(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048386
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】5G NRにおける非重複サブバンド全二重(SBFD)動作のタイミング
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20230101AFI20240401BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240401BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
H04W72/12
H04W72/0453
H04W72/0446
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023163000
(22)【出願日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】63/410,504
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/371,632
(32)【優先日】2023-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デブディープ チャッタージー
(72)【発明者】
【氏名】ガーン シオーン
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァトーレ タラリコ
(72)【発明者】
【氏名】イー ワーン
(72)【発明者】
【氏名】イーンヤーン リー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE61
5K067EE71
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サブバンド全二重(SBFD)通信向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)を提供する。
【解決手段】5G NR無線システムにおいて、SBFD動作のために、処理回路は、SBFDシンボル中にgNBと通信するようにUEを構成し、SBFDシンボルの各々は、UE向けに構成されたアクティブダウンリンク(DL)帯域幅部分(BWP)にわたるとともに、アクティブDLBWP内に少なくともDLサブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し、SBFDシンボル中に通信するために、処理回路は、gNBにULサブバンド内でUL送信を送信するようにUEを構成し、SBFDシンボル中のUL送信は、SBFDシンボル中のUEにおけるDLシンボルタイミングに対するUL送信の開始の早さを調整するためのタイミングアドバンスオフセットを用いて送信され、メモリは、タイミングアドバンスオフセットを格納するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたユーザ機器(UE)の装置であって、当該装置は、処理回路及びメモリを有し、
サブバンド全二重(SBFD)動作のために、前記処理回路は、SBFDシンボル中にジェネレーションノードB(gNB)と通信するように前記UEを構成し、前記SBFDシンボルの各々は、前記UE向けに構成されたアクティブDL帯域幅部分(BWP)にわたるとともに、該アクティブDL帯域幅部分(BWP)内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し、
前記SBFDシンボル中に通信するために、前記処理回路は、前記gNBに前記アップリンクサブバンド内でアップリンク送信を送信するように前記UEを構成し、
前記SBFDシンボル中の前記アップリンク送信は、SBFDシンボル中の前記UEにおけるDLシンボルタイミングに対する前記アップリンク送信の開始の早さを調整するためのタイミングアドバンスオフセットを用いて送信され、
前記メモリは、前記タイミングアドバンスオフセットを格納するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記処理回路は更に、前記gNBからの構成情報を復号して、
非SBFDシンボルであって、当該非SBFDシンボルの各々が、前記アクティブDL BWPにわたるダウンリンクシンボル又はアップリンクシンボルのいずれかを有する、非SBFDシンボル、
を示すように構成され、
ダウンリンクシンボルである前記非SBFDシンボルは、アップリンク送信を伴わないダウンリンク送信の受信のために構成され、
アップリンクシンボルである前記非SBFDシンボルは、ダウンリンク受信を伴わないアップリンク送信の送信のために構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理回路は更に、
前記gNBから受信されたタイミングアドバンスオフセット情報を復号し、該タイミングアドバンスオフセット情報は前記タイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を有し、
前記gNBから受信されたタイミングアドバンス情報を復号し、該タイミングアドバンス情報はタイミングアドバンス(NTA)を有する、
ように構成され、
前記SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信すべく、前記処理回路は、前記UEによる使用のための前記タイミングアドバンスを使用するように前記UEを構成して、前記SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するようにし、前記アップリンク送信は、前記タイミングアドバンスに前記タイミングアドバンスオフセットを加えたものを有する合計タイミングアドバンスを用いて送信される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記タイミングアドバンスオフセット情報は、
前記1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第1のタイミングアドバンスオフセットと、
ダウンリンクシンボルに続く1つ以上の連続するSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第2のタイミングアドバンスオフセットと、
を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記UEは、前記gNBがSBFDシンボルにおけるアップリンク送信をスケジュールすることを、
該アップリンク送信が、前の非SBGDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるとき、又は
該SBFDシンボルにおける該アップリンク送信と、前記前の非SBFDシンボルにおける前記予期されるダウンリンク送信との間に、不十分なギャップが存在するときに、
期待せず、
SBFDシンボルにおけるアップリンク送信が前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるように構成されるとき、又は前記SBFDシンボルにおける前記アップリンク送信と前記前の非SBFDシンボルにおける前記予期されるダウンリンク送信との間に不十分なギャップが存在するとき、前記処理回路は、前記SBFDシンボルにおける前記アップリンク送信、又は前記前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク受信、の一方の継続時間を短縮するように構成され、
前記継続時間を短縮するために、前記処理回路は、送信側パンクチャリング、レートマッチング、キャンセル、次の送信機会への延期、又は公称反復を2つの実際の反復に分割すること、のうちの1つ以上を実行するように前記UEを構成する、
請求項3に記載の装置。
【請求項6】
第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)の装置であって、当該装置は、処理回路及びメモリを有し、サブバンド全二重(SBFD)通信のために、前記処理回路は、SBFDシンボル中に2つ以上のユーザ機器(UE)と通信するように前記gNBを構成し、前記SBFDシンボルのうちのいずれか1つ以上の間に、前記UEのうちの少なくとも1つに、前記UEのうちの少なくとも別の1つからのアップリンク送信の受信と同時に、ダウンリンク送信が送信され、前記SBFDシンボルの各々は、キャリア帯域幅にわたるとともに、該キャリア帯域幅内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し、
前記SBFDシンボル中に前記2つ以上のUEと同時に通信するために、前記処理回路は、前記SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信する前記UEを、タイミングアドバンスオフセット情報を用いて構成し、該タイミングアドバンスオフセット情報は、アップリンク送信を開始するためのタイミングアドバンスを前記1つ以上のSBFDシンボル中のダウンリンクシンボルタイミングに対して調整するために、前記SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信する前記UEによって使用されるものであり、
前記メモリは、前記タイミングアドバンスオフセット情報を格納するように構成される、
装置。
【請求項7】
前記処理回路は更に、非SBFDシンボル中に前記UEと通信するように前記gNBを構成し、前記非SBFDシンボルの各々は、前記キャリア帯域幅にわたるダウンリンクシンボル又はアップリンクシンボルのいずれかを有し、
ダウンリンクシンボルである前記非SBFDシンボル中に、前記処理回路は、アップリンク送信の受信なしに前記UEのうちの1つ以上にダウンリンク送信を送信するように前記gNBを構成し、
アップリンクシンボルである前記非SBFDシンボル中に、前記処理回路は、ダウンリンク送信なしに前記UEのうちの1つ以上からアップリンク送信を受信するように前記gNBを構成する、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記処理回路は更に、
前記UEの各々への送信のために前記タイミングアドバンスオフセット情報を符号化し、前記タイミングアドバンスオフセット情報はタイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を有し、
前記UEの各々への送信のためにタイミングアドバンス情報を符号化し、該タイミングアドバンス情報はタイミングアドバンス(NTA)を有する、
ように構成され、
前記SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信するUEについて、前記タイミングアドバンスは、前記SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するために前記UEによって使用されるものであり、前記アップリンク送信は、前記タイミングアドバンスに前記タイミングアドバンスオフセットを加えたものを有する合計タイミングアドバンスを用いて送信される、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記タイミングアドバンスオフセット情報は、SBFDシンボル構成、アップリンク送信をスケジュールするDCIフォーマットに含まれるアップリンクタイミングセットインジケーション、アップリンク信号のためのアップリンクタイミングセット構成、時間ドメインリソース割り当て(TDRA)、及び複数送受信ポイント(m-TRP)インジケーション、のうちの1つ以上に基づく、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
アップリンクシンボルである前記非SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信するUEについて、前記タイミングアドバンスは、前記非SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するために前記UEによって使用されるものである、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路は、前記SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のための前記UEへの前記タイミングアドバンスオフセット情報を、前記非SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のための前記タイミングアドバンス情報とは別に構成する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記タイミングアドバンスオフセット情報は、
前記1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第1のタイミングアドバンスオフセットと、
