(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048387
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】デジタル-アナログ変換器グリッチ低減技法
(51)【国際特許分類】
H03M 1/08 20060101AFI20240401BHJP
H03M 1/10 20060101ALI20240401BHJP
H03M 1/74 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H03M1/08 B
H03M1/10 B
H03M1/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023163146
(22)【出願日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】63/377,214
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/471,767
(32)【優先日】2023-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・イー・ハレル
(72)【発明者】
【氏名】アラン・リザダ・キランタング
(72)【発明者】
【氏名】エンジェル・ラエル
(72)【発明者】
【氏名】ムラット・デミルカン
【テーマコード(参考)】
5J022
【Fターム(参考)】
5J022AB01
5J022AC05
5J022BA02
5J022CD04
5J022CF02
(57)【要約】
【課題】DACを使用して信号を生成する電子回路を提供する。
【解決手段】電子システムは、システム出力を提供するための少なくとも1つの増幅器回路と、増幅器回路に駆動信号を提供するためのデジタル-アナログ変換器(DAC)回路と、DAC回路の入力に接続された制御回路と、を含む。制御回路は、制御回路の入力においてターゲット信号を受信し、ターゲット信号に従って、DAC回路の入力に制御回路出力を提供し、DAC回路の遷移がDAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出し、グリッチ信号の大きさを低減するために補償信号をDAC回路に提供するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子システムであって、
システム出力を提供するための少なくとも1つの増幅器回路と、
前記増幅器回路に駆動信号を提供するためのデジタル-アナログ変換器(DAC)回路と、
制御回路であって、前記DAC回路の入力に接続されており、かつ、
前記制御回路の入力においてターゲット信号を受信し、前記ターゲット信号に従って、前記DAC回路の前記入力に制御回路出力を提供することと、
前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を提供することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、電子システム。
【請求項2】
合計回路ノードを含み、
前記補償信号が、前記合計回路ノードを使用して、前記制御回路の出力と合計され、前記制御回路の前記出力と前記補償信号との前記合計が、前記DAC回路への前記入力に適用される、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記制御回路が、前記補償信号として、前記DAC回路に、デジタル形態の補償パルスを提供するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項4】
前記制御回路が、前記補償信号として、前記DAC回路内部のアナログ回路に、アナログ形態の補償パルスを提供するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項5】
前記DAC回路の前記出力に結合されたフィルタ回路を含み、
前記制御回路が、前記DAC回路に前記補償信号を提供して、前記DAC回路の出力において、グリッチ補償されたアナログ信号を作り出すように構成されており、
前記フィルタ回路が、前記グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングする、請求項1に電子システム。
【請求項6】
前記システム出力に接続されたアナログ-デジタル変換器(ADC)回路を含み、
前記制御回路が、前記制御回路出力を調整して、前記ADC回路の出力と前記ターゲット信号との間の差を低減するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項7】
前記ADC回路が、
前記グリッチ信号をサンプリングして、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、
前記グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出して、前記DAC回路の前記遷移が前記グリッチ信号をもたらすことを検出することと、を行うように構成されている、請求項6に記載の電子システム。
【請求項8】
前記DAC回路が、バイナリ加重DAC回路である、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項9】
信号アーチファクトを低減するための電子システムのための補償の方法であって、
デジタル-アナログ変換器(DAC)回路を使用して前記電子システムの少なくとも1つの増幅器回路を駆動し、前記電子システムのシステム出力を設定することと、
