(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048397
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240401BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166072
(22)【出願日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2022153902
(32)【優先日】2022-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】樫本 寛子
(72)【発明者】
【氏名】久木田 知美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】ユーザが空調機器の設置を希望する箇所に基づく機種の提案が可能であるプログラム等を提供する。
【解決手段】本開示の第1の態様に係るプログラムは、空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する処理をコンピュータに実行させる。本開示によれば、ユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記空間情報は、前記空間の形状に関する情報を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記空間情報は、前記空間における窓の位置、前記空間の広さ、前記空間の間取り、前記空間を備える建物が存在する地域、前記建物の種類、または前記建物内における前記空間の位置に関する情報を含む
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記空間情報は、前記空間の用途に関する情報を含む
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の気流性能に基づき、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記推奨空調機器を特定した理由を出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記空間の形状が所定形状である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記空間の用途が所定用途である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記推奨空調機器に加えて、さらに設置を推奨するエアーコンディショナー、空気清浄機、サーキュレータ、扇風機、またはファンを含む推奨付帯機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨付帯機器の推奨設置箇所を特定する
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の性能をシミュレーターに入力し、
前記シミュレーターから得られる前記空間内の温度、湿度、または気流の状態に基づいて、前記推奨空調機器を特定する
請求項1また2に記載のプログラム。
【請求項12】
前記空間情報及び前記設置位置を入力した場合に前記推奨空調機器を出力するように学習された学習モデルに、前記空間情報及び前記設置位置を入力し、前記推奨空調機器を出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項13】
前記空間の形状を示す、相互に形状が異なる複数の空間形状を示すアイコンを含むアイコン群を選択可能に出力し、
選択された前記空間形状に対応する前記空間の平面図形を出力し、
出力した前記平面図形上において前記空調機器の前記設置位置の入力を受け付け、
受け付けた前記設置位置に前記空調機器のアイコンを出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項14】
前記空間の撮影画像を取得し、
取得した前記撮影画像に基づいて、前記空間の形状及び容積を含む前記空間情報を推定し、
推定した前記空間情報、及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記撮影画像内において、前記空調機器の設置可能位置を出力し、
前記設置可能位置内において前記設置位置の入力を受け付け、
推定した前記空間情報、及び入力を受け付けた前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記空間の撮影画像を取得し、
前記撮影画像内に、特定された前記推奨空調機器の仮想オブジェクトをAR表示する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項17】
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器が前記空間に設置された場合の前記空間における快適性を評価し、
評価された快適性に基づいて、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項18】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
情報処理方法。
【請求項19】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
制御部
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが空調機(空調機器)を購入する際の機種の選定を支援するシステムが提案されている。例えば、特許文献1に記載のシステムは、入力された設置室(空間)情報に基づいて好適機種と、設置好適位置情報とを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、ユーザが空調機器の設置を希望する箇所に基づいて機種の提案がなされない。
【0005】
本開示の目的は、ユーザが空調機器の設置を希望する箇所に基づく機種の提案が可能であるプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係るプログラムは、空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
本開示によれば、ユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0008】
本開示の第2の態様に係るプログラムは、第1の態様に係るプログラムであって、前記空間情報は、前記空間の形状に関する情報を含む。
【0009】
本開示によれば、空間の形状に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0010】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、第1の態様または第2の態様に係るプログラムであって、前記空間情報は、前記空間における窓の位置、前記空間の広さ、前記空間の間取り、前記空間を備える建物が存在する地域、前記建物の種類、または前記建物内における前記空間の位置に関する情報を含む。
【0011】
本開示によれば、前記空間における窓の位置、前記空間の広さ、前記空間の間取り、前記空間を備える建物が存在する地域、前記建物の種類、または前記建物内における前記空間の位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0012】
本開示の第4の態様に係るプログラムは、第1~第3の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間情報は、前記空間の用途に関する情報を含む。
【0013】
本開示によれば、空間の用途に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0014】
本開示の第5の態様に係るプログラムは、第1~第4の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の気流性能に基づき、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する。
【0015】
本開示によれば、ユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して適切な性能を有する空調機器の機種を提案することが可能である。
【0016】
本開示の第6の態様に係るプログラムは、第1~第5の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記推奨空調機器を特定した理由を出力する。