ダウンリンクシンボルに続く1つ以上の連続するSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第2のタイミングアドバンスオフセットと、
を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のタイミングアドバンスオフセットは、前記ダウンリンクシンボルと後続する前記SBFDシンボルとの間の切替時間ギャップを提供する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ダウンリンクシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、及びDL基準信号、のうちの1つ以上を有し、
前記ダウンリンクシンボルに後続する前記SBFDシンボルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、及びUL基準信号、のうちの1つ以上を有する、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記タイミングアドバンス情報は、
前記1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第1のタイミングアドバンスと、
前記非SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のために前記UEによって使用される第2のタイミングアドバンスと、
を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記処理回路は、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信を、
該アップリンク送信が、前の非SBGDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるとき、又は
該SBFDシンボルにおける該アップリンク送信と、前記前の非SBFDシンボルにおける前記予期されるダウンリンク送信との間に、不十分なギャップが存在するとき、
スケジュールするのをやめる、請求項8に記載の装置。
【請求項17】
SBFDシンボルにおけるアップリンク送信が前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるように構成されるとき、又は前記SBFDシンボルにおける前記アップリンク送信と前記前の非SBFDシンボルにおける前記予期されるダウンリンク送信との間に不十分なギャップが存在するとき、前記処理回路は、
前記SBFDシンボルにおける前記アップリンク送信及び前記前の非SBFDシンボルにおける前記予期されるダウンリンク送信のうちの一方を、短縮された継続時間を持つように構成する、
請求項8に記載の装置。
【請求項18】
第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)の処理回路による実行のための命令を格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、サブバンド全二重(SBFD)通信のために、前記処理回路は、SBFDシンボル中に2つ以上のユーザ機器(UE)と通信するように前記gNBを構成し、前記SBFDシンボルのうちのいずれか1つ以上の間に、前記UEのうちの少なくとも1つに、前記UEのうちの少なくとも別の1つからのアップリンク送信の受信と同時に、ダウンリンク送信が送信され、前記SBFDシンボルの各々は、キャリア帯域幅にわたるとともに、該キャリア帯域幅内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し、
前記SBFDシンボル中に前記2つ以上のUEと同時に通信するために、前記処理回路は、前記SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信する前記UEを、タイミングアドバンスオフセット情報を用いて構成し、該タイミングアドバンスオフセット情報は、アップリンク送信を開始するためのタイミングアドバンスを前記1つ以上のSBFDシンボル中のダウンリンクシンボルタイミングに対して調整するために、前記SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信する前記UEによって使用されるものである、
非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項19】
前記処理回路は更に、非SBFDシンボル中に前記UEと通信するように前記gNBを構成し、前記非SBFDシンボルの各々は、前記キャリア帯域幅にわたるダウンリンクシンボル又はアップリンクシンボルのいずれかを有し、
ダウンリンクシンボルである前記非SBFDシンボル中に、前記処理回路は、アップリンク送信の受信なしに前記UEのうちの1つ以上にダウンリンク送信を送信するように前記gNBを構成し、
アップリンクシンボルである前記非SBFDシンボル中に、前記処理回路は、ダウンリンク送信なしに前記UEのうちの1つ以上からアップリンク送信を受信するように前記gNBを構成する、
請求項18に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項20】
前記処理回路は更に、
前記UEの各々への送信のために前記タイミングアドバンスオフセット情報を符号化し、前記タイミングアドバンスオフセット情報はタイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を有し、
前記UEの各々への送信のためにタイミングアドバンス情報を符号化し、該タイミングアドバンス情報はタイミングアドバンス(NTA)を有する、
ように構成され、
前記SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信するUEについて、前記タイミングアドバンスは、前記SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するために前記UEによって使用されるものであり、前記アップリンク送信は、前記タイミングアドバンスに前記タイミングアドバンスオフセットを加えたものを有する合計タイミングアドバンスを用いて送信される、
請求項19に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2022年9月27日に出願された米国仮特許出願第63/410,504号[参照番号AE9213-Z]に対する優先権を主張するものであり、それをその全体にてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
移動通信は、初期の音声システムから今日の高度に洗練された統合通信プラットフォームへと著しく進化してきた。様々なネットワークデバイスと通信する異なるタイプのデバイスの増加とともに、3GPP(登録商標) 5G NRシステムの使用が増加している。現代社会におけるモバイルデバイス(ユーザ機器又はUE)の浸透は、数多くの異種環境における多種多様なネットワーク化デバイスに対する需要を駆り立て続けている。5G NR無線システムが登場しており、ますます大きな速度、接続性、及び有用性を可能にするものと期待されるとともに、スループット、カバレージ、及びロバスト性を高め、レイテンシ並びに運用上及び資本上の支出を減らすものと期待されている。5G NRネットワークは、更なる、可能性ある、新しい無線アクセス技術(RAT)を用いて3GPP LTEアドバンストに基づいて進化し続け、高速で豊富なコンテンツ及びサービスを配信するシームレスなワイヤレス接続ソリューションで人々の生活を豊かにするであろう。現在のセルラーネットワーク周波数が飽和するにつれ、例えばミリメートル波(mmWave)周波数などの、より高い周波数が、それらの高い帯域幅によって有益になり得る。
【0003】
商用5G NR展開において、現在、時分割複信(Time Division Duplex,TDD)が広く使用されている。TDDでは、時間ドメインリソースがダウンリンクシンボルとアップリンクシンボルとの間で分割される。TDDにおけるアップリンクのための限られた期間の割り当ては、所与のターゲットデータレートに対してカバレージの減少及びレイテンシの増加をもたらし得る。容量を増加させるために全二重(full-duplex)通信が使用されることがあるが、全二重通信は、例えば干渉及び切替時間など、対処される必要がある他の問題を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】一部の実施形態に従った、ネットワークのアーキテクチャを示している。
【
図1B】
図1B及び
図1Cは、一部の実施形態に従った、非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示している。
【
図1C】
図1B及び
図1Cは、一部の実施形態に従った、非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示している。
【
図1D】一部の実施形態に従った、サービングセルにおける単方向ダウンリンク/アップリンク(DL/UL)リソース割り当てを示している。
【
図2】一部の実施形態に従った、サービングセルにおけるサブバンド全二重(SBFD)ベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
【
図3】一部の実施形態に従った、ダウンリンク及びSBFDスロットにおけるバックツーバック物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)スケジューリングを用いた、サービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
【
図4】一部の実施形態に従った、PUSCH反復延期を用いたサービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
【
図5】一部の他の実施形態に従った、PUSCH反復延期を用いたサービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
【
図6】一部の他の実施形態に従った無線通信デバイスの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明及び図面は、特定の実施形態を、当業者がそれらを実施することを可能にするのに十分に示す。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス上、及び他の変形を組み込み得る。一部の実施形態の部分及び特徴が、他の実施形態のものに含められたり、他の実施形態のものと置き換えられたりし得る。請求項に記載される実施形態は、それらの請求項の全ての利用可能な均等物を包含する。
【0006】
一部の実施形態によれば、第5世代新無線(5G NR)ネットワークにおけるサブバンド全二重(Sub-Band Full Duplex,SBFD)通信向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)は、SBFDシンボル中に2つ以上のユーザ機器(UE)と通信し得る。SBFDシンボルのうちのいずれか1つ以上の間に、UEのうちの少なくとも1つに、UEのうちの少なくとも別の1つからのアップリンク送信の受信と同時に、ダウンリンク送信が送信され得る。SBFDシンボルは、キャリア帯域幅にわたり得るとともに、キャリア帯域幅内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し得る。SBFDシンボル中に2つ以上のUEと同時に通信するために、gNBは、SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信するUEを、UEによって使用されるタイミングアドバンスオフセット情報を用いて構成して、アップリンク送信を開始するための構成されるタイミングアドバンスを上記1つ以上のSBFDシンボル内のダウンリンクシンボルタイミングに対して調整し得る。タイミングアドバンスオフセットは、例えば、ダウンリンクシンボルに続くSBFDシンボルのうちの1つ以上の間のアップリンク送信を遅延させ得る。タイミングアドバンスに対するこのオフセット又は遅延は、SBFDシンボルがDLシンボルに続くときにUL-DL切替時間ギャップを提供し得る。
【0007】
一部の実施形態によれば、第5世代新無線(5G NR)ネットワークにおけるサブバンド全二重動作向けに構成されたユーザ機器(UE)は、SBFDシンボル中にジェネレーションノードB(gNB)と通信し得る。SBFDシンボルの各々は、UE向けに構成されたアクティブDL帯域幅部分(BWP)にわたり得る。SBFDシンボルの各々は、アクティブDL帯域幅部分(BWP)内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し得る。SBFDシンボル中に通信するために、UEは、gNBにアップリンクサブバンド内でアップリンク送信を送信するように構成され得る。SBFDシンボル中のアップリンク送信は、SBFDシンボル中のUEにおけるDLシンボルタイミングに対するアップリンク送信の開始の早さを調整するためのタイミングアドバンスオフセット(例えば、NTA,offset)を用いて送信され得る。UEがgNBにアップリンクサブバンド内でアップリンク送信を送信しているときに、ダウンリンクサブバンドにおいてgNBから別のUEへのダウンリンク送信の同時送信が存在することができる。これらの実施形態及びその他が以下にて更に詳細に説明される。
