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  • 特開-密閉チャンバー 図1
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  • 特開-密閉チャンバー 図9
  • 特開-密閉チャンバー 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048311
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】密閉チャンバー
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240401BHJP
   B01L 1/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
B01L1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022165857
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】300041701
【氏名又は名称】株式会社ブラスト
(71)【出願人】
【識別番号】500268524
【氏名又は名称】下崎 勇生
(72)【発明者】
【氏名】下崎 勇生
【テーマコード(参考)】
4B029
4G057
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029BB01
4B029DF01
4B029DG01
4B029GA08
4B029GB06
4B029GB10
4G057AA05
4G057AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一つの動作で蓋の4辺を同時に密閉して簡便に開閉できる、密閉チャンバーを提供する。
【解決手段】直方体のうち底面と前面と後面と左右側面を筐体とし、天面を蓋1とし、蓋は左右側面を有するコの字断面の形状であって、蓋の後側と筐体の後面を蝶番で接続し、蓋の左右側面の中心に円柱状の突起2を設け、筐体の左右側面には蓋の突起と蝶番との間の位置に回転軸13を設け、L字形状をした鉤型のカンチレバー14の短辺の先端を筐体の左右側面の回転軸に一つずつ接続し、左右のカンチレバーの長辺の先端は交差ブロック18を介してシャフト16で連結し、回転するようブラケット17を設け、筐体の前面に直方体形状のストッパ11を設け、蓋を閉じた後にシャフトが蓋の前側の辺を押さえ、同時に蓋の左右側面の突起をカンチレバーで押さえ、シャフトに設けたブラケットを筐体前面のストッパに引っかけて固定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体の形状を備えて内部で細胞または微生物あるいは材料といった試料を収納するチャンバーであって、前面と後面と左右側面と底面とで筐体を構成し、天面は左右側面を有した形状で蓋となり、蓋の後側の辺縁は筐体の後面と蝶番で接続して開閉し、蓋の左右側面の中央に突起を一つずつ設け、筐体の左右側面には中央かつ蓋の突起より後面側に回転軸を設け、カンチレバーとカンチブロックをL形状にて構成し、カンチブロックの先端を筐体に設けた左右の回転軸に一つずつ接続し、左右のカンチレバーの先端はシャフトで直交に接続し、シャフトの軸を中心に回転するブラケットをシャフトに設け、筐体の前面には直方体のストッパを設け、蓋を閉じてシャフトを下げた際にシャフトが蓋の前側の辺を押さえ、かつシャフトに接続されたカンチレバーが蓋の左右側面に設けた突起を押さえる構造であって、筐体の前面に設けた直方体のストッパにブラケットを引っ掛けてシャフトとカンチレバーとともに蓋を固定することを特徴とする密閉チャンバー。
【請求項2】
前項にあって筐体側面に継手を二つ設け、継手にチューブを設け、継手の一つは庫内に入りもう一つは庫外へ出る方向に流れて逆向きは停止させる逆止弁を備え、天面と底面に透明なガラスを嵌め込み、ガラスには透明導電膜を蒸着しかつ通電する機能を備え、透明導電膜の温度を検出する温度センサを貼付したことを特徴とする密閉チャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理化学分野において密閉性を維持するチャンバーに関するものである
【背景技術】
【0002】
理化学分野の研究において、パッキン等で密閉した円柱や直方体の容器に試料を入れて特異的な雰囲気で経過を観察し、また移動や運搬などの時に状態を維持させることがある。生命科学の分野では酸素と二酸化炭素の濃度を細胞に合わせて調整して培養するインキュベータとして用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
円柱は環状のパッキンを蓋の周りに付けるだけで構造が簡便であるが、より大きな容積を確保するために直方体の形状が多く取られている。直方体の密閉性を強化するには直方体の天面を蓋として、その4辺をクリップ等で強力に閉じる方法がある。しかし開け閉めには4か所を操作する手間があるうえに力を必要とする課題があった。本発明はこのような課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決するため、本装置は直方体のうち底面と前面と後面と左右側面を筐体とし、天面を蓋とし、蓋は左右側面を有する形状に板を曲げた構造であって、蓋の後側と筐体の後面を蝶番で接続し、蓋の左右側面の中心に円柱状の突起を設け、筐体の左右側面には蓋の突起と蝶番との間の位置に回転軸を設け、L字形状をした鉤型のカンチレバーの短辺の先端を筐体の左右側面の回転軸に一つずつ接続し、左右のカンチレバーの長辺の先端は交差ブロックを介してシャフトで連結し、シャフトの軸を中心に回転するようブラケットを設け、筐体の前面に直方体形状のストッパを設け、蓋を閉じた後にシャフトが蓋の前側の辺を押さえ、同時に蓋の左右側面の突起をカンチレバーで押さえ、シャフトに設けたブラケットを筐体前面のストッパに引っかけて固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