【0017】
本開示によれば、推奨空調機器に対するユーザの納得度を高め、購買意欲を高めることが可能である。
【0018】
本開示の第7の態様に係るプログラムは、第1~第6の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間の形状が所定形状である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する。
【0019】
本開示によれば、空間の形状が、空調機器の気流が届き難い箇所を有する形状である場合に、より効果的に空調を行える空調機器の機種を提案することが可能である。
【0020】
本開示の第8の態様に係るプログラムは、第1~第7の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間の用途が所定用途である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する。
【0021】
本開示によれば、空間の用途が、ユーザの所在場所が限られる用途である場合に、より効果的に空調を行える空調機器の機種を提案することが可能である。
【0022】
本開示の第9の態様に係るプログラムは、第1~第8の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記推奨空調機器に加えて、さらに設置を推奨するエアーコンディショナー、空気清浄機、サーキュレータ、扇風機、またはファンを含む推奨付帯機器を特定する。
【0023】
本開示によれば、推奨空調機器の空調性能をより効率的に発揮可能な方法を提案することが可能である。
【0024】
本開示の第10の態様に係るプログラムは、第9の態様に係るプログラムであって、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨付帯機器の推奨設置箇所を特定する。
【0025】
本開示によれば、推奨空調機器の空調性能をより効率的に発揮可能な方法を提案することが可能である。
【0026】
本開示の第11の態様に係るプログラムは、第1~第10の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の性能をシミュレーターに入力し、
前記シミュレーターから得られる前記空間内の温度、湿度、または気流の状態に基づいて、前記推奨空調機器を特定する。
【0027】
本開示によれば、より高い精度でユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0028】
本開示の第12の態様に係るプログラムは、第1~第10の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間情報及び前記設置位置を入力した場合に前記推奨空調機器を出力するように学習された学習モデルに、前記空間情報及び前記設置位置を入力し、前記推奨空調機器を出力する。
【0029】
本開示によれば、より高い精度でユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0030】
本開示の第13の態様に係るプログラムは、第1~第12の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間の形状を示す、相互に形状が異なる複数の空間形状を示すアイコンを含むアイコン群を選択可能に出力し、選択された前記空間形状に対応する前記空間の平面図形を出力し、出力した前記平面図形上において前記空調機器の前記設置位置の入力を受け付け、受け付けた前記設置位置に前記空調機器のアイコンを出力する。
【0031】
本開示によれば、ユーザによる空間情報の入力をより簡便にすることが可能である。
【0032】
本開示の第14の態様に係るプログラムは、第1~第13の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間の撮影画像を取得し、取得した前記撮影画像に基づいて、前記空間の形状及び容積を含む前記空間情報を推定し、推定した前記空間情報、及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する。
【0033】
本開示によれば、ユーザによる空間情報の入力を省略し、空調機器の機種を提案することが可能である。
【0034】
本開示の第15の態様に係るプログラムは、第14の態様に係るプログラムであって、前記撮影画像内において、前記空調機器の設置可能位置を出力し、前記設置可能位置内において前記設置位置の入力を受け付け、推定した前記空間情報、及び入力を受け付けた前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する。
【0035】
本開示によれば、ユーザによる空調機器の設置位置の入力をより簡便にすることが可能である。
【0036】
本開示の第16の態様に係るプログラムは、第1~第15の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間の撮影画像を取得し、前記撮影画像内に、特定された前記推奨空調機器の仮想オブジェクトをAR表示する。
【0037】
本開示によれば、ユーザに対して、推奨空調機器を設置位置に設置した際のイメージを提供し、購買意欲を高めることが可能である。
【0038】
本開示の第17の態様に係るプログラムは、第1~第16の態様のいずれか1つに係るプログラムであって、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器が前記空間に設置された場合の前記空間における快適性を評価し、評価された快適性に基づいて、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する。
【0039】
本開示によれば、より高い精度でユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0040】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する。
【0041】
本開示によれば、ユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【0042】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、前記空調機器の前記空間における設置位置を取得し、前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する制御部を備える。
【0043】
本開示によれば、ユーザが空調機器の設置を希望する空間及び空間における設置位置に対して好適な空調機器の機種を提案することが可能である。
【発明の効果】
【0044】
本開示の一態様によるプログラムによれば、ユーザが空調機器の設置を希望する箇所に基づく機種の提案が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】実施形態1に係る空調機器推奨システムの構成を示す説明図である。
【
図2】実施形態1に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図4】ユーザ端末における空間情報及び設置位置の入力受付画面の一例を示す説明図である。
【
図5】ユーザ端末における空間情報及び設置位置の入力受付画面の一例を示す説明図である。
【
図6】推奨空調機器出力画面の一例を示す説明図である。
【
図7】空調機器テーブルの一例を示す説明図である。
【
図8】必要能力算出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】概算負荷テーブルの一例を示す説明図である。
【
図10】実施形態1に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】必要機能テーブルの一例を示す説明図である。
【
図13】実施形態2に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図14】空調機器推奨モデルの一例を示す説明図である。
【
図15】実施形態2に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】実施形態3に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図17】付帯機器テーブルの一例を示す説明図である。
【
図18】推奨付帯機器表示画面の一例を示す説明図である。
【
