出部180は、例えば、URL検索を行った検索キーワードと、その検索キーワードで検索されたURLの閲覧時間とを参照し、閲覧時間が所定時間以上の場合は、その検索キーワードを乗員が関心を寄せる事柄として検出する。
また、検出部180は、例えば、SNS投稿文章や乗員が撮像した写真等を分析し、乗員が関心を寄せる事柄を検出する。
なお、検出部180は、情報取得部170が収集した情報から、乗員が関心を寄せる事柄を検出できればよいため、上述した検出方法に限定されるものではない。
【0033】
制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合に、検出部180が検出した乗員が関心を寄せる事柄に関する情報を選択して、情報提供の頻度を変更する。
具体的には、制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合には、情報提供部130が乗員に提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報であるか否かを判定し、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報であった場合には、その情報を乗員に提供するように情報提供部130を制御する。
一方で、制御部140Aは、情報提供部130が乗員に提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報でない場合には、その情報を乗員に提供しないように情報提供部130を制御し、情報提供の頻度を下げる変更を行う。
ここで、制御部140Aは、例えば、特定のワードに対して強い関連性のある関連ワードが格納されているデータベース参照して、検出部180において検出された検索キーワードと強い関連性のある関連ワードを取得し、その関連ワードまたは検索キーワードが乗員に提供しようとしている情報に含まれている場合には、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報であると判定する。
なお、制御部140Aは、提供する情報と乗員が関心を寄せる事柄とが関連しているかを判定できればよいため、上述した判定方法に限定されるものではない。
【0034】
また、制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、走行の安全性に関わる情報の提供頻度を変えず、その他のカテゴリーに分類される情報の提供頻度を変更する。
つまり、制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、情報提供部130が乗員に提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報の場合には、提供頻度を変更せず、その情報を乗員に提供するように情報提供部130を制御する。
ここで、走行の安全性に関わる情報としては、例えば、自車両位置に近い事故多発地点の情報、自車両前方にある危険な急カーブの情報、気象に関わる警報情報、交通規制情報、渋滞情報、事故情報等を例示することができる。
一方で、情報提供部130が乗員に提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報ではない場合には、制御部140Aは、例えば、単位時間当たりの情報提供数を制限する方法により、情報の提供頻度を下げる制御を行う。
【0035】
<車両1Aの処理>
図5を用いて、車両1Aの処理について説明する。
【0036】
疲労状態検知部120は、携帯端末10または情報取得装置110から乗員の疲労度合いを検知するための情報を取得し(ステップS210)、処理をステップS220に移行させる。
【0037】
検出部180は、情報取得部170が取得した情報に基づいて、乗員が関心を寄せる事柄を検出し(ステップS220)、処理をステップS230に移行させる。
【0038】
疲労状態検知部120は、ステップS210において取得した情報に基づいて、乗員の疲労度合いが高いか否かを判定する(ステップS230)。
疲労状態検知部120は、乗員の疲労度合いが高いと判定した場合(ステップS230の「YES」)には、処理をステップS240に移行させる。
一方で、疲労状態検知部120は、乗員の疲労度合いが高くないと判定した場合(ステップS230の「NO」)には、処理をステップS270に移行させる。
【0039】
疲労状態検知部120において、乗員の疲労度合いが高いと判定された場合(ステップS230の「YES」)には、制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報であるか否かを判定する(ステップS240)。
制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報であると判定した場合(ステップS240の「YES」)には、処理をステップS270に移行させる。
一方で、制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報ではないと判定した場合(ステップS240の「NO」)には、処理をステップS250に移行させる。
【0040】
制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、乗員が関心を寄せる事柄に関連した情報ではないと判定した場合(ステップS250の「NO」)には、情報提供部130が提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報であるか否かを判定する(ステップS250)。
制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報であると判定した場合(ステップS250の「YES」)には、処理をステップS270に移行させる。
一方で、制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報ではないと判定した場合(ステップS250の「NO」)には、処理をステップS260に移行させる。
【0041】
制御部140Aは、情報提供部130が提供しようとしている情報が、走行の安全性に関わる情報ではないと判定した場合(ステップS250の「NO」)には、情報提供部130の情報の提供頻度を下げる制御を行い(ステップS260)、処理をステップS280に移行させる。
【0042】
制御部140Aは、情報提供部130の情報の提供頻度を下げない制御を行い(ステップS270)、処理をステップS280に移行させる。
【0043】
情報提供部130は、制御部140Aの制御に従って、乗員に情報提供を行い(ステップS280)、処理を終了させる。
【0044】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1Aの制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、検出部180において検出された乗員が関心を寄せる事柄に関連する情報を選択し、その情報を乗員に提供する。
つまり、車両1Aは、乗員の疲労度合いが高い状態であっても、乗員が関心を寄せる事柄に関連する情報は、乗員にとって有益な情報であるため、提供頻度を下げることなく、その情報を乗員に提供する。
これにより、車両1Aは、乗員にとって有益な情報を必ず提供することができる。
また、乗員が関心を寄せる事柄に関連しない情報は、乗員の疲労度合いに応じて提供頻度が下げられるため、乗員は不快な気分になることなく運転を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態に係る車両1Aの制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、走行の安全性に関わる情報の提供頻度を変えず、その他のカテゴリーに分類される情報の提供頻度を変更する。
つまり、制御部140Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、情報提供部130が提供しようとしている情報が走行の安全性に関わる情報の場合には、必ずその情報を乗員に提供する。
これにより、車両1Aは、乗員の疲労度合いが高い場合であっても、走行の安全性に関わる情報を必ず乗員に提供するため、例えば、事故多発地点や急カーブ等における事故の発生を未然に防止することができる。
また、走行の安全性に関わる情報以外の情報(その他のカテゴリーに分類される情報)は、乗員の疲労度合いに応じて提供頻度が下げられるため、乗員は不快な気分になることなく運転を行うことができる。
【0046】
<変形例1>
上述した疲労状態検知部120が、乗員の運転経過時間と情報取得装置110から取得した乗員の疲労度合いに関連する情報との関係を学習し、運転経過時間に基づいて、乗員の疲労度合いを検知するようにしてもよい。
これにより、車両1は、乗員ごとの運転による疲労度合いの変化の傾向を把握することができるため、各乗員に対して最適な頻度で情報提供を行うことができる。
【0047】
なお、疲労状態検知部120、制御部140、検出部180等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを疲労状態検知部120、制御部140、検出部180に読み込ませ、実行することによって本発明の車両1を実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0048】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0049】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1;車両
1A;車両
10;携帯端末
110;情報取得装置
120;疲労状態検知部
130;情報提供部
140;制御部
140A;制御部
150;音声出力部
160;表示部
170;情報取得部
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