【0008】
図1Aは、一部の実施形態に従ったネットワークのアーキテクチャを示している。ネットワーク140Aは、ユーザ機器(UE)101及びUE102を含むように示されている。UE101及びUE102は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラーネットワークに接続可能なハンドヘルド・タッチスクリーン・モバイルコンピューティングデバイス)として示されているが、例えば携帯情報端末(PDA)、ページャ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワイヤレスハンドセット、ドローン、又は、有線及び/又は無線通信インタフェースを含んだ任意の他のコンピューティングデバイスなど、任意のモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスをも含み得る。ここではUE101及びUE102を集合的にUE101と呼ぶことができ、UE101は、ここに開示される技術のうちの1つ以上を実行するために使用されることができる。
【0009】
(例えば、ネットワーク140A又は任意の他の図示されたネットワークにおいて使用されるような)ここで説明される無線リンクはいずれも、任意の例示的な無線通信技術及び/又は規格に従って動作し得る。
【0010】
LTE及びLTEアドバンストは、例えばモバイルフォンなどのUE向けの高速データの無線通信のための規格である。LTEアドバンスト及び様々な無線システムにおいて、キャリアアグリゲーションは、それに従って、1つのUEのための通信を搬送するために異なる周波数上で動作する複数のキャリア信号が使用され、従って、1つのデバイスに利用可能な帯域幅を増加させる技術である。一部の実施形態において、キャリアアグリゲーションは、1つ以上のコンポーネントキャリアがアンライセンス周波数上で動作する場合に使用され得る。
【0011】
ここで説明される実施形態は、例えば、専用のライセンススペクトル、アンライセンススペクトル、(ライセンス)共有スペクトル(例えば、2.3-2.4GHz、3.4-3.6GHz、3.6-3.8GHz、及び更なる周波数におけるLSA(Licensed Shared Access)、並びに3.55-3.7GHz及び更なる周波数におけるSAS(Spectrum Access System)など)を含む任意のスペクトル管理方式のコンテキストで使用されることができる。
【0012】
ここで説明される実施形態はまた、OFDMキャリアデータビットベクトルを対応するシンボルリソースに割り当てることによって、異なるシングルキャリア又はOFDMフレーバ(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタバンクベースのマルチキャリア(FBMC)、OFDMAなど)、及び特に、3GPP NR(New Radio)に適用されることができる。
【0013】
一部の実施形態において、UE101及びUE102はいずれも、つかの間のUE接続を利用する低電力IoTアプリケーション向けに設計されたネットワークアクセス層を有し得るものであるモノのインターネット(IoT)UE又はセルラーIoT(CIoT)UEを有することができる。一部の実施形態において、UE101及びUE102はいずれも、ナローバンド(NB)IoT UE(例えば、エンハンストNB-IoT(eNB-IoT)UE及びファーザーエンハンスト(FeNB-IoT)UEなど)を含むことができる。IoT UEは、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)、近接ベースのサービス(Proximity-Based Service,ProSe)、又はデバイスツーデバイス(D2D)通信、センサネットワーク、又はIoTネットワークを介してMTCサーバ又はデバイスとデータを交換するために、例えばマシンツーマシン(M2M)又はマシンタイプ通信(MTC)などの技術を利用することができる。データのM2M又はMTC交換は、データのマシン始動のデータ交換であり得る。IoTネットワークは、(インターネットインフラストラクチャ内の)一意に識別可能な埋め込みコンピューティングデバイスを含み得るものであるIoT UEを、つかの間の接続で相互接続することを含む。IoT UEは、IoTネットワークの接続を容易にするためにバックグラウンドアプリケーション(例えば、キープアライブメッセージ、ステータスアップデートなど)を実行し得る。一部の実施形態において、UE101及びUE102はいずれも、エンハンストMTC(eMTC)UE又はファーザーエンハンストMTC(FeMTC)UEを含むことができる。
【0014】
UE101及びUE102は、無線アクセスネットワーク(RAN)110と接続する、例えば通信可能に結合する、ように構成され得る。RAN110は、例えば、エボルブドユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)、次世代RAN(NG RAN)、又は何らかの他のタイプのRANとし得る。UE101及びUE102は、それぞれ、接続103及び104を利用し、これらの各々が、(更に詳細に後述される)物理通信インタフェース又はレイヤを有し、この例において、接続103及び104は、通信結合を可能にするエアインタフェースとして示されており、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)プロトコル、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークプロトコル、プッシュツートーク(PTT)プロトコル、PTT・オーバー・セルラー(POC)プロトコル、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)プロトコル、3GPPロングタームエボリューション(LTE)プロトコル、第5世代(5G)プロトコル、新無線(NR)プロトコル、及びこれらに類するものなどのセルラー通信プロトコルと一致することができる。
【0015】
一実施形態において、UE101及びUE102は更に、ProSeインタフェース105を介して通信データを直接交換し得る。ProSeインタフェース105は代わりに、以下に限られないが、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)、及び物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を含む1つ以上の論理チャネルを有するサイドリンクインタフェースとして参照されてもよい。
【0016】
UE102は、接続107を介してアクセスポイント(AP)106にアクセスするように構成されるように示されている。接続107は、例えば任意のIEEE 802.11プロトコルと一致する接続などのローカルワイヤレス接続を有することができ、それに従って、AP106はワイヤレスフィデリティ(WiFi(登録商標))ルータを有することができる。この例において、AP106は、無線システムのコアネットワークに接続することなくインターネットに接続されるように示されている(更に詳細に後述する)。
【0017】
RAN110は、接続103及び104を可能にする1つ以上のアクセスノードを含むことができる。これらのアクセスノード(AN)は、基地局(BS)、ノードB、エボルブドノードB(eNB)、次世代ノードB(gNB)、及びRANノードなどとして参照されることができ、地理的エリア(例えば、セル)内のカバレージを提供する地上局(例えば、地上波アクセスポイント)又は衛星局を有することができる。一部の実施形態において、RANノード111及び112は送信/受信ポイント(TRP)とすることができる。RANノード111及び112がNodeB(例えば、eNB又はgNB)である場合の例において、1つ以上のTRPがNodeBの通信セル内で機能することができる。RAN110は、例えばマクロRANノードといった、マクロセルを提供するための1つ以上のRANノードと、例えば低電力(LP)RANノードといったフェムトセル又はピコセル(例えば、マクロセルと比較して小さいカバレージエリア、小さいユーザ容量又は高い帯域幅を持つセル)を提供するための1つ以上のRANノードとを含み得る。
【0018】
RANノード111及び112はいずれも、エアインタフェースプロトコルを終端することができ、UE101及びUE102に対する最初のコンタクトポイントであることができる。一部の実施形態において、RANノード111及び112はいずれも、以下に限られないが、例えば無線ベアラ管理、アップリンク及びダウンリンク動的無線リソース管理、及びデータパケットスケジューリングなどの無線ネットワークコントローラ(RNC)機能、並びにモビリティ管理を含む、RAN110のための様々な論理機能を果たすことができる。一例において、RANノード111及び/又は112はいずれも、新世代ノードB(gNB)、エボルブドノードB(eNB)、又は他のタイプのRANノードであることができる。
【0019】
RAN110は、S1インタフェース113を介してコアネットワーク(CN)120に通信可能に結合されるように示されている。実施形態において、CN120は、エボルブドパケットコア(EPC)ネットワーク、次世代パケットコア(NPC)ネットワーク、又は(例えば、
図1B-
図1Cを参照して示すような)何らかの他のタイプのCNとし得る。この実施形態では、S1インタフェース113は、RANノード111及び112とサービングゲートウェイ(S-GW)122との間でトラフィックデータを搬送するものであるS1-Uインタフェース114と、RANノード111及び112とMME121との間のシグナリングインタフェースであるS1-モビリティ管理エンティティ(MME)インタフェース115との、2つの部分に分割されている。
【0020】
この態様において、CN120は、MME121、S-GW122、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P-GW)123、及びホーム加入者サーバ(HSS)124を有している。MME121は、機能において、レガシーのサービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)の制御プレーンと同様とし得る。MME121は、例えばゲートウェイ選択及び追跡エリアリスト管理などの、アクセスにおけるモビリティ側面を管理し得る。HSS124は、通信セッションのネットワークエンティティの処理をサポートするための加入関連情報を含んだ、ネットワークユーザについてのデータベースを有し得る。CN120は、モバイル加入者の数、機器の容量、ネットワークの編成などに応じて、1つ又は幾つかのHSS124を有し得る。例えば、HSS124は、ルーティング/ローミング、認証、認可、ネーミング/アドレス解決、ロケーション依存性などのサポートを提供することができる。
【0021】
S-GW122は、RAN110に向かうS1インタフェース113を終端し、RAN110とCN120との間でデータパケットをルーティングすることができる。さらに、S-GW122は、RANノード間ハンドオーバのためのローカルモビリティアンカーポイントであることができ、また、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供し得る。S-GW122の他の責任は、合法的傍受、課金、及び何らかのポリシー施行を含み得る。
【0022】
P-GW123は、PDNに向かうSGiインタフェースを終端することができる。P-GW123は、インターネットプロトコル(IP)インタフェース125を介して、コアネットワーク120と、例えばアプリケーションサーバ184(あるいは、アプリケーション機能(AF)として参照される)を含むネットワークなどの外部ネットワークとの間でデータパケットをルーティングし得る。P-GW123はまた、インターネット、IPマルチメディアサブシステム(IPS)ネットワーク、及び他のネットワークを含み得るものである他の外部ネットワーク131Aにデータを通信することができる。概して、アプリケーションサーバ184は、コアネットワークとともにIPベアラリソースを使用するアプリケーション(例えば、UMTSパケットサービス(PS)ドメイン、LTE PSデータサービスなど)を提供する要素であり得る。この実施形態では、P-GW123は、IPインタフェース125を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合されるように示されている。アプリケーションサーバ184はまた、CN120を介してUE101及びUE102のための1つ以上の通信サービス(例えば、ボイス・オーバ・インターネットプロトコル(VoIP)セッション、PTTセッション、グループ通信セッション、ソーシャルネットワーキングサービスなど)をサポートするように構成されることができる。
