(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048421
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層物
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20240402BHJP
C08G 18/67 20060101ALI20240402BHJP
C08G 18/79 20060101ALI20240402BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
C08F290/06
C08G18/67
C08G18/79 010
B32B27/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154307
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大河 亮太
(72)【発明者】
【氏名】平崎 正和
【テーマコード(参考)】
4F100
4J034
4J127
【Fターム(参考)】
4F100AH03A
4F100AH03H
4F100AK25A
4F100AK25J
4F100AK51A
4F100AK51J
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4F100CA02H
4J034FA01
4J034FA02
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4J127CB281
4J127CC091
4J127CC121
4J127CC291
4J127FA08
(57)【要約】
【課題】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層物を提供すること。
【解決手段】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、前記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群の反応物であり、硫黄含有量は、950ppm以下である、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群の反応物であり、
硫黄含有量は、950ppm以下である、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物。
【請求項3】
請求項2に記載の硬化物を含む、積層物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線によりコーティング層を形成するため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、耐湿熱試験の前後において、クラック及び黄変が少ない硬化物を製造するための活性エネルギー線硬化性組成物を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、特定の成分を用いることにより、上記課題が解決されることを見出した。
【0005】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群の反応物であり、
硫黄含有量は、950ppm以下である、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
(項目2)
上記項目に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物。
(項目3)
上記項目に記載の硬化物を含む、積層物。
【0006】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0007】
本開示の活性エネルギー線硬化性組成物を用いることにより、耐湿熱試験の前後において、クラック及び黄変が少ない硬化物を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αの例示がA3、A2、A1(A3>A2>A1とする)である場合、数値αの範囲は、例えば、A3以下、A2以下、A3未満、A2未満、A1以上、A2以上、A1より大きい、A2より大きい、A1~A2(A1以上A2以下)、A1~A3、A2~A3、A1以上A3未満、A1以上A2未満、A2以上A3未満、A1より大きくA3未満、A1より大きくA2未満、A2より大きくA3未満、A1より大きくA3以下、A1より大きくA2以下、A2より大きくA3以下等が挙げられる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が解決される限り、成分、条件、数値等は、明細書の記載に限定されない。
【0010】
「αβ量(A/B)」は、B100αに対するAのβ量(α)を意味する。αは、例えば、質量%、モル%、質量部等が挙げられる。β量は、例えば、含有量、使用量等が挙げられる。αβ量は、例えば、質量%含有量等が挙げられる。
【0011】
「γ比(A/B)」は、式「A÷B」により算出されるγ比を意味する。γ比は、例えば、質量比、モル比等が挙げられる。
【0012】
本開示において「不揮発分」は、有機溶剤及び水以外の成分の合計質量を意味する。1つの実施形態において、対象物Aの不揮発分は、対象物A 1gを105℃で加熱して恒量に達した時点で残存した成分の合計質量とする。
【0013】
「(メタ)アクリル」は、「アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル及びメタクリロイルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。
【0014】
「ポリ(メタ)アクリレート」は、2個以上(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
【0015】
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物:組成物]
本開示は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群の反応物であり、
硫黄含有量は、950ppm以下である、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
【0016】
<ウレタン(メタ)アクリレート>
ウレタン(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0017】
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群の反応物が挙げられる。
【0018】
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0019】
「ポリイソシアネート」は、2個以上のイソシアネート基(-N=C=O)を有する化合物を意味する。
【0020】
ポリイソシアネートは、例えば、直鎖脂肪族ポリイソシアネート、分岐脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート並びにこれらのビウレット体、イソシアヌレート体(ヌレート体)、アロファネート体、アダクト体等が挙げられる。
【0021】
直鎖脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0022】
分岐脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ジエチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルブチレンジイソシアネート、トリメチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0023】