制御回路を使用して、前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を付加することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記補償信号を付加することが、前記制御回路の出力及び前記DAC回路への入力において前記補償信号を付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記補償信号を付加することが、前記DAC回路にデジタル形態の補償パルスを付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記補償信号を付加することが、前記DAC回路の内部にアナログ形態の補償パルスを付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記DAC回路の出力においてグリッチ補償されたアナログ信号を作り出すために、前記DAC回路に補償信号を付加することと、
前記グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングすることと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記システム出力をアナログ-デジタル変換(ADC)回路の入力に適用し、前記制御回路に前記ADC回路の前記出力を提供することと、
前記ADC回路を使用して前記グリッチ信号をサンプリングし、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、
前記DAC回路の前記遷移が前記グリッチ信号をもたらすときを前記検出することが、前記グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出することと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記システム出力をアナログ-デジタル変換(ADC)回路の入力に適用し、前記制御回路に前記ADC回路の前記出力を提供することと、
DAC入力値の範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更することと、
ベースラインサンプリングレートを使用して前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の範囲に対するDACベースライン応答を決定することと、
前記DAC入力値の前記範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更し、前記ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいて前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の前記範囲に対するDACグリッチ応答を測定することと、
前記DAC入力値の前記範囲に対するグリッチ効果を、前記測定されたDACグリッチ応答と前記DACベースライン応答との間の差として記録することと、を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記DAC回路の前記遷移のために記録されたグリッチ効果を使用して、前記DAC回路の前記遷移がグリッチ信号をもたらすときを検出することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
命令を含むコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、データ変換器システムの制御回路のプロセッサによって実行されると、前記制御回路に、
ターゲット信号を受信し、デジタル-アナログ変換器(DAC)回路への入力を設定して、前記ターゲット信号に従って前記データ変換器システムのシステム出力を設定することと、
前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を提供することと、を含むアクションを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記制御回路に、前記補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを行わせる命令を含む、請求項17に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記制御回路に、
前記データ変換器システムのアナログ-デジタル変換(ADC)回路から前記システム出力のデジタル値を受信することと、
DAC入力値の範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更することと、
ベースラインサンプリングレートを使用して前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の範囲に対するDACベースライン応答を決定することと、
前記DAC入力値の前記範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更し、前記ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいて前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の前記範囲に対するDACグリッチ応答を測定することと、