【0023】
P-GW123は更に、ポリシー施行及び課金データ収集のためのノードとし得る。ポリシー・課金ルール機能(PCRF)126は、CN120のポリシー・課金制御要素である。非ローミングシナリオでは、一部の実施形態において、UEのインターネットプロトコル接続アクセスネットワーク(IP-CAN)セッションに関連付けられたホームパブリックランドモバイルネットワーク(HPLMN)内に単一のPCRFが存在し得る。トラフィックのローカルブレークアウトを伴うローミングシナリオでは、UEのIP-CANセッションに関連付けられた2つのPCRF、すなわち、HPLMN内のホームPCRF(H-PCRF)と、訪問先パブリックランドモバイルネットワーク(VPLMN)内の訪問先PCRF(V-PCRF)とが存在し得る。PCRF126は、P-GW123を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合され得る。
【0024】
一部の実施形態において、通信ネットワーク140Aは、ライセンススペクトル(5G NR)及びアンライセンススペクトル(5G NR-U)での通信を用いる5G新無線ネットワークを含め、IoTネットワーク又は5Gネットワークとすることができる。IoTの現行イネーブラの1つは、ナローバンドIoT(NB-IoT)である。
【0025】
NGシステムアーキテクチャは、RAN110及び5Gネットワークコア(5GC)120を含むことができる。これらの実施形態において、RAN110は、例えばgNB及びNG-eNBなどの複数のノードを含むことができる。コアネットワーク120(例えば、5Gコアネットワーク又は5GC)は、アクセス・モビリティ機能(AMF)及び/又はユーザプレーン機能(UPF)を含むことができる。AMF及びUPFは、NGインタフェースを介してgNB及びNG-eNBに通信可能に結合されることができる。より具体的には、一部の実施形態において、gNB及びNG-eNBは、NG-CインタフェースによってAMFに接続され、NG-UインタフェースによってUPFに接続されることができる。gNB及びNG-eNBは、Xnインタフェースを介して互いに結合されることができる。
【0026】
一部の実施形態において、NGシステムアーキテクチャは、3GPP技術仕様(TS)23.501(例えば、V15.4.0、2018-12)によって提供されるような様々なノード間のリファレンスポイントを使用することができる。一部の実施形態において、gNB及びNG-eNBの各々は、基地局、モバイルエッジサーバ、スモールセル、ホームeNBなどとして実装され得る。一部の実施形態では、gNBは5Gアーキテクチャにおけるマスタノード(MN)、NG-eNBはセカンダリノード(SN)であることができる。
【0027】
図1Bは、一部の実施形態に従った非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示している。
図1Bを参照するに、リファレンスポイント表現で5Gシステムアーキテクチャ140Bが示されている。より具体的には、UE102は、RAN110及び1つ以上の他の5Gコア(5GC)ネットワークエンティティと通信することができる。5Gシステムアーキテクチャ140Bは、例えばアクセス・モビリティ管理機能(AMF)132、セッション管理機能(SMF)136、ポリシー制御機能(PCF)148、アプリケーション機能(AF)150、ユーザプレーン機能(UPF)134、ネットワークスライス選択機能(NSSF)142、認証サーバ機能(AUSF)144、及びユニファイドデータ管理(UDM)/ホーム加入者サーバ(HSS)146などの複数のネットワーク機能(NF)を含む。UPF134は、例えば、オペレータサービス、インターネットアクセス、又はサードパーティサービスを含み得るものであるデータネットワーク(DN)152への接続を提供することができる。AMF132は、アクセス制御及びモビリティを管理するために使用されることができ、ネットワークスライス選択機能も含むことができる。SMF136は、ネットワークポリシーに従って様々なセッションをセットアップ及び管理するように構成されることができる。UPF134は、所望のサービスタイプに従って1つ以上の構成で展開されることができる。PCF148は、(4G通信システムにおけるPCRFと同様に)ネットワークスライシング、モビリティ管理、及びローミングを用いてポリシーフレームワークを提供するように構成されることができる。UDMは、(4G通信システムにおけるHSSと同様に)加入者プロファイル及びデータを記憶するように構成されることができる。
【0028】
一部の実施形態において、5Gシステムアーキテクチャ140Bは、IPマルチメディアサブシステム(IMS)168Bと、例えばコールセッション制御機能(CSCF)などの複数のIPマルチメディアコアネットワークサブシステムエンティティとを含む。より具体的には、IMS168Bは、プロキシCSCF(P-CSCF)162B、サービングCSCF(S-CSCF)164B、緊急CSCF(E-CSCF)(
図1Bに示さず)、又は問い合わせCSCF(I-CSCF)166Bとして動作することができるCSCFを含む。P-CSCF162Bは、IMサブシステム(IMS)168B内の、UE102に対する最初のコンタクトポイントであるように構成されることができる。S-CSCF164Bは、ネットワーク内のセッション状態を処理するように構成されることができ、E-CSCFは、例えば緊急要求を正しい緊急センタ又はPSAPにルーティングするなど、緊急セッションの一部実施形態を処理するように構成されることができる。I-CSCF166Bは、そのネットワークオペレータの加入者又はそのネットワークオペレータのサービスエリア内に現在位置するローミング加入者を宛先とする全てのIMS接続のための、オペレータのネットワーク内のコンタクトポイントとして機能するように構成されることができる。一部の実施形態において、I-CSCF166Bは、例えば異なるネットワークオペレータによって運用されるIMSといった、他のIPマルチメディアネットワーク170Eに接続されることができる。
【0029】
一部の実施形態において、UDM/HSS146は、テレフォニアプリケーションサーバ(TAS)又は他のアプリケーションサーバ(AS)を含み得るものであるアプリケーションサーバ160Bに結合されることができる。AS160Bは、S-CSCF164B又はI-CSCF166Bを介してIMS168Bに結合されることができる。
【0030】
リファレンスポイント表現は、対応するNFサービス間に相互作用が存在し得ることを示す。例えば、
図1Bは、以下のリファレンスポイントを示しており、すなわち、N1(UE102とAMF132との間)、N2(RAN110とAMF132との間)、N3(RAN110とUPF134との間)、N4(SMF136とUPF134との間)、N5(PCF148とAF150との間、図示せず)、N6(UPF134とDN152との間)、N7(SMF136とPCF148との間、図示せず)、N8(UDM/HSS146とAMF132との間、図示せず)、N9(2つのUPFの間、図示せず)、N10(UDM/HSS146とSMF136との間、図示せず)、N11(AMF132とSMF136との間、図示せず)、N12(AUSF144とAMF132との間、図示せず)、N13(AUSF144とUDM/HSS146との間、図示せず)、N14(2つのAMF132の間、図示せず)、N15(非ローミングシナリオの場合はPCF148とAMF132との間、又はローミングシナリオの場合はPCF148及び訪問先ネットワークとAMF132との間、図示せず)、N16(2つのSMFの間、図示せず)、及びN22(AMF132とNSSF142との間、図示せず)を示している。
図1Bには示されていない他のリファレンスポイント表現も使用され得る。
【0031】
図1Cは、5Gシステムアーキテクチャ140C及びサービスベースの表現を示している。
図1Bに示したネットワークエンティティに加えて、システムアーキテクチャ140Cは、ネットワーク公開機能(NEF)154及びネットワークリポジトリ機能(NRF)156も含むことができる。一部の実施形態において、5Gシステムアーキテクチャはサービスベースであることができ、ネットワーク機能間のインタラクションは、対応するポイントツーポイントリファレンスポイントNiによって表されることができ、又はサービスベースのインタフェースとして表されることができる。
【0032】
一部の実施形態において、
図1Cに示すように、サービスベースの表現を用いて、他の許可されたネットワーク機能がそれらのサービスにアクセスすることを可能にする制御プレーン内のネットワーク機能を表すことができる。これに関して、5Gシステムアーキテクチャ140Cは、以下のサービスベースインタフェースを含むことができ、すなわち、Namf158H(AMF132によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nsmf158I(SMF136によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nnef158B(NEF154によって示されるサービスベースのインタフェース)、Npcf158D(PCF148によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nudm158E(UDM/HSS146によって示されるサービスベースのインタフェース)、Naf158F(AF150によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nnrf158C(NRF156によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nnssf158A(NSSF142によって示されるサービスベースのインタフェース)、Nausf158G(AUSF144によって示されるサービスベースのインタフェース)を含むことができる。
図1Cに示されていない他のサービスベースのインタフェース(例えば、Nudr、N5g-eir、及びNudsf)も使用されることができる。
【0033】
一部の実施形態において、
図1A-
図1Cに関して説明されたUE又は基地局のいずれかを、ここで説明される機能を実行するように構成することができる。
【0034】
上述したように、商用NR展開において、現在、時分割複信(TDD)が広く使用されている。TDDでは、時間ドメインリソースがダウンリンクシンボルとアップリンクシンボルとの間で分割される。TDDにおけるアップリンクのための限られた期間の割り当ては、所与のターゲットデータレートに対してカバレージの減少及びレイテンシの増加をもたらし得る。TDDにおけるULの性能を改善するために、全二重通信と呼ばれる、ダウンリンク及びアップリンクそれぞれの同時送信/受信を検討することができる。これに関して、gNBにおける非重複(Non-Overlapping)サブバンド全二重(SBFD)の場合が、3GPPにおいて更に研究されることが期待される。SBFDでは、キャリア帯域幅内で、同じシンボル内で一部の帯域幅をULとして割り当てるとともに一部の帯域幅をDLとして割り当てることができるが、ULリソースとDLリソースは周波数ドメインにおいて重複しない。この動作モードの下で、所与のシンボルにおいて、gNBはDL信号の送信及びUL信号の受信を同時に行うことができ、一方、UEは、一度に送信するか受信するかのみを行い得る。
【0035】
gNBにおけるSBFD動作に関する情報が提供され得るUEの場合、UEは、SBFDシンボルと非SBFDシンボルとを識別し得る。UEは、SBFDシンボルと非SBFDシンボルとに対して異なる挙動をし得る。ここに開示される実施形態は、UL送信タイミング又はDL受信時間の決定、並びに十分なギャップのないDL及びULチャネル/信号の取り扱いに関する。ここに開示される実施形態は、全二重システムにおける柔軟なリソース構成及び効率的な動作を可能にする。
【0036】
図1Dは、一部の実施形態に従った、サービングセルにおける単方向ダウンリンク/アップリンク(DL/UL)リソース割り当てを示している。レガシーTDD動作を用いたサービングセルでは、DL/ULリソースが時間ドメインにおいて単方向に構成され得る。時間ドメイン粒度はOFDMシンボルであるとし得る。シンボルは、
図1Dに例によって示すように、DLシンボル、又はULシンボル、又はフレキシブルシンボルのいずれかであり得る。また、DL/UL/フレキシブル間のこのような属性は、半静的又は動的シグナリングを介してUEに示されることができ、このインジケーションが半静的構成に基づくのか動的シグナリング(例えば、DCIフォーマット2_0を使用する)に基づくのかに応じて、フレキシブルシンボルの取り扱いに関するUE挙動に幾らかの違いがある。
【0037】
図2は、一部の実施形態に従った、サービングセルにおけるサブバンド全二重(SBFD)ベースのDL/ULリソース割り当てを示している。SBFD動作を用いるサービングセルでは、シンボルは、DL及びULの双方の物理チャネル又は信号をマッピングするのに使用されることができる。従って、
