(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048380
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ソフトターゲット移動プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
B62D 11/04 20060101AFI20240401BHJP
G01M 17/007 20060101ALI20240401BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20240401BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20240401BHJP
F16F 1/18 20060101ALI20240401BHJP
B62D 9/00 20060101ALI20240401BHJP
B62D 63/02 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
B62D11/04 Z
G01M17/007 Z
B62D5/04
B62D6/00
F16F1/18 Z
B62D9/00
B62D63/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023160099
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】2214059.4
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】520483899
【氏名又は名称】アンソニー ベスト ダイナミクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANTHONY BEST DYNAMICS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ, マイケル ジェームズ
【テーマコード(参考)】
3D052
3D232
3D333
3J059
【Fターム(参考)】
3D052AA03
3D052AA05
3D052AA17
3D052BB09
3D052EE03
3D052EE04
3D052FF03
3D052GG05
3D052HH03
3D052HH05
3D052JJ33
3D052JJ36
3D232CC02
3D232DA04
3D232DA06
3D232DA24
3D232DA63
3D232EA09
3D232EB04
3D232EC22
3D232GG07
3D333CB04
3D333CB31
3D333CC14
3D333CD04
3D333CD05
3D333CD14
3D333CD18
3D333CE04
3D333CE11
3J059BA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームが提供される。
【解決手段】プラットフォーム181は、第1の駆動モータと、第1の駆動モータにより駆動可能な第1の従動輪と、第2の駆動モータと、第2の駆動モータにより駆動可能な第2の従動輪と、操舵アセンブリ101と、を備える。操舵アセンブリ101は、操舵モータ47と、操舵モータ47により操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪と、を備える。プラットフォーム181は、第1の駆動モータおよび第2の駆動モータから、それぞれの第1の従動輪および第2の従動輪への差動トルクによって操舵可能であり、操舵補助は、操舵モータ47によって非従動輪を操舵軸を中心に能動的に回動させることによって提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォーム181であって、
第1の駆動モータと、
前記第1の駆動モータにより駆動可能な第1の従動輪と、
第2の駆動モータと、
前記第2の駆動モータにより駆動可能な第2の従動輪と、
操舵アセンブリと、
を備え、
前記操舵アセンブリは、
操舵モータと、
前記操舵モータにより操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪と、
を備え、
前記プラットフォームは、前記第1の駆動モータおよび前記第2の駆動モータから、それぞれの第1の従動輪および第2の従動輪への差動トルクによって操舵可能であり、操舵補助は、前記操舵モータによって前記非従動輪を前記操舵軸を中心に能動的に回動させることによって提供される、ソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項2】
前記操舵アセンブリは、
前記操舵モータに結合された第1のギアと、
前記第1のギアと前記非従動輪とに連結された第2のギアであって、前記第2のギアが前記操舵モータによって回転することにより、前記非従動輪が前記操舵軸を中心に能動的に回動する、第2のギアと、
を備える、請求項1に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項3】
第1のギアの回転軸は前記第2のギアの回転軸に対して垂直である、請求項2に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項4】
前記第2のギアの前記回転軸は、前記操舵軸と同軸である、請求項3に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項5】
前記第1のギアはウォームギアであり、前記第2のギアは、前記ウォームギアと噛み合っているウォームホイールギアである、請求項3又は4に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項6】
前記非従動輪は圧縮位置と反発位置との間で移動可能であり、前記プラットフォームは、前記非従動輪を前記反発位置に付勢するように構成された付勢設備を備え、前記付勢設備は、前記非従動輪が前記付勢設備によって形成された中心空隙の少なくとも一部を占有するように、前記非従動輪を囲む、請求項1~5のいずれか一項に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項7】
前記付勢設備は、前記非従動輪の圧縮位置と前記反発位置との間の圧縮軸に沿って圧縮可能である、請求項6に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項8】
前記圧縮軸は、前記操舵軸と同軸である、請求項7に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項9】
前記付勢設備は、前記非従動輪を囲む環状付勢部材を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項10】
前記環状付勢部材は、環状波バネである、請求項9に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項11】
前記圧縮軸に沿った前記非従動輪の移動を誘導する誘導ピンを備える、請求項6~10のいずれか一項に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項12】
前記操舵アセンブリは、
前記操舵モータに結合された車輪キャリッジと、
前記非従動輪を支持する車軸と、
を備え、
前記車軸は、2つの端部を備え、前記2つの端部は、それぞれが、前記操舵モータによる前記車輪キャリッジの回転によって前記非従動輪が前記操舵軸を中心に能動的に回動するように、前記車輪キャリッジに装着される、請求項1~11のいずれか一項に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項13】
ソフトターゲット移動プラットフォームで使用するための操舵アセンブリであって、
前記プラットフォームのベースに装着可能なハウジングと、
前記ハウジングに結合された操舵モータと、
前記操舵モータによって前記ハウジングに対して操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪と、
を備える、操舵アセンブリ。
【請求項14】
請求項2~12のいずれか一項に記載の操舵アセンブリの任意の特徴または特徴の組合せを含む、請求項13に記載の操舵アセンブリ。
【請求項15】
駆動力によって移動可能なソフトターゲット移動プラットフォームを動作させる方法であって、
前記プラットフォームが3つの車輪セットを備え、前記3つの車輪セットは、2つの従動輪と、自由輪とを備え、
前記2つの従動輪は、前記2つの従動輪の一方を駆動する第1の駆動モータと、前記2つの従動輪の他方を駆動する第2の駆動モータとからの差動トルクに応じた差動操舵により前記プラットフォームを操舵し、前記差動トルクは、前記プラットフォームを移動させるための動力を形成し、
前記自由輪は、前記プラットフォームを移動させるための前記動力に寄与することなく操舵を補助し、
前記方法は、前記操舵モータによって前記自由輪を操舵軸を中心に能動的に回動させて、前記2つの従動輪に操舵補助を提供する、方法。
【請求項16】
ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームであって、
前記プラットフォームが移動する複数の車輪であって、前記車輪の少なくとも1つは、圧縮位置と反発位置との間で移動可能である、複数の車輪と、
可動輪を前記反発位置に付勢するように構成された付勢設備であって、前記付勢設備は、前記車輪が前記付勢設備によって形成される中心空隙の少なくとも一部を占めるように、前記車輪を囲む環状付勢部材を備える、付勢設備と、
を備える、ソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項17】