図19】実施形態3に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態4に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図21】実施形態4に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】実施形態5に係る情報処理装の構成例を示すブロック図である。
【
図23】実施形態5に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図25】物体検出モデルの一例を示す説明図である。
【
図26】実施形態5に係る設置位置入力受付画面の一例を示す説明図である。
【
図27】実施形態5に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】実施形態6に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図29】実施形態6に係る空調機器テーブルの一例を示す説明図である。
【
図30】空調機器のAR表示を説明する説明図である。
【
図31】実施形態7に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図32】実施形態7に係る情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る空調機器推奨システムSの構成を示す説明図である。空調機器推奨システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2とを備える。情報処理装置1は、広域無線通信によるネットワークNを介してユーザ端末2と互いに通信可能である。ユーザ端末2は、空調機器の購入またはリースを検討するユーザが所持する端末であり、ユーザが空調機器の設置を希望する空間(部屋)に関する空間情報、及びユーザが空間において空調機器の設置を希望する位置(設置位置)の入力を受け付ける。また、ユーザ端末2は、ネットワークNを介して、入力を受け付けた空間情報及び設置位置を情報処理装置1に送信する。空間情報及び設置位置を受信した情報処理装置1は、受信した空間情報及び設置位置に基づいてユーザに購入またはリースを推奨する推奨空調機器を特定し、特定した推奨空調機器に関する情報をユーザ端末2に送信する。本実施形態において、空調機器はエアーコンディショナーを指すものとして以下の説明を行う。なお、以下に説明する情報処理装置1の処理の一部または全部をユーザ端末2が実行してもよい。
【0047】
図2は、実施形態1に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータであり、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、または量子プロセッサ等により構成されており、記憶部12に予め記憶されたプログラムP(プログラム製品)及びデータベースを読み出して実行することにより、種々の制御処理、演算処理等を行う。なお情報処理装置1の外部にデータベースサーバ等を設け、該データベースサーバ等からデータベースを読み出してもよい。また、情報処理装置1は、複数のサーバ装置またはコンピュータによりその機能が実現されるものであってもよい。また、情報処理装置1は、ブロックチェーン上のノードに対応するものでもよい。
【0048】
情報処理装置1の記憶部12は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリである。記憶部12には、プログラムP、空調機器テーブル121、概算負荷テーブル122、必要機能テーブル123、及び理由テーブル124が記憶されている。なお、プログラムPは、コンピュータが読み取り可能に記憶した記憶媒体12aを用いて情報処理装置1に提供されてもよい。記憶媒体12aは、例えば可搬型メモリである。可搬型メモリの例として、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード、マイクロSDカード又はコンパクトフラッシュメモリ(登録商標)等が挙げられる。記憶媒体12aが可搬型メモリである場合、制御部11の処理素子は、図示しない読取装置を用いて記憶媒体12aからプログラムPを読み取ってもよい。読み取ったプログラムPは記憶部12に書き込まれる。更に、プログラムPは、通信部13が外部装置と通信することによって、情報処理装置1に提供されてもよい。空調機器テーブル121、概算負荷テーブル122、必要機能テーブル123、及び理由テーブル124の詳細については後述する。
【0049】
通信部13は、有線又は無線によりユーザ端末2と通信するための通信モジュール又は通信インターフェイスであり、例えばLTE(登録商標)、4G、または5G等の広域無線通信モジュールである。制御部11は、通信部13を介し、例えばインターネットなどの外部のネットワークNを通じて、ユーザ端末2と通信を行う。
【0050】
図3は、実施形態1に係るユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、またはパーソナルコンピュータ等である。なお、本実施形態においては、ユーザ端末2はスマートフォンである例について説明を行う。ユーザ端末2は、端末制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、表示部25とを備える。端末制御部21は、CPU又はMPU等により構成されており、種々の制御処理、演算処理等を行う。
【0051】
記憶部22は、空間情報の入力を受け付け、推奨空調機器をユーザに提示するアプリケーションのアプリプログラムPaを記憶している。アプリプログラムPaは、例えば、記憶媒体22aを用いてユーザ端末2に提供される。なお、ユーザ端末2の端末制御部21は、インターネットを用いてアプリプログラムPaを取得し、記憶部22に記憶させてもよい。
【0052】
通信部23は、無線により情報処理装置1と通信するための通信モジュール又は通信インターフェイスである。端末制御部21は、通信部23を介し、外部のネットワークNを通じて、情報処理装置1と通信を行う。
【0053】
入力部24は、ユーザが空調機器の設置を希望する部屋に関する空間情報、及び該部屋においてユーザが空調機器の設置を希望する位置(設置位置)の入力を受け付ける。
【0054】
表示部25は、空間情報及び設置位置の入力を受け付ける入力受付画面、及び情報処理装置1から受信した、推奨空調機器に関する情報を表示する推奨画面を表示する。なお、本実施形態において、ユーザ端末2はスマートフォンであり、入力部24及び表示部25はタッチパネルによって一体として構成される。制御部11は、入力部24を介して、部屋の形状、部屋の広さ、部屋の用途、窓の位置、部屋の間取り、部屋に対する方角部屋を備える建物の種類、該建物内における部屋の位置(階数)、または該建物が存在する地域を含む空間情報、及び空調機器の設置位置の入力を受け付ける。
【0055】
図4及び
図5は、ユーザ端末2における空間情報及び設置位置の入力受付画面の一例を示す説明図である。ユーザ端末の端末制御部21は、アプリプログラムPaが起動されると、
図4Aに示す画面を表示部25に表示させる。なお、端末制御部21は、Webベースによって表示部25に以下に説明する画面を表示させてもよい。
図4Aは、部屋の形状、部屋の広さ、及び部屋の用途の入力受付画面を示す。ユーザ端末2の端末制御部21は、
図4Aに示す入力受付画面において、部屋の形状を示す、相互に形状が異なる複数の空間形状を示すアイコンを含むアイコン群IGを選択可能に出力する。本例において、アイコン群IGは、細長い部屋アイコン、長方形部屋アイコン、正方形部屋アイコン、L字型部屋アイコン、台形部屋アイコン、2部屋使用アイコン、及びその他アイコンを含む。なお、その他アイコンが選択された場合、端末制御部21は、入力部24を介して部屋の形状を手書き入力によって受け付けてもよい。また、端末制御部21は、部屋の広さの入力を受け付ける広さ入力欄と、部屋の用途の選択を受け付ける用途選択欄とを出力する。端末制御部21は、例えば、広さ入力欄において部屋の畳数の入力を受け付ける。なお、端末制御部21は、平米の数値の入力を受け付けてもよい。また、端末制御部21は、用途選択欄において、LDK、DK、L、寝室、書斎、または客間などの選択肢から、ユーザによる用途の選択を受け付ける。端末制御部21は、
図4Aにおいて部屋の形状の選択、部屋の広さの入力、及び部屋の用途の入力を、入力部24を通じて受け付け、「次へ」コマンドが選択されると、
図4Bに示す入力受付画面を表示部25に表示させる。
【0056】
図4Bは、部屋における窓の位置の入力を受け付ける入力受付画面を示す。ユーザ端末2の端末制御部21は、