図2に示すように、シンボル内の所与のPRBについて、リソースがDL、UL、又はフレキシブルリソースとして識別され得る。
図2に示すように、シンボル内で、周波数リソースが、異なる重複しないサブバンドにおけるDL/UL/フレキシブルリソースに分割されてもよい。ここでは、及び本開示の残りの部分では、“サブバンド”は、周波数において連続した、キャリア内の一組の物理リソース、例えば、共通リソースブロック(CRB)グリッド上の幾つかの連続した物理リソースブロック(PRB)に相当する。
【0038】
以下において、“SBFDシンボル”(簡潔にするために“全二重(FD)シンボル”として参照することもある)は、gNBが同時にDLで送信しULで受信し得るシンボルを意味する。このようなシンボルは、UEにより、(例えば、シンボル内の少なくとも1つのDLサブバンド及び少なくとも1つのULサブバンドで構成されるときの)SBFD動作の構成に基づいて識別されることができ、あるいは、TDD構成、動的スロットフォーマット(例えば、DCIフォーマット2_0による)、上位レイヤ構成、又は送信若しくは受信機会の動的L1シグナリング、のうちの1つ以上に基づいて識別されることができる。
【0039】
全二重システムにおけるDL/ULタイミング
UL送信は、UEが、DL受信タイミングに基づいて、対応するシンボル境界の開始のTTA=(NTA+NTA,offset)だけ前に開始することができ、ここで、NTA,offsetは、gNBによって設定され、NTAは、TAコマンドによりgNBによって示される。NTA,offsetの値は、0、25600*Tc、又は39936*Tcのうちの少なくとも1つとすることができ、ここで、Tc=1/(Δfmax・Nf)、Δfmax=480・103Hz、且つNf=4096である。
【0040】
典型的に、TDDシステムでは、ULからDLへの切替のための十分なギャップを提供するために、ULの境界がDLの境界よりも早くなるように、NTA,offset>0と設定することができる。NTA,offsetは全てのUL送信に適用される。しかし、SBFDシステムでは、SBFDシンボル内のUL/DLに対するgNBにおけるタイミング不一致は、例えば干渉処理にとって望ましくない。
【0041】
一実施形態において、gNBは、UL送信のための全てのシンボルに適用可能な単一のNTA,offsetを設定し得る。例えば、NTA,offset=0であり、gNBは、DL送信の開始直前の送信について最後の1つ又は幾つかのシンボルをスケジューリングすることを避けたり、UL送信の終了直後の送信について最初の1つ又は幾つかのシンボルをスケジューリングすることを避けたりすることができ、従って、UL-DL切替のためのギャップを生成することができる。あるいは、NTA,offset>0であり、gNBは、DL及びUL信号/チャネルに対するシンボル境界不一致の影響を低減させるための追加処理によって干渉に対処する。また、gNB側でのUL信号/チャネルの到着時間もNTAによって決まることを考慮して、gNBは、NTAについて適切な値を設定することによって、UL及びDL信号/チャネルのシンボル境界を揃えてもよく、一方で、UL及びDL信号/チャネルのシンボルインデックスは異なることができ、例えば、i番目のULシンボルのシンボル境界が(i-1)番目のDLシンボルと揃えられる。
【0042】
他の一実施形態において、gNBは、二組以上の時間ドメインリソースに対して2つ以上の値のNTA,offsetを設定してもよい。一オプションにおいて、時間ドメインリソースのセットはgNBによって構成されることができ、例えば、gNBは、時間ドメインリソースのセットについてのシンボル/スロットインデックスを構成し、そして、gNBは2つ以上のセットを構成することができる。他の一オプションにおいて、時間ドメインリソースのセットは、特定の構成情報によって導出されてもよい。特定の構成情報としてSBFD構成を例にとると、例えば、一組の時間ドメインリソースをSBFDシンボル用とし、別の一組の時間ドメインリソースを非SBFDシンボル用とすることができる。一例において、SBFDシンボル又は非SBFDシンボルは、SBFD動作のためのセル固有構成シグナリングによって決定され得る。他の一例において、SBFDシンボル又は非SBFDシンボルは、SBFD動作のための半静的構成シグナリング、例えば、SBFD動作のためのセル固有及び/又はUE固有の構成によって決定され得る。他の一例において、SBFDシンボル又は非SBFDシンボルは、SBFD動作のための半静的構成シグナリング及び/又は動的シグナリングによって決定され得る。他の一オプションにおいて、時間ドメインリソースのセットは、上の代わりに、あるいは上に加えて、mTRP構成に依存してもよく、例えば、2つのTRPのケースで4つのNTA,offset値を持つ四組のリソースが存在してもよい。他の一オプションにおいて、時間ドメインリソースのセットは、上の代わりに、あるいは上に加えて、フレキシブルシンボルにおけるUL送信のタイプに依存してもよく、第1の値のNTA,offsetがフレキシブルシンボルにおける第1タイプのUL送信に適用され、第2の値のNTA,offsetがフレキシブルシンボルにおける第2タイプのUL送信に適用されるようにしてもよい。一例において、フレキシブルシンボルにおける第1タイプのUL送信は、ULシンボルと見なされるフレキシブルシンボルに対応し、フレキシブルシンボルにおける第2タイプのUL送信は、DLシンボルと見なされるフレキシブルシンボルに対応し得る。従って、gNBは、フレキシブルシンボルのためのSBFDシンボルのインジケーションなしに、フレキシブルシンボル内でUE1をUL送信のためスケジュールするとともに、UE2をDL受信のためにスケジュールすることができる。
【0043】
一オプションにおいて、gNBは、2つ以上のNTA,offsetを構成することができ、gNBは、それらNTA,offsetのうちのどれがUL信号/チャネルに適用されるのかを指し示す/構成することができる。一例において、gNBは、ULグラント又はDL割り当てにおいて動的にスケジュールされるUL信号/チャネルに適用されるNTA,offsetを指し示す。他の一例において、gNBは、例えばCG PUSCH向けといった上位レイヤ構成されるUL信号/チャネルに適用されるNTA,offsetを構成する。他の一例において、gNBが複数セットのUL信号/チャネルを構成する場合、gNBは、例えば時間ドメインリソースの第1セットのためのPUCCHリソースの第1セット及び時間ドメインリソースの第2セットのためのPUCCHリソースの第2セットといった、UL信号/チャネルのセットに適用されるNTA,offsetを、PUCCHリソースの各セットに別々の2つのNTA,offsetで構成することができる。
【0044】
本実施形態の他の一例において、NTA,offsetの値のうち1つは予め定められ得る(例えば、0に設定され得る)。
【0045】
他の一実施形態において、gNBは1つのNTA,offsetを構成することができ、予め定められたオフセットを適用することで、時間ドメインリソースの異なるセットに対して異なる有効NTA,offsetを達成することができる。予め定められたオフセットは、周波数帯域によって決定されることができる。例えば、FR1及びFR2それぞれに対して2つの予め定められたオフセットが指定される。UEは、SBFDシンボルに対してNTA,offsetを適用するとともに、非SBFDシンボルに対して、予め定められたオフセットをNTA,offsetに足したものを適用することができ、予め定められたオフセットの値は周波数レンジ(FR1又はFR2)によって決定される。
【0046】
上述したように、TTAは、NTA及びNTA,offsetの両方を含む。一実施形態において、NTAについて、単一の値がUL送信のための全てのシンボルに適用される。あるいは、異なる時間ドメインリソースに適用される別のNTAがサポートされ得る。一オプションにおいて、構成されるNTA,offsetの数に関係なく、単一のNTAが適用される。他の一オプションにおいて、2つ以上のNTA,offsetが構成される場合、gNBは複数のNTA,offsetに適用される単一のNTAを構成することができ、あるいは、gNBは各NTA,offsetに適用される別々のNTAを構成することができる。
【0047】
上の実施形態に関し、一オプションにおいて、UEは、異なるULタイミングに関連付けられたシンボル上でUL送信(例えば、PUSCH/PUCCH)がスケジュールされることを期待しない。他の一オプションにおいて、UEは、異なるULタイミングに関連付けられたシンボル上でUL送信がスケジュールされることを期待してもよく、UEは、予め定められたルールに従って1つのULタイミング(例えば、UL送信の1番目のシンボルに関連付けられたULタイミング)を適用する。
【0048】
図3は、一部の実施形態に従った、ダウンリンク及びSBFDスロットにおけるバックツーバックPDSCH及びPUSCHスケジューリングを用いた、サービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
【0049】
十分なギャップのないDL及びUL信号/チャネルの取り扱い
一部のケースにおいて、DLからULへの又はULからDLへの切り替えのために、DL信号/チャネルとUL信号/チャネルとの間に十分なギャップがないことがある。例えば、N
TA,offset=0であり、且つ、gNBが、レガシーULシンボルにおいてバックツーバックUL及びDL信号/チャネルをスケジュールし、それにレガシーDLシンボルが続く場合、あるいは、gNBが、
図3に示されるように、SBFDシンボル又はレガシーDLシンボルにおいてバックツーバックUL及びDL信号/チャネルをスケジュールし、SBFDシンボルがそれに続く場合である。なお、
図3のギャップは、例えばSBFDスロット内にあるが、他の例ではDLスロット内にあってもよく、それは、以下で説明するように信号/チャネルの優先度に依存し得る。また、一部のケースにおいて、(例えば、2つの異なるN
TA,offset及び/又はN
TAによって引き起こされる)重複するUL及びUL信号/チャネルが存在することになる。
【0050】
一実施形態において、十分なギャップのないDL及びUL信号/チャネルに対して、又は重複するDL及びUL信号/チャネルに対して、以下の動作のうちの少なくとも1つが実行され得る。
【0051】
選択肢1:UEはそのようなケースを期待しないとし得る。換言すれば、gNBは、適切なスケジューリング/構成を用いてそのようなケースを回避すべきである。
【0052】
選択肢2:より低い優先度の信号/チャネルは、ギャップとの重複を回避するように、又はギャップと重複しないように、又はより高い優先度の信号/チャネルと重複しないように時間が短縮される。
【0053】
選択肢3:より低い優先度の信号/チャネルは完全に又は部分的にドロップされる。例えば、より低い優先度の信号/チャネルのDMRSシンボルがギャップと重複する又はより高い優先度の信号/チャネルと重複する場合、より低い優先度の信号/チャネルは完全にドロップされる。他の一例では、より低い優先度の信号/チャネルがPUSCH又はPUCCH又はPRACH又はPDSCH又はPDCCHであり、且つUEが部分的キャンセル可能でない場合、その信号/チャネルは完全にドロップされ、そうでない場合、その信号/チャネルは部分的にドロップされる(例えば、UEは、ギャップと重複するSRSシンボルの一部のみをドロップする)。他の一例では、信号/チャネルがCSI-RSであり、且つOCCに関連付けられた複数のシンボルのうちの少なくとも1つのシンボルがギャップと重複する場合、CSI-RS全体がドロップされる。
【0054】
選択肢4:より低い優先度の信号/チャネルは、ギャップ又はより高い優先度の信号/チャネルと重複する1つ又は複数のシンボルについてパンクチャリングされる。
【0055】
選択肢5:より低い優先度の信号/チャネルは、ギャップ又はより高い優先度の信号/チャネルと重複する1つ又は複数のシンボルの周りでレートマッチングされる。
【0056】
選択肢6:より低い優先度の信号/チャネルは、ギャップ又はより高い優先度の信号/チャネルと重複する1つ又は複数のシンボルの周りで分割される。例えば、タイプB反復の場合に、より低い優先度の信号/チャネルの1つの公称反復が、無効シンボルの周りの2つの実際の反復に分割され、該無効シンボルは、DL/UL切替ギャップ又はUL重複又は所定値に関する最小数のシンボルによって決定される。例えば、タイプB反復において、より低い優先度の信号/チャネルの1つの公称反復の(1つ以上の)開始シンボルが、高い優先度の他の信号/チャネルと重複する場合、ギャップ又はより高い優先度の信号/チャネルと重複する1つ又は複数のシンボルが無効シンボルと見なされる。公称反復の残りの部分は実際の反復とすることができる。
【0057】
選択肢7:より低い優先度の信号/チャネルは次の送信機会まで延期される。例えば、PUCCH反復、利用可能なスロット若しくはTBoMSに基づくカウントを伴うタイプA反復、DL/UL切替若しくはUL重複に関するギャップのための無効シンボルと重複するより低い優先度の信号/チャネルの反復の場合に、反復が次の利用可能なスロットまで延期される。
【0058】