前記付勢設備は、前記反発位置と前記圧縮位置との間の圧縮軸に沿って圧縮可能である、請求項16に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項18】
前記環状付勢部材は、環状波バネを備える、請求項16又は17に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項19】
前記車輪は、キャスタ輪である、請求項16~18のいずれか一項に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[発明の分野]
【0002】
本発明は、先進運転支援システム(ADAS)の試験を含むがこれに限定されない、車両試験に使用するための操舵アセンブリおよびソフトターゲット移動プラットフォームに関する。より具体的には、しかし排他的ではないが、本発明は、ソフトターゲット移動プラットフォームに関する。また、本発明は、ソフトターゲット移動プラットフォーム用の操舵アセンブリ、およびソフトターゲット移動プラットフォームを操作する方法に関する。
【0003】
[発明の背景]
【0004】
現在では、多くの現代車両に先進運転支援システム(ADAS)が含まれている。車両でADASを試験するためには、現実世界のシナリオを一貫して反復可能な方法で再現し、ADASがどのように反応するかを測定することが望ましい。ADAS試験において、試験車両は、他の道路使用者との衝突の可能性などの危険な状況に対処するために、予め定められた経路または操作に従ってもよい。ADAS試験において、ソフトターゲットが使用され、通常はソフトターゲット移動プラットフォームによって搬送される。
【0005】
ソフトターゲットは、実世界の一つ又は複数のオブジェクトの模写であり、実世界の一つ又は複数のオブジェクトと比較して、車両試験中の衝撃による試験車両への損傷を最小化または回避する形態である。ソフトターゲットは、脆弱な道路利用者などの道路利用者を模倣する。脆弱な道路利用者の例には、歩行者、自転車利用者、電気キックライダー利用者、オートバイ利用者などがある。試験車両の非網羅的な例には、自動車、モータサイクルおよびトラックが含まれる。
【0006】
ほとんどのソフトターゲット移動プラットフォームは、試験車両がプラットフォーム上に置かれたソフトターゲットに安全に衝突し、試験車両がプラットフォーム上を安全に走行できるようにするための低レベルの装置である。上述のようなより脆弱な道路利用者は、高度に操縦可能であり、時には予測できない傾向がある。ADASを最適化し、道路安全を向上させるために、脆弱な道路利用者の実際の行動を模倣するプラットフォームを設計することが望ましい。プラットフォームは、自らのシステムを使用して自走および/または制動することができる。先進的なプラットフォームは、独自の操舵システムを用いて操縦することができる。このようなシステムは複雑であり、プラットフォームに大きな重量とスペースを追加する可能性があり、これらの状況(aspects)に対処することが望ましい。
【0007】
さらに、ソフトターゲット移動プラットフォームは、ソフトターゲットよりも著しく重い傾向がある。プラットフォームはまた、高速の脆弱な道路利用者(例えば、自転車利用者、オートバイ利用者、電動キックスクーター利用者)を模倣する際に、平均的な人間の歩行速度を超える速度で移動することができる。したがって、特に衝撃が予期せぬ軌道の変化につながる可能性があるため、プラットフォームを使用して作業する熟練工にとってプラットフォームが安全であることを確保することが望ましい。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものである。代替的または追加的に、本発明は、改良されたソフトターゲット移動プラットフォーム、ソフトプラットフォーム用の操舵アセンブリ、および/またはソフトターゲット移動プラットフォームを操作する方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、第1の態様によれば、ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームを提供する。プラットフォームは、第1の駆動モータを備えることができる。プラットフォームは、第1の従動輪を備えることができる。第1の従動輪は、第1の駆動モータによって駆動可能であってもよい。プラットフォームは、第2の駆動モータを備えることができる。プラットフォームは、第2の従動輪を備えることができる。第2の従動輪は、第2の駆動モータによって駆動可能であってもよい。プラットフォームは、操舵アセンブリを備えることができる。操舵アセンブリは、操舵モータを備えることができる。操舵アセンブリは、非従動輪を備えることができる。非従動輪は、操舵モータによって能動的に操舵軸を中心に回動するように構成されてもよい。プラットフォームは、第1の駆動モータおよび第2の駆動モータからそれぞれの第1の従動輪および第2の従動輪への差動トルクによって操舵可能であってよい。操舵補助は、操舵モータによって非従動輪を操舵軸を中心に能動的に回動させることによって提供することができる。このような設備(arrangement)は、プラットフォームが高度に操縦可能であることを可能にするので、有益であることが分かっている。
【0010】
本発明の実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームは、3つの車輪を使用して能動的に操舵することができ、そのうちの2つの車輪は差動操舵によってプラットフォームを操舵し、第3の車輪はプラットフォームを推進するように配置されておらず、回動によって操舵する。そのようなプラットフォームは、改良された操縦性および応答性を有することができる。
【0011】
プラットフォームは、ソフトターゲットを搬送するベースを備えることができる。
【0012】
第1の従動輪はプラットフォームの第1の側部であってもよく、第2の従動輪はプラットフォームの第2の側部上にあってもよく、プラットフォームの第2の側部はプラットフォームの第1の側部と反対側にある。
【0013】
第1の従動輪は、第1の駆動モータからの第1の入力回転力によって駆動可能であってもよい。第1の駆動モータは、電気モータであってもよい。
【0014】
第2の従動輪は、第2の駆動モータからの第2の入力回転力によって駆動可能であってもよい。第2の駆動モータは、電気モータであってもよい。
【0015】
非従動輪は、操舵モータからの操舵力により能動的に回動してもよい。操舵モータは、電気モータであってもよい。非従動輪は、第1の従動輪および/または第2の従動輪よりも前方にあってもよい。このような非従動輪は、制御された方法でプラットフォームの操舵を容易にすることができるので、有益であることが分かっている。
【0016】
プラットフォームは、接地するために3つのみの車輪の組を備えてもよく、3つの車輪の組は、第1の従動輪、第2の従動輪および非従動輪である。プラットフォームは、二輪駆動であってもよい。プラットフォームは、最大二輪駆動とすることができる。プラットフォームは、最大2つの車輪、たとえば、第1の従動輪および第2の従動輪を備えることができる。非従動輪は自由に回転することができ、能動的に回転するように配置されていなくてもよい。換言すれば、プラットフォームは、第1の従動輪と第2の従動輪である最大2つの車輪によって推進することができる。プラットフォームは、最大3つの車輪、第1の従動輪、第2の従動輪および非従動輪の3つの車輪で操舵することができる。
【0017】
プラットフォームは、任意でプラットフォームの長さに沿って、および/または全幅の中央に、中心軸を備えることができる。プラットフォームは、中心軸がプラットフォームのベースおよび/またはプラットフォームを支持するときの地面に対して水平であるように構成することができる。中心軸は、第1の従動輪及び第2の従動輪に対して等距離であってもよい。非従動輪は、中心軸上に置くことができる。非従動輪の操舵軸は中心軸と交差してもよい。プラットフォームは、操舵軸がプラットフォームおよび/または地面のベースに対して垂直になるように構成することができる。第1の従動輪および第2の従動輪は、中心軸に沿って同じ地点に置かれてもよい。非従動輪は、中心軸に沿って第1の従動輪および/または第2の従動輪からオフセットされてもよい。
【0018】
第1の従動輪は、第1の回転軸を中心に回転してもよい。第1の回転軸は、固定された又は少なくとも実質的に固定された中心軸に対する角度を有することができる。第1の回転軸は、中心軸に垂直に固定されていてもよい。第1の回転軸は、プラットフォームのベースおよび/またはプラットフォームを支持するときの地面に対して水平であってもよい。
【0019】
第2の従動輪は、第2の回転軸を中心に回転してもよい。第2の回転軸は、固定された又は少なくとも実質的に固定された中心軸に対する角度を有することができる。第2の回転軸は、中心軸に垂直に固定されていてもよい。第1の回転軸は、プラットフォームおよび/または地面のベースに対して水平であってもよい。
【0020】
第1の回転軸は、第2の回転軸に平行であってもよい。第1の回転軸は、第2の回転軸と実質的に同軸であってもよいし、同軸に固定されていてもよい。使用時に、第1の回転軸および/または第2の回転軸は、プラットフォームのベースおよび/またはプラットフォームを支持するときの地面に対して水平であってもよい。
【0021】
非従動輪は、回転軸を中心に受動的に回転し、操舵軸を中心に能動的に回動することができる。非従動輪の回転軸は、操舵軸に対して垂直であってもよい。操舵軸は、非従動輪の回転軸および/または固定された中心軸に対して角度を有することができる。操舵軸は、非従動輪の回転軸および/または中心軸に対して垂直に固定されてもよい。回転軸は、操舵軸に沿って、および/または、その周りに移動するように拘束されてもよい。使用時に、プラットフォームを支持するときに、非従動輪の回転軸が地面に対して水平であってもよい。使用時に、プラットフォームを支えるときに操舵軸を地面に対して垂直にしてもよい。非従動輪の回転軸は、中心軸に対して可変の角度を有することができる。非従動輪の回転軸は、中心軸に対して直線に沿って、中心軸に向かって、又は中心軸から離れる方向に移動可能であってもよい。