前記DAC入力値の前記範囲に対するグリッチ効果を、前記測定されたDACグリッチ応答と前記DACベースライン応答との間の差として記録することと、を含むアクションを行わせる命令を含む、請求項17又は18に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記制御回路に、
グリッチ信号をもたらす前記DAC回路の前記遷移を検出することに応答して、前記補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを行わせる命令を含み、
前記補償パルスが、前記DAC回路の前記遷移のために記録された前記グリッチ効果の平均時間値を有する、請求項19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子回路で信号を生成するために使用されるデータ変換器システムは、信号忠実度の低減をもたらすアーチファクトを提示し得る。そのようなアーチファクトの1つは、デジタル-アナログ変換器(DAC)コードグリッチであり、これは、実際のDAC出力と理想化されたDAC出力との間の差をもたらす。このDACグリッチは、理想化されたシステム出力からの時間及び周波数領域の両方の変動を引き起こす。周波数領域では、これらのグリッチは、サイドバンド信号エネルギーを引き起こすコヒーレントであり得るか、又は位相及び振幅ノイズの増加を引き起こす非コヒーレントであり得る。時間領域では、これらのグリッチは、過剰な波紋又はノイズを引き起こし得るか、又はデジタル制御ループでは、精度エラー又はループ安定性の懸念の原因を提示し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
この文書は、DACを使用して信号を生成する電子回路に関する。開又は閉ループシステムでのDACグリッチの影響を軽減するために、制御アルゴリズム又はDAC回路自体内のいずれかに組み込むことができる補償及び補正方法について説明する。
【0003】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面では、同様の数字は、異なる図での同様の構成要素を説明し得る。異なる文字の添字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、本文書で考察される様々な実施形態を限定としてではなく、実施例として例解する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】セグメント化されたDACに対する出力電圧グリッチ振幅対デジタル-アナログ変換器(DAC)コード変化の実施例のグラフである。
【
図2】開ループ制御を有する電子システムのブロック図である。
【
図3】DACの出力におけるDACグリッチに起因する過剰信号ノイズの実施例の例解図である。
【
図4】開ループ制御及びDACグリッチ補償を有する電子システムの実施例のブロック図である。
【
図5】グリッチ緩和プロセスを例解する波形を示す。
【
図6】DAC回路のシグナリングをフィルタリングする効果を例解する波形である。
【
図7】ヌリング補償信号を適用し、DAC回路にフィルタリングする効果を例解する波形を示す。
【
図8】閉ループ制御を有する電子システムのブロック図である。
【
図9】低レベルの振動又はリップルを有する持続的なシステム応答を示すグラフである。
【
図10】閉ループ制御及びDACグリッチ補償を有する電子システムのブロック図である。
【
図11】DACグリッチ補償技法の結果を示すDACからの測定データのグラフである。
【
図12】DACグリッチ補償技法の結果を示すDACからの測定データのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
バイナリ加重DACは、特に主要なキャリーコード遷移中に著しく高いグリッチを生成することが知られている。主要なキャリー遷移中に生成されたグリッチは、他のコード遷移中に生成されたグリッチが良性であっても、振幅が数LSBを超える可能性がある。セグメント化されたDACアーキテクチャでは、MSBセグメント遷移中により高いエネルギーグリッチが生成され得、コード空間にわたって定期的に繰り返され得る。また、セグメント化されたDACのLSBサブDACでは、ミッドスケールコード遷移中に観察される高いグリッチが存在し得る。
【0006】
図1は、18ビットセグメント化されたDACに対する出力電圧グリッチ振幅対DACコード変化の実施例のグラフである。
図1の例示的なDACでは、MSBセグメントコード遷移に対応するコード空間にわたって64個の高エネルギーグリッチスパイクが存在する。グリッチは、本明細書では「グリッチ閾値」と呼ばれる特定のコード閾値を超えると生成される。グリッチの形状は、グリッチの閾値を超えるかどうか、また超える方向によって異なり得る。これらのグリッチは、システムアプリケーションに依存して重大な影響を与え得る。
【0007】
図2は、開ループ制御を有する電子システム200のブロック図である。電子システム200は、制御回路202、増幅器回路206、及び増幅器回路206に駆動信号を提供するDAC回路204を含む。制御回路202は、説明される機能を実行するための論理回路を含み得る。いくつかの実施例では、制御回路202の論理回路は、説明される機能を実行するためのソフトウェア又はファームウェアでの命令を実行するマイクロプロセッサ又は他のプロセッサなどの処理回路を含むことができる。変形例では、制御回路の論理回路は、プログラマブルゲートアレイ(PGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。制御回路202は、ターゲットV
TARGET(t)を受信し、DAC回路204への入力を設定して、出力V