図4は、一部の実施形態に従った、ギャップとの衝突に起因するPUSCH反復延期を用いた、サービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
図4は一例を提供している。4回の反復を持つPUSCHが1番目のULスロットから開始するように構成される。gNBは、2番目のSBFDスロットでPDSCH受信をスケジュールする。すると、2番目のSBFDスロットでのPDSCHと3番目のSBFDスロットでのPUSCHとの間にギャップが存在し、3番目のSBFDスロットでのPUSCHはギャップと重なる。そこで、そのPUSCHはドロップされ、反復が延期される。最終的に、UEは、4回の反復を、1番目のULスロットと、1番目、4番目のSBFDスロットと、最後のULスロットとで送信する。
【0059】
図5は、一部の他の実施形態に従った、異なるULタイミングによるULスロットにおけるSBFDの衝突に起因するPUSCH反復延期を用いた、サービングセルにおけるSBFDベースのDL/ULリソース割り当てを示している。
図5は他の一例を提供している。4回の反復を持つPUSCHが2番目のSBFDスロットから始まるように構成される。ULスロット及びSBFDスロットにおいて2つの異なるULタイミングが適用される場合、4番目のSBFDスロットにおけるPUSCH反復が、ULスロットにおけるPUSCH反復と重複することになる。すると、4番目のSBFDスロットにおけるPUSCH反復がドロップされ、PUSCH反復は、ULスロット及び次のSBFDスロットにおいて継続する。あるいは(図示せず)、4番目のSBFDスロットにおけるPUSCH反復が送信され、ULスロットにおけるPUSCH反復がドロップされ、次のSBFDスロットに延期される。
【0060】
選択肢6及び選択肢7では、無効シンボルは、実際の送信に基づいて決定される。例えば、UEがSBFDシンボル内で受信するDLを持つ場合(例えば、
図4に示すように、gNBがUEのためのSBFDシンボル内にPDSCHをスケジュールする場合)、ギャップのために無効シンボルが必要とされるが、UEがSBFDシンボル内でDLを受信する必要がない場合には、ギャップのための無効シンボルは必要でない。
【0061】
選択肢8:UE次第の実装。
【0062】
一実施形態において、信号/チャネルの優先度は、以下のルールのうちの少なくとも1つに従って決定される。
【0063】
ルール1:信号/チャネルの優先度は、時間ドメインにおける信号/チャネルの始まりによって決定される。例えば、より前の信号/チャネルは、より後の信号/チャネルよりも高い優先度を持つ。
【0064】
ルール2:信号/チャネルの優先度は、提供される場合に優先度インデックスによって決定される。例えば、優先度インデックス1(HP)を持つ信号/チャネルは、優先度インデックス0(LP)を持つ信号/チャネルよりも高い優先度を持つ。
【0065】
ルール3:信号/チャネルの優先度は、DL又はUL信号/チャネルによって決定される。例えば、UL信号/チャネルの優先度の方が高い優先度を持つとし得る。
【0066】
ルール4:信号/チャネルの優先度は信号/チャネルタイプによって決定される。例えば、優先順位は、PUCCH>PUSCH>SRSである。そして、追加の優先順位を考えることができる(例えば、HARQ-ACK情報を有するPUCCH、及び/又はSR、及び/又はLRR、又は優先度インデックスのHARQ-ACK情報を有するPUSCH>CSIを有するPUCCH送信、CSIを有するPUSCH送信>CSIの優先度インデックスのHARQ-ACK情報を有さないPUSCH、A-SRS>SP又はP-CSI、Pcell上のPRACH>PUCCH、Scell上のPUSCH)。他の一例では、優先順位は、PDCCH/PUCCH>PDSCH/PUSCH>SRS/CSI-RSである。そして、追加の優先度が考えることができる(例えば、上のルール3に基づいて、PDCCH>PUCCH又はPUCCH>PDCCH)。
【0067】
ルール5:信号/チャネルの優先度は、UE固有又はグループ固有又はセル固有の信号/チャネルによって決定される。例えば、優先順位は、セル固有>グループ固有>UE固有である。
【0068】
ルール6:信号/チャネルの優先度は、上位レイヤによって動的にスケジュール又は構成されることによって決定される。例えば、優先順位は、動的にスケジュールされる信号/チャネル>上位レイヤで構成される信号/チャネルである。
【0069】
ルール7:動的にスケジュールされる2つの信号/チャネルについて、信号/チャネルの優先度は、時間ドメインにおいてそれぞれの信号/チャネルをスケジュールするPDCCHの終わりによって決定される。例えば、より後の終了シンボルを有するPDCCHによってスケジュールされる信号/チャネルは、より前の終了シンボルを有するPDCCHによってスケジュールされる信号/チャネルよりも高い優先度を持つ。
【0070】
なお、複数のルールを順番に組み合わせることができる。例えば、UEは、最初にルール2を適用し、次いで、同じ優先度インデックスに対してルール3を適用する。あるいは、UEは、優先インデックスにかかわらず、最初にルール3を適用し、次いで、異なる優先インデックスを有する同じ信号/チャネルタイプに対してルール2を適用する。
【0071】
一実施形態において、上のソリューションで、異なる組み合わせの動的スケジュールされる信号/チャネル及び上位レイヤ構成される信号/チャネルに、異なるオプションを適用することができる。例えば、上の信号/チャネルの一方がスケジュールされる信号/チャネルであり、他方が構成される信号/チャネルである場合、選択肢2/3/4/5/6/7/8のうちの1つが適用され、両方の信号/チャネルがスケジュールされる信号/チャネルである場合、選択肢1が適用される。
【0072】
他の一実施形態において、上のソリューションで、異なる組み合わせのセル固有及びUE固有の信号/チャネルに、異なるオプションを適用することができる。セル固有信号/チャネルは、少なくともSSB、有効なRO/POを含む。例えば、上の信号/チャネルの一方がセル固有信号/チャネルであり、他方がUE固有信号/チャネルである場合、選択肢2/3/4/5/6/7/8のうちの1つが適用され、両方の信号/チャネルがUE固有信号/チャネルである場合、選択肢1が適用される。
【0073】
他の一実施形態において、上のソリューションで、異なる組み合わせのセル固有及びUE固有の、動的スケジュール及び上位レイヤ構成される信号/チャネルに、異なるオプションを適用することができる。一オプションにおいて、上の信号/チャネルの一方がスケジュールDL信号/チャネルであり、他方が有効なROを有しない構成UL信号/チャネルである場合、又は、上の信号/チャネルの一方がSSBを有しない構成DL信号/チャネルであり、他方がスケジュールUL信号/チャネルである場合、又は、上の信号/チャネルの一方がSSBであり、他方がスケジュール/構成UL信号/チャネルである場合、又は、上の信号/チャネルの一方がSSBであり、他方がスケジュール/構成UE固有UL信号/チャネルである場合、選択肢2/3/4/5/6/7/8のうちの1つが適用される。他の一オプションにおいて、上の信号/チャネルの一方がUE固有の構成DLであり、他方がUE固有の構成ULである場合、又は、上の信号/チャネルの一方がセル固有の構成DL(例えば、タイプ0/0A/1/2 CSS)であり、他方がUE固有の構成ULである場合、又は、上の信号/チャネルの一方がスケジュールDLであり、他方がスケジュールULである場合、選択肢1が適用される。
【0074】
他の一実施形態において、上のソリューションで、SBFDアウェアUEと非SBFDアウェアUEとに、異なるオプションを適用することができる。あるいは、SBFDアウェアUEと非SBFDアウェアUEの両方に同じオプションを適用してもよい。
【0075】
他の一実施形態において、上のソリューションで、異なる組み合わせのレガシーDL/ULシンボル及びSBFDシンボルに、異なるオプションを適用することができる。例えば、レガシーUL及びDLシンボル間、又はレガシーDL及びULシンボル間の切り替えの場合に選択肢1が適用され、SBFDシンボル間の切り替え又はレガシーDLシンボルとSBFDシンボルとの間の切り替え、又はSBFDシンボルとレガシーULシンボルとの間の切り替えの場合に、選択肢2/3/4/5/6/7のうちの1つが適用される。
【0076】
他の一実施形態において、上のソリューションで、重複するUL信号/チャネルの場合、及び十分なギャップがないDL及びUL信号/チャネルの場合に、異なるオプションを適用することができる。あるいは、重複するUL信号/チャネルの場合、及び十分なギャップがないDL及びUL信号/チャネルの場合に、同じオプションを適用してもよい。
【0077】
上の実施形態は、主にSBFD動作のためのDL&ULタイミング及び衝突ソリューションに関して説明されているが、これらの実施形態は、他のシナリオ(例えば、レガシーTDD/FDD又は全二重システムにおけるmTRPケース)にも適用されることができる。
【0078】
図2を再び参照するに、一部の実施形態は、第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)の装置に関する。これらの実施形態において、サブバンド全二重(SBFD)通信のために、gNBは、SBFD部分204(
図2参照)の間のSBFDシンボル中に2つ以上のユーザ機器(UE)と通信するように構成され得る。SBFDシンボルのうちのいずれか1つ以上の間に、UEのうちの少なくとも1つに、UEのうちの少なくとも別の1つからのアップリンク送信の受信と同時に、ダウンリンク送信が送信され得る。これらの実施形態において、SBFDシンボルの各々は、キャリア帯域幅にわたり得るとともに、該キャリア帯域幅内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド208及びアップリンク(UL)サブバンド212を有し得る。これらの実施形態において、SBFDシンボル中に2つ以上のUEと同時に通信するために、gNBは、SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信するUEを、タイミングアドバンスオフセット情報を用いて構成し得る。該タイミングアドバンスオフセット情報は、アップリンク送信を開始するための構成されたタイミングアドバンスを1つ以上のSBFDシンボル中のあるUEにおけるダウンリンクシンボルタイミングに対して調整するために、SBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信するUEによって使用され得る。
【0079】
これらの実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報は、UEの構成されたタイミングアドバンス(NTA)をオフセットする(すなわち、調整する)ためにUEによって使用され得るタイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を用いてUEを構成し得る。これらの実施形態のうちの一部において、タイミングアドバンスオフセットは、ダウンリンクシンボルに続くSBFDシンボルのうちの1つ以上の間のアップリンク送信を遅延させるためにUEによって使用され得る。タイミングアドバンスに対するこのオフセット又は遅延は、SBFDシンボルがDLシンボルに続くときにUL-DL切替時間ギャップを提供し得る。これらの実施形態を以下で更に詳細に説明する。
【0080】
一部の実施形態において、gNBは、非SBFDダウンリンク領域202及び非SBFDアップリンク領域206(
図2参照)中の非SBFDシンボル中にUEと通信するように構成されることができ、非SBFDシンボルの各々は、キャリア帯域幅にわたるダウンリンクシンボル又はアップリンクシンボルのいずれかを有する。これらの実施形態において、ダウンリンクシンボルである非SBFDシンボル中に、gNBは、アップリンク送信の受信なしに、UEのうちの1つ以上にダウンリンク送信を送信し得る。これらの実施形態において、アップリンクシンボルである非SBFDシンボル中に、gNBは、ダウンリンク送信なしにUEのうちの1つ以上からアップリンク送信を受信し得る。
【0081】
一部の実施形態において、ダウンリンクシンボルのみが非SBFDダウンリンク領域202中に通信され、アップリンクシンボルのみが非SBFDアップリンク領域206中に通信されるが、実施形態の範囲はこれに関して限定されるものではない。
【0082】
一部の実施形態において、gNBは、UEの各々への送信のためにタイミングアドバンスオフセット情報を符号化し得る。これらの実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報はタイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を有し得る。一部の実施形態において、gNBはまた、UEの各々への送信のためにタイミングアドバンス情報を符号化し得る。これらの実施形態において、該タイミングアドバンス情報はタイミングアドバンス(NTA)を有し得る。これらの実施形態において、SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信するUEについて、タイミングアドバンスは、SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するためにUEによって使用されるものである。アップリンク送信は、タイミングアドバンスにタイミングアドバンスオフセットを加えたもの(NTA+NTA,offset)を有する合計タイミングアドバンスを用いて送信され得る。これらの実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報及びタイミングアドバンス情報は、アップリンクタイミングパラメータを有し得る。一部の実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報は、gNBによって構成されるのではなく、UEによって決定され得る。