ブラケットをストッパに固定するだけで蓋の4辺が固定され、簡便に密閉度を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】 「本発明の蓋を開けた状態の構成を示した斜視図である。」
図2】 「本発明の蓋を緩めた状態の構成を示した斜視図である。」
図3】 「本発明の蓋を閉めた状態の構成を示した斜視図である。」
図4】 「本発明の蓋を開けた状態の構成を示した側面図である。」
図5】 「本発明の蓋を開けた状態の構成を示した側面の断面図である。」
図6】 「本発明の蓋を閉めた状態の構成を示した側面図である。」
図7】 「本発明の蓋を閉めた状態の構成を示した側面の断面図である。」
図8】 「本発明の蓋を閉めた状態の構成を示した前面図である。」
図9】 「本発明の蓋を閉めた状態の構成を示した前面の断面図である。」
図10】 「本発明のうちカンチレバーとカンチブロックの構成を示した側面図である。」
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明における形態を示す。
(イ)直方体の容器において、天面を蓋1として、前面と後面と左右側面と底面を筐体10として構成し、筐体10の左右側面と同じ側に合わせて蓋1は左右に垂れ下がった側面を有し、蓋1の後側と筐体10の後面を蝶番4で接続する。
(ロ)蓋1の左右側面の中央に円柱の突起2を左右一つずつ設け、蓋1の前側の辺に前方へ延長したタブ3を設け、蓋1の左右側面の突起2より筐体10の後面側へ位置するよう、筐体10の左右側面に回転軸13を設け、筐体10の前面に直方体のストッパ11を設ける。
(ハ)カンチレバー14とカンチブロック15とでL字の形状に構成し、カンチブロック15の先端を回転軸13に回転するよう接続し、カンチレバー14の先端に交差ブロック18を介してシャフト16で連結し、シャフト16は蓋1の前側の辺を抑える位置とする。
(ニ)コの字を横向きに寝かせた形状のブラケット17であって、内側でタブ3およびストッパ11の幅を挟むように備え、水平面の上側はストッパ11の底面に合わさる形状寸法を備え、シャフト16の軸を中心に回転するようブラケット17をシャフト16に設ける。
(ホ)筐体10の上面には材質がフッ素ゴム等の軟質素材であるOリング12を設ける。
本発明は以上の様な構造で、使用する際は次のようにする。
【0008】
図1図4図5のように蓋1が開いた状態において、実験対象となる細胞や微生物が播種された容器や試験材料などの試料を筐体10に入れ、図2のように蓋1を閉じて筐体10の前面に設けたストッパ11の上面へ蓋1の前側の辺に設けたタブ3を合わせる。
【0009】
図3図6図7のようにシャフト16でタブ3を押し下げ、ブラケット17の水平面の上をストッパ11の底面に押し込む。蓋1の後側は蝶番4で筐体10に接続されており、Oリング12の反発力によって蓋1は前側と後側の2辺で筐体に固定される。
【0010】
図3図8図9のように同時にカンチレバー14が蓋1の左右の突起2を押し下げる。蓋1の左右は垂れ下がった側面を有するコの字断面の形状であって前後の方向に対して剛性があるため、突起2が下がることで筐体10の上面に設けたOリング12の反発力によって蓋1の左右の2辺が押し下げられる。このことで合わせて蓋1の4辺が筐体10に密着し、内部は密閉される。
【0011】
カンチレバー14とカンチブロック15は鉤状に一体化せず2つの構成に分割しているが、そのことでカンチブロック15の垂直方向の長さを変えて、カンチレバー14の垂直方向の位置を変更でき、突起2を押し下げる力を調節することができる。さらに図10のようにカンチブロック15aとカンチブロック15bに分割してかつ垂直方向にネジで締結することで、ネジの締め付け量を調整してカンチレバー14の垂直位置を簡便に変更でき、突起2を押し下げる力をさらに容易に調整できる。このことで突起2の締め付ける力が弱くてガスが漏れたり、逆に強すぎてシャフト16がタブ3を押し下げる力が弱まったりすることなく、蓋2の4辺を均一にOリング12ひいては筐体10へ密着させてガス漏れを防ぐことが可能となる。
【0012】
筐体10の側面には継手19を設けてチューブ20を接続する。図3のように継手19のうち一つは庫内へ入る方向に、もう一つは庫外へ出る方向に流れて逆方向には流れない逆止弁付きとする。チューブ20を介してガスを庫内に流し、充満したところでガスの流れを停止させると、逆止弁によって庫内のガスは滞留したまま保持され、チューブ20を外しての移動や運搬が可能になる。
【0013】
蓋1を開けるときはブラケット17を前方へ手で引っ張るように回転させるだけで開く。引っ張りやすいようにブラケット17の下面に出っ張りを設けても良い。
【0014】
蓋1と筐体10底面にはガラス5を設けることで内部を観察できる。ガラス5には透明導電膜を蒸着し、通電させて発熱させることで庫内を保温することもできる。
【符号の説明】
【0015】
1 蓋
2 突起
3 タブ
4 蝶番
5 ガラス
10 筐体
11 ストッパ
12 Oリング
13 回転軸
14 カンチレバー
15 カンチブロック
15a カンチブロック
15b カンチブロック
16 シャフト
17 ブラケット
18 交差ブロック
19 継手
20 チューブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10