【0022】
プラットフォームは、コントローラを備えることができ、このコントローラは、第1の駆動モータに第1のトルクを第1の従動輪に出力させて第1の従動輪を駆動するように構成される。コントローラは、第2の駆動モータに第2のトルクを第2の従動輪に出力させて第2の従動輪を駆動するように構成することができる。第1のトルクおよび第2のトルクは、プラットフォームを単独でまたは組み合わせて推進するのに十分であってよい。コントローラは、第1のトルクおよび第2のトルクを等しくするか又は変化させるように構成することができる。コントローラは、操舵モータに第3のトルクを非従動輪に出力させて、非従動輪を能動的に回動させるように構成することができる。
【0023】
操舵アセンブリは、操舵モータと非従動輪との間に結合された複数のギアを備えることができる。操舵アセンブリは、プラットフォームのベースに装着可能なハウジングを備えることができる。複数のギアは、ハウジング内に配置されてもよい。
【0024】
操舵アセンブリは、任意に操舵モータに結合される第1のギアを備えることができる。第1のギアは、操舵モータの出力シャフトに直接係合されてもよい(即ち、第1のギアと操舵モータとの間に他のギアがないという意味である)。操舵アセンブリは、操舵モータによる第2のギアの回転によって非従動輪が操舵軸を中心に能動的に回動するように、第1のギアおよび非従動輪に任意に結合された第2のギアを備えることができる。第1のギアは、第2のギアに直接結合されてもよい。第1のギアは、第2のギアと噛み合うことができる。第2のギアは、非従動輪に間接的に結合されてもよい。
【0025】
第1のギアは、回転軸を備えることができる。操舵モータの出力シャフトは、回転軸を備えることができる。第1ギアの回転軸は、操舵モータの回転軸と同軸であってもよい。第2のギアは、回転軸を備えることができる。第1のギアの回転軸は、第2のギアの回転軸が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。第1のギアの回転軸は、第2のギアの回転軸に対して垂直であってもよい。第1のギアの回転軸は、非従動輪の操舵軸に対して垂直であってもよい。第1のギアの回転軸は、プラットフォームを支持するときに地面に対して水平であってもよい。第1のギアの回転軸は、中心軸に対して垂直であってもよい。第2のギアの回転軸は、プラットフォームを支持するときに地面に対して垂直であってもよい。第2のギアの回転軸は、中心軸に対して垂直であってもよい。第2のギアの回転軸は、操舵軸と同軸であってもよい。
【0026】
第1のギアは、細長いものであってもよい。第1のギアは、ウォームギアであってもよい。第2のギアは、ウォームギアと噛み合っているウォームホイールギアであってもよい。このような設備は、操舵アセンブリをコンパクトにすることができるので、有益であることが分かっている。ウォームホイールギアは、ウォームギアを回転させることができなくてもよい(即ち、ウォームギアは後退駆動ができなくてもよい)。このような設備は、操舵モータが故障したときのプラットフォームの進行方向の予測可能性を向上させることができるので、有益であることが分かっている。
【0027】
操舵アセンブリは、第2のギアを支持するために交差ころ軸受を備えることができる。交差ころ軸受は、径方向および軸方向の力のような複数の方向に力を運ぶように配置することができる。このような設備は、操舵アセンブリをコンパクトにすることができるので、有益であることが分かっている。
【0028】
操舵アセンブリは、車軸を備えてもよく、非従動輪は、車軸に装着されてもよい。非従動輪は、車軸を中心に自由に回転可能であってもよい。すなわち、非従動輪と車軸とは回転的にリンクされていないので、非従動輪の回転によって車軸が回転することはない。車軸は、非従動輪が回転可能な回転軸に対して回転可能に固定されてもよい。非従動輪は、車軸を中心に自由に回転可能であり、たとえば、一対の軸受等の軸受によって支持されている。一対の軸受は、車軸に沿って非従動輪の反対側に置かれてもよい。
【0029】
非従動輪は、圧縮位置と反発位置との間で移動可能であってもよい。プラットフォームは、非従動輪を反発位置に付勢するように構成された付勢設備を備えることができる。操舵アセンブリは、付勢設備を備えることができる。付勢設備は、非従動輪が付勢設備によって形成される中心空隙の少なくとも一部を占有するように、非従動輪を囲むことができる。中心空隙は、圧縮軸に沿った非従動輪の位置に依存して容積が変化することがある。空隙は、非従動輪が圧縮位置に移動するときには容積が減少し、非従動輪が反発位置に移動するときには容積が増加する。操舵アセンブリは、非従動輪の最大圧縮位置を表す完全に折り畳まれた状態を含むことができる。操舵アセンブリは、非従動輪の最大反発位置を表す完全な反発状態を含むことができる。非従動輪を囲むように付勢設備を置き、非従動輪が中心空隙を占有するように置くことは、特に空間効率的であることが認められている。従って、ソフトターゲット移動プラットフォーム上では特に有益な設備であることが分かった。
【0030】
付勢設備は、非従動輪の反発位置と圧縮位置との間の圧縮軸に沿って圧縮可能でもよい。付勢設備は、非従動輪の圧縮位置と反発位置との間の圧縮軸に沿って膨張可能であってよい。プラットフォームは、圧縮軸がプラットフォームのベースおよび/または地面に対して垂直であるように構成することができる。圧縮軸は、操舵軸と同軸であってもよい。
【0031】
付勢設備は、非従動輪を囲む環状付勢部材を備えることができる。環状付勢部材は、圧縮軸と同軸であってもよい。環状付勢部材を備えるこのような設備は、環状付勢部材がプラットフォームをよりコンパクトで空間効率的にすることを可能にし、より低いプロファイルを有するようにすることができるので、有益であることが分かっている。
【0032】
付勢設備の中心空隙は、付勢設備の対向する内部縁部間の空間を含むことができる。中心空隙は円筒状空間であってもよい。
【0033】
プラットフォームは、付勢設備が操舵軸を中心に非従動輪と共に回転するように構成されてもよい。
【0034】
環状付勢部材は、バネ、たとえば、螺旋バネを備えることができる。好ましい設備において、環状付勢部材は環状波形バネを備えることができる。環状波形バネを備えた、このような設備は、環状波形バネが特に空間効率が高いので有益であることが分かっている。そのため、プラットフォームの空間効率が更に高くなり、プロファイルが更に低くなる可能性がある。
【0035】
付勢部材、たとえば、環状波形バネは、膨張するように付勢された圧縮部材であってよい。付勢部材は、圧縮位置および反発位置の両方に延びるように付勢されてもよい(すなわち、反発位置においても膨張するように予め懸架されている)。
【0036】
操舵アセンブリは、任意選択的に操舵モータに結合された車輪キャリッジを備えることができる。車輪キャリッジは、非従動輪を囲むことができる。操舵アセンブリは、非従動輪を支持する車軸を備えることができる。車軸は、操舵モータによる車輪キャリッジの回転によって非従動輪が操舵軸を中心に能動的に回動するように、車輪キャリッジにそれぞれ装着された2つの端部を備えることができる。非従動輪は、車輪キャリッジに回転可能に装着されてもよい。非従動輪は、車軸の一端部に置かれた第1の車軸ロケータと、車軸の他端部に置かれた第2の車軸ロケータとによって車輪キャリッジに回転可能に装着されてもよい。第1の車軸ロケータおよび第2の車軸ロケータのそれぞれは、少なくとも1つの締結具、好ましくは複数の的絵継ぐを使用して車輪キャリッジに締結される。車輪キャリッジは、非従動輪と共に、操舵軸を中心に回動することができる。付勢設備は、車輪キャリッジを押圧して、非従動輪を反発位置に押圧することができる。環状付勢部材は、車輪キャリッジの周囲に周方向に置かれてもよい。このような設備は、操舵アセンブリを径方向にコンパクトにすることができるので、有益であることが分かっている。
【0037】
ウォームホイールギアは、中心空隙を含むことができる。中心空隙は、ウォームホイールギアの対向する内部縁部間の空間を含むことができる。空間は、円筒状空間であってもよい。車輪キャリッジは、ウォームホイールギアの中心空隙内に少なくとも部分的に又はほぼ完全に置くことができる。ウォームホイールギアおよび車輪キャリッジは、同心であってもよい。車輪キャリッジはウォームホイールギアに拘束され、操舵軸を中心に一緒に回動することができる。操舵アセンブリは、ウォームホイールギアに対して操舵軸に沿って車輪キャリッジが移動しても、ウォームホイールギアおよび車輪キャリッジの同心度が維持されるように構成することができる。車輪キャリッジおよび非従動輪が圧縮軸に沿って移動するにつれて、車輪キャリッジによって占められるウォームホイールギアの中心空隙の容積が変化してもよい。この容積は、非従動輪が圧縮位置に向かって移動するときに減少してもよい。この容積は、非従動輪が圧縮位置から離れるように移動するときに増加してもよい。
【0038】
車輪キャリッジと第2のギア、例えばウォームホイールギアとの間に環状チャネルを形成することができる。環状付勢部材は、環状チャネル内に置かれてもよい。
【0039】
非従動輪の車軸は、非従動輪の各側部を越えて延びてもよい。非従動輪の車軸を車輪キャリッジに装着されて、非従動輪の両側部を支持することができる。
【0040】