図4Aに示す入力受付画面において選択を受け付けた部屋の形状に対応する部屋の平面図形を出力する。端末制御部21は、部屋の形状を手書き入力によってユーザは、出力された平面図形の辺のうち一部をなぞることにより、窓の位置の入力が可能である。端末制御部21は、窓の位置の入力を受け付け、「OK」コマンドが選択されると、
図4Cに示す設置位置入力受付画面を表示部25に表示させる。
【0057】
図4Cは、設置位置入力受付画面を示す。ユーザ端末2の端末制御部21は、
図4Aに示す入力受付画面において選択を受け付けた部屋の形状に対応する部屋の平面図形を出力する。なお、端末制御部21は、
図4Cに示すように、
図4Bに示す入力受付画面において入力を受け付けた窓の位置を表示してもよい。ユーザは、出力された平面図形の一部をタッチすることにより、空調機器の設置位置を入力することが可能である。端末制御部21は、空調機器の設置位置の入力を受け付けると、
図4Dに示す入力受付画面を表示部25に表示させる。
【0058】
図4Dは、部屋の間取りの入力を受け付ける入力受付画面を示す。端末制御部21は、
図4Aに示す入力受付画面において選択を受け付けた部屋の形状に対応する部屋の平面図形を出力する。なお、端末制御部21は、
図4Dに示すように、
図4Bに示す入力受付画面において入力を受け付けた窓の位置、及び
図4Cに示す設置位置入力受付画面において入力を受け付けた空調機器の設置位置を表示してもよい。ユーザは、平面図形の一部をなぞることにより、吹き抜けまたはロフトが存在する位置(間取り)を入力することが可能である。端末制御部21は、間取りの入力を受け付け、「OK」コマンドが選択されると、
図5Aに示す入力受付画面を表示部25に表示させる。
【0059】
図5Aは、部屋に対する方角の入力を受け付ける入力受付画面を示す。端末制御部21は、
図4Aに示す入力受付画面において選択を受け付けた部屋の形状に対応する部屋の平面図形を出力する。なお、端末制御部21は、
図5Aに示すように、
図4Bに示す入力受付画面において入力を受け付けた窓の位置、及び
図4Cに示す設置位置入力受付画面において入力を受け付けた空調機器の設置位置を表示してもよい。また、端末制御部21は、例えば、16方位を示すアイコンを、1方位を選択可能に出力する。ユーザは16方位のアイコンのうち、北の方角にあたる方位を選択可能である。なお、端末制御部21は、例えば、南の方角にあたる方位の選択を受け付けてもよい。端末制御部21は、1方位が選択され、部屋に対する方角の入力を受け付け、「OK」コマンドが選択されると、
図5Bに示す入力受付画面を表示部25に表示させる。
【0060】
図5Bは、部屋を備える建物の種類、該建物内における部屋の位置(階数)、及び該建物が存在する地域の入力を受け付ける入力受付画面である。端末制御部21は、建物の種類の入力を受け付ける種類入力欄、部屋の階数の入力を受け付ける階数入力欄、及び建物の存在する地域の入力を受け付ける地域入力欄を出力する。なお、本実施形態において、種類入力欄、及び地域入力欄は、ユーザが複数の選択肢から選択して入力が可能な様態で表示される。地域入力欄においては、郵便番号の入力を受け付けてもよい。端末制御部21は、「判定」コマンドが選択されると、
図4及び
図5に示す入力受付画面において入力を受け付けた空間情報及び設置位置を情報処理装置に送信する。
【0061】
図6は、推奨空調機器出力画面の一例を示す説明図である。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末から空間情報と設置位置とを受信(取得)すると、取得した空間情報及び設置位置に基づき、ユーザに設置を推奨する推奨空調機器を特定する。推奨空調機器を特定する詳細な方法については後述する。制御部11は、特定した推奨空調機器に関する情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、推奨空調機器に関する情報を受信(取得)すると、推奨空調機器出力画面に、取得した推奨空調機器に関する情報を表示する。具体的には、
図6に示すように、推奨空調機器の外観図、機種名、販売価格、及び推奨空調機器を特定した理由(おすすめの理由)が推奨空調機器出力画面に表示される。なお、推奨空調機器出力画面には、推奨度が高い順に、複数の空調機器が推奨空調機器として出力されてもよい。
【0062】
図7は、空調機器テーブル121の一例を示す説明図である。空調機器テーブル121には、推奨空調機器の候補となる候補空調機器の性能が記憶されている。空調機器テーブル121の管理項目(フィールド)は、例えば、機種名フィールド、販売価格フィールド、能力フィールド、気流到達距離フィールド、上下気流拡散角度フィールド、左右気流拡散角度フィールド、サーキュレーション気流フィールド、温度センシング機能フィールド及び人検知機能フィールドを含む。機種名フィールドには、空調機器の機種名が格納される。販売価格フィールドには、空調機器の販売価格が格納されている。能力フィールドには、空調機器の空調能力が格納される。空調能力は、空調機器が単位時間当たりに空間内から除去する、または加えることが可能な熱量を示す。気流到達フィールドには、空調機器が気流を到達させることが可能な距離が格納される。上下気流拡散角度フィールドには、空調機器が気流を拡散させることが可能な上下方向の角度が格納される。左右気流拡散角度フィールドには、空調機器が気流を拡散させることが可能な左右方向の角度が格納される。サーキュレーション気流フィールドには、空調機器のサーキュレーション気流制御機能の有無が格納される。サーキュレーション気流制御とは、気流を壁又は天井に沿って回り込ませる制御である。温度センシング機能フィールドには、温度センシング機能の有無が格納されている。温度センシング機能は、空間内の温度ムラを検知する機能である。人検知機能フィールドには、空調機器の人検知機能の有無が格納される。人検知機能は、空間内にいる人を検知する機能であり、空間内の人の位置または動きに応じて気流制御を変更するための機能である。人検知機能は、例えば、ドップラーセンサまたは画像処理によって実現される。なお、人検知機能は、温度センシングによって実現されるものであってもよい。
【0063】
情報処理装置1の制御部11は、空調機器テーブル121に格納されている空調機器を、推奨空調機器の候補となる候補空調機器として、候補空調機器の中から推奨空調機器を特定する。
【0064】
図8は、必要能力算出処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、概算負荷テーブル122の一例を示す説明図である。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2から空間情報を取得する(S1)。制御部11は、概算負荷テーブル122を参照し、空間情報に含まれる部屋の用途及び建物内における部屋の位置(階数)に基づいて部屋の概算負荷を特定する(S2)。概算負荷テーブル122の管理項目(フィールド)は、例えば、用途フィールドと、階数フィールドと、概算負荷フィールドとを含む。用途フィールドには、部屋の用途が格納される。階数フィールドには、部屋が存在する階数が格能される。概算負荷フィールドには、1m2 あたりの熱の概算負荷が格納される。制御部は、例えば用途がLDK、階数が最上階であった場合、140W/m2 を概算負荷に特定する。
【0065】
制御部11は、概算負荷に部屋の広さを乗算し、部屋の熱負荷を算出する(S3)。なお、制御部11は、例えば、一畳を2m2 として乗算を行う。制御部11は、建物の種類が高気密高断熱住宅であるか否かを判定し(S4)、高気密高断熱住宅である場合(S4:YES)、S3において算出した熱負荷に0.8を乗算して補正する(S5)。高気密高断熱住宅でない場合(S4:NO)、制御部11は熱負荷に1.0を乗算して補正する
(S6)。制御部11は、空間情報に含まれる窓の位置及び部屋に対する方角に基づいて、窓が南方向にあるか否かを判定する(S7)。窓が南側にある場合(S7:YES)、制御部11は、S5またはS6において補正後の熱負荷に1.2を乗算して補正を行う(S8)。窓が南側にない場合、制御部11は、S5またはS6において補正後の熱負荷に1.0を乗算して補正する(S9)。制御部11は、S8またはS9において補正した熱負荷を推奨空調機器に必要な空調能力に決定し(S10)、処理を終了する。
【0066】
図10は、実施形態1に係る情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。
図11は、必要機能テーブル123の一例を示す説明図である。