【0083】
一部の実施形態において、SBFDシンボル中に通信すべく2つ以上のUEと通信するために、gNBは、UEへの送信のためのシグナリングを符号化して、UEのうちのどれがSBFDシンボルのうちの1つ以上の間に送信すべきか、及びそれと同時にUEのうちのどれがSBFDシンボルのうちの1つ以上の間に受信すべきかを示し得る。一部の実施形態において、ダウンリンク(DL)サブバンド208、DLサブバンド210、及びアップリンク(UL)サブバンド212は、キャリア帯域幅にわたるSBFDシンボルの同じセットを有する。
図2に示すように、SBFD領域204は、DLサブバンド208、DLサブバンド210、及びULサブバンド212にわたる複数のSBFDシンボルを含む。非SBFD領域202は、キャリア帯域幅にわたる複数のDLシンボルを含み、非SBFD領域206は、1つ以上のフレキシブルシンボル(F)207と、キャリア帯域幅にわたる複数のULシンボルとを含む。フレキシブルシンボルは、ULシンボル又はDLシンボルのいずれかを有し得る。
【0084】
一部の実施形態において、SBFDシンボルの各々は、第1のダウンリンク(DL)サブバンド208及びアップリンク(UL)サブバンド212にわたることができ、第2のダウンリンクサブバンド210はキャリア帯域幅内にあることができる。これらの実施形態において、SBFDシンボルのうちの少なくとも一部の間に、gNBは同時に、第1のダウンリンクサブバンド内で第1のUEにダウンリンク送信を送信し且つ第2のダウンリンクサブバンドを用いて第2のUEに第2のダウンリンク送信を送信するとともに、アップリンクサブバンド内で第3のUEからアップリンク送信を受信するように構成され得る。
【0085】
一部の実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報は、SBFDシンボル構成、アップリンク送信をスケジュールするDCIフォーマットに含まれるアップリンクタイミングセットインジケーション、アップリンク信号のためのアップリンクタイミングセット構成、時間ドメインリソース割り当て(TDRA)、及び複数送受信ポイント(m-TRP)インジケーション、のうちの1つ以上に基づき得る。
【0086】
一部の実施形態において、アップリンクシンボルである非SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信するUEについて、タイミングアドバンス例えば、NTA)は、非SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始するためにUEによって使用されるものである。一部の実施形態において、gNBは、SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のためのUEへのタイミングアドバンスオフセット情報を、非SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のためのタイミングアドバンス情報とは別に構成し得る。これらの実施形態のうちの一部において、gNBは、タイミングアドバンス情報とは別にタイミングアドバンスオフセット情報を構成し得る。一部の実施形態において、UEのサービングセルのセル固有パラメータを構成するために、例えばRRC情報エレメントServingCellConfigCommonなどの共通RRCシグナリングが使用され得る。
【0087】
一部の実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報は、ダウンリンクシンボルに続かない1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第1のタイミングアドバンスオフセットと、ダウンリンクシンボルに続く1つ以上の連続するSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第2のタイミングアドバンスオフセットとを有することができ、第2のタイミングアドバンスオフセットは、ダウンリンクシンボルと後続するSBFDシンボルとの間の切替時間ギャップを提供する。これらの実施形態において、SBFDシンボルがダウンリンクシンボルに続くかどうかに応じて、異なるタイミングアドバンスオフセットがSBFDシンボル中でUEによって使用され得る。ダウンリンクシンボルとそれに続くSBFDシンボルとの間に設けられる切替時間ギャップは、UEがそのトランシーバを受信から送信に切り替える時間を可能にする。一部の実施形態において、第1及び第2のタイミングアドバンスオフセットは別々にUEに構成又は提供され得るが、これは要件ではない。
【0088】
一部の実施形態において、ダウンリンクシンボルは、PDSCHのシンボルを有し、それに続くSBFDシンボルはPUSCHを有し、第2のタイミングアドバンスオフセット情報は、PDSCHとPUSCHとの間の切替時間ギャップを提供する。これの一例を
図3に示す。
【0089】
一部の実施形態において、タイミングアドバンス情報は、1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第1のタイミングアドバンスと、非SBFDシンボルのうちの1つ以上におけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第2のタイミングアドバンスとを有する。これらの実施形態において、SBFDシンボル及び非SBFDシンボルにおいて相異なるタイミングアドバンスがUEによって使用され得る。一部の実施形態において、第1及び第2のタイミングアドバンスは、別々にUEに構成又は提供され得るが、これは要件ではない。
【0090】
一部の実施形態において、gNBは、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信を、該アップリンク送信が、前の非SBGDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるとき、又は該SBFDシンボルにおける該アップリンク送信と、前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信との間に、不十分なギャップが存在するときに、スケジュールするのをやめることができる。これらの実施形態において、不十分なギャップが存在し得るのは、UEがDL-UL又はUL-DL切替を実行するのに十分な時間が存在せず、gNBが十分なギャップを提供するようにタイミングアドバンスオフセットを構成していないときであり得る。
【0091】
一部の実施形態において、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信が前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるように構成されるとき、又はSBFDシンボルにおけるアップリンク送信と前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信との間に不十分なギャップが存在するとき、gNBは、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信及び前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信のうちの一方を、短縮された継続時間を持つように構成しうる。これらの実施形態において、継続時間を短縮するように構成することは、パンクチャリング、レートマッチング、キャンセル、次の送信機会への延期、及び公称反復を2つの実際の反復に分割すること、のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、構成情報がUEに提供され得る。
【0092】
一部の実施形態は、第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたジェネレーションノードB(gNB)の処理回路による実行のための命令を格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に関する。これらの実施形態において、サブバンド全二重(SBFD)通信のために、処理回路は、SBFDシンボルのうちのいずれか1つ以上の間に、UEのうちの少なくとも1つに、UEのうちの少なくとも別の1つからのアップリンク送信の受信と同時に、ダウンリンク送信が送信されるように、SBFDシンボル中に2つ以上のユーザ機器(UE)と通信するようにgNBを構成し得る。
【0093】
一部の実施形態は、第5世代新無線(5G NR)ネットワーク内での動作向けに構成されたユーザ機器(UE)に関する。これらの実施形態において、サブバンド全二重(SBFD)動作のために、当該UEは、SBFDシンボル中にジェネレーションノードB(gNB)と通信するように構成され得る。これらの実施形態において、SBFDシンボルの各々は、UE向けに構成されたアクティブDL帯域幅部分(BWP)にわたり得る。SBFDシンボルの各々は、該アクティブDL帯域幅部分(BWP)内に少なくともダウンリンク(DL)サブバンド及びアップリンク(UL)サブバンドを有し得る。これらの実施形態において、SBFDシンボル中に通信するために、当該UEは、gNBにアップリンクサブバンド内でアップリンク送信を送信するように構成され得る。これらの実施形態において、SBFDシンボル中のアップリンク送信は、SBFDシンボル中のUEにおけるDLシンボルタイミングに対するアップリンク送信の開始の早さを調整するためのタイミングアドバンスオフセット(例えば、NTA,offset)を用いて送信され得る。これらの実施形態において、当該UEがアップリンクサブバンド内のアップリンク送信をgNBに送信しているとき、gNBスケジューラによってスケジュールされた場合に、ダウンリンクサブバンドにおけるgNBから別のUEへのダウンリンク送信の同時送信が存在し得るが、本実施形態の範囲はこれに関して限定されるものではない。なお、SBFDシンボル中にULサブバンド内で送信しているUEは、DLサブバンド内に実際のDL送信があることを知らなくてもよい。
【0094】
一部の実施形態において、当該UEは更に、gNBからの構成情報を復号して非SBFDシンボルを示すように構成され得る。これらの実施形態において、非SBFDシンボルの各々が、アクティブDL BWPにわたるダウンリンクシンボル又はアップリンクシンボルのいずれかを有し得る。これらの実施形態において、ダウンリンクシンボルである非SBFDシンボルは、アップリンク送信を伴わないダウンリンク送信の受信のために構成されることができ、アップリンクシンボルである非SBFDシンボルは、ダウンリンク受信を伴わないアップリンク送信の送信のために構成されることができる。
【0095】
一部の実施形態において、当該UEはまた、gNBから受信されたタイミングアドバンスオフセット情報を復号し、該タイミングアドバンスオフセット情報はタイミングアドバンスオフセット(NTA,offset)を有し、gNBから受信されたタイミングアドバンス情報を復号し、該タイミングアドバンス情報はタイミングアドバンス(NTA)を有する、ように構成され得る。これらの実施形態において、SBFDシンボルのうちの1つ以上においてアップリンク送信を送信すべく、当該UEは、当該UEによる使用のためのタイミングアドバンスを使用して、SBFDシンボルのシンボル境界の前にアップリンク送信を開始し得る。これらの実施形態において、アップリンク送信は、タイミングアドバンスにタイミングアドバンスオフセットを加えたもの(NTA+NTA,offset)を有する合計タイミングアドバンスを用いて送信され得る。
【0096】
一部の実施形態において、タイミングアドバンスオフセット情報は、ダウンリンクシンボルに続かない1つ以上のSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第1のタイミングアドバンスオフセットと、ダウンリンクシンボルに続く1つ以上の連続するSBFDシンボルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用される第2のタイミングアドバンスオフセットとを含み得る。これらの実施形態において、第2のタイミングアドバンスオフセット情報は、ダウンリンクシンボルとそれに続くSBFDシンボルとの間の切替時間ギャップを提供し得る。
【0097】