プラットフォーム、たとえば、操舵アセンブリは、圧縮軸に沿った非従動輪の移動を誘導する誘導ピンを備えることができる。誘導ピンは、ウォームホイールギアおよび車輪キャリッジを互いに対して拘束することができ、それにより、ウォームホイールギアおよび車輪キャリッジは、操舵軸を中心に一緒に回動する。プラットフォーム、たとえば、操舵アセンブリは、誘導ピンまたは各誘導ピン用の貫通孔を備えてもよい。車輪キャリッジは、一つ又は複数の貫通孔を備えてもよい。誘導ピンは、ウォームホイールギアに締結することができる。車輪キャリッジは、それぞれが、誘導ピン用の2つの貫通孔を備えてもよく、2つの貫通孔は径方向に対向する貫通孔であってもよい。
【0041】
プラットフォーム、たとえば、操舵アセンブリは、反発ピンを備えることができる。各反発ピンは、車輪キャリッジの各貫通孔を貫通して延びるシャフトを備える。車輪キャリッジは、それぞれが、反発ピン用の2つの貫通孔を備えてもよく、2つの貫通孔は、径方向に対向する貫通孔であってもよい。各反発ピンは、シャフトの一端部にヘッドを備え、ヘッドは、各反発ピンが貫通している車輪キャリッジの貫通孔の直径よりも大きい直径を有する。各反発ピンのヘッドは、圧縮軸に沿った車輪キャリッジの移動を防止するための端部ストップとして構成される。衝撃アイソレータは、車輪キャリッジと各反発ピンとの間の衝撃を吸収するために、各反発ピン上に置くことができる。
【0042】
プラットフォームは、プラットフォームのベースにソフトターゲットまたは複数のソフトターゲットを装着するためのソフトターゲット装着部または複数のソフトターゲット装着部を備えることができる。
【0043】
プラットフォームは、プラットフォームの後部にある後部分と、プラットフォームの前部にあるノーズ部分とを備えることができる。非従動輪は、ノーズに置かれてもよい。プラットフォームのベースは、ベースの周囲の周りに傾斜した側部を有してもよい。傾斜した側部は、試験車両が段階的にプラットフォームを上下することを可能にする。ベースは、ベースの外周内およびプラットフォームの最上部にカバーを有することができる。
【0044】
本発明は、第2の態様に従って、ソフトターゲット移動プラットフォームで使用するための操作アセンブリを提供する。操舵アセンブリは、プラットフォームのベースに装着可能なハウジングを備えることができる。操舵アセンブリは、ハウジングに結合された操舵モータを備えることができる。操舵アセンブリは、操舵モータによってハウジングに対して操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪を備えることができる。
【0045】
第1の態様に従うプラットフォームは、第2の態様に従う操舵アセンブリを備えていてもよく、第1の態様に従う操舵モータが第2の態様に従う操舵モータに対応する。
【0046】
第2の態様の操舵アセンブリは、第1の態様の操舵アセンブリの任意の特徴を備えることができる。
【0047】
本発明は、第3の態様に従って、動力によって移動可能なソフトターゲット移動プラットフォームを動作させる方法を提供する。プラットフォームは、3つの車輪の組を備えることができ、任意選択的に、2つの従動輪および1つの自由輪を備える。2つの従動輪は、第1の駆動モータからの差動トルクに従って2つの従動輪の一方を駆動し、第2の駆動モータからの差動トルクに従って2つの従動輪の他方を駆動する差動操舵によってプラットフォームを操舵するように構成することができ、差動トルクはプラットフォームを移動させるための原動力を形成する。自由輪は、プラットフォームを移動させるための動力に寄与することなく操舵を補助するように構成されてもよい。この方法は、2つの従動輪に操舵補助を与えるために、操舵モータによって自由輪を操舵軸を中心に能動的に回動させるステップを含むことができる。
【0048】
能動的な回動は、コントローラからの出力に基づいて、自由輪を能動的に回動させることを含むことができる。
【0049】
別の態様によれば、ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームが提供され、プラットフォームは、プラットフォームが移動する複数の車輪を備える。車輪の少なくとも1つは、圧縮位置と反発位置との間で移動可能であり、プラットフォームは、車輪を反発位置に付勢するように構成された付勢設備を備える。車輪は、駆動モータによって駆動可能な非従動輪又は従動輪とすることができる。非従動輪又は従動輪は、操舵可能であってもよく、操舵モータによって操舵軸を中心に能動的に回動されるように配置されてもよい。操舵モータは、駆動モータとは別のものであってもよい。付勢設備は、波形バネを備えることができる。付勢設備は、車輪が付勢設備によって形成される中心空隙の少なくとも一部を占めるように、車輪を囲むことができる。付勢設備は、好ましくは、車輪を囲む環状付勢部材を備え、環状付勢部材は、好ましくは、環状波形バネである。一部の実施形態において、複数の車輪の各々は、圧縮位置と反発位置との間で移動可能であってもよく、上述の付勢設備を備えてもよい。波形バネ、特に上述の方法で使用される環状波形バネを備えるが、これに限定されないソフトターゲットプラットフォームは、環状波形バネが(たとえ、ばコイルバネと比較して)特に空間効率が高いので、有益であることが分かっている。そのため、プラットフォームの空間効率が更に高くなり、プロファイルがさらに低くなる可能性がある。
【0050】
さらに別の態様によれば、ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームが提供され、プラットフォームは、複数の車輪を備え、その上でプラットフォームが移動する。プラットフォームは、操舵アセンブリを備えることができる。操舵アセンブリは、操舵モータを備えることができる。プラットフォームは、操舵可能な車輪を備えることができる。操舵可能は車輪は、非従動輪であってもよい。操舵可能な車輪は、操舵モータによって操舵軸を中心に能動的に回動するように配置することができる。操舵可能な車輪は、駆動モータによって駆動可能な従動輪であってもよい。駆動モータは、操舵モータとは別個であってもよい。操舵アセンブリは、操舵モータと操舵可能な車輪との間に結合された複数のギアを備えることができる。複数のギアは、ウォームギアと、ウォームギアに噛み合っているウォームホイールギアとを備えることができる。このような設備は、操舵アセンブリをコンパクトにすることができるので、有益であることが分かっている。
【0051】
当然のことながら、本発明の1つの態様に関連して説明された特徴は、本発明の他の態様に組み込まれてもよい。たとえば、本発明の第3の態様の方法は、本発明の第1の態様および第2の態様に関して説明した特徴のいずれかを組み込むことができ、その逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
以下、添付の概略図面のみを参照して、本発明の実施形態を実施例として説明する。
【
図1】
図1は、第1の例示的実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の例示的実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームの底面図である。
【
図3】
図3は、第1の例示的な実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームの前部の斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態による操舵アセンブリの斜視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態による操舵アセンブリの横断面の斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の例示的実施形態によるサブアセンブリの横断面の斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の例示的実施形態による車輪キャリッジの最上部斜視図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る車輪キャリッジの横断面の底部斜視図である。
【
図10】
図10は、完全に反発した状態にあるときの第1の例示的な実施形態による操舵アセンブリの横断面図である。
【
図11】
図11は、完全に折り畳まれた状態にあるときの第1の例示的な実施形態による操舵アセンブリの横断面図である。
【
図12】
図12は、完全に反発した状態にあり、
図7の完全に反発した状態から非従動輪を90°回転させたときの、第1の例示的な実施形態による操舵アセンブリの横断面図である。
【
図13】
図13は、第1の例示的実施形態による、
図12の操舵アセンブリの第2の横断面の斜視図である。
【
図14】
図14は、第2の例示的実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームを動作させる方法を示す図である。
【
図15】
図15は、第3の例示的な実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームの一部の斜視図である。
【
図16】
図16は、第4の例示的な実施形態によるソフトターゲット移動プラットフォームの一部の斜視図である。
【詳細な説明】
【0053】
図1~
図3は、第1実施形態に係るソフトターゲット移動プラットフォーム181を示している。プラットフォーム181は、中心軸197を有し、この中心軸197は、プラットフォーム181の後部にある後部分から、プラットフォーム181の前部にある先端部分186まで、プラットフォーム181の長さに沿って延びている。プラットフォーム181は、ベース183の周囲の周りに傾斜した側部188を有するベース183と、ベース183の周囲内部でプラットフォーム181の最上部にあるカバー190と、ベース183にソフトターゲット(図示せず)を装着するためのソフトターゲット装着部184とを備える。傾斜した側部は、試験車両がプラットフォーム181を漸進的に上下することを可能にする。