OUT(t)をターゲットに設定する。ターゲットは、デジタル信号であり得る。例えば、制御回路202は、DAC回路204にnビットのデジタル値を提供し得る。
【0008】
図3は、DACの出力においてDACグリッチに起因する過剰信号ノイズの実施例の例解図である。
図2の電子システム200などの開ループシステムでは、
図3のようなグリッチ308は、過剰なノイズ及び信号忠実度の低減を引き起こすため、良性であり得るが、望ましくない。
【0009】
図4は、開ループ制御及びDACグリッチ補償を有する電子システム400の実施例のブロック図である。
図4の実施例では、グリッチは、制御回路402の出力及びDAC回路204への入力で合計回路ノードを使用して、補償信号(-Xg(n))及び制御回路402の出力を合計することによって補正又は補償される。補償信号は、グリッチ信号とほぼ同じ時間平均であるが、大きさが反対であるように構成されたデジタル形態のグリッチヌリング信号であり得る。グリッチ補償信号の付加は、制御回路402が、グリッチを生成するグリッチ閾値を超えるDAC遷移(例えば、X(n-1)からX(n)への遷移)を検出するとき、制御回路402によってトリガされ得る。グリッチ補償信号(-Xg(n))の大きさ及び符号は、較正プロセスを介して事前に決定及び/又は定期的に更新され得る。
【0010】
図5は、グリッチ緩和プロセスを例解する波形を示す。波形505は、測定されたDACグリッチであり、波形510は、デジタル形態の補償パルスである。これらをDAC回路204の前にデジタルで合計することにより、DAC回路204の出力及びシステム出力V
OUT(t)における、ほぼゼロの時間平均波形である波形515がもたらされる。点線の上の波形515の面積は、サンプル区間にわたる点線の下の面積に等しい。ゼロツーピーク誤差もまた、低減されるが、ピークツーピークは、同等のままである。
【0011】
図6は、フィルタ回路412を使用してDAC回路204から出力されたシグナリングをフィルタリングする
図4の効果を例解する波形である。波形620は、DACグリッチであり、波形625は、DAC回路204のアナログ信号出力をフィルタリングすることから生じる信号アーチファクトである。DACの後にフィルタリングを付加することによって、DACから出力されるアナログ信号の効果は、グリッチからの信号アーチファクトの持続時間を増加させつつ、グリッチの振幅を低減させることである。曲線下の面積は、2つの波形でほぼ保存される。
【0012】
図7は、補償ヌリング信号(-Xg(n))及びフィルタリングをDAC回路204に適用する効果を例解する波形を示す。波形730は、DACグリッチであり、波形735は、ヌリング信号及びフィルタリングから生じる信号アーチファクトである。
図5と同様の量のヌリング信号(-Xg(n))は、補償されたグリッチの時間平均をほぼゼロに低減させ、出力における全リップルは、補償なしで信号の30%に低減される。
【0013】
図4の実施例では、補償(-Xg(n))は、DACへの入力において制御ブロックからのデジタル信号X(n)に付加される。別の実施例では、補償は、外部補償信号としてではなく、DAC自体に対して内部で透過的に補正される。DACからのグリッチは、DACコードがグリッチの影響を受けやすい遷移を行うときに、デジタル信号によってDAC内で補償される。別の実施例では、DACからのグリッチは、パルス形状のグリッチ補償アナログ信号を使用してDACアナログコア内で内部的に補償される。
【0014】
図8は、DAC回路804を含む閉ループ制御を有する電子システム800のブロック図である。
図8の閉ループ回路は、システム出力に関するフィードバックを提供するアナログ-デジタル変換器(ADC)回路814を含む。 制御回路802は、DAC回路204を調整して、システム出力をシステムターゲット出力によりよく一致させることができる。
図8のような閉ループシステムにおけるDACグリッチの効果は、デジタルループ制御のダイナミクス、グリッチの特性、及びグリッチに対するシステムの周波数応答に大きく依存する。電子システム800の閉ループ制御は、DAC回路804の出力に付加されたグリッチノイズ源を用いて分析され得る。グリッチの符号、大きさ、及び周波数特性に応じて、
図9に示されるように、持続的なシステム応答が低レベルの振動又はリップルを引き起こす可能性がある。
【0015】
図10は、DACグリッチ補償を含む閉ループシステム1000の実施例である。
図10の補償は、制御回路1002の出力及びDAC回路1004への入力にヌリング信号(-Xg(n))を付加する。グリッチ補償は、制御回路1002の制御アルゴリズム又はDAC回路1004のDACコアに統合される可能性がある。グリッチ補償は、DACグリッチに起因するフォワードパスのピークツーピークノイズと時間平均誤差を低減する。グリッチ保障は、精度を高め、出力におけるリップルを低減することで、閉ループ制御の性能を向上させる。
【0016】
図10の閉ループシステムでは、ADCクロック(CLK)のΔτ遅延は、較正の手段として使用することができる。ADCクロックのΔτ遅延は、サンプリングアパーチャを通してグリッチインパルス応答を測定するために、ADCクロッキングアパーチャをシフトするために使用され得る。また、ADCサンプリングのタイミングを調整して、出力におけるグリッチエネルギーに対する閉ループシステムの応答を最小限に抑えることができる。
【0017】
図10の閉ループシステムはまた、最初に、測定時間においてグリッチが収束するより遅いサンプリングレートでDAC入力値の範囲をまたぎ、全ての線形アーチファクトを含むADC回路1014からのベースラインサンプルを記録することによって、グリッチ補償を較正するために使用され得る。次いで、所望のサンプリングレートで所望のグリッチ閾値をまたぎ、測定されたグリッチ応答とベースライン応答との差としてDAC入力のグリッチ効果を記録しつつ、DAC入力範囲にわたって測定を繰り返す。DAC遷移のグリッチ補償は、DAC遷移の測定されたグリッチと同じ時間平均値を有する補償パルスであることができる。