一部の実施形態において、当該UEは、gNBがSBFDシンボルにおけるアップリンク送信をスケジュールすることを、該アップリンク送信が、前の非SBGDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるとき、又は該SBFDシンボルにおける該アップリンク送信と、前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信との間に、不十分なギャップが存在するときに期待しない。これらの実施形態において、不十分なギャップが存在し得るのは、UEがDL-UL又はUL-DL切替を実行するのに十分な時間が存在せず、gNBが十分なギャップを提供するようにタイミングアドバンスオフセットを構成していないときであり得る。
【0098】
一部の実施形態において、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信が前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信と重なるように構成されるとき、又はSBFDシンボルにおけるアップリンク送信と前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク送信との間に不十分なギャップが存在するとき、当該UEは、SBFDシンボルにおけるアップリンク送信、又は前の非SBFDシンボルにおける予期されるダウンリンク受信、の一方の継続時間を短縮し得る。これらの実施形態において、継続時間を短縮するために、当該UEは、送信側パンクチャリング、レートマッチング、キャンセル、次の送信機会への延期、又は公称反復を2つの実際の反復に分割すること、のうちの1つ以上を実行し得る。
【0099】
図6は、一部の他の実施形態に従った無線通信デバイスの機能ブロック図を示している。無線通信デバイス600は、5G NR又は6Gネットワークにおける動作向けに構成されたUE又はgNBとしての使用に好適であり得る。無線通信デバイス600はまた、ハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス、セルラー電話、スマートフォン、タブレット、ネットブック、無線端末、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータデバイス、フェムトセル、ハイデータレート(HDR)加入者デバイス、アクセスポイント、アクセス端末、又は他のパーソナル通信システム(PCS)デバイスとしての使用に好適であり得る。一部の実施形態において、無線通信デバイス600は、IEEE 802.11(例えば、WiFi 8)に従った超高信頼性(Ultra-High Reliability,UHR)通信向けに構成されることができる。
【0100】
一部の実施形態において、無線通信デバイス600は、第5世代新無線(5G NR)ネットワークにおけるサブバンド全二重(SBFD)動作向けに構成されたUEとしての使用に好適であることができ、ここで説明されるように、SBFDシンボル中にジェネレーションノードB(gNB)と通信するように構成されることができる。
【0101】
無線通信デバイス600は、通信回路602と、1つ以上のアンテナ601を用いて他の通信デバイスに信号を送信し、及び他の通信デバイスから信号を受信するためのトランシーバ610とを含み得る。通信回路602は、無線媒体へのアクセスを制御するための物理層(PHY)通信及び/若しくは媒体アクセス制御(MAC)通信、及び/又は信号を送受信するための任意の他の通信層を動作させることができる回路を含み得る。無線通信デバイス600はまた、ここで説明される動作を実行するように構成された処理回路606及びメモリ608を含み得る。一部の実施形態において、通信回路602及び処理回路606は、上記の図、略図、及びフローで詳述された動作を実行するように構成され得る。
【0102】
一部の実施形態によれば、通信回路602は、無線媒体を求めて競合し、無線媒体を介して通信するためのフレーム又はパケットを構成するように構成され得る。通信回路602は、信号を送受信するように構成され得る。通信回路602はまた、変調/復調、アップコンバージョン/ダウンコンバージョン、フィルタリング、増幅などのための回路を含み得る。一部の実施形態において、無線通信デバイス600の処理回路606は、1つ以上のプロセッサを含み得る。他の実施形態において、2つ以上のアンテナ601が、信号を送受信するように構成された通信回路602に結合され得る。メモリ608は、メッセージフレームを構成及び送信するための及びここで説明された動作を実行するための動作を実行するように処理回路606を構成するための情報を格納し得る。メモリ608は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を格納するための、非一時的メモリを含む任意のタイプのメモリを含み得る。例えば、メモリ608は、コンピュータ読み取り可能記憶デバイス、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、並びに他の記憶デバイス及び記憶媒体を含み得る。
【0103】
一部の実施形態において、無線通信デバイス600は、例えば携帯情報端末(PDA)、無線通信能力を持つラップトップ若しくはポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、ワイヤレス電話、スマートフォン、ワイヤレスヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージングデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療デバイス(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタなど)、ウェアラブルコンピュータデバイス、又はワイヤレスに情報を受信及び/又は送信し得る他のデバイスなどの、ポータブル無線通信デバイスの一部であってもよい。
【0104】
一部の実施形態において、無線通信デバイス600は、1つ以上のアンテナ601を含み得る。アンテナ601は、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又はRF信号の送信に適した他のタイプのアンテナを含め、1つ以上の指向性又は無指向性アンテナを含み得る。一部の実施形態において、2つ以上のアンテナの代わりに、複数の開口を有する単一のアンテナが使用されてもよい。これらの実施形態では、各開口を別個のアンテナとみなすことができる。一部の複数入力複数出力(MIMO)実施形態において、アンテナは、空間ダイバーシティのため、及びアンテナの各々と送信デバイスのアンテナとの間に生じ得る異なるチャネル特性のために、効果的に分離され得る。
【0105】
一部の実施形態において、無線通信デバイス600は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカ、及び他のモバイルデバイス要素のうちの1つ以上を含み得る。ディスプレイは、タッチスクリーンを含むLCDスクリーンとし得る。
【0106】
無線通信デバイス600は幾つかの別個の機能要素を持つものとして示されているが、これらの機能要素のうちの2つ以上が組み合わされてもよく、また、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理要素などのソフトウェア構成要素及び/又は他のハードウェア要素の組み合わせによって実装されてもよい。例えば、一部の要素は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、並びに少なくともここで説明された機能を実行するための様々なハードウェア及び論理回路の組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、無線通信デバイス600の機能要素は、1つ以上の処理要素上で動作する1つ以上のプロセスを指してもよい。
【0107】
例
例1:全二重システムにおけるDL受信及びUL送信のシステム及び方法であって、gNBによる、シンボルの第1セットに対して同じキャリア内の同じシンボルにおいて異なるUEに対してDLを送信し、ULを受信する動作と、gNBによる、シンボルの第2セットに対して同じキャリア内の同じシンボルにおいてULの受信なしにDLを送信する動作と、gNBによる、シンボルの第3セットに対して同じキャリア内の同じシンボルにおいてDLの送信なしにULを受信する動作とを有する。
【0108】
例2:例1の方法であって、シンボルの第1セットにおいて、第1のUEがULを送信し、第2のUEがDLを受信し、シンボルの第2セットにおいて、第1及び/又は第2のUEがDLを受信し、シンボルの第3セットにおいて、第1及び/又は第2のUEがULを送信する。
【0109】
例3:例2の方法であって、UEのためのシンボルの第1セット及びシンボルの第3セットそれぞれにおけるUL送信のためのULタイミングパラメータの複数のセットが、gNBによって提供され、ULタイミングパラメータは、Nta_offset及びNtaのうちの少なくとも一方を含む。
【0110】
例4:例3の方法であって、UL送信に使用されるべきULタイミングのセットは、SBFDシンボル構成、UL信号/チャネルをスケジュールするDCI内のULタイミングセットインジケーション、UL信号/チャネルのためのULタイミングセット構成、ULタイミングのセットのために構成された時間ドメインリソース、複数のTRPインジケーション、のうちの少なくとも1つに従って決定され得る。
【0111】
例5:例2の方法であって、シンボルの第1セット及びULにおける第1のUL送信と、シンボルの第3セットにおける第2のUL送信とが重複する場合、第1及び第2のUL送信が重複しないように、該UL送信のうち一方が継続時間を短縮するように処理される。
【0112】
例6:例3の方法であって、シンボルの第1セットにおけるUL送信及びシンボルの第3セットにおけるDLの場合、又はシンボルの第1セットにおけるDL受信及びシンボルの第2セットにおけるUL送信の場合、又はシンボルの第1セットにおけるシンボルの一部でのDL受信及びシンボルの第1セットにおける他のシンボルでのUL送信の場合であって、UL送信とDL受信との間のギャップが、DLからULへの切替時間又はULからDLへの切替時間よりも小さい場合に、ギャップが切替時間以上になるように、UL送信又はDL受信の一方が継続時間を短縮するように処理される。
【0113】
例7:例5及び例6の方法であって、継続時間を短縮するための処理は、パンクチャ、レートマッチング、ドロップ、次の送信機会への延期、及び公称反復を2つの実際の反復に分割すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0114】
例8:例5及び例6の方法であって、より低い優先度のUL送信又はDL受信に対して処理が適用される。
【0115】
例9:例8の方法であって、優先度は、信号/チャネルタイプ、UL又はDL信号/チャネル、DL受信又はUL送信をスケジュールするDCIを受信する時間、セル固有又はUE固有の信号/チャネル、上位レイヤ構成される又は動的スケジュールされる信号/チャネル、のうちの少なくとも1つによって決定される。
【0116】
例10:例2の方法であって、UEは、シンボルの第1セット及びULにおける第1のUL送信と、シンボルの第3セットにおける第2のUL送信とが重複されることを期待しない。
【0117】
例11:例3の方法であって、UEは、UL送信とDL受信との間のギャップがDLからULへの切替時間又はULからDLへの切替時間よりも小さいことを期待しない。
【0118】
例12:例10及び例5の方法であって、シンボルの第1セット及びULにおける第1のUL送信及びシンボルの第3セットにおける第2のUL送信が重複されることをUEが期待しないかどうか、又は、第1及び第2のUL送信が重複しないように継続時間を短縮するようUL送信のうちの一方をUEが処理するかどうかは、信号/チャネルタイプ、UL又はDL信号/チャネル、DL受信又はUL送信をスケジュールするDCIを受信する時間、セル固有又はUE固有の信号/チャネル、上位レイヤ構成される又は動的スケジュールされる信号/チャネル、のうちの少なくとも1つに依存する。
【0119】
例13:例11及び例6の方法であって、UL送信とDL受信との間のギャップがDLからULへの切替時間又はULからDLへの切替時間よりも小さいことをUEが期待しないかどうか、又は、ギャップが切替時間以上になるように継続時間を短縮するようUL送信及びDL受信のうちの一方をUEが処理するかどうかは、信号/チャネルタイプ、UL又はDL信号/チャネル、DL受信又はUL送信をスケジュールするDCIを受信する時間、セル固有又はUE固有の信号/チャネル、上位レイヤ構成される又は動的スケジュールされる信号/チャネル、のうちの少なくとも1つに依存する。
【0120】
要約は、読者が技術開示の性質及び要旨を確認することを可能にする要約を要求する37C.F.R.第1.72(b)節を満たすために提供されている。それは、請求項の範囲又は意味を限定又は解釈するためには使用されないという理解で提出されている。以下の請求項は、これにより、各請求項が別個の実施形態として自立して詳細な説明に組み込まれる。
【外国語明細書】