【0054】
プラットフォーム181は、試験ダミー歩行者、自転車のサイクリスト、または電動キック電動キックスクータに乗った乗員など、小さな設置面積および回動円を有する物体を模倣するソフトターゲットとともに使用されることが好ましい。プラットフォーム181は、プラットフォーム181が(ソフトターゲットの一部であるとしての車両センサによる識別を最小にするために)離散的であり、試験車両の下を安全に通過することができ、かつソフトターゲットができる限り接地に近いソフトターゲット装着部184に装着可能であるように、低プロファイルである。
【0055】
別の実施形態において、プラットフォーム181は、後部分180から延び、任意選択的に後部分180の下側に締結された片持梁プレートを備えてもよい。片持梁プレートは、
図1に示すソフトターゲット装着部184に代替的または追加的であり、それよりも低いソフトターゲット装着部を備え、これによりソフトターゲットの最下点を地面から約25mmに保持することができる。従って、片持ち梁プレートは、プラットフォーム181が地面に直接接触する歩行者を厳密に模倣することを可能にする。
【0056】
プラットフォーム181は、プラットフォーム181が移動する地面と接触するように配置された一組の車輪を備える。一組の車輪は、プラットフォーム181の後部分180に置かれた2つの後輪と、プラットフォーム181の先端部分186に置かれた1つの前輪とからなる3つの車輪を備える。
【0057】
2つの後輪が駆動される。単一の前輪は駆動されない。「従動」という用語は、車輪を地面に沿って移動させるためにその回転軸を中心に車輪を回転させる入力回転力の存在によって直接引き起こされる車輪の回転を説明する。「回転」という用語は、地表面に対して水平である軸を中心とする車輪の回転運動を指し、したがって、水平軸と呼ぶことができる。車輪の回転運動は、第1の実施形態のプラットフォーム181のようなプラットフォームを推進するのに十分である。従動輪は能動的に回転できる。これにより、従動輪の速度と加速度を直接制御することができる。対照的に、「非従動」という用語は、そのような入力回転力がないことから生じる車輪の回転がないことを表す。非従動輪は受動的に回転することができ、たとえば、従動輪の能動回転や、非従動輪に地面表面から加えられる摩擦に応答して地表面に沿って転動する。
【0058】
非従動輪は、(制動されない限り)永久的に自由に回転することができ、第1の実施形態のプラットフォーム181のような入力回転力がないために、プラットフォームを十分に推進するように構成されていない。2つの後輪は、中心軸197の第1の側に置かれた第1の従動輪185と、中心軸197の反対の第2の側に置かれた第2の従動輪189とを備える。第1の従動輪185及び第2の従動輪189の各々は、中心軸197から同程度にオフセットされている。2つの後輪の相対的な設備は、プラットフォーム181を安定させ、地上走行時および/またはプラットフォーム181上を通過する試験車両によって押圧されたときに左右の運動をバランスさせるのに役立つ。
【0059】
第1の従動輪185及び第2の従動輪189は、互いに平行で中心軸197の方向と直交する方向に延びる回転軸を備える。第1の従動輪185および第2の従動輪189の各々は回転することができるが、第1の従動輪185および第2の従動輪189が回転できないように拘束される。したがって、各回転軸と中心軸197との間の角度は、プラットフォーム181を上方から見たとき、たとえば、プラットフォーム181が試験車両によって非圧縮のときに固定される。第1の従動輪185及び第2の従動輪189は、地面に沿って転動方向に転動する。転動方向は、中心軸197に対して転動方向が変化しないように固定されている。第1の従動輪185及び第2の従動輪189の固定転動方向は、中心軸197に平行であり、プラットフォーム181の長手方向に延びる。
【0060】
プラットフォーム181は、プラットフォーム181の先端部186に配置された操舵アセンブリ101を備える。操舵アセンブリ101は、非従動輪43である前輪を備える。非従動輪43は、(たとえば、
図6に示すように)非従動輪43が回転可能な回転軸93を備える。非従動輪43の回転軸は、中心軸197に対して回転可能である。
【0061】
「操舵」という用語は、非従動輪に関して、第1の実施形態のプラットフォーム181のようなプラットフォームを直進/後退、左右方向に操舵するために、操舵軸を中心に非従動輪を回動させることを指す。操舵軸は地表面に対して垂直であり、垂直軸と呼ぶことができる。
【0062】
2つの後輪とは対照的に、前輪は、プラットフォーム181を操舵するために、操舵軸95を中心に操舵することができる。すなわち、非従動輪43は、中心軸197に対して垂直に配向された垂直軸を中心に回動することができる。従って、操舵軸95は、水平中心軸197に対して垂直である。従って、非従動輪43の回転軸93と水平中心軸197との間の角度は可変である。非従動輪43は、可変の転動方向に転動する。
【0063】
プラットフォーム181は、第1の従動輪185に連結された第1の駆動モータ187を備える。第1の駆動モータ187は、第1の従動輪185にトルクを与えて回転させる(回転軸回りに転動させる)ように構成された電気モータである。
【0064】
プラットフォーム181は、第2の従動輪189に連結された第2の駆動モータ191を備える。第2の駆動モータ191は、第2の従動輪189にトルクを与えて回転させる(回転軸回りに転動させる)ように構成された電気モータである。
【0065】
プラットフォーム181は、非従動輪43に連結された操舵モータ47を備えている。操舵モータ47は、非従動輪43にトルクを与えて、非従動輪43を積極的に回動させるように構成される。
【0066】
プラットフォーム181は、第1の駆動モータ187および第2の駆動モータ191の各々のトルク出力を制御してそれぞれの第1の従動輪185および第2の従動輪189を駆動するコントローラ182を備える。コントローラ182はまた、操舵アセンブリ101の操舵モータ47を制御して、非従動輪43を能動的に転動させる。
【0067】
コントローラ182は、第1の駆動モータ187および第2の駆動モータ191の各々に信号を出力して、それぞれの第1の従動輪185および第2の従動輪189を回転させるように構成される。コントローラ182は、トルク、たとえば、等しいトルクをそれぞれの第1の駆動モータ187および第2の駆動モータ191から出力させて、第1の従動輪185および第2の従動輪189を駆動し、(非従動輪43が同様に整列されている場合)プラットフォーム181を直進方向に移動させることができる。
【0068】
プラットフォーム181は、差動操舵によって操舵可能である。すなわち、コントローラ182は、それぞれの第1の駆動モータ187および第2の駆動モータ191によって提供されるトルク出力、たとえば、不等トルクを生じさせて、第1の従動輪185および第2の従動輪189を駆動し、プラットフォーム181を左または右に回動させるように構成される。回動中、第1の従動輪185および第2の従動輪189のうち、内車輪は、比較的高い回転速度を有する第1の従動輪185および第2の従動輪189のうち、外車輪と比較して相対的に低い回転速度を有する。
【0069】
本発明の第1の実施形態において、操舵モータ47によって非従動輪43を操舵軸95を中心に能動的に回動させることにより、プラットフォーム181に対する操舵補助を行うことができる。操舵補助は、回動前および/または回動中に提供することができる。第1の実施形態の操舵アセンブリ101は、プラットフォーム181が応答可能であり、少なくとも最初は、迅速かつ/または低労力で回転することを可能にする。たとえば、非従動輪43が、たとえば、キャスタ輪として提供されるときに受動的に回動するように構成された場合、非従動輪43の可変転動方向は、少なくとも最初は、プラットフォーム181の必要な移動方向と不整列であってもよい。非従動輪43を能動的に回動させることにより、プラットフォーム181の操舵性が向上する。キャスタ輪とは対照的に、非従動であるが操舵される車輪43の使用はまた、特にソフトターゲットが横風にさらされる場合に、プラットフォーム181の安定性を改善することが見出されている。
【0070】
コントローラ182は、第1の従動輪185及び第2の従動輪189の差動操舵に応じて、非従動輪43を回転させる量を制御する。
【0071】
図3は、ソフトターゲット移動プラットフォーム181の前部をより詳細に示す。ベース183は、操舵アセンブリ101が置かれてベース183に結合される操舵アセンブリベイ145を備える。示された図において、カバー190の一部分が取り外されて、操舵アセンブリベイ145および操舵アセンブリ101が
図3で見えるようになっている。使用時、カバー190は、操舵アセンブリベイ145及び操舵アセンブリ101を覆う。
【0072】
次に、操舵アセンブリ101に焦点を当てて説明する。
【0073】
図4~
図13は、最初に
図3に示された操舵アセンブリ101をより詳細に示す(
図7はサブアセンブリを示し、
図8および
図9は単一の構成要素を示す)。
図5、
図6、
図10および
図11は、
図4の破線に沿った横断面を示す。
図4~
図13の一部において、
図3と比較して、操舵アセンブリ101に対する一部の僅かな相違が認識可能であるが、
図4~
図13の操舵アセンブリ101が第1の実施形態の一部であることが確認される。
【0074】
操舵アセンブリ101は、非従動のプラットフォーム181の単一車輪である非従動輪43と、操舵モータ47とを備えている。操舵アセンブリ101は、ウォームギア5の形式の第1ギアと、ウォームホイールギア3の形式の第2ギアとを備える。このような設備の操舵アセンブリは、改良されたコンパクト性のために有益であることが示されている。ウォームギア5は、操舵モータ47の出力軸(図示せず)に結合され、ウォームホイールギア3と噛合している。従って、操舵モータ47からのトルクは、操舵モータ47の出力軸(図示せず)によってウォームギア5に伝達された後、ウォームホイールギア3に伝達される。非従動輪43はウォームホイールギア3に結合されており、ウォームホイールギア3と共に移動して操舵軸95を中心に回動してプラットフォーム181に操舵補助を与える。