脂環族ポリイソシアネートは、例えば、単環脂環族ポリイソシアネート、架橋環脂環族ポリイソシアネート、縮合環脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0024】
単環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、水添キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、シクロヘプチレンジイソシアネート、シクロデシレンジイソシアネート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0025】
架橋環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、トリシクロデシレンジイソシアネート、アダマンタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
縮合環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、ビシクロデシレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0027】
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、単環芳香族ポリイソシアネート、縮合環芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0028】
単環芳香族ポリイソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート等のジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネート等のテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
縮合環芳香族ポリイソシアネートは、1,5-ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0030】
1つの実施形態において、ポリイソシアネートは、好ましくは、脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、より好ましくは、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。
【0031】
質量%含有量(ポリイソシアネート/化合物群)は、例えば、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、5質量%~50質量%が挙げられる。
【0032】
(水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレート)
水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0033】
1つの実施形態において、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートは、エステル交換法により製造される。
【0034】
(ポリ)(メタ)アクリレートの製造方法は、エステル交換法と脱水エステル法の2種類が挙げられる。
【0035】
「エステル交換法」は、(メタ)アクリル酸エステルと原料アルコールとを反応させる方法を意味する。「脱水エステル法」は、(メタ)アクリル酸と原料アルコールとを反応させる方法を意味する。
【0036】
エステル交換法では、酸触媒(硫酸、パラトルエンスルホン酸)は使用されない。そのため、エステル交換法により製造された(ポリ)(メタ)アクリレートの硫黄含有量は小さくなる。
【0037】
1つの実施形態において、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートは、脱水エステル法により製造され、硫黄除去工程が行われる。
【0038】
硫黄除去工程は、例えば、吸着材法、昇華法等が挙げられる。
【0039】
「吸着材法」は、精製対象と吸着材とを接触させる方法を意味する。
【0040】
1つの実施形態において、吸着材は、好ましくは、無機材料が挙げられ、より好ましくは、無機酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、活性アルミナが挙げられる。
【0041】
1つの実施形態において、硫黄除去工程は、下記条件で行われ得る。
温度:-80℃~70℃
時間:0.5時間~30日
【0042】
1つの実施形態において、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートは、下記式で表される。
【化1】
(R
1~R
3は、それぞれ独立して、単結合、-O-C(=O)CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2-又はアルキレン基を表す。R
4~R
5は、それぞれ独立して、オキシ(メタ)アクリロイル基を表す。)
【0043】
アルキレン基は、例えば、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基等が挙げられる。
【0044】
直鎖アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デカメチレン基等が挙げられる。
【0045】
分岐アルキレン基は、例えば、ジエチルペンチレン基、トリメチルブチレン基、トリメチルペンチレン基、トリメチルヘキシレン基等が挙げられる。
【0046】
シクロアルキレン基は、例えば、単環シクロアルキレン基、架橋環シクロアルキレン基、縮合環シクロアルキレン基等が挙げられる。またシクロアルキレン基は、1つ以上の水素原子が直鎖又は分岐アルキル基によって置換されていてもよい。
【0047】
単環シクロアルキレン基は、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロデシレン基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0048】
架橋環シクロアルキレン基は、例えば、トリシクロデシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基等が挙げられる。
【0049】
縮合環シクロアルキレン基は、例えば、ビシクロデシレン基等が挙げられる。
【0050】
なお、アルキレン基には、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基を組み合わせた基も含まれる。前記組み合わせた基は、例えば、シクロアルキレンアルキレン基、アルキレンシクロアルキレンアルキレン基等が挙げられる。
【0051】
水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸プロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸カプロラクトン変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
質量%含有量(水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレート/化合物群)は、例えば、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、50質量%~95質量%が挙げられる。
【0053】