【0018】
図11及び
図12は、実際のDACグリッチ補償技法を示すDACからの測定されたデータのグラフである。
図11は、フィルタリング前後のグリッチを示し、
図12は、グリッチ閾値においてトリガされたDACグリッチ補償の効果を示す。
図11は、コードがグリッチ閾値境界を越えて遷移するときのDACの元のセグメンテーショングリッチを示す。トレース1140は、グリッチの元の大きさである。トレース1145及び1150は、DAC出力におけるフィルタリングの効果を示す。トレース1150のフィルタリングは、トレース1145のフィルタリングから増加する。フィルタリングトレース(1145、1150)は、グリッチからの信号アーチファクトの大きさは低減するが、持続時間は増加することを示す。
【0019】
図12は、リップルを低減させるためのフィルタリングとグリッチ補償の複合効果を示しており、その結果、グリッチリップルとグリッチ補償が66%以上低減している。トレース1140は、グリッチの元の大きさであり、トレース1255は、フィルタリング及びグリッチ補償の効果を示す。トレースは、フィルタリングとグリッチ補償により、時間平均信号アーチファクトをほぼゼロに低減され、フィルタリングのみのアプローチと比較してグリッチの持続時間が低減されることを示している。
【0020】
本明細書に記載されるグリッチ緩和技法により、データ変換器システムのDACは、信号のグリッチングによる信号忠実度のいかなる低減も最小限に抑えながら、ターゲット出力電圧又は電流を維持しつつ、異なるDACコードにおいて整定することが許容される。
【0021】
追加の説明及び実施例
実施例1は、システム出力を提供するための少なくとも1つの増幅器回路と、増幅器回路に駆動信号を提供するためのデジタル-アナログ変換器(DAC)回路と、制御回路と、を備える主題(電子システムなど)を含む。制御回路は、制御回路の入力においてターゲット信号を受信し、ターゲット信号に従って、DAC回路の入力に制御回路出力を提供することと、DAC回路の遷移がDAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、グリッチ信号の大きさを低減するために、DAC回路に補償信号を提供することと、を行うように構成されている。
【0022】
実施例2では、実施例1の主題は、任意選択的に、合計回路ノードを含み、補償信号は、合計回路ノードを使用して制御回路の出力と合計され、制御回路の出力と補償信号との合計は、DAC回路への入力に適用される。
【0023】
実施例3では、実施例1及び2のうちの1つ又は両方の主題は、任意選択的に、補償信号としてDAC回路にデジタル形態の補償パルスを提供するように構成された制御回路を含む。
【0024】
実施例4では、実施例1~3のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、補償信号としてDAC回路内部のアナログ回路にアナログ形態の補償パルスを提供するように構成された制御回路を含む。
【0025】
実施例5では、実施例1~4のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、DAC回路の出力に結合されたフィルタ回路と、DAC回路に補償信号を提供して、DAC回路の出力においてグリッチ補償されたアナログ信号を作り出すように構成された制御回路と、を含み、フィルタ回路は、グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングする。
【0026】
実施例6では、実施例1~5のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、システム出力に接続されたアナログ-デジタル変換器(ADC)回路と、制御回路出力を調整して、ADC回路の出力とターゲットサインとの間の差を低減させるように構成された制御回路と、を含む。
【0027】
実施例7では、実施例6の主題は、任意選択的に、グリッチ信号をサンプリングして、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出して、DAC回路の遷移がグリッチ信号をもたらすことを検出することと、を行うように構成されたADC回路を含む。
【0028】
実施例8では、実施例1~7のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、バイナリ加重DAC回路であるDAC回路を含む。
【0029】
実施例9は、主題(信号アーチファクトを低減するための電子システムの補償方法など)を含むか、又は任意選択的に、そのような主題を含むように、実施例1~8のうちの1つ又は任意の組み合わせと組み合わせることができ、デジタル-アナログ変換器(DAC)回路を使用して電子システムの少なくとも1つの増幅器回路を駆動し、電子システムのシステム出力を設定することと、制御回路を使用して、DAC回路の遷移がDAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、グリッチ信号の大きさを低減するために、DAC回路に補償信号を付加することと、を含む。
【0030】
実施例10では、実施例9の主題は、任意選択的に、制御回路の出力及びDAC回路への入力において補償信号を付加することを含む。
【0031】