【0075】
操舵アセンブリ101は、プラットフォーム181のコントローラ182と操舵モータ47との間の電気接続を確立するための電気コネクタ51を備える。
【0076】
操舵アセンブリ101は、ギアハウジングキャビティ59を有するギアハウジング53を備えている。ウォームギア5及びウォームホイールギア3は、ギアハウジングキャビティ59内に置かれている。
【0077】
操舵アセンブリ101は、以下の
図10に関連してより詳細に説明するように、非従動輪43の垂直移動を誘導するために、直径方向に対向する第1の誘導ピン46および第2の誘導ピン48を備える。
【0078】
図7は、操舵アセンブリ101のサブアセンブリの横断面の斜視図を示す。サブアセンブリは、ウォームホイールギア3の周壁4によって画定される空間内の操舵アセンブリ101の様々な構成要素を示し、操舵アセンブリ101の他の構成要素は図示の目的で省略されている。
図7に示すように、非従動輪43は、車軸13に回転可能に結合されており、回転軸93を中心に回転する。
【0079】
さらに
図10および
図11に示すように、非従動輪43は、ハブ19と、ハブ19に装着されたタイヤ21とを備えている。非従動輪43は、ハブ19を介して、第1の車輪用軸受25および第2の車輪用軸受27によって車軸13に支持されている。第1の車輪用軸受25および第2の車輪用軸受27は、車輪用軸受スペーサ23によって車軸13に沿って間隔を置いて配置されるが、車輪用軸受スペーサ23は、非従動輪43の全幅内に置かれ、かつ車軸13の中心に位置する。
【0080】
操舵アセンブリは、
図8および
図9に単独で示され、以下に説明されるように、車輪キャリッジ11を備える。
図7、
図10および
図11に示すように、車軸13は、ボルトによって車輪キャリッジ11に固定される第1の車軸ロケータ17および第2の車軸ロケータ20によって車輪キャリッジ11に結合される。たとえば、第1の車軸ロケータ17は、第1の端部ボルト16および第2の端部ボルト18によって車輪キャリッジ11に固定されるように
図7に示される。
【0081】
図10および
図11に示すように、車軸13のそれぞれのネジ付き端部分に締結された第1の車輪ナット29および第2の車輪ナット31は、第1の車輪ナット29および第2の車輪ナット31の間に、第1の車軸ロケータ17、第1の車輪用軸受25、車輪軸受スペーサ23、第2の車輪用軸受27、および第2の車軸ロケータ20を、これらの順に固着する。非従動輪43、車軸13、第1の車輪用軸受25及び第2の車輪用軸受27、並びに車軸ロケータ17、20は、車輪キャリッジ11がこれらの構成要素の周囲に周方向に延びるように、車輪キャリッジ11のキャビティ内に置かれる。
【0082】
図10および
図11に更に示すように、第1の締結具39および第2の締結具40は、それぞれの第1の反発ピン35および第2の反発ピン36の内部に挿入され、それに螺合する。各締結具39、40がそれぞれ第1の反発ピン35および第2の反発ピン36とネジ係合することにより、締結具39、40およびピン35、36がウォームホイールギア3の最上部に固定され、各締結具39、40のヘッドがウォームホイールギア3の最上部表面の凹部を埋める。車輪キャリッジ11は、(
図8および
図9に関連して後述する)第1の貫通孔10および第2の貫通孔12を備え、これらの貫通孔を介して、第1の反発ピン35および第2の反発ピン36がそれぞれ延びている。第1の反発ピン35および第2の反発ピン36は、それぞれ第1の貫通孔10および第2の貫通孔12の直径よりも大きい、それぞれ第1および第2のヘッド34、38を備える。これにより、車輪キャリッジ11は、第1のヘッド34および第2のヘッド38とウォームホイールギア3の下面との間の第1の反発ピン35および第2の反発ピン36のネックに沿って垂直に拘束されることが可能になる。車輪キャリッジ11をウォームホイールギア3に締結具39、40およびピン35、36によって結合することにより、車輪キャリッジ11がウォームホイールギア3で回動することが保証される。
【0083】
第1の衝撃アイソレータ32は、第1の反発ピン35のネックの周りに置かれ、第1の反発ピン32のヘッド上に載置される。第2の衝撃アイソレータ33は、第2の反発ピン36のネックの周りに置かれ、第2の反発ピン32のヘッド上に載置される。第1の衝撃アイソレータ32及び第2の衝撃アイソレータ33は、使用時に非従動輪43が反発するときに車輪キャリッジ11の衝撃荷重を吸収するように圧縮可能である。
【0084】
図8および
図9は、分離された車輪キャリッジ11を示す。
図8は上方から見た車輪キャリッジ11を示し、
図9は下方から見た
図8の破線に沿った横断面を示す。車輪キャリッジ11は、車輪キャリッジ11の直径中心に置かれた中央貫通孔8(
図8に示す)と、互いに直径方向に対向する第1の貫通孔10および第2の貫通孔12と、互いに直径方向に対向する第3の貫通孔2および第4の貫通孔6とを備える。第3の貫通孔2および第4の貫通孔6の各々は、一端部で、車輪キャリッジ11の最上部に凹み、それぞれの第3の貫通孔2および第4の貫通孔6を囲む凹部分14によって囲まれている。
【0085】
図9に示すように、車輪キャリッジ11は、4つの厚肉部分26を備え、厚肉部分26の各々は、端面24と、各端面24から延びる止まり穴22とを備える。一対の端面24は、各車軸ロケータ17、20と係合し(第1の車軸ロケータ17についてこれを示す
図7参照)、各止まり穴22は各ボルトと係合する(
図7には第1の端部ボルト16と第2の端部ボルト18のみが図示)。車輪ルキャリッジ11はさらに、車輪キャリッジ11の最上部から下方に下側壁30まで延びる上側壁28を備え、下側壁30から外方につば42が突出している。
【0086】
図7に示すように、操舵アセンブリ101は、下誘導部9と、車輪キャリッジ11の外側の周囲およびウォームホイールギア3の周壁4内に延びる環状波形バネ7とを備える。下誘導部9は、車輪キャリッジ11のつば42上に載置する環状リングである。環状波形バネ7は、ウォームホイールギア3と車輪キャリッジ11と下誘導部9との間に形成された環状チャネル内に置かれている。環状波形バネ7は、圧縮軸に沿って圧縮可能であり、車輪キャリッジ11の上側壁28及び下側壁30に平行な方向に延びるように付勢されている。圧縮軸は、操舵軸95と同軸である。下誘導部9はウォームホイールギア3の内側側壁に係合し、車輪キャリッジ11のつば42及び下側壁30に係合する。
【0087】
図6に示すように、操舵アセンブリ101は、交差ころ軸受37を備える。交差ころ軸受37は、環状であり、外リングと内リングとを備える。内リングは外リングと同心であり、外リングに対して回転することができる。交差ころ軸受37の内リングは、ウォームホイールギア3にクランプされている。これにより、ウォームホイールギア3が交差ころ軸受37の内リングに固定され、ウォームホイールギア3が内リングとともに交差ころ軸受37の外リングを中心に回転可能となる。交差ころ軸受37の外リングは、ギアハウジング53にクランプされている。これにより、ギアハウジング53が交差ころ軸受37の外リングに固定される。
【0088】
図10および
図11に示すように、操舵アセンブリ101は、摩耗パッド41および泥除け52を備える。摩耗パッド41はギアハウジング53に結合され、泥除け52は車輪キャリッジ11に結合される。本実施形態において、摩耗パッド41は高強度の両面テープを用いて取り付けられている。摩耗パッド41は、操舵アセンブリ101の下側を地面との衝撃から保護し、泥除け52は、車輪キャリッジ11の下側を、非従動輪43からはじけて操舵アセンブリ101に入る汚れ侵入から保護する。
【0089】
【0090】
操舵モータ47(
図4に示す)の出力シャフト(図示せず)はウォームギア5を駆動し、ウォームギア5をウォームギア5の長手方向軸に対応する第1の回転軸94を中心に回転させる。ウォームギア5とウォームホイールギア3とが噛合することにより、ウォームギア5の回転に伴って、ウォームホイールギア3は操舵軸95に対応する第2の回転軸(第1の回転軸に直交する第2の回転軸)を中心に回転する。ギアハウジング53内のウォームホイールギア3の回転移動は、交差ころ軸受37によって支持されている。交差ころ軸受37は、複数の方向、たとえば、操舵軸95に沿って軸方向に、また、操舵軸95に対して径方向に力を伝達するので、操舵アセンブリ101をコンパクトにすることができる。
【0091】
非従動輪43は、ウォームホイールギア3と車輪キャリッジ11との間の結合の力で第1の締結具39および第2の締結具40によって、ウォームホイールギア3と共に回転する(第1の締結具39のみが
図6に示され、両方とも
図10および
図11に示される)。第1の反発ピン35および第2の反発ピン36に固定された第1の締結具39および第2の締結具40は、第1の反発ピン35および第2の反発ピン36を、それぞれの隣接する壁に対して付勢するが、それぞれの隣接する壁は、(
図10および
図11に示すように)車輪キャリッジ11の第1の貫通孔10および第2の貫通孔12を画定する。車輪キャリッジ11を付勢することにより、非従動輪43は操舵軸95を中心に回動する。
【0092】
ウォームギア5の第1の回転軸94は、プラットフォーム181に嵌合されると、プラットフォーム181の中心軸197の方向と直交する方向に延びる。ウォームギア5の第1の回転軸94も、プラットフォーム181の中心軸197に対して固定されている。ウォームホイールギア3の移動により、非従動輪が操舵される。
【0093】