図12は、理由テーブル124の一例を示す説明図である。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び設置位置が送信されると以下の処理を開始する。制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び設置位置を取得する(S11)。制御部11は、空間情報に基づいて、ユーザが空調機器の設置を希望する部屋に必要な空調機器の空調能力を、
図8に示す方法によって算出する(S12)。
【0067】
制御部11は、空調機器テーブル121を参照し、S12において算出された空調能力以上の空調能力を有する候補空調機器を抽出する(S13)。なお、空調機器テーブル121に格納されるすべての候補空調機器を第1候補空調機器とし、S13において抽出された候補空調機器を第2候補空調機器とする。制御部11は、空間情報に含まれる部屋の広さ及び部屋の形状と、設置位置とに基づき、空調機器の設置位置から最も遠い部屋内の箇所までの距離、及び左右角度を算出する(S14)。制御部11は、S14において算出した距離以上の気流到達距離を有し、かつ、左右気流拡散角度内にS14において算出した左右角度が含まれる候補空調機器(第3候補空調機器)を第2候補空調機器から抽出する(S15)。なお、制御部11は、気流到達距離、または左右気流拡散角度のどちらか一方が条件に合致する候補空調機器を抽出してもよい。また、制御部11は、空間情報、設置位置、気流到達距離、左右気流拡散角度に基づいて、部屋の内部において気流が到達する領域の割合を算出し、該割合が一定値以上である候補空調機器を抽出してもよい。
【0068】
制御部11は、空間情報に含まれる部屋の形状、及び部屋の用途に基づき、必要機能テーブル123(
図11参照)を参照して、推奨空調機器に必要な機能を特定する(S16)。必要機能テーブル123の管理項目(フィールド)は、例えば、機能フィールドと、推奨条件フィールドとを含む。機能フィールドには、推奨空調機器に必要とされる可能性のある機能が格納される。推奨条件フィールドには、各機能が推奨空調機器に必要とされる空間情報の条件が格納される。なお、推奨条件フィールドに複数の条件が格納されている場合、各条件はOR条件である。制御部11は、例えば、部屋の内部において、空調機器から死角となる箇所がある場合、あるいは吹き抜けまたはロフトが存在する場合、サーキュレーション気流機能を必要な機能に特定する。部屋の形状が細長い、L字型、または2部屋使用(所定形状)である場合、制御部11は、温度センシング機能を必要な機能に特定する。部屋の用途がキッチンまたは寝室等の人の所在場所が限定される用途(所定用途)である場合、制御部11は、人検知機能を必要な機能に特定する。なお、複数の機能が必要な機能として特定される場合もある。また、条件に対して必要とされる機能はこれに限られず、例えば、部屋の形状が細長い、L字型、または2部屋使用(所定形状)である場合、必要な機能として人検知機能が特定されてもよい。また、部屋の用途がキッチンまたは寝室等の人の所在場所が限定される用途(所定用途)である場合、必要な機能として温度センシング機能が特定されてもよい。制御部11は、第3候補空調機器のうち、S16において特定した必要な機能を備える空調機器を推奨空調機器に特定する(S17)。なお、制御部11は、該当する第3候補空調機器が複数ある場合、該複数の第3候補空調機器のうち、空調能力が一番低い候補空調機器を推奨空調機器に特定する。
【0069】
制御部11は、S17において推奨空調機器を特定後、理由テーブル124(
図12参照)を参照して、ユーザ端末2に送信する推奨空調機器を特定した理由を選定する(S18)。理由テーブルの管理項目(フィールド)は、例えば、理由フィールドと、条件フィールドとを含む。理由フィールドには、ユーザ端末2に送信(出力)される理由の文章の基になるテンプレートが格納される。条件フィールドには、理由フィールドに格納されているテンプレートがユーザ端末2に出力されるための空間情報の条件が格納されている。制御部11は、理由テーブル124を参照し、取得した空間情報に対応する理由を選定する。
【0070】
制御部11は、推奨空調機器及びS18において選定した理由をユーザ端末2に出力(送信)し(S19)、処理を終了する。なお、S18において複数の理由のテンプレートが選定されている場合、制御部11は、該複数のテンプレートを複合した文章を理由としてユーザ端末2に送信する。
【0071】
以上の構成及び処理によれば、ユーザが希望する空調機器の設置位置に基づいて、好適な空調機器を推奨空調機器として特定し、出力することが可能である。また、推奨空調機器を特定した理由を出力することが出来るので、ユーザの空調機器の購買意欲を高めることが可能である。
【0072】
(実施形態2)
実施形態2に係る情報処理装置1の記憶部12は、取得した空間情報及び設置位置を入力すると、候補空調機器それぞれが推奨空調機器となる確度を出力する学習モデルである、空調機器推奨モデルM1を記憶している。制御部11は、空調機器推奨モデルM1に空間情報及び設置位置を入力し、出力された確度が一番高い候補空調機器を推奨空調機器とする。
【0073】
図13は、実施形態2に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施形態2に係る記憶部12は、空調機器推奨モデルM1を記憶している。空調機器推奨モデルM1は、制御部11に読み出されて用いられるものであり、演算処理能力を有する制御部11によって実行されることによってシステムが構成される。
【0074】
図14は、空調機器推奨モデルM1の一例を示す説明図である。空調機器推奨モデルM1は、空間情報及び設置位置を入力データとして、各候補空調機器が推奨空調機器となる確度を出力する。なお、空間情報に含まれる部屋の形状及び窓の位置と、吹き抜けまたはロフトの位置(部屋の間取り)と、空調機器の設置位置とは、
図4B、
図4C、及び
図4Dに示す画面において入力を受け付けた際の平面図形の画像データとして空調機器推奨モデルM1に入力される。なお、部屋の形状及び窓の位置と、吹き抜けまたはロフトの位置
(部屋の間取り)と、空調機器の設置位置とは、平面図形における座標値によって空調機器推奨モデルM1に入力されてもよい。
【0075】
空調機器推奨モデルM1は、例えばニューラルネットワークを用いた機械学習により生成されている。ただし機械学習はニューラルネットワーク以外の手法により行われてもよい。例えば、LSTM(Long Short Term Memory)、Transformer、SVM(Support Vector Machine)、決定木、XGBoost(eXtreme Gradient Boosting)、LGBoost(Light Gradient Boosting)又はk近傍法等の種々の機械学習の方法が採用され得る。
【0076】
空調機器推奨モデルM1に含まれる入力層は、空間情報に含まれる各情報及び設置位置を受け付ける複数のニューロンを有し、入力された空間情報に含まれる各情報及び設置位置を中間層に受け渡す。中間層は、空間情報に含まれる各情報及び設置位置の特徴量を抽出する複数のニューロンを有し、抽出した特徴量を出力層に受け渡す。出力層は、中間層から出力された特徴量に基づいて、候補空調機器が推奨空調機器となる確度を出力する。空調機器推奨モデルM1は、過去に購入された空調機器が設置された部屋の空間情報及び設置位置と、空調機器の機種名とを紐づけた訓練データを用いて学習される。
【0077】
情報処理装置1の制御部11は、空調機器推奨モデルM1によって各候補空調機器が推奨空調機器となる確度を出力後、該確度が一番高い候補空調機器を推奨空調機器に特定し、ユーザ端末2に送信(出力)する。本例においては、機種:B002の確度が最も高いため、制御部11は、機種:B002の候補空調機器を推奨空調機器に特定する。なお、制御部11は、空調機器推奨モデルM1に入力される空間情報に含まれる各情報の寄与度を算出することにより、出力される確度に最も寄与した情報を特定し、該当情報を、推奨空調機器を特定した理由としてユーザ端末2に送信(出力)してもよい。寄与度の算出方法は限定されるものではないが、例えばSHAP(SHapley Additive exPlanation)、LIME(Local Interpretable Model-Agnostic Explanations)、またはAttention機構等を利用することができる。情報の寄与度が大きいほど、確度の出力に及ぼす影響が大きいことを示す。
【0078】
図15は、実施形態2に係る情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び設置位置を取得する(S21)。制御部11は、空間情報及び設置位置を空調機器推奨モデルM1に入力する(S22)。制御部11は、各候補空調機器が推奨空調機器となる確度を出力する(S23)。制御部11は、確度が最も高い候補空調機器を推奨空調機器に特定する(S24)。制御部11は、S24において特定した推奨空調機器をユーザ端末2に送信(出力)し(S25)、処理を終了する。