実施例11では、実施例9及び10の一方又は両方の主題は、任意選択的に、DAC回路にデジタル形態の補償パルスを付加することを含む。
【0032】
実施例12では、実施例9~11のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、DAC回路の内部にアナログ形態の補償パルスを付加することを含む。
【0033】
実施例13では、実施例9~12のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、DAC回路の出力においてグリッチ補償されたアナログ信号を作り出すために、DAC回路に補償信号を付加することと、グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングすることと、を含む。
【0034】
実施例14では、実施例9~13のうちの1つ又はいずれかの組み合わせの主題は、任意選択的に、システム出力をアナログ-デジタル変換器(ADC)回路の入力に適用し、制御回路にADC回路の出力を提供することと、ADC回路を使用してグリッチ信号をサンプリングし、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出することと、を含む。
【0035】
実施例15では、実施例9~14のうちの1つ又は任意の組み合わせの主題は、任意選択的に、システム出力をアナログ-デジタル変換器(ADC)回路の入力に適用し、制御回路にADC回路の出力を提供することと、DAC入力値の範囲にわたってDAC回路への入力を変更することと、ベースラインサンプリングレートを使用してADC回路の出力をサンプリングして、DAC入力値の範囲にわたってDACベースライン応答を決定することと、DAC入力値の範囲に対してDACグリッチ応答を測定するために、ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいてADC回路の出力をサンプリングすることと、DAC入力値の範囲に対するグリッチ効果を、測定されたDACグリッチ応答とDACベースライン応答との間の差として記録することと、を含む。
【0036】
実施例16では、実施例15の主題は、任意選択的に、DAC回路の遷移のために記録されたグリッチ効果を使用して、DAC回路の遷移がグリッチ信号をもたらすときを検出することを含む。
【0037】
実施例17は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体などの主題を含み(若しくは任意選択的に実施例1~16のうちの1つ又は任意の組み合わせと組み合わせて、そのような主題を含むことができる)、命令は、データ変換器システムの制御回路のプロセッサによって実行されると、制御回路に、ターゲット信号を受信し、デジタル-アナログ変換器(DAC)回路への入力を設定して、ターゲット信号に従ってデータ変換器システムのシステム出力を設定することと、DAC回路の遷移がDAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、グリッチ信号の大きさを低減するために、DAC回路に補償信号を提供することと、を含むアクションを行わせる。
【0038】
実施例18では、実施例17の主題は、任意選択的に、制御回路に、補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0039】
実施例19では、実施例17及び18の一方又は両方の主題は、任意選択的に、制御回路に、データ変換器システムのアナログ-デジタル変換器(ADC)回路からのシステム出力のデジタル値を受信することと、DAC入力値の範囲にわたってDAC回路への入力を変更することと、ベースラインサンプリングレートを使用してADC回路出力をサンプリングして、DAC入力値の範囲にわたってDACベースライン応答を決定することと、DAC入力値の範囲にわたってDAC回路への入力を変更し、ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいてADC回路出力をサンプリングして、DAC入力値の範囲に対するDACグリッチ応答を測定することと、DAC入力値の範囲に対するグリッチ効果を、測定されたDACグリッチ応答とDACベースライン応答との間の差として記録することと、を含むアクションを実行させる命令を更に含む、コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0040】
実施例20では、実施例19の主題は、任意選択的に、グリッチ信号をもたらすDAC回路の遷移を検出することに応答して、補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを行わせる命令を更に含むコンピュータ可読記憶媒体を含み、補償パルスは、DAC回路の遷移のために記録されたグリッチ効果の平均時間値を有する。
【0041】
これらの非限定的な実施例は、任意の置換又は組み合わせで組み合わせることができる。上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照が含まれる。図面は、例解として、本発明を実施することができる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも称される。本書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許文書は、参照により個別に組み込まれたものとして、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。本書と参照により組み込まれた文書との間で使用法が矛盾する場合、組み込まれた参照文書の使用法は本書の使用法を補足するものとみなされるべきであり、相容れない矛盾については本書の使用法が優先される。