非従動輪43および車輪キャリッジ11は、圧縮軸に沿って環状チャネル(ウォームホイールギア3と車輪キャリッジ11との間)内で環状波形バネ7を圧縮および膨張させることによって、ウォームホイールギア3に向かって及びウォームホイールギア3から離れるように移動することができる。これにより、非従動輪43に圧縮位置と反発位置とを持たせることができる。
【0094】
図10は、完全に反発した状態の操舵アセンブリ101を示し、
図11は、完全に折り畳まれた状態の操舵アセンブリ101を示す。操舵アセンブリ101は、下誘導部9を介して車輪キャリッジ11に働く波形環状バネ7によって、完全に反発された状態に向けて付勢される。操舵アセンブリ101は、環状波形バネ7が圧縮され、
図11に示すように、車輪キャリッジ11の上側がウォームホイールギア3の下側、操舵アセンブリは、完全に折り畳まれた状態に向かって移動する。
【0095】
プラットフォーム181は、バネ下質量およびバネ上質量を備える。プラットフォーム181のバネ下質量は、非従動輪43および車輪キャリッジ11を備える。プラットフォーム181のバネ上質量は、ベース183の質量、任意選択的にソフトターゲットの質量、および操舵モータ47、ギアハウジング53、ウォームギア5、およびウォームホイールギア3など、ベース183に対して垂直に固定された操舵アセンブリ101の構成要素の質量を含む。バネ上質量は、環状波形バネ7によって支持され、従って環状波形バネ7に力を及ぼし、環状波形バネ7をある程度圧縮することができる。しかしがら、環状波形バネ7は、バネ下質量だけに起因する変位が、操舵アセンブリ101の完全に反発した状態と折り畳まれた状態との間の環状波形バネ7の可能な全変位と比較して無視できるように構成されている。これにより、操舵アセンブリ101は、地面のバンプ上を移動するとき、および試験車両によって作用されるときに圧縮することができる。
【0096】
図10に示すように、完全に反発した状態において、非従動輪43は最大の反発位置にある。完全に反発した状態において、車輪キャリッジ11は、下誘導部9を介してウォームホイールギア3および車輪キャリッジ11に加えられた環状波形バネ7からの膨張力により、第1の衝撃アイソレータ32および第2の衝撃アイソレータ33を押圧する。第1の衝撃アイソレータ32および第2の衝撃アイソレータ33は、車輪キャリッジ11がウォームホイールギア3に対して水平であるように水平である。非従動輪43のタイヤ21およびハブ19の一部分は、摩耗パッド41の中心開口から離れて突出する。
【0097】
図10は、
図11の圧縮状態と比較して膨張状態にある環状波形バネ7を示す。膨張状態において、環状波形バネ7は圧縮されたままである。これにより、操舵アセンブリ101が完全に反発した状態にあるときに、非従動輪43を反発するようにロックすることができる。
【0098】
図11に示す完全に折り畳まれた状態において、非従動輪43は最大圧縮位置にある。完全に折り畳まれた状態において、環状波形バネ7自体は完全に圧縮されていないが、非従動輪43は、操舵アセンブリ101の構成要素間の当接のためにウォームホイールギア3に接近することができない。従って、非従動輪43の最下点は、摩耗パッド41の最下点よりも上方にある。
【0099】
摩耗パッド41は、操舵アセンブリ101を保護する層を提供する。従って、非従動輪43は、摩耗パッド41が完全に摩耗したときにのみ、接地されて完全に潰れた状態になることが予想される。しかしながら、非従動輪43のタイヤ21の摩耗は予想される。
【0100】
完全に折り畳まれた状態は、タイヤ21の摩耗がなく、かつ摩耗パッド41が存在しない場合にのみ達成されると予想される。使用時に、プラットフォーム181が駆動されるとき、プラットフォーム181のベース183は、操舵アセンブリ101が試験車両から荷重を吸収するのではなく、試験車両の荷重を受ける。従って、非従動輪43はウォームホイールギア3内に完全に凹み、パッド41を摩耗させることができる。
【0101】
完全に折り畳まれた状態において、第1の車軸ロケータ17および第2の車軸ロケータ20は、それぞれ第1の反発ピン35および第2の反発ピン36と係合し、車輪キャリッジ11の上表面はウォームホイールギア3の下表面と係合する。衝撃を受けると、エネルギは、非従動輪43から車輪キャリッジ11およびウォームホイールギア3を介してギアハウジング53に伝達される。厚肉部分26は、車軸ロケータ17、20からのエネルギを分配するのを助ける。
【0102】
完全に折り畳まれた状態では、第1の車輪ナット29および第2の車輪ナット31と、完全に折り畳まれた状態でのそれぞれの第1の反発ピン35および第2の反発ピン36との間に隙間が存在する。これは、操舵アセンブリ101の実装スペースを最小にするのに役立ち、これは、操舵アセンブリ101を装着することができる低プロファイルプラットフォームを提供するために、垂直方向においてプレミアムである。
【0103】
車輪キャリッジ11の中央貫通孔8は、完全に折り畳まれた状態にあるときにウォームホイールギア3の中央突起44を受け、中央突起44は、ウォームホイールギア3の直径中心にあり、ウォームホイールギア3の周囲の下方に面する表面から非従動輪43に向かって延びている。
【0104】
環状波形バネ7が圧縮されると、バネは、
図10に示されるように、操舵アセンブリ101を完全に反発された状態に向けて付勢する。環状波形バネ7はウォームホイールギア3と下誘導部9を押してウォームホイールギア3と車輪キャリッジ11とを離間させる。従って、環状波形バネ7は、
図7の構成要素(たとえば、非従動輪43、車軸13、車軸ロケータ17、20、車輪キャリッジ11、下誘導部9、及び環状波形バネ7)をウォームホイールギア3から離間させる。
【0105】
圧縮軸に沿って移動するとき、車輪キャリッジ11は、第3の貫通孔2および第4の貫通孔6を、それぞれ貫通して延びる第1の誘導ピン46および第2の誘導ピン48(
図10では見えない)に沿って移動する。第1の貫通孔10および第2の貫通孔12は、それぞれの第1の反発ピン35および第2の反発ピン36に沿って同時に移動する。環状波形バネ7は、車輪キャリッジ11の下側が第1の衝撃アイソレータ32および第2の衝撃アイソレータ33の上側に当接するまで膨張し続ける。
【0106】
図12および
図13は、回転され、完全に反発された状態にある操舵アセンブリ101を示し、それによって、示されている横断面は90°離れて取られ、
図13は、様々な構成要素の相対的な深さを示す斜視図である。
図7のサブアセンブリの構成要素(たとえば、非従動輪43、車軸13、車軸ロケータ17、20、車輪キャリッジ11、下誘導部9、および環状波形バネ7)は、ウォームホイールギア3によって、
図10に示される向きから90°の角度を介して回転される。
【0107】
図14は、第1の実施形態のプラットフォーム181などのソフトターゲット移動プラットフォームを動作させる方法400を示す。プラットフォームは、3つの車輪のセットを備えている。3つの車輪のセットは、2つの従動輪と1つの自由輪を備える。自由輪は、第1実施形態の非従動輪43のような非従動輪である。自由輪は、自由輪を回転させるためにプラットフォームから駆動力を提供することなく、不変に自由に回転することができる。したがって、プラットフォームは二輪駆動である。
【0108】
2つの従動輪は、差動操舵によってプラットフォームを操舵するように構成される。差動操舵は、2つの駆動ユニットからの差動トルクを備え、2つの駆動ユニットは、組み合わせてプラットフォームを移動させるための動力を提供する。各駆動ユニットは、各非従動輪を駆動するように構成されている。自由輪は、プラットフォームを移動させるための動力に寄与することなく、操舵を補助するように構成される。
【0109】
方法400は、操舵モータによって自由輪を操舵軸を中心に能動的に回動させ、2つの従動輪に操舵補助を提供するステップ(401)を含む。
【0110】
自由輪を能動的に回転させるステップ(401)は、第1の実施形態の操舵アセンブリ101など、本明細書に開示された操舵アセンブリのいずれか1つによって可能にすることができる。
【0111】
方法400は、任意選択的に、2つの従動輪からの動力を使用して差動操舵を提供するステップ403と、2つの従動輪に差動トルクを加えるステップとを含む。
【0112】
方法400は、任意選択的に、自由輪を完全に折り畳んだ状態などの折り畳み状態に折り畳むステップ405を含む。方法400は、任意選択的に、自由輪を折り畳んだ状態から完全に反発した状態のような反発状態に向かって反発させるステップ407を含む。第1の実施形態では、完全に折り畳まれた状態と完全に反発された状態の実施例を示す。プラットフォームのベースは、プラットフォーム上を走行する試験車両の荷重を支えることができるという利点がある。
【0113】
第1の実施形態の操舵アセンブリ101のような、本明細書に開示された操舵アセンブリのいずれか1つによって、自由輪の反発させるステップ407を可能にすることができる。
【0114】
図15は、第2の実施形態によるプラットフォーム281を示す。第2の実施形態のプラットフォーム281の特徴であって、第1の実施形態のプラットフォーム181と共通するものは、100だけ増加される。これらの特徴の類似性は、第1の実施形態と第2の実施形態との間の相違の検討のために、詳細に検討されない。
【0115】
プラットフォーム281は、中心軸297と、操舵アセンブリベイ245内に置かれた操舵アセンブリ201とを備える。操舵アセンブリ281は、中心軸297からオフセットされた操舵モータ247を備える。操舵モータ247は、中心軸297に対して垂直かつ離間した回転軸(図示せず)を備える。操舵モータ247の出力シャフト(図示せず)は、マスタプーリ292に結合されて駆動する。マスタープーリ292は、無端ベルト298によってスレーブプーリ296に結合されている。単一の非従動輪(図示せず)は、プーリ292、296および無端ベルト298を駆動する操舵モータ247の作用によって、操舵軸295を中心に回動する。ベルトテンショナ294は、操舵ータ247から単一の非従動輪(図示せず)にトルクが伝達される間、無端ベルト298の張力を維持する。第2の実施形態の操舵アセンブリ201は、第1の実施形態の操舵アセンブリ101よりも空間効率が低い。