【0079】
(実施形態3)
実施形態3に係る情報処理装置1の制御部11は、推奨空調機器を特定する際に、空間情報に基づいて、ユーザに対して推奨空調機器を補助するための付帯機器を特定し、推奨付帯機器とする。付帯機器は、例えば、エアーコンディショナー、空気清浄機、サーキュレータ、扇風機、またはファンを含む。また、制御部11は、空間情報及び設置位置に基づいて推奨付帯機器の推奨設置位置を特定する。
【0080】
図16は、実施形態3に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施形態3に係る情報処理装置1の記憶部12は、付帯機器テーブル125を記憶している。
【0081】
図17は、付帯機器テーブル125の一例を示す説明図である。付帯機器テーブル125の管理項目(フィールド)は、付帯機器名フィールドと、推奨条件フィールドと、設置箇所条件フィールドとを含む。付帯機器名フィールドには、推奨付帯機器の候補となる候補付帯機器の製品名が格納される。なお、付帯機器名フィールドには、候補付帯機器の機種名が格納されてもよい。推奨条件フィールドには、候補付帯機器が推奨付帯機器として特定されるための条件が格納されている。なお、本実施形態における付帯機器テーブル125の推奨条件フィールドにおいて、条件が複数ある場合、各条件はAND条件である。設置箇所条件フィールドには、推奨付帯機器となる候補付帯機器が設置される箇所の条件が格納されている。
【0082】
情報処理装置1の制御部11は、付帯機器テーブル125を参照し、ユーザ端末2において入力を受け付けた空間情報が推奨条件フィールドに格納されている条件に合致する候補付帯機器を推奨付帯機器に特定する。なお、空間情報がいずれの候補付帯機器の条件にも合致しない場合、制御部11は、推奨付帯機器がないものとする。また、制御部11は、空間情報に含まれる部屋の形状と、空調機器の設置位置に基づいて、部屋の形状を示す平面図形において、推奨付帯機器となった付帯機器の設置箇所条件フィールドに格納されている条件に合致する箇所を、推奨設置箇所に特定する。
【0083】
図18は、推奨付帯機器表示画面の一例を示す説明図である。ユーザ端末2の端末制御部21は、情報処理装置から受信した推奨付帯機器と、空調機器の設置位置及び推奨付帯機器の推奨設置箇所を表示した空間の形状を示す平面図形を表示部25に表示させる。
【0084】
端末制御部21は、例えば、推奨付帯機器表示画面において、推奨付帯機器の名称と、画像を表示部25に表示させる。
図18に示す例においては、扇風機が推奨付帯機器として表示されている。
【0085】
端末制御部21は、推奨付帯機器表示画面において、入力受付画面において選択を受け付けた部屋の形状を示す平面図を出力する。さらに、端末制御部21は、情報処理装置1から受信した推奨設置箇所の座標に基づき、該平面図上に、推奨設置箇所を表示する。
図18に示す例においては、星印によって推奨設置箇所が示されている。
【0086】
図19は、実施形態3に係る情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び空調機器の設置位置を取得する(S31)。制御部11は、付帯機器テーブル125を参照し、取得した空間情報が推奨条件フィールドに格納される条件に合致する候補付帯機器を推奨付帯機器に特定する
(S32)。制御部11は、空間情報に含まれる部屋の形状と、空調機器の設置位置に基づいて、部屋の形状を示す平面図形において、推奨付帯機器となった付帯機器の設置箇所条件フィールドに格納されている条件に合致する箇所を、推奨設置箇所に特定する(S33)。制御部11は、推奨付帯機器及び推奨設置箇所をユーザ端末2に送信し(S34)、処理を終了する。
【0087】
本実施形態において、情報処理装置1の制御部11は、付帯機器テーブル125を参照することによって推奨付帯機器及び推奨設置箇所を特定したが、推奨付帯機器及び推奨設置箇所を特定する方法はこれに限られない。例えば、制御部11は、空間情報、推奨空調機器に関する情報、または空調機器の設置位置を入力すると各候補付帯機器が推奨付帯機器となる確度を出力する学習モデルによって推奨付帯機器を特定してもよい。なお、空調機器推奨モデルM1によって付帯機器は特定されてもよい。また、空間情報、空調機器の設置位置、推奨空調機器に関する情報、または推奨付帯機器に関する情報を入力すると部屋内における推奨付帯機器の推奨設置箇所の座標を出力する学習モデルによって推奨設置箇所を特定してもよい。なお、制御部11は、GAN(Generative Adversarial Networks)、またはU―NETなどの画像生成が可能な学習モデルにより、部屋の平面図形上に推奨設置箇所を表示した画像を生成することによって推奨設置箇所を特定してもよい。
【0088】
(実施形態4)
実施形態4に係る情報処理装置1の制御部11は、空間情報、設置位置、及び候補空調機器の性能に基づいて、ユーザが空調機器の設置を希望する部屋に各候補空調機器に設置した場合の温度分布、湿度分布、または気流をシミュレーションし、シミュレーション結果が最も好適な候補空調機器を推奨空調機器に特定する。
【0089】
図20は、実施形態4に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施形態4に係る情報処理装置1の記憶部12は、シミュレーションプログラムPs(シミュレーター)を記憶している。シミュレーションプログラムPsは制御部11によって実行され、空間情報、設置位置、及び候補空調機器の性能の入力を受け付けると、温度分布解析、湿度分布解析、または気流解析を含むシミュレーションを行う。なお、シミュレーションプログラムPsは、LSTMなどの時系列データを入力データとして出力可能な学習モデルによるものでも良い。
【0090】
制御部11は、ユーザ端末2から取得した空間情報及び設置位置と、空調機器テーブル121に格納されている候補空調機器の性能をシミュレーションプログラムに入力し、シミュレーション結果を出力する。シミュレーション結果には、温度分布解析結果、湿度分布解析結果、または気流解析結果が含まれる。制御部11は、例えば、シミュレーション結果に基づき、部屋内の温度分布のバラつきを示す温度分布偏差、湿度分布のバラつきを示す湿度分布偏差、または気流速度のバラつきを示す気流速度偏差を算出する。制御部11は、温度分布偏差、湿度分布偏差、または気流速度偏差が最も小さい候補空調機器を推奨空調機器に特定する。なお、制御部11は、温度分布偏差、湿度分布偏差、及び気流速度偏差すべてに基づいて推奨空調機器を特定してもよい。
【0091】
図21は、実施形態4に係る情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び設置位置を取得する(S41)。制御部11は、空調機器テーブル121から候補空調機器の性能を読み出す(S42)。制御部11は、空間情報、設置位置、及び候補空調機器の性能をシミュレーションプログラムPsに入力し(S43)、シミュレーション結果を出力する(S44)。制御部11は、シミュレーション結果に基づいて温度分布偏差、湿度分布偏差、または気流速度偏差を算出する(S45)。制御部11は、温度分布偏差、湿度分布偏差、または気流速度偏差が最も小さい候補空調機器を推奨空調機器に特定する(S46)。制御部11は、推奨空調機器をユーザ端末2に送信(出力)し(S47)、処理を終了する。
【0092】
(実施形態5)
実施形態5に係る情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2から、ユーザが空調機器の設置を希望する部屋(空間)の内部を撮影した撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて、部屋の形状、部屋の広さ、部屋の用途、窓の位置、及び部屋の間取りを推定する。制御部11は、推定した部屋の形状、部屋の広さ、部屋の用途、窓の位置、及び部屋の間取り(空間情報)に基づいて、推奨空調機器を特定する。
【0093】
図22は、実施形態5に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施形態5に係る情報処理装置1の記憶部12は、物体検出モデルM4を記憶している。物体検出モデルM4の詳細については後述する。
【0094】
図23は、実施形態5に係るユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。実施形態5に係るユーザ端末2は、撮影部26を備える。ユーザ端末2がスマートフォンである場合、撮影部26は、スマートフォンに内蔵されているカメラによるものである。
【0095】