【0042】
この文書では、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の事例又は使用法とは関係なく、1つ又は1つ超を含むように使用される。この文書では、「又は」という用語は、特に指定のない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、並びに「A及びB」を含むように、非排他的な「又は」を指すために使用される。添付の特許請求の範囲では、「含む(including)」及び「で(in which)」という用語は、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は制限のないものであり、すなわち、請求項でそのような用語の後に列挙されたものに加えて、要素を含むシステム、デバイス、物品、又はプロセスは、依然としてその特許請求の範囲内にあると考えられる。更に、以下の請求項では、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語、は単にラベルとして使用され、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。本明細書に説明される方法の実施例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータ実装され得る。
【符号の説明】
【0043】
200 電子システム
202 制御回路
204 DAC回路
206 増幅器回路
308 グリッチ
400 電子システム
402 制御回路
412 フィルタ回路
505 波形
510 波形
515 波形
620 波形
625 波形
730 波形
735 波形
800 電子システム
802 制御回路
804 DAC回路
814 回路
1000 閉ループシステム
1002 制御回路
1004 DAC回路
1014 ADC回路
1140 トレース
1145 フィルタリングトレース
1150 フィルタリングトレース
1255 トレース
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子システムであって、
第2の回路に駆動信号を提供するためのデジタル-アナログ変換器(DAC)回路であって、前記第2の回路が、システム出力を提供する、DAC回路と、
制御回路であって、前記DAC回路の入力に接続されており、かつ、
前記制御回路の入力においてターゲット信号を受信し、前記ターゲット信号に従って、前記DAC回路の前記入力に制御回路出力を提供することと、
前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を提供することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、電子システム。
【請求項2】
合計回路ノードを含み、
前記補償信号が、前記合計回路ノードを使用して、前記制御回路の出力と合計され、前記制御回路の前記出力と前記補償信号との前記合計が、前記DAC回路への前記入力に適用される、請求項1に記載の電子システム。
【請求項3】
前記制御回路が、前記補償信号として、前記DAC回路に、デジタル形態の補償パルスを提供するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項4】
前記制御回路が、前記補償信号として、前記DAC回路内部のアナログ回路に、アナログ形態の補償パルスを提供するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項5】
前記DAC回路の前記出力に結合されたフィルタ回路を含み、
前記制御回路が、前記DAC回路に前記補償信号を提供して、前記DAC回路の出力において、グリッチ補償されたアナログ信号を作り出すように構成されており、
前記フィルタ回路が、前記グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングする、請求項1に電子システム。
【請求項6】
前記システム出力に接続されたアナログ-デジタル変換器(ADC)回路を含み、
前記制御回路が、前記制御回路出力を調整して、前記ADC回路の出力と前記ターゲット信号との間の差を低減するように構成されている、請求項1に記載の電子システム。
【請求項7】
前記ADC回路が、
前記グリッチ信号をサンプリングして、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、
前記グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出して、前記DAC回路の前記遷移が前記グリッチ信号をもたらすことを検出することと、を行うように構成されている、請求項6に記載の電子システム。
【請求項8】
前記DAC回路が、バイナリ加重DAC回路である、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項9】
信号アーチファクトを低減するための電子システムのための補償の方法であって、
デジタル-アナログ変換器(DAC)回路の入力を設定して、前記電子システムのシステム出力を設定することと、