1つの実施形態において、モル比(水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートの水酸基/ポリイソシアネートのイソシアネート基)は、好ましくは、1~1.1が挙げられる。
【0054】
(その他の化合物)
1つの実施形態において、上記化合物群は、任意で、「ポリイソシアネート、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレート」以外の化合物(その他の化合物)を含み得る。
【0055】
その他の化合物は、例えば、ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0056】
1つの実施形態において、質量%含有量(その他の化合物/化合物群)は、好ましくは、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0057】
1つの実施形態において、質量%含有量(その他の化合物/ポリイソシアネート、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートのいずれか1つ)は、好ましくは、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0058】
(ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法等)
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法は、例えば、ポリイソシアネート並びに水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレートを含む化合物群を、無溶剤又は有機溶媒中、触媒存在下で反応させる方法等が挙げられる。
【0059】
触媒は、例えば、スズ化合物等が挙げられる。
【0060】
スズ化合物は、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズメルカプチド、オクチル酸スズ等が挙げられる。
【0061】
反応温度は、例えば、60℃~90℃等が挙げられる。
【0062】
質量%含有量(ウレタン(メタ)アクリレート/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物不揮発分)は、例えば、100質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、50質量%~100質量%が挙げられる。
【0063】
<ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレート>
1つの実施形態において、上記組成物は、任意でウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレートを含み得る。ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0064】
1つの実施形態において、ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレートは、エステル交換法により製造される。
【0065】
ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0066】
((ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート)
(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0067】
ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0068】
ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートは、例えば、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0069】
質量%含有量(ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレート/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物不揮発分)は、例えば、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~50質量%が挙げられる。
【0070】
<光重合開始剤>
1つの実施形態において、活性エネルギー線硬化性組成物は、任意で光重合開始剤を含み得る。光重合開始剤は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0071】
光重合開始剤は、例えば、α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤、α-ヒドロキシシクロアルキルフェノン、α-アミノアルキルフェノン、ベンジルジメチルケタール、無置換又は置換アルキルフェノン、無置換又は置換ベンジル、無置換又は置換ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド、置換チオキサントン、オキシムエステル等が挙げられる。
【0072】
α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤は、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0073】
α-ヒドロキシシクロアルキルフェノンは、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
【0074】
α-アミノアルキルフェノンは、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0075】
ベンジルジメチルケタールは、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0076】
無置換又は置換アルキルフェノンは、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-フェニル-2-(p-トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、ベンゾイン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-イソニトロソプロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0077】
無置換又は置換ベンジルは、例えば、ベンジル、p-アニシル等が挙げられる。
【0078】
無置換又は置換ベンゾフェノンは、例えば、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、1,4-ジベンゾイルベンゼン、2-ベンゾイル安息香酸、4-ベンゾイル安息香酸、2-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
【0079】
アシルホスフィンオキシドは、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0080】
置換チオキサントンは、例えば、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0081】
オキシムエステルは、例えば、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](すなわち2-((ベンゾイルオキシ)イミノ)-1-(4-(フェニルチオ)フェニル)オクタン-1-オン);
エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(すなわち1-(((1-(9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)エタン-1-オン)等が挙げられる。
【0082】
電子線硬化をする場合、光重合開始剤は必要ではない。
【0083】
質量%含有量(光重合開始剤/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物不揮発分)は、例えば、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、3質量%、1質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~15質量%が挙げられ、より好ましくは、1質量%~15質量%が挙げられる。
【0084】
<有機溶媒>
1つの実施形態において、活性エネルギー線硬化性組成物は、任意で有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0085】
有機溶媒は、例えば、ケトン溶媒、芳香族溶媒、アルコール溶媒、グリコール溶媒、グリコールエーテル溶媒、エステル溶媒、石油系溶媒、ハロアルカン溶媒、アミド溶媒等が挙げられる。
【0086】
ケトン溶媒は、例えば、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0087】
芳香族溶媒は、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0088】
アルコール溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
【0089】
グリコール溶媒は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0090】
グリコールエーテル溶媒は、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0091】
エステル溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0092】
石油系溶媒は、例えば、ソルベッソ#100(エクソン社製)、ソルベッソ#150(エクソン社製)等が挙げられる。
【0093】
ハロアルカン溶媒は、例えば、クロロホルム等が挙げられる。
【0094】
アミド溶媒は、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0095】
質量部含有量(有機溶媒/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物不揮発分)は、例えば、100質量部、75質量部、50質量部、25質量部、10質量部、0質量部等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量部~100質量部が挙げられる。好ましい理由は、例えば、塗工性等が挙げられる。
【0096】
<硫黄>
質量ppm含有量(硫黄/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)は、950ppm、900ppm、850ppm、800ppm、750ppm、700ppm、650ppm、600ppm、550ppm、500ppm、450ppm、400ppm、350ppm、300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm、90ppm、75ppm、50ppm、25ppm、15ppm、14ppm、13ppm、11ppm、10ppm、9ppm、7ppm、5ppm、3ppm、1ppm、0ppm等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、950ppm以下が挙げられ、より好ましくは、100ppm以下が挙げられる。
【0097】
硫黄含有量は、下記条件で測定され得る。
蛍光X線分析装置((株)リガク製 ZSX PrimusIV)を用いて測定する。含有量は酸化物換算した値を用いる。
<測定条件>
測定雰囲気:ヘリウム
試料形態:液体
測定範囲:F~U
測定径:30mm
測定時間:標準
測定前処理:液体試料容器に入れて、ポリプロピレン(PP)フィルムで覆う
定量方法:ファンダメンタルパラメータ法による半定量
蛍光X線分析装置で未検出(0ppm)となる場合、燃焼イオンクロマトグラフィー(日東精工アナリティック(株)製 AQF-2100H)を用いて測定する。
<測定条件>
・分離カラム:製品名『IonPac AS12A』、DIONEX社製(内径4mm、長さ200mm)
・ガードカラム:製品名『IonPac AG12A』、DIONEX社製(内径4mm、長さ50mm)
・測定前処理:なし
・定量方法:標準試料(Na2SO4)を用いた検量線法による定量
・燃焼する試料の固形重量:50mg
・燃焼後に発生したガスの吸収液量:10mL
・吸収液の内部標準試料(酒石酸ナトリウム2水和物)濃度:10ppm(酒石酸イオン濃度)
・吸収液中(過酸化水素水の水溶液)の過酸化水素濃度:90ppm
・溶離液:2.7mmol/L炭酸ナトリウム+0.3mmol/L炭酸水素ナトリウムの水溶液
・吸収液は超純水に希釈して調製
【0098】
<添加剤>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、任意で、「ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)(メタ)アクリレート、光重合開始剤、有機溶媒、硫黄」以外の剤(添加剤)を含み得る。
【0099】
添加剤は、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、表面調整剤、防汚染剤、顔料、金属酸化物微粒子分散体、有機微粒子分散体等が挙げられる。
【0100】
1つの実施形態において、質量%含有量(添加剤/活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)は、好ましくは、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0101】
1つの実施形態において、質量部含有量(添加剤/ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)(メタ)アクリレート、光重合開始剤、有機溶媒、硫黄のいずれか1つ)は、好ましくは、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0102】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート並びに必要に応じて(ポリ)(メタ)アクリレート、光重合開始剤、有機溶媒及び添加剤が、分散・混合されることにより製造され得る。
【0103】
分散・混合手段は、例えば、乳化分散機、超音波分散装置等が挙げられる。
【0104】
使用形態(活性エネルギー線硬化性組成物)は、例えば、コーティング剤等が挙げられる。
【0105】
[硬化物]
本開示は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物に関する。
【0106】
硬化条件は、例えば、下記条件等が挙げられる。
【0107】
[積層物]
本開示は、上記硬化物を含む、積層物に関する。
【0108】
上記積層物は各種公知の方法で製造される。1つの実施形態において、積層物の製造方法は、上記組成物を基材の少なくとも片面に塗工する工程(塗工工程)、活性エネルギー線を照射することにより、硬化物層を形成する工程(活性エネルギー線硬化工程)を含む。
【0109】