図24は、撮影画像の一例を示す説明図である。ユーザ端末2は、ユーザの操作により、部屋の内部の撮影画像を撮影し、情報処理装置1に送信する。撮影画像は、可能な限り部屋の内部の広範囲を撮影されたものが望ましい。なお、ユーザ端末2は、一の部屋に対して複数の撮影画像を撮影し、情報処理装置1に送信してもよい。
【0096】
図25は、物体検出モデルM4の一例を示す説明図である。物体検出モデルM4は、例えば、RCNN(Regions with Convolutional Neural Network)、Fast RCNN、Faster RCNN、SSD(Single Shot Multibook Detector)、又はYOLO(You Only Look Once)、等、撮影画像内に含まれる物体を検出する学習モデルである。物体検出モデルが例えばRCNN等の画像の特徴量を抽出するCNN(Convolutional Neural Network)を含むニューラルネットワークで構成される場合、物体検出モデルM4は、撮影画像の画素値の入力を受け付ける複数のニューロンを有し、入力された画素値を中間層に受け渡す。中間層は撮影画像の画像特徴量を抽出する複数のニューロンを有し、抽出した画像特徴量を出力層に受け渡す。出力層は、画像特徴量に基づき、撮影画像内における部屋の角、キッチンなどの設備、家具などの物体、及び窓などの位置を出力する。
【0097】
情報処理装置1の制御部11は、物体検出モデルM4によって出力された部屋の角の位置に基づいて、部屋の形状を推定する。なお、制御部11は、ユーザ端末が備えるLidar(Light Detection And Ranging)、または赤外線センサなどの機能により測定された部屋内の距離、あるいはSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術によるマッピングに基づいて部屋の形状を推定してもよい。また、制御部11は、設備及び物体の位置に基づいて、部屋の広さ、部屋の用途、及び部屋の間取りを推定する。さらに、制御部11は、撮影画像内における窓の位置に基づいて、部屋内における窓の位置を推定する。また、情報処理装置1の制御部11は、撮影画像内における部屋の角及び窓の位置に基づいて、空調機器の設置が可能な設置可能位置を特定する。具体的には、制御部11は、壁面における一定面積以上の窓が存在しない平面を設置可能位置として特定する。なお、制御部11は、エアーコンディショナー用のコンセントが存在する箇所を設置可能位置として特定してもよい。
【0098】
図26は、実施形態5に係る設置位置入力受付画面の一例を示す説明図である。情報処理装置1の制御部11は、特定した設置可能位置をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2の端末制御部21は、表示部25に撮影画像を表示させるとともに、情報処理装置1から取得した設置可能位置を撮影画像上に表示させる。
図26Aは、設置可能位置表示画面を示す。設置可能位置は、例えば、
図26Aに示すように、斜線が表示されることによって示される。
図26Bは、設置位置の表示画面を示す。設置位置は、例えば、
図26Bに示すように、ユーザが空調機器の設置を希望する位置を囲むようになぞることによって入力される。
【0099】
図27は、実施形態5に係る情報処理装置1の制御部11及びユーザ端末2の端末制御部21の処理の一例を示すフローチャートである。ユーザ端末2の端末制御部21は、撮影部26に部屋の内部の画像を撮影させ(S51)、撮影した画像(撮影画像)を情報処理装置1に送信する(S52)。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2から部屋の内部の撮影画像を取得(受信)する(S53)。制御部11は、撮影画像を物体検出モデルM4に入力し(S54)、撮影画像内における部屋の角、設備、物体、及び窓の位置を出力する(S55)。制御部11は、S55において出力された撮影画像内における部屋の角、設備、及び物体の位置に基づいて、部屋の容積、部屋の広さ、部屋の用途、部屋の形状(部屋の平面図形)及び部屋の間取りを推定する(S56)。制御部11は、撮影画像内における窓の位置に基づいて、部屋の平面図形における窓の位置を推定する(S57)。制御部11は、部屋の角及び窓の位置に基づいて、撮影画像における空調機器の設置が可能な設置可能位置を特定する(S58)。制御部11は、S58において特定した空調機の設置可能位置をユーザ端末2に送信(出力)する(S59)。ユーザ端末2の端末制御部21は、設置可能位置を情報処理装置1から取得(受信)し(S60)、表示部25に、設置可能位置を撮影画像上に表示させる(S61)。端末制御部21は、ユーザから撮影画像における空調機器の設置位置の入力を受け付け(S62)、入力を受け付けた撮影画像における設置位置を情報処理装置1に送信する(S63)。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2から撮影画像における設置位置を受信する(S64)。制御部11は、撮影画像における設置位置に基づいて、部屋の平面図形における設置位置を推定する(S65)。制御部11は、S56及びS57において推定した空間情報及びS65おいて推定した部屋の平面図形における設置位置を、実施形態2と同様に空調機器推奨モデルM1に入力する(S66)。なお、本実施形態における、空調機器推奨モデルM1に入力される空間情報には、部屋の容積が含まれる。制御部11は、各候補空調機器が推奨空調機器となる確度を出力し(S67)、該確度が最も高い候補空調機器を推奨空調機器に特定する(S68)。制御部11は、特定した推奨空調機器をユーザ端末2に送信し(S69)、処理を終了する。ユーザ端末2の端末制御部21は、情報処理装置1から推奨空調機器を取得(受信)し(S70)、受信した推奨空調機器を表示部25に表示させて(S71)処理を終了する。なお、制御部11は、撮影画像に後述する空調機器のAR画像を表示させることによって、表示部25に推奨空調機器を表示させてもよい。また、実施形態3において述べられた付帯機器のAR画像が撮影画像に表示されてもよい。
【0100】
(実施形態6)
実施形態6に係る情報処理装置1の制御部11は、推奨空調機器の3次元画像データをユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、撮影部26によって撮影された画像に推奨空調機器の3次元画像データをAR(Augmented Reality)表示し、ユーザに対して推奨空調機器を部屋内に取り付けた際のイメージを提供する。
【0101】
図28は、実施形態6に係るユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。実施形態6に係るユーザ端末2は、実施形態5に係るユーザ端末2と同様に撮影部26を備える。
【0102】
図29は、実施形態6に係る空調機器テーブル121の一例を示す説明図である。実施形態6に係る空調機器テーブル121は、3次元画像データフィールドを含む。3次元画像データフィールドには、空調機器の外観を示す3次元画像データが、例えば、ファイル形式で格納されている。
【0103】
情報処理装置1の制御部11は、実施形態1、2、または4に示す方法によって推奨空調機器を特定後、推奨空調機器の3次元画像データをユーザ端末2に送信する。
【0104】
図30は、空調機器のAR表示を説明する説明図である。
図30Aは、撮影部26による撮影画像の表示画面を示す。ユーザ端末2の端末制御部21は、撮影部26によって撮影された部屋の内部の撮影画像を表示部25に表示させる。入力部24は、
図30Aに示す画面において、ユーザが空調機器の設置を希望する設置位置の入力を受け付ける。
【0105】
図30Bは、設置位置の表示画面を示す。端末制御部21は、表示部25に、
図30Aに示す画面において入力部24が入力を受け付けた設置位置を撮影画像上に表示させる。設置位置は、例えば、
図30Bに示すように、ユーザが空調機器の設置を希望する位置を囲むようになぞることによって入力される。また、端末制御部21は、表示部25に、AR表示を指示するためのコマンドを表示させる。
【0106】
図30Cは、推奨空調機器のAR表示画面を示す。ユーザ端末2の端末制御部21は、
図30BにおいてAR表示を指示するコマンドが入力されると、表示部25に、情報処理装置1から取得した推奨空調機器の3次元画像データに基づいて、撮影画像内の設置位置に推奨空調機器の3次元画像を表示させる。
【0107】
(実施形態7)
実施形態7に係る情報処理装置1の制御部11は、空間情報と位置情報とに基づいて候補空調機器を抽出し、抽出した各候補空調機が設置された場合の空間内の快適性(例えば、不快指数)を、シミュレーションプログラムを用いて評価する。制御部11は、評価された快適性に基づいて、候補空調機器から推奨空調機器を抽出する。