制御回路を使用して、前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を付加することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記補償信号を付加することが、前記制御回路の出力及び前記DAC回路への入力において前記補償信号を付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記補償信号を付加することが、前記DAC回路にデジタル形態の補償パルスを付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記補償信号を付加することが、前記DAC回路の内部にアナログ形態の補償パルスを付加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記DAC回路の出力においてグリッチ補償されたアナログ信号を作り出すために、前記DAC回路に補償信号を付加することと、
前記グリッチ補償されたアナログ信号をフィルタリングすることと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記システム出力をアナログ-デジタル変換(ADC)回路の入力に適用し、前記制御回路に前記ADC回路の前記出力を提供することと、
前記ADC回路を使用して前記グリッチ信号をサンプリングし、グリッチ信号インパルス応答を測定することと、
前記DAC回路の前記遷移が前記グリッチ信号をもたらすときを前記検出することが、前記グリッチ信号インパルス応答の大きさが所定のグリッチ閾値を超えるときを検出することと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記システム出力をアナログ-デジタル変換(ADC)回路の入力に適用し、前記制御回路に前記ADC回路の前記出力を提供することと、
DAC入力値の範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更することと、
ベースラインサンプリングレートを使用して前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の範囲に対するDACベースライン応答を決定することと、
前記DAC入力値の前記範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更し、前記ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいて前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の前記範囲に対するDACグリッチ応答を測定することと、
前記DAC入力値の前記範囲に対するグリッチ効果を、前記測定されたDACグリッチ応答と前記DACベースライン応答との間の差として記録することと、を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記DAC回路の前記遷移のために記録されたグリッチ効果を使用して、前記DAC回路の前記遷移がグリッチ信号をもたらすときを検出することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
命令を含むコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、データ変換器システムの制御回路のプロセッサによって実行されると、前記制御回路に、
ターゲット信号を受信し、デジタル-アナログ変換器(DAC)回路への入力を設定して、前記ターゲット信号に従って前記データ変換器システムのシステム出力を設定することと、
前記DAC回路の遷移が前記DAC回路の出力においてグリッチ信号をもたらすときを検出することと、
前記グリッチ信号の大きさを低減するために、前記DAC回路に補償信号を提供することと、を含むアクションを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記制御回路に、前記補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを行わせる命令を含む、請求項17に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記制御回路に、
前記データ変換器システムのアナログ-デジタル変換(ADC)回路から前記システム出力のデジタル値を受信することと、
DAC入力値の範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更することと、
ベースラインサンプリングレートを使用して前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の範囲に対するDACベースライン応答を決定することと、
前記DAC入力値の前記範囲にわたって前記DAC回路への前記入力を変更し、前記ベースラインサンプリングレートよりも高いサンプリングレートにおいて前記ADC回路出力をサンプリングして、前記DAC入力値の前記範囲に対するDACグリッチ応答を測定することと、
前記DAC入力値の前記範囲に対するグリッチ効果を、前記測定されたDACグリッチ応答と前記DACベースライン応答との間の差として記録することと、を含むアクションを行わせる命令を含む、請求項17又は18に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記制御回路に、
グリッチ信号をもたらす前記DAC回路の前記遷移を検出することに応答して、前記補償信号としてデジタル形態の補償パルスを作り出すことを含むアクションを行わせる命令を含み、
前記補償パルスが、前記DAC回路の前記遷移のために記録された前記グリッチ効果の平均時間値を有する、請求項19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】