基材は、例えば、ガラス基材(透明ガラス、網入りガラス、型板ガラス、網入り型板ガラス、すりガラス、強化ガラス、複層ガラス、合わせガラス、Low-Eガラス等)、フッ素含有基材(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、ペルフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)等)、液晶ポリマー(LCP)基材(液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルエーテル、液晶ポリエステルカーボネート等)、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム(ポリメチルメタクリレートフィルム等)、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、エポキシ樹脂フィルム、メラミン樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ABSフィルム、ASフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、環状オレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等が挙げられる。
【0110】
1つの実施形態において、厚み(基材)は、好ましくは、10μm~2000μm等が挙げられる。
【0111】
1つの実施形態において、厚み(硬化物層)は、好ましくは、0.1μm~20μm等が挙げられる。
【0112】
(塗工工程)
塗工方法は、例えば、バーコーター塗工、アプリケーター塗工、ワイヤーバー塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、フローコート塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
【0113】
(活性エネルギー線硬化工程)
活性エネルギー線は、例えば、紫外線、電子線等が挙げられる。
【0114】
紫外線光源は、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0115】
高圧水銀灯を使用する場合、硬化条件は、好ましくは、下記条件等が挙げられる。
ランプ出力:25W/cm~160W/cm
UV照度:10mW/cm2~800mW/cm2
積算光量:25mJ/cm2~2000mJ/cm2
搬送速度:1m/分~50m/分
【0116】
電子線を使用する場合、硬化条件は、好ましくは、下記条件等が挙げられる。
加速電圧:10kV~300kV
搬送速度:5m/分~50m/分
【実施例0117】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の説明及び以下の実施例は、本発明を限定する目的で記載されていない。本発明は、特許請求の範囲のみにより限定される。以下特に説明がない限り、部、%等の数値は質量基準である。
【0118】
製造例1 ウレタン(メタ)アクリレート
撹拌装置、冷却管を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート(デスモジュールI 住化バイエルウレタン(株)製)23.6部、オクチル酸スズ0.03部、水酸基及びイソシアヌル環含有ポリ(メタ)アクリレート(アロニックスM923、東亜合成(株)製)を76.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02部仕込んだ後、1時間かけて、系内の温度を85℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタン(メタ)アクリレートを得た(不揮発分100%)。
【0119】
特段言及がない限り、下記例は、表のように変更した以外は、製造例1と同様にして行った。
【0120】
実施例1 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
製造例1のウレタンアクリレート 50部、アロニックスM923 50部、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという)を5部、不揮発分割合で混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を製造した。
【0121】
特段言及がない限り、下記例は、表のように変更した以外は、実施例1と同様にして行った。
【0122】
【0123】
<略称の説明>
IPDI:イソホロンジイソシアネート
M923:アロニックスM923、東亜合成(株)製、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、エステル交換法、不揮発分100%
M215:アロニックスM215、東亜合成(株)製、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、脱水エステル法、不揮発分96%
M933:アロニックスM933、東亜合成(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、エステル交換法、不揮発分100%
M305:アロニックスM305、東亜合成(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、脱水エステル法、不揮発分100%
「IPDI-M923」は、イソホロンジイソシアネートとアロニックスM923とを反応させて得られるウレタンアクリレートを意味する。
【0124】
硫黄含有量
蛍光X線分析装置((株)リガク製 ZSX PrimusIV)を用いて測定した。含有量は酸化物換算した値を用いた。
<測定条件>
測定雰囲気:ヘリウム
試料形態:液体
測定範囲:F~U
測定径:30mm
測定時間:標準
測定前処理:液体試料容器に入れて、ポリプロピレン(PP)フィルムで覆う
定量方法:ファンダメンタルパラメータ法による半定量
蛍光X線分析装置で未検出(0ppm)となった場合、燃焼イオンクロマトグラフィー(日東精工アナリティック(株)製 AQF-2100H)を用いて測定した。
<測定条件>
・分離カラム:製品名『IonPac AS12A』、DIONEX社製(内径4mm、長さ200mm)
・ガードカラム:製品名『IonPac AG12A』、DIONEX社製(内径4mm、長さ50mm)
・測定前処理:なし
・定量方法:標準試料(Na2SO4)を用いた検量線法による定量
・燃焼する試料の固形重量:50mg
・燃焼後に発生したガスの吸収液量:10mL
・吸収液の内部標準試料(酒石酸ナトリウム2水和物)濃度:10ppm(酒石酸イオン濃度)
・吸収液中(過酸化水素水の水溶液)の過酸化水素濃度:90ppm
・溶離液:2.7mmol/L炭酸ナトリウム+0.3mmol/L炭酸水素ナトリウムの水溶液
・吸収液は超純水に希釈して調製
【0125】
積層物の製造
ガラス基材(日本テストパネル(株)製:標準試験片)上に、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、硬化物層の膜厚が800μmとなるようにアプリケーター等の公知の塗工装置にて塗布した。次いで、紫外線硬化装置(製品名:UBT-080-7A/BM、(株)マルチプライ製、高圧水銀灯200mJ/cm2)を使用し、窒素雰囲気中で紫外線を照射することで、硬化物を含む積層物を得た。
【0126】
黄変
積層物製造直後において、色差計(商品名:ZE 6000 日本電色工業(株)製)により、イエローインデックス値(YI値)を測定した。次いで、下記条件で恒温恒湿槽中に積層物を静置した後、再度イエローインデックス値(YI値)を測定した。
温度:85℃
湿度:85%
時間:200時間
【0127】
クラック
積層物製造直後及び耐湿熱試験後において、下記基準で評価した。
○:割れなし
△:1~3本の割れ有
×:3本を超える割れ有