【0108】
図31は、実施形態7に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。実施形態4に係る情報処理装置1の記憶部12は、シミュレーションプログラムPs(シミュレーター)を記憶している。
【0109】
図32は、実施形態7に係る情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。制御部11は、ユーザ端末2から空間情報及び設置位置を取得する(S81)。制御部11は、空調機器テーブル121から候補空調機器の性能を読み出す(S82)。制御部11は、空間情報、設置位置、及び候補空調機器の性能をシミュレーションプログラムPsに入力し(S83)、シミュレーション結果を出力する(S84)。制御部11は、シミュレーション結果に基づいて、設置される空間内における空調機器の設置位置からの最遠点の、空調開始から所定時間経過後の推定温度及び推定湿度を算出する(S85)。制御部11は、算出された推定温度及び推定湿度に基づいて推定不快指数を算出する(S86)。制御部11は、候補空調機器から、推定不快指数が所定値未満である空調機器を推奨空調機器に特定する(S87)。制御部11は、推奨空調機器をユーザ端末2に送信(出力)し(S88)、処理を終了する。
【0110】
制御部11は、シミュレーション結果に基づいて空調機器が設置される空間内の平均推定温度及び平均推定湿度を算出し、平均推定温度及び平均推定湿度に基づいて推定不快指数を算出してもよい。また、制御部11は、各空調機の試験空間で実測された温度分布または湿度分布に関する試験データに基づいて、空調機器が設置される空間内における推定不快指数を算出してもよい。
【0111】
制御部11は、シミュレーション結果に基づいて空間内において空調機の気流が到達する領域の割合を算出し、算出した気流が到達する領域の割合に基づいて各候補空調機器の快適性を評価してもよい。また、制御部11は、空調機が備える赤外線温度センサの有無などを含む機能に基づいて快適性を評価してもよい。加えて、制御部11は、各候補空調機器に係る推定温度及び推定湿度に基づいて評価される第1の快適性、気流が到達する領域の割合に基づいて評価される第2の快適性、または機能に基づいて評価される第3の快適性のうち複数の快適性に基づいて、各候補空調機器が空間に設置された場合の総合的な快適性を評価してもよい。
【0112】
(変形例)
推奨空調機器表示画面において、推奨空調機器を設置する際の工賃、または設置完了までの納期が表示されてもよい。
【0113】
空間情報には、部屋(空間)における換気扇の種類及び位置、または通気口の位置が含まれてもよい。
【0114】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0115】
1 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
12a 記憶媒体
13 通信部
2 ユーザ端末
21 端末制御部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
26 撮影部
121 空調機器テーブル
123 必要機能テーブル
124 理由テーブル
125 付帯機器テーブル
M1 空調機器推奨モデル
M2 付帯機器推奨モデル
M3 推奨設置箇所特定モデル
M4 物体検出モデル
N ネットワーク
P プログラム
Pa アプリプログラム
Ps シミュレーションプログラム
S 空調機器推奨システム
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における、ユーザが入力した設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記空間情報は、前記空間の形状に関する情報を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記空間情報は、前記空間における窓の位置、前記空間の広さ、前記空間の間取り、前記空間を備える建物が存在する地域、前記建物の種類、または前記建物内における前記空間の位置に関する情報を含む
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記空間情報は、前記空間の用途に関する情報を含む
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の気流性能に基づき、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記推奨空調機器を特定した理由を出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記空間の形状が所定形状である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記空間の用途が所定用途である場合、温度センシング機能または人検知機能を有する前記推奨空調機器を特定する
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記推奨空調機器に加えて、さらに設置を推奨するエアーコンディショナー、空気清浄機、サーキュレータ、扇風機、またはファンを含む推奨付帯機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨付帯機器の推奨設置箇所を特定する
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記空間情報、前記設置位置、及び前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器の性能をシミュレーターに入力し、
前記シミュレーターから得られる前記空間内の温度、湿度、または気流の状態に基づいて、前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項12】
前記空間情報及び前記設置位置を入力した場合に前記推奨空調機器を出力するように学習された学習モデルに、前記空間情報及び前記設置位置を入力し、前記推奨空調機器を出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項13】
前記空間の形状を示す、相互に形状が異なる複数の空間形状を示すアイコンを含むアイコン群を選択可能に出力し、
選択された前記空間形状に対応する前記空間の平面図形を出力し、
出力した前記平面図形上において前記空調機器の前記設置位置の入力を受け付け、
受け付けた前記設置位置に前記空調機器のアイコンを出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項14】
前記空間の撮影画像を取得し、
取得した前記撮影画像に基づいて、前記空間の形状及び容積を含む前記空間情報を推定し、
推定した前記空間情報、及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記撮影画像内において、前記空調機器の設置可能位置を出力し、
前記設置可能位置内において前記設置位置の入力を受け付け、
推定した前記空間情報、及び入力を受け付けた前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器を特定する
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記空間の撮影画像を取得し、
前記撮影画像内に、特定された前記推奨空調機器の仮想オブジェクトをAR表示する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項17】
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、前記推奨空調機器の候補となる候補空調機器が前記空間に設置された場合の前記空間における快適性を評価し、
評価された快適性に基づいて、前記候補空調機器の中から前記推奨空調機器を特定する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項18】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における、ユーザが入力した設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
情報処理方法。
【請求項19】
空調機器を設置する空間の空間情報を取得し、
前記空調機器の前記空間における、ユーザが入力した設置位置を取得し、
前記空間情報及び前記設置位置に基づき、推奨空調機器を特定する
制御部
を備える情報処理装置。