【0116】
図16は、第3の実施形態によるプラットフォーム381を示す。第3の実施形態のプラットフォーム381の特徴であって、第1の実施形態のプラットフォーム181と共通するものは、200だけ増加される。これらの特徴の類似性は、第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態の間の相違の検討のために、詳細に検討されない。
【0117】
プラットフォーム381は、中心軸397と、操舵アセンブリベイ345内に置かれた操舵アセンブリ301とを備える。操舵アセンブリ301は、中心軸397上に配置された操舵モータ347を備える。操舵モータ347は、中心軸397に対して垂直かつ交差する回転軸(図示せず)を有するダイレクトドライブ型のブラシレスモータである。単一の非従動輪(図示せず)は、操舵モータ347の作用によって操舵軸395を中心に回転させて、プラットフォーム381に操舵補助を提供する。第3の実施形態の操舵アセンブリ301は、第2の実施形態の操舵アセンブリ201よりも空間効率が高いが、第1の実施形態の操舵アセンブリ101よりは空間効率が低い。
【0118】
本発明は特定の実施形態を参照して説明および図示したが、本発明が本明細書に具体的に図示されていない多くの異なる変形に役立つことは当業者には理解されるであろう。実施例としてのみ、いくつかの可能な変形例について説明する。
【0119】
第1の実施形態のソフトターゲットプラットフォーム181、第2の実施形態のソフトターゲットプラットフォーム281、第3の実施形態のソフトターゲットプラットフォーム381は、前部(第1の実施形態のプラットフォーム181は後部)で説明したが、この向きは進行方向に応じて切り替え可能であることは当業者には理解されよう。たとえば、各駆動モータは、プラットフォームを効果的に後退させるために逆駆動可能であってもよい。
【0120】
記載される任意のソフトターゲットプラットフォームは、ソフトターゲットのための複数の可能な装着位置、たとえば、それぞれがソフトターゲット(図示せず)の一部分をベースに装着するための複数のソフトターゲット装着部を備えることができる。たとえば、プラットフォームは、プラットフォームの中心軸に置かれた少なくとも1つの中央ソフトターゲット装着部および/または中心軸の側部に置かれた少なくとも1つのソフトターゲット装着部を有してもよい。
【0121】
前述の説明において、既知の、自明のまたは予測可能な均等物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような均等物は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲を決定するために特許請求の範囲を参照すべきであり、本発明はそのような等価物を包含するように解釈されるべきである。好ましい、有利な、便利なものとして記載されている本発明の整数又は特徴は任意であり、独立クレームの範囲を限定しないことも読者に理解されるであろう。さらに、そのような任意の整数または特徴は、本発明の幾つかの実施形態では可能な利点であるが、望ましくない場合があり、したがって、他の実施形態では存在しない場合があることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォーム181であって、
第1の駆動モータと、
前記第1の駆動モータにより駆動可能な第1の従動輪と、
第2の駆動モータと、
前記第2の駆動モータにより駆動可能な第2の従動輪と、
操舵アセンブリと、
を備え、
前記操舵アセンブリは、
操舵モータと、
前記操舵モータにより操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪と、
を備え、
前記プラットフォームは、前記第1の駆動モータおよび前記第2の駆動モータから、それぞれの第1の従動輪および第2の従動輪への差動トルクによって操舵可能であり、
操舵補助は、前記操舵モータによって前記非従動輪を前記操舵軸を中心に能動的に回動させることによって提供される、ソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項2】
前記操舵アセンブリは、
前記操舵モータに結合された第1のギアと、
前記第1のギアと前記非従動輪とに連結された第2のギアであって、前記第2のギアが前記操舵モータによって回転することにより、前記非従動輪が前記操舵軸を中心に能動的に回動する、第2のギアと、
を備える、請求項1に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項3】
第1のギアの回転軸は前記第2のギアの回転軸に対して垂直である、請求項2に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項4】
前記第2のギアの前記回転軸は、前記操舵軸と同軸である、請求項3に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項5】
前記第1のギアはウォームギアであり、前記第2のギアは、前記ウォームギアと噛み合っているウォームホイールギアである、請求項3に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項6】
前記非従動輪は圧縮位置と反発位置との間で移動可能であり、前記プラットフォームは、前記非従動輪を前記反発位置に付勢するように構成された付勢設備を備え、前記付勢設備は、前記非従動輪が前記付勢設備によって形成された中心空隙の少なくとも一部を占有するように、前記非従動輪を囲む、請求項1に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項7】
前記付勢設備は、前記非従動輪の圧縮位置と前記反発位置との間の圧縮軸に沿って圧縮可能である、請求項6に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項8】
前記圧縮軸は、前記操舵軸と同軸である、請求項7に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項9】
前記付勢設備は、前記非従動輪を囲む環状付勢部材を備える、請求項6に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項10】
前記環状付勢部材は、環状波バネである、請求項9に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項11】
前記圧縮軸に沿った前記非従動輪の移動を誘導する誘導ピンを備える、請求項6に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項12】
前記操舵アセンブリは、
前記操舵モータに結合された車輪キャリッジと、
前記非従動輪を支持する車軸と、
を備え、
前記車軸は、2つの端部を備え、前記2つの端部は、それぞれが、前記操舵モータによる前記車輪キャリッジの回転によって前記非従動輪が前記操舵軸を中心に能動的に回動するように、前記車輪キャリッジに装着される、請求項1に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項13】
ソフトターゲット移動プラットフォームで使用するための操舵アセンブリであって、
前記プラットフォームのベースに装着可能なハウジングと、
前記ハウジングに結合された操舵モータと、
前記操舵モータによって前記ハウジングに対して操舵軸を中心に能動的に回動するように配置された非従動輪と、
を備える、操舵アセンブリ。
【請求項14】
駆動力によって移動可能なソフトターゲット移動プラットフォームを動作させる方法であって、
前記プラットフォームが3つの車輪セットを備え、前記3つの車輪セットは、2つの従動輪と、自由輪とを備え、
前記2つの従動輪は、前記2つの従動輪の一方を駆動する第1の駆動モータと、前記2つの従動輪の他方を駆動する第2の駆動モータとからの差動トルクに応じた差動操舵により前記プラットフォームを操舵し、
前記差動トルクは、前記プラットフォームを移動させるための動力を形成し、
前記自由輪は、前記プラットフォームを移動させるための前記動力に寄与することなく操舵を補助し、
前記方法は、操舵モータによって前記自由輪を操舵軸を中心に能動的に回動させて、前記2つの従動輪に操舵補助を提供する、方法。
【請求項15】
ソフトターゲットを搬送するためのソフトターゲット移動プラットフォームであって、
前記プラットフォームが移動する複数の車輪であって、前記車輪の少なくとも1つは、圧縮位置と反発位置との間で移動可能である、複数の車輪と、
可動輪を前記反発位置に付勢するように構成された付勢設備であって、前記付勢設備は、前記車輪が前記付勢設備によって形成される中心空隙の少なくとも一部を占めるように、前記車輪を囲む環状付勢部材を備える、付勢設備と、
を備える、ソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項16】
前記付勢設備は、前記反発位置と前記圧縮位置との間の圧縮軸に沿って圧縮可能である、請求項15に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項17】
前記環状付勢部材は、環状波バネを備える、請求項15に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【請求項18】
前記車輪は、キャスタ輪である、請求項15に記載のソフトターゲット移動プラットフォーム。
【外